JPH081888A - 積層シート - Google Patents

積層シート

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JPH081888A
JPH081888A JP6143269A JP14326994A JPH081888A JP H081888 A JPH081888 A JP H081888A JP 6143269 A JP6143269 A JP 6143269A JP 14326994 A JP14326994 A JP 14326994A JP H081888 A JPH081888 A JP H081888A
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JP
Japan
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layer
laminated sheet
polyester
sheet
support
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Pending
Application number
JP6143269A
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English (en)
Inventor
Takashi Mimura
尚 三村
Yukio Kawazu
幸雄 河津
Katsuji Nakahara
勝次 中原
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 表面の吸収性に優れるため印刷時の乾燥速度
が早く、鮮明な画像が得られる積層シ−トを提供する。 【構成】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面に、
ポリエステル繊維からなる支持体が設けられ、該支持体
層を介して多孔質層が形成された積層シ−ト。 【効果】 各種印刷におけるインキや溶媒の吸収速度が
早く乾燥性に優れるためにじみなどのない鮮明な画像が
得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は積層シ−トに関し、更に
詳しくはオフセット印刷用受容シ−ト、溶融転写型感熱
転写用受容シ−ト、インクジェット用受容シ−トなどの
印刷用受容シ−トに好適な積層シ−トに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷や溶融転写型感熱転写、
インクジェット記録などに用いる受容シ−トにはインキ
溶媒の吸収性や溶融インキの含浸性が要求され、これら
を目的としたフイルム、シ−ト、積層シ−トが提案され
ている。
【0003】例えば微細気泡含有ポリエステルフイルム
からなる感熱転写受像体(特開平1−168493号公
報、特開平2−70479号公報)、微細気泡含有ポリ
エステルフイルムの少なくとも片面に密度が1.3以上
のポリエステルフイルムを積層した積層フイルム(特開
平2−80247号公報)、気泡含有率の異なるフイル
ムを積層した感熱転写用シ−ト(特開平2−81678
号公報)がある。
【0004】また表面に多孔質層を設けた積層シ−トと
しては、支持体上にインク受理層が設けられ、かつ受理
層の孔径分布が2ケ所のピ−クを有する記録用シ−ト
(特公昭63−22997号公報)、受容層として空孔
を有する連続被膜層を備えたインクジェット用被記録材
(特公昭63−56876号公報)などが知られてい
る。
【0005】不織布を基材とした印刷用シ−トとして不
織布の少なくとも片面にアクリル系樹脂からなるインキ
密着層を設けた印刷用不織布シ−ト(特開平3−234
869号公報)が提案されている。
【0006】更に繊維状物質とプラスチックの積層体と
して熱可塑性樹脂の一面にセルロ−ス系薄葉紙が積層さ
れ、相互が微細多孔質構造の熱可塑性樹脂で結合された
複合紙状構造物(特開昭50−138077号公報)が
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術では受容体としての重要な機能である吸収性、すなわ
ちオフセット印刷やインクジェット印刷の場合のような
インク溶媒の吸収性や感熱転写材の溶融インキの含浸性
が必ずしも満足できるものでは無かった。インク溶媒も
吸収性が不十分であると印刷後のシ−ト表面の乾燥が不
十分となり、重ねあわせによる裏写りがおこり、鮮明な
画像が得られない。また感熱転写用途においては溶融イ
ンキの含浸が不十分であると表面にインキ層が盛り上が
った状態となるため耐摩耗性などが不足する。特に重ね
打ちされた場合にはその傾向が顕著に発現する。
【0008】すなわちインク溶媒の吸収、溶融インキの
含浸がより早く、かつ完全に行われる受容シ−トが望ま
しいのである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記要求に応え
るべく、特定の層構造を有する積層シ−トを提供するも
のである。すなわちポリエステルフイルムの少なくとも
片面に、ポリエステル繊維からなる支持体が設けられ、
該支持体を介して多孔質層が形成されたことを特徴とす
る積層シ−トをその骨子とするものである。
【0010】本発明のポリエステルフイルムおよびポリ
エステル繊維のポリエステルとはジオ−ル成分とジカル
ボン酸成分とから重縮合によって得られるポリマであ
り、ジカルボン酸成分としてはテレフタル酸、イソフタ
ル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン
酸、セバチン酸などで代表されるものであり、ジオ−ル
成分としてはエチレングリコ−ル、トリメチレングリコ
−ル、テトラメチレングリコ−ル、シクロヘキサンジメ
タノ−ルなどで代表されるものである。もちろんこれら
のポリエステルは単独重合体でもジカルボン酸成分ある
いはジオ−ル成分が2種以上の共重合体であっても良
い。上記以外の共重合成分としてはジエチレングリコ−
ル、ネオペンチルグリコ−ル、ポリアルキレングリコ−
ルなどのジオ−ル成分、4,4,−ジフェニルエ−テル
ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ε−オキシ
カプロン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、5−ナ
トリウムスルホイソフタル酸などのカルボン酸を例示で
きる。具体的には例えば、ポリエチレンテレフタレ−
ト、ポリブチレンテレフタレ−ト、ポリ−1,4シクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレ−ト、ポリエチレン−
2,6−ナフタレ−トなどがあげられる。本発明のポリ
エステルフイルムに用いられるポリエステルとして好ま
しいのはポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエチレン−
2,6−ナフタレ−トであり、ポリエステル繊維のポリ
エステルとしてはポリエチレンテレフタレ−ト、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレ−ト、ポリ−1,4−シクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレ−ト、ポリエチレンテレ
フタレ−ト・イソフタレ−ト共重合体などが好ましい。
【0011】このポリエステル中に公知の添加剤、例え
ば耐熱安定剤、酸化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、有
機、無機の滑剤や微粒子、顔料、染料、充填剤、帯電防
止剤、核剤などを配合しても良い。
【0012】本発明に用いるポリエステルフイルムは透
明、不透明を問わないが、受容シ−トとして用いる場合
には不透明のもの、特に白色度に優れたもの(例えば白
色度70%以上)が印刷後の画像の鮮明度が向上するの
でより好ましい。ポリエステルフイルムを白色化するに
は従来から行われている酸化チタンなどの無機粒子を添
加する方法で得ることができるが、本発明の目的とする
受容シ−トに適用する場合にはフイルムが剛直になりク
ッション性が不十分となり易い。印刷の場合には版胴や
サ−マルヘッドなどとのフィット性で画像の善し悪しが
決まる場合があるため、受容シ−トは柔軟な方が好まし
い。このような柔軟でクッション性に富んだポリエステ
ルフイルムは内部に微細な気泡を含有させることにより
達成でき、かつ該気泡が光を散乱させることにより白色
度が向上する。更には気泡含有により低比重化が可能で
あり見掛け比重を0.6〜1.2とすることができるも
のであり、我々は特開平4−278392他で提案して
きた。
【0013】またこの気泡含有ポリエステルフイルムは
A層/B層の2層構成あるいはA層/B層/A層の3層
構成とすることにより機械的強度や寸法安定性、平滑性
に優れたものとすることができる。ここでA層は実質的
に気泡を含有しないポリエステル層であり、B層は微細
気泡含有ポリエステル層である。しかしこの微細気泡含
有ポリエステルフイルムのみでは本発明の目的とする易
含浸性の積層シ−トを得ることはできない。
【0014】すなわち前記ポリエステルフイルムの少な
くとも片面にポリエステル繊維からなる支持体が設けら
れ、さらに該支持体を介して多孔質層が積層されている
必要がある。
【0015】この繊維状支持体上に多孔質層が積層され
ることにより、表面に微細な孔を有し、この孔を通じて
多数の空隙を有する繊維層が十分なトラップ層として有
効に作用する、いわゆるボトル構造を有する構成が可能
となり、受容層として極めて有効となるのである。
【0016】このポリエステル繊維は上記ポリエステル
を用い、従来から公知のメルトブロ−紡糸法やスパンボ
ンド法などの直接溶融紡糸法によって製造することがで
きる。例えばメルトブロ−紡糸法では溶融したポリエス
テルポリマを口金から吐出する際、口金周辺部から熱風
を吹き付け、該熱風によって吐出したポリマを細繊度化
せしめ、ついで、しかるべき位置に配置したネットコン
ベア上に吹き付けて補集し、ウエブを形成して製造され
る。ポリマ吐出量、熱風温度、熱風流量、コンベア移動
速度を適宜選択することによりポリエステル繊維支持体
を構成する繊維の繊度や目付を任意に設定することがで
きる。また口金とネットコンベア間の補集距離を適宜設
定することにより繊維の融着度合いを調整することがで
きる。
【0017】同様にスパンボンド法では口金から吐出し
たポリマをエアエジェクタ−によって牽引し、得られた
フィラメントを衝突板に衝突させて繊維を開繊し、コン
ベア状に補集してウエブを形成して製造される。ポリマ
吐出量、コンベア速度を適宜設定することにより、ウエ
ブの目付を任意に設定できる。またエア流量を適宜調整
することによりフィラメントの延伸配向状態を任意に設
定できる。
【0018】本発明におけるポリエステルフイルムとポ
リエステル繊維支持体との積層は接着剤を用いることな
く互いに融着させる方法、アクリル、ポリエステル、ポ
リウレタン、あるいはゴム系などの接着剤を用いて接着
積層させる方法など任意の方法によって行うことができ
るが、本発明の効果をより顕著に発現させるには接着剤
を用いず融着させるのが好ましい。接着剤を用いず互い
に融着させるには、通常ポリエステルフイルムとポリエ
ステル繊維支持体とを加熱しつつ直接貼りあわせる熱圧
着法によって行うことができる。熱圧着法は特に限定さ
れないが加熱ロ−ルによる熱圧着が好ましい。本発明で
用いた熱圧着法をその一例として示すと、口金より押し
出され冷却固化された実質的に未延伸のポリエステルフ
イルムの片面もしくは両面に上記ポリエステル繊維支持
体を重ね合わせ約80℃の加熱ロ−ルで圧着する。この
圧着シ−トを通常のポリエステルフイルムの延伸工程に
供給して縦、横方向にそれぞれ2.5〜4.5倍の延伸
を行い、その後150〜250℃の熱風ゾ−ンを通過さ
せてポリエステル繊維支持体がポリエステルフイルムに
融着した積層シ−トを得ることができる。特に本発明で
用いる積層状態での共延伸法は支持体との融着が十分に
行われ、かつ支持体を構成するポリエステル繊維が延伸
配向されると共に不規則な融着点を持った網状体を形成
することができ、目付斑、厚さ斑のない層が形成される
点で特に好ましい。
【0019】本発明を構成するポリエステルフイルムの
厚みは特に限定しないが、オフセット印刷用シ−ト、感
熱転写用受容シ−ト、インクジェット用受容シ−トなど
の印刷用受容シ−トとして用いる場合には30〜800
μm、好ましくは50〜500μmであるのが良い。ま
た本発明のフイルム上の積層されるポリエステル繊維か
らなる支持体は、支持体の繊維同士が互いに不規則に融
着して網状体を形成しているものが好ましい。繊維目付
量は積層後において2〜50g/m2 ,好ましくは5〜
30g/m2 であるのが印刷時のインキ吸収性の点で望
ましい。、支持体を構成するポリエステル繊維の繊度は
5デニ−ル以下、好ましくは3デニ−ル以下、更に好ま
しくは2デニ−ル以下であるのが表面をより平滑にで
き、印刷における鮮明度が向上するので望ましい。
【0020】本発明の支持体を構成する繊維は同一繊度
のものであっても良いし、異なる繊度の繊維が混繊され
たものであっても良い。また繊度あるいは目付量の異な
る支持体を段階的に積層した多層構造を有するものであ
っても良い。多孔構造の場合にはポリエステルフイルム
に面した層を目付量が大きく、繊度の小さいものとする
のが好ましい。
【0021】本発明においては上記支持体上に多孔質層
が形成される。すなわち発明者の意図するところは支持
体による吸収能と表面の多孔質層による平滑層を積層す
ることにより、極めてインキや溶媒などの吸収性、接着
性に優れた積層シ−トを得るものである。
【0022】多孔質層は孔径分布曲線におけるピ−ク孔
径が0.1〜5μmにあるものが好ましく、表面の空気
洩れ指数が1000以上30000秒以下のものが好ま
しい。
【0023】また孔面積比は20〜85%が好ましく、
孔は多孔質層表面から観察した時、それぞれが独立した
孔を形成しているものが好ましい。
【0024】本発明の多孔質層を得るための一例を示す
と、水分散性ポリマとコロイダルシリカを特定の範囲で
混合し、その塗液を塗布、乾燥することによって得るこ
とができる。ここで水分散性ポリマとしては各種のポリ
マの水分散体が使用できるが、具体的にはアクリル系ポ
リマ、ポリエステル系ポリマ、ポリウレタン系ポリマ、
ポリオレフイン系ポリマ、塩化ビニリデン系ポリマなど
のホモポリマ、共重合ポリマを例示することができる。
これらの内、孔径がシャ−プで孔面積が大きくなること
からアクリル系ポリマが特に好ましい。更に上記水分散
ポリマは水に分散された状態で粒子形状を有するものが
特に好適である。本発明の多孔質層成分として好適なア
クリル系ポリマは公知の乳化重合、懸濁重合などによっ
て作られるアクリルエマルジョンであり、特に限定する
ものではないが、好ましくは40モル%以上がメタクリ
ル酸エステルモノマであるのが好ましい。他の共重合成
分としてはアクリル酸およびそのエステル、各種官能基
を有するビニル基含有モノマなどを使用される。多孔質
層形成のために上記水分散ポリマに混合されるコロイダ
ルシリカは水分散状態において球状のもの、凝集シリ
カ、球状のコロイダルシリカが数珠状に連結および分岐
した構造を有するもの(日産化学(株)製スノ−テック
スUP,スノ−テックスOUPなど)が好適に使用し得
る。
【0025】特に球状のコロイダルシリカが数珠状に連
結および分岐した構造を有するものは孔を形成すると共
に、表面に微細なうねりを発現させることができるので
吸収性の点で特に好ましい。上記コロイダルシリカは樹
脂との混合において単独で用いるのが好ましいが、他の
無機粒子、例えばアルミナ、セリア、チタニアなどとの
複合粒子、あるいは上記以外の炭酸カルシウム、酸化チ
タン、アルミナなどの粒子と混合して用いても良い。コ
ロイダルシリカの一次粒子径は5〜100nm、好まし
くは8〜70nm、更に好ましくは10〜50nmであ
るのが望ましい。すなわち孔形成においてはこの粒子径
が孔径に大きく依存し、吸収性を変化させるのである。
孔径は用途によって適宜設定すれば良いが、例えばオフ
セット印刷用途の場合には0.1〜1μm、溶融転写型
感熱転写用受容シ−トの場合には0.5〜3μmである
のが好ましい。数珠状に連結したシリカを用いる場合に
は好ましくは3〜100個、更に好ましくは5〜50個
連結もしくは分岐したものが表面のうねりを発現させる
点で好ましい。
【0026】多孔質層中におけるコロイダルシリカの含
有量は3〜80重量%、好ましくは10〜70重量%、
更に好ましくは20〜60重量%であるのが多孔質層形
成の点で望ましい。多孔化層を設けるためのもうひとつ
の重要な要件は、前記水分散ポリマとコロイダルシリカ
の平均粒子径であり、水分散性ポリマの平均粒子径はコ
ロイダルシリカの平均粒子径より大きいことが必要であ
る。これが逆転もしくは同一の場合には孔を形成するこ
とができない。水分散性ポリマ/コロイダルシリカの平
均粒子径比は2/1〜1000/1、好ましくは5/1
〜500/1、更に好ましくは10/1〜20/1であ
るのが孔形成の点で好ましい範囲である。
【0027】本発明の多孔質層中には本発明の効果を阻
害しない範囲内で公知の添加剤、例えば無機や有機の微
粒子、可塑剤、滑剤、界面活性剤、帯電防止剤、架橋
剤、耐熱剤、耐候剤などが添加されていても良い。特に
帯電防止剤の添加は枚葉印刷などの場合の重送が防止で
きるので好ましい。
【0028】塗布の方法は公知の方法、例えばグラビア
コ−ト、リバ−スコ−ト、バ−コ−ト、キスコ−ト、ダ
イコ−トなど任意の方法を用いることができる。多孔質
層の厚みは特に限定しないが通常0.1〜50μm、好
ましくは1〜30μm、更に好ましくは3〜20μmが
吸収機能の点で望ましい。また多孔質層は2軸配向後の
ポリエステルフイルムと不織布の積層体に上記塗布方法
で塗布乾燥する方法であっても良いし、前記積層体を1
軸長手方向に延伸後、不織布側に塗布し、乾燥後、ある
いは乾燥しつつ幅方向に延伸し、熱固定する方法によっ
て製造しても良い。
【0029】かくして得られた積層シ−トは各種印刷用
記録媒体、例えばオフセット印刷用受容シ−ト、溶融転
写型感熱転写用受容シ−ト、インクジェット用受容シ−
トなどに好適に使用される。
【0030】次に本発明の特性値の測定方法、および効
果の評価方法のついて説明する。
【0031】(1)多孔質層のピ−ク孔径 1万倍で撮影した電子顕微鏡表面写真の孔の部分をマ−
キングし、QUant:met−720型イメージアナ
ライザー(イメージアナライジングコンピュータ社製)
を用いて画像処理を行い、各孔径を真円に換算した時の
最小孔径と最大孔径の間を10μm単位で分割し、各分
割部における孔の個数を測定した。この測定値から縦軸
を単位面積あたりの孔数、横軸を孔径として孔径分布曲
線を描きピークにおける孔径を求めた。
【0032】(2)吸収速度−1(オフセット印刷) 印刷適正試験機RI−3テスタ−((株)明製作所製)
を用いてオフセット印刷用インキであるアルポ合成紙用
紅(東華色素(株)製)の印刷を行い、以下の評価水準
で判定した。なおインキ塗布量は約3μm厚とし、吸収
性の評価は印刷面にOKコ−ト紙(王子製紙(株)製)
のコ−ト面を重ね合わせた上から線圧353g/cmの
金属ロ−ルを走行させ,OKコ−ト紙にインキが転写し
なくなるまでの時間を目視判定で測定した。
【0033】(3)吸収速度−2(インクジェット印
字) 日本電気(株)製パ−ソナルコンピュ−タ98note
にキャノン(株)製バブルジェットプリンタ−BJC−
820Jを連結させ、文字パタ−ンをインクジェット記
録し、記録直後の印字部を指で1回こすった場合のイン
クによる記録層の汚れ度合いを以下の基準で判定した ◎:非常に良好(記録層による汚れがまったくない) ○:目視では良好、拡大鏡でやや汚れが見られる △:ややこすれ汚れがある ×:画像が判別できないほど汚れる (4)画像品質 上記(2)、(3)の印刷により得られた画像について
その品質を以下の基準で目視判定した。
【0034】◎:非常に鮮明 ○:良好 △:やや画像にボケ(にじみ)が認められる ×:画像のボケ(にじみ)が著しい
【0035】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明を更に詳細に説
明する。
【0036】実施例1 孔径0.35mm、孔数100個の矩形紡糸口金を用い
て、口金温度280℃、吐出量30g/分で固有粘度
0.6のポリエチレンテレフタレ−ト原料をメルトブロ
−法にて紡出し、コンベア上に繊維を補集して巻とり、
未延伸不織布を得た。
【0037】次いでポリエチレンテレフタレ−トのペレ
ットを十分真空乾燥した後、溶融押出機に供給しT型口
金より回転する冷却ドラム上に押出し、未延伸ポリエチ
レンテレフタレ−トシ−トを得た。このシ−ト上に先の
未延伸不織布を重ね合わせ80℃の加熱ロ−ルで圧着し
た。この圧着シ−トを90℃の加熱ロ−ルで長手方向に
3倍延伸した後、クリップで把持して95℃のテンタ−
内に送り込み、幅方向に3.5倍延伸し、連続的に22
0℃の熱処理ゾ−ンを通過させ熱固定を行った。得られ
た不織布積層シ−トの繊維目付量は5g/m2 ,平均繊
度は0.33デニ−ル、フイルムのみの厚さは125μ
mであった。また得られた不織布積層シ−トの不織布側
を300倍の走査型電子顕微鏡で観察したところ、不織
布は交絡点で不規則に融着し均一な開孔分布を有する網
状体を形成していた。この不織布積層シ−トの不織布側
に以下の塗料をリバ−スコ−タ−で乾燥後の塗布厚みが
7μmになるように塗布した。
【0038】「塗料組成」 (a)平均粒子径0.3μmのアクリルジョン(メチル
メタクリレ−ト/エチルアクリレ−ト/アクリル酸(6
5/32/3重量%の共重合体) (b)平均1次粒子径0.015μmの分岐数珠状コロ
イダルシリカ(日産化学(株)製スノ−テックスUP) 上記(a)/(b)を固形分重量比で65/35の比率
で混合し、水で30重量%になるように希釈調整した。
この塗布層は孔径ピ−ク0.3μmのうねり構造を有す
る多孔質層を形成していた。
【0039】このようにして得られた積層シ−トの評価
結果は表1に示すようにオフセット印刷やインクジェッ
ト印字において良好な吸収性を示すものであった。
【0040】比較例1、2 実施例1の積層シ−トにおいて不織布を積層しないで実
施例1の塗料を塗布したもの(比較例1)、および実施
例1の塗料を塗布しない不織布積層シ−ト(比較例2)
を作成し評価を行った結果、表1に示すように比較例1
のものはインクジェット印字の吸収性が不足し、比較例
2のものは吸収性は良いものの印字が不鮮明でにじみな
どが発生した。
【0041】実施例2 実施例1のポリエチレンテレフタレ−トシ−トを以下の
ものとした以外は同様にして積層シ−トを作成した。2
台の押出機を用いポリエチレンテレフタレ−トのペレッ
トおよび分子量4000のポリエチレングリコ−ルを重
合時添加したポリエチレンテレフタレ−トのペレットを
180℃で2時間真空乾燥した後、ポリエチレンテレフ
タレ−ト89重量%、ポリエチレングリコ−ル1重量
%、ポリメチルペンテン10重量%となるように混合
し、285℃に加熱された溶融押出機1に供給した。ま
た炭酸カルシウム粒子(白石カルシウム(株)製“ソフ
トン3200”)を14重量%添加したポリエチレンテ
レフタレ−トペレットを上記と同様真空乾燥した後、押
出機2へ供給した。押出機1、2よりそれぞれ原料を押
出し、押出機1が内層、押出機2が外層となるように3
層構成の共押出をおこない、Tダイよりシ−ト状に押出
し、冷却ドラム上で冷却して未延伸シ−トを得た。この
シ−トの上の実施例1と同様にして不織布を積層し、
縦、横方向に共延伸し熱固定を施して不織布積層シ−ト
を得た。
【0042】このシ−トのフイルム側の積層構成は7/
145/7(μm)の3層構成であり、断面観察の結
果、内部層に微細な空洞を有するものであった。
【0043】この不織布積層シ−トに実施例1の塗料を
不織布側に塗布し乾燥して積層シ−トを得た。この積層
シ−トは吸収性に優れると共に鮮明な画像を得ることが
できた。
【0044】
【表1】
【0045】
【発明の効果】本発明はポリエステルフイルムの少なく
とも片面にポリエステル繊維から成る支持体(不織布)
が設けられ、更に該支持体を介して多孔質層が形成され
た積層シ−トに関するものであり、多孔質層を通じて内
部に不織布による吸収機能を有するためインキなどの吸
収能力が高く、オフセット印刷やインクジェット印刷で
の乾燥が早く鮮明な画像が提供できる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフイルムの少なくとも片面
    に、ポリエステル繊維からなる支持体が設けられ、該支
    持体を介して多孔質層が形成されたことを特徴とする積
    層シ−ト。
  2. 【請求項2】 ポリエステルフイルムがフイルム内部に
    微細な気泡を含有し、ポリエステルフイルム単独での見
    掛け比重が0.6以上1.2以下であることを特徴とす
    る請求項1の積層シ−ト。
  3. 【請求項3】 ポリエステルフイルムがA層/B層の2
    層構成あるいはA層/B層/A層の3層構成であって、
    A層は実質的に気泡を含有しないポリエステル層であ
    り、B層は微細な気泡を含有したポリエステル層である
    ことを特徴とする請求項1または2記載の積層シ−ト。
  4. 【請求項4】 ポリエステル繊維からなる支持体が繊度
    5デニ−ル以下の単繊維からなる不織布であって、かつ
    該支持体の目付量が2〜20g/m2 であることを特徴
    とする請求項1〜3に記載の積層シ−ト。
  5. 【請求項5】 ポリエステル繊維が互いに融着して網状
    構造を形成していることを特徴とする請求項1〜4に記
    載に積層シ−ト。
  6. 【請求項6】 多孔質層のピ−ク孔径が0.1〜5.0
    μmにあり、かつ表面がうねり構造を有することを特徴
    とする請求項1〜5に記載の積層シ−ト。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1184192A3 (en) * 2000-08-29 2002-08-21 Eastman Kodak Company Ink jet printing method

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