JPH05186682A - ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物

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JPH05186682A
JPH05186682A JP6193992A JP6193992A JPH05186682A JP H05186682 A JPH05186682 A JP H05186682A JP 6193992 A JP6193992 A JP 6193992A JP 6193992 A JP6193992 A JP 6193992A JP H05186682 A JPH05186682 A JP H05186682A
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JP
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resin
cyclic olefin
group
polyphenylene ether
olefin
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JP6193992A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Aine
根 敏 裕 相
Yoichiro Tsuji
洋一郎 辻
橋 守 ▲高▼
Mamoru Takahashi
Satoru Moriya
屋 悟 守
Akira Todo
堂 昭 藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組成
物は、[A]ポリフェニレンエーテル樹脂および/また
はポリ(置換フェニレンエーテル)樹脂と、[B]エチ
レンと芳香族基を有する環状オレフィンとの共重合体、
芳香族基を有する環状オレフィンの開環重合体およびそ
の水添物よりなる群から選ばれる135℃のデカリン中
で測定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/g、軟化
温度(TMA)が0℃以上である環状オレフィン系樹脂と
を、98/2〜2/98の範囲内の重量比で含む。さら
に、本発明は、上記[A]および[B]に加えて、さら
に、[C]軟質重合体、好ましくはスチレン系軟質重合
体を95/5〜50/50の重量比{([A]+
[B])/[C]}で含有する樹脂組成物をも提供す
る。 【効果】 本発明の樹脂組成物は、耐熱性、電気特性、
成形性および機械的特性に優れている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、ポリフェニレンエーテル
系樹脂と環状オレフィン系樹脂と、さらに軟質重合体と
を含むポリ(フェニレンエーテル)系樹脂組成物に関す
る。さらに詳しくは本発明は、耐熱性、電気特性、機械
特性および成形性に優れたポリフェニレンエーテル系樹
脂組成物に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】ポリ(2,6-ジメチルフェニレンエ
ーテル)樹脂などのポリフェニレンエーテル樹脂または
ポリ置換フェニレンエーテル樹脂[以下、ポリフェニレ
ンエーテル系樹脂と総称することがある。]は、誘電率
および誘電正接が低く、さらに体積固有抵抗および絶縁
破壊強さが大きいなど、電気特性に優れるほか、耐熱性
に優れ、成形収縮率も小さいとの特性を有している。し
かし、このポリフェニレンエーテル系樹脂は溶融粘度が
高いため、その成形性に関しては改善の余地がある。そ
こで、成形性を改良するため、ポリスチレンをブレンド
したポリフェニレンエーテル系樹脂組成物が既に商品化
されている。
【0003】ところが、ポリスチレンは、ポリ(2,6-ジ
メチルフェニレンエーテル)樹脂などのポリフェニレン
エーテル系樹脂に比べてガラス転移温度が低いため、例
えば代表的なポリフェニレンエーテル系樹脂であるポリ
(2,6-ジメチルフェニレンエーテル)樹脂にポリスチレン
を配合した樹脂組成物は、ポリ(2,6-ジメチルフェニレ
ンエーテル)樹脂より耐熱性が低下するという問題点が
ある。
【0004】ところで、環内にエチレン性二重結合を有
する環状オレフィンは、重合性を有しており、例えばエ
チレンと共重合して環状オレフィン・エチレン共重合体
が得られることが知られている(例:特開昭60-168708
号公報、同63-243111号、同63-305111号、同63-223013
号および同1-185307号等の公報参照)。
【0005】このような環状オレフィン系樹脂は、光学
用材料として必要な透明性、耐水性および熱的特性を有
しているが、本発明者がさらに研究を重ねた結果、環状
オレフィン系樹脂の中でも芳香族基を有する特定の環状
オレフィンから誘導される繰り返し単位を有する環状オ
レフィン系樹脂(芳香族基含有環状オレフィン系樹脂)
をポリフェニレンエーテル系樹脂に配合することによ
り、種々の用途に使用可能なさらに優れた特性を有する
ポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を得ることができ
るとの知見を得た。
【0006】上記芳香族基含有環状オレフィン系樹脂自
体は既に知られており(特開平1-185307号公報参照)、
さらにこの公報にはこのような芳香族基を有する環状オ
レフィン系樹脂と他の樹脂とを配合することも記載され
ている。しかしながら、この公報には芳香族基含有環状
オレフィン系樹脂単独の特性は示されているが、他の樹
脂と混合した場合の特性については何等示唆されていな
い。
【0007】
【発明の目的】本発明は、ポリフェニレンエーテル系樹
脂の優れた特性を維持したまま、耐熱性、電気特性、機
械特性および成形性に優れたポリフェニレンエーテル系
樹脂組成物を提供することを目的としている。
【0008】さらに本発明は、ポリフェニレンエーテル
系樹脂の優れた特性を維持したまま、耐熱性、電気特性
および成形性に優れると共に、特に機械的特性が著しく
向上したポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を提供す
ることを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係る第1のポリフェニレンエー
テル系樹脂組成物は、[A]ポリフェニレンエーテル樹
脂および/またはポリ(置換フェニレンエーテル)樹脂
と、[B]エチレンと下記の式[I]で表される環状オ
レフィンとの共重合体、環状オレフィンの開環重合体お
よびその水添物よりなる群から選ばれる135℃のデカ
リン中で測定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/
g、軟化温度(TMA)が0℃以上である環状オレフィン
系樹脂とを、98/2〜2/98の範囲内の重量比
([A]/[B])で含むことを特徴としている。
【0010】また、本発明に係る第2のポリフェニレン
エーテル系樹脂組成物は、[A]ポリフェニレンエーテ
ル樹脂および/またはポリ(置換フェニレンエーテル)
樹脂と、[B]エチレンと下記の式[I]で表される環
状オレフィンとの共重合体、環状オレフィンの開環重合
体およびその水添物よりなる群から選ばれる135℃の
デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.05〜10d
l/g、軟化温度(TMA)が0℃以上である環状オレフィ
ン系樹脂と、[C]軟質重合体とを含み、[A]/
[B]の配合重量比が98/2〜2/98の範囲内にあ
り、かつ([A]+[B])/[C]の配合重量比が9
5/5〜50/50の範囲内にあることを特徴としてい
る。
【0011】
【化3】
【0012】ただし、上記式[I]において、pおよび
qは0または1以上の整数であり、mおよびnは0、1
または2であり、R1〜R19は、それぞれ独立に、水素
原子、ハロゲン原子、脂肪族炭化水素基、脂環族炭化水
素基、芳香族炭化水素基およびアルコキシ基よりなる群
から選ばれる原子もしくは基を表し、R9とR13または
10とR11とは直接あるいは炭素数1〜3のアルキレン
基を介して結合していてもよく、また、n=m=0のと
きR15とR12またはR15とR19とは互いに結合して単環
または多環の芳香族環を形成していてもよい。
【0013】本発明の第1のポリフェニレンエーテル系
樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル系樹脂[A]と
芳香族基を有する特定の環状オレフィン系樹脂[B]
(即ち、環状オレフィン系ランダム共重合体、環状オレ
フィン開環重合体あるいはこの水添物)とを含むため、
耐熱性、電気特性、機械的特性および成形性に優れてい
る。
【0014】本発明の第2のポリフェニレンエーテル系
樹脂組成物は、上記第1のポリフェニレンエーテル系樹
脂組成物にさらに軟質重合体[C]が配合されているの
で、この樹脂組成物は、耐衝撃性などの機械的特性がさ
らに向上する。
【0015】
【発明の具体的説明】次に本発明のポリフェニレンエー
テル系樹脂組成物について具体的に説明する。
【0016】本発明の第1のポリフェニレンエーテル系
樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル系樹脂[A]と
特定の環状オレフィン系樹脂[B]とからなる。本発明
のポリフェニレンエーテル系樹脂組成物を構成するポリ
フェニレンエーテル系樹脂[A]は、下記式[i]で表
わされる構造を有している。
【0017】
【化4】
【0018】ただし、上記式[i]において、R20、R
21、R22、R23は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲ
ン原子、アルキル基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ
基、アミノ基、フェノキシ基またはスルホン基であり、
sは正の整数である。
【0019】上記式[i]において、sは20〜100
0であることが好ましい。すなわち、上記式[i]に示
されるように、本発明で使用されるポリフェニレンエー
テル系樹脂は、フェニレン基に置換基を有しないポリフ
ェニレンエーテルであってもよいし、置換基を有するポ
リフェニレンエーテルであってもよい。さらに、両者の
混合物であってもよい。
【0020】上記式[i]で表わされるポリフェニレン
エーテル樹脂またはポリ置換フェニレンエーテル樹脂の
具体的な例としては、ポリ-1,4-フェニレンエーテル、
ポリ-2,6-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル、ポリ-2,6
-ジエチル-1,4-フェニレンエーテル、ポリ-2,6-ジプロ
ピル-1,4-フェニレンエーテル、ポリ-2-メチル-6-イソ
プロピル-1,4-フェニレンエーテル、ポリ-2,6-ジメトキ
シ-1,4-フェニレンエーテル、ポリ-2,6-ジクロロチメル
-1,4-フェニレンエーテル、ポリ-2,6-ジフェニル-1,4-
フェニレンエーテル、ポリ-2,6-ジニトリル-1,4-フェニ
レンエーテル、ポリ-2,6-ジクロル-1,4-フェニレンエー
テルおよびポリ-2,5-ジメチル-1,4-フェニレンエーテル
などが挙げられる。これらは単独で、または2種以上を
混合して使用することができる。
【0021】これらのポリフェニレンエーテル樹脂また
はポリ置換フェニレンエーテル樹脂[A]について、3
0℃のクロロホルム中で測定した極限粘度[η]は、通
常は0.01〜5dl/g、好ましくは0.1〜3dl/gの範囲
内にある。
【0022】また、上記ポリフェニレンエーテル樹脂
[A]またはポリ置換フェニレンエーテル樹脂[A]に
ついて、サーモ・メカニカル・アナライザーで測定した軟
化温度(TMA)は、通常は100℃以上、好ましくは
150〜250℃の範囲内にある。
【0023】さらに、上記ポリフェニレンエーテル系樹
脂またはポリ置換フェニレンエーテル樹脂[A]のガラ
ス転移温度(Tg)は、通常は100℃以上、好ましく
は150〜250℃の範囲内にある。
【0024】次に本発明のポリフェニレンエーテル系樹
脂組成物を構成する環状オレフィン系樹脂[B]につい
て説明する。本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物を構成する環状オレフィン系樹脂[B]は、式
[I]で示されるような芳香族環を有する環状オレフィ
ンから誘導される繰り返し単位を有する樹脂である。
【0025】このような環状オレフィン系樹脂[B]に
は、エチレンから導かれる構成単位(a)と式[I]で
表される環状オレフィンから導かれる構成単位(b)と
がランダムに結合している環状オレフィン系ランダム共
重合体、式[I]で表される環状オレフィンの開環重合
体(開環共重合体)、およびこの開環重合体の水添物が
ある。
【0026】この環状オレフィンは、次式[I]で表す
ことができる。
【0027】
【化5】
【0028】ただし、上記式[I]において、pは、0
または正の整数であり、好ましくは0〜3である。また
上記式[I]において、mおよびnはそれぞれ独立に
0、1または2である。さらに、qは0または正の整数
であり、好ましくは0または1である。
【0029】そして、R1〜R19は、それぞれ独立に、
水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群か
ら選ばれる原子もしくは基である。ここで、ハロゲン原
子としては、たとえば、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子およびヨウ素原子を挙げることができる。また、炭化
水素基の例としては、炭素数1〜10のアルキル基、炭
素数5〜15のシクロアルキル基、炭素数6〜12の芳
香族炭化水素基を挙げることができる。
【0030】アルキル基の具体的な例としては、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、イソブチル基、n-アミ
ル基、ネオペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、
n-デシル基および2-エチルヘキシル基等を挙げることが
できる。また、シクロアルキル基の具体的な例として
は、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基および
エチルシクロヘキシル基等を挙げることができる。さら
に、芳香族炭化水素基の具体的な例としては、フェニル
基、ナフチル基およびビフェニル基等を挙げることがで
きる。
【0031】また、上記式[I]において、R9またはR
13が結合している炭素原子あるいはR10またはR11が結
合している炭素原子とは炭素数1〜3のアルキレン基を
介して相互に結合していてもよく、また何の基も介さず
に直接結合していてもよい。
【0032】さらに、n=m=0のとき、R15とR12
たはR15とR19とは互いに結合して単環または多環の芳
香族環を形成していてもよい。この場合の好ましい例と
しては、n=m=0のときR15とR12がさらに芳香族環
を形成している以下に記載する基を挙げることができ
る。
【0033】
【化6】
【0034】上記式において、qは式[I]におけるの
と同じ意味である。前記式[I]で表される環状オレフ
ィンの例としては、具体的には、以下に記載する化合物
を挙げることができる。
【0035】
【化7】
【0036】
【化8】
【0037】
【化9】
【0038】
【化10】
【0039】
【化11】
【0040】
【化12】
【0041】前記のような式[I]で表される環状オレ
フィンは、シクロペンタジエン類と、相応するオレフィ
ン類あるいは環状オレフィン類とをディールス・アルダ
ー反応により縮合させることにより製造することができ
る。
【0042】本発明の樹脂組成物を構成する環状オレフ
ィン系樹脂[B]として使用される環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体には、エチレンから導かれる構成単位
(a)が通常は40〜97モル%、好ましくは50〜9
5モル%の範囲の量で含まれており、上記環状オレフィ
ンから導かれる構成単位(b)は通常は3〜60モル
%、好ましくは5〜50モル%の範囲の量で含まれてい
る。
【0043】環状オレフィン系ランダム共重合体中にお
いて、エチレンから誘導される繰り返し単位と、環状オ
レフィンから誘導される繰り返し単位とは、ランダム
に、かつ実質上線状に配列されている。この環状オレフ
ィン系ランダム共重合体が、実質上線状であり、かつゲ
ル状架橋を有していないことは、このランダム共重合体
が、135℃のデカリンに完全に溶解することにより確
認することができる。
【0044】環状オレフィン系ランダム共重合体は、例
えば、エチレンと環状オレフィンとを、炭化水素媒体
中、炭化水素可溶性バナジウム化合物およびハロゲン含
有有機アルミニウム化合物とから形成される触媒の存在
下で重合させることにより製造することができる。
【0045】このような重合に際しては、例えば特開昭
60-168708号、同61-120816号、同61-115912号、同61-11
5916号、同61-271308号、同61-272216号、同62-252406
号および同62-252407号等の公報に開示されている方法
を利用することができる。
【0046】このような環状オレフィン系ランダム共重
合体中において、例えば上記式[I]で表わされる環状
オレフィンの少なくとも一部は、次式[I-A]で表わさ
れる構造を形成してエチレンから誘導される繰り返し単
位とランダムに結合しているものと考えられる。
【0047】
【化13】
【0048】ただし、上記式[I-A]において、R1〜R
19、ならびに、p、q、mおよびnは、式[I]におけ
るのと同じ意味である。環状オレフィン系ランダム共重
合体は、エチレンから導かれる構成単位(a)、前記式
[I]で表される環状オレフィンから導かれる構成単位
(b)を必須構成単位としているが、この環状オレフィ
ン系ランダム共重合体は、その特性が損なわれない範囲
内で、必要に応じて他の共重合可能な不飽和単量体から
導かれる構成単位を有していてもよい。必要に応じ添加
され、共重合していてもよい不飽和単量体の例として
は、具体的には、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-
ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデ
セン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセ
ンおよび1-エイコセンなどの炭素数3〜20のα-オレ
フィンなどを挙げることができる。これらの不飽和単量
体から導かれる構成単位は、生成するランダム共重合体
中におけるエチレンから導かれる構成単位(a)に対し
て等モル未満の量で含まれていてもよい。
【0049】さらに、上記のような環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体は、この共重合体の物性を損なわない範
囲で、上記式[I]で表される環状オレフィン以外の環
状オレフィン(他の環状オレフィン)から導かれる構成
単位を有することもできる。このような環状オレフィン
としては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シ
クロヘキセン、3,4-ジメチルシクロヘキセン、3-メチル
シクロヘキセン、2-(2-メチルブチル)-1-シクロヘキ
セン、2,3,3a,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-インデ
ンおよび3a,5,6,7a-テトラヒドロ-4,7-メタノ-1H-イン
デンなどのほかに以下に記載する化合物を使用すること
ができる。
【0050】
【化14】
【0051】
【化15】
【0052】
【化16】
【0053】
【化17】
【0054】
【化18】
【0055】
【化19】
【0056】
【化20】
【0057】
【化21】
【0058】
【化22】
【0059】
【化23】
【0060】
【化24】
【0061】
【化25】
【0062】
【化26】
【0063】
【化27】
【0064】
【化28】
【0065】
【化29】
【0066】
【化30】
【0067】このような他の環状オレフィンは、単独
で、あるいは組み合わせて使用することができ、通常、
0〜20モル%の量で用いられる。本発明で使用される
環状オレフィン系樹脂の内、環状オレフィン開環重合体
には、上記式[I]で表される環状オレフィンの単独開
環重合体、および複数の環状オレフィンが共重合した開
環共重合体がある。
【0068】本発明で環状オレフィン系樹脂[B]とし
て使用される開環重合体および開環共重合体は、上記の
ような環状オレフィンを単独で、あるいは組み合わせて
開環重合させることにより調製することができる。
【0069】すなわち、上記の式[I]で表わされる環
状オレフィンを開環重合触媒の存在下に開環重合させる
ことにより開環重合体あるいは開環共重合体が調製され
る。ここで使用される開環重合触媒としては、例えば、
ルテニウム、ロジウム、オスミウム、インジウム、白
金、モリブデンおよびタングステン等の金属のハロゲン
化物、これらの金属の硝酸塩またはこれらの金属のアセ
チルアセトン化合物と、アルコール類あるいはスズ化合
物などの還元剤とからなる触媒、ならびに、チタン、バ
ナジウム、ジルコニウム、タングステンおよびモリブデ
ン等の金属のハロゲン化合物、これらの金属のアセチル
アセトン化合物と、金属アルミニウム化合物とからなる
触媒を挙げることができる。
【0070】なお、上記の開環重合体を調製するに際し
ては、環状オレフィン系樹脂の特性を損なわない範囲内
で上記の式[I]で表わされる環状オレフィンの他に、
さらに他の環状オレフィンを使用することができる。
【0071】ここで使用することができる他の環状オレ
フィンの例としては、シクロブテン、シクロペンテン、
シクロオクテン、シクロノネン、メチルシクロペンテ
ン、メチルシクロヘプテン、メチルシクロオクテン、メ
チルシクロノネン、メチルシクロデセン、エチルシクロ
ペンテン、エチルシクロヘプテン、エチルシクロオクテ
ン、エチルシクロノネン、ジメチルシクロヘプテン、ジ
メチルシクロオクテン、ジメチルシクロノネン、ジメチ
ルシクロデセン、シクロオクタジエンおよびシクロデカ
ジエンのような炭素原子数4以上の単核式オレフィンな
らびに、上記環状オレフィン系ランダム共重合体の説明
の際に例示した他の環状オレフィンを挙げることができ
る。また、分子量調節剤として、プロピレン、1-ブテ
ン、1-ペンテン、1-ヘキセンなどのアルケンを共重合成
分として使用することができる。
【0072】このような開環重合体中において、例えば
上記式[I]で表わされる環状オレフィンの少なくとも
一部は、次式[I-B]で表わされる構造を有していると
考えられる。
【0073】
【化31】
【0074】ただし、上記式[I-B]において、R1〜R
19、ならびに、p、q、mおよびnは、式[I]におけ
るのと同じ意味である。本発明において環状オレフィン
系樹脂[B]として使用される開環重合体の水添物は、
上記のようにして調製された環状オレフィン開環重合体
を水素添加することにより得られる。開環重合体の水素
添加には、水素添加触媒の存在下に行われる通常の水素
添加法を採用することができる。
【0075】ここで使用される水素添加触媒としては、
オレフィン化合物の水素添加の際に一般的に使用されて
いる不均一触媒、あるいは均一触媒などの水素添加触媒
を使用することができる。
【0076】不均一触媒の具体的な例としては、ニッケ
ル、パラジウムおよび白金等の金属、ならびにこれらの
金属を、例えば、カーボン、シリカ、ケイソウ土、アル
ミナおよび酸化チタンなどの担体に担持させた固体触媒
(例、ニッケル/シリカ、ニッケル/ケイソウ土、パラ
ジウム/カーボン、パラジウム/シリカ、パラジウム/
ケイソウ土、パラジウム/アルミナ等)を挙げることが
できる。また、均一触媒の例としては、周期律表第VIII
族の金属を基体とする触媒であり、このような触媒の例
としては、ナフテン酸コバルト/トリエチルアルミニウ
ム、オクテン酸コバルト/n-ブチルリチウム、ニッケル
アセチルアセトネート/トリエチルアルミニウムなどの
ニッケル化合物あるいはコバルト化合物と周期律表第I
〜III族金属とから形成される有機金属化合物を挙げる
ことができ、さらにRh化合物をも使用することができ
る。
【0077】上記のような水素添加触媒を用いた水素添
加反応は、触媒の種類に応じて、不均一系および均一系
のいずれの系で行うこともできる。このような系におけ
る反応条件は、通常は1〜150気圧の水素下に、通常
は0〜180℃、好ましくは20〜100℃の温度に設
定される。このような条件下における水素添加率は、水
素圧、反応温度、反応時間、触媒濃度等の条件を適宜設
定することにより調整することができるが、重合体の主
鎖中に存在する二重結合の内、通常は、50%以上、好
ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上を水
素添加する。
【0078】このような水素化開環重合体中において、
例えば上記式[I]で表わされる環状オレフィンの少な
くとも一部は、次式[I-C]で表わされる構造を有して
いると考えられる。
【0079】
【化32】
【0080】ただし、上記式[I-C]において、R1〜R
19、ならびに、p、q、mおよびnは、式[I]におけ
るのと同じ意味である。なお、環状オレフィン系樹脂中
において、原料として使用された式[I]で表される環
状オレフィンが、例えば上記式[I-A]、[I-B]および
[I-C]で示す構造を有することは、環状オレフィン系
樹脂についての13C−NMRの測定結果から確認するこ
とができる。
【0081】本発明の樹脂組成物を構成する環状オレフ
ィン系樹脂[B]について135℃のデカリン中で測定
した極限粘度[η]は、0.05〜10dl/gの範囲内に
あり、さらに0.08〜5dl/gであることが好ましい。
【0082】また、本発明の樹脂組成物を構成する環状
オレフィン系樹脂[B]のサーモ・メカニカル・アナライ
ザーで測定した軟化温度(TMA)は、0℃以上であり、
さらに軟化温度(TMA)が10〜250℃、特に10〜
200℃の範囲にあることが好ましい。
【0083】また、本発明の樹脂組成物を構成する環状
オレフィン系樹脂[B]のDSCにより測定したガラス
転移温度(Tg)は、通常−20〜230℃、好ましく
は−10〜210℃の範囲にある。さらに、この環状オ
レフィン系樹脂[B]についてX線回折法により測定さ
れる結晶化度は、通常0〜40%、好ましくは0〜7
%、とくに好ましくは0〜5%にある。
【0084】なお、本発明においては上記のような環状
オレフィン系樹脂、特に環状オレフィン系ランダム共重
合体の少なくとも一部が無水マレイン酸等の不飽和カル
ボン酸あるいはグリシジルアクリレート等の変性剤で変
性されていてもよい。また、この環状オレフィン系樹脂
には、ラジカル反応開始剤の存在下に、ジビニルベンゼ
ンのような多感応性モノマーを反応させた変性物であっ
てもよい。このような変性物は、上記のような環状オレ
フィン系樹脂と、不飽和カルボン酸、これらの無水物、
および不飽和カルボン酸のアルキルエステルあるいは不
飽和カルボン酸のグリシジルエステル等の誘導体とを反
応させることにより製造することができる。なお、この
場合の環状オレフィン系樹脂[B]の変性物中における
変性剤から導かれる構成単位の含有率は、通常は0.0
01〜5重量%である。このような環状オレフィン系樹
脂の変性物は、所望の変性率になるように環状オレフィ
ン系樹脂に変性剤を配合してグラフト重合させて製造す
ることもできるし、予め高変性率の変性物を調製し、次
いでこの変性物と未変性の環状オレフィン系樹脂とを混
合することによっても製造することができる。
【0085】本発明の第1のポリフェニレンエーテル系
樹脂組成物中において、ポリフェニレンエーテル系樹脂
[A]と環状オレフイン系樹脂[B]とは、重量比で、
98/2〜2/98([A]成分/[B]成分)で含有
されている。そして、本発明においては、この[A]成
分/[B]成分の重量比が、95/5〜5/95の範囲
内にあることが好ましい。上記のような量で[A]成分
と[B]成分とを配合することにより、組成物の耐熱
性、機械的特性および成形性が良好になる。
【0086】本発明の第2のポリフェニレンエーテル系
樹脂組成物は、上記のポリフェニレンエーテル系樹脂
[A]および環状オレフイン系樹脂[B]に加えて、さ
らに軟質重合体[C]が配合されている。
【0087】本発明で使用される軟質重合体[C]とし
ては、 (i) 環状オレフィンから誘導された繰り返し単位を有
する軟質重合体、(ii) α-オレフィン系共重合体、(ii
i) α-オレフィン・ジエン系共重合体、(iv) 芳香族ビ
ニル系炭化水素・共役ジエン系軟質共重合体、および(v)
イソブチレンまたはイソブチレン・共役ジエンからな
る軟質重合体または共重合体を挙げることができる。
【0088】以下これらの軟質重合体[C]について説
明する。環状オレフィンから誘導された繰り返し単位を有する軟
質重合体(i) 環状オレフィンから誘導された繰り返し単位を有する軟
質重合体(i)は、エチレンと、前記環状オレフィンと、
任意成分としてのα-オレフィンとから形成される共重
合体である。ここでα-オレフィンとしては、たとえ
ば、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ブテン、1-ヘ
キセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラ
デセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセンおよび1-エイ
コセンなどの炭素数3〜20のα-オレフィンを挙げる
ことができる。これらの中では、炭素数3〜20のα-
オレフインが好ましい。また、ノルボルネン、エチリデ
ンノルボルネンおよびジシクロペンタジエン等の環状オ
レフィン、環状ジエンも併せて使用することができる。
【0089】環状オレフィンから誘導される繰り返し単
位を有する軟質重合体(i)中において、エチレンから誘
導される繰り返し単位は、通常は40〜99モル%、好
ましくは50〜90モル%、特に好ましくは75〜90
モル%の範囲内の量で含有されている。α-オレフィン
から誘導される繰り返し単位は、通常は0〜45モル
%、好ましくは0〜35モル%の範囲内の量で含有され
ている。また、環状オレフィンから誘導される繰り返し
単位は、通常は1〜40モル%、好ましくは1〜20モ
ル%、さらに好ましくは2〜15モル%の範囲内の量で
含有されている。
【0090】この軟質重合体(i)において、エチレンか
ら誘導される繰り返し単位、エチレン以外のα-オレフ
ィンから誘導される繰り返し単位、および環状オレフィ
ンから誘導される繰り返し単位は、ランダムに配列され
ており、かつこれらは実質的に線状に配列されている。
この軟質重合体(i)が、実質状線状構造を有しており、
架橋構造を有していないことは、この共重合体が135℃
のデカリンに完全に溶解することによって確認すること
ができる。
【0091】この環状オレフィンから誘導された繰り返
し単位を有する軟質重合体(i)は、前記の環状オレフィ
ン系樹脂[A]とは異なり、ガラス転移温度(Tg)が通常
は0℃以下、好ましくは−10℃以下であり、135℃
のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、通常は0.
01〜10dl/g、好ましくは0.8〜7dl/gである。こ
の軟質重合体(i)についてX線回折法により測定した結
晶化度は、通常は0〜10%、好ましくは0〜7%、特に
好ましくは0〜5%の範囲内にある。
【0092】この環状オレフィンから誘導された繰り返
し単位を有する軟質重合体(i)は、特開昭60-168708号、
同61-120816号、同61-115912号、同61-271308号、同61-
272216号および同62-252406号等の各公報に、本出願人
が提案した方法に従い適宜に条件を選択して製造するこ
とができる。
【0093】なお、この環状オレフィンから誘導された
繰り返し単位を有する軟質重合体は、少なくとも一部が
無水マレイン酸等の不飽和カルボン酸あるいはグリシジ
ルアクリレート等の変性剤で変性されていてもよい。ま
た、この環状オレフィン系軟質重合体は、ラジカル反応
開始剤の存在下に、ジビニルベンゼンのような多感応性
モノマーを反応させた変性物であってもよい。
【0094】α-オレフィン系共重合体(ii) 本発明において軟質重合体[C]として使用されるα-
オレフィン系共重合体(ii)は、少なくとも2種のα-オ
レフィンからなり、非晶性ないし低結晶性の共重合体で
ある。具体的な例としては、エチレン・α-オレフィン共
重合体およびプロピレン・α-オレフィン共重合体を挙げ
ることができる。
【0095】エチレン・α-オレフィン共重合体を構成す
るα-オレフィンとしては、通常は炭素数3〜20のも
のが用いられ、具体的な例としては、プロピレン、1-ブ
テン、4-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1
-デセンおよびこれらの混合物を挙げることができる。
この内、特に炭素数3〜10のα-オレフィンが好まし
く、さらにプロピレンまたは1-ブテンが特に好ましい。
【0096】エチレン・α-オレフィン共重合体中におけ
るエチレンから誘導される繰り返し単位と、α-オレフ
インから誘導される繰り返し単位のモル比(エチレン/
α-オレフィン)は、α-オレフィンの種類によっても異
なるが、通常は40/60〜95/5である。また、上
記モル比はα-オレフィンとしてプロピレンを使用した
場合には、通常は30/70、好ましくは40/60〜
95/5、特に好ましくは50/50〜90/10であ
り、α-オレフィンとして炭素数4以上のα-オレフィン
を使用する場合には、通常は50/50〜95/5、好
ましくは80/20〜95/5である。
【0097】プロピレン・α-オレフィン共重合体を構成
するα-オレフィンは、通常は、炭素数4〜20のα-オ
レフィンであり、具体的な例としては、1-ブテン、4-メ
チル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン
およびこれらの混合物が挙げることができる。この内、
特に炭素数4〜10のα-オレフィンが好ましい。
【0098】上記のようなプロピレン・α-オレフィン共
重合体においては、プロピレンから誘導される繰り返し
単位とα-オレフィンから誘導される繰り返し単位との
モル比(プロピレン/α-オレフィン)は、α-オレフィ
ンの種類によっても異なるが、通常は50/50〜95
/5である。上記モル比は、α-オレフィンが炭素数5
以上のα-オレフィンである場合には、80/20〜9
5/5であることが好ましい。
【0099】また、このα-オレフィン系軟質重合体(i
i)の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は、
通常は0.2〜10dl/g、好ましくは1〜5dl/gの範囲
内にある。さらにその密度は、通常は0.82〜0.96
g/cm3、好ましくは0.84〜0.92g/cm3の範囲内
にある。
【0100】このα-オレフィン系軟質重合体(ii)は、
不飽和カルボン酸またはその誘導体でグラフト変性され
ていてもよい。この場合のグラフト変性率は、通常は
0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%であ
る。ここで使用される不飽和カルボン酸またはその誘導
体の例としては、アクリル酸、マレイン酸、フマール
酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、クロトン酸、イソクロトン酸およびナジック酸
TM(エンドシス-ビシクロ[2,2,1]ヘプト-5-エン-2,3-ジ
カルボン酸)のような不飽和カルボン酸またはこれらの
不飽和カルボン酸のハライド、アミド、イミド、無水物
およびエステル等の誘導体を挙げることができる。上記
のような不飽和カルボン酸誘導体の具体的な例として
は、塩化マレイル、マレイミド、無水マレイン酸、無水
シトラコン酸、マレイン酸モノメチルエステル、マレイ
ン酸ジメチルエステルおよびグリシジルマレエートを挙
げることができる。
【0101】これらの中でも特にマレイン酸および無水
マレイン酸ならびにナジック酸TMおよび無水ナジック酸
TMが好ましい。上記のようなグラフトモノマーを用いて
α-オレフィン系軟質重合体を変性する方法としては、
従来公知の種々の方法を採用することができる。例え
ば、α-オレフィン系軟質重合体を溶融させ、グラフト
モノマーをこの溶融物に添加してグラフト重合させる方
法、α-オレフィン系軟質重合体を溶媒に溶解させ、こ
の溶液にグラフトモノマーを添加してグラフト重合させ
る方法などの方法を採用することができる。上記のよう
なグラフト方法を採用するに際しては、ラジカル開始剤
を使用することが好ましい。ラジカル開始剤の使用によ
って、グラフト反応を効率よく行うことができる。
【0102】上記のようなグラフト反応は、通常は60
〜350℃の範囲内の温度で行われる。またラジカル開
始剤は、α-オレフィン系軟質重合体100重量部に対
して、通常は、0.001〜1重量部の範囲内の量で使
用される。
【0103】また、このα-オレフィン系軟質重合体
は、ラジカル反応開始剤の存在下に、ジビニルベンゼン
のような多感応性モノマーを反応させた変性物であって
もよい。
【0104】上記変性に際して使用されるラジカル開始
剤に特に制限はなく、グラフト重合反応の際に通常使用
されている化合物を使用することができる。すなわち、
ここで使用することができるラジカル開始剤の例として
は、有機ペルオキシドあるいは有機ペルエステル[例、
ベンゾイルオキシペルオキシド、ジクロルベンゾイルペ
ルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペ
ルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ペルオキシドベン
ゾエート)ヘキシン-3、1,4-ビス(tert-ブチルペルオ
キシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシ
ド、tert-ブチルペルアセテート、2,5-ジメチル-2,5-ジ
(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-
2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン、tert-ブチ
ルペルベンゾエート、tert-ブチルペル-sec-オクトエー
ト、tert-ブチルペルピバレート、クミルペルピバレー
トおよびtert-ブチルペルジエチルアセテート等];ア
ゾ化合物[例、アゾビスイソブチロニトリルおよびジメ
チルアソイソブチレートなど]を挙げることができる。
これらのうち、ジクリミルペルオキシド、ジ-tert-ブチ
ルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペ
ルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-グ
チルペルオキシ)ヘキシンおよび1,4-ビス(tert-ブチ
ルペルオキシイソプロピル)ベンゼンなどのジアルキル
ペルオキシドが好ましく使用される。
【0105】α-オレフィン・ジエン系共重合体(iii) 本発明において、軟質重合体[C]として使用されるα
-オレフィン・ジエン系共重合体(iii)の例としては、エ
チレン・α-オレフィン・ジエン共重合体ゴムおよびプロ
ピレン・α-オレフィン・ジエン共重合体ゴムを挙げるこ
とができる。
【0106】これ等の共重合体ゴムを調製するに際して
は、通常は炭素数3〜20のα-オレフィンが使用され
る。このα-オレフィンの例としては、プロピレン、1-
ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセ
ン、1-オクテン、1-デセンおよびこれ等の混合物などが
挙げられる。これらの中では、炭素数3〜10のα-オ
レフィンが好ましい。ただしプロピレン・α-オレフィン
・ジエン共重合体ゴムの場合にはα-オレフィンとして
は、炭素数4〜20が使用される。
【0107】また、これらの共重合体ゴムを構成するジ
エン成分の例としては、1,4-ヘキサジエン、1,6-オクタ
ジエン、2-メチル-1,5-ヘキサジエン、6-メチル-1,5-ヘ
プタジエンおよび7-メチル-1,6-オクタジエンのような
鎖状非共役ジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペン
タジエン、メチルテトラヒドロインデン、5-ビニルノル
ボルネン、5-エチリデン-2-ノルボルネン、5-メチレン-
2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン
および6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネ
ンのような環状非共役ジエン、ならびに2,3-ジイソプロ
ピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピ
リデン-5-ノルボルネンおよび2-プロペニル-2,2-ノルボ
ルナジエン等が挙げられる。
【0108】上記エチレン・α-オレフィン・ジエン共重
合体ゴム中におけるエチレンから誘導される繰り返し単
位とα-オレフィンから誘導される繰り返し単位とのモ
ル比(エチレン/α-オレフィン)は、α-オレフィンの
種類によっても相違するが、通常は50/50〜95/
5、好ましくは50/50〜90/10である。
【0109】さらに、これら共重合体ゴムにおけるジエ
ン成分から誘導される繰り返し単位の含有量は、通常は
0.5〜10モル%、好ましくは0.5〜5モル%であ
る。また、上記のようなプロピレン・α-オレフィン・ジ
エン共重合体ゴムにおいて、プロピレンから誘導される
繰り返し単位とα-オレフィンから誘導される繰り返し
単位とのモル比(プロピレン/α-オレフィン)は、α-
オレフィンの種類によっても異なるが、一般には50/
50〜95/5の範囲内にある。上記モル比は、α-オ
レフィンとして1-ブテンを使用する場合には、このプロ
ピレンから誘導される繰り返し単位と1-ブテンから誘導
される繰り返し単位とのモル比は、50/50〜90/
10の範囲内にあることが好ましく、また、α-オレフ
ィンとして炭素数5以上のα-オレフィンを使用する場
合には、プロピレンから誘導される繰り返し単位とα-
オレフィンから誘導される繰り返し単位とのモル比は、
80/20〜85/5の範囲内にあることが好ましい。
【0110】このようなα-オレフィン・ジエン系共重合
体についてX線回折法により測定した結晶化度は、通常
は0〜10%、好ましくは0〜5%の範囲内にある。ま
た、α-オレフィン・ジエン系共重合体について135℃
のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、通常は0.
1〜10dl/g、好ましくは1〜5dl/gの範囲内にある。
さらにそのヨウ素値は、通常は、1〜30、好ましくは
5〜25の範囲内にある。
【0111】芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン系軟
質共重合体(iv) 本発明において、軟質重合体[C]として使用される芳
香族ビニル系炭化水素・共役ジエン系軟質共重合体(iv)
は、芳香族ビニル系炭化水素と共役ジエン系化合物との
ランダム共重合体、ブロック共重合体またはこれらの水
素化物である。具体的な例としては、スチレン・ブタジ
エンブロック共重合体ゴム、スチレン・ブタジエン・スチ
レンブロック共重合体ゴム、スチレン・イソプレンブロ
ック共重合体ゴム、スチレン・イソプレン・スチレンブロ
ック共重合体ゴム、水素添加スチレン・ブタジエン・スチ
レンブロック共重合体、水素添加スチレン・イソプレン・
スチレンブロック共重合体ゴムおよびスチレン・ブタジ
エンランダム共重合体ゴム等を挙げることができる。
【0112】スチレン・ブタジエン共重合体ゴムにおい
ては、スチレンから誘導される繰り返し単位と、ブタジ
エンから誘導される繰り返し単位とのモル比は、0/1
00〜60/40の範囲内にあることが好ましい。
【0113】スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共
重合体ゴムにおいては、スチレンから誘導される繰り返
し単位とブタジエンから誘導される繰り返し単位とのモ
ル比は、通常は0/100〜60/40の範囲内にあ
る。そして、各成分の重合度は、スチレンが、0〜5,
000程度であり、ブタジエンが10〜20,000程
度であることが多い。
【0114】スチレン・イソプレンブロック共重合体ゴ
ムにおいては、スチレンから誘導される繰り返し単位
と、イソプレンから誘導される繰り返し単位とのモル比
は、通常は0/100〜60/40である。
【0115】スチレン・イソプレン・スチレンブロック共
重合体ゴムにおいては、スチレンから誘導される繰り返
し単位と、イソプレンから誘導される繰り返し単位との
モル比は、通常は0/100、好ましくは60/40の
範囲内にある。そして、各成分の重合度は、スチレンが
0〜5,000程度であり、イソプレンが、10〜20,
000程度である。
【0116】水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロッ
ク共重合体は、上記のスチレン・ブタジエン・スチレンブ
ロック共重合体ゴム中に残存する二重結合を部分手に水
素化した共重合体ゴムであり、共重合体中におけるスチ
レン部分とゴム部分との重量比は、通常は0/100〜
60/40の範囲内にある。
【0117】水添スチレン・イソプレン・スチレンブロッ
ク共重合体ゴムは、上記のようなスチレン・イソプレン・
スチレンブロック共重合体中に残存する二重結合を部分
的に水素化した共重合体ゴムである。この共重合体ゴム
におけるスチレン部分とゴム部分との重量比は、通常は
0/100〜60/40の範囲内にある。
【0118】このような芳香族ビニル系炭化水素・共役
ジエン系軟質共重合体についてGPC(ゲル・パーミエ
ーション・クロマトグラフィー、溶媒;オルトジクロロ
ベンゼン、温度;140℃)により測定した重量平均分
子量は、通常は、500〜2,000,000、好ましく
は10,000〜1,000,000の範囲内にある。
【0119】イソブチレンまたはイソブチレン・共役ジ
エンからなる軟質重合体または共重合体(v) 軟質重合体[C]として使用されるイソブチレン系軟質
重合体または共重合体(v)としては、具体的には、ポリ
イソブチレンゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエ
ンゴムあるいはイソブチレン・イソプレン共重合体ゴム
等が用いられる。
【0120】なお、軟質重合体である(ii)〜(v)の共重
合体の特性は、環状オレフィン系軟質重合体(i)の特性
と同様であり、これら軟質重合体について135℃のデ
カリン中で測定した極限粘度[η]は、通常は0.01
〜10dl/g、好ましくは0.08〜7dl/gの範囲内にあ
り、ガラス転移温度(Tg)は、通常は0℃以下、好ましく
は−10℃以下、特に好ましくは−20℃以下である。
また、X線回折法により測定した結晶化度は0〜10
%、好ましくは0〜7%、特に好ましくは0〜5%の範
囲内にある。
【0121】上記のような(i)〜(v)で例示した軟質重合
体[C]は、単独で、あるいは組み合わせて使用するこ
とができる。本発明の第2の樹脂組成物において、第1
の樹脂組成物(即ち[A]+[B])と軟質重合体
[C]とは、重量比で、95/5〜50/50、好まし
くは90/10〜60/40(([A]+[B])成分
/[C]成分)で含有されている。このような配合重量
比で[A]成分、[B]成分および[C]成分を配合す
ることにより、耐衝撃性などの機械的特性に著しい向上
が見られる。
【0122】本発明の第1および第2のポリフェニレン
エーテル系樹脂組成物には、上記[A]および[B]成
分、さらに[C]成分の他に、耐熱安定剤、耐候安定
剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、
防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス
などを配合することができ、その配合割合は適宜量であ
る。たとえば、任意成分として配合される安定剤として
具体的には、テトラキス[メチレン-3(3,5-ジ-t-ブチ
ル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、
β-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピ
オン酸アルキルエステル、2,2'-オキザミドビス[エチ
ル-3(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)]プロ
ピオネートなどのフェノール系酸化防止剤、ステアリン
酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、12-ヒドロキシステ
アリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩、グリセリンモ
ノステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリ
ンジステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレ
ート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエ
リスリトールトリステアレート等の多価アルコールの脂
肪酸エステルなどを挙げることができる。これらは単独
で配合してもよいし、組み合わせて配合してもよい。組
み合わせの例としては、テトラキス[メチレン-3(3,5-
ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
メタンとステアリン酸亜鉛およびグリセリンモノステア
レートとの組合せ等を挙げることができる。
【0123】本発明では特にフェノール系酸化防止剤お
よび多価アルコールの脂肪酸エステルとを組み合わせて
用いることが好ましく、さらにこの多価アルコールの脂
肪酸エステルは3価以上の多価アルコールのアルコール
性水酸基の一部がエステル化された多価アルコール脂肪
酸エステルであることが好ましい。
【0124】このような多価アルコールの脂肪酸エステ
ルとしては、具体的には、グリセリンモノステアレー
ト、グリセリンモノラウレート、グリセリンモノミリス
テート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンジス
テアレート、グリセリンジラウレート等のグリセリン脂
肪酸エステル、ペンタエリスリトールモノステアレー
ト、ペンタエリスリトールモノラウレート、ペンタエリ
スリトールジラウレート、ペンタエリスリトールジステ
アレート、ペンタエリスリトールトリステアレート等の
ペンタエリスリトールの脂肪酸エステルが用いられる。
【0125】このようなフェノール系酸化防止剤は、ポ
リフェニレンエーテル系樹脂組成物100重量部に対し
て通常は0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜3
重量部、さらに好ましくは0.1〜1重量部の量で用い
られ、また多価アルコールの脂肪酸エステルは該組成物
100重量部に対して通常は0.01〜10重量部、好
ましくは0.05〜3重量部の量で用いられる。
【0126】本発明の第1および第2のポリフェニレン
エーテル系樹脂組成物には、本発明の目的を損なわない
範囲で、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化チタン、酸
化マグネシウム、軽石粉、軽石バルーン、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウ
ム、ドロマイト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、
硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マ
イカ、アスベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラ
スビーズ、ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベン
トナイト、グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブ
デン、ボロン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊
維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維およびポリ
アミド繊維等の充填剤を配合してもよい。
【0127】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物は、公知の方法を利用して製造することができる。
例えば、ポリフェニレンエーテル系樹脂成分[A]およ
び環状オレフィン系樹脂[B]、さらに軟質重合体
[C]、ならびに所望により添加される他の成分を、押
出機、ニーダー等を用いて機械的にブレンドする方法、
あるいは各成分を適当な良溶媒(例;ヘキサン、ヘプタ
ン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼン、トルエンおよ
びキシレン等の炭化水素溶媒)に同時に溶解し、あるい
は、それぞれ別々に溶解した溶液を調製した後混合し、
次いで溶媒を除去する方法、さらにはこれらの二つの方
法を組み合わせて行う方法等を挙げることができる。
【0128】本発明の樹脂組成物を構成する一成分であ
る環状オレフィン系樹脂[B]は、芳香族基を有するた
めに、ポリフェニレンエーテル系樹脂成分[A]との相
溶性が非常に優れている。さらに、軟質重合体[C]、
特にスチレン系軟質重合体は樹脂組成物([A]+
[B])との相溶性に優れている。このような[A]成
分および[B]成分、さらに[C]成分からなる本発明
の樹脂組成物は次のような特性を有している。
【0129】従来ポリフェニレンエーテルの改質に使用
されていたポリスチレンよりもTMA軟化温度の高い環
状オレフィン系樹脂[B]は、ポリスチレンよりも耐熱
性(熱変形温度)が高く、しかも実質的に非晶質である
ために成形収縮率が小さい値を示す。従って、このよう
な特性を有する環状オレフィン系樹脂[B]がポリフェ
ニレンエーテル系樹脂成分[A]に配合された本発明の
樹脂組成物では、ポリフェニレンエーテル系樹脂が本質
的に有している優れた特性を維持したまま、耐熱性、電
気特性、成形性が向上する。
【0130】また、TMA温度が70℃未満の環状オレ
フィン系樹脂[B]を用いた場合、本発明のポリフェニ
レンエーテル系樹脂組成物は、ポリフェニレンエーテル
系樹脂成分[A]に、ポリスチレンよりも靱性が高く、
しかも実質的に非晶質であるので成形収縮率が小さな環
状オレフィン系樹脂[B]が配合されているため、ポリ
フェニレンエーテル系樹脂が本質的に有している優れた
特性を維持したまま、引張伸び、衝撃強度などの機械特
性、電気特性、成形性が向上する。
【0131】さらに、軟質重合体[C]を配合すること
により、機械的強度がいっそう向上する。本発明のポリ
フェニレンエーテル系樹脂組成物は、上記諸特性を有す
るので、従来のポリフェニレンエーテル系の用途の他に
も、耐熱性、電気特性、成形性などが要求される分野に
広く使用することができる。
【0132】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂組
成物の用途の例を挙げると、電動工具、OA機器、カメ
ラおよびポンプ等のハウジング類;シャーシ類;精密機
器部品;インストゥルメントパネル、ラジエータグリ
ル、クラスターグリル、コンソールボックス、ガーニッ
シュ、ホイルカバー、コラムカバー、フェンダー、ボン
ネットおよびトランク等の自動車内外装材;シート;コ
ネクタ・コイルボビン・スイッチ等のケースあるいはカバ
ー類;ボトル類;キャストフィルム、二軸延伸フィルム
および多層フィルムなどのフィルム類;押出発泡体およ
びインジェクション発泡体など発泡体類が挙げられる。
【0133】
【発明の効果】本発明のポリフェニレンエーテル系樹脂
組成物は、[A]ポリフェニレンエーテル系樹脂成分
に、[B]芳香族基を有する特定の環状オレフィン系樹
脂を配合したため、耐熱性、電気特性、成形性、機械特
性に優れている。
【0134】また、[C]軟質重合体を配合した本発明
の第2の組成物は、上記のような優れた特性を有すると
共に、衝撃強度などの機械的特性がいっそう良好にな
る。
【0135】
【実施例】以下、本発明を実施例によってさらに詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0136】なお、本発明における各種物性値の測定方
法および評価方法を次に示す。 (1)溶融流れ指数(MFRT) ASTM D1238に準じ所定の温度T℃、荷重2.16Kg で
測定した。 (2)試験片の作成 東芝機械(株)製射出成形機IS-50EPNおよび所定の試験片
用金型を用い、以下の成形条件で成形した。試験片は成
形後、室温で48時間放置した後、測定した。 成形条件:シリンダ温度280℃、金型温度80℃、 射出圧力一次/二次=1000/800Kg/cm2 射出速度(一次)30mm/sec 、スクリュー回転数15
0rpm (3)曲げ試験 ASTM D790に準じて測定した。 試験片形状:5×1/2×1/8t インチ、スパン間距
離51mm 試験速度:20mm/min 試験温度:23℃ (4)引張り試験 ASTM D638に準じて測定した。 試験片形状:タイプ IV 試験速度:50mm/min 試験温度:23℃ (5)熱変形温度(HDT) ASTM D648に準じて測定した。 試験片形状:5×1/4×1/2t インチ 荷 重:264psi (6)軟化温度(TMA) デュポン社製Thermo Mechanical Analyzerを用いて厚さ
1mmのシートの熱変形挙動により測定した。すなわち、
シート上に石英製針をのせ、荷重49gをかけ、5℃/
minの速度で昇温して、針がシートに0.635mm浸入し
たときの温度をTMAとした。 (7)ガラス転移温度(Tg)および融点(Tm) SEIKO電子工業(株)製DSC-20を用いて昇温速度10℃/m
inで測定した。 (8)ロックウェル硬度 ASTM D785に準じて23℃で測定した。 (9)鉛筆硬度 JIS K 5400に準じて23℃で測定した。 (10)成形性 東芝機械(株)製射出成形機IS-50EPNを用い、スパイラル
長さ測定用金型(4.8mmφ半円形)により下記の条件
で射出成形を行い、スパイラル長さ20cm以上のものを
○、未満のものを×とした。
【0137】 成形条件:シリンダー温度 250℃ 金型温度 60℃ 射出圧力 1000Kg/cm2 送出速度 中速 (11)アイゾッド衝撃強度 ASTM-D-256に準じて23℃で測定した。(ノッチ有り)
【0138】
【実施例1】[A]成分としてポリスチレン換算での数
平均分子量14300、GPCで測定した分子量分布M
w/Mn=3.46、23℃クロロホルム溶媒中で測定
した極限粘度[η]が0.49dl/gのポリ-1,4-(フェニ
レンエーテル)樹脂のペレット2.0Kg、[B]成分とし
1H-NMRで測定したエチレン含有量が61.7モル
%、MFR260 o Cが15g/10分、135℃デカリン中
で測定した極限粘度[η]が0.61dl/g、TMAが
169℃、Tgが152℃(Tmは観測されず)のエチ
レンと1,4-メタノ-1,4,4a,9a-テトラヒドロフルオレン
(以下MTHFと略す)とのランダム共重合体(エチレ
ン・MTHFランダム共重合体)のペレット2.0Kgを充
分混合した後、二軸押出機(池貝鉄工(株)製、PCM 45
)によりシリンダー温度280℃で溶融ブレンドし、
ペレタイザーにてペレット化した。
【0139】得られたペレットを用いて前記の方法によ
り試験片を作成し、この物性を評価した。結果を表1に
示す。
【0140】
【実施例2、3】実施例1において、[A]成分と
[B]成分との配合量を表1に示すように変えた以外は
同様にして組成物(ペレット)を製造し、このペレット
を用いて試験片を作成し、この物性を評価した。
【0141】結果を表1に示す。
【0142】
【比較例1】実施例1において、[B]成分として用い
たエチレン・MTHFランダム共重合体に代え、ポリス
チレン樹脂を用いた以外は同様にして組成物(ペレッ
ト)を製造し、このペレットを用いて試験片を作成し、
この物性を評価した。
【0143】結果を表1に示す。
【0144】
【比較例2】実施例1において、[B]成分であるエチ
レン・MTHFランダム共重合体を使用せずに[A]成
分を単独で用いた以外は同様にして組成物(ペレット)
を製造し、このペレットを用いて試験片を作成し、この
物性を評価した。
【0145】結果を表1に示す。
【0146】
【実施例4】実施例1で用いたエチレン・MTHFラン
ダム共重合体80重量部に、エチレン・プロピレンラン
ダム共重合体(軟質重合体、エチレン含有量:80モル
%、MFR230 o C:0.7g/10分、135℃デカリン中
で測定した極限粘度[η]:2.2dl/g、Tg:−5
4℃)20重量部を、二軸押出機(池貝鉄工(株)製、PC
M 45 )により溶融ブレンドした。さらに、このブレン
ドされた樹脂1Kgに対して、有機過酸化物(日本油脂
(株)製パーヘキシン25B)を1g、ジビニルベンゼンを
3gの割合で添加し、充分混合した。この混合物を二軸
押出機(池貝鉄工(株)製、PCM 45)によりシリンダー温
度230℃で溶融下反応を行させた後、ペレタイザーに
てペレット化して、ジビニルベンゼンで変性されたエチ
レン・MTHFランダム共重合体のペレットを製造し
た。
【0147】実施例1において、[B]成分の代わり
に、上記のようにして調製したジビニルベンゼンで変性
されたエチレン・MTHFランダム共重合体を用いた以
外は同様にして組成物(ペレット)を製造し、このペレ
ットを用いて試験片を作成し、この物性を評価した。
【0148】結果を表1に示す。
【0149】
【実施例5】実施例1において、[B]成分として使用
したエチレン・MTHF共重合体の代わりに、エチレン
と5-フェニル-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン(以下P
hBHと略す)とからなる共重合体(エチレン含量:8
7.8モル%、PhBH含量:12.2モル%、極限粘度
[η]:0.67dl/g、MFR260 o C:13g/10分、
TMA:23℃、Tg:2℃を使用し、この[B]成分
と[A]成分の混合比(重量)を20/80に変えた以
外は以外は同様にして組成物(ペレット)を製造し、こ
のペレットを用いて試験片を作成し、この物性を評価し
た。
【0150】結果を表1に示す。この結果と比較例2の
結果とを比較すると、この実施例5で調製した組成物
は、非常に良好な靱性を示した。すなわち、[A]成分
を単独で使用している比較例2の結果と比較して、この
実施例5で得られた組成物は引張伸びが大幅に向上して
いる。この引張伸びは、靱性を表す尺度の1つであり、
この引張伸びが向上していることは、樹脂の靱性が改善
されていることを示している。
【0151】
【実施例6】実施例1において、[B]成分として使用
したエチレン・MTHF共重合体の代わりに、エチレン・
PhBHランダム共重合体(エチレン含量:62.5モ
ル%、PhBH含量:37.5モル%、極限粘度
[η]:0.70dl/g、MFR260 o C:13g/10分、
TMA:123℃、Tg:102℃)を使用し、この
[B]成分と[A]成分の混合比(重量)を20/80
に変えた以外は同様にして組成物(ペレット)を製造
し、このペレットを用いて試験片を作成し、この物性を
評価した。
【0152】結果を表1に示す。
【0153】
【実施例7】実施例6で用いた樹脂組成物80重量部に
SEBS重合体(軟質重合体、スチレン・ブタジエン・ス
チレンブロック共重合体の水添物、スチレン含量:33
重量%、比重0.92、25℃での溶液粘度:2000cp
s(ポリマー濃度:20重量%、トルエン溶液)シェル社
製、クレイトンG1651)20重量部を、二軸押出機
(池貝鉄工(株)製、PCM 45 )によりシリンダー温度2
30℃で溶融ブレンドし、ペレタイザーにてペレット化
した。得られたペレットを用いて前記の方法により試験
片を作成し、この物性を評価した。
【0154】結果を表1に示す。表1から明らかなよう
に少量のSEBS重合体を配合することにより、機械的
特性が著しく向上する。
【0155】
【表1】
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 65/00 LNY 8215−4J (72)発明者 守 屋 悟 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (72)発明者 藤 堂 昭 山口県玖珂郡和木町和木六丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】[A]ポリフェニレンエーテル樹脂および
    /またはポリ(置換フェニレンエーテル)樹脂と、 [B]エチレンと下記の式[I]で表される環状オレフ
    ィンとの共重合体、環状オレフィンの開環重合体および
    その水添物よりなる群から選ばれる135℃のデカリン
    中で測定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/g、軟
    化温度(TMA)が0℃以上である環状オレフィン系樹脂
    とを、98/2〜2/98の範囲内の重量比で含むこと
    を特徴とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物; 【化1】 [式[I]中、pおよびqは、0または1以上の整数で
    あり、mおよびnは、0、1または2であり、R1〜R
    19は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、脂肪
    族炭化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基お
    よびアルコキシ基よりなる群から選ばれる原子もしくは
    基を表し、R9とR13またはR10とR11とは直接あるい
    は炭素数1〜3のアルキレン基を介して結合していても
    よく、また、n=m=0のときR15とR12またはR15
    19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形
    成していてもよい]。
  2. 【請求項2】[A]ポリフェニレンエーテル樹脂および
    /またはポリ(置換フェニレンエーテル)樹脂と、 [B]エチレンと下記の式[I]で表される環状オレフ
    ィンとの共重合体、環状オレフィンの開環重合体および
    その水添物よりなる群から選ばれる135℃のデカリン
    中で測定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/g、軟
    化温度(TMA)が0℃以上である環状オレフィン系樹脂
    と、 [C]軟質重合体とを含み、 [A]/[B]の配合重量比が98/2〜2/98の範
    囲内にあり、かつ([A]+[B])/[C]の配合重
    量比が95/5〜50/50の範囲内にあることを特徴
    とするポリフェニレンエーテル系樹脂組成物; 【化2】 [式[I]中、pおよびqは、0または1以上の整数で
    あり、mおよびnは、0、1または2であり、R1〜R
    19はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、脂肪族炭
    化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基および
    アルコキシ基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を
    表し、R9とR13またはR10とR11とは直接あるいは炭
    素数1〜3のアルキレン基を介して結合していてもよ
    く、また、n=m=0のときR15とR12またはR15とR
    19とは互いに結合して単環または多環の芳香族環を形成
    していてもよい]。
  3. 【請求項3】軟質重合体がスチレン系軟質重合体である
    ことを特徴とする請求項第2項記載のポリフェニレンエ
    ーテル系樹脂組成物。
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