JPH09104815A - ポリアミド樹脂組成物 - Google Patents

ポリアミド樹脂組成物

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JPH09104815A
JPH09104815A JP26405395A JP26405395A JPH09104815A JP H09104815 A JPH09104815 A JP H09104815A JP 26405395 A JP26405395 A JP 26405395A JP 26405395 A JP26405395 A JP 26405395A JP H09104815 A JPH09104815 A JP H09104815A
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JP
Japan
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olefin
ethylene
graft
cyclic olefin
random copolymer
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Application number
JP26405395A
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English (en)
Inventor
Yasuo Tanaka
中 泰 夫 田
Youji Hayakawa
川 用 二 早
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Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】本発明のポリアミド樹脂組成物は、ポリア
ミド樹脂(A)と、不飽和カルボン酸またはその誘導体
のグラフト量が0.01〜10重量%のグラフト変性オ
レフィン組成物(B)とを特定割合で含有してなり、こ
の組成物(B)が、密度、MFR、ガラス転移温度、結
晶化度、B値が特定範囲にあるエチレン・α- オレフィ
ンランダム共重合体(B−1)100重量部と、MF
R、室温での曲げ初期弾性率(FM)が特定範囲にある
環状オレフィン樹脂(B−2)5〜70重量部とのブレ
ンド物に、不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフ
ト変性された組成物であることを特徴とする。 【効果】上記ポリアミド樹脂組成物は、成形性に優れ、
耐低温衝撃性に優れ、かつ高剛性である成形体を提供す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリアミド樹脂組成物に
関し、さらに詳しくは、高剛性、耐低温衝撃性に優れた
成形体を提供することができ、しかも成形性に優れるよ
うなポリアミド樹脂組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリアミド樹脂は、その優れた物
性によりエンジニアリングプラスチックとして大きな需
要が期待されている。しかしながら、ポリアミド樹脂
は、耐低温衝撃性、耐吸水性、耐塩水性などの性能が十
分とはいえず、これらの性能の改良が種々検討されてい
る。ポリアミド樹脂は、その耐低温衝撃性を改良するこ
とができれば、スキー靴、運動靴等のスポーツ用品から
自動車部品、電気製品部品などの産業部品に至るまで広
い用途があり、その需要は大きい。
【0003】ポリアミド樹脂のアイゾット衝撃強度など
の耐衝撃性を改良する方法として、たとえば特公昭42
−12546号公報、特公昭55−44108号公報、
特開昭55−9662号公報には、α,β- 不飽和カル
ボン酸をグラフトしたエチレン・α- オレフィン共重合
体をポリアミド樹脂に配合する方法が提案されている。
【0004】しかしながら、これらの公報に提案されて
いるポリアミド樹脂組成物では、低温での耐衝撃性が不
十分であるという問題がある。さらに、これらのポリア
ミド樹脂組成物は、成形法によっては成形性が低下する
という問題もある。
【0005】そこで、本願出願人は、ポリアミドの耐低
温衝撃性を改良する処方として、グラフト変性エチレン
・1-ブテン共重合体をポリアミド樹脂に配合する方法を
特開平7−97503号公報において提案した。
【0006】しかしながら、この特開平7−97503
号公報に記載されている処方では、ポリアミド樹脂の耐
低温衝撃性は大幅に改良されるものの、剛性の低下が大
きく、耐低温衝撃性および高剛性の両方の物性を必要と
する場合には、剛性が必ずしも十分でなかった。
【0007】なお、本願出願人は、表面外観がクリヤー
トップコートを上塗りしたような艶および深みのある透
明感を有し、ポリアミド樹脂の吸水性、耐衝撃性、寸法
安定性が改善された樹脂を得ることを目的として、特開
平7−109419号公報において、(a)グラフト変
性環状オレフィン系樹脂0.5〜50重量部と、(b)
エラストマー0〜38重量部と、(c)上記エラストマ
ー(b)のグラフト変性物0〜38重量部と、(d)ポ
リアミド樹脂40〜90重量部と、(e)パールマイカ
顔料0.01〜10重量部[成分(a)、(b)、
(c)および(d)の合計は100重量部とする]とか
らなる環状オレフィン系樹脂組成物を提案した。しかし
ながら、この環状オレフィン系樹脂組成物は、剛性と耐
低温衝撃性とのバランスに優れた成形体が必ずしも得ら
れなかった。
【0008】また、本願出願人は、塗装性(塗膜の密着
性)の向上を目的として、特開平7−207150号公
報において、[I]ポリアミド樹脂20〜98重量部
と、[II]環状オレフィン樹脂およびエラストマーの混
合物に、グラフトモノマーをグラフト反応させたグラフ
ト変性物2〜80重量部と、[III] 上記未変性の環状
オレフィン樹脂0〜80重量部と、[IV]上記未反応の
エラストマー0〜38重量部(成分[I]、[II]、
[III] 、および[IV]の合計は100重量部とする)
からなるポリアミド樹脂組成物を提案した。しかしなが
ら、このポリアミド組成物は、剛性と耐低温衝撃性との
バランスに優れた成形体が必ずしも得られなかった。
【0009】したがって、剛性と耐低温衝撃性とのバラ
ンスに優れた成形体を付与することができ、しかも成形
性に優れたポリアミド樹脂組成物の出現が従来より望ま
れている。
【0010】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術に伴う
問題点を解決しようとするものであって、剛性と耐低温
衝撃性とのバランスに優れた成形体を付与することがで
き、しかも成形性に優れたポリアミド樹脂組成物を提供
することを目的としている。
【0011】
【発明の概要】本発明に係る第1のポリアミド樹脂組成
物は、 [I]ポリアミド樹脂(A)100重量部と [II]不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラフト量
が0.01〜10重量%のグラフト変性オレフィン組成
物(B)5〜70重量部とからなり、該グラフト変性オ
レフィン組成物(B)は、下記の未変性エチレン・α-
オレフィンランダム共重合体(B−1)100重量部
と、未変性環状オレフィン樹脂(B−2)5〜70重量
部とのブレンド物に、不飽和カルボン酸またはその誘導
体でグラフト変性された組成物であることを特徴として
いる。未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合
体(B−1): (a) エチレンと炭素原子数3以上のα- オレフィンとの
共重合体であり、(b) MFR(230℃、2.16kg荷重)が0.
1〜100g/10分であり、(c) 密度が0.880g
/cm3 以下であり、(d) ガラス転移温度(Tg)が−
50℃以下であり、(e) X線回折法により測定した結晶
化度が20%未満であり、(f) 13C−NMR法により求
めた、共重合モノマー連鎖分布を示すパラメータ(B
値)が1.0〜1.4であるエチレン・α- オレフィン
ランダム共重合体。未変性環状オレフィン樹脂(B−
2): (a) エチレンと下記一般式[I]で表わされる環状オレ
フィンとのランダム共重合体、あるいは式[I]で表わ
される環状オレフィンの開環重合体または開環共重合
体、あるいは式[I]で表わされる環状オレフィンの開
環重合体または開環共重合体の水添物であり、(b) MF
R(260℃、2.16kg荷重)が1〜100g/10分であり、
(c) 室温における曲げ初期弾性率が2000MPa以上
である環状オレフィン樹脂。
【0012】
【化3】
【0013】(式中、nは0または1であり、mは0ま
たは正の整数であり、qは0または1であり、R1 〜R
18ならびにRa およびRb は、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群から選ば
れる原子または基を表わし、R15〜R18は互いに結合し
て単環または多環を形成していてもよく、かつ、該単環
または多環が二重結合を有していてもよく、またR15
16とで、またはR17とR18とでアルキリデン基を形成
していてもよい。) 本発明に係る第2のポリアミド樹脂組成物は、[I]ポ
リアミド樹脂(A)100重量部と[II]不飽和カルボ
ン酸またはその誘導体のグラフト量が0.01〜10重
量%のグラフト変性オレフィン組成物(B)5〜70重
量部とからなり、該グラフト変性オレフィン組成物
(B)は、上記の未変性エチレン・α- オレフィンラン
ダム共重合体(B−1)および未変性環状オレフィン樹
脂(B−2)の一方が不飽和カルボン酸またはその誘導
体でグラフト変性された組成物であることを特徴として
いる。
【0014】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係るポリアミド樹
脂組成物について具体的に説明する。本発明に係るポリ
アミド樹脂組成物は、ポリアミド樹脂(A)と特定のグ
ラフト変性オレフィン組成物(B)とを特定の割合で含
有してなる。
【0015】ポリアミド樹脂(A) 本発明で用いられるポリアミド樹脂(A)は、特に限定
はなく、アミノ酸ラクタム、あるいはジアミンとカルボ
ン酸とから構成される溶融重合および溶融成形可能なポ
リマー全般を意味する。
【0016】本発明で用いられるポリアミド樹脂(A)
としては、具体的には、以下のような樹脂が挙げられ
る。 (1)炭素原子数4〜12の有機ジカルボン酸と炭素原
子数2〜13の有する有機ジアミンとの重縮合物、たと
えばヘキサメチレンジアミンとアジピン酸との重縮合物
であるポリヘキサメチレンアジパミド[6,6ナイロ
ン]、ヘキサメチレンジアミンとアゼライン酸との重縮
合物であるポリヘキサメチレンアゼラミド[6,9ナイ
ロン]、ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸との重縮
合物であるポリヘキサメチレンセバカミド[6,10ナ
イロン]、ヘキサメチレンジアミンとドデカンジオン酸
との重縮合物であるポリヘキサメチレンドデカノアミド
[6,12ナイロン]、ビス-p- アミノシクロヘキシル
メタンとドデカンジオン酸との重縮合物であるポリビス
(4-アミノシクロヘキシル)メタンドデカン、(2)ω
- アミノ酸の重縮合物、たとえばω- アミノウンデカン
酸の重縮合物であるポリウンデカンアミド[11ナイロ
ン]、(3)ラクタムの開環重合物、たとえばε- アミ
ノカプロラクタムの開環重合物であるポリカプラミド
[6ナイロン]、ε- アミノラウロラクタムの開環重合
物ポリラウリックラクタム[12ナイロン]などが挙げ
られる。中でも、ポリヘキサメチレンアジパミド(6,
6ナイロン)、ポリヘキサメチレンアゼラミド(6,9
ナイロン)、ポリカプロラミド(6ナイロン)が好まし
く用いられる。
【0017】また、本発明では、たとえばアジピン酸と
イソフタル酸とヘキサメチレンジアミンとから製造され
るポリアミド樹脂なども使用することもできるし、さら
に、6ナイロンと6,6ナイロンとの混合物のように2
種以上のポリアミド樹脂を配合したブレンド物を用いる
こともできる。
【0018】上記(1)のポリアミド樹脂は、たとえば
炭素原子数4〜12の有機ジカルボン酸と炭素原子数2
〜13の有する有機ジアミンとを等モル量重縮合させる
ことによって調製することができる。また、必要に応じ
て、ポリアミド樹脂中のカルボキシ基がアミノ基より過
剰となるように有機ジカルボン酸を有機ジアミンよりも
多量に使用することもできるし、逆に、ポリアミド樹脂
中のアミノ基がカルボキシ基よりも過剰となるように有
機ジカルボン酸を有機ジアミンよりも少量で使用するこ
ともできる。
【0019】上記有機ジカルボン酸としては、具体的に
は、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン
酸、ドデカン二酸などが挙げられる。上記有機ジアミン
としては、具体的には、ヘキサメチレンジアミン、オク
タメチレンジアミンなどが挙げられる。
【0020】また、上記(1)のポリアミド樹脂は、上
記方法と同様にして、エステル、酸塩化物等のカルボン
酸を生成しうる誘導体と、アミン塩等のアミンを生成し
うる誘導体とから調製することもできる。
【0021】上記(2)のポリアミド樹脂は、たとえば
ω- アミノ酸を少量の水の存在下に加熱して重縮合させ
ることによって調製することができる。多くの場合、酢
酸などの粘度安定剤を少量加える。
【0022】上記(3)のポリアミド樹脂は、たとえば
ラクタムを少量の水の存在下に加熱して開環重合させる
ことによって調製することができる。多くの場合、酢酸
などの粘度安定剤を少量加える。
【0023】グラフト変性オレフィン組成物(B) 本発明で用いられるグラフト変性オレフィン組成物
(B)は、特定の未変性エチレン・α- オレフィンラン
ダム共重合体(B−1)および特定の未変性環状オレフ
ィン樹脂(B−2)の少なくとも一方が不飽和カルボン
酸またはその誘導体でグラフト変性された組成物であ
る。
【0024】この組成物は、その調製方法により次のよ
うに分類することができるが、本発明においては、いず
れも使用することができる。 (i)未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合
体(B−1)と未変性環状オレフィン樹脂(B−2)と
からなるブレンド物に、特定量の不飽和カルボン酸また
はその誘導体をグラフトした組成物。 (ii)未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合
体(B−1)に特定量の不飽和カルボン酸またはその誘
導体をグラフトした変性物と、未変性環状オレフィン樹
脂(B−2)に特定量の不飽和カルボン酸またはその誘
導体をグラフトした変性物とのブレンド物。 (iii) 未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重
合体(B−1)に特定量の不飽和カルボン酸またはその
誘導体をグラフトした変性物と、未変性環状オレフィン
樹脂(B−2)とのブレンド物。 (iv)未変性環状オレフィン樹脂(B−2)に特定量の
不飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフトした変性
物と、未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合
体(B−1)とのブレンド物。
【0025】[未変性エチレン・α- オレフィンランダ
ム共重合体(B−1)]本発明で用いられる未変性エチ
レン・α- オレフィンランダム共重合体(B−1)は、
エチレンと炭素原子数3以上、好ましくは3〜20、さ
らに好ましくは3〜10のα- オレフィンとの共重合体
である。
【0026】炭素原子数3以上のα- オレフィンとして
は、具体的には、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、
1-ヘキセン、4-メチル-1- ペンテン、1-オクテン、1-デ
セン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、
1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。
【0027】上記未変性エチレン・α- オレフィンラン
ダム共重合体(B−1)は、密度が0.880g/cm
3 以下、好ましくは0.850〜0.875g/cm3
である。密度が上記のような範囲にある未変性エチレン
・α- オレフィンランダム共重合体を用いたグラフト変
性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体を用いる
と、耐低温衝撃性に優れた成形体を提供し得るポリアミ
ド樹脂組成物が得ることができる。
【0028】また、この未変性エチレン・α- オレフィ
ンランダム共重合体(B−1)は、MFR(ASTM
D 1238,190℃、2.16kg荷重)が0.1
〜100g/分、好ましくは0.2〜50g/分、さら
に好ましくは0.3〜30g/分である。MFRが上記
のような範囲にある未変性エチレン・α- オレフィンラ
ンダム共重合体から得られるグラフト変性エチレン・α
- オレフィンランダム共重合体は、ポリアミド樹脂
(A)とのブレンド性が良好である。しかも、このグラ
フト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体を
用いると、成形性に優れたポリアミド樹脂組成物を得る
ことができる。
【0029】さらに、この未変性エチレン・α- オレフ
ィンランダム共重合体(B−1)は、DSC(示差走査
熱量計)で求めたガラス転移点(Tg)が−50℃以下
である。ガラス転移点(Tg)が−50℃以下の未変性
エチレン・α- オレフィンランダム共重合体から得られ
るグラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重
合体を用いると、耐低温衝撃性に優れた成形体を提供し
得るポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
【0030】さらにまた、この未変性エチレン・α- オ
レフィンランダム共重合体(B−1)は、X線回折法に
より測定された結晶化度が20%未満、好ましくは10
%以下である。結晶化度が20%未満の未変性エチレン
・α- オレフィンランダム共重合体から得られるグラフ
ト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体を用
いると、耐衝撃性に優れたポリアミド樹脂組成物を得る
ことができる。
【0031】また、この未変性エチレン・α- オレフィ
ンランダム共重合体(B−1)は、 13C−NMR法より
求めた共重合モノマー連鎖分布のランダム性を示すパラ
メーター(B値)が1.0〜1.4である。
【0032】このような未変性エチレン・α- オレフィ
ンランダム共重合体におけるB値は、共重合連鎖中にお
ける各モノマーから誘導される構成単位の組成分布状態
を表わす指標であり、下式により算出することができ
る。
【0033】B=POE/(2PO・PE) (式中、PE およびPO は、それぞれ未変性エチレン・
α- オレフィンランダム共重合体共重合体中に含有され
る、エチレン成分のモル分率およびα- オレフィン成分
のモル分率であり、POEは、全ダイアド(dyad)連
鎖数に対するエチレン・α- オレフィン交互連鎖数の割
合である。) このようなPE 、PO およびPOE値は、具体的には、下
記のようにして求められる。
【0034】10mmφの試験管中で約200mgの未
変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体を1m
lのヘキサクロロブタジエンに均一に溶解させて試料を
調製し、この試料の13C−NMRスペクトルを下記の測
定条件下に測定する。
【0035】<測定条件> 測定温度:120℃ 測定周波数:20.05MHz スペクトル幅:1500Hz フィルタ幅:1500Hz パルス繰り返し時間:4.2sec パルス幅:7μsec 積算回数:2000〜5000回 PE 、PO およびPOE値は、上記のようにして測定され
13C−NMRスペクトルから、G.J.Ray (Macromole
cules, 10,773(1977))、J.C.Randall(Macro-molecule
s, 15,353(1982))、K.Kimura (Polymer,25,44181984))
らの報告に基づいて求めることができる。
【0036】なお、上記式より求められるB値は、未変
性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体が両モノ
マーが交互に分布している場合には2となり、両モノマ
ーが完全に分離して重合している完全ブロック共重合体
の場合には0となる。
【0037】B値が上記範囲にある未変性エチレン・α
- オレフィンランダム共重合体(B−1)から得られる
グラフト変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合
体を用いると、耐低温衝撃性に優れた成形体を提供し得
るポリアミド樹脂組成物を得ることができる。
【0038】上記のような特性を有する未変性エチレン
・α- オレフィンランダム共重合体は、可溶性バナジウ
ム化合物とアルキルアルミニウムハライド化合物とから
なるバナジウム系触媒、またはジルコニウムのメタロセ
ン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物とからなるジ
ルコニウム系触媒の存在下に、エチレンと炭素原子数3
以上のα- オレフィンとをランダムに共重合させること
によって調製することができる。
【0039】バナジウム系触媒で用いられる可溶性バナ
ジウム化合物としては、具体的には、四塩化バナジウ
ム、オキシ三塩化バナジウム、モノエトキシ二塩化バナ
ジウム、バナジウムトリアセチルアセトネート、オキシ
バナジウムトリアセチルアセトネートなどが挙げられ
る。
【0040】また、バナジウム系触媒で用いられるアル
キルアルミニウムハライド化合物としては、具体的に
は、エチルアルミニウムジクロリド、ジエチルアルミニ
ウムモノクロリド、エチルアルミニウムセスキクロリ
ド、ジエチルアルミニウムモノブロミド、ジイソブチル
アルミニウムモノクロリド、イソブチルアルミニウムジ
クロリド、イソブチルアルミニウムセスキクロリドなど
が挙げられる。
【0041】ジルコニウム系触媒で用いられるジルコニ
ウムのメタロセン化合物としては、具体的には、エチレ
ンビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド、ジメチ
ルシリレンビス(2-メチルインデニル)ジルコニウムジ
クロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウム
ジブロミド、ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
【0042】また、ジルコニウム系触媒で用いられる有
機アルミニウムオキシ化合物としては、アルミノオキサ
ンまたはベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合
物がある。
【0043】ジルコニウム系触媒は、ジルコニウムのメ
タロセン化合物および有機アルミニウムオキシ化合物と
ともに、有機アルミニウム化合物を含有していてもよ
い。このような有機アルミニウム化合物としては、具体
的には、トリイソブチルアルミニウム、ジメチルアルミ
ニウムクロリド、メチルアルミニウムセスキクロリドな
どが挙げられる。
【0044】上記重合は、溶液状または懸濁状あるいは
この中間領域で行なうことができ、いずれの場合にも不
活性溶剤を反応媒体として用いるのが好ましい。 [未変性環状オレフィン樹脂(B−2)]本発明で用い
られる未変性環状オレフィン樹脂(B−2)としては、
(i)エチレンと下記一般式[I]で表わされる環状オ
レフィンとの共重合体であるエチレン・環状オレフィン
ランダム共重合体、(ii)一般式[I]で表わされる環
状オレフィンの開環重合体または開環共重合体、または
(iii) 一般式[I]で表わされる環状オレフィンの開
環重合体または開環共重合体(ii)の水添物が挙げられ
る。
【0045】また、この未変性環状オレフィン樹脂(B
−2)は、MFR(ASTM D 1238,260℃、
2.16Kg荷重)が1〜100g/分、好ましくは3
〜50g/分、さらに好ましくは5〜30g/分であ
る。MFRが上記のような範囲にある未変性環状オレフ
ィン樹脂(B−2)から得られるグラフト変性環状オレ
フィン樹脂は、ポリアミド樹脂(A)とのブレンド性が
良好である。しかも、このグラフト変性環状オレフィン
樹脂を用いると、成形性に優れたポリアミド樹脂組成物
を得ることができる。
【0046】さらに、この未変性環状オレフィン樹脂
(B−2)は、室温における曲げ初期弾性率(FM)が
2000MPa以上ある。FMが2000MPa以上の
未変性環状オレフィン樹脂(B−2)から得られるグラ
フト変性環状オレフィン樹脂を用いると、剛性に優れた
成形体を提供し得るポリアミド樹脂組成物を得ることが
できる。
【0047】
【化4】
【0048】ただし、上記式[I]において、nは0ま
たは1であり、mは0または正の整数であり、qは0ま
たは1である。なおqが1の場合には、Ra およびRb
は、それぞれ独立に、下記の原子または炭化水素基であ
り、qが0の場合には、それぞれの結合手が結合して5
員環を形成する。
【0049】上記式[I]において、R1 〜R18ならび
にRa およびRb は、それぞれ独立に、水素原子、ハロ
ゲン原子または炭化水素基である。ここでハロゲン原子
は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子
である。
【0050】また、炭化水素基としては、それぞれ独立
に、通常、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子
数3〜15のシクロアルキル基が挙げられる。より具体
的には、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、イソプロピル基、アミル基、ヘキシル基、オ
クチル基、デシル基、ドデシル基およびオクタデシル基
などが挙げられ、シクロアルキル基としては、シクロヘ
キシル基などが挙げられる。
【0051】上記のようなアルキル基またはシクロアル
キル基は、ハロゲン原子で置換されていてもよい。さら
に上記式[I]において、R15とR16とが、R17とR18
とが、R15とR17とが、R16とR18とが、R15とR18
が、あるいはR16とR17とがそれぞれ結合して(互いに
共同して)、単環または多環を形成していてもよく、し
かもこのようにして形成された単環または多環は二重結
合を有していてもよい。
【0052】上記の式[I]で表わされる環状オレフィ
ンとしては、具体的には、ビシクロ[2.2.1] ヘプト-2
- エン誘導体、トリシクロ[4.3.0.12,5]-3- デセン誘
導体、トリシクロ[4.3.0.12,5]-3- ウンデセン誘導
体、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]-3- ドデセン誘
導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.08,13]-3- ペ
ンタデセン誘導体、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.0
9,13]-4-ペンタデセン誘導体、ペンタシクロ[8.4.0.1
2,3.19,12.08,13]-3- ヘキサデセン誘導体、ペンタシ
クロ[6.6.1.13,6.02,7.09,14]-4-ヘキサデセン誘導
体、ペンタシクロペンタデカジエン誘導体、ヘキサシク
ロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]-4- ヘプタデンセ
ン誘導体、ヘプタシクロ[8.7.0.13,6.110,17.112,15.0
2,7.011,16 ]-4-エイコセン誘導体、ヘプタシクロ-5-
エイコセン誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.111,18.
113,16.03,8.012,17]-5- ヘンエイコセン誘導体、オク
タシクロ[8.8.0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8.0
12,17]-5-ドコセン誘導体、ノナシクロ[10.9.1.14,7.
113,20.115,18.03,8.02,10.012,21.014,19]-5- ペンタ
コセン誘導体、ノナシクロ[10.10.1.15,8.114,21.1
16,19.02,11.04,9.013,22.015,20]-5-ヘキサコセン誘
導体などが挙げられる。
【0053】以下に上記のような式[I]で表わされる
環状オレフィンの具体的な例を示す。
【0054】
【化5】
【0055】
【化6】
【0056】
【化7】
【0057】
【化8】
【0058】
【化9】
【0059】
【化10】
【0060】
【化11】
【0061】
【化12】
【0062】
【化13】
【0063】
【化14】
【0064】
【化15】
【0065】
【化16】
【0066】
【化17】
【0067】
【化18】
【0068】
【化19】
【0069】
【化20】
【0070】
【化21】
【0071】
【化22】
【0072】
【化23】
【0073】
【化24】
【0074】
【化25】
【0075】
【化26】
【0076】
【化27】
【0077】上記のような一般式[I]で表わされる環
状オレフィンは、シクロペンタジエンと対応する構造を
有するオレフィン類とを、ディールス・アルダー反応さ
せることによって製造することができる。
【0078】これらの環状オレフィンは、単独であるい
は2種以上組み合わせて用いることができる。 <エチレン・環状オレフィンランダム共重合体(i)>
本発明で用いられるエチレン・環状オレフィンランダム
共重合体(i)は、通常、エチレンから誘導される構成
単位を通常40〜85モル%、好ましくは50〜75モ
ル%の量で、上記のような環状オレフィンから誘導され
る構成単位を15〜60モル%、好ましくは25〜50
モル%の量で含有している。
【0079】本発明で用いられるエチレン・環状オレフ
ィンランダム共重合体(i)は、本発明の目的を損なわ
ない範囲で必要に応じて他の共重合可能なモノマーから
誘導される構成単位を含有していてもよい。
【0080】このような他のモノマーとしては、上記の
ようなエチレンまたは一般式[I]で表わされる環状オ
レフィン以外のオレフィンが挙げられ、具体的には、プ
ロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチ
ル-1- ブテン、3-メチル-1- ペンテン、3-エチル-1- ペ
ンテン、4-メチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ヘキセ
ン、4,4-ジメチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ペン
テン、4-エチル-1- ヘキセン、3-エチル-1- ヘキセン、
1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、
1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどの
炭素原子数3〜20のα- オレフィン、シクロブテン、
シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4-ジメチルシクロ
ペンテン、3-メチルシクロヘキセン、2-(2- メチルブチ
ル)-1-シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a-テ
トラヒドロ-4,7- メタノ-1H-インデンなどのシクロオレ
フィン、2-ノルボルネン、5-メチル-2- ノルボルネン、
5-エチル-2- ノルボルネン、5-イソプロピル-2- ノルボ
ルネン、5-n-ブチル-2- ノルボルネン、5-イソブチル-2
- ノルボルネン、5,6-ジメチル-2- ノルボルネン、5-ク
ロロ-2- ノルボルネン、5-フルオロ-2- ノルボルネンな
どのノルボルネン類、1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4
- ヘキサジエン、5-メチル-1,4- ヘキサジエン、1,7-オ
クタジエン、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2-
ノルボルネン、5-ビニル-2- ノルボルネンなどの非共役
ジエン類が挙げられる。
【0081】これらの他のモノマーは、単独であるいは
2種以上組み合わせて用いることができる。エチレン・
環状オレフィンランダム共重合体(i)において、上記
のような他のモノマーから誘導される構成単位は、通
常、20モル%以下、好ましくは10モル%以下の量で
含有されていてもよい。
【0082】このエチレン・環状オレフィンランダム共
重合体(i)では、上記のようなエチレンおよび環状オ
レフィンそれぞれの単量体から誘導される構成単位が、
ランダムに配列して結合し、実質的にゲル状架橋重合体
を含有せず、分岐構造を有していてもよい実質的に線状
構造を有している。この共重合体が実質的に線状構造を
有していることは、該共重合体が有機溶媒に溶解し、不
溶分を含まないことにより確認することができる。たと
えば極限粘度[η]を測定する際に、該共重合体が13
5℃のデカリンに完全に溶解することにより確認するこ
とができる。
【0083】本発明で用いられるエチレン・環状オレフ
ィンランダム共重合体(i)において、上記環状オレフ
ィンから誘導される構成単位は、実質的に下記構造式
[II]で示される。
【0084】
【化28】
【0085】ただし、上記式[II]において、n、m、
q、R1 〜R18ならびにRa 、Rbは、それぞれ前述し
た一般式[I]におけるn、m、q、R1 〜R18、Ra
およびRb と同じ意味である。
【0086】上記のようなエチレン・環状オレフィンラ
ンダム共重合体(i)は、エチレンと、式[I]で表わ
される環状オレフィンと、さらに必要に応じて他の共重
合可能なモノマーとを、炭化水素溶媒中で共重合させる
ことにより製造される。この際、該炭化水素溶媒に可溶
性のバナジウム化合物および有機アルミニウム化合物か
ら形成される触媒あるいはメタロセン触媒を用いること
が好ましい。
【0087】なお、上記のような触媒を用いてエチレン
・環状オレフィンランダム共重合体(i)を製造する方
法は、特開昭60−168708号公報、特開昭61−
120816号公報、特開昭61−115912号公
報、特開昭61−115916号公報、特開昭61−2
71308号公報、特開昭61−272216号公報、
特開昭62−252406号公報、特開昭62−252
407号公報などに詳細に記載されている。
【0088】<環状オレフィンの開環(共)重合体(i
i)>本発明で用いられる環状オレフィンの開環重合体
または開環共重合体(ii)は、上記式[I]で表わされ
る環状オレフィンから誘導される構成単位からなり、該
構成単位は、実質的に下記式[III] で表わされる。
【0089】
【化29】
【0090】ただし上記式[III] において、n、m、
q、R1 〜R18ならびにRa 、Rbは、それぞれ前述し
た一般式[I]におけるn、m、q、R1 〜R18、Ra
およびRb と同じ意味である。
【0091】本発明で用いられる環状オレフィンの開環
重合体または開環共重合体(ii)は、サーマル・メカニ
カルアナライザーで測定した軟化温度(TMA)が、通
常70℃以上、好ましくは70〜300℃、さらに好ま
しくは90〜250℃であり、ガラス転移点(Tg)
が、通常50〜250℃、好ましくは70〜230℃で
ある。
【0092】このような開環重合体または開環共重合体
(ii)は、前記式[I]で表わされる環状オレフィンを
開環重合触媒の存在下に、開環重合または開環共重合さ
せることにより製造することができる。
【0093】このような開環重合触媒としては、ルテニ
ウム、ロジウム、オスミウム、インジウム、白金、モリ
ブデンおよびタングステンから選ばれる金属のハロゲン
化物、硝酸塩またはアセチルアセトン化合物と、アルコ
ール類またはスズ化合物などの還元剤とからなる触媒、
あるいはチタン、バナジウム、ジルコニウム、タングス
テンおよびモリブデンから選ばれる金属のハロゲン化物
またはアセチルアセトン化合物と、アルムニウム化合物
とからなる触媒を用いることができる。
【0094】なお、本発明で用いられる環状オレフィン
の開環(共)重合体(ii)は、本発明の目的を損なわな
い範囲で、式[I]で表わされる環状オレフィン以外の
他の環状オレフィンから誘導される構成単位を含有して
いてもよい。
【0095】このような他の環状オレフィンとしては、
炭素原子数4以上の単核式環状オレフィンが挙げられ、
具体的には、シクロブテン、シクロペンテン、シクロオ
クテン、シクロノネン、メチルシクロペンテン、メチル
シクロヘプテン、メチルシクロオクテン、メチルシクロ
ノネン、メチルシクロデセン、エチルシクロペンテン、
エチルシクロヘプテン、エチルシクロオクテン、エチル
シクロノネン、ジメチルシクロヘプテン、ジメチルシク
ロオクテン、ジメチルシクロノネン、ジメチルシクロデ
セン、ジメチルシクロオクタデセン、シクロデカジエン
などが挙げられる。
【0096】<環状オレフィンの開環(共)重合体(i
i)の水添物(iii)>本発明で用いられる環状オレフィ
ンの開環重合体または開環共重合体の水添物(iii)
は、上記のような開環(共)重合体(ii)の主鎖中に存
在する二重結合が、通常の50%以上、好ましくはしく
は80%以上、さらに好ましくは90%以上の割合で水
素添加されている。
【0097】本発明で用いられる開環重合体または開環
共重合体の水添物(iii) において、式[I]で表わさ
れる環状オレフィンから誘導される構成単位は、実質的
に下記式[IV]で表わされる。
【0098】
【化30】
【0099】ただし、上記式[IV]において、n、m、
q、R1 〜R18ならびにRa 、Rbは、それぞれ前述し
た一般式[I]におけるn、m、q、R1 〜R18、Ra
およびRb と同じ意味である。
【0100】本発明で用いられる環状オレフィンの開環
重合体または開環共重合体の水添物(iii) は、サーマ
ル・メカニカルアナライザーで測定した軟化温度(TM
A)が、通常70℃以上、好ましくは70〜300℃、
さらに好ましくは90〜250℃であり、ガラス転移点
(Tg)が、通常50〜250℃、好ましくは70〜2
30℃である。
【0101】このような水添物(iii) は、上記のよう
な環状オレフィンの開環重合体または開環共重合体(i
i)を、従来公知の水素添加触媒の存在下に水素還元さ
せることによって得られる。このような水素添加触媒と
しては、オレフィン系化合物を水素添加する際に一般的
に用いられている不均一触媒または均一触媒などの水素
添加触媒が用いられる。
【0102】具体的には、不均一触媒としては、ニッケ
ル、パラジウム、白金などの金属、またはこれらの金属
をたとえばカーボン、シルカ、ケイソウ土、アルミナ、
酸化チタンなどの担体に担持させた固体触媒が挙げられ
る。担体型触媒としては、ニッケル/シリカ、ニッケル
/ケイソウ土、パラジウム/カーボン、パラジウム/シ
リカ、パラジウム/ケイソウ土、パラジウム/アルミナ
などが挙げられる。
【0103】均一触媒としては、周期律表第VIII属金属
を基体とする触媒が挙げられる。たとえば、ナフテン酸
コバルト/トリエチルアルミニウム、オクテン酸コバル
ト/n−ブチルリチウムまたはニッケルアセチルアセト
ネート/トリエチルアルミニウムなどのニッケル化合物
などが挙げられる。またコバルト化合物と周期律表第I
〜III 属金属とから形成される有機金属化合物を用いて
もよく、さらにロジウム(Rh)化合物を用いてもよ
い。
【0104】上記のような水素添加触媒を用いる水素添
加反応は、触媒の種類に応じて適宜不均一系または均一
系いずれかの系で行なわれる。水素添加反応は、通常1
〜150気圧の水素圧下に、通常0〜180℃、好まし
くは20〜100℃の温度で行なわれる。
【0105】このような反応条件下における水素添加率
は、水素圧、反応温度、反応時間、触媒濃度などの条件
を適宜設定することにより調整される。 [グラフト変性]本発明で用いられるグラフト変性オレ
フィン組成物(B)は、上述した未変性エチレン・α-
オレフィンランダム共重合体(B−1)と未変性環状オ
レフィン樹脂(B−2)とのブレンド物に、特定量の不
飽和カルボン酸またはその誘導体をグラフト変性して得
ることができる。
【0106】このグラフト変性オレフィン組成物(B)
において、未変性エチレン・α- オレフィンランダム共
重合体(B−1)と未変性環状オレフィン樹脂(B−
2)とのブレンド比は、未変性エチレン・α- オレフィ
ンランダム共重合体(B−1)100重量部に対して、
未変性環状オレフィン樹脂(B−2)5〜70重量部、
好ましくは8〜60重量部、さらに好ましくは10〜5
0重量部である。
【0107】本発明で用いられるグラフト変性オレフィ
ン組成物(B)における不飽和カルボン酸またはその誘
導体のグラフト量は、未変性エチレン・α- オレフィン
ランダム共重合体(B−1)と未変性環状オレフィン樹
脂(B−2)との合計100重量%に対して、0.01
〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0108】このグラフト量が上記範囲にあるグラフト
変性オレフィン組成物(B)は、ポリアミド樹脂組成物
中において分散性に優れるとともに、熱安定性に優れ、
溶融時に樹脂が着色することもない。しかも、このよう
なグラフト変性オレフィン組成物(B)を用いると、機
械的強度に優れた成形体を提供し得るポリアミド樹脂組
成物を得ることができる。
【0109】また、本発明で用いられるグラフト変性オ
レフィン組成物(B)は、次のような組成物であっても
よい。 (1)未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合
体(B−1)のグラフト変性物100重量部と、未変性
環状オレフィン樹脂(B−2)のグラフト変性物5〜7
0重量部、好ましくは7〜60重量部、さらに好ましく
は10〜55重量部とを混合した組成物。 (2)未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合
体(B−1)100重量部と、未変性環状オレフィン樹
脂(B−2)のグラフト変性物5〜70重量部、好まし
くは7〜60重量部、さらに好ましくは10〜55重量
部とを混合した組成物。 (3)未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合
体(B−1)のグラフト変性物100重量部と、未変性
環状オレフィン樹脂(B−2)5〜70重量部、好まし
くは7〜60重量部、さらに好ましくは10〜55重量
部とを混合した組成物。
【0110】上記(1)〜(3)のグラフト変性オレフ
ィン組成物(B)の場合、不飽和カルボン酸またはその
誘導体のグラフト量は、未変性エチレン・α- オレフィ
ンランダム共重合体(B−1)あるいは未変性環状オレ
フィン樹脂(B−2)100重量%に対して、0.01
〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0111】上記グラフト変性で用いられる不飽和カル
ボン酸の例としては、アクリル酸、マレイン酸、フマー
ル酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、クロトン酸、イソクロトン酸およびナジック酸
TM(エンドシス- ビシクロ[2,2,1] ヘプト-5- エン-
2,3- ジカルボン酸)などが挙げられる。
【0112】また、不飽和カルボン酸の誘導体として
は、たとえば上記不飽和カルボン酸の酸ハライド化合
物、アミド化合物、イミド化合物、酸無水物およびエス
テル化合物などを挙げることができる。具体的には、塩
化マレニル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラ
コン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、
グリシジルマレエートなどが挙げられる。これらの中で
は、不飽和ジカルボン酸またはその酸無水物が好適であ
り、特にマレイン酸、ナジック酸TMまたはこれらの酸無
水物が好適である。
【0113】なお、上記未変性オレフィンブレンド物に
グラフトされる不飽和カルボン酸またはその誘導体のグ
ラフト位置に特に限定はなく、このグラフト変性オレフ
ィン組成物(B)を構成するエチレン・α- オレフィン
ランダム共重合体および環状オレフィン共重合体の任意
の炭素原子に、不飽和カルボン酸またはその誘導体が結
合していればよい。
【0114】上記のようなグラフト変性オレフィン組成
物(B)は、従来公知の種々の方法、たとえば次のよう
な方法を用いて調製することができる。また、未変性エ
チレン・α- オレフィンランダム共重合体(B−1)の
グラフト変性物、および未変性環状オレフィン樹脂(B
−2)のグラフト変性物も同様の方法で調製することが
できる。 (1)上記未変性オレフィンブレンド物を溶融させて不
飽和カルボン酸等を添加してグラフト共重合させる方
法。 (2)上記未変性オレフィンブレンド物を溶媒に溶解さ
せて不飽和カルボン酸等を添加してグラフト共重合させ
る方法。
【0115】いずれの方法も、上記不飽和カルボン酸等
のグラフトモノマーを効率よくグラフト共重合させるた
めには、ラジカル開始剤の存在下にグラフト反応を行な
うのが好ましい。
【0116】上記ラジカル開始剤としては、有機ペルオ
キシド、アゾ化合物などが使用される。このようなラジ
カル開始剤としては、具体的には、ベンゾイルペルオキ
シド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペル
オキシド、ジーtertーブチルペルオキシド、2,5ージメチル
ー2,5ー ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシンー3、1,
4ービス(tertー ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼ
ン、ラウロイルペルオキシド、tertー ブチルペルアセテ
ート、2,5ージメチルー2,5ー ジー(tertー ブチルペルオキシ
ド)ヘキシンー3、2,5ージメチルー2,5- ジ(tertー ブチル
ペルオキシド)ヘキサン、tertー ブチルペルベンゾエー
ト、tertー ブチルペルフェニルアセテート、tertー ブチ
ルペルイソブチレート、tertー ブチルペルーsecー オクト
エート、tertー ブチルペルピバレート、クミルペルピバ
レート、tertー ブチルペルジエチルアセテート等の有機
ペルオキシド;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル
アゾイソブチレート等のアゾ化合物などが挙げられる。
これらの中では、ジクミルペルオキシド、ジーtertーブチ
ルペルオキシド、2,5ージメチルー2,5ー ジ(tert- ブチル
ペルオキシ)ヘキシン-3、2,5ージメチルー2,5ー ジ(tert
- ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4ービス(tertー ブチ
ルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキル
ペルオキシドが好ましく用いられる。
【0117】これらのラジカル開始剤は、未変性オレフ
ィンブレンド物100量部に対して、通常は0.001
〜1重量部、好ましくは0.003〜0.5重量部、さ
らに好ましくは0.05〜0.3重量部の量で用いられ
る。
【0118】上記のようなラジカル開始剤を使用したグ
ラフト反応、あるいはラジカル開始剤を使用せずに行な
うグラフト反応における反応温度は、通常60〜350
℃、好ましくは150〜300℃の範囲内に設定され
る。
【0119】本発明においては、上記グラフト変性オレ
フィン組成物(B)は、上記ポリアミド樹脂(A)10
0重量部に対して、5〜70重量部、好ましくは10〜
50重量部、さらに好ましくは10〜40重量部の量で
用いられる。上記グラフト変性オレフィン組成物(B)
が上記のような量で用いられると、耐低温衝撃性に優
れ、かつ高剛性である成形体を提供することができ、し
かも成形性に優れたポリアミド樹脂組成物を得ることが
できる。
【0120】その他の添加剤 本発明に係るポリアミド樹脂組成物には、上記のポリア
ミド樹脂(A)およびグラフト変性オレフィン組成物
(B)の他に、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収
剤、光保護剤、亜燐酸塩系熱安定剤、過酸化物分解剤、
塩基性補助安定剤、増核剤、可塑剤、潤滑剤、帯電防止
剤、難燃剤、顔料、染料、充填剤などの添加剤を、本発
明の目的を損なわない範囲で配合することができる。ま
た、本発明に係るポリアミド樹脂組成物には、他の重合
体を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することも
できる。
【0121】上記充填剤の例としては、カーボンブラッ
ク、アスベスト、タルク、シリカ、シリカアルミナなど
が挙げられる。ポリアミド樹脂組成物の調製 本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、上記のポリアミ
ド樹脂(A)と、グラフト変性オレフィン組成物(B)
と、必要に応じて配合される添加剤とを、種々の従来公
知の方法で溶融混合することにより調製される。すなわ
ち、本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、上記各成分
を同時に、または逐次的に、たとえばヘンシェルミキサ
ー、V型ブレンダー、タンブラーミキサー、リボンブレ
ンダー等に装入して混合した後、単軸押出機、多軸押出
機、ニーダー、バンバリーミキサー等で溶融混練するこ
とによって得られる。
【0122】これらの内でも、多軸押出機、ニーダー、
バンンバリーミキサー等の混練性能に優れた装置を使用
すると、各成分がより均一に分散された高品質のポリア
ミド樹脂組成物が得られる。
【0123】また、これらの任意の段階で必要に応じて
前記添加剤、たとえば酸化防止剤などを添加することも
できる。上記のようにして得られる本発明に係るポリア
ミド樹脂組成物は、従来公知の種々の溶融成形法、たと
えば射出成形、押出成形、圧縮成形などの方法により、
種々の形状に成形することができる。
【0124】
【発明の効果】本発明に係るポリアミド樹脂組成物は、
成形性に優れ、耐低温衝撃性に優れ、かつ高剛性である
成形体を提供することができる。
【0125】以下、本発明を実施例により説明するが、
本発明は、これら実施例により限定されるものではな
い。
【0126】
【実施例1】 [エチレン・1-ブテンランダム共重合体の製造]重合器
中で、オキシ三塩化バナジウムとエチルアルミニウムセ
スキクロリドを重合触媒とし、重合溶媒ヘキサン中にエ
チレンと1-ブテンの混合ガスおよび水素ガスを供給し、
40℃、5kg/cm2 、滞留時間1時間の条件下で連
続的に共重合したエチレン・1-ブテン共重合体溶液か
ら、溶媒を分離し、目的とするエチレン・1-ブテン共重
合体(B-1-1) を得た。
【0127】得られたエチレン・1-ブテン共重合体(B-
1-1) は、1-ブテン含量が19モル%であり、MFR
(ASTM D 1238,230℃、2.16kg荷
重)が0.5g/10分であり、ガラス転移温度が−6
5℃であり、X線回折法によって測定した結晶化度が2
%であり、13C−NMR法により求めた共重合モノマー
連鎖分布のランダム性を示すパラメータ(B値)が1.
1であった。
【0128】[エチレン・環状オレフィンランダム共重
合体の製造]重合器中で、VO(OC25)Cl2 とエ
チルアルミニウムセスキクロリドを重合触媒とし、重合
溶媒シクロヘキサン中に、エチレン、テトラシクロ
[4.4.0.12,5.17,10] ドデセン-3(以下「TDC
−3」と略記する)、窒素および水素を供給し、重合反
応はジャケットに冷媒を循環させることにより10℃で
行なった。上記重合条件で共重合反応を行なった後、溶
媒を分離し、目的とするエチレン・環状オレフィンラン
ダム共重合体(B-2-1) を得た。
【0129】得られたエチレン・環状オレフィンランダ
ム共重合体(B-2-1) のMFR(260℃、2.16k
g荷重)が、30g/10分であった。また、このエチ
レン・環状オレフィンランダム共重合体(B-2-1) を下
記条件にて射出成形にて曲げ特性測定用試験片を作製
し、ASTM D 790の規格に準拠して曲げ試験を行
なった。この試験の結果、上記試験片の室温での曲げ初
期弾性率(ASTM D 790)は、2450MPaで
あった。
【0130】(射出成形条件) シリンダー温度 ・・・・・・ 210℃ 射出圧力 ・・・・・・ 1000kg/cm2 金型温度 ・・・・・・ 50℃ [変性オレフィン組成物(B)の調製]上記のようにし
て得られたエチレン・1-ブテンランダム共重合体(B-1-
1) 9.0kgと、エチレン・環状オレフィンランダム
共重合体(B-2-1) 3.0kgと、無水マレイン酸60
gおよびジ-tert-ブチルペルオキシド3.6gを36g
のアセトンに溶解させた溶液とをヘンシェルミキサー中
でブレンドした。
【0131】次いで、上記のようにして得られたブレン
ド物をスクリュー径40mm、L/D=26の1軸押出
機のホッパーより投入し、樹脂温度280℃、押出量6
kg/時間でストランド状に押し出して水冷した後、ペ
レタイズして無水マレイン酸グラフト変性オレフィン組
成物(B1)を得た。
【0132】[ポリアミド樹脂組成物の調製]6ナイロ
ン[東レ(株)製、アミランCM1017、MFR(2
35℃、2.16kg荷重):33g/10分]100
重量部と、上記ペレット状の無水マレイン酸グラフト変
性オレフィン組成物(B1)18重量部とを、ヘンシェ
ルミキサーを用いて混合してドライブレンド物を調製し
た。
【0133】次いで、このドライブレンド物を245℃
に設定した2軸押出機(L/D=40、30mmφ)に供
給し、ポリアミド樹脂組成物のペレットを調製した。得
られたポリアミド樹脂組成物のペレットを80℃で1昼
夜乾燥した後、下記条件で射出成形を行ない、物性試験
用試験片を作製した。
【0134】(射出成形条件) シリンダー温度 ・・・・・・ 245℃ 射出圧力 ・・・・・・ 400kg/cm2 金型温度 ・・・・・・ 80℃ 続いて、下記の方法により、ポリアミド樹脂組成物の物
性評価を行なった。 (1) 曲げ試験:厚み1/8”の試験片を用い、ASTM
D 790に従って、曲げ弾性率(FM)を測定した。
なお、試験片の状態調製は、乾燥状態で23℃の温度で
2日行なった。 (2) アイゾット衝撃試験:厚み1/8”の試験片を用
い、ASTM D 256に従って、23℃、−20℃お
よび−40℃でノッチ付きアイゾット衝撃強度を測定し
た。なお、試験片の状態調製は乾燥状態で23℃の温度
で2日行なった。
【0135】結果を第1表に示す。また、曲げ初期弾性
率と−20℃におけるアイゾット衝撃強度との関係を図
1に示す。
【0136】
【実施例2、3】実施例1の変性オレフィン組成物(B-
1) と6ナイロンとの混合比をそれぞれ第1表に示した
割合にした以外は、実施例1と同様にして、ポリアミド
樹脂組成物を調製し、曲げ初期弾性率およびノッチ付き
衝撃強度を測定した。
【0137】結果を第1表に示す。また、曲げ初期弾性
率と−20℃におけるアイゾット衝撃強度との関係を図
1に示す。
【0138】
【実施例4】実施例1で得られたエチレン・1-ブテンラ
ンダム共重合体(B-1-1) 10kgと、無水マレイン酸
100gおよびジ-tert-ブチルペルオキシド6gを50
gのアセトンに溶解させた溶液とをヘンシェルミキサー
中でブレンドした。
【0139】次いで、実施例1と同様にして無水マレイ
ン酸グラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体
を得た。その後、上記のようにして得られた無水マレイ
ン酸グラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体
8.0kgと実施例1で示したエチレン・環状オレフィ
ンランダム共重合体(B-2-1) 1.44kgとをブレン
ド後、スクリュー径40mm、L/D=26の1軸押出
機のホッパーより投入し、樹脂温度250℃、押出量5
kg/時間でストランド状に押し出して水冷した後、ペ
レタイズして無水マレイン酸グラフト変性オレフィン組
成物を得た。
【0140】以下、ポリアミド樹脂組成物の調製および
試験片の作製および試験は、実施例1と同様に行なっ
た。結果を第1表に示す。また、曲げ初期弾性率と−2
0℃におけるアイゾット衝撃強度との関係を図1に示
す。
【0141】
【実施例5、6】実施例4で得られた変性オレフィン組
成物と実施例1の6ナイロンとの混合比がそれぞれ第1
表に示す割合とした以外は、実施例4と同様にして、ポ
リアミド樹脂組成物を調製し、曲げ初期弾性率およびノ
ッチ付き衝撃強度を測定した。
【0142】結果を第1表に示す。また、曲げ初期弾性
率と−20℃におけるアイゾット衝撃強度との関係を図
1に示す。
【0143】
【比較例1】実施例1で得られたエチレン・1-ブテンラ
ンダム共重合体(B-1-1) 10kgと、無水マレイン酸
50gおよびジ-tert-ブチルペルオキシド3gを30g
のアセトンに溶解させた溶液とをヘンシェルミキサー中
でブレンドした。
【0144】次いで、実施例1と同様にして無水マレイ
ン酸グラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体
を調製した。以下、実施例1と同様にして、ポリアミド
樹脂組成物を調製し、曲げ初期弾性率およびノッチ付き
衝撃強度を測定した。
【0145】結果を第1表に示す。また、曲げ初期弾性
率と−20℃におけるアイゾット衝撃強度との関係を図
1に示す。
【0146】
【比較例2、3】比較例1で得られた無水マレイン酸グ
ラフト変性エチレン・1-ブテンランダム共重合体と実施
例1の6ナイロンとの混合比がそれぞれ第1表に示す割
合とした以外は、比較例1と同様にして、ポリアミド樹
脂組成物を調製し、曲げ初期弾性率およびノッチ付き衝
撃強度を測定した。
【0147】結果を第1表に示す。また、曲げ初期弾性
率と−20℃におけるアイゾット衝撃強度との関係を図
1に示す。
【0148】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、曲げ初期弾性率と−20℃における
アイゾット衝撃強度との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 51:06)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[I]ポリアミド樹脂(A)100重量部
    と [II]不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラフト量
    が0.01〜10重量%のグラフト変性オレフィン組成
    物(B)5〜70重量部とからなり、 該グラフト変性オレフィン組成物(B)は、 下記の未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合
    体(B−1)100重量部と、未変性環状オレフィン樹
    脂(B−2)5〜70重量部とのブレンド物に、不飽和
    カルボン酸またはその誘導体でグラフト変性された組成
    物であることを特徴とするポリアミド樹脂組成物;未変
    性エチレン・α- オレフィンランダム共重合体(B−
    1): (a) エチレンと炭素原子数3以上のα- オレフィンとの
    共重合体であり、(b) MFR(230℃、2.16kg荷重)が0.
    1〜100g/10分であり、(c) 密度が0.880g
    /cm3 以下であり、(d) ガラス転移温度(Tg)が−
    50℃以下であり、(e) X線回折法により測定した結晶
    化度が20%未満であり、(f) 13C−NMR法により求
    めた、共重合モノマー連鎖分布を示すパラメータ(B
    値)が1.0〜1.4であるエチレン・α- オレフィン
    ランダム共重合体、未変性環状オレフィン樹脂(B−
    2): (a) エチレンと下記一般式[I]で表わされる環状オレ
    フィンとのランダム共重合体、あるいは式[I]で表わ
    される環状オレフィンの開環重合体または開環共重合
    体、あるいは式[I]で表わされる環状オレフィンの開
    環重合体または開環共重合体の水添物であり、(b) MF
    R(260℃、2.16kg荷重)が1〜100g/10分であり、
    (c) 室温における曲げ初期弾性率が2000MPa以上
    である環状オレフィン樹脂; 【化1】 (式中、nは0または1であり、mは0または正の整数
    であり、qは0または1であり、 R1 〜R18ならびにRa およびRb は、それぞれ独立
    に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる
    群から選ばれる原子または基を表わし、 R15〜R18は互いに結合して単環または多環を形成して
    いてもよく、かつ、該単環または多環が二重結合を有し
    ていてもよく、 またR15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
    ン基を形成していてもよい)。
  2. 【請求項2】[I]ポリアミド樹脂(A)100重量部
    と [II]不飽和カルボン酸またはその誘導体のグラフト量
    が0.01〜10重量%のグラフト変性オレフィン組成
    物(B)5〜70重量部とからなり、 該グラフト変性オレフィン組成物(B)は、 下記の未変性エチレン・α- オレフィンランダム共重合
    体(B−1)および未変性環状オレフィン樹脂(B−
    2)の一方が不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラ
    フト変性された組成物であることを特徴とするポリアミ
    ド樹脂組成物;未変性エチレン・α- オレフィンランダ
    ム共重合体(B−1): (a) エチレンと炭素原子数3以上のα- オレフィンとの
    共重合体であり、(b) MFR(230℃、2.16kg荷重)が0.
    1〜100g/10分であり、(c) 密度が0.880g
    /cm3 以下であり、(d) ガラス転移温度(Tg)が−
    50℃以下であり、(e) X線回折法により測定した結晶
    化度が20%未満であり、(f) 13C−NMR法により求
    めた、共重合モノマー連鎖分布を示すパラメータ(B
    値)が1.0〜1.4であるエチレン・α- オレフィン
    ランダム共重合体、未変性環状オレフィン樹脂(B−
    2): (a) エチレンと下記一般式[I]で表わされる環状オレ
    フィンとのランダム共重合体、あるいは式[I]で表わ
    される環状オレフィンの開環重合体または開環共重合
    体、あるいは式[I]で表わされる環状オレフィンの開
    環重合体または開環共重合体の水添物であり、(b) MF
    R(260℃、2.16kg荷重)が1〜100g/10分であり、
    (c) 室温における曲げ初期弾性率が2000MPa以上
    である環状オレフィン樹脂; 【化2】 (式中、nは0または1であり、mは0または正の整数
    であり、qは0または1であり、 R1 〜R18ならびにRa およびRb は、それぞれ独立
    に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる
    群から選ばれる原子または基を表わし、 R15〜R18は互いに結合して単環または多環を形成して
    いてもよく、かつ、該単環または多環が二重結合を有し
    ていてもよく、 またR15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
    ン基を形成していてもよい)。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104610734A (zh) * 2015-01-05 2015-05-13 中广核三角洲(苏州)高聚物有限公司 耐高低温尼龙复合材料及其制备方法
CN104610733A (zh) * 2015-01-05 2015-05-13 中广核三角洲(苏州)高聚物有限公司 尼龙光纤紧套料及其制备方法
WO2021117864A1 (ja) * 2019-12-12 2021-06-17 株式会社クラレ 回収性に優れる樹脂組成物及びそれを用いた多層構造体

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