JP3173812B2 - ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

ポリオレフィン樹脂組成物の製造方法

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JP3173812B2 JP12017691A JP12017691A JP3173812B2 JP 3173812 B2 JP3173812 B2 JP 3173812B2 JP 12017691 A JP12017691 A JP 12017691A JP 12017691 A JP12017691 A JP 12017691A JP 3173812 B2 JP3173812 B2 JP 3173812B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、環状オレフィン系樹脂
と、グラフト変性環状オレフィン系樹脂と、グラフト変
性されたエラストマーと、ポリアミドとからなる耐衝撃
性に優れたポリオレフィン樹脂組成物ならびにその製造
方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】従来から使用されているポリオレ
フィンは、耐薬品性および耐溶剤性に優れた樹脂である
が、結晶化度が低い場合には、充分な剛性および耐熱
性、耐溶剤性を有しているとはいえない。
【0003】このため、ポリオレフィンの耐熱性および
剛性を改善するために造核剤を添加する方法、あるいは
溶融状態にあるポリオレフィンを徐冷して結晶化度を上
げる方法が採られているが、その効果は充分であるとは
言い難い。
【0004】このような従来のポリオレフィンとは別
に、エチレンと嵩高なモノマーとを反応させることによ
って得られる共重合体が、従来のポリオレフィンと比較
して耐熱性等の諸特性に優れていることが報告されてい
る(例えば米国特許第2,883,372号、特公昭4
6−14910号公報参照)。
【0005】そして、嵩高なモノマーとして特定の環状
オレフィンを使用し、この環状オレフィンとエチレンと
を共重合させて得られた環状ランダム共重合体が耐熱
性、耐熱老化性、誘電特性および剛性に優れているとの
知見に基づいて、本出願人は、特定の環状オレフィンを
用いたランダム共重合体について既に出願している(特
開昭60−168708号公報、特開昭61−1208
16号公報、特開昭61−115912号公報、特開昭
61−115916号公報、特開昭61−271308
号公報、特開昭61−272216号公報、特開昭62
−252406号公報、特開昭62−252407号公
報参照)。
【0006】他方、ポリアミドの特性を改良するため
に、他の樹脂を配合することも試みられている。しかし
ながら、このような種々の改良にも拘らず、吸水性、成
形収縮率あるいは耐熱剛性などの特性についてはさらに
改良の余地があった。
【0007】
【発明の目的】本発明は、上記のような環状オレフィン
系樹脂を含み、特に衝撃強度等の機械的特性、光沢、耐
溶剤性、低吸水性に優れた成形体を形成することができ
組成物の製造方法を提供することを目的としている。
【0008】さらに詳しくは、本発明は、環状オレフィ
ン系樹脂の優れた特性を損なうことなく、特に衝撃強度
等の機械的特性、耐溶剤性および表面光沢に優れると共
に、吸水率も低い成形体を形成することができる環状オ
レフィンランダム共重合体含有樹脂組成物を製造するこ
とができる方法を提供することを目的としている。
【0009】
【発明の概要】本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物
の製造方法により得られるポリオレフィン樹脂組成物
は、 (a)(a-1)エチレンと次式[I]で表される環状オレ
フィンとの共重合体と、 (a-2) 次式[I]で表される環状オレフィンの単独開環
重合体と、 (a-3)次式[I]で表される2種以上の環状オレフィン
の開環共重合体と、 (a-4) 上記(a-2) または(a-3) の水素添加物とよりなる
群から選ばれる少なくとも一種類の環状オレフィン系樹
脂と、 (b)上記(a-1) 、(a-2) 、(a-3) または(a-4) のグラ
フト変性物と、 (c)不飽和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフト
変性された、23℃での引張モジュラスが0.1〜20
00kg/cm2であるエラストマーと、 (d)ポリアミドとからなり、かつ(a)成分、(b)
成分、(c)成分および(d)成分からなる合計100
重量部の組成物あたり、(a)成分を0〜59.5重量
部、(b)成分を0.5〜60重量部、(c)成分を2
〜30重量部、(d)成分を20〜60重量部含むこと
を特徴としている。
【0010】
【化4】
【0011】ただし、上記式[I]において、nは0ま
たは1であり、mは0または正の整数であり、qは0ま
たは1であり、R1〜R18ならびにRaおよびRbは、そ
れぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子および炭化水素
基よりなる群から選ばれる原子もしくは基を表し、R15
〜R18は、互いに結合して単環または多環の基を形成し
ていてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結合を
有していてもよく、また、R15とR16とで、またはR17
とR18とでアルキリデン基を形成していてもよい。
【0012】本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物の
製造法は、(a)(a-1) エチレンと上式[I]で表され
る環状オレフィンとの共重合体と、(a-2) 上式[I]で
表される環状オレフィンの単独開環重合体と、(a-3) 上
式[I]で表される2種以上の環状オレフィンの開環共
重合体と、(a-4) 上記(a-2) または(a-3) の水素添加物
とよりなる群から選ばれる少なくとも一種類の環状オレ
フィン系樹脂と、(b)上記(a-1) 、(a-2) 、(a-3) ま
たは(a-4) のグラフト変性物と、(c)不飽和カルボン
酸もしくはその誘導体でグラフト変性された、23℃で
の引張モジュラスが0.1〜2000kg/cm2であるエラ
ストマーと、(d)ポリアミドとを溶融混練することを
特徴としている。
【0013】本発明に係るポリオレフィン樹脂組成物の
製造法では、特に、前記環状オレフィン系樹脂(a)
と、前記環状オレフィン系樹脂(a)のグラフト変性物
(b)と、前記グラフト変性されたエラストマー(c)
とを溶融混練し、溶融状態にある該混練物に、ポリアミ
ド(d)を添加して混練することが好ましい
【0014】
【発明の具体的な説明】本発明により得られるポリオレ
フィン樹脂組成物は、 (a)環状オレフィン系樹脂と、 (b)環状オレフィン系樹脂のグラフト変性物と、 (c)不飽和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフト
変性された、23℃での引張モジュラスが0.1〜20
00kg/cm2であるエラストマーと、 (d)ポリアミドとからなり、かつ(a)成分、(b)
成分、(c)成分および(d)成分からなる合計100
重量部の組成物あたり、 (a)成分を0〜59.5重量部、好ましくは0〜40
重量部、特に好ましくは0〜35重量部含み、 (b)成分を0.5〜60重量部、好ましくは0.5〜
55重量部、特に好ましくは5〜55重量部含み、 (c)成分を2〜30重量部、好ましくは5〜30重量
部、特に好ましくは5〜25重量部含み、 (d)成分を20〜60重量部、好ましくは25〜60
重量部、特に好ましくは30〜55重量部含む。
【0015】そして、本発明により得られるポリオレフ
ィン樹脂組成物においては、所謂「海島構造」が形成さ
れてる。そして、この場合、樹脂組成物は、所謂「海
部」がポリアミドから形成されており、(a)成分、
(b)成分および(c)成分によって所謂「島部」が形
成された形態を有するようになると考えられる。
【0016】この樹脂組成物を用いて形成された成形体
の衝撃強度が高く、表面性、特に表面剥離が少なく、表
面光沢のよい成形体を得ることができる。そして、この
成形体は、吸水性が低いと共に、耐油性にも優れてい
る。
【0017】本発明で使用される(a)成分、すなわち
環状オレフィン系樹脂としては、(a-1) エチレンと次式
[I]で表される環状オレフィンとの共重合体と、(a-
2) 次式[I]で表される環状オレフィンの単独開環重
合体と、(a-3) 次式[I]で表される2種以上の環状オ
レフィンの開環共重合体と、(a-4) 上記(a-2) または(a
-3) の水素添加物とを例示することができる。
【0018】これらの環状オレフィン系樹脂は、単独で
使用することもできるし、異なる重合体あるいは共重合
体を組み合わせて使用することもできる。
【0019】
【化5】
【0020】ただし、上記式[I]において、nは0ま
たは1であり、好ましくは0である。また、mは0また
は正の整数であり、好ましくは0〜3である。そして、
qは0または1である。
【0021】そして、R1〜R18ならびにRaおよびRb
(式[I])は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン
原子および炭化水素基よりなる群から選ばれる原子もし
くは基を表す。ここで、ハロゲン原子としては、たとえ
ば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびヨウ素原子
をあげることができる。また、炭化水素基としては、そ
れぞれ独立に、通常は炭素原子数1〜6のアルキル基、
炭素原子数3〜6のシクロアルキル基をあげることがで
き、アルキル基の具体的な例としては、メチル基、エチ
ル基、イソプロピル基、イソブチル基、アミル基をあげ
ることができ、シクロアルキル基の具体的な例として
は、シクロヘキシル基、シクロプロピル基、シクロブチ
ル基、シクロペンチル基をあげることができる。
【0022】なお、上記式[I]において、qが0の場
合は、qを用いて表される環は五員環を形成する。さら
に、上記式[I]において、R15〜R18は互いに結合し
て(共同して)単環または多環を形成していてもよく、
かつ該単環または多環が二重結合を有していてもよい。
このような単環または多環としては、以下に挙げる単環
または多環を例示することができる。さらに、これらの
環は、メチル基などの置換基を有していてもよい。
【0023】
【化6】
【0024】なお、上記式において、1および2を付し
て示した炭素原子は、式[I]においてR15〜R18で表
される基が結合している脂環構造の炭素原子を表す。ま
た、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリデ
ン基を形成していてもよい。このようなアルキリデン基
は、通常は炭素原子数2〜4のアルキリデン基をあげる
ことができ、その具体的な例としては、エチリデン基、
プロピリデン基、イソプロピリデン基およびイソブチリ
デン基をあげることができる。
【0025】上記のような環状オレフィン系樹脂(a−
1)〜(a−4)は、135℃のデカリン中で測定した
極限粘度[η]が、0.3〜2.0dl/gの範囲内、好
ましくは0.4〜1.2dl/gの範囲内にある。また、
この環状オレフィン系樹脂(a−1)〜(a−4)のサ
ーマル・メカニカル・アナライザーで測定した軟化温度
(TMA)は、通常、70〜250℃の範囲内、好まし
くは100〜200℃の範囲内にあり、さらに、ガラス
転移温度(Tg)は、通常、50〜230℃の範囲内、
好ましくは80〜180℃の範囲内にあり、X線回析法
によって測定した結晶化度は、通常、0〜20%の範囲
内、好ましくは0〜2%の範囲内にある。
【0026】上記のような環状オレフィン系樹脂のう
ち、環状オレフィン開環重合体(a−2)または環状オ
レフィン開環共重合体(a−3)は、例えば上記式
[I]で表される環状オレフィンを、ルテニウム、ロジ
ウム、パラジウム、オスミウム、インジウム、あるいは
白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩またはアセチル
アセトン化合物と、還元剤とからなる触媒または、チタ
ン、パラジウム、ジルコニウム、あるいはモリブデン等
の金属のハロゲン化物またはアセチルアセトン化合物
と、有機アルミニウムとからなる触媒の存在下に(共)
重合させることにより製造することができる。
【0027】また、この開環(共)重合体の水添物(a
−4)は、上記のようにして得られた環状オレフィン開
環重合体(a−2)または環状オレフィン開環共重合体
(a−3)を、水素添加触媒の存在下に水素で還元する
ことにより製造することができる。
【0028】環状オレフィンランダム共重合体(a−
1)は、例えば、触媒の存在下に、液相中でエチレン
と、上記式[I]で表される不飽和単量体とを共重合さ
せることにより得ることができる。
【0029】前記式[I]で表される環状オレフィン
は、シクロペンタジエン類と、相応するオレフィン類あ
るいは環状オレフィン類とをディールス・アルダー反応
により縮合させることにより容易に製造することができ
る。
【0030】前記式[I]で表される環状オレフィンと
しては、具体的には、たとえば、ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン誘導体、テトラシクロ[4.4.
0.12,5.17,10]−3−ドデセン誘導体、ヘキサシ
クロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14
−4−ヘプタデセン誘導体、オクタシクロ[8.8.
0.12,9.14,7.111,18.113,16.03,8
12, 17]−5−ドコセン誘導体、ペンタシクロ[6.
6.1.13,6.02,7.09,14]−4−ヘキサデセン誘
導体、ヘプタシクロ−5−エイコセン誘導体、ヘプタシ
クロ−5−ヘンエイコセン誘導体、トリシクロ[4.
3.0.12,5]−3−デセン誘導体、トリシクロ
[4.4.0.12,5]−3−ウンデセン誘導体、ペン
タシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]−4−
ペンタデセン誘導体、ペンタシクロペンタデカジエン誘
導体、ペンタシクロ[7.4.0.12,5.19,12.0
8,13]−3−ペンタデセン誘導体、ヘプタシクロ[8.
7.0.13,6.110,17.112,15.02,7 .011,16
−4−エイコセン誘導体、ノナシクロ[10.9.1.
4,7.113,20.115,18.03,8.02,10.012 ,21
14,19]−5−ペンタコセン誘導体、ペンタシクロ
[8.4.0.12,5.19,12.08,13]−3−ヘキサ
デセン誘導体、ヘプタシクロ[8.8.0.14,7.1
11,18.113,16.03,8.012,17]−5−ヘンエイコセ
ン誘導体、ノナシクロ[10.10.1.15,8.1
14,21.116,19.02,11.04,9.0 13,22 .015,20
−5−ヘキサコセン誘導体などを挙げることができる。
【0031】以下にこのような化合物のさらに具体的な
例を示す。
【0032】
【化7】
【0033】
【化8】
【0034】
【化9】
【0035】
【化10】
【0036】
【化11】
【0037】
【化12】
【0038】
【化13】
【0039】
【化14】
【0040】
【化15】
【0041】
【化16】
【0042】
【化17】
【0043】
【化18】
【0044】
【化19】
【0045】
【化20】
【0046】
【化21】
【0047】
【化22】
【0048】本発明において、上記の式[I]で表わさ
れる環状オレフィン化合物と共重合して環状オレフィン
ランダム共重合体(a−1)を構成する単量体は、エチ
レンである。ただし、本発明で用いられる環状オレフィ
ンランダム共重合体には、オレフィン化合物としてエチ
レンの他に、他のオレフィン化合物が共重合していても
よい。
【0049】本発明において、エチレンおよび上記の式
[I]で表わされる環状オレフィン化合物と共重合させ
ることができる他のオレフィン化合物の例としては、プ
ロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1
−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタ
デセンおよび1−エイコセン等の炭素原子数が3〜20
のα−オレフィン;シクロペンテン、シクロヘキセン、
3−メチルシクロヘキセン、シクロオクテンおよび3
a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1
H−インデン等のシクロオレフィン;1,4−ヘキサジ
エン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル
−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、ジシ
クロペンタジエン、5−エチリデン−2−ノルボルネン
および5−ビニル−2−ノルボルネン等の非共役ジエン
類;ノルボルネン−2、5−メチルノルボルネン−2、
5−エチルノルボルネン−2、5−イソプロピルノルボ
ルネン−2、5−n−ブチルノルボルネン−2、5−i
−ブチルノルボルネン−2、5,6−ジメチルノルボル
ネン−2、5−クロロノルボルネン−2、2−フルオロ
ノルボルネン−2および5,6−ジクロロノルボルネン
−2等のノルボルネン類を挙げることができる。
【0050】上記のエチレンと式[I]で表わされる環
状オレフィンとの反応は、通常は、炭化水素溶媒中で行
なわれる。ここで用いられる炭化水素溶媒としては、た
とえばヘキサン、ヘプタン、オクタンおよび灯油等の脂
肪族炭化水素;シクロヘキサンおよびメチルシクロヘキ
サン等の脂環族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素を挙げることができる。さらに環
状オレフィンランダム共重合体の調製の際に使用できる
重合性不飽和単量体のうちで反応温度において液体であ
る化合物を反応溶媒として用いることもできる。これら
の溶媒は単独で、あるいは組合わせて使用することがで
きる。
【0051】上記のオレフィンと式[I]で表わされる
環状オレフィンとの反応の際に用いられる触媒として
は、反応溶媒として用いる炭化水素溶媒に可溶性のバナ
ジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒
を挙げることができる。
【0052】ここで触媒として用いられるバナジウム化
合物としては、式 VO(OR)abもしくは式 V
(OR)cdで表わされる化合物を挙げることができ
る。
【0053】ただし、上記の式において、Rは炭化水素
基であり、Xはハロゲンであり、0≦a≦3、0≦b≦
3、2≦a+b≦3、0≦c≦4、0≦d≦4、3≦c
+d≦4の関係を有する。 さらに、このバナジウム化
合物は、上記式で表わされるバナジウム化合物の電子供
与体付加物であってもよい。
【0054】このバナジウム化合物の例としては、VO
Cl3、VO(OC25)Cl2、VO(OC252
l、VO(O−iso−C37)Cl2、VO(O−n
−C49)Cl2、VO(OC253、VOBr2、V
Cl4、VOCl2、VO(O−n−C493、VCl3
・2(OC817OH)等のバナジウム化合物を挙げる
ことができる。これらのバナジウム化合物は単独で、あ
るいは組合わせて使用することができる。
【0055】また、上記のバナジウム化合物と付加物を
形成する電子供与体の例としては、アルコール、フェノ
ール類、ケトン、アルデヒド、カルボン酸、有機酸また
は無機酸のエステル、エーテル、酸アミド、酸無水物、
アルコキシシラン等の含酸素電子供与体、アンモニア、
アミン、ニトリル、イソシアネート等の含窒素電子供与
体を挙げることができる。
【0056】このような電子供与体として用いることが
できる具体的な化合物の例としては、メタノール、エタ
ノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、
オクタノール、ドデカノール、オクタデシルアルコー
ル、オレイルアルコール、ベンジルアルコール、フェニ
ルエチルアルコール、クミルアルコール、イソプロピル
アルコールおよびイソプロピルベンジルアルコール等の
炭素数1〜18のアルコール類;フェノール、クレゾー
ル、キシレノール、エチルフェノール、プロピルフェノ
ール、ノニルフェノール、クミルフェノールおよびナフ
トール等の炭素数6〜20のフェノール類(これらのフ
ェノール類は、低級アルキル基を有してよい);アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ア
セトフェノン、ベンゾフェノンおよびベンゾキノン等の
炭素数3〜15のケトン類;アセトアルデヒド、プロピ
オンアルデヒド、オクチルアルデヒド、ベンズアルデヒ
ド、トルアルデヒドおよびナフトアルデヒド等の炭素数
2〜15のアルデヒド類;ギ酸メチル、酢酸メチル、酢
酸エチル、酢酸ビニル、酢酸プロピル、酢酸オクタル、
酢酸シクロヘキシル、プロピオン酸エチル、酪酸メチ
ル、吉草酸エチル、クロル酢酸メチル、ジクロル酢酸エ
チル、メタクリル酸メチル、ジクロル酢酸エチル、メタ
クリル酸メチル、クロトン酸エチル、シクロヘキサンカ
ルボン酸エチル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安
息香酸プロピル、安息香酸ブチル、安息香酸オクチル、
安息香酸シクロヘキシル、安息香酸フェニル、安息香酸
ベンジル、トルイル酸メチル、トルイル酸エチル、トル
イル酸アミル、エチル安息香酸エチル、アニス酸メチ
ル、マレイン酸n−ブチル、メチルマロン酸ジイソブチ
ル、シクロヘキセンカルボン酸ジn−ヘキシル、ナジッ
ク酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジイソプロピル、
フタル酸ジエチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジ
n −ブチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、γ−ブチ
ロラクトン、δ−バレロラクトン、クマリン、フタリド
および炭酸エチレン等の炭素数2〜30の有機酸エステ
ル類;アセチルクロリド、ベンゾイルクロリド、トルイ
ル酸クロリドおよびアニス酸クロリド等の炭素数2〜1
5の酸ハライド類;メチルエーテル、エチルエーテル、
イソプロピルエーテル、ブチルエーテル、アミルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、アニソールおよびジフェニル
エーテル等の炭素数2〜20のエーテル類;酢酸アミ
ド、安息香酸アミドおよびトルイル酸アミド等の酸アミ
ド類;メチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、
トリブチルアミン、ピペリジン、トリベンジルアミン、
アニリン、ピリジン、ピコリンおよびテトラメチレンジ
アミン等のアミン類;アセトニトリル、ベンゾニトリル
およびトルニトリル等のニトリル類;ケイ酸エチルおよ
びジフェニルジメトキシシラン等のアルコキシシラン類
を挙げることができる。これらの電子供与体は、単独で
あるいは組合わせて使用することができる。
【0057】ここで使用される有機アルミニウム化合物
としては、分子内に少なくとも1個のAl−炭素結合を
有する化合物を用いることができる。ここで有機アルミ
ニウム化合物の例としては、 (i)式R1 mAl(OR2npq (ここでR1およびR2は炭素原子数、通常は1〜15
個、好ましくは1〜4個を含む炭化水素基で互いに同一
でも異なっていてもよい。Xはハロゲン、mは0≦m≦
3、nは0≦n<3、pは0≦n<3、qは0≦q<3
の数であって、しかもm+n+p+q=3である)で表
わされる有機アルミニウム化合物、 (ii)式M1AlR1 4 (ここでM1はLi、Na、Kであり、R1は前記と同じ
意味である)で表わされる第1族金属とアルミニウムと
の錯アルキル化物を挙げることができる。
【0058】前記の式(i)で表わされる有機アルミニ
ウム化合物としては、具体的には以下に記載する化合物
を挙げることができる。 式 R1 mAl(OR23-m (ここでR1およびR2は前記と同じ意味であり、mは好
ましくは1.5≦m<3の数である)で表わされる化合
物。
【0059】式 R1 mAlX3-m (ここでR1は前記と同じ意味であり、Xはハロゲン、
mは好ましくは0<m<3である)で表わされる化合
物。
【0060】式 R1 mAlH3-m (ここでR1は前記と同じ意味であり、mは好ましくは
2≦m<3である)で表わされる化合物。
【0061】式 R1 mAl(OR2nq (ここでR1およびR2は前記と同じ意味である。Xはハ
ロゲン、0<m≦3、0≦n<3、0≦q<3で、m+
n+q=3である)で表わされる化合物。
【0062】上記式(i)で表わされる有機アルミニウ
ム化合物の具体的な例としては、トリエチルアミニウム
およびトリブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミ
ニウム;トリイソプロピルアルミニウム等のトリアルキ
ルアルミニウム;ジエチルアルミニウムエトキシドおよ
びジブチルアルミニウムブトキシド等のジアルキルアル
ミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキエト
キシドおよびブチルアルミニウムセスキブトキシド等の
アルキルアルミニウムセスキアルコキシド;式R1 2.5
l(OR20.5等で表わされる平均組成を有する部分的
にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチル
アルミニウムクロリド、ジブチルアルミニウムクロリド
およびジエチルアルミニウムブロミド等のジアルキルア
ルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリ
ド、ブチルアルミニウムセスキクロリドおよびエチルア
ルミニウムセスキブロミド等のアルキルアルミニウムセ
スキハライド;エチルアルミニウムジクロリド、プロピ
ルアルミニウムジクロリドおよびブチルアルミニウムジ
ブロミド等のアルキルアルミニウムジハライド等の部分
的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチル
アルミニウムヒドリドおよびジブチルアルミニウムヒド
リド等のジアルキルアルミニウムヒドリドあるいはエチ
ルアルミニウムジヒドリドおよびプロピルアルミニウム
ジヒドリド等のアルキルアルミニウムジヒドリド等のよ
うに部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;エチ
ルアルミニウムエトキシクロリド、ブチルアルミニウム
ブトキシクロリドおよびエチルアルミニウムエトキシブ
ロミド等のように部分的にアルコキシ化およびハロゲン
化されたアルキルアルミニウムを挙げることができる。
【0063】また、有機アルミニウム化合物は、たとえ
ば酸素原子あるいは窒素原子を介して、2以上のアルミ
ニウムが結合した有機アルミニウム化合物のように式
(i)で表わされる化合物に類似する化合物であっても
よい。このような化合物の具体的な例としては、 (C252AlOAl(C252、 (C492AlOAl(C492
【0064】
【化23】
【0065】を挙げることができる。また、前記の式
(ii)で表わされる有機アルミニウム化合物の例として
は、LiAl(C254およびLiAl(C7154
を挙げることができる。これらの中では、特にアルキル
アルミニウムハライド、アルキルアルミウムジハライド
またはこれらの混合物を用いるのが好ましい。
【0066】上記のバナジウム化合物の使用量は、バナ
ジウム原子として、通常は、0.01〜5グラム原子/
リットル、好ましくは0.05〜3グラム原子/リット
ルの範囲内にある。また、有機アルミニウム化合物の使
用量は、重合反応系内のバナジウム原子に対するアルミ
ニウム原子の比(Al/V)として表わすと、2以上、
好ましくは2〜50、特に好ましくは3〜20の範囲に
ある。
【0067】上記のような触媒を用いて得られる環状オ
レフィンランダム重合体(a−1)は、通常、エチレン
成分単位を、52〜90モル%、好ましくは55〜80
モル%の範囲内で含み、環状オレフィンから誘導される
繰り返し単位を10〜48モル%、好ましくは20〜4
5モル%の範囲内で含んでいる。なお、環状オレフィン
ランダム共重合体がエチレン成分単位以外のα−オレフ
ィン成分単位を含む場合、環状オレフィンランダム共重
合体中におけるこのα−オレフィン成分単位の含有率
は、通常20モル%以下、好ましくは10モル%以下で
ある。
【0068】本発明で使用される環状オレフィンランダ
ム共重合体において、エチレン成分単位と環状オレフィ
ンから誘導される繰返単位とは、実質的に線状に配列し
ており、さらにこれらの繰返し単位はランダムに配列さ
れている。
【0069】そして、本発明で使用される環状オレフィ
ン共重合体(a−1)中において、前記式[I]で表さ
れる環状オレフィンから導かれる構成単位は下記式[I
I]で表される構造の繰り返し単位を形成していると考
えられる。
【0070】
【化24】
【0071】(式[II]中、m、n、qおよびR1〜R
18ならびにRa、Rbは前記式[I]における定義と同様
である。)本発明においては、前述したとおり、上記の
環状オレフィン系ランダム共重合体(a−1)のほか
に、同種または異種の環状オレフィン単量体を開環して
得られる環状オレフィン開環重合体(a−2)、開環共
重合体(a−3)またはそれらの水素添加物(a−4)
を用いることもできる。このような環状オレフィン開環
重合体(a−2)、開環共重合体(a−3)およびこれ
らの水素添加物(a−4)について、前記式[I]で表
される環状オレフィンは、以下に記載するように反応し
て開環(共)重合体およびこれらの水素添加物を構成し
ていると考えられる。
【0072】
【化25】
【0073】本発明において使用されるグラフト変性環
状オレフィン系樹脂(b)は、上記のような環状オレフ
ィン系樹脂(a−1)、(a−2)、(a−3)あるい
は(a−4)を不飽和カルボン酸あるいは不飽和カルボ
ン酸の誘導体でグラフト変性することにより製造するこ
とができる。ここで使用される不飽和カルボン酸の例と
しては、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、テトラ
ヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン
酸、イソクロトン酸、ナジック酸TM(エンドシス−ビシ
クロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカル
ボン酸)を挙げることができる。さらに、上記の不飽和
カルボン酸の誘導体としては、不飽和カルボン酸無水
物、不飽和カルボン酸ハライド、不飽和カルボン酸アミ
ド、不飽和カルボン酸イミドおよび不飽和カルボン酸の
エステル化合物を挙げることができる。このような誘導
体の具体的な例としては、塩化マレイル、マレイミド、
無水マレイン酸、無水シトラコン酸、マレイン酸モノメ
チル、マレイン酸ジメチルおよびグリシジルマレエート
を挙げることができる。
【0074】これらのグラフトモノマーは、単独で使用
することもできるし、組み合わせて使用することもでき
る。上記のようなグラフトモノマーのうちでは、不飽和
ジカルボン酸またはその酸無水物が好ましく、さらにマ
レイン酸、ナジック酸TMまたはこれらの酸無水物が特に
好ましい。
【0075】本発明で使用されるグラフト変性環状オレ
フィン系樹脂(b)は、例えば上記のようなグラフトモ
ノマーを環状オレフィン系樹脂に、従来公知の種々の方
法を採用してグラフト重合させることにより製造するこ
とができる。たとえば、前記環状オレフィン系樹脂を溶
融させ、グラフトモノマーを添加してグラフト重合させ
る方法、あるいは溶媒に溶解させグラフトモノマーを添
加してグラフト共重合させる方法がある。さらに、グラ
フト変性環状オレフィン系樹脂を製造する方法として
は、未変性の環状オレフィン系樹脂を所望のグラフト変
性率になるようにグラフトモノマーを配合して変性する
方法、予め高グラフト変性率のグラフト変性環状オレフ
ィン系樹脂を調製し、この高変性率の環状オレフィン系
樹脂を未変性環状オレフィン系樹脂で希釈して所望の変
性率のグラフト変性環状オレフィン系樹脂を製造する方
法がある。本発明においては、いずれの方法により製造
したグラフト変性環状オレフィン系樹脂をも使用するこ
とができる。そして、本発明において使用されるグラフ
ト変性環状オレフィン系樹脂の変性率(グラフト率)
は、通常は、0.1〜5重量%、好ましくは0.1〜
4.0重量%の範囲内にある。
【0076】このような反応は、前記グラフトモノマー
を効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開
始剤の存在下に反応を実施することが好ましい。グラフ
ト反応は通常60〜350℃の温度で行なわれる。ラジ
カル開始剤の使用割合は、未変性環状オレフィン系樹脂
100重量部に対して通常0.001〜5重量部の範囲
である。
【0077】ラジカル開始剤としては、有機ペルオキシ
ド、有機ペルエステルおよびアゾ化合物などが好ましく
使用される。これらのうちでは、ラジカル開始剤とし
て、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、
ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキ
シ)ヘキサンおよび1,4−ビス(tert−ブチルペルオ
キシイソプロピル)ベンゼン等のジアルキルペルオキシ
ドが好ましく用いられる。
【0078】このような環状オレフィン系樹脂(a)お
よびグラフト変性環状オレフィン系樹脂(b)の合計量
は、(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)
成分の合計100重量部中における(a)成分と(b)
成分との合計量が通常は60重量部以下、好ましくは1
0〜60重量部の範囲内になるような量で使用される。
【0079】さらに、(a−1)〜(a−4)より選択
される少なくとも1種の環状オレフィン系樹脂(a)
は、(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)
成分の合計100重量部中において、通常は0〜59.
5重量部、好ましくは15〜55重量部の範囲内になる
ような量で使用される。また、グラフト変性物(b)
は、(a)成分、(b)成分、(c)成分および(d)
成分の合計100重量部中において、通常は0.5〜6
0重量部、好ましくは5〜55重量部の範囲内になるよ
うな量で使用される。さらに、(a−1)〜(a−4)
と、(b)との配合比は、(a−1)〜(a−4)の合
計配合重量と、(b)の配合重量との比が、0:60〜
59.5:0.5の範囲内にすることが好ましい。
【0080】本発明において使用されるグラフト変性さ
れたエラストマー(c)は、ASTM D 638に準
じて測定した引張りモジュラスが、通常は23℃で0.
1kg/cm2〜2000kg/cm2、好ましくは1kg/cm2
1500kg/cm2の範囲内にある変性共重合体である。
【0081】さらに、このようなグラフト変性されたエ
ラストマー(c)のガラス転移温度(Tg)は、通常−
150〜+50℃、好ましくは−80〜−20℃の範囲
内にある。さらに、このグラフト変性されたエラストマ
ーの135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]
は、0.2〜10dl/g、好ましくは1〜5dl/gであ
ることが望ましい。またその密度は、通常は0.82〜
0.96g/cm3、好ましくは0.84〜0.92g/c
m3である。さらに、このグラフト変性されたエラストマ
ーのX線回析法によって測定した結晶化度は、通常、3
0%以下、好ましくは25%以下である。
【0082】上述の環状オレフィン系樹脂(a)および
グラフト変性環状オレフィン系樹脂(b)と共に混練す
ることにより、上記のグラフト変性されたエラストマー
(c)は、その少なくとも一部が環状オレフィン系樹脂
(a)およびグラフト変性環状オレフィン系樹脂(b)
中に微粒子状に分散する性質を有している。
【0083】本発明で使用されるグラフト変性されたエ
ラストマー(c)がグラフト変性α−オレフィン共重合
体である場合には、このようなグラフト変性α−オレフ
ィン共重合体としては、具体的には、(c−1)グラフ
ト変性エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム、(c−
2)グラフト変性プロピレン・α−オレフィン共重合体
ゴムが例示できる。上記のグラフト変性エチレン・α−
オレフィン共重合体ゴム(c−1)およびグラフト変性
プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム(c−2)は
単独で使用することもできるし、さらに両者を組み合わ
せて使用することもできる。
【0084】上記のグラフト変性エチレン・α−オレフ
ィン共重合体ゴム(c−1)を構成するα−オレフィン
としては、通常、炭素数3〜20のα−オレフィン、た
とえばプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘ
キセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1
−デセンおよびこれらの混合物を挙げることができる。
このうち特にプロピレンおよび/または1−ブテンが好
ましい。
【0085】またグラフト変性プロピレン・α−オレフ
ィン共重合体ゴム(c−2)を構成するα−オレフィン
としては、通常、炭素数4〜20のα−オレフィン、た
とえば1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−
メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンおよ
びこれらの混合物を挙げることができる。このうち特に
1−ブテンが好ましい。
【0086】なお、本発明で使用されるα−オレフィン
共重合体は、α−オレフィン共重合体の特性を損なわな
い範囲内で、ジエン化合物から誘導される成分単位等の
ようなα−オレフィンから誘導される成分単位以外の成
分単位を含んでいてもよい。
【0087】例えば、本発明で使用されるα−オレフィ
ン共重合体に含まれることが許容される成分単位として
は、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2
−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5
−ヘプタジエンおよび7−メチル−1,6−オクタジエ
ンのような鎖状非共役ジエン;シクロヘキサジエン、ジ
シクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5
−ビニルノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボル
ネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロ
ピリデン−2−ノルボルネンおよび6−クロロメチル−
5−イソプロペニル−2−ノルボルネンのような環状非
共役ジエン;2,3−ジイソプロピリデン−5−ノルボ
ルネン、2−エチリデン−3−イソプロピリデン−5−
ノルボルネンおよび2−プロペニル−2,2−ノルボル
ナジエン等のジエン化合物から誘導される成分単位を挙
げることができる。α−オレフィン共重合体中における
上記のようなジエン成分から誘導される繰り返し単位の
含有量は、通常は10モル%以下、好ましくは5モル%
以下である。
【0088】本発明で使用されるグラフト変性エチレン
・α−オレフィン共重合体(c−1)においては、エチ
レンとα−オレフィンとのモル比(エチレン/α−オレ
フィン)は、α−オレフィンの種類によっても異なる
が、一般に10/90〜90/10、好ましくは50/
50〜90/10である。上記モル比は、α−オレフィ
ンがプロピレンである場合には、50/50〜90/1
0であることが好ましく、α−オレフィンが炭素数4以
上のα−オレフィンである場合には50/50〜90/
10であることが好ましい。
【0089】また本発明で使用されるグラフト変性プロ
ピレン・α−オレフィン共重合体(c−2)において
は、プロピレンとα−オレフィンとのモル比(プロピレ
ン/α−オレフィン)は、α−オレフィンの種類によっ
ても異なるが、一般には50/50〜90/10の範囲
内にある。さらに、上記モル比は、α−オレフィンが1
−ブテンである場合には、50/50〜90/10であ
ることが好ましく、α−オレフィンが炭素数5以上であ
る場合には50/50〜90/10であることが好まし
い。
【0090】本発明においては、上記のようなグラフト
変性α−オレフィン共重合体の中でも、エチレン含有量
35〜50モル%、結晶化度10%以下のエチレン・プ
ロピレンランダム共重合体もしくはエチレン・α−オレ
フィンランダム共重合体をグラフトモノマーでグラフト
変性した共重合体が衝撃強度等の機械的特性の改良効果
に優れているので好ましい。
【0091】本発明で使用されるグラフト変性されたエ
ラストマー(c)を製造するために用いられるグラフト
モノマーとしては、不飽和カルボン酸もしくはその誘導
体を使用することが好ましい。このような不飽和カルボ
ン酸の例としては、アクリル酸、マレイン酸、フマール
酸、テトラヒドロフタル酸、イタコン酸、シトラコン
酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸TM(エン
ドシス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−
2,3−ジカルボン酸)を挙げることができる。さら
に、上記の不飽和カルボン酸の誘導体としては、不飽和
カルボン酸無水物、不飽和カルボン酸ハライド、不飽和
カルボン酸アミド、不飽和カルボン酸イミドおよび不飽
和カルボン酸のエステル化合物を挙げることができる。
このような誘導体の具体的な例としては、塩化マレニ
ル、マレイミド、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、
マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチルおよびグリ
シジルマレエートを挙げることができる。
【0092】これらのグラフトモノマーは、単独で使用
することもできるし、組み合わせて使用することもでき
る。上記のようなグラフトモノマーのうちでは、不飽和
ジカルボン酸またはその酸無水物が好ましく、さらにマ
レイン酸、ナジック酸TMまたはこれらの酸無水物が特に
好ましい。
【0093】本発明で使用されるグラフト変性α−オレ
フィン共重合体は、例えば上記のようなグラフトモノマ
ーとα−オレフィン共重合体とを、従来公知の種々の方
法を採用して変性することにより製造することができ
る。たとえば、前記α−オレフィン共重合体を溶融さ
せ、グラフトモノマーを添加してグラフト重合させる方
法、あるいは溶媒に溶解させグラフトモノマーを添加し
てグラフト共重合させる方法がある。さらに、グラフト
変性α−オレフィン共重合体を製造する方法としては、
未変性α−オレフィン共重合体を所望のグラフト変性率
になるようにグラフトモノマーを配合して変性する方
法、予め高グラフト変性率のグラフト変性α−オレフィ
ン共重合体を調製し、この高変性率のα−オレフィン共
重合体を未変性α−オレフィン共重合体で希釈して所望
の変性率のグラフト変性α−オレフィン共重合体を製造
する方法がある。本発明においては、いずれの方法によ
り製造したグラフト変性α−オレフィン共重合体を使用
することもできる。そして、本発明において使用される
グラフト変性α−オレフィン共重合体は、変性率が、通
常は、0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量
%の範囲内にある共重合体である。
【0094】このような反応は、前記グラフトモノマー
を効率よくグラフト共重合させるためには、ラジカル開
始剤の存在下に反応を実施することが好ましい。グラフ
ト反応は通常60〜350℃の温度で行なわれる。ラジ
カル開始剤の使用割合は、未変性α−オレフィン弾性共
重合体100重量部に対して通常0.001〜5重量部
の範囲である。
【0095】ラジカル開始剤としては、有機ペルオキシ
ド、有機ペルエステルが好ましく使用され、このようは
ラジカル開始剤の具体的な例としては、ベンゾイルペル
オキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミル
ペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシベンゾエート)ヘ
キシン−3、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイ
ソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert
−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキ
サン、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペ
ルフェニルアセテート、tert−ブチルペルイソブチレー
ト、tert−ブチルペル−sec −オクチレート、tert−ブ
チルペルピバレート、クミルペルピバレートおよびtert
−ブチルペルジエチルアセテートを挙げることができ
る。さらに本発明においてはラジカル開始剤としてアゾ
化合物を使用することもでき、このアゾ化合物の具体的
な例としては、アゾビスイソブチロニトリルおよびジメ
チルアゾイソブチレートを挙げることができる。
【0096】これらのうちでは、ラジカル開始剤とし
て、ベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、
ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキ
シ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ
イソプロピル)ベンゼン等のジアルキルペルオキシドが
好ましく用いられる。
【0097】本発明で使用されるグラフト変性α−オレ
フィン共重合体としては、通常は、上述のグラフト変性
エチレン・α−オレフィン共重合体(c−1)、および
グラフト変性プロピレン・α−オレフィン共重合体(c
−2)を単独であるいは組み合わせて使用するが、グラ
フト変性α−オレフィン弾性共重合体の特性を損なわな
い範囲内で上記のグラフト変性弾性共重合体以外の他の
重合体あるいは共重合体あるいは他のグラフト共重合体
を含んでいてもよい。
【0098】本発明において、このような他の重合体あ
るいは共重合体の例としては、芳香族ビニル系炭化水素
・共役ジエン共重合体またはその水素化物を挙げること
ができる。具体的にはこのような芳香族ビニル系炭化水
素・共役ジエン共重合体またはその水素化物としては、
スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・ブタジ
エン・スチレン共重合体ゴム、スチレン・イソプレンブ
ロック共重合体ゴム、スチレン・イソプレン・スチレン
ブロック共重合体ゴム、水添スチレン・ブタジエン・ス
チレンブロック共重合体ゴムおよび水添スチレン・イソ
プレン・スチレンブロック共重合体ゴムを挙げることが
できる。
【0099】このようなグラフト変性されたエラストマ
ー(c)は、(a)成分、(b)成分、(c)成分およ
び(d)成分の合計100重量部中に、(c)成分の量
が2〜30重量部の範囲内になるような量で使用され
る。特にこの量を5〜20重量部の範囲内にすることが
好ましい。
【0100】上記のような量で(c)成分を配合するこ
とにより、環状オレフィンランダム共重合体(a)の優
れた特性を損なうことなく、衝撃強度等の機械的特性が
向上した樹脂組成物を得ることができる。
【0101】本発明で使用することができるポリアミド
(d)としては、ジアミン成分とジカルボン酸成分との
縮重合反応あるいはカプロラクタムのようなアミノ基と
カルボキシル基とを形成可能な化合物あるいはこの機能
的誘導体を開環重合させることにより製造することがで
きる各種のポリアミドを用いることができる。
【0102】ここで使用することができるポリアミドの
具体例としては、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイ
ロン−610、ナイロン−11、ナイロン−612、ナ
イロン−11、ナイロン−12、カプロラクタムとナイ
ロン塩水溶液とから形成される共重合ナイロン、メタキ
シレンジアミンとアジピン酸とから形成されるナイロン
MXD6、ナイロン−46およびメトキシメチル化ポリ
アミド、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド
およびポリヘキサメチレンジアミンイソフタルアミド等
を挙げることができる。
【0103】本発明においては、上記のようなポリアミ
ドは、単独であるいは組み合わせて使用することができ
る。本発明においてポリアミドとしては、上記のような
ジアミン成分とジカルボン酸成分、あるいはε−アミノ
ウンデカン酸などの縮合物、上記ラクタム類の開環重合
体であって、25℃、96%硫酸中で測定した極限粘度
[η]が0.2〜2.5dl/gの範囲内にあるものを使
用することが好ましい。特に本発明においては、25
℃、96%硫酸中で測定した極限粘度[η]が0.5〜
1.8dl/gの範囲内にあるポリアミドを使用すること
が好ましい。
【0104】このようなポリアミドは、(a)成分、
(b)成分、(c)成分および(d)成分の合計100
重量中に、20〜60重量部の範囲内の量で含有される
ような量で使用される。そして、ポリアミドの使用量が
20〜60重量部の範囲内で海島構造を形成することが
できる。そして、この場合、樹脂組成物は、所謂「海
部」がポリアミドから形成されており、(a)成分、
(b)成分および(c)成分によって所謂「島部」が形
成された形態を有するようになると考えられる。
【0105】本発明の樹脂組成物の製造方法において
は、上記の(a)成分と(b)成分と(c)成分と
(d)成分とを溶融状態にして混練する。(a)成分と
(b)成分と(c)成分と(d)成分との混合方法およ
び混練方法としては、例えば上記のような配合割合で
(a)成分と(b)成分と(c)成分と(d)成分とを
機械的に一括混合した後、例えば二軸押出機等の溶融混
練装置を用いて、上記混合物を加熱して溶融状態にして
混練する方法(以下、「一括フィード」と呼ぶこともあ
る。)あるいは上記のような配合割合で(a)成分と
(b)成分と(c)成分とを機械的に混合した後、例え
ば二軸押出機等の溶融混練装置を用いて、該混合物を加
熱して溶融状態にし、溶融状態にある該混練物に、
(d)成分を添加して混練する方法(以下、「サイドフ
ィード」と呼ぶこともある。)等をあげることができ
る。本発明のポリオレフィン樹脂組成物の製造法では、
適宜条件を設定することにより、一括フィードあるいは
サイドフィードのいずれも使用することができるが、一
括フィードに比べてサイドフィードの方が、樹脂組成物
中に分散する「島部」の粒径が小さくなり、またその粒
度分布が狭くなる傾向がある。以下、このサイドフィー
ド法について詳細に説明する。
【0106】サイドフィード法によるポリオレフィン樹
脂組成物の製造法では、一軸または二軸押出機あるいは
ミキサー中で(a)成分、(b)成分および(c)成分
を溶融混練し、得られた溶融樹脂流に、ポリアミド
(d)を供給してさらに混練する。
【0107】このポリアミドは、(a)成分と(b)成
分と(c)成分とから形成される溶融樹脂流に固体状態
で添加することもできるし、また、この溶融樹脂流に対
して、溶融状態のポリアミド(d)を供給して両溶融樹
脂流を合流させてポリアミド(d)と、(a)成分、
(b)成分および(c)成分とを混練することもでき
る。特に本発明においては、(a)成分、(b)成分お
よび(c)成分から形成される溶融樹脂流に固体状のポ
リアミドを添加して混練することが好ましい。
【0108】このようにサイドフィード法により固体状
のポリアミド(d)を、(a)成分、(b)成分および
(c)成分から形成される溶融樹脂流に供給することに
より、特に低温特性、耐油性および表面光沢に優れた成
形体を形成可能な樹脂組成物を製造することができる。
【0109】そして、(a)成分、(b)成分および
(c)成分によって形成される溶融樹脂流に対してポリ
アミドをサイドフィード法により固体状態で、上記の溶
融樹脂流に供給して混練することにより、島部が非常に
微細な海島構造を有するペレットを製造することがで
き、通常、この島部の差渡し長さの平均値は、2μm以
下、多くの場合1μm以下になる。
【0110】なお、溶融樹脂流における(a),(b)
および(c)の混練条件は、ポリオレフィン等の樹脂を
混練する際の条件に準じて設定することができる。ま
た、(a),(b)および(c)の溶融樹脂流にポリア
ミドを添加した後の混練条件も、ポリアミドを添加した
ことに伴って急速な温度低下がないように加熱温度を調
整することに留意して設定する以外は通常の混練条件に
準じて設定することができる。
【0111】さらに、上記の成分の他に無機充填剤、有
機充填剤、熱安定剤、耐候性安定剤、帯電防止剤、スリ
ップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔
料、染料、天然油、合成油およびワックス等の添加剤を
配合してもよく、これらの添加剤、充填剤は常法に従っ
て任意の段階で添加することができる。
【0112】本発明の方法で製造されたポリオレフィン
樹脂組成物は、通常のポリオレフィンの用途の他、例え
ばフィラー補強したPP、ABS樹脂、変性ポリフェニ
レンオキサイドなどが用いられているような、特に機械
的強度が要求される用途に好ましく使用することができ
る。
【0113】
【発明の効果】本発明のポリオレフィン樹脂組成物を用
いて形成された成形体は、衝撃強度が高く、表面性、特
に表面剥離が少なく、さらに表面光沢にも優れる。そし
て、この成形体は、吸水性が低いと共に、耐油性にも優
れている。
【0114】また本発明のポリオレフィン樹脂組成物の
製造方法によれば、環状オレフィン系樹脂(a)とグラ
フト変性環状オレフィン系樹脂(b)とグラフト変性さ
れたエラストマー(c)とポリアミド(d)とを溶融混
練しているため、上記にような諸特性を有するポリオレ
フィン樹脂組成物が得られる。
【0115】しかも、前述したようにポリアミド(d)
をサイドフィードして供給することにより、たとえばポ
リアミド(d)中に(a)成分、(b)成分および
(c)成分が微細に分散した海島構造を形成することが
できる。
【0116】さらに、本発明の方法により得られた樹脂
組成物には、ポリアミドと比較して成形時の収縮率を低
減すると同時に吸水率を低減することができるとの利点
もある。
【0117】
【実施例】次に本発明を実施例を示して説明する。ただ
し、本発明は、これら実施例によって限定的に解釈され
るべきではない。
【0118】[評価方法]本発明で使用される環状オレ
フィンランダム共重合体およびグラフト変性されたエラ
ストマー(グラフト変性弾性共重合体ともいう)ならび
に本発明のポリオレフィン樹脂組成物の特性は次のよう
にして測定した。極限粘度[η] デカリン中、135℃で測定した。軟化温度(TMA) 昇温速度5℃/分 加重50g、直径1mmの平底針が100μm針入した温
度をTMAとした。グラフト変性弾性共重合体中のグラフトモノマー量 13 C−NMRにて測定した。結晶化度 23℃でX線回折法により測定した。引張りモジュラス ASTM D 638に準じ、2mm厚のプレス試験片を
用いて23℃にて測定した。IZ衝撃強度 ASTM D 256に準じ、1/8インチ厚、ノッチ
付の射出試験片を用い、23℃にて測定した。曲げ初期弾性率(FM) ASTM D 790に準じ、1/8インチ厚の射出試
験片を用い、クロスヘッドスピード20mm/分、23℃
にて測定した。曲げ降伏点応力(FS) ASTM D 790に準じ、FMと同様にして測定し
た。光沢度(Gloss) ASTM D 523に準じ、2mm厚射出角板を用い、
入射角60度、23℃にて測定した。メルトインデックス(MI) JIS−K−6760に準じ、260℃、2.16Kg荷
重で行った。シクロヘキサンおよび水吸収率 100mm×100mm×2mmtの試験片を72時間シクロ
ヘキサンまたは水に浸漬し、所定時間経過後、試験片の
表面にあるシクロヘキサンまたは水を除去した後、試験
片の重量を測定して増加重量を求め、この増加重量を浸
漬前の試験片の重量に対する百分率で表記した。調製例1 [環状オレフィン共重合体(a−1)の重合例]攪拌翼
を備えた1リットル重合器を用いて、連続的にエチレン
とテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデセ
ン−3(以下、「TCD−3」と略記することもある)
との共重合反応を行った。すなわち、重合器の上部から
TCD−3のシクロヘキサン溶液を重合器内でのTCD
−3濃度が60g/リットルとなるように毎時0.4リ
ットル、触媒としてVO(OC25)Cl2のシクロヘ
キサン溶液を重合器内でのバナジウム濃度が0.5ミリ
モル/リットルとなるように毎時0.5リットル(この
ときの供給バナジウム濃度は、重合器中濃度の2.86
倍である)の速度で、エチルアルミニウムセスキクロリ
ド[Al(C25 1.5Cl1.5]のシクロヘキサン溶液
を重合器内でのアルミニウム濃度が4.0ミリモル/リ
ットルとなるように毎時0.4リットルの速度で、そし
てシクロヘキサンを毎時0.7リットルの速度でそれぞ
れ重合器内に連続的に供給し、他方、重合器下部から重
合器内の重合液が常に1リットルになるように(すなわ
ち滞留時間が0.5時間となるように)連続的に重合反
応液を抜きだした。
【0119】また重合系にバブリング管を用いて、エチ
レンを毎時20リットル、窒素を毎時10リットル、そ
して水素を毎時0.5リットルの速度で供給した。共重
合反応は、重合器外部に取り付けられたジャケットに冷
媒を循環させることにより10℃で行った。
【0120】上記重合条件で共重合反応を行って、エチ
レン・TCD−3ランダム共重合体を調製した。すなわ
ち、重合器下部から重合液を抜き出して、この重合液
に、シクロヘキサン/イソプロピルアルコール(容量比
=1/1)混合液を添加して重合反応を停止させた。そ
の後、水1リットルに対して濃塩酸5mlを添加した水溶
液と上記重合溶液とを、1:1の割合でホモミキサーを
用いて強力に攪拌しながら接触させて、触媒残渣を水相
に移行させた。
【0121】上記混合物を静置し、水相を除去した後、
さらに蒸留水で2回水洗を行い、重合液を精製し、次い
で分離した。得られた重合液を3倍量のアセトンと強攪
拌下に接触させ、沈澱した固体部を濾過して採取し、ア
セトンで充分洗浄した。その後、濾取した固体を窒素流
通下、130℃、350mmHgで24時間乾燥させた。
【0122】上記のような操作を連続して行うことによ
り、エチレン・TCD−3ランダム共重合体を毎時76
g(38g/リットル)の速度で連続的に調製した。13
C−NMR分析の測定結果から求めたこの共重合体中に
おけるエチレン組成は63モル%であった。また、この
共重合体について、135℃のデカリン中で測定した極
限粘度[η]は0.5dl/gであり、ヨウ素価は1.0
であり、TMAは150℃であった。
【0123】以下、この環状オレフィンランダム共重合
体(a−1)を、「PO−1」と記載する。調製例2 [環状オレフィン共重合体(a−1)の重合例]調製例
1において、エチレンを毎時10リットル、水素を毎時
0.3リットルの速度で供給した以外は同様にしてエチ
レン・TCD−3共重合体を調製した。
【0124】13C−NMR分析の測定結果から求めたこ
の共重合体中におけるエチレン組成は56モル%であっ
た。また、この共重合体について、135℃のデカリン
中で測定した極限粘度[η]は0.7dl/gであり、ヨ
ウ素価は1.0であり、TMAは180℃であった。
【0125】以下、この環状オレフィンランダム共重合
体(a−1)を、「PO−2」と記載する。調製例3 [グラフト変性環状オレフィン共重合体(b)の調製
例]調製例1で得られた「PO−1」100重量部に対
して無水マレイン酸1重量部および2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3(日
本油脂(株)製、商品名;パーヘキシン25B)0.2
重量部を混合し、直径30mmベント装置付二軸押出機を
用いて260℃で溶融混練することにより、グラフト変
性環状オレフィン共重合体(b)を得た。
【0126】得られたグラフト変性環状オレフィン共重
合体の無水マレイン酸付加量は0.83重量%であっ
た。以下このグラフト変性環状オレフィン共重合体
(b)を「GPO−1」と記載する。調製例4 [グラフト変性環状オレフィン共重合体(b)の調製
例]調製例2で得られた「PO−2」100重量部に対
して無水マレイン酸1重量部および2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3(日
本油脂(株)製、商品名;パーヘキシン25B)0.2
重量部を混合し、直径30mmベント装置付二軸押出機を
用いて260℃で溶融混練することにより、グラフト変
性環状オレフィン共重合体(b)を得た。
【0127】得られたグラフト変性環状オレフィン共重
合体の無水マレイン酸付加量は0.81重量%であっ
た。以下このグラフト変性環状オレフィン共重合体
(b)を「GPO−2」と記載する。調製例5 [グラフト変性環状オレフィン共重合体(b)の調製
例]調製例2で得られた「PO−2」100重量部に対
して無水マレイン酸1重量部および2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3(日
本油脂(株)製、商品名;パーヘキシン25B)0.0
5重量部を混合し、直径30mmベント装置付二軸押出機
を用いて260℃で溶融混練することにより、グラフト
変性環状オレフィン共重合体(b)を得た。
【0128】得られたグラフト変性環状オレフィン共重
合体の無水マレイン酸付加量は0.26重量%であっ
た。以下このグラフト変性環状オレフィン共重合体
(b)を「GPO−3」と記載する。調製例6 [グラフト変性されたエラストマー(c)の調製例]エ
チレン含有量80モル%、130℃デカリン中で測定し
た極限粘度[η]2.2dl/gのエチレン・プロピレン
共重合体(以下この共重合体を「MP−0」と記載す
る)100重量部に対して無水マレイン酸1重量部、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t −ブチルペルオキ
シ)ヘキシン−3 0.2重量部を混合し、直径30mm
ベント装置付二軸押出機を用いて260℃で溶融混練す
ることにより、グラフト変性されたエラストマー(c)
を得た。
【0129】得られたグラフト変性エラストマーの無水
マレイン酸付加量は0.90重量%であった。引張りモ
ジュラスは80kg/cm2であった。以下このグラフ
ト変性エラストマー(c)を「MP−1」と記載する。調製例7 [グラフト変性されたエラストマー(c)の調製]調製
例5において、無水マレイン酸の代わりに、「MP−
0」100重量部に対して1重量部のメタクリル酸グリ
シジルを使用した以外は同様にしてグラフト変性された
エラストマー(c)を得た。
【0130】得られたグラフト変性エラストマーにおけ
るメタクリル酸グリシジル付加量は0.90重量%であ
った。引張りモジュラスは80kg/cm2であった。
以下このグラフト変性エラストマー(c)を「MP−
2」と記載する。実施例1 溶融混練中の樹脂または樹脂組成物に対して樹脂または
樹脂組成物を途中フィード可能な、直径30mmのダイを
備えた二軸押出機を用いて、ポリオレフィン樹脂組成物
を調製した。
【0131】なお、これ以後、上記押出機を用いて、樹
脂または樹脂組成物(A)を溶融混練中の樹脂または樹
脂組成物(B)に供給することを、「AをBにサイドフ
ィードする」との表現を採る。これに対してAおよびB
を一括して溶融混練することを「AとBとを一括フィー
ドする」と表現する。
【0132】調製例1で得られた環状オレフィンランダ
ム共重合体(PO−1)30重量部と、調製例3で得ら
れたエラストマー(GPO−1)10重量部と、調製例
5で得られたグラフト変性エラストマー(MP−1)1
0重量部とを、上記押出機(設定温度:230℃)で混
練し、この樹脂組成物100重量部にポリアミド樹脂
(ナイロン−6、(株)東レ製、商品名:アミランCM
1007)100重量部(すなわち、上記樹脂組成物と
同量)をサイドフィードしてポリオレフィン樹脂組成物
を調製した。
【0133】このポリオレフィン樹脂組成物を120℃
で8時間乾燥した後、成形機として射出成形機(東芝I
S製、30EPN)を用いて270℃、金型温度70℃
にて物性用試験片および角板を作成した。
【0134】得られた試験片の物性を表1に示す。表1
に示した結果から明らかなように、衝撃強度、剛性、耐
熱性、光沢および耐油性に優れた組成物が得られた。
【0135】次いで、この試験片をルテニウム酸または
オスミウム酸で染色して透過電子顕微鏡用試料を調製
し、この試料について透過電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、球状(あるいは楕円球状)の分散物が観察され、こ
の分散物の平均粒径は1μm以下であった。実施例2 実施例1において、ポリアミド樹脂として、ナイロン−
6,6((株)東レ製、商品名:アミランCM3001
−N)を使用し、押出機温度を260℃に変えた以外は
同様にしてポリオレフィン樹脂組成物を調製し、この樹
脂組成物を用いて試験片および角板を作成した。
【0136】得られた試験片の物性を表1に示す。表1
に示した結果から明らかなように、衝撃強度、剛性、耐
熱性、光沢および耐油性に優れた組成物が得られた。
【0137】次いで、この試験片を用いて実施例1と同
様の方法に従って試料を調製し、この試料について透過
電子顕微鏡を用いて観察したところ、球状(あるいは楕
円球状)の分散物の平均粒径は1μm以下であった。実施例3 実施例1において、環状オレフィンランダム共重合体、
グラフト変性環状オレフィンランダム共重合体およびグ
ラフト変性エラストマーの組成を表1に示したように変
えた以外は同様にしてポリオレフィン樹脂組成物を調製
し、この樹脂組成物を用いて試験片および角板を作成し
た。
【0138】得られた試験片の物性を表1に示す。表1
に示した結果から明らかなように、衝撃強度、剛性、耐
熱性、光沢および耐油性に優れた組成物が得られた。
【0139】次いで、この試験片を用いて実施例1と同
様の方法に従って試料を調製し、この試料について透過
電子顕微鏡を用いて観察したところ、球状(あるいは楕
円球状)の分散物の平均粒径は1μm以下であった。実施例4〜5 実施例1において、環状オレフィンランダム共重合体
(PO−2)、グラフト変性環状オレフィンランダム共
重合体(GPO−2)およびグラフト変性エラストマー
(MP−1)の組成を表1に示したように変えた以外は
同様にしてポリオレフィン樹脂組成物を調製し、この樹
脂組成物を用いて試験片および角板を作成した。
【0140】得られた試験片の物性を表1に示す。表1
に示した結果から明らかなように、衝撃強度、剛性、耐
熱性、光沢および耐油性に優れた組成物が得られた。
【0141】次いで、この試験片を用いて実施例1と同
様の方法に従って試料を調製し、この試料について透過
電子顕微鏡を用いて観察したところ、球状(あるいは楕
円球状)の分散物の平均粒径は1μm以下であった。実施例6 実施例4において、エラストマー(MP−1)のかわり
に「MP−2」を使用した以外は同様にしてポリオレフ
ィン樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物を用いて試験
片および角板を作成した。
【0142】得られた試験片の物性を表1に示す。表1
に示した結果から明らかなように、衝撃強度、剛性、耐
熱性、光沢および耐油性に優れた組成物が得られた。
【0143】次いで、この試験片を用いて実施例1と同
様の方法に従って試料を調製し、この試料について透過
電子顕微鏡を用いて観察したところ、球状(あるいは楕
円球状)の分散物の平均粒径は1μm以下であった。実施例7 実施例1において、樹脂組成を表1に記載した様に変え
た以外は同様にしてポリオレフィン樹脂組成物を調製
し、この樹脂組成物を用いて試験片および角板を作成し
た。
【0144】得られた試験片の物性を表1に示す。こう
して得られた試験片は、卓越した耐油性は示さなかった
けれども、衝撃強度、剛性および耐熱性に優れた組成物
が得られた。
【0145】次いで、この試験片を用いて実施例1と同
様の方法に従って試料を調製し、この試料について透過
電子顕微鏡を用いて観察したところ、球状(あるいは楕
円球状)の分散物の平均粒径は1μm以下であった。実施例8 実施例7において、環状オレフィンランダム共重合体
(PO−2)、グラフト変性エラストマー(MP−1)
の組成を表1に示すように変えた以外は同様にしてポリ
オレフィン樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物を用い
て試験片および角板を作成した。
【0146】得られた試験片の物性を表1に示す。こう
して得られた試験片は、卓越した耐油性は示さなかった
けれども、衝撃強度、剛性および耐熱性に優れた組成物
が得られた。
【0147】次いで、この試験片を用いて実施例1と同
様の方法に従って試料を調製し、この試料について透過
電子顕微鏡を用いて観察したところ、球状(あるいは楕
円球状)の分散物の平均粒径は1μm以下であった。実施例9 グラフト変性環状オレフィンランダム共重合体(GPO
−3)、グラフト変性エラストマー(MP−1)の組成
を表1に示す量で使用した以外は同様にしてポリオレフ
ィン樹脂組成物を調製し、この樹脂組成物を用いて試験
片および角板を作成した。
【0148】得られた試験片の物性を表1に示す。こう
して得られた試験片は、卓越した耐油性は示さなかった
けれども、衝撃強度、剛性および耐熱性に優れた組成物
が得られた。
【0149】次いで、この試験片を用いて実施例1と同
様の方法に従って試料を調製し、この試料について透過
電子顕微鏡を用いて観察したところ、球状(あるいは楕
円球状)の分散物の平均粒径は1μm以下であった。実施例10 環状オレフィンランダム共重合体(PO−2)、グラフ
ト変性環状オレフィンランダム共重合体(GPO−1)
の組成を表1に示す量で使用し、グラフト変性エラスト
マー(MP−1)とポリアミド(CM1007)とを表
1に示す割合で予め溶融混練することにより調製したペ
レットをサイドフィードすることによりポリオレフィン
樹脂組成物を得た以外は実施例1と同様の操作を行なっ
た。この樹脂組成物を用いて試験片および角板を作成し
た。
【0150】得られた試験片の物性を表1に示す。こう
して得られた試験片は表1に示すような物性を有するこ
とから、耐油性、衝撃強度、剛性および耐熱性に優れた
組成物が得られたことがわかる。
【0151】次いで、この試験片を用いて実施例1と同
様の方法に従って試料を調製し、この試料について透過
電子顕微鏡を用いて観察したところ、球状(あるいは楕
円球状)の分散物の平均粒径は1μm以下であった。参考例1 フィード方法を一括フィードとし、樹脂組成を表1(そ
の3)に記載したようにかえた以外は実施例1と同様に
してポリオレフィン組成物を得た。試験片の作製も実施
例1と同様に行なった。
【0152】得られた試験片の物性を表1に示した。こ
の試料を実施例1と同様の方法で透過電子顕微鏡を用い
て観察したところ、分散物の平均粒径は3μm以下であ
った。参考例2 フィード方法を一括フィードとした以外は実施例3と同
様にしてポリオレフィン組成物を得た。試験片の作製も
実施例1と同様に行なった。
【0153】得られた試験片の物性を表1に示した。こ
の試料を実施例1と同様の方法で透過電子顕微鏡を用い
て観察したところ、分散物の平均粒径は3μm以下であ
った。比較例1 グラフト変性エラストマーを用いず、かわりにエチレン
・プロピレン共重合体MP−0を用いた以外は実施例6
と同様にしてポリオレフィン樹脂組成物を得た。
【0154】得られた試験片の物性を表1に示した。剛
性、耐熱性、光沢には優れていたが、衝撃強度に劣った
組成物が得られた。
【0155】
【表1】
【0156】
【表2】
【0157】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−232261(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 23/00 - 23/36 C08L 65/00 - 65/04 C08L 77/00 - 77/12 C08J 3/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)(a-1) エチレンと次式[I]で表さ
    れる環状オレフィンとの共重合体と、 (a-2) 次式[I]で表される環状オレフィンの単独開環
    重合体と、 (a-3) 次式[I]で表される2種以上の環状オレフィン
    の開環共重合体と、 (a-4) 上記(a-2) または(a-3) の水素添加物とよりなる
    群から選ばれる少なくとも一種類の環状オレフィン系樹
    脂と、 (b)上記(a-1) 、(a-2) 、(a-3) または(a-4) のグラ
    フト変性物と、 (c)不飽和カルボン酸もしくはその誘導体でグラフト
    変性された、23℃での引張モジュラスが0.1〜20
    00kg/cm2であるエラストマーとを溶融混練すると共
    に、溶融状態にある該混練物に、 (d)ポリアミドを添加して混練することを特徴とする
    ポリオレフィン樹脂組成物の製造法; ここで(a)成分、(b)成分、(c)成分および
    (d)成分の合計100重量部の組成物あたり、(a)
    成分を0〜59.5重量部、(b)成分を0.5〜60
    重量部、(c)成分を2〜30重量部、(d)成分を2
    0〜60重量部の量で用いる。 【化1】 (ただし、上記式[I]において、nは0または1であ
    り、mは0または正の整数であり、qは0または1であ
    り、 R1〜R18ならびにRaおよびRbは、それぞれ独立に、
    水素原子、ハロゲン原子および炭化水素基よりなる群か
    ら選ばれる原子もしくは基を表し、 R15〜R18は、互いに結合して単環または多環の基を形
    成していてもよく、かつ該単環または多環の基が二重結
    合を有していてもよく、 また、R15とR16とで、またはR17とR18とでアルキリ
    デン基を形成していてもよい。)。
  2. 【請求項2】 ポリアミドを固体状態で添加することを特
    徴とする請求項1に記載のポリオレフィン樹脂組成物の
    製造法。
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