JPH0885181A - 吸収性フィルムおよびその製造方法 - Google Patents

吸収性フィルムおよびその製造方法

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JPH0885181A
JPH0885181A JP6223377A JP22337794A JPH0885181A JP H0885181 A JPH0885181 A JP H0885181A JP 6223377 A JP6223377 A JP 6223377A JP 22337794 A JP22337794 A JP 22337794A JP H0885181 A JPH0885181 A JP H0885181A
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film
absorbent
layer
crater
web
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JP6223377A
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Yukio Kawazu
幸雄 河津
Kenji Tsunashima
研二 綱島
Hideyuki Yamauchi
英幸 山内
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】少なくとも片側表面に直径0.1〜500μm
の不規則なクレーター状膜面を形成し、かつ内部に繊維
状多孔質層からなる吸収層を形成してなる吸収性フィル
ム。 【効果】表面平滑性と吸収性を有するので、各種印刷に
おけるインキや溶媒の吸収速度が早く乾燥性に優れ、に
じみのない鮮明な画像が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面平滑性、光沢性に
優れた吸収性フィルムおよびその製造方法に関するもの
である。さらに詳しくは、紙の代用品すなわち、カー
ド、ラベル、シール、ビデオプリンタ用受像紙、バーコ
ード用受像紙、ポスター、地図、無塵紙、表示板、白
板、印画紙、複写紙などの印刷用基材、さらにはオフセ
ット印刷用受容シート、溶融転写型感熱転写用受容シー
ト、インクジェット用受容シートなどの印刷用受容シー
トとして好適な吸収性フィルムおよびその製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、オフセット印刷やインクジェット
記録などに用いる受容シートにはインキ溶媒の吸収性や
溶融インキの含浸性が要求され、これらを目的としたフ
ィルム、シートが提案されている。
【0003】例えば、微細気泡含有ポリエステルフィル
ムからなる感熱転写受像体(特開平1−168493号
公報)、微細気泡含有ポリエステルフィルムの少なくと
も片面に密度が1.3以上のポリエステルフィルムを積
層した積層フィルム(特開平2−80247号公報)、
気泡含有率の異なるフィルムを積層した感熱転写シート
(特開平2−81678号公報)がある。
【0004】また表面に多孔質層を設けたシートとして
は、支持体上にインキ受理層が設けられ、かつ受理層の
孔径分布が2箇所のピークを有する記録用シート(特公
昭63−22997号公報)、受容層として空孔を有す
る連続被膜層を備えたインクジェット用被記録材(特公
昭63−56876号公報)などが知られている。
【0005】不織布を基材とした印刷用シートとして、
不織布の少なくとも片面にアクリル系樹脂からなるイン
キ密着層を設けた印刷用不織布シート(特開平3−23
4869号公報)が提案されている。
【0006】さらに繊維状物質とプラスチックの積層体
として熱可塑性樹脂の一面にセルロース系薄葉紙が積層
され、相互が微細多孔質構造の熱可塑性樹脂で結合され
た複合紙状構造物(特開昭50−138077号公報)
がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術では受容体としての重要な機能である吸収性、すなわ
ちオフセット印刷やインクジェット印刷のようなインク
溶媒の吸収性や感熱転写材の溶融インキの含浸性を必ず
しも満足できるものではなかった。インク溶媒も吸収性
が不十分であると、印刷後のシート表面の乾燥が不十分
となり、重ね合わせによる裏写りがおこり、鮮明な画像
が得られない。また、感熱転写用途においては溶融イン
キの含浸が不十分であると、表面にインキ層が盛り上が
った状態となるため、耐摩耗性などが不足する。
【0008】すなわち、インク溶媒の吸収、溶融インキ
の含浸がより早く、かつ完全に行われる受容シートが望
ましいのである。
【0009】また、受容体としての重要な特性は表面平
滑性であり、表面平滑性と吸収性を同時に満足する必要
があった。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記要求に応え
るべく、特定の構造を有するフィルムを提供するもので
ある。すなわち、少なくとも片側表面に直径0.1〜5
00μmの不規則なクレーター状膜面を形成し、かつ内
部に繊維状多孔質層からなる吸収層を形成してなること
を特徴とする吸収性フィルムをその骨子とするものであ
る。また、別の好ましい実施態様として、少なくとも片
側表面に直径0.1〜500μmの不規則なクレーター
状膜面を形成し、かつ内部に繊維状多孔質層からなる吸
収層を形成してなる層を、支持体フィルムの少なくとも
片面に設けてなることを特徴とする吸収性フィルムに関
する。
【0011】本発明における吸収性フィルムは、少なく
とも片側表面に不規則なクレーター状膜面を形成してな
る。すなわちクレーター状膜面を形成することにより、
印刷受容体として好適な表面の平滑性と光沢度を得るこ
とができるものである。該クレーターは、その直径が
0.1〜500μmの範囲にあり、好ましくは0.1〜
300μm、さらに好ましくは0.1〜100μmの範
囲にある。直径が0.1μm未満では膜面の構造が緻密
になりすぎて吸収性が低下する傾向にある。また、直径
が500μmを超えると、表面の平滑性と光沢度が低下
する傾向にある。なお、本発明でいうクレーターの直径
とは、等価円直径をいう。
【0012】本発明における吸収性フィルムは、表面に
形成されたクレーター状膜面に極微細な内部への貫通孔
を有し、この孔を通じて内部へ液体が浸透できる機能を
有する。
【0013】本発明における吸収性フィルムは、内部に
繊維状多孔質層からなる吸収層を形成してなる。すなわ
ち、繊維状多孔質層を形成することにより、多数の連続
した空隙を有する繊維層がトラップ層として有効に作用
する、いわゆるボトル構造を有する構成が可能となり、
受容層として極めて有効となるのである。
【0014】本発明における吸収性フィルムは、繊維状
多孔質層からなる吸収層の細孔容積(Vp)が好ましく
は0.3cm3 /cm3 以下、比表面積(S)が1m2
/cm3 以下、さらに好ましくは細孔容積が0.2cm
3 /cm3 以下、比表面積が0.8m2 /cm3 以下で
ある。細孔容積を0.3cm3 /cm3 以下、比表面積
を1m2 /cm3 以下とすることにより、より緻密な吸
収層を形成することができ、受容体として好適な吸収性
フィルムを得ることができるのである。細孔容積が0.
3cm3 /cm3 比表面積が1m2 /cm3 を超える
と、インキの受容性は増大するが、インキが滲みやすく
なり印刷品位が低下する場合がある。
【0015】なお、本発明でいう吸収層の細孔容積(V
p)および比表面積(S)は、カルロエルバ社製ポロシ
メータ2000を用いて測定した値であり、以下のよう
に測定した。
【0016】試料(4cm×10cm)をセルに入れ、
約10−3 Torrの減圧下に水銀を注入し、これをオ
ートクレーブに装着して静水圧(P)を加え、試料の細
孔に圧入された水銀の容積(Vp)を電気的に検出して
求めた。各特性値は以下のように定義される。
【0017】細孔容積(Vp):測定細孔半径の圧入水
銀の累積容積/試料体積(cm3/cm3 ) 比表面積(S):細孔容積Vをもとに円筒状細孔を仮定
して計算した累積比表面積(m2 /cm3 ) 試料体積(Vs)=W/ρ(cm3 ) ここで、Wは試料の重さ(g)、ρは見かけ密度(g/
cm3 )である。
【0018】本発明における吸収性フィルムの吸収層の
見かけ密度は1.0g/cm3 未満が好ましく、さらに
好ましくは0.1g/cm3 以上0.8g/cm3 未満
であり、より好ましくは0.1g/cm3 以上0.6g
/cm3 未満である。
【0019】本発明における吸収性フィルムの平均表面
粗さ(Ra)は好ましくは5μm以下、さらに好ましく
は3μm以下である。平均表面粗さが5μmを超えると
印刷品位が低下する傾向にある。
【0020】本発明の吸収性フィルムの光沢度は10%
以上が好ましい。光沢度が10%未満では印刷の鮮明性
が低下する傾向にある。
【0021】本発明における吸収性フィルムは、従来公
知の熱可塑性樹脂が用いられる。例えば、ポリエステ
ル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアミド、ポリ
フェニレンサファイドなどが挙げられる。
【0022】本発明では、これらを単独で用いてもよい
し、2種以上を混合して用いてもよいし、また、共重合
体であってもよい。中でも、耐熱性の点で、ポリエステ
ルおよびその共重合体樹脂が好ましく用いられる。
【0023】本発明に用いられるポリエステルとはジオ
ール成分とジカルボン酸成分とから重縮合によって得ら
れるポリマであり、ジカルボン酸成分としてはテレフタ
ル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン
酸、アジピン酸、セバチン酸などで代表されるものであ
り、ジオール成分としてはエチレングリコール、トリメ
チレングリコール、テトラメチレングリコール、シクロ
ヘキサンジメタノールなどで代表されるものである。も
ちろんこれらのポリエステルは単独重合体でもジカルボ
ン酸成分あるいはジオール成分が2種以上の共重合体で
あってもよい。上記以外の共重合成分としてはジエチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレ
ングリコールなどのジオール成分、4,4−ジフェニル
エーテルジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ε
−オキシカプロン酸、トリメリット酸、ピロメリット
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのカルボン
酸を例示できる。具体的には例えば、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ−1,
4シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートなどが挙げられる。
【0024】これらポリエステル中に公知の添加剤、例
えば耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、
有機、無機の滑剤や微粒子、顔料、染料、充填剤、帯電
防止剤、核剤などを配合してもよい。
【0025】本発明における支持体フィルムは、特に限
定されるものではなく、従来公知の熱可塑性樹脂フィル
ムが用いられるが、中でもポリエステルフィルムが好ま
しく用いられる。
【0026】ポリエステルフィルムは透明、不透明を問
わないが、受容シートとして用いる場合には不透明のも
の、特に白色度に優れたもの(例えば白色度70%以
上)が印刷後の画像の鮮明度が向上するのでより好まし
い。ポリエステルフィルムを白色化するには従来から行
われている酸化チタンなどの無機粒子を添加する方法で
得ることができる。受容シートに適用する場合には柔軟
でクッション性に富んだものが好ましく、このようなポ
リエステルフィルムは内部に微細な気泡を含有させるこ
とにより達成でき、かつ該気泡が光を散乱させることに
より白色度が向上する。さらには気泡含有により低比重
化が可能である。
【0027】本発明における支持体フィルムの厚みは特
に限定しないが、オフセット印刷用シート、感熱転写用
受容シート、インクジェット用受容シートなどの印刷用
受容シートとして用いる場合には30〜800μmが好
ましく、さらに好ましくは50〜500μmであるのが
よい。
【0028】本発明の吸収性フィルムにおいて、支持体
フィルムに設けられる繊維状多孔質層からなる吸収層の
厚さは好ましくは1μm以上、さらに好ましくは3μm
以上である。厚さが1μm未満では、吸収機能の点で望
ましくない。
【0029】次に本発明の吸収性フィルムの製造方法に
ついて説明するが、本発明はかかる例に限定されるもの
ではない。
【0030】ポリエステルのチップ、好ましくは固有粘
度0.45以上のポリエチレンテレフタレートを十分に
真空乾燥した後に、従来公知のメルトブロー、スパンボ
ンド、フラッシュ紡糸などの直接溶融紡糸法により紡糸
して、未延伸繊維ウエブを得る。
【0031】例えば、メルトブロー紡糸法では溶融した
ポリマを口金から吐出する際、口金周辺部から熱風を吹
き付け、該熱風によって吐出したポリマを細繊度化せし
め、ついで、しかるべき位置に配置したネットコンベア
上に吹き付けて捕集し、ウエブを形成して製造される。
ポリマ吐出量、熱風温度、熱風流量、コンベア移動速度
を適宜選択することにより未延伸繊維ウエブの繊度や目
付を任意に設定することができる。
【0032】同様に、スパンボンド法では口金から吐出
したポリマをエアエジェクタによって牽引し、得られた
フィラメントを衝突板に衝突させて繊維を開繊し、コン
ベア上に捕集してウエブを形成して製造される。エア流
量を適宜調整することにより、フィラメントの延伸配向
状態を任意に設定できる。
【0033】未延伸繊維ウエブの繊維目付は特に限定さ
れないが、通常5〜500g/m2が好ましい。繊維径
も特に限定されないが、通常0.1〜30μmが好まし
い。異なる繊維径の繊維が混繊されたものであってもよ
い。また、繊維は連続であっても、非連続であってもよ
い。連続繊維と短繊維が混繊されたものであってもよ
い。
【0034】未延伸繊維ウエブの結晶化度は通常20%
以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。
また、未延伸繊維ウエブの配向度は通常0.02以下が
好ましく、さらに好ましくは0.01以下である。
【0035】次に本発明においては、このようにして得
た未延伸繊維ウエブを単層または多層に重ねて、熱圧着
することが肝要である。熱圧着温度は通常、未延伸繊維
ウエブのTg〜融点の間が好ましく、より好ましくはT
g〜Tg+50℃の間であるのが好ましい。熱圧着の方
法は特に限定されないが、均一圧着できるという点か
ら、カレンダロールまたはダブルベルトプレスによるの
が好ましい。カレンダロールの場合、ロール材質とし
て、鋼、紙、ゴム、樹脂などを用いることができるが、
通常、鋼と樹脂ロールあるいは鋼と紙ロールとの組み合
わせが好ましい。ロール段数は2段以上の多段とするの
が好ましい。熱圧着時のロール圧力は、ロール線圧で1
〜50kg/cmの範囲で行うのが好ましい。このよう
に、未延伸繊維ウエブを熱カレンダー等で熱圧着するこ
とにより、ウエブを構成する繊維同士がその交絡点で強
制的に接着され、本発明に必須の前駆体を得ることがで
きるものである。
【0036】次に本発明においては、熱圧着した未延伸
繊維ウエブを延伸することが肝要である。未延伸繊維ウ
エブを延伸することにより、繊維だけでなく熱圧着され
た繊維の接着部が延伸され、未延伸繊維ウエブの表面に
クレーター状膜面が形成されるとともに、内部には繊維
状の多孔質層が形成されるのである。しかも該クレータ
ー状膜面と繊維状多孔質層とは、極微細な貫通孔によっ
て連続しているので、表面から内部への液体等の含浸性
を有するものとすることができるのである。
【0037】延伸の方法は特に限定されないが、均一な
クレーター状膜面および繊維状多孔質層を形成するには
二軸延伸が好ましい。二軸延伸は逐次二軸または同時二
軸いずれの方法であってもよい。逐次二軸延伸の場合、
長手方向、幅方向の順に延伸するのが一般的であるが、
逆に延伸してもよい。
【0038】例えば未延伸繊維ウエブがポリエステルの
場合、該未延伸ウエブを60〜160℃に加熱されたロ
ール群に導き、長手方向に1.5〜10倍延伸する。続
いて、延伸した繊維ウエブの両端をテンターのクリップ
に把持させて60〜160℃の雰囲気下で幅方向に2〜
8倍に延伸する。さらに必要に応じて、80〜240℃
で連続的に熱固定して本発明の吸収性フィルムを得るこ
とができる。
【0039】なお、繊維ウエブの熱圧着は延伸前でなく
延伸後に行ってもよい。表面平滑性を向上するために、
延伸前と延伸後の両方で行ってもよい。
【0040】さらに、表面改質のため、吸収性フィルム
の表面にコロナ放電処理などを行ってもよい。
【0041】また、通常のTダイ法により押し出した未
延伸樹脂シートと、熱圧着した未延伸繊維ウエブとを積
層して、上記の加熱ロール群およびテンターで共延伸す
ることにより、支持体フィルムの片面に吸収層を形成し
た本発明の吸収性フィルムを得ることができる。この場
合、未延伸繊維ウエブと未延伸樹脂シートとを重ね合わ
せ、しかる後に熱圧着してもよい。また、未延伸樹脂シ
ートの両面に未延伸繊維ウエブを積層して熱圧着し、し
かる後に延伸してもよい。
【0042】かくして得られた吸収性フィルムは各種印
刷用記録媒体、例えばオフセット印刷用受容シート、溶
融転写型感熱転写用受容シート、インクジェット受容シ
ートなどに好適に使用される。また、カード、ラベル、
シール、ビデオプリンタ用受像紙、バーコード用受像
紙、ポスター、地図、無塵紙、表示板、白板、印画紙、
複写紙などの印刷用基材としても好適に使用される。さ
らには、結露防止シート、農業用シート、包装用シー
ト、油含浸コンデンサーなどの用途にも適用できる。
【0043】
【特性値の測定方法および効果の評価方法】次に本発明
の特性値の測定方法および効果の評価方法について説明
する。
【0044】(1)表面観察およびクレーター直径の測
定 試料表面を走査型電子顕微鏡((株)トプコンDS13
0)で、倍率300倍で観察し、クレーターの有無を確
かめた。また、試料表面を写真撮影し、クレーターの直
径を測定した。
【0045】(2)吸収層の厚さ 試料断面を走査型電子顕微鏡((株)トプコンDS13
0)で、倍率1000倍で写真撮影し、厚さを測定し
た。
【0046】(3)表面粗さ JIS−B0601−1976に従い、小坂製表面粗さ
計を用い、カットオフ0.8mm、測定長8mmで中心
線平均粗さRa(μm)を長手方向と幅方向について求
めた。
【0047】(4)光沢度 JIS−Z8741に基づき、表面の光沢度を測定し
た。
【0048】(5)吸収速度−1(オフセット印刷) 印刷適正試験機RI−3テスター((株)明製作所製)
を用いてオフセット印刷用インキであるアルポ合成紙用
紅(東華色素(株))の印刷を行い、下記の評価水準で
画像鮮明度を判定した。なおインキ塗布量は約3μm厚
とし、吸収性の評価は印刷面にOKコート紙(王子製紙
(株))のコート面を重ね合わせた上から線圧353g
/cmの金属ロールを走行させ、OKコート紙にインキ
が転写しなくなるまでの時間(分)を目視判定で測定し
た。時間が15分以下であれば、吸収性良好と判定し
た。
【0049】(6)吸収速度−2(インクジェット印
字) 日本電気(株)製パーソナルコンピュータ98note
にキャノン(株)製バブルジェットプリンターBJC−
820Jを連結させ、文字パターンをインクジェット記
録し、記録直後の印字部を指で1回こすった場合のイン
クによる記録層の汚れ度合いを以下の基準で判定した。
【0050】◎:非常に良好(記録層による汚れが全く
ない) ○:目視では良好、拡大鏡でやや汚れが見られる △:ややこすれ汚れがある ×:画像が判別できないほど汚れる
【0051】(7)画像鮮明度 上記(5)、(6)の印刷により得られた画像の鮮明度
を以下の基準で目視判定した。
【0052】◎:非常に鮮明 ○:良好 △:やや画像にボケ(にじみ)が認められる ×:画像のボケ(にじみ)が著しい
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明する。
【0054】実施例1 ポリエチレンテレフタレート(固有粘度〔η〕=0.6
0)を、孔径0.3mm、孔数70個の矩型口金を用い
て、口金温度285℃でメルトブロー紡糸して、目付1
00g/m2 の未延伸繊維ウエブを作製した。該繊維ウ
エブの平均繊維径は6.2μm、配向度は0.002、
密度は1.336g/cm3 であった。
【0055】次に、未延伸繊維ウエブを5枚重ね合わせ
て、100℃に加熱したカレンダーロールに表裏交互に
3回づつ通して熱圧着した。ロール線圧は10kg/c
mとした。
【0056】続いて、熱圧着した繊維ウエブをロール式
延伸機に通し、90℃で長手方向に3倍延伸し、25℃
に冷却した。さらにテンターに導き、95℃に加熱され
た雰囲気中で幅方向に3.5倍延伸後、200℃で熱固
定を行い、厚さ160μmの吸収性フィルムを得た。
【0057】該フィルムの表面を走査型電子顕微鏡で観
察したところ、表面には不規則なクレーター状の膜面が
形成されていた。
【0058】実施例2 ポリエチレンテレフタレート(固有粘度〔η〕=0.6
0)を溶融紡糸し、エアエジェクターで速度1500m
/分で牽引してネットコンベア上に冷却捕集して、目付
100g/m2 の未延伸繊維ウエブを作製した。該繊維
ウエブの平均繊維径は20μm、配向度は0.009、
密度は1.340g/cm3 であった。
【0059】次に、未延伸繊維ウエブを4枚重ねて、1
10℃に加熱したカレンダーロールに表裏交互に3回づ
つ通して熱圧着した。ロール線圧は20kg/cmとし
た。
【0060】続いて、熱圧着した繊維ウエブをロール式
延伸機およびテンターに導き、実施例1と同じ延伸条件
で延伸し、厚さ200μmの吸収性フィルムを得た。
【0061】該フィルムの表面を走査型電子顕微鏡で観
察したところ、表面には不規則なクレーター状の膜面が
形成されていた。
【0062】実施例3 実施例1で作製した未延伸繊維ウエブ(A)と実施例2
で作製した未延伸繊維ウエブ(B)とを準備した。
【0063】次いで、該繊維ウエブをA/B/Aの順に
3枚重ねて、95℃に加熱したカレンダーロールに表裏
交互に2回づつ通して熱圧着した。ロール線圧は15k
g/cmとした。続いて、熱圧着した繊維ウエブを実施
例1と同じ温度条件で長手方向に3.5倍横方向に3.
5倍延伸して210℃で熱固定し、厚さ110μmの吸
収性フィルムを得た。
【0064】該フィルムの表面を走査型電子顕微鏡で観
察したところ、表面には不規則なクレーター状の膜面が
形成されていた。
【0065】実施例4 ポリエチレンテレフタレート(固有粘度〔η〕=0.6
5)を85重量%、ポリ−4−メチルペンテン−1(三
井石油化学(株)TPX−D820)10重量%、分子
量4000のポリエチレングリコールを2重量%を混合
した原料を押出し機Aに供給し、常法により285℃で
溶融してTダイ3層複合口金の中央層に導入した。
【0066】一方、上記ポリエチレンテレフタレート9
0重量%に炭酸カルシウム(平均粒径0.8μm)を1
0重量%混合した原料を押出し機Bに供給し、常法によ
り285℃で溶融してTダイ3層口金の両表層に薄くラ
ミネートして、該溶融体シートを表面温度25℃に保た
れた冷却ドラム上に静電荷で密着冷却固化して厚さ1.
6mmの未延伸ポリエステルシートを得た。
【0067】次いで、実施例1で作製した目付100g
/m2 の未延伸ポリエステル繊維ウエブを85℃に加熱
したカレンダロールに表裏交互に2回づつ通して熱圧着
した。ロール線圧は5kg/cmとした。
【0068】次に、未延伸ポリエステルシートと熱圧着
したポリエステル繊維ウエブとを重ね合わせてロール延
伸機に供給し、90℃で長手方向に3.3倍延伸し、2
5℃に冷却した。続いて、テンターに導き、95℃に加
熱された雰囲気中で幅方向に4倍延伸後、225℃で幅
方向に3%リラックスさせながら熱固定を行い、厚さ1
80μmの複合フィルムを得た。
【0069】該複合フィルムの不織布側表面を走査型電
子顕微鏡で観察したところ、表面には不規則なクレータ
ー状の膜面が形成されていた。
【0070】このようにして得られた吸収性フィルムの
評価結果は表1に示すように、オフセット印刷やインク
ジェット印字において良好な吸収性を示すと共に鮮明な
画像を得ることができた。
【0071】比較例1 実施例1で、目付100g/m2 の未延伸繊維ウエブを
5枚重ねたまま、カレンダロールで熱圧着しないで延伸
機に供給し、実施例1と同様にして、厚さ180μmの
延伸シートを得た。
【0072】該延伸シートの表面を走査型電子顕微鏡で
観察したところ、表面には不規則なクレーター状の膜面
は観察されず、繊維が不規則に交絡した網状面が形成さ
れていた。
【0073】比較例2 実施例4で未延伸繊維ウエブをカレンダロールで熱圧着
しないで未延伸ポリエステルシートと重ね合わせた以外
は、実施例4と同様にして厚さ180μmの複合フィル
ムを得た。
【0074】該フィルムの繊維ウエブ側を走査型電子顕
微鏡で観察したところ、表面には不規則なクレーター状
の膜面は観察されず、繊維が不規則に交絡した網状面が
形成されていた。
【0075】表1に示すように、表面にクレーター状の
膜面を形成しない比較例1、比較例2のものは吸収性は
よいものの、印字が不鮮明でにじみが発生した。
【0076】
【表1】
【0077】
【発明の効果】本発明は、少なくとも片側表面に直径
0.1〜500μmの不規則なクレーター状膜面を形成
し、かつ内部に繊維状多孔質層からなる吸収層を形成し
てなることを特徴とする吸収性フィルムに関するもので
あり、表面平滑性とインキなどの吸収能力を合わせ持っ
た特徴を有するので、オフセット印刷やインクジェット
印刷での乾燥が早くかつ鮮明な画像を提供できる。
【0078】また、光沢性、描画性、遮光性などの特徴
も有するので、熱転写受容体としても好適に用いること
ができ、さらには結露防止シート、農業用シート、包装
用シート油含浸コンデンサーなどの用途にも適用でき
る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも片側表面に直径0.1〜50
    0μmの不規則なクレーター状膜面を形成し、かつ内部
    に繊維状多孔質層からなる吸収層を形成してなることを
    特徴とする吸収性フィルム。
  2. 【請求項2】 少なくとも片側表面に直径0.1〜50
    0μmの不規則なクレーター状膜面を形成し、かつ内部
    に繊維状多孔質層からなる吸収層を形成してなる層を、
    支持体フィルムの少なくとも片面に設けてなることを特
    徴とする吸収性フィルム。
  3. 【請求項3】 吸収層の厚さが1μm以上であることを
    特徴とする請求項1または請求項2に記載の吸収性フィ
    ルム。
  4. 【請求項4】 クレーター状膜面の平均表面粗さ(R
    a)が5μm以下であることを特徴とする請求項1〜請
    求項3のいずれかに記載の吸収性フィルム。
  5. 【請求項5】 クレーター状膜面の光沢度が10%以上
    であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか
    に記載の吸収性フィルム。
  6. 【請求項6】 クレーター状膜面および繊維状多孔質層
    が、ポリエステルを主体とする樹脂からなることを特徴
    とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の吸収性フ
    ィルム。
  7. 【請求項7】 未延伸繊維ウエブを熱圧着し、次いで延
    伸することを特徴とする吸収性フィルムの製造方法。
  8. 【請求項8】 未延伸フィルムと熱圧着した未延伸繊維
    ウエブとを積層し、次いで共延伸することを特徴とする
    吸収性フィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002178651A (ja) * 2000-12-13 2002-06-26 Konica Corp 画像形成方法
CN117926435A (zh) * 2024-03-25 2024-04-26 上海元纶新材料有限公司 一种均质微孔材料的制备方法及其应用

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