JPH08318672A - インクジェット記録用シート及び記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用シート及び記録方法

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JPH08318672A
JPH08318672A JP8068036A JP6803696A JPH08318672A JP H08318672 A JPH08318672 A JP H08318672A JP 8068036 A JP8068036 A JP 8068036A JP 6803696 A JP6803696 A JP 6803696A JP H08318672 A JPH08318672 A JP H08318672A
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JP
Japan
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recording sheet
ink
jet recording
ink jet
gelatin
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JP8068036A
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English (en)
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Ichiro Tsuchiya
一郎 土屋
Hiroyuki Kamimura
裕之 上村
Noriaki Kurata
典明 倉田
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • B41M5/5245Macromolecular coatings characterised by the use of polymers containing cationic or anionic groups, e.g. mordants
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
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    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • B41M5/52Macromolecular coatings
    • B41M5/5254Macromolecular coatings characterised by the use of polymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds, e.g. vinyl polymers

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  • Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク定着性、画像の解像度及び均一性並び
に光透過性に優れたインクジェット記録用シートと記録
方法を提供する。 【解決手段】 ゼラチン及びカチオン性の水溶性ポリ
マーを基材中又は基材上に設けたインク受容層中に含有
するインクジェット記録用シート。上記の水溶性ポ
リマーが、下記一般式〔1〕、〔2〕又は〔3〕で表さ
れる4級アンモニウム基を有するポリマー、ポリアリル
アミン類、ジシアンジアミド系縮合物、ポリエチレンイ
ミン類、カチオン変性PVA、カチオン変性PVP、エ
ピクロルヒドリン誘導体、アミノ基置換ナイロン又はカ
チオン変性水酸化アルミニウムである。上記インクジ
ェット記録用シートに、溶媒組成が水/有機溶媒=3/
7〜7/3の水性インクを用いて記録を行うインクジェ
ット記録方法。 【化18】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水性インクを使用
するインクジェット記録用シート及び記録方法に関し、
特にプリント直後のインクの定着性に優れ、しかも画像
の解像度、均一性に優れたインクジェット記録用シート
及び記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録は、騒音がなく、高
速印字が可能であり、また、複数個のインクノズルを使
用することにより多色記録を行うことも容易であること
から、特にコンピューター用の画像情報出力装置として
近年急速に普及している。また、その利用分野も、記録
媒体として透明なフィルムや光沢のある樹脂被覆紙を利
用したり、出力する画像の内容も、文字や図形などから
写真に近い画質が要求されるカラー版下やデザインイメ
ージ等へと拡大している。
【0003】ところで、インクジェット記録用のインク
には、安全性、記録特性の面から、主に水と水溶性有機
溶媒を主成分とする水性インクが使用され、インクの目
詰まり防止及び吐き出し特性向上等が図られている。ま
た、記録シートとしては、従来、通常の紙やインクジェ
ット記録紙と称される支持体上に多孔質のインク吸収層
を設けてなる記録用シートが使用されてきた。
【0004】しかし、これら従来の記録シートは、イン
クのにじみが大きく光沢性が低いため、近年の高い画質
の要求レベルに応えられるものではない。更に、透明フ
ィルムや光沢のある樹脂被覆紙に従来の多孔質インク吸
収層を用いた場合、多孔質インク吸収層は光透過性が低
いため、透明性や光沢性が失われてしまう欠点がある。
また、インク吸収層が非多孔質の場合には光透過性は改
良されるが、水性インク受容性が劣るために、画像記録
印字後インクがシート表面に長時間残存し、乾燥定着時
間が長くなるという問題点があった。
【0005】これらの問題点を解決するため、光透過性
が高く水性インク受容性に優れたインク吸収層として、
ゼラチンを用いることが提案されている。例えば、特開
昭62−263084号では特定pHのゼラチン水溶液
から形成された受容層が、特開平1−146784号で
はゼラチンと界面活性剤の混合物の使用が、特開平6−
64306号では塗布したゼラチンを一旦ゲル状態にし
て後、コールドドライ法により乾燥させて得られる記録
シートがそれぞれ提案されている。
【0006】確かに、これらゼラチンを用いた受容層は
インクの受容性に優れ、光透過性も高い。しかし、イン
クの乾燥定着時間という点ではやはり数分から数十分を
要し、画像記録印字直後に手や他の紙などに触れた場
合、これらがインクで汚れたり、また画像自体が汚れた
りするという問題点がある。更に、ゼラチンを用いたイ
ンク受容層はインク滴が受容層の表面や内部で凝集して
画像がマダラになり易く、画像の解像度の向上を妨げる
原因になっている。また近年、プリンターの性能向上に
伴い、インク滴をいっそう微小化するため、目詰まり防
止の目的でインク中の水溶性有機溶媒の含有率を高くす
る傾向があるが、この様なインクを用いた場合これらの
問題は一層深刻になる。
【0007】また、特開昭57−36692号公報に
は、塩基性ラテックスポリマーを含有するインクジェッ
ト記録用シートが開示されている。しかしこれは記録画
像を高度に耐水化しようとする技術であり、本発明とは
目的が異なる。また用いられる塩基性ラテックスポリマ
ーは基本的に水に不溶であり、これを用いても本発明の
目的であるインクの乾燥定着時間の短縮、インク滴の凝
集防止にはなんら効果を示さないことが判明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、第一に、プリント直後のインク定着性に優れ、乾燥
定着時間が短く、しかも画像の解像度、均一性に優れた
インクジェット記録用シートの提供にある。第二に、イ
ンク定着性、画像の解像度、均一性に優れ、しかも光透
過性に優れたインク受容層を有するインクジェット記録
用シートの提供にある。第三に、インク中の水の含有率
が低いインクを用いた場合にも、インク定着性、画像の
解像度、均一性に優れたインクジェット記録用シートの
提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、 (1) ゼラチン及び少なくとも1種のカチオン性の水
溶性ポリマーを基材中又は基材上に設けたインク受容層
中に含有することを特徴とするインクジェット記録用シ
ート。
【0010】(2) ゼラチンと少なくとも1種のカチ
オン性の水溶性ポリマーとの混合物を基材中又は基材上
に設けたインク受容層中に含有することを特徴とする上
記(1)に記載のインクジェット記録用シート。
【0011】(3) 前記カチオン性の水溶性ポリマー
が、下記一般式〔1〕、〔2〕又は〔3〕で表される4
級アンモニウム基を有するポリマー、ポリアリルアミン
類、ジシアンジアミド系縮合物、ポリエチレンイミン
類、カチオン変性PVA、カチオン変性PVP、エピク
ロルヒドリン誘導体、アミノ基置換ナイロン及びカチオ
ン性ポリ水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1
種であることを特徴とする上記(1)又は(2)に記載
のインクジェット記録用シート。
【0012】
【化4】
【0013】式中、R1は水素原子又はメチル基を表
し、Qは酸素原子又は−NH−を表す。R2、R3及びR
4は各々メチル基又はエチル基を表し、同じであっても
異なっていてもよい。X-はハロゲンイオン、スルホン
酸アニオン、アルキルスルホン酸アニオン、酢酸アニオ
ン又はアルキルカルボン酸アニオンを表す。nは2又は
3を表す。
【0014】
【化5】
【0015】式中、R5、R6及びR7は各々メチル基又
はエチル基を表し、同じであっても異なっていてもよ
い。X-はハロゲンイオン、スルホン酸アニオン、アル
キルスルホン酸アニオン、酢酸アニオン又はアルキルカ
ルボン酸アニオンを表す。nは2又は3を表す。
【0016】
【化6】
【0017】式中、R8、R9及びR10は各々メチル基又
はエチル基を表し、同じであっても異なっていてもよ
い。X-はハロゲンイオン、スルホン酸アニオン、アル
キルスルホン酸アニオン、酢酸アニオン又はアルキルカ
ルボン酸アニオンを表す。nは2又は3を表す。
【0018】(4) 前記カチオン性の水溶性ポリマー
がポリアリルアミン類、ジシアンジアミド系縮合物、カ
チオン変性PVP、エピクロルヒド誘導体及びカチオン
性ポリ水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種
であることを特徴とする上記(1)、(2)又は(3)
に記載のインクジェット記録用シート。
【0019】(5) ゼラチンと少なくとも1種のカチ
オン性の水溶性ポリマーを疎水性基材上に設けたインク
受容層中に含有することを特徴とする上記(1)〜
(4)の何れか1項に記載のインクジェット記録用シー
ト。
【0020】(6) 前記疎水性基材が紙の両面を樹脂
で被覆してなる樹脂被覆紙であることを特徴とする上記
(5)に記載のインクジェット記録用シート。
【0021】(7) 前記樹脂がポリオレフィン樹脂で
あることを特徴とする上記(6)に記載のインクジェッ
ト記録用シート。
【0022】(8) 前記ポリオレフィン樹脂がポリエ
チレン樹脂であることを特徴とする上記(7)に記載の
インクジェット記録用シート。
【0023】(9) 前記疎水性基材が透明なポリエス
テル樹脂フィルムであることを特徴とする上記(5)に
記載のインクジェット記録用シート。
【0024】(10) 前記透明なポリエステル樹脂フ
ィルムがポリエチレンテレフタレートフィルムであるこ
とを特徴とする上記(9)に記載のインクジェット記録
用シート。
【0025】(11) 前記インク受容層中の前記カチ
オン性の水溶性ポリマーのゼラチンに対する存在比率が
0.1〜70wt%であることを特徴とする上記(1)
〜(10)の何れか1項に記載のインクジェット記録用
シート。
【0026】(12) 前記カチオン性の水溶性ポリマ
ーのゼラチンに対する存在比率が1〜50wt%である
ことを特徴とする上記(1)〜(11)の何れか1項に
記載のインクジェット記録用シート。
【0027】(13) 前記カチオン性の水溶性ポリマ
ーのゼラチンに対する存在比率が3〜20wt%である
ことを特徴とする上記(1)〜(12)にの何れか1項
に記載のインクジェット記録用シート。
【0028】(14) 該インク受容層中にゼラチン、
カチオン性の水溶性ポリマー及び少なくとも1種の水溶
性ポリマーを含有することを特徴とする上記(1)〜
(13)にの何れか1項に記載のインクジェット記録用
シート。
【0029】(15) 前記水溶性ポリマーがポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルアルコール及びポリエチレン
グリコールから選ばれる少なくとも1種のポリマーであ
ることを特徴とする上記(14)に記載のインクジェッ
ト記録用シート。
【0030】(16) 前記水溶性ポリマーのインク受
容層中に占める含有率が5〜80wt%であることを特
徴とする上記(14)又は(15)に記載のインクジェ
ット記録用シート。
【0031】(17) 前記水溶性ポリマーのインク受
容層中に占める含有率が20〜60wt%であることを
特徴とする上記(14)、(15)又は(16)に記載
のインクジェット記録用シート。
【0032】(18) 前記ゼラチンが酸処理ゼラチン
であることを特徴とする上記(1)〜(17)の何れか
1項に記載のインクジェット記録用シート。
【0033】(19) 前記ゼラチンがアミノ基不活性
化ゼラチンであることを特徴とする上記(1)〜(1
7)の何れか1項に記載のインクジェット記録用シー
ト。
【0034】(20) 前記インク受容層が2層以上で
構成され、該インク受容層の少なくとも最上層にフッ素
系界面活性剤を含有することを特徴とする上記(1)〜
(19)の何れか1項に記載のインクジェット記録用シ
ート。
【0035】(21) 前記フッ素系界面活性剤が少な
くとも1種のアニオン系界面活性剤と少なくとも1種の
カチオン系界面活性剤があることを特徴とする上記
(1)〜(20)の何れか1項に記載のインクジェット
記録用シート。
【0036】(22) 前記インク受容層が2層以上か
らなり、前記カチオン性の水溶性ポリマーが少なくとも
最上層に隣接する下層に含有されることを特徴とする上
記(1)〜(21)の何れか1項に記載のインクジェッ
ト記録用シート。
【0037】(23) 上記(1)〜(22)の何れか
1項に記載のインクジェット記録用シートに、色素を溶
解する溶媒の組成が水/有機溶媒=3/7〜/3である
水溶性インクを用いて記録を行うことを特徴とするイン
クジェット記録方法。
【0038】(24) 前記有機溶媒がグリコール類及
びピロリドン類から選ばれる少なくとも1種であること
を特徴とする上記(23)に記載のインクジェット記録
方法。
【0039】によって達成された。
【0040】以下、本発明を詳細に説明する。
【0041】本発明のインクジェット記録用シートは、
基材中又は基材上に設けたインク受容層中にゼラチンを
含有している。
【0042】本発明に用いられるゼラチンとしては、動
物のコラーゲンを原料としたゼラチンであれば何れでも
使用できるが、豚皮、牛皮、牛骨を原料としたコラーゲ
ンを原料としたゼラチンが好ましい。更にゼラチンの種
類としては特に制限はないが、石灰処理ゼラチン、酸処
埋ゼラチン、ゼラチン誘導体(例えば特公昭38−48
54号、同昭39−5514号、同昭40−12237
号、同昭42−26345号、同平2−1359号、米
国特許第2,525,753号、同第2,594,29
3号、同第2,614,928号、同第2,763,6
39号、同第3,118,766号、同第313294
5号、同第3186846号、同第3312553号、
英国特許第861,414号、同第1,033,189
号等に記載のゼラチン誘導体)を単独又はそれらを組み
合わせて用いることができる。
【0043】本発明において酸処理ゼラチンやアミノ基
不活性ゼラチンを用いることにより本発明の効果をより
良好に奏するだけでなく、インク受容層表面の光沢性が
向上するという別なる効果を得ることができる。前記ゼ
ラチンは少なくともインク受容層の最表層に存在するこ
とが好ましい態様の一つである。
【0044】本発明において好ましく用いられる酸処理
ゼラチンとは、コラーゲンを脱灰処理した後、塩酸等の
酸処理を行い、製造されるもので酸性法処理ゼラチンで
ある。
【0045】又、本発明においてアミノ基不活性化ゼラ
チンは、ゼラチン中のアミノ基の50%以上、好ましく
は80%以上、更に好ましくは90%以上が不活性化さ
れているものが好ましく用いられる。上記ゼラチンは公
知のアシル化法により製造することができ、例えばアセ
チル化ゼラチン、フタル化ゼラチン、マレノイル化ゼラ
チン、ベンゾイル化ゼラチン、スクシノイル化ゼラチ
ン、メチル尿素ゼラチン、フェニルカルバモイル化ゼラ
チン、カルボキシ変性ゼラチンなどが挙げられる。
【0046】本発明に用いられるゼラチンのゼリー強度
(PAGI法、プルーム式ゼリー強度計による)として
は、150g以上、特に200〜300gであることが
好ましい。
【0047】本発明において、インク受容層に含まれる
ゼラチンの塗布量としては、固形分として3〜50g/
2が好ましく、更に好ましくは5〜30g/m2であ
る。
【0048】インク受容層が3g/m2未満ではインク
の受容性が劣り、印字後インクが受容層から溢れてしま
う。更に、50g/m2を超えて多い場合には、インク
の受容性は向上するがひび割れ、カール等で問題が発生
する。
【0049】また、本発明のインクジェット記録用シー
トは、基材中又は基材上に設けられたインク受容層中
に、ゼラチンとともにカチオン性の水溶性ポリマーの少
なくとも1種を含有している。本発明で言うカチオン性
の水溶性ポリマーとは、水溶液中でポリマー主体がカチ
オン性を示すものを言い、典型的なものとしては、特開
平5−104848号、同5−124329号公報に記
載されているような、1級、2級若しくは3級アミノ基
や4級アンモニウム塩を含有するポリマーや、アルミニ
ウムなどの水溶性金属塩を含有するポリマーが挙げられ
る。このような水溶性のカチオン性ポリマーであればい
かなるものでも用いることができ、その種類は特に限定
されないが、本発明において好ましく用いられるカチオ
ン性ポリマーとしては以下のようなものが例示される。
【0050】a)ポリアリルアミン類 b)ジシアンジアミド系縮合物 c)ポリエチレンイミン類 d)カチオン変性PVA e)カチオン変性PVP f)エピクロルヒドリン誘導体 g)アミノ基置換ナイロン h)カチオン性ポリ水酸化アルミニウム i)前記一般式〔1〕で表される4級アンモニウム基を
有するポリマー j)前記一般式〔2〕で表される4級アンモニウム基を
有するポリマー k)前記一般式〔3〕で表される4級アンモニウム基を
有するポリマー 本発明で言うポリアリルアミン類とは、下記一般式
〔4〕で示されるポリアリルアミン、下記一般式〔5−
1〕若しくは〔5−2〕で示されるポリジアリルアミ
ン、下記一般式〔6−1〕若しくは〔6−2〕で示され
るポリジアリルアミン誘導体、又はこれらの重合体であ
る。
【0051】
【化7】
【0052】一般式〔4〕において、nは5〜1000
0の整数、X-は無機酸又は有機酸の残基を表す。
【0053】
【化8】
【0054】一般式〔5−1〕、〔5−2〕、〔6−
1〕及び〔6−2〕において、R1及びR2は各々、水素
原子、メチル基、エチル基又はヒドロキシエチル基を表
し、X2 -は無機酸残基又は有機酸残基を表し、Yは2価
の連結基を表す。また、n/m=9/1〜2/8、l=
5〜10000である。
【0055】一般式〔6−1〕又は〔6−2〕で示され
るポリジアリルアミンの誘導体の具体例としては、特開
昭60−83882号公報記載の一般式で示されるSO
2基を繰り返し単位に含むもの、特開平1−9776号
公報の2頁に記載されているアクリルアミドとの共重合
体、本発明の一般式〔6−1〕又は〔6−2〕で示され
るポリジアリルアミンとの共重合体が挙げられる。
【0056】本発明に用いられるジシアンジアミド系縮
合物の具体例としては、ジシアンジアミドホルマリン縮
合物、ポリアルキレンポリアミンジシアンジアミドアン
モニウム塩縮合物が挙げられ、これらは三洋化成社のサ
ンフィックス70、日本カーバイド社のニカフロックD
−1000、日華化学社のネオフィックスF、ネオフィ
ックスRP−70Yなどの商品名でそれぞれ市販されて
いる。
【0057】本発明で言うポリエチレンイミン類とは、
エチレンイミンを重合させて得られるポリマー又はその
誘導体であり、特にポリエチレンイミン第4級アンモニ
ウム化合物が好ましい。具体的には特開昭60−727
85号、同60−76386号公報に記載されているも
のが挙げられる。
【0058】本発明で言うカチオン変性PVAとは、ビ
ニルアルコールとカチオン性基を持つモノマー単位との
共重合体であり、具体的には特開昭62−138280
号公報の3〜4頁に記載されているものが使用できる。
【0059】本発明で言うカチオン変性PVPとは、ビ
ニルピロリドンとカチオン性基を持つモノマー単位との
共重合体である。カチオン性基を持つモノマー単位の具
体例としては、四級化されたビニルイミダゾール、四級
化されたジアルキルアミノエチルメタアクリレート、メ
タアクリルアミドプロピルトリアルキルアンモニウム塩
が挙げられる。
【0060】本発明に用いられるエピクロルヒドリン誘
導体の具体例としては、ポリアミド・エピクロルヒドリ
ン樹脂、又は特開昭61−252189号公報の2頁に
記載されているエピクロルヒドリンと3級アミンとの反
応物や特開昭62−259882号公報の4頁に記載さ
れている一般式(II)の化合物等が挙げられる。
【0061】これらは公知の方法により合成することが
できる。また、市販品としてナルポリ−607(ナルコ
ケミカル社製)やポリフィックス601(昭和高分子社
製)がある。
【0062】本発明に用いられるアミノ基置換ナイロン
の具体例は、特開昭59−33179号公報の2頁に記
載されており、市販品としてはAQナイロン(商品名:
東レ製)がある。
【0063】本発明に用いられるカチオン性ポリ水酸化
アルミニウムとしては、特開昭60−257286号公
報の第2項に記載されているものが使用できる。
【0064】一般式〔1〕で示されるモノマーのうち好
ましい化合物としては、例えば、N,N−ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル
アミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチ
ルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメ
チルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド及びN,N
−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドのメ
チルクロライド、エチルクロライド、メチルブロマイ
ド、エチルブロマイド、メチルアイオダイド或いはエチ
ルアイオダイドによる4級化物、又はそれらのアニオン
を置換したスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、酢酸
塩或いはアルキルカルボン酸塩を挙げることができる。
この中で特に好ましい化合物としては、例えば、トリメ
チル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウ
ムクロライド、トリエチル−2−(メタクリロイルオキ
シ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチル−2−
(アクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライ
ド、トリエチル−2−(アクリロイルオキシ)エチルア
ンモニウムクロライド、トリメチル−3−(メタクリロ
イルオキシ)プロピルアンモニウムクロライド、トリエ
チル−3−(メタクリロイルオキシ)プロピルアンモニ
ウムクロライド、トリメチル−2−(メタクリロイルア
ミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリエチル−2
−(メタクリロイルアミノ)エチルアンモニウムクロラ
イド、トリメチル−2−(アクリロイルアミノ)エチル
アンモニウムクロライド、トリエチル−2−(アクリロ
イルアミノ)エチルアンモニウムクロライド、トリメチ
ル−3−(メタクリロイルアミノ)プロピルアンモニウ
ムクロライド、トリエチル−3−(メタクリロイルアミ
ノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチル−3
−(アクリロイルアミノ)プロピルアンモニウムクロラ
イド、トリエチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピ
ルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N−エ
チル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウ
ムクロライド、N,N−ジエチル−N−メチル−2−
(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムクロライ
ド、N,N−ジメチル−N−エチル−3−(アクリロイ
ルアミノ)プロピルアンモニウムクロライド、トリメチ
ル−2−(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウム
ブロマイド、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)
プロピルアンモニウムブロマイド、トリメチル−2−
(メタクリロイルオキシ)エチルアンモニウムスルホネ
ート、トリメチル−3−(アクリロイルアミノ)プロピ
ルアンモニウムアセテトなどを挙げることができる。
【0065】一般式〔2〕で示されるモノマーの好まし
い例としては、トリメチル−p−ビニルベンジルアンモ
ニウムクロライド、トリメチル−m−ビニルベンジルア
ンモニウムクロライド、トリエチル−p−ビニルベンジ
ルアンモニウムクロライド、トリエチル−m−ビニルベ
ンジルアンモニウムクロライド、N,N−ジメチル−N
−エチル−p−ビニルベンジルアンモニウムクロライ
ド、N,N−ジエチル−N−メチル−p−ビニルベンジ
ルアンモニウムクロライド、トリメチル−p−ビニルベ
ンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−m−ビニ
ルベンジルアンモニウムブロマイド、トリメチル−p−
ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリメチル
−m−ビニルベンジルアンモニウムスルホネート、トリ
メチル−p−ビニルベンジルアンモニウムアセテート、
トリメチル−m−ビニルベンジルアンモニウムアセテー
トなどを挙げることができる。
【0066】一般式〔3〕で示されるモノマーの好まし
い例としては、ジアリルジメチルアンモニウムクロライ
ド、ジアリルジエチルアンモニウムクロライド、ジアリ
ルジメチルアンモニウムブロマイド、ジアリルジメチル
アンモニウムスルホルート、ジアリルジメチルアンモニ
ウムアセテートなどを挙げることができる。
【0067】これらモノマー単位に更にアクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド、N−イソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアク
リルアミド、N−メチロールアクリルアミド、2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート及びN−ビニルピロリドン
から選ばれるモノマーを20〜80重量部の範囲で共重
合することで、該4級アンモニウム塩基を有するポリマ
ー自体のインキ吸収容量及びインキ吸収速度を高め、更
にインキドット径を適度の大きさに調節したりベタ部の
印字むらを解消するなど極めて好ましい性質を付与する
ことができる。
【0068】これらのカチオン性ポリマーの中でも特に
好ましいのは、ポリアリルアミン類、ジシアンジアミド
系縮合物、カチオン変性PVP、エピクロルヒドリン誘
導体及びカチオン性ポリ水酸化アルミニウムである。
【0069】これらカチオン性ポリマーのゼラチンに対
する存在比率は、0.1〜70wt%が好ましく、より
好ましくは1〜50wt%、更に好ましくは3〜20w
t%である。70%を越えるとゼラチンの持つインク受
容性が低下し、0.1%未満では本発明の解像度及び乾
燥定着時間が得られない。
【0070】本発明のインク受容層は、インク受容層を
構成する素材を製紙時にパルプスラリーに混合する等し
て基材中に設けても、基材上に塗工して独立した層とし
て設けてもよいが、記録シートの光沢性及び質感の観点
から後者が好ましい。また、用いる基材としては従来公
知のものが何れも使用できる。例えば、透明な基材とし
ては、ポリエステル樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセ
テート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポ
リ塩化ビニル、ポリイミド樹脂、セロハン、セルロイド
等のフィルムもしくは板及びガラス板等が挙げられる。
このような透明基材はその厚さが約10〜200μm程
度のものであることが好ましい。不透明な基材として
は、紙、塗工紙、合成紙、樹脂被覆紙、顔料入り不透明
フィルム、発泡フィルム等が使用できる。
【0071】また、本発明に用いる基材は、各種樹脂製
の透明、不透明のフィルムや樹脂被覆紙等、基材自体の
表面が吸水性を持たない疎水性基材が、インク受容層を
塗工層状に設けた場合の品質感の点から好ましい。特に
好ましいのは透明基材ではポリエステル樹脂、不透明基
材では写真印画紙用支持体に類似の樹脂被覆紙であり、
このような基材の表面にインク受容層を塗工層状に設け
るのが本発明の最も好ましい実施形態である。
【0072】本発明においてゼラチン及びカチオン性の
水溶性ポリマーは同一層に含有させることが本発明の効
果の観点から好ましい態様である。
【0073】本発明において、インク受容層にはインク
受容性やドット再現性を向上させる目的でバインダーと
してゼラチン及びカチオン性の水溶性ポリマーと共に以
下のノニオン性又はアニオン性の水溶性ポリマーを併用
することができる。併用される水溶性ポリマーとして
は、例えば、ポリビニルアルコール、ボリビニルピロリ
ドン、ポリビニルピリジニウムハライド、各種変性ポリ
ビニルアルコール等のビニルホルマール及びその誘導体
(特開昭60−145879号、同60−220750
号、同61−143177号、同61−235182
号、同61−235183号、同61−237681
号、同61−261089号参照)、ポリアクリルアミ
ド、ポリジメチルアクリルアミド、ポリジメチルアミノ
アクリレート、ポリアクリル酸ソーダ、アクリル酸メタ
クリル酸共重合体塩、ポリメタクリル酸ソーダ、アクリ
ル酸ビニルアルコール共重合体塩等のアクリル基を含む
ポリマー(特開昭60−168651号、同62−99
88号参照)、澱粉、酸化澱粉、カルボキシル澱粉、ジ
アルデヒド澱粉、カチオン化澱粉、デキストリン、アル
ギン酸ソーダ、アラビアゴム、カゼイン、プルラン、デ
キストラン、メチルセルロース、エチルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロ
ース等の天然ポリマー又はその誘導体(特開59−17
4382号、同60−262685号、同61−143
177号、同61−181679号、同61−1938
79号、同61−287782号参照)、ポリエチレン
グリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルエ
ーテル、ポリグリセリン、マレイン酸アルキルビニルエ
ーテル共重合体、マレイン酸N−ビニルピロール共重合
体、スチレン無水マレイン酸共重合体、ポリエチレンイ
ミン等の合成ポリマー(特開昭61−32787号、同
61−237680号、同61−277483号参照)
等を挙げることができる。
【0074】この中でも特に好ましいのはポリビニルピ
ロリドン類、ポリビニルアルコール類及びポリエチレン
グリコール類である。これらの水溶性ポリマーのインク
受容層中に占める割合は、5〜80wt%が好ましく、
より好ましくは20〜60wt%である。
【0075】また、ブロッキング等の接着故障を防止す
る目的でマット剤を0.005〜0.1g/m2程度、
表又は/及び裏の層に含有させることができる。
【0076】マット剤は写真技術分野に於いてよく知ら
れており、親水性有機コロイドバインダー中に分散可能
な無機又は有機材料の不連続固体粒子であると定義でき
る。無機のマット剤の例としては酸化物(例えば二酸化
珪素、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウ
ム等)、アルカリ土類金属塩(例えば硫酸塩や炭酸塩で
あって、具体的には硫酸バリウム、炭酸カルシウム、硫
酸マグネシウム、炭酸カルシウム等)、画像を形成しな
いハロゲン化銀粒子(塩化銀や臭化銀等で更にハロゲン
成分として沃素原子が僅かながら加わってもよい)やガ
ラス等である。
【0077】このほかに***特許2,529,321
号、英国特許第760,775号、同1,260,77
2号、米国特許第1,201,905号、同2,19
2,241号、同3,053,661号、同3,06
2,649号、同3,257,206号、同3,32
2,555号、同3,353,958号、同3,37
0,951号、同3,411,907号、同3,43
7,484号、同3,523,022号、同3,61
5,554号、同3,635,714号、同3,76
9,020号、同4,021,245号、同4,02
9,504号等に記載されている無機マット剤を用いる
こともできる。
【0078】また、有機のマット剤の例には澱粉、セル
ロースエステル(例えば、セルロースアセテートプロピ
オネート等)、セルロースエーテル(例えばエチルセル
ロース等)、合成樹脂等である。合成樹脂の例として
は、水不溶又は難溶性合成ポリマーであり、例えばアル
キル(メタ)アクリレート、アルコキシアルキル(メ
タ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、
(メタ)アクリルアミド、ビニルエステル(例えば酢酸
ビニル)、アクリロニトリル、オレフィン(例えばエチ
レン等)、スチレン、ベンゾグアナミンホルムアルデヒ
ド縮合物などの単独若しくは組み合わせ又はこれらとア
クリル酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン
酸、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホ
アルキル(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸等
の組み合わせを重合体成分とするポリマーを用いること
ができるるその他エポキシ樹脂、ナイロン、ポリカーボ
ネート、フェノール樹脂、ポリビニルカルバゾール、ポ
リ塩化ビニリデン等も用いることができる。
【0079】このほかに英国特許第1,055,713
号、米国特許第1,933,213号、同2,221,
873号、同2,268,662号 同2,322,0
37号、同2,376,005号、同2,391,18
1号、同2,701,245号、同2,992,101
号、同3,079,257号、同3,262,782
号、同3,443,946号、同3,516,832
号、同3,539,344号、同3,591,379
号、同3,754,924号、同3,767,448
号、特開昭49−106821号、同57−14835
号等に記載されている有機マット剤を用いることができ
る。
【0080】なかでもポリメチルメタクリレート、ベン
ゾグアナミンホルムアルデヒド縮合ポリマー(ベンゾグ
アナミン樹脂、具体的には下記式で示される物、例えば
商品名エポスター:日本触媒化学工業(株)製:既存化
学物質7−31等)、ポリオレフィン(例えば商品名フ
ロービーズLE−1080、CL−2080、HE−5
023:製鉄化学製或いは商品名ケミパールV−10
0:三井石油化学製)
【0081】
【化9】
【0082】ポリスチレンビーズ(モリテックス社
製)、ナイロンビーズ(モリテックス社製)、AS樹脂
ビーズ(モリテックス社製)、エポキシ樹脂ビーズ(モ
リテックス社製)、ポリカーボネート樹脂(モリテック
ス社製)等が好ましい。
【0083】これらのマット剤は併用してもよい。
【0084】本発明のインク受容層を形成する方法とし
ては、基材上に塗工層状に形成する場合は、サイズプレ
ス法、ロールコーター法、ブレードコーター法、エアナ
イフコーター法、ゲートロールコーター法、ロッドバー
コーター法、カーテン法、エクストルージョン法等、通
常用いられている塗工方法が用いられる。また、先に述
べたようにパルプスラリー中にインク受容層を構成する
素材を混合して抄造する内添法によって、基材中にイン
ク受容層を設けることも可能である。
【0085】塗工後の乾燥方法に特に制限はないが、特
開平6−64306号公報の4頁に記載されているコー
ルドドライ法は品質感の高い記録シートを得るために好
ましい乾燥方法である。
【0086】本発明において、インク受容層にはバイン
ダーに加えてドット再現性を向上させる目的で界面活性
剤を添加することができる。用いられる界面活性剤はア
ニオン系、カチオン系、ノニオン系、ベタイン系の何れ
のタイプでもよく、また低分子のものでも高分子のもの
でもよい。界面活性剤の添加量はインク受容層を構成す
るバインダー100gに対して0.001g〜5gが好
ましく、より好ましくは0.01〜3gである。
【0087】本発明において、インク受容層中にフッ素
系界面活性剤を含有させることが好ましく、インク受容
層を2層以上で構成する場合、その最上層に含有させる
ことが好ましい。フッ素系界面活性剤としては、アニオ
ン性及び/又はカチオン性のものが好ましい。
【0088】本発明に好ましく用いられるアニオン性フ
ッ素系界面活性剤としては、下記一般式(FA)で示さ
れるものが挙げられる。
【0089】一般式(FA) (Cf)−(Y)n 式中、Cfは少なくとも3個のフッ素原子と少なくとも
2個の炭素原子を含むn価の基で表し、Yは−COO
M,−SO3M,−OSO3M又は−P(=O)(OM)
2を表す。Mは水素原子又はアルカリ金属もしくは第4
級アンモニウム塩の如きカチオンを表し、nは1又は2
である。
【0090】更に好ましく用いられるアニオン性フッ素
系界面活性剤としては、下記一般式(FA′)で示され
るものである。
【0091】一般式(FA′) Rf−(D)t−Y 式中、Rfは炭素原子数3〜30のフッ素置換アルキル
基又はアリール基を表し、Dは−O−,−COO−,−
CON(R1)−又は−SO2N(R1)−なる結合を少
なくとも一つ含む炭素原子数1〜12の2価の基を表
す。R1は炭素原子数1〜5のアルキル基を表し、tは
1又は2であり、Yは−COOM−,−SO3M,−O
SO3M又は−P(=O)(OM)2を表し、Mは水素原
子又はアルカリ金属もしくは第4級アンモニウム塩の如
きカチオンを表す。
【0092】次に一般式(FA)で表される化合物の具
体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
【0093】
【化10】
【0094】
【化11】
【0095】
【化12】
【0096】
【化13】
【0097】
【化14】
【0098】特に好ましくは、−SO2N(R1)−なる
結合を少くとも一つ含むアニオン性フッ素系界面活性剤
を使用することである。
【0099】本発明に好ましく用いられるカチオン性フ
ッ素系界面活性剤は下記一般式(FK)で表される化合
物である。
【0100】一般式(FK) Rf′−L−X+- 式中、Rf′は炭素数1〜20の炭化水素基を表し、少
なくとも一つの水素原子はフッ素原子で置換されてい
る。Lは化学結合手又は2価基を表す。Xはカチオン、
Zはカウンターアニオンを表す。
【0101】Rf′の例としては、−Ckk+1(k=1
〜20、特に3〜12が好ましい),−Cm2m,−Cm
2m-1(m=2〜20、特に3〜12が好ましい)等を
挙げることができる。
【0102】Lの例としては、−SO2N(R1)(CH
2p−,−CON(R1)(CH2p−,−OASO2
(R1)(CH2p−,−OACON(R1)(CH2p
−,−OAO(CH2p−,−OA(CH2p−,−O
(CH2CH2O)q(CH2p−,−O(CH2)p−,
−N(R1)(CH2p−,−SO2N(R1)(CH2
pO(CH2r−,−CON(R1)(CH2pO(CH
2r−,−OASO2N(R1)(CHR1pOA−,−
(CH2p(CHOH)s(CH2r−等を挙げることが
できる。
【0103】X+の例としては、−N+(R13,−N+
(CH2CH2OCH33,−N+48O(R1).−N
+(R1)(R2)(CH2CH2OCH3),−N+
55,−N+(R1)(R2)(CH2p65,−N
+(R1)(R2)(R2)等を挙げることができる。ここ
でR1及びR2は各々、水素原子又は炭素原子数1〜6の
アルキル基(置換基を有してもよい)を表し、p,r,
sは各々0〜6、qは1〜20である。
【0104】Y-の例としては、I-,Cl-,Br-,C
3SO3 -,CH3−C64−SO3 -等を挙げることがで
きる。
【0105】以下に本発明に好ましく用いられるカチオ
ン性フッ素系界面活性剤の具体例を挙げるが、これらに
限定されない。
【0106】
【化15】
【0107】
【化16】
【0108】本発明に係るアニオン性フッ素系界面活性
剤或いはカチオン性フッ素系界面活性剤は、例えば米国
特許2,559,751号、同2,567,011号、
同2,732,398号、同2,764,602号、
同2,806,866号、同2,809,998号、同
2,915,376号、同2,915,528号、同
2,918,501号、同2,934,450号、同
2,937,098号、同2,957,031号、同
3,472,894号、同3,555,089号、英国
特許1,143,927号、同1,130,822号、
特公昭45−37304号、特開昭47−9613号、
同49−134614号、同50−117705号、同
50−117727号、同50−121243号、同5
2−41182号、同51−12392号の、英国化学
会誌(J.Chem.Soc.)1950年2789
頁、同1957年2574頁及び2640頁、米国化学
会誌(J.Amer.Chem.Soc.)79巻25
49頁(1957年)、油化学(J.Japan Oi
l Chemists Soc.)12巻653頁、有
機化学会誌(J.Org.Chem.)30巻3524
頁(1965年)等に記載された方法によって合成する
ことができる。これらのフッ素系界面活性剤のうち、あ
る種のものは大日本インキ化学工業社からメガファック
(Megafac)Fなる商品名で、ミネソタ・マイニ
ング・アンド・マニファクチュアリング・カンパニー社
からフルオラッド(Fluorad)FCなる商品名
で、インペリアル・ケミカル・インダストリー社からモ
ンフロール(Monflor)なる商品名で、イー・ア
イ・デュポン・ネメラス・アンド・カンパニー社からゾ
ニルス(Zonyls)なる商品名で、又、ファルベベ
ルケ・ヘキスト社からリコベット(Licowet)V
PFなる商品名で、それぞれ市販されている。
【0109】本発明においては前記アニオン性フッ素系
界面活性剤とカチオン性フッ素系界面活性剤を各々少な
くとも一種併用することにより本発明の効果をより良好
に奏する。
【0110】本発明に好ましく使用されるカチオン性フ
ッ素系界面活性剤とアニオン性フッ素系界面活性剤の合
計使用量は1m2当たり0.1〜1000mgがよく、
好ましくは0.5〜300mg、更に好ましくは1.0
〜150mgがよい。併用するときに、それぞれを2種
以上ずつ併用しても構わない。その他にノニオン性フッ
素系界面活性剤、ベタイン型フッ素系界面活性剤、炭化
水素系活性剤を併用してもよい。
【0111】アニオン性フッ素系界面活性剤とカチオン
性フッ素系界面活性剤活性剤の添加割合は、モル比で
1:10〜10:1が好ましく、更には3:7〜7:3
が好ましい。
【0112】本発明において、インク受容層は、耐水
性、ドット再現性を向上させる目的で適当な硬膜剤で硬
膜することができる。硬膜剤の具体的な例としては、ホ
ルムアルデヒド、グルタルアルデヒドの如きアルデヒド
系化合物、ジアセチル、クロルペンタンジオンの如きケ
トン化合物、ビス(2−クロロエチル尿素)−2−ヒド
ロキシ−4,6−ジクロロ−1,3,5トリアジン、米
国特許第3,288,775号記載の如き反応性のハロ
ゲンを有する化合物、ジビニルスルホン、米国特許第
3,635,718号記載の如き反応性のオレフィンを
もつ化合物、米国特許第2,732,316号記載の如
きN−メチロール化合物、米国特許第3,103,43
7号記載の如きイソシアナート類、米国特許第3,01
7,280号、同第298,3611号記載の如きアジ
リジン化合物類、米国特許第3,100,704号記載
の如きカルボジイミド系化合物類、米国特許第3,09
1,537号記載の如きエポキシ化合物、ムコクロル酸
の如きハロゲンカルボキシアルデヒド類、ジヒドロキシ
ジオキサンの如きジオキサン誘導体、クロム明ばん、カ
リ明ばん、硫酸ジルコニウムの如き無機硬膜剤等があ
り、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いること
ができる。硬膜剤の添加量はインク受容層を構成するバ
インダー100gに対して0.01〜10gが好まし
く、より好ましくは0.1〜5gである。
【0113】本発明において、更に、インク受容層には
上記の界面活性剤及び硬膜剤の他に無機顔料、着色染
料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベリング剤、防腐
剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節剤などの公知の
各種添加剤を添加することもできる。
【0114】本発明において好ましく用いられる、樹脂
披覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一般に用い
られている紙が使用できるが、より好ましくは例えば写
真用支持体に用いられているような平滑な原紙が好まし
い。原紙を構成するパルプとしては天然パルプ、再生パ
ルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上混合して用
いられる。この原紙には一般に製紙で用いられているサ
イズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍光増白剤、
染料等の添加剤が配合される。
【0115】更に、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光増
白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面塗布され
ていてもよい。
【0116】また、原紙の厚味に関しては特に制限はな
いが、紙を抄造中又は抄造後カレンダー等にて圧力を印
加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好まし
く、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0117】樹脂披覆紙の樹脂としては、ポリオレフィ
ン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテンなどのオレフィンのホモポリマー又はエチレン
−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上から
なる共重合体及びこれらの混合物であり、各種の密度、
溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独に或
いはそれらを混合して使用できる。
【0118】また、樹脂披覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノッタス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0119】本発明において好ましく用いられる基材で
ある樹脂披覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン樹
脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる押
出コーティング法により製造され、その画面が樹脂によ
り被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の場合
は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般に用
いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線を照
射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原紙に
被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理などの
活性化処理を施すことが好ましい。基材のインク受容層
が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光沢面、
マット面などを有し、特に光沢画が優位に用いられる。
裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止の点か
ら樹脂披覆したほうが好ましい。裏面は通常無光沢面で
あり、表面或いは必要に応じて表裏両面にもコロナ放電
処理、火炎処理などの活性処理を施すことができる。ま
た、披覆樹脂層の厚味としては特に制限はないが、一般
に5〜50μmの厚味に表面又は表裏両面にコーティン
グされる。
【0120】本発明における基材には帯電防止性、搬送
性、カール防止性などのために、各種のバックコート層
を塗設することができる。バックコート層には無機帯電
防止剤、有機帯電防止剤、親水性バインダー、ラテック
ス、硬化剤、顔料、界面活性剤などを適宜組み合わせて
含有せしめることができる。
【0121】本発明で云う水性インクとは、下記の着色
剤、液媒体及びその他の添加剤からなる記録液体であ
る。着色剤としては、直接染料、酸性染料、塩基性染
料、反応性染料或は食品用色素等の水溶性染料が挙げら
れる。
【0122】水性インクの溶媒としては、水及び水溶性
の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルア
ルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコ
ール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコ
ール等の炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチ
ルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;
アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン又はケトン
アルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール等のポリアルキレングリコール類;エチレング
リコール、プロピレングリコール、ブチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、l,2,6−ヘキサント
リオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、
ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個のア
ルキレングリコール類;グリセリン、エチレングリコー
ルメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又は
エチル)エーテル、トリエチレングリコール、モノメチ
ルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル
類;2H−ピロリジノン等のピロリジノン類;1−メチ
ル−2−ピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン類
等が挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中で
も、ジエチレングリコール等の多価アルコール、トリエ
チレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレング
リコールモノエチルエーテル等の多価アルコールの低級
アルキルエーテル及びピロリドン類が好ましい。
【0123】本発明において、インクの溶媒は、インク
ヘッドノズルの目詰まり防止の観点から、水と前記有機
溶媒の混合溶媒を用いることが好ましいが、このとき、
水と有機溶媒の混合比率は重量比で30/70/〜70
/30が好ましく、より好ましくは40/60〜70/
30である。
【0124】その他の添加剤としては、例えば、pH調
節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表画張力調
整剤、湿潤剤、界面活性剤、及び防鎖剤等が挙げられ
る。
【0125】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお以下の記載において、「部」は「重量部」を意味す
る。
【0126】実施例1 本発明のカチオン性の水溶性ポリマーとして、以下のも
のを用意した。
【0127】a)ポリアリルアミン類 a)−1 PAA−HCl (ポリアリルアミン塩酸塩
日東紡製) a)−2 PAS−H (ポリジメチルジアリルアンモ
ニウムクロライド 日東紡製) a)−3 PAS−J (ジアリルジメチルアンモニウ
ムクロライド−アクリルアミド共重合体 日東紡製) b)ジシアンジアミド系縮合物 b)−1 サンフィックス70 (ジシアンジアミドホ
ルマリン縮合物 三洋化成製) b)−2 ネオフィックスRP−70 (ポリアルキレ
ンポリアミンジシアンジアミドホルマリン縮合物 日華
化学製) c)ポリエチレンイミン類 c)−1 エポミンPK (強カチオン性ポリエチレン
イミン 日本触媒製) d)カチオン変性PVA d)−1 ゴーセノールCM−318(カチオン変性P
VA 日本合成化学製) e)カチオン変性PVP e)−1 GAFQUAT HS−100 (カチオン
変性PVP ISP製) f)エピクロルヒドリン誘導体 f)−1 ナルポリ−607 (エピクロルヒドリン−
3級アミン反応物 ナルコケミカル製) f)−2 ポリフィックス601(昭和高分子社製) g)アミノ基置換ナイロン g)−1 AQナイロン A−90 (変性6−ナイロ
ン 東レ製) h)カチオン性ポリ水酸化アルミニウム h)−1 Paho♯2S (ポリ水酸化アルミニウム
浅田化学製) 次に、乾燥固形分の組成が表1に示す組成になるように
インク受容層塗液を調製し、これをバーコーターで両面
をポリエチレンで被覆した樹脂被覆紙に乾燥後の重量が
8g/m2になるように塗布し、乾燥させてインクジェ
ット記録用シートを得た。これらにインクジェットプリ
ンター(デザインジェット650C ヒューレットパッ
カード社製)を用いてイエロー(Y)、マゼンタ
(M)、シアン(C)、ブルー(B)、グリーン
(G)、レッド(R)の各色を、最大濃度及び50%濃
度でプリントした。なおB、G、Rの各色はそれぞれM
とC、YとC、YとMのインクを別々のノズルから重ね
てプリントすることで得た。
【0128】なお、このときの各インクの組成は以下の
通りである。
【0129】 Y:ダイレクトイエロー50(CI.29052) 6部 ジエチレングリコール 47部 水 47部 M:キシレンレッドB(CI.45100) 6部 ジエチレングリコール 47部 水 47部 C:ライトグリーンSF イエロイッシュ 6部 ジエチレングリコール 47部 水 47部 このプリントサンプルを用いてグリーンの最大濃度部分
の均一性及びインクの定着乾燥時間を評価した。最大濃
度部分の均一性は目視でマダラが認められるかどうかを
評価し、乾燥定着時間は上質紙をグリーンの最大濃度部
分に密着させて転写が認められなくなるのに要した時間
で評価した。この結果を表1に示す。
【0130】
【表1】
【0131】
【化17】
【0132】表1及び以下の表において、最大濃度部の
均一性の欄の記号の意味は下記のとおりである。
【0133】◎:肉眼ではマダラ状の濃度ムラは全く認
められない ○:マダラ状の濃度ムラが存在するが、凝視しなければ
認識できない △:一目でマダラ状のムラの存在が認識できるが、実用
上は許容できるレベルである ×:マダラ状のムラが激しく実用上問題である。
【0134】表1より、本発明により、ゼラチンを用い
たインク受容層にインクジェットプリントを行ったとき
の画像の均一性及び乾燥定着時間を大幅に改良できるこ
とが判る。また、用いるカチオンポリマーとしては、ポ
リアリルアミン類、ジシアンジアミド系縮合物、カチオ
ン変性PVP、エピクロルヒドリン誘導体及びカチオン
性ポリ水酸化アルミニウムが特に優れていることが判
る。また、同じカチオン性ポリマーでも、水不溶性のラ
テックスポリマーでは本発明の効果は得られないことが
判る。
【0135】実施例2 インク受容層塗液を塗布する基材に、膜厚100μmの
透明なポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた以
外は実施例1と全く同様に実施した。この結果実施例1
と同様の評価結果を得た。
【0136】実施例3 インクジェットプリンター及びインクを、マッハジェッ
ト700V2C及び専用インク(セイコーエプソン社
製)に代えた以外は、実施例1と全く同様に実施した。
この結果、実施例1と同様の評価結果を得た。
【0137】実施例4 カチオンポリマーとしてa)−1を用い、インク受容層
の乾燥固形分の組成が表2に示すようになるように、実
施例1と同様にしてインクジェット記録用シートを得
た。これらについて実施例1と同様の評価を行った。こ
の結果を表2に示す。
【0138】
【表2】
【0139】表2より、カチオン性ポリマーのゼラチン
に対する比率が少なすぎると、乾燥定着時間、画像の均
一性ともに改良効果が小さく、多すぎると画像の均一性
は改良されるものの、乾燥定着時間の改良効果がなくな
ってしまうことが判る。また、カチオン性ポリマーのゼ
ラチンに対する比率は3〜20%が最も好ましいことが
判る。
【0140】実施例5 カチオン性ポリマーとして、e)−1を用いる以外は実
施例3と全く同様に実施した。この結果を表3に示す。
【0141】
【表3】
【0142】表3より、e)−1を用いた場合、a)−
1と比較してやや多めに用いたほうが好ましいものの、
ほぼ実施例3と同様の評価結果が得られることが判る。
【0143】実施例6 インク受容層の乾燥固形分の組成が表4に示すようにな
るように、実施例1と同様にしてインクジェット記録シ
ートを得た。これらの試料についてマゼンタ(M)及び
シアン(C)のドット径及び乾燥定着時間について評価
を行った。ドット径については50%濃度部を定規付の
顕微鏡で観察して測定した。この結果を表4に示す。
【0144】
【表4】
【0145】表4より、ノニオン性又はアニオン性の水
溶性ポリマーを併用することによりドット径を小さくす
ることができ、解像度の高い画像を得るのに有利である
ことが判る。更にノニオン性又はアニオン性の水溶性ポ
リマーの含有率を適当に調節することにより、乾燥定着
時間を一段と短くできることが判る。
【0146】実施例7 ノニオン性又はアニオン性の水溶性ポリマーをポリビニ
ルアルコール(PVAGL05(日本合成化学製))に
代えた以外は実施例5と全く同様に実施した。この結果
実施例5と同様の評価結果を得た。
【0147】実施例8 実施例1で使用したポリエチレン樹脂被覆紙上に下記の
構成となるように塗布液をバーコート法により塗布し記
録シートを得た。
【0148】 第1層(インク受容層、最下層) 石灰処理ゼラチン 1.2g/m2 PVP-K90 0.8g/m2 第2層(インク受容層) ゼラチン(表5記載) 3.5g/m2 PVP−K90 3.5g/m2 カチオン性の水溶性ポリマー(表5記載) 0.35g/m2 第3層(インク受容層・最上層) ゼラチン(表5記載) 0.8g/m2 PVP−K90 0.32g/m2 ポリエチレングリコール(分子量15万、明成化学製) 0.48g/m2 ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム 16mg/m2 マット剤(ポリメタクリル酸メチルエステル、平均粒径10μm) 0.05g/m2 得られた試料を実施例3と同様のプリント試験を行い、
併せて未プリント部の60℃における光沢度をグロスメ
ータVG−1D型(日本電色工業(株)製)を用いて測
定した。光沢度の評価基準は以下の通りである。
【0149】 ◎:80°以上 極めて良好な光沢度を有する ○:70〜80° 良好な光沢度を有する △:50〜70° 光沢を有するが実用上、許容できる下限である ×:40°未満 全く光沢がない。
【0150】結果を表5に示す。
【0151】
【表5】
【0152】表5より、本発明において酸処理ゼラチン
や、アミノ基不活性ゼラチンを用いることにより、画質
やインク乾燥性が向上するだけでなく表面の光沢性が向
上し、プリント品質が更に向上することが判る。
【0153】実施例9 実施例8の試料No.8−4の作成において、最上層に
前記界面活性剤の例示化合物FA−1及びFK−1を各
々3mg/m2となる様に塗布液を調整した他は同様に
試料と作成し、実施例8と同様の評価を行った。この結
果、インク乾燥性や光沢性は同等であったが、最大濃度
部の均一性が更に向上し、試料No.8−7と同等の画
質が得られた。
【0154】以上の結果より、インク受容層の最上層に
フッ素系界面活性剤を用いることにより、本発明の効果
をより良好に奏することが判る。
【0155】実施例10 インク受容層の乾燥固形分の組成が表6のようになるよ
うに、実施例1と同様の方法でインクジェット記録用シ
ートを得た。また、実施例1で示したインクは、その溶
媒組成が水/ジエチレングリコール=50/50である
が、この溶媒組成を表6に記載するように変化させたイ
ンクを調製した。これらを表6に示す組み合わせで用い
て実施例1と同様に乾燥定着時間を評価した。この結果
を表6に示す。
【0156】
【表6】
【0157】表6より、本発明のカチオン性の水溶性ポ
リマーを用いない場合、水の比率が多いインクを用いた
場合には乾燥定着時間が比較的短いのに対し、高精細プ
リントに必要な有機溶媒の比率の高いインクを用いると
乾燥定着時間が長くなってしまうことが判る。これに対
し本発明のインクジェット記録用シートは、インクの溶
媒の水/有機溶媒の比率に関わらず乾燥定着時間が短
く、高精細プリントに有利であることが判る。
【0158】
【発明の効果】本発明によれば、プリント直後のインク
定着性に優れ、乾燥定着時間が短く、しかも画像の解像
度、均一性に優れたインクジェット記録用シートを提供
することができる。また、本発明によれば、インク定着
性、画像の解像度、均一性に優れ、しかも光透過性に優
れたインク受容層を有するインクジェット記録用シート
を提供することができる。更に本発明によれば、インク
中の水の含有率が低いインクを用いた場合にも、インク
定着性、画像の解像度、均一性に優れたインクジェット
記録用シートを提供することができる。

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゼラチン及び少なくとも1種のカチオン
    性の水溶性ポリマーを基材中又は基材上に設けたインク
    受容層中に含有することを特徴とするインクジェット記
    録用シート。
  2. 【請求項2】 ゼラチンと少なくとも1種のカチオン性
    の水溶性ポリマーとの混合物を基材中又は基材上に設け
    たインク受容層中に含有することを特徴とする請求項1
    記載のインクジェット記録用シート。
  3. 【請求項3】 前記カチオン性の水溶性ポリマーが、下
    記一般式〔1〕、〔2〕又は〔3〕で表される4級アン
    モニウム基を有するポリマー、ポリアリルアミン類、ジ
    シアンジアミド系縮合物、ポリエチレンイミン類、カチ
    オン変性PVA、カチオン変性PVP、エピクロルヒド
    リン誘導体、アミノ基置換ナイロン及びカチオン性ポリ
    水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種である
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット
    記録用シート。 【化1】 〔式中、R1は水素原子又はメチル基を表し、Qは酸素
    原子又は−NH−を表す。R2、R3及びR4は各々メチ
    ル基又はエチル基を表し、同じであっても異なっていて
    もよい。X-はハロゲンイオン、スルホン酸アニオン、
    アルキルスルホン酸アニオン、酢酸アニオン又はアルキ
    ルカルボン酸アニオンを表す。nは2又は3を表す。〕 【化2】 〔式中、R5、R6及びR7は各々メチル基又はエチル基
    を表し、同じであっても異なっていてもよい。X-はハ
    ロゲンイオン、スルホン酸アニオン、アルキルスルホン
    酸アニオン、酢酸アニオン又はアルキルカルボン酸アニ
    オンを表す。nは2又は3を表す。〕 【化3】 〔式中、R8、R9及びR10は各々メチル基又はエチル基
    を表し、同じであっても異なっていてもよい。X-はハ
    ロゲンイオン、スルホン酸アニオン、アルキルスルホン
    酸アニオン、酢酸アニオン又はアルキルカルボン酸アニ
    オンを表す。nは2又は3を表す。〕
  4. 【請求項4】 前記カチオン性の水溶性ポリマーがポリ
    アリルアミン類、ジシアンジアミド系縮合物、カチオン
    変性PVP、エピクロルヒドリン誘導体及びカチオン性
    ポリ水酸化アルミニウムから選ばれる少なくとも1種で
    あることを特徴とする請求項1、2又は3記載のインク
    ジェット記録用シート。
  5. 【請求項5】 ゼラチンと少なくとも1種のカチオン性
    の水溶性ポリマーを疎水性基材上に設けたインク受容層
    中に含有することを特徴とする請求項1〜4の何れか1
    項に記載のインクジェット記録用シート。
  6. 【請求項6】 前記疎水性基材が紙の両面を樹脂で被覆
    してなる樹脂被覆紙であることを特徴とする請求項5記
    載のインクジェット記録用シート。
  7. 【請求項7】 前記樹脂がポリオレフィン樹脂であるこ
    とを特徴とする請求項6記載のインクジェット記録用シ
    ート。
  8. 【請求項8】 前記ポリオレフィン樹脂がポリエチレン
    樹脂であることを特徴とする請求項7記載のインクジェ
    ット記録用シート。
  9. 【請求項9】 前記疎水性基材が透明なポリエステル樹
    脂フィルムであることを特徴とする請求項5記載のイン
    クジェット記録用シート。
  10. 【請求項10】 前記透明なポリエステル樹脂フィルム
    がポリエチレンテレフタレートフィルムであることを特
    徴とする請求項9記載のインクジェット記録用シート。
  11. 【請求項11】 前記インク受容層中の前記カチオン性
    の水溶性ポリマーのゼラチンに対する存在比率が0.1
    〜70wt%であることを特徴とする請求項1〜10の
    何れか1項に記載のインクジェット記録用シート。
  12. 【請求項12】 前記カチオン性の水溶性ポリマーのゼ
    ラチンに対する存在比率が1〜50wt%であることを
    特徴とする請求項1〜11の何れか1項に記載のインク
    ジェット記録用シート。
  13. 【請求項13】 前記カチオン性の水溶性ポリマーのゼ
    ラチンに対する存在比率が3〜20wt%であることを
    特徴とする請求項1〜12の何れか1項に記載のインク
    ジェット記録用シート。
  14. 【請求項14】 該インク受容層中にゼラチン、カチオ
    ン性の水溶性ポリマー及び少なくとも1種の水溶性ポリ
    マーを含有することを特徴とする請求項1〜13の何れ
    か1項に記載のインクジェット記録用シート。
  15. 【請求項15】 前記水溶性ポリマーがポリビニルピロ
    リドン、ポリビニルアルコール及びポリエチレングリコ
    ールから選ばれる少なくとも1種のポリマーであること
    を特徴とする請求項14記載のインクジェット記録用シ
    ート。
  16. 【請求項16】 前記水溶性ポリマーのインク受容層中
    に占める含有率が5〜80wt%であることを特徴とす
    る請求項14又は15記載のインクジェット記録用シー
    ト。
  17. 【請求項17】 前記水溶性ポリマーのインク受容層中
    に占める含有率が20〜60wt%であることを特徴と
    する請求項14、15又は16記載のインクジェット記
    録用シート。
  18. 【請求項18】 前記ゼラチンが酸処理ゼラチンである
    ことを特徴とする請求項1〜17の何れか1項に記載の
    インクジェット記録用シート。
  19. 【請求項19】 前記ゼラチンがアミノ基不活性化ゼラ
    チンであることを特徴とする請求項1〜17の何れか1
    項に記載のインクジェット記録用シート。
  20. 【請求項20】 前記インク受容層が2層以上で構成さ
    れ、該インク受容層の少なくとも最上層にフッ素系界面
    活性剤を含有することを特徴とする請求項1〜19の何
    れか1項に記載のインクジェット記録用シート。
  21. 【請求項21】 前記フッ素系界面活性剤が少なくとも
    1種のアニオン系界面活性剤と少なくとも1種のカチオ
    ン系界面活性剤があることを特徴とする請求項1〜20
    の何れか1項に記載のインクジェット記録用シート。
  22. 【請求項22】 前記インク受容層が2層以上からな
    り、前記カチオン性の水溶性ポリマーが少なくとも最上
    層に隣接する下層に含有されることを特徴とする請求項
    1〜21の何れか1項に記載のインクジェット記録用シ
    ート。
  23. 【請求項23】 請求項1〜22の何れか1項に記載の
    インクジェット記録用シートに、色素を溶解する溶媒の
    組成が水/有機溶媒=3/7〜/3である水溶性インク
    を用いて記録を行うことを特徴とするインクジェット記
    録方法。
  24. 【請求項24】 前記有機溶媒がグリコール類及びピロ
    リドン類から選ばれる少なくとも1種であることを特徴
    とする請求項23記載のインクジェット記録方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0878319A3 (de) * 1997-05-17 1998-12-02 Felix Schoeller jr Foto- und Spezialpapiere GmbH & Co. KG Aufzeichnungsmaterial für das Tintenstrahldruckverfahren
WO2003076203A1 (fr) * 2002-03-08 2003-09-18 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Feuille d'impression a jet d'encre
JP2003285539A (ja) * 2002-03-28 2003-10-07 Konica Corp インクジェット記録方法及び記録画像
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