JPH08323882A - 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法 - Google Patents

繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法

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JPH08323882A
JPH08323882A JP7131847A JP13184795A JPH08323882A JP H08323882 A JPH08323882 A JP H08323882A JP 7131847 A JP7131847 A JP 7131847A JP 13184795 A JP13184795 A JP 13184795A JP H08323882 A JPH08323882 A JP H08323882A
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JP
Japan
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thermoplastic resin
fiber
thermosetting resin
tubular body
composite pipe
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Application number
JP7131847A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Sasakura
満雄 笹倉
Koichi Adachi
浩一 足立
Hisao Ikeda
尚夫 池田
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】界面にボイドを巻き込みにくく、長期にわたっ
て使用しても界面剥離がなく、内外径及び肉厚の寸法精
度に優れた繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法を提
供する。 【構成】押出成形した熱可塑性樹脂管B2の周りに、長
手方向に配された連続繊維に熱可塑性樹脂が保持された
帯状体A2を略周方向に巻き付けて繊維強化熱可塑性樹
脂層を積層して多層管状体を形成し、その多層管状体の
内側雰囲気の加圧もしくは外側雰囲気の減圧のいずれか
又はその両方の雰囲気条件下にて多層管状体を加熱し、
熱可塑性樹脂管と繊維強化熱可塑性樹脂層とを融着後一
体固化する繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法であ
る。押出成形した熱可塑性樹脂管B2を一旦冷却固化
し、その熱可塑性樹脂管B2の周りに100〜5,00
0gf/cm2 の張力を保持した状態で帯状体A2を巻
き付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱可塑性樹脂と強化繊
維からなる繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】繊維強化樹脂複合管であって、内面に熱
可塑性樹脂よりなる層を有する繊維強化樹脂複合管は、
錆びることがなく、強度的にも優れ、水やガス等の流体
を輸送する配管、電気配線用に用いられる配管、構造用
部材等として広く用いられている。
【0003】繊維強化複合管は、例えば、内層である熱
可塑性樹脂管の周りに液状の熱硬化性樹脂を含浸させた
強化繊維をマンドレル上に巻き付け、熱硬化性樹脂を硬
化させた後マンドレルを抜き取る方法(フィラメントワ
インディング法)により製造されている(例えば、特公
昭62─773号公報参照)。
【0004】この種の繊維強化樹脂複合管は、界面の接
着力が弱く、繊維強化樹脂複合管を冷熱繰り返し条件下
等で使用すると、内層と繊維強化樹脂層との熱膨張率の
差により、界面剥離するという問題点がある。
【0005】この問題点を解決するため、例えば、特開
平6─218841号公報に記載の如く、繊維強化樹脂
層を形成する樹脂として熱可塑性樹脂を用い、更に内層
の熱可塑性樹脂層と繊維強化樹脂層との融着力を強固に
した繊維強化樹脂複合管の製造方法が知られている。
【0006】この方法では、内層である熱可塑性樹脂よ
りなる管の周りに繊維強化樹脂複合体よりなる強化層を
巻き付けて積層して多層管状体となし、その多層管状体
を融着する際に、多層管状体の内側雰囲気の加圧もしく
は外側雰囲気の減圧のいずれか、又はその両方の雰囲気
条件下に多層管状体を曝して加熱し、熱可塑性樹脂より
なる管と繊維強化樹脂複合体とを強固に融着一体化する
方法が提案されている。この場合、内層の熱可塑性樹脂
よりなる管の周りに繊維強化複合体を巻き付けた後、加
圧や減圧により界面融着の積層圧力を付加して融着する
もので加熱のみの方法より融着性が向上している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この方
法の場合には、得られる繊維強化熱可塑性樹脂複合管
は、巻き付け時にエアー(ボイド)を巻き込んでしま
い、長期の冷却や、過酷な条件下で長期にわたって使用
したときに、内層である熱可塑性樹脂管とその周りに巻
き付けた繊維強化樹脂複合体の界面が剥離したり、融着
時に、内層の熱可塑性樹脂管の内面に巻付けの筋が浮き
出て管の内外径や肉厚精度に問題がある。
【0008】本発明は、上記の如き従来の問題点を解消
し、界面にボイドを巻き込みにくく、長期にわたって使
用しても界面剥離がなく、内外径及び肉厚の寸法精度に
優れた繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法を提供す
ることを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、押出成形した
熱可塑性樹脂管の周りに、長手方向に配された連続繊維
に熱可塑性樹脂が保持された帯状体を略周方向に巻き付
けて繊維強化熱可塑性樹脂層を積層して多層管状体を形
成し、その多層管状体の内側雰囲気の加圧もしくは外側
雰囲気の減圧のいずれか又はその両方の雰囲気条件下に
て多層管状体を加熱し、熱可塑性樹脂管と繊維強化熱可
塑性樹脂層とを融着後一体固化する繊維強化熱可塑性樹
脂複合管の製造方法において、押出成形した熱可塑性樹
脂管を一旦冷却固化し、その熱可塑性樹脂管の周りに1
00〜5,000gf/cm2 の張力を保持した状態で
前記帯状体を巻き付ける繊維強化熱可塑性樹脂複合管の
製造方法である。
【0010】本発明において、帯状体の形態としては、
テープ状が巻き付け易いので一般的であるが、場合によ
っては紐状のものも使用可能である。冷却固化状態の熱
可塑性樹脂管の周りに巻き付ける帯状体の張力は、10
0〜5,000gf/cmである必要があり、300〜
3,000gf/cmであるのが好ましい。張力が10
0gf/cm未満であると、熱可塑性樹脂管の周りに帯
状体を巻き付けるときに、熱可塑性樹脂管の周りに帯状
体を隙間なく密着させて巻き付けることができず、緩み
が生じてボイトが入り込み易く、界面剥離の原因を十分
なくすることができず、5,000gf/cmを越える
と、巻き付け力が大きくなりすぎ、熱可塑性樹脂管が変
形してしまい、成形そのものができなくなる。
【0011】尚、上記張力の単位:gf/1cmは、帯
状体がテープ状の場合にはそのテープの幅1cm当りの
張力を示し、紐状の場合にはその直径幅1cm幅当りの
張力を示す。例えば、熱可塑性樹脂管の周りにテープ幅
2cmのテープ状の帯状体を4,000gfで巻きつけ
る場合の張力は2,000gf/cmである。又、その
他の形態の帯状体を巻き付ける場合、巻き付ける帯状体
の横断面の最も長い距離(幅)を基準とした張力とす
る。
【0012】又、帯状体に張力をかける方法としては、
機械的なブレーキや、電磁ブレーキ等の公知の方法を適
宜採用するすることができる。
【0013】本発明において使用される、熱可塑性樹脂
管を形成する熱可塑性樹脂の材質としては、管状に押出
可能なものであれば特に限定されることなく使用するこ
とができ、例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビ
ニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、
ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンサルフ
ァイド、ポリエーテルエーテルケトン等が挙げられる。
これらの熱可塑性樹脂は単独で使用されてもよいし、2
種以上併用されてもよい。
【0014】熱可塑性樹脂中には、必要に応じて、熱安
定剤、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔
料、無機充填剤、加工助剤、改質剤等が添加されてもよ
い。
【0015】本発明において、帯状体を形成する連続繊
維の材質としては、例えば、ガラス繊維、カーボン繊維
等の無機繊維、アラミド繊維、ビニロン繊維、ポリエス
テル繊維等の有機繊維などが挙げられる。連続繊維の形
態としては、例えば、モノフィラメント、ロービング
状、ストランド状、クロス状、網状、ネット状等が挙げ
られる。
【0016】帯状体の巻付け時の形態としては、例え
ば、テープ状、紐状等が挙げられ、その幅、厚み、直径
等は成形すべき複合管の大きさや、要求される性能等に
よって異なる。テープ状の場合には、その幅が成形すべ
き複合管の内径の1/30〜1倍程度であるのが好まし
く、1/10〜2/3程度が更に好ましく、その厚みも
特に限定されないが1〜5mm程度が好ましい。紐状の
場合には、直径が1〜10mm程度が好ましい。
【0017】連続繊維を構成する単繊維の太さは、太す
ぎると繊維間に熱可塑性樹脂が保持されない部分が発生
し、細すぎると切断することがあるので、1〜100μ
mが好ましく、3〜50μmが更に好ましい。
【0018】帯状体を形成する熱可塑性樹脂としては、
熱可塑性樹脂管を形成する熱可塑性樹脂と融着性のよい
ものであれば特に限定されることなく使用することがで
き、上記の熱可塑性樹脂管を形成する熱可塑性樹脂と同
種の熱可塑性樹脂が好適に使用される。
【0019】尚、ここでいう融着性とは、双方の熱可塑
性樹脂を溶融状態になるまで加熱した上で圧着し、冷却
後、融着した界面が容易に破断しないことをいう。
【0020】帯状体中の連続繊維の量は、多すぎると繊
維間に保持する熱可塑性樹脂の量が少なくなり、少なす
ぎると補強効果が生じないので、3〜70重量%が好ま
しく、10〜50重量%が更に好ましい。
【0021】帯状体の製造方法としては、例えば、次の
方法を採用することができる。 多数のフィラメントよりなるロービング状、ストラ
ンド状、クロス状、ネット状、網状等の連続繊維を、粉
体状熱可塑性樹脂の流動床中を順次通過させ、繊維間に
粉体状熱可塑性樹脂を付着させた後、加熱して連続繊維
と熱可塑性樹脂を一体化する方法。
【0022】 上記同様の連続繊維を熱可塑性樹脂の
エマルジョン中を通過させて、繊維間にエマルジョンを
含浸させ、次いで、熱可塑性樹脂の溶融温度以上に加熱
して、連続繊維と熱可塑性樹脂を一体化する方法。
【0023】 溶融粘度が低い熱可塑性樹脂の場合に
は、溶融熱可塑性樹脂を満たした槽中を上記同様の連続
繊維を浸漬するようにして通過させることにより、繊維
間に熱可塑性樹脂を付着固化さる方法。 上記同様の連続繊維上に熱可塑性樹脂フィルム積層
し、加熱圧着する方法。
【0024】本発明において、押出成形した熱可塑性樹
脂管を一旦冷却固化する温度は、必ずしも室温レベルま
で冷却する必要はなく、熱可塑性樹脂の軟化温度以下の
温度であってもよい。
【0025】本発明において、多層管状体を加熱する温
度としては、熱可塑性樹脂管を形成する熱可塑性樹脂、
及び帯状体を形成する熱可塑性樹脂のビカット軟化温度
〜熱分解温度の範囲であり、特に熱可塑性樹脂管の押出
成形時の成形温度付近が好ましい。
【0026】多層管状体の内側雰囲気の加圧力は、多層
管状体の外径や肉厚によって適宜設定されるのが好まし
が、その範囲としては、通常0.01〜10kg/cm
2 が好ましい。加圧力が0.01kg/cm2 未満であ
ると十分な積層圧力が得られず、加圧の効果が少なく、
101kg/cm2 を超えると、得られる多層管状体が
歪み易く、寸法精度が悪くなる。例えば、多層管状体の
内径が25mm、肉厚が3.5mmの場合には、加圧力
は0.01〜3kg/cm2 が好ましい。
【0027】多層管状体の外側雰囲気の減圧力は、50
0mmHg以上が好ましい。減圧力が500mmHg未
満の場合には、十分な積層圧力を得られない。又、多層
管状体の内側雰囲気の加圧と外側雰囲気の減圧の両方を
行いながら加熱を行うと、更に多層管状体の層間の融着
性が向上する。
【0028】以下、本発明の例を図面を参照して説明す
る。図1は、本発明の一例の工程を製造装置とともに説
明する正面図である。まず、製造装置について説明す
る。製造装置は、熱可塑性樹脂管を押し出す押出機1
と、押出機1の先端に装着された押出金型2と、第1サ
イジング装置3と、それに用いられる減圧ポンプ4と、
第1サイジング装置3の下流側の上下に配設されたシー
ト状帯状体A1が装着された巻戻しロール5,5と、筒
状金型6と、テープ状帯状体A2を巻回する為の巻回装
置7と、減圧加熱炉8と、加熱炉内を減圧吸引するため
の減圧ポンプ10と、第2サイジング装置11と、引取
機12とが順次配列されたものである。
【0029】次に、この製造装置を用いた本発明の一例
の工程を説明する。熱可塑性樹脂を押出機1にて混練し
溶融状態にて押出金型2より管状に押し出し、これを減
圧機能と冷却機能の双方の機能を兼ね備えた第1サイジ
ング装置3を通過させ、その内面の吸引孔より減圧吸引
し、熱可塑性樹脂Bを第1サイジング装置3の内面に密
着させながら、冷却水を第1サイジング装置3内部に通
水して冷却を行いながら、冷却、固化させにようにし
て、熱可塑性樹脂管B1を連続的に形成する。この際、
熱可塑性樹脂管B1は、完全に冷却する必要はなく、管
の形状変形が起こらない軟化温度以下になるように冷却
すれば十分である。
【0030】引き続いて、熱可塑性樹脂管B1の上下よ
り、2枚のシート状帯状体A1,A1にて連続繊維が軸
方向に沿うようにして熱可塑性樹脂管B1の周りに積層
して、これを筒状金型6内を通過させるることにより、
熱可塑性樹脂管B1の周りに第1の繊維強化熱可塑性樹
脂層を形成した2層管状体B2を形成する。
【0031】次いで、その2層管状体B2の周りに、長
手方向に配された連続繊維に熱可塑性樹脂が保持された
テープ状帯状体A2を巻回装置7により張力を与えなが
ら略周方向に巻き付けて、2層管状体B1の周りに第2
の繊維強化熱可塑性樹脂層を積層した3層管B3を形成
する。
【0032】この3層管状体B3を減圧加熱炉8に導
き、減圧ポンプ10にて減圧吸引しつつ、外面に取り付
けられた加熱装置9により加熱すると、3層管状体B3
は軟化状態となり、減圧吸引により生ずる膨張圧力(積
層圧力)で各層界面を融着させる。
【0033】この3層管状体B3を第2サイジング装置
11内を通過させて冷却を行う。第2サイジング装置1
1としては、冷却水槽を備えたサイジング装置が一般的
であるが、これに限られるものではない。上記のような
上記一連の工程を引取機12にて引き取りつつ行い、特
に図示しないが適宜長さに切断して、繊維強化熱可塑性
樹脂複合管Cを連続的に製造する。又、本発明の繊維強
化熱可塑性樹脂複合管の製造方法は、上記のような連続
製造だけでなく、バッチ式の製造方法としてもよい。
【0034】図2は得られた繊維強化熱可塑性樹脂複合
管Cを示す一部切断斜視図である。繊維強化熱可塑性樹
脂複合管Cは、内層である熱可塑性樹脂管C1の周り
に、中間層である軸方向に沿って連続繊維が配列された
第1の繊維強化熱可塑性樹脂層C2が積層され、その周
りに外層としての略周方向に沿って連続繊維が配列され
た第2の繊維強化熱可塑性樹脂層C3が積層されて一体
化されている。
【0035】
【作用】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方
法は、押出成形した熱可塑性樹脂管を一旦冷却固化し、
その熱可塑性樹脂管の周りに100〜5000gf/c
2 の張力を保持した状態で前記帯状体を巻き付けるこ
とにより、界面にボイドを巻き込みにくく、巻き付け力
により熱可塑性樹脂管が変形することがなく、長期にわ
たって使用しても界面剥離が殆んどなく、内外径及び肉
厚の寸法精度に優れた繊維強化熱可塑性樹脂複合管を得
ることができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。実施例1 (1)シート状帯状体及びテープ状帯状体の製造 直径23μmのフィラメントより構成されるロービング
状のガラス繊維束(4,400tex)を、粉体状のポ
リ塩化ビニル樹脂(徳山積水社製、商品名「TS−10
00R」、ビカット軟化点:約80℃)の流動床中を通
過させて、繊維間に粉体状のポリ塩化ビニル樹脂を付着
させ、これを約200℃に加熱された一対の加熱ロール
により加熱圧着することにより、長手方向に配された連
続繊維に熱可塑性樹脂が保持された、シート状帯状体A
1(幅170mm、厚み0.5mm)と、テープ状帯状
体A2(幅40mm、厚み0.5mm)を作製した。そ
れらの繊維含有率はいずれも25重量%であった。
【0037】(2)繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造 図1を参照して説明した製造工程に準じて繊維強化熱可
塑性樹脂複合管の製造を行った。巻戻しロール5,5に
シート状帯状体A1,A1を装着し、巻回装置7にテー
プ状帯状体A2を装着した。
【0038】まず、ポリ塩化ビニル樹脂(徳山積水社
製、商品名「TS─1000」、ビカット軟化点:約8
0℃)を押出機1にて混練し溶融状態にて押出金型2よ
り管状に押し出し、内径寸法111mmの第1サイジン
グ装置3内を減圧ポンプ4により内面の吸引孔から70
0mmHgの減圧力で吸引してその内面に密着させ水冷
しつつ通過させて、外径111.2mmの熱可塑性樹脂
管B1を連続的に形成した。
【0039】引き続いて、熱可塑性樹脂管B1の上下よ
り、2枚のシート状帯状体A1,A1にて連続繊維が軸
方向に沿うようにして熱可塑性樹脂管B1の周りに積層
して、これを筒状金型6内を通過させることにより、熱
可塑性樹脂管B1の周りに第1の繊維強化熱可塑性樹脂
層を形成し、外径寸法112mmの2層管状体B2を形
成した。この時に2層管状体B2の温度は約50℃であ
った。
【0040】この2層管状体B2の周りに、テープ状帯
状体A2を巻回装置7により張力を与えながら略周方向
に巻き付けて、2層管状体B2の周りに第2の繊維強化
熱可塑性樹脂層を積層した3層管状体B3を形成した。
このときの張力を、テンションメーター(シンポ工業社
製)にて測定したところ、1,500gf/cmであっ
た。
【0041】この3層管状体B3を減圧加熱炉8に導
き、減圧ポンプ10にて700mmHgの減圧力にて減
圧吸引しつつ、外面に取り付けられた加熱装置9により
350℃に加熱すると、3層管状体B3は軟化状態とな
り、減圧吸引により生ずる膨張圧力(積層圧力)で各層
界面を融着させた。このときの3層管状体B3の温度は
175℃であり、樹脂の分解は起らなかった。
【0042】この3層管状体B3を第2サイジング装置
11内を通過させて水冷し、これら一連の工程を引取機
12にて引き取りつつ行い、適宜長さに切断して、図2
に示す如き繊維強化熱可塑性樹脂複合管Cを得た。
【0043】得られた繊維強化熱可塑性樹脂複合管Cの
断面の界面を観察したところボイドは見られず、界面が
強固に融着しており、外径は114.0±0.05m
m、内径は100.0±0.05mmと寸法のばらつき
は少なかった。
【0044】実施例2 テープ状帯状体A2として、幅35mm、厚み0.7m
m、繊維含有率25重量%のものを用いたこと、テープ
状帯状体A2の巻回時の張力を700gf/cmとした
こと、減圧加熱炉の温度を340℃とし、減圧力を68
0mmHgとしたこと、このときの3層管状体B3の温
度は180℃で樹脂の分解を起らなかったこと以外は実
施例と同様にして、繊維強化熱可塑性樹脂複合管Cを得
た。
【0045】得られた繊維強化熱可塑性樹脂複合管Cの
断面の界面を観察したところボイドは見られず、界面が
強固に融着しており、外径は114.0±0.05m
m、内径は100.0±0.05mmと寸法のばらつき
は少なかった。
【0046】比較例1 テープ状帯状体A2の巻回時に張力をかけなかったこと
以外は実施例1と同様にして、繊維強化熱可塑性樹脂複
合管Cを得た。得られた繊維強化熱可塑性樹脂複合管C
の断面の界面を観察したところボイドが多く見うけら
れ、外径は114.0±0.4mm、内径は100.0
±0.4mmと寸法のばらつきが大きかった。
【0047】比較例2 テープ状帯状体A2の巻回時の張力を6,000gf/
cmとしたこと以外は実施例1と同様にしたところ、張
力が強すぎで内層の熱可塑性樹脂管が変形してしまい、
繊維強化熱可塑性樹脂複合管Cを得ることができなかっ
た。
【0048】実施例1,2及び比較例1で得られた繊維
強化熱可塑性樹脂複合管Cの5本ずつについて、冷熱繰
り返し試験を行って、両端部の界面の剥離状況を観察し
た。その結果を表1に示した。尚、冷熱条件としては、
85℃/25℃=5分/5分を1サイクルとし、水圧
1.5Kg/cm2 にて、2,000サイクル、5,0
00サイクル、10,000サイクルとした。
【0049】評価基準としては、下記の通りとした。 ○:界面に剥離なし。 △:界面に幅5mm以下の剥離(亀裂)が1箇所見られ
た。 ×:界面に幅5mm以上の剥離(亀裂)が1箇所、又は
幅5mm以下の剥離(亀裂)が2箇所以上見られた。
【0050】
【表1】
【0051】上記の如く、本発明の実施例により得られ
た繊維強化熱可塑性樹脂複合管は長期間使用しても界面
が剥離せず、その寸法精度に優れている。
【0052】
【発明の効果】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂複合管の
製造方法は、上記の如き構成とされているので、界面に
ボイドを巻き込みにくく、長期にわたって使用しても界
面剥離が殆んどなく、内外径及び肉厚の寸法精度に優れ
た繊維強化熱可塑性樹脂複合管を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一例の工程を製造装置とともに説明す
る正面図である。
【図2】本発明により得られた繊維強化熱可塑性樹脂複
合管の一例を示す一部切欠き斜視図である。
【符号の説明】 A1 シート状帯状体 A2 テープ状帯状体 B1 熱可塑性樹脂管 B3 3層管状体 C 繊維強化熱可塑性樹脂複合管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 101:12 105:08

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 押出成形した熱可塑性樹脂管の周りに、
    長手方向に配された連続繊維に熱可塑性樹脂が保持され
    た帯状体を略周方向に巻き付けて繊維強化熱可塑性樹脂
    層を積層して多層管状体を形成し、その多層管状体の内
    側雰囲気の加圧もしくは外側雰囲気の減圧のいずれか又
    はその両方の雰囲気条件下にて多層管状体を加熱し、熱
    可塑性樹脂管と繊維強化熱可塑性樹脂層とを融着後一体
    固化する繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法におい
    て、押出成形した熱可塑性樹脂管を一旦冷却固化し、そ
    の熱可塑性樹脂管の周りに100〜5,000gf/c
    2 の張力を保持した状態で前記帯状体を巻き付けるこ
    とを特徴とする繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方
    法。
JP7131847A 1995-05-30 1995-05-30 繊維強化熱可塑性樹脂複合管の製造方法 Pending JPH08323882A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100508888B1 (ko) * 2002-04-09 2005-08-18 변무원 지중매설용 복층식 통수관의 제조장치 및 제조방법
KR100827271B1 (ko) * 2007-10-22 2008-05-07 심일웅 합성수지 고압호스 제조장치.
JP2009045850A (ja) * 2007-08-21 2009-03-05 Bridgestone Corp 保温材付きパイプの製造方法
CN110303694A (zh) * 2019-05-31 2019-10-08 北京卫星制造厂有限公司 一种连续纤维增强复合材料管件的快速成型装置及方法

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