JPH0911353A - 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法

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JPH0911353A
JPH0911353A JP16359395A JP16359395A JPH0911353A JP H0911353 A JPH0911353 A JP H0911353A JP 16359395 A JP16359395 A JP 16359395A JP 16359395 A JP16359395 A JP 16359395A JP H0911353 A JPH0911353 A JP H0911353A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
tubular body
fiber
layer
reinforced thermoplastic
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JP16359395A
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Inventor
Koichi Adachi
浩一 足立
Mitsuo Sasakura
満雄 笹倉
Hisao Ikeda
尚夫 池田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】生産ラインを長くすることなく、熱融着の効率
を上げ、製造すべき管の口径が大きくなっても、生産速
度を上げても、従来と変わりのない性能の管を生産効率
よく製造することができる繊維強化熱可塑性樹脂複合管
の製造方法を提供する。 【構成】熱可塑性樹脂管P1の外周面に、繊維強化熱可
塑性樹脂層P2を積層して2層以上の多層管状体Qを形
成した後、その多層管状体Qを減圧加熱炉18内に導い
て多層管状体Qの外側の減圧条件下にて加熱し、熱可塑
性樹脂管P1と繊維強化熱可塑性樹脂層P2とを融着一
体化する工程を包含する繊維強化熱可塑性樹脂複合管の
製造方法であって、前記減圧加熱炉18としてその内面
に熱放射率が0.65以上である高熱放射率層を有する
ものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば、熱可塑性樹脂
管を内層とし、その外周面に繊維強化熱可塑性樹脂層を
積層して2層以上の多層とされた繊維強化熱可塑性樹脂
複合管の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化樹脂複合管であって、内面に熱
可塑性樹脂よりなる層を有する繊維強化樹脂複合管は、
錆びることがなく、強度的にも優れ、水やガス等の流体
を輸送する配管、電気配線用に用いられる配管、構造用
部材等として広く用いられている。
【0003】従来、繊維強化複合管は、内層である熱可
塑性樹脂管の外面に液状の熱硬化性樹脂を含浸させた強
化繊維をマンドレル上に巻き付け、熱硬化性樹脂を硬化
させた後マンドレルを抜き取る方法(フィラメントワイ
ンディング法)により製造されている(例えば、特公昭
62─773号公報参照)。
【0004】この種の繊維強化樹脂複合管は、界面の接
着力が弱く、繊維強化樹脂複合管を冷熱繰り返し条件下
等で使用すると、内層と繊維強化樹脂層との線膨張率の
差により、界面剥離を引き起こすという問題点がある。
【0005】この問題点を解決するため、例えば、特開
平6─218841号公報に記載の如く、繊維強化樹脂
層を形成する樹脂として熱可塑性樹脂を用い、更に内層
の熱可塑性樹脂層と繊維強化樹脂層との融着力を強固に
した繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法が知られて
いる。
【0006】この方法では、内層である熱可塑性樹脂よ
りなる管の外面に繊維強化樹脂複合体よりなる強化層を
巻き付けて積層して多層管状体となし、その多層管状体
を融着する際に、多層管状体の内側雰囲気の加圧もしく
は外側雰囲気の減圧のいずれか、又はその両方雰囲気下
に多層管状体を曝して加熱し、熱可塑性樹脂よりなる管
と繊維強化樹脂複合体とを強固に融着一体化する方法が
提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法の場合には、その多層管状体を熱融着する際に、多層
管状体の内側雰囲気の加圧もしくは外側雰囲気の減圧の
いずれか、又はその両方雰囲気下に多層管状体を曝して
加熱するために、従来の加熱方法と比較して、多層管状
体に熱が伝わりにくく、加熱の熱量を多くしても、成形
速度を上げることに限界があり、特に成形すべき複合管
の口径が大きくなるにつれてその傾向が顕著になる。
又、連続成形ラインでは、加熱炉の長さを長くする方法
も考えられるが、生産ラインが長くなり、設備投資が多
くなると同時に、長時間加熱するため、熱可塑性樹脂が
熱分解してしまうという問題点がある。
【0008】本発明は、上記の如き従来の問題点を解消
し、生産ラインを長くすることなく、熱融着の効率を上
げ、製造すべき管の口径が大きくなっても、生産速度を
上げても、従来と変わりのない性能の管を生産効率よく
製造することができる繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製
造方法を提供することを目的としてなされたものであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
管の外周面に、繊維強化熱可塑性樹脂層を積層して2層
以上の多層管状体を形成した後、その多層管状体を減圧
加熱炉内に導いて多層管状体の外側の減圧条件下にて加
熱し、熱可塑性樹脂管と繊維強化熱可塑性樹脂層とを融
着一体化する工程を包含する繊維強化熱可塑性樹脂複合
管の製造方法であって、前記減圧加熱炉としてその内面
に熱放射率が0.65以上である高熱放射率層を有する
ものを用いる繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法で
ある。
【0010】本発明において用いられる減圧加熱炉は、
内面に熱放射率が、0.65以上である高熱放射率層を
有するものが使用され、0.85以上である高熱放射率
層を有するものが更に効果が大きくなるので好ましい。
【0011】ここでいう熱放射率とは、熱輻射率ともい
われ、物体の熱放射の放射発散度と、同温度の黒体(b
lack body)の熱放射の放射発散度の比で表さ
れるもので、黒体の1.0に近いほど熱放射発散度が大
きいものである。熱放射率が0.65未満であると、熱
放射率が小さいため、熱放射量が少なく、減圧雰囲気下
での熱伝達が不十分となり効率的に熱可塑性樹脂管と繊
維強化熱可塑性樹脂層とを熱融着することができない。
【0012】熱放射率が0.65以上の物質としては、
例えば、C(黒鉛)、Fe(酸化膜)、Ni(酸化
膜)、CuO、FeO、NiO、SiO、TiO、Zr
C等が挙げられる。減圧加熱炉の形状としては、多層管
状体を加熱するため、通常は円筒状がよいがこれに限定
されることはない。
【0013】減圧加熱炉の内面に熱放射率が0.65以
上の高熱放射率層を設ける方法としては、上記物質成分
を有する塗料等を塗布した後乾燥させることにより高熱
放射率層を設ける方法や、鉄やニッケル等を減圧加熱炉
の内面に焼き付けて、Fe(酸化膜)、Ni(酸化
膜)、FeO、NiO層を設ける方法等が挙げられる。
又、上記層を内面に有する円筒状体等を減圧加熱炉の内
面に積層(接着)してもよい。
【0014】熱放射率が0.65以上の高熱放射率層の
厚みとしては、5μm以上が好ましい。厚みが0.5μ
mより薄いと、加熱炉に与えられた熱を、多層管状体に
伝えにくい。厚みの上限は特に限定されないが、100
μmを超えると、減圧加熱炉内の熱放射量が増加するこ
とがなく、コストが高くなるだけであるので、100μ
m以下が好ましい。減圧加熱炉本体は、通常の安価な金
属製のものでよく、例えば鉄製のもの等が挙げられる。
【0015】減圧加熱炉の減圧力としては、通常500
mmHg以上が好ましく、600mmHg以上が更に好
ましい。減圧力が500mmHg未満だと、多層管状体
に十分な積層圧力が与えられない。
【0016】減圧加熱炉の加熱温度としては、多層管状
体の熱可塑性樹脂管と繊維強化熱可塑性樹脂層の熱可塑
性樹脂のビカット軟化温度〜熱分解温度が好ましく、上
記樹脂の押出、射出成形等における成形温度付近とする
のが更に好ましい。加熱温度が上記樹脂のビカット軟化
温度未満であると、多層管状体外側を500mmHg以
上の減圧力となるような減圧下に加熱しても、多層管状
体の熱可塑性樹脂管と繊維強化熱可塑性樹脂層間が熱融
着せず、熱分解温度を超えると、得られる管の性能が悪
くなる。
【0017】尚、ビカット軟化点とは、JIS K 7
206に準じて測定したものをいう。熱可塑性樹脂のビ
カット軟化温度は、例えば、ポリ塩化ビニルでは約65
〜85℃、塩素化ポリ塩化ビニルでは約95〜120℃
である。又、熱融着とは、双方の熱可塑性樹脂を溶融状
態になるまで加熱した上で圧着し、冷却後、融着した界
面が容易に破断しないことをいう。
【0018】本発明において、熱可塑性樹脂としては、
得られる管の使用目的に適した熱可塑性樹脂が使用され
るが、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポ
リアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルファ
イド、ポリスルホン、ポリエーテルエーテルケトン等が
挙げられる。
【0019】これらの熱可塑性樹脂は単独で使用されて
もよいし2種以上併用されてもよい。熱可塑性樹脂中に
は、必要に応じて、熱安定剤、可塑剤、滑剤、酸化防止
剤、紫外線吸収剤、顔料、無機充填剤、強化繊維等の添
加剤、充填剤、加工助剤、改質剤等が添加されてもよ
い。
【0020】本発明において、繊維強化熱可塑性樹脂層
を熱可塑性樹脂管の外周面に積層する際の形態として
は、連続繊維の繊維間に熱可塑性樹脂粉末が付着・融着
された、テープ状、紐状等の帯状体が通常巻き付け易い
ので好ましい。本発明において、繊維強化熱可塑性樹脂
層を形成する連続繊維の材質としては、例えば、ガラス
繊維、カーボン繊維等の無機繊維、アラミド繊維、ビニ
ロン繊維、ポリエステル繊維等の有機繊維などが挙げら
れる。連続繊維の形態としては、例えば、モノフィラメ
ント、ロービング状、ストランド状、クロス状、網状、
ネット状等が挙げられる。
【0021】連続繊維を構成する単繊維の太さは、太す
ぎると繊維間に熱可塑性樹脂が保持されない部分が発生
し、細すぎると切断することがあるので、1〜100μ
mが好ましく、3〜50μmが更に好ましい。
【0022】帯状体中の連続繊維の量は、多すぎると繊
維間に保持する熱可塑性樹脂の量が少なくなり、少なす
ぎると補強効果が生じないので、3〜70重量%が好ま
しく、10〜50重量%が更に好ましい。
【0023】帯状体の製造方法としては、例えば、次の
方法を採用することができる。 多数のフィラメントよりなるロービング状、ストラ
ンド状、クロス状、ネット状、網状等の連続繊維を、粉
体状熱可塑性樹脂の流動床中を順次通過させ、繊維間に
粉体状熱可塑性樹脂を付着させた後、加熱して連続繊維
と熱可塑性樹脂を一体化する方法。
【0024】 上記同様の連続繊維を熱可塑性樹脂の
エマルジョン中を通過させて、繊維間にエマルジョンを
含浸させ、次いで、熱可塑性樹脂の溶融温度以上に加熱
して、連続繊維と熱可塑性樹脂を一体化する方法。
【0025】 溶融粘度が低い熱可塑性樹脂の場合に
は、溶融熱可塑性樹脂を満たした槽中を上記同様の連続
繊維を浸漬するようにして通過させることにより、繊維
間に熱可塑性樹脂を付着固化さる方法。 上記同様の連続繊維上に熱可塑性樹脂フィルム積層
し、加熱圧着する方法。
【0026】以下、本発明の例を図面を参照して説明す
る。図1は、本発明の一例の工程を製造装置とともに説
明する正面図、図2は減圧加熱炉の部分を示す断面図、
図3は得られる繊維強化熱可塑性樹脂複合管を示す一部
切欠き斜視図である。
【0027】まず、製造装置について説明する。製造装
置は、内層となる熱可塑樹脂管を押し出す押出機11
と、押出機11の先端に装着された押出金型12と、押
出金型12の下流側の上下に配設されたシート状帯状体
A1又はA2が装着された巻戻しロール13,14と、
テープ状帯状体B1又はB2が巻かれた巻回装置15,
16と、真空ポンプ17にて減圧可能とされた減圧加熱
炉18と、必要に応じて外層となる熱可塑性樹脂を押出
機19より押し出して外層を被覆するクロスヘッドダイ
20と、第2サイジング装置21と、引取機22とが順
次配列されたものである。
【0028】減圧加熱炉18には、入口に多層管状体を
通過させる通孔を有するシールゴム181が設けられ、
内面に熱放射率が0.65以上の高熱放射率層182が
設けられ、外周にヒーター183が設けられ、外方から
内部に通じる減圧口184が設けられている。
【0029】次に、この製造装置を用いた本発明の一例
の工程を説明する。熱可塑性樹脂を押出機11にて溶融
混練して押出金型12より内層となる熱可塑性樹脂管P
1を連続的に押し出す。
【0030】この熱可塑性樹脂管P1の外周面に、その
上下より2枚のシート状帯状体A1,A2にて連続繊維
が軸方向に沿うように軸方向強化層P21を積層し、更
にその外周面に長手方向に配された連続繊維に熱可塑性
樹脂が保持されたテープ状帯状体B1,B2を巻回装置
15,16により張力を与えながら相互の傾斜角度が反
対となるように略周方向に巻き付けて周方向強化層P2
2を形成し、軸方向強化層P22と周方向強化層P22
とからなる繊維強化熱可塑性樹脂層P2を積層した多層
管状体Qとする。
【0031】この多層管状体Qを減圧加熱炉18内に導
入し、真空ポンプ17にて多層管状体Q外側を500m
mHg以上の減圧力となるような減圧状態となし、ヒー
ター183にて熱可塑性樹脂管P1及び繊維強化熱可塑
性樹脂層P2の熱可塑性樹脂のビカット軟化点〜熱分解
温度の温度に加熱する。
【0032】この際、多層管状体Q外側を減圧状態とな
すことにより、多層管状体Q全体に膨張圧力が作用し、
熱可塑性樹脂管P1、軸方向強化層P22及び周方向強
化層P22の各界面が密着状態となる。そして、減圧加
熱炉18の内面には熱放射率が0.65以上の高熱放射
率層182が設けられていることにより、減圧状態下で
も各層の熱可塑性樹脂にヒーター183により加熱した
熱が伝わって、各層の熱可塑性樹脂が溶融一体化する。
【0033】引き続いて、この多層管状体Qを、必要に
応じてクロスヘッドダイ20内に導き、多層管状体Qの
外周面に、熱可塑性樹脂を押出機19にて溶融混練し押
出し被覆して外層P3を形成する。
【0034】この多層管状体をサイジング装置21内を
通過させて冷却を行う。これにより、各層の熱可塑性樹
脂が熱融着する。上記のような上記一連の工程を引取機
22にて引き取りつつ行い、図示しない切断機にて適宜
長さに切断して、図3に示すような繊維強化熱可塑性樹
脂複合管を連続的に製造する。又、本発明の繊維強化熱
可塑性樹脂複合管の製造方法は、上記のような連続製造
だけでなく、バッチ式の製造方法としてもよい。
【0035】
【作用】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方
法は、減圧加熱炉としてその内面に熱放射率が0.65
以上である高熱放射率層を有するものを用いることによ
り、減圧加熱炉内において、多層管状体全体に膨張圧力
が作用し、熱可塑性樹脂管と繊維強化熱可塑性樹脂層間
が密着状態となるが、減圧状態下でも各層の熱可塑性樹
脂に加熱した熱が伝わって、各層の熱可塑性樹脂が溶融
一体化して、その後冷却工程を経て熱融着することがで
きるので、生産ラインを長くすることなく、熱融着の効
率を上げ、製造すべき管の口径が大きくなっても、生産
速度を上げても、従来と変わりのない界面接着強度が優
れた繊維強化熱可塑性樹脂複合管を製造することができ
る。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施例1 (1)シート状帯状体及びテープ状帯状体の製造 直径23μmのフィラメントより構成されるロービング
状のガラス繊維束(4,400tex)を、粉体状のポ
リ塩化ビニル(徳山積水社製、商品名「TS−1000
R」、重合度:1000)の流動床中を通過させて、繊
維間に粉体状のポリ塩化ビニルを付着させ、これを約2
00℃に加熱された一対の加熱ロールにより加熱圧着す
ることにより、長手方向に配された連続繊維に熱可塑性
樹脂が保持された、シート状帯状体A1,A2(厚み:
約0.7mm、幅:約88mm)と、テープ状帯状体B
1,B2(厚み:約0.2mm、幅:約20mm)を作
製した。それらの繊維含有率はいずれも25重量%であ
った。
【0037】(2)繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造 図1を参照して説明した製造工程に準じて繊維強化熱可
塑性樹脂複合管の製造を行った。減圧加熱炉18とし
て、入口に多層管状体を通過させる通孔をそれぞれ有す
る3枚のシールごむ181が設けられ、鉄よりなる本体
の内面に高熱放射率塗料(ウェスターントレーディイグ
社製、商品名「ピロマルク」、黒鉛、酸化クロム及び無
機溶媒等を含む塗料)を約25μmの厚さに塗布して乾
燥させて形成した高熱放射率層(熱放射率:約0.9
4)が設けられたものを使用した。巻戻しロール13,
14にシート状帯状体A1又はA2を装着し、巻回装置
15,16にテープ状帯状体B1又はB2を装着した。
【0038】まず、ポリ塩化ビニル(徳山積水社製、商
品名「TS−1000R」、重合度:1000)を押出
機11にて溶融混練して押出金型12より、内径:約5
1mm、外径:約55mmの熱可塑性樹脂管P1を連続
的に押し出した。
【0039】引き続いて、押出金型12の下流側にて、
熱可塑性樹脂管P1の外周面にその上下より2枚のシー
ト状帯状体A1,A2(厚み:0.7mm、幅:80m
m)にて連続繊維が軸方向に沿うように軸方向強化層P
21を積層し、更にその外周面に長手方向に配された連
続繊維に熱可塑性樹脂が保持されたテープ状帯状体B
1,B2(厚み:0.2mm、幅:20mm)を巻回装
置15,16により張力を与えながら相互の傾斜角度が
反対となるように略周方向に巻き付けて周方向強化層P
22を形成するようにして、軸方向強化層P21と周方
向強化層P22とからなる繊維強化熱可塑性樹脂層P2
を積層した多層管状体Qとした。
【0040】この多層管状体Qを減圧加熱炉18(全長
700mm)内に導入し、真空ポンプ17にて多層管状
体Q外側を600mmHg減圧力して160mmHgと
して、ヒーター183(設定温度を230℃)にて多層
管状体を加熱した。このときの多層管状体の外面温度は
170℃であった。
【0041】引き続いて、この多層管状体Qを、クロス
ヘッドダイ20内に導き、多層管状体Qの外周面に、ポ
リ塩化ビニル(徳山積水社製、商品名「TS−1000
R」、重合度:1000)を押出機19にて溶融混練し
て押出し被覆し(上記減圧力を作用させつつ行う)、外
層P4を形成した。
【0042】この多層管状体をサイジング装置21内を
通過させて冷却を行った。上記のような上記一連の工程
を引取機22にて0.5m/分の速度にて引き取りつつ
行い、図示しない切断機にて適宜長さに切断して、図3
に示すような内径:約51mm、外径:約60mmの繊
維強化熱可塑性樹脂複合管を連続的に製造した。
【0043】実施例2 成形速度を1m/分としたこと、減圧加熱炉のヒーター
183の設定温度を300℃としたこと以外は実施例1
と同様にして、繊維強化熱可塑性樹脂複合管を連続的に
製造した。このときの加熱炉内の多層管状体の外面温度
は165℃であった。
【0044】実施例3 減圧加熱炉18として、鉄よりなる本体の内面にFeO
成分を多く有する約15μmの厚さの高熱放射率層(熱
放射率:約0.95)が設けられたものを使用したこ
と、減圧加熱炉のヒーター183の設定温度を220℃
としたこと、減圧力を700mmHgとしたこと以外は
実施例1と同様にして、繊維強化熱可塑性樹脂複合管を
連続的に製造した。このときの加熱炉内の多層管状体の
外面温度は175℃であった。
【0045】実施例4 実施例3と同様の減圧加熱炉を使用したこと、成形速度
を1m/分としたこと、減圧加熱炉のヒーター183の
設定温度を290℃としたこと、減圧力を550mmH
gとしたこと以外は実施例1と同様にして、繊維強化熱
可塑性樹脂複合管を連続的に製造した。このときの加熱
炉内の多層管状体の外面温度は175℃であった。
【0046】比較例1 減圧加熱炉として、内面に高熱放射率層が設けられてい
ないもの(本体が鉄製、熱放射率:約0.4)を使用し
たこと、減圧加熱炉のヒーターの設定温度を300℃と
したこと以外は実施例1と同様にして、繊維強化熱可塑
性樹脂複合管を連続的に製造した。このときの加熱炉内
の多層管状体の外面温度は140℃であった。
【0047】比較例2 減圧加熱炉として、内面に高熱放射率層が設けられてい
ないもの(本体が鉄製、熱放射率:約0.4)を使用し
たこと、成形速度を1m/分としたこと、減圧加熱炉の
ヒーターの設定温度を380℃としたこと以外は実施例
1と同様にして、繊維強化熱可塑性樹脂複合管を連続的
に製造した。このときの加熱炉内の多層管状体の外面温
度は120℃であった。
【0048】実施例1〜4及び比較例1,2で得られた
繊維強化熱可塑性樹脂複合管について、界面接着強度評
価を行った。その評価は、リング状サンプル(リング幅
2cm)について、水道管硬質塩化ビニルライニング鋼
管に関するJWWA116法を参考としたせん断強度試
験により行った(n=5)。その結果を表1に示した。
【0049】
【表1】
【0050】表1からも明らかな如く、本願の実施例の
場合にはいずれも比較例の場合と比べて界面せん断強度
が高い。
【0051】
【発明の効果】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂複合管の
製造方法は、上記の如き構成とされているので、生産ラ
インを長くすることなく、熱融着の効率を上げ、製造す
べき管の口径が大きくなっても、生産速度を上げても、
従来と変わりのない界面接着強度が優れた繊維強化熱可
塑性樹脂複合管を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の工程を製造装置とともに説明す
る正面図である。
【図2】本発明において使用される減圧加熱炉の一例を
示す断面図である。
【図3】本発明により得られる繊維強化熱可塑性樹脂複
合管の一例を示す一部切欠き斜視図である。
【符号の説明】
18 減圧加熱炉 182 高熱放射率層 P1 熱可塑性樹脂管 P2 繊維強化熱可塑性樹脂層 Q 多層管状体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 101:12 105:08 B29L 9:00

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂管の外周面に、繊維強化熱
    可塑性樹脂層を積層して2層以上の多層管状体を形成し
    た後、その多層管状体を減圧加熱炉内に導いて多層管状
    体の外側の減圧条件下にて加熱し、熱可塑性樹脂管と繊
    維強化熱可塑性樹脂層とを融着一体化する工程を包含す
    る繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法であって、前
    記減圧加熱炉としてその内面に熱放射率が0.65以上
    である高熱放射率層を有するものを用いることを特徴と
    する繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法。
JP16359395A 1995-06-29 1995-06-29 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法 Pending JPH0911353A (ja)

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JP16359395A Pending JPH0911353A (ja) 1995-06-29 1995-06-29 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法

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JP (1) JPH0911353A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001082661A (ja) * 1999-09-16 2001-03-30 Sekisui Chem Co Ltd 背割り管と継手との接続構造
KR100781986B1 (ko) * 2006-05-15 2007-12-06 동해하이테크산업 주식회사 소방호스의 제조장치
JP2011158038A (ja) * 2010-02-02 2011-08-18 Tigers Polymer Corp 繊維補強ホース

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