JP3861345B2 - インクジェット記録用紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水性インクを用いて高い鮮明度のカラー画像の記録を行うインクジェット記録用紙に関し、特に記録後の経時での濃度変化を改良した高鮮明度インクジェット記録用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録は、インクの微小液滴を種々の作動原理により飛翔させて紙などの記録シートに付着させ、画像・文字などの記録を行うものであるが、比較的高速、低騒音、多色化が容易である等の利点を有している。この方式で従来から問題となっていたノズルの目詰まりとメンテナンスについては、インクおよび装置の両面から改良が進み、現在では各種プリンター、ファクシミリ、コンピューター端末等、さまざまな分野に急速に普及している。
【0003】
このインクジェット記録方式で使用されるインクジェット記録用紙(以下、単に記録用紙ともいう)としては、印字ドットの濃度が高く、色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が早く印字ドットが重なった場合に於いてもインクが流れ出したり滲んだりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以上に大きくなく、かつ周辺が滑らかでぼやけないこと等が要求される。
【0004】
特にインク吸収速度が遅い場合には、2色以上のインク液滴が重なって記録される際に、記録用紙上で液滴がハジキ現象を起こしてムラになったり、また、異なる色の境界領域でお互いの色が滲んだりして画質を大きく低下させやすいために、記録用紙としては高いインク吸収性を持たせるようにすることが必要である。
【0005】
これらの問題を解決するために、従来から非常に多くの技術が提案されている。
【0006】
例えば、特開昭52−53012号公報に記載されている低サイズ原紙に表面加工用の塗料を湿潤させた記録用紙、特開昭55−5830号に記載されている支持体表面にインク吸収性の塗層を設けた記録用紙、特開昭56−157号公報に記載されている被履層中の顔料として非膠質シリカ粉末を含有する記録用紙、特開昭57−107878号に記載されている無機顔料と有機顔料を併用した記録用紙、特開昭58−110287号公報に記載されている2つの空孔分布ピークを有する記録用紙、特開昭62−111782号に記載されている上下2層の多孔質層からなる記録用紙、特開昭59−68292号、同59−123696号および同60−18383号公報などに記載されている不定形亀裂を有する記録用紙、特開昭61−135786号、同61−148092号および同62−149475号公報等に記載されている微粉末層を有する記録用紙、特開昭63−252779号、特開平1−108083号、同2−136279号、同3−65376号および同3−27976号等に記載されている特定の物性値を有する顔料や微粒子シリカを含有する記録用紙、特開昭57−14091号、同60−219083号、同60−210984号、同61−20797号、同61−188183号、特開平5−278324号、同6−92011号、同6−183134号、同7−137431号、同7−276789号等に記載されているコロイド状シリカ等の微粒子シリカを含有する記録用紙および特開平2−276671号公報、同3−67684号公報、同3−215082号、同3−251488号、同4−67986号、同4−263983号および同5−16517号公報などに記載されているアルミナ水和物微粒子を含有する記録用紙等多数が知られている。
【0007】
一方、被膜中に空隙を設けることなくインク吸収層のバインダーの膨潤作用でインクを吸収、保持するタイプのインクジェット記録用紙も数多く知られている。
【0008】
例えば、バインダーとしてゼラチン、カゼイン、澱粉、アルギン酸、ポリビニルアルコール、各種の変成ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、プルラン等の親水性バインダーを支持体上に塗布した記録用紙やフィルム等も従来から数多く知られている。
【0009】
これらの記録用紙はインク吸収性が上記空隙を有する記録用紙に比べて劣るものの高い光沢性や光学濃度、鮮明な画像が得られ高画質記録用途として有用である。
【0010】
上記の水溶性インクに適した各種のインクジェット記録用紙においては、色素分子が油剤中に高濃度の微粒子状態で分散されているカラー印画紙等と異なり、色素分子が単独でバインダー中や空隙間に存在するために、印字後に長期間、特に高湿度条件下で保存された際に滲んだりしやすい欠点があった。
【0011】
色素が滲む現象は一般にドットの広がりとして現れる。
【0012】
この色素の耐湿性を改良するために、従来から色素をバインダー中に固定させる種々の方法が提案されている。特に有効な手段は3級または4級の窒素原子を有するポリマーを均一な水溶液としてまたは微粒子ラテックスとして添加する方法、あるいは表面電荷がカチオン性である固体微粒子を用いる方法である。
【0013】
例えば特開昭57−36692号にはゼラチンをバインダーの一部とし塩基性媒染剤を含有する塗布液をインク受容層として原紙やポリエチレンテレフタレートフィルム支持体上に塗布したインクジェット記録用紙が記載されている。
【0014】
特開昭53−49113号には、紙内にポリエチレンイミンを含浸させた水性インキ記録用紙が記載されている。
【0015】
特開昭58−24492号にはカチオンまたはアニオン基を有する電解質ポリマーを有する記録材が記載されている。
【0016】
特開昭63−224988号には、インク受容層内に第1級ないし第3級アミンまたは第4級アンモニウム塩を含有し、インク保持層のpHが2〜8にある被記録材料が記載されている。
【0017】
特開昭63−307979号には、3級または4級窒素原子を有する親水性ポリマー媒染剤と親水性基を有する重合体を含有する層を有するインクジェット記録シートが記載されている。
【0018】
特開昭59−198186号および同59−198188号にはポリエチレンイミンの有機塩基を基材中または基材上の塗工層中に含有させた被記録材料が記載されている。
【0019】
特開昭60−46288号には特定染料を含有するインクとポリアミン等を含有する記録材料を用いたインクジェット記録方法が記載されている。
【0020】
特開昭61−61887号、同61−72581号、同61−252189号および同62−174184号にはポリアリルアミンを含有するインクジェット記録用紙が記載されている。
【0021】
特開昭61−172786号には分子間水素結合を有するポリマー(ゼラチン、ポリエチレンイミン等)と分子間に水素結合性基を有しないポリマー(ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン等)を含有するインクジェット記録材料が記載されている。
【0022】
特開昭63−162275号にはカチオン性ポリマーとカチオン性界面活性剤を支持体上に塗布または含浸させたインクジェット記録用紙が記載されている。
【0023】
特開平6−143798号にはプラスチック支持体上に第4級アンモニウム塩重合物とカチオン変性ポリビニルアルコールを主成分とする染料定着層とその上に設けられた染料透過・インク吸収層を重畳した記録シートが記載されている。
【0024】
更に、特開昭59−20696号、同59−33176号、同59−33177号、同59−96987号、同59−155088号、同60−11389号、同60−49990号、同60−83882号、同60−109894号、同61−277484号、同61−293886号、同62−19483号、同62−198493号、同63−49478号、同63−115780号、同63−203896号、同63−274583号、同63−280681号、同63−260477号、特開平1−9776号、同1−24784号、同1−40371号、同3−133686号、同6−234268号、同7−125411号等にはそれぞれ特定の3級または4級の窒素原子を含有するポリマーまたは化合物をインク受容層中に添加することが記載されている。
【0025】
しかしながら、上記の従来の方法によれば、印字後の水滴付着や水洗などに対するいわゆる耐水性の向上は比較的大きいが、耐湿性の改良幅は比較的小さく、一方で耐光性が低下してしまうものが大半であった。
【0026】
またある種のポリマーはコストが高いという欠点があったり、使用するバインダーとの相溶性が低く良好な塗布ができないか、あるいは少量しか使用できない等の欠点があった。
【0027】
更にアルミナ微粒子やカチオン変性シリカ等の固体微粒子を用いることも知られているが、この場合にも耐水性に対しては比較的効果が大きいものの、耐湿性が不十分であるだけでなく耐光性が低下しやすい欠点がある。
【0028】
印字後のプリントを長期間保存した際に、耐湿性が悪く、色素が滲んでしまうと、単に画質上の鮮鋭性低下するだけでなく、色濃度の上昇や色バランスの大きな崩れを引き起こす。
【0029】
特にカラー画像記録においては、イエロー、マゼンタ、およびシアンの3つの色素が用いられるが、これらの滲みの程度が色素によって一般に異なるために濃度変化と言うよりもむしろ色調の変化という重大な問題を起こしやすい。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の実態に鑑みてなされたものであって、本発明の目的は、印字後、特に高湿下で長期間保存した場合であっても色素の滲みによる濃度変化や色バランスの変動幅を改良したインクジェット記録用紙を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は以下の構成により達成される。
【0032】
1.原紙の両面をポリオレフィンで被覆した不透明支持体の同一側に少なくとも2層のインク吸収性層を有するインクジェット記録用紙において、インク吸収性層全体のJIS−P−8138により測定して得られる不透明度が30%以上であって、不透明支持体に近い側に設けられたインク吸収性層のJIS−P−8138により測定して得られる不透明度が不透明支持体より遠い側のインク吸収性層のJIS−P−8138により測定して得られる不透明度より大きく、且つ、前記インク吸収性層全体の不透明度の70%以上有するインク吸収性層が、不透明支持体から見てインク吸収性層全体の乾燥膜厚の50%以下の距離に局在化しており、更に、不透明支持体から最も離れたインク吸収性層のJIS−P−8138により測定して得られる不透明度が前記インク吸収性層全体の不透明度の20%以下であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
【0033】
2.前記不透明支持体のJIS−P−8138により測定して得られる不透明度が80%以上であることを特徴とする前記1に記載のインクジェット記録用紙。
【0034】
3.前記不透明支持体に近い側に設けられたインク吸収性層が白色顔料を含有することを特徴とする前記1又は2に記載のインクジェット記録用紙。
【0035】
4.前記不透明支持体から最も離れている前記インク吸収性層の不透明度が5%以下であることを特徴とする前記1に記載のインクジェット記録用紙。
【0036】
5.前記白色顔料の屈折率が1.6以上の顔料であることを特徴とする前記3に記載のインクジェット記録用紙。
【0037】
6.前記白色顔料の平均粒径が0.1〜1μmであることを特徴とする前記3又は5に記載のインクジェット記録用紙。
【0038】
7.前記白色顔料が酸化チタン、硫酸バリウム又は酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種の白色顔料であることを特徴とする前記3、5又は6の何れか1項に記載のインクジェット記録用紙
【0039】
8.インク吸収性層が少なくとも3層からなることを特徴とする前記1〜7の何れか1項に記載のインクジェット記録用紙。
【0042】
以下本発明を更に詳細に説明する。
【0043】
本発明のインクジェット記録用紙は、不透明支持体(以下、単に支持体と略す場合もある)の同一側に少なくとも2層のインク吸収性層を有し、インク吸収性層全体としては不透明度が30%以上になるように特徴づけられる。この不透明性は支持体に近い側に設けられたインク吸収性層の光散乱によって主としてもたらされ、支持体より遠い側に設けられるインク吸収性層の不透明度は小さいことが必要である。
【0044】
支持体から離れた側のインク吸収性層の不透明度が高いと印字直後に十分な濃度の画像が得られず、彩度の低い画像しか得られない。
【0045】
一方、支持体に近い側のインク吸収性層の不透明度が小さいと、経時で色素が滲んだ場合に、色濃度の変化が生じてしまい耐湿性を改良するという本発明の効果が得られない。
【0046】
更にインク吸収性層全体が深さ方向に対して比較的均一な不透明性を有する場合も印字直後の濃度や彩度低下が認められ、また、経時での色バランスの変化を防止させるという本発明の効果も少ない。
【0047】
支持体に近い側のインク吸収性層がより高い不透明度を有することによってはじめて本発明の効果が得られる。この理由は必ずしも明確ではないが、以下の理由によるものではないかと推定される。
【0048】
すなわち、印字直後には比較的表面に近いインク吸収性層に相対的により多く色素が分布しているが、長期間の保存に伴ってドットが広がる。その際、色素は横方向に広がるだけでなく、深さ方向、すなわち支持体に近い方向にも広がる。より支持体に近いインク吸収性層に色素が拡散して広がった場合には、本発明のインクジェット記録用紙では支持体に近い側に不透明度の高い層が存在しているために濃度が低下する方向に作用する。
【0049】
従って、横方向に広がることによるドット径の拡大による濃度増加が、深さ方向に色素が広がることによる濃度低下により部分的に相殺されて経時による濃度上昇が抑制されるのではないかと推定される。
【0050】
なお、ここで言う不透明度とは、JIS−P−8138−1976により測定して得られたものであるが、インク吸収性層の不透明度は透明なフィルム支持体(たとえばポリエチレンフタレートフィルム等)に測定すべきインク吸収性層を塗布し、乾燥後に剥離して得た被膜の不透明度の測定等により得られる。
【0051】
本発明のインクジェット記録用紙は、インク吸収性層全体としては不透明度が30%以上である。不透明度自体の上限は特に限定されないが、インク吸収性層の全体膜厚が実際上は制限されることなどから、90%以下が好ましく、より好ましくは70%以下、最も好ましくは60%以下にするのが良い。
【0052】
インク吸収性層の不透明度は主としてインク吸収性層が含有する微粒子を含有させることにより、不透明度を持たせることができるが、その種類や量により適宜コントロールできる。特に好ましくは白色顔料を添加する方法であり、それについては後述する。
【0053】
白色顔料を添加する以外には被膜に亀裂を生じさせる方法、或いはバインダーの相分離を起こすことにより、不透明度を高める事もできるが、特に好ましいのは白色顔料を添加する方法である。
【0054】
本発明のインクジェット記録用紙は支持体が元々不透明支持体であって、印字する側と画像を観測する側が同じ方向になるものである。
【0055】
従来、透明支持体上に透明なインク吸収性層、および白色不透明なインク吸収性層をこの順に塗設し、印字後に印字側とは反対の透明支持体側から観測するインクジェット記録用紙が知られているが本発明のインクジェット記録用紙はこれとは明確に異なるものである。従来知られている上記記録用紙では、インク吸収性層の白色度のみで白さを維持しているために十分な不透明性が得られず色物などが透けてしまいやすい。また、十分な白さや不透明度を稼ぐために白色インク吸収性の膜厚を高めると、インク濃度が低下して彩度の高いカラー画像が得られにくくなる。
【0056】
これに対して、本発明のインクジェット記録用紙は不透明度は元々の支持体が高い不透明度を有しているために、不透明性を有するインク吸収性層の不透明度はそれほど高める必要はない。
【0057】
本発明の不透明支持体の不透明度は80%以上が鮮明な画像を得る上で好ましい。特に90%以上の不透明度を有する支持体が好ましい。
【0058】
支持体の不透明度を80%以上とするためには、支持体の厚みを増したり、白色顔料(例えば、酸化チタン、炭酸カルシウム等)を支持体中に添加したり、或いは紙又はフィルム支持体上に白色顔料を含有する不透明層を設け、これらの厚みを適宜コントロールすることにより達成することができる。
【0059】
紙支持体として、通常100g以上の坪量があれば、80%以上の不透明度が得られるが、特に好ましいのは、90g以上の坪量を有する原紙の上に酸化チタンを50%以上含有する樹脂層を設けた支持体である。
【0060】
本発明のインクジェット記録用紙で用いられる不透明支持体は、例えば紙支持体、不透明プラスチックフィルム支持体、紙の表面をプラスチック樹脂金属板、着色硝子などが挙げられる。
【0061】
不透明支持体はそれ自身がある程度インク吸収性を有する場合であっても本発明の効果は得ることができるが、普通紙や通常のコート紙などのように支持体自身が高い吸水性を有する場合は、色素の支持体中への浸透する割合が多く本発明の効果が得にくいためにあまり好ましくない。好ましい支持体は、JIS−P−8140−1976に記載されたコッブ吸水度が30g/m2以下、特に好ましくは10g/m2以下の不透明支持体である。
【0062】
本発明において好ましい不透明支持体は、キャストコート紙および原紙の両面をポリエチレンなどの疎水性樹脂で被覆した支持体、および白色プラスチックフィルム支持体であり、高光沢性、種々の面質が可能である点、および比較的厚手の高級感のある支持体が低価格で使用できるなどの点からポリエチレン等のポリオレフィンで紙の両面を被覆した支持体が好ましい。
【0063】
本発明で特に好ましく用いられる上記ポリオレフィンで被覆された紙支持体について以下に説明する。
【0064】
そのようなポリオレフィンで両面を被覆した紙支持体は、好ましくは通常、カラー写真で広く知られているように、厚さ90〜200μm(坪量として凡そ50〜200g)の原紙の両面をポリエチレンで被覆したものが好ましい。ポリエチレン被覆層の厚みは、インク吸収性層と裏面側共に、概ね10〜50μm、好ましくは15〜40μmであり、インク吸収性側のポリエチレン層には酸化チタンをポリエチレンに対して好ましくは5〜20重量%、より好ましくは7〜15重量%が含有されたものが支持体の不透明度を高め、高い白さを達成する上で好ましい。
【0065】
インク吸収性層側と裏面のポリオレフィンの厚みは上記範囲内で、インク吸収性層やバック層を設けた状態でのカールを考慮して適宜選択される。
【0066】
紙支持体に用いられる原紙は木材パルプを主原料とし、必要に応じて木材パルプに加えてポリプロピレンなどの合成パルプあるいはナイロンやポリエステルなどの合成繊維を用いて抄紙される。木材パルプとしてはLBKP,LBSP,NBKP,NBSP,LDP,NDP,LUKP,NUKPのいずれも用いることが出来るが短繊維分の多いLBKP,NBSP,LBSP,NDP,LDPをより多く用いることが好ましい。但し、LBSPおよびまたはLDPの比率は10重量%以上、70重量%以下が好ましい。
【0067】
上記パルプは不純物の少ない化学パルプ(硫酸塩パルプや亜硫酸塩パルプ)が好ましく用いられ、又、漂白処理を行って白色度を向上させたパルプも有用である。
【0068】
原紙中には、高級脂肪酸、アルキルケテンダイマー等のサイズ剤、炭酸カルシウム、タルク、酸化チタンなどの白色顔料、スターチ、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール等の紙力増強剤、蛍光増白剤、ポリエチレングリコール類等の水分保持剤、分散剤、4級アンモニウム等の柔軟化剤などを適宜添加することが出来る。
【0069】
抄紙に使用するパルプの濾水度はCSFの規定で200〜500ccが好ましく、また、叩解後の繊維長がJIS−P−8207に規定される24メッシュ残分重量%と42メッシュ算分の重量%との和が30乃至70%が好ましい。なお、4メッシュ残分の重量%は20重量%以下であることが好ましい。
【0070】
原紙の坪量は30乃至250gが好ましく、特に50乃至200gが好ましい。原紙の厚さは40乃至250μmが好ましい。
【0071】
原紙は抄紙段階または抄紙後にカレンダー処理して高平滑性を与えることも出来る。原紙密度は0.7乃至1.2g/m2(JIS−P−8118)が一般的である。更に原紙剛度はJIS−P−8143に規定される条件で20乃至200gが好ましい。
【0072】
原紙表面には表面サイズ剤を塗布しても良く、表面サイズ剤としては前記原紙中添加できるサイズと同様のサイズ剤を使用できる。
【0073】
原紙のpHはJIS−P−8113で規定された熱水抽出法により測定された場合、5〜9であることが好ましい。
【0074】
原紙表面および裏面はを被覆するポリオレフィンとしてはポリエチレンが特に好ましいが、主として低密度のポリエチレン(LDPE)および/または高密度のポリエチレン(HDPE)であるが他のLLDPEやポリプロピレン等も一部使用することが出来る。
【0075】
上記ポリオレフィン被覆紙は光沢紙として用いることも、また、ポリオレフィンを原紙表面上に溶融押し出してコーティングする際にいわゆる型付け処理を行って通常の写真印画紙で得られるようなマット面や絹目面を形成した物も本発明で使用できる。
【0076】
更に上記ポリオレフィン被覆紙支持体は以下の特性を有していることが好ましい。
【0077】
▲1▼引っ張り強さ:JIS−P−8113で規定される強度で縦方向が2乃至30Kg、横方向が1乃至20Kgであることが好ましい、
▲2▼引き裂き強度:JIS−P−8116による規定方法で縦方向が10乃至200g,横方向が20乃至200gが好ましい、
▲3▼圧縮弾性率≧103Kgf/cm2
▲4▼表面ベック平滑度:JIS−P−8119に規定される条件で200秒以上、特に1500秒以上が光沢面としては好ましいが、いわゆる型付け品ではこれ以下であっても良い、
▲5▼不透明度:JIS−P8138に規定される方法で測定した時に85%以上、特に90%以上が好ましい。
【0078】
本発明のインクジェット記録用紙用のポリオレフィン被覆紙支持体としては、通常カラー印画紙用として一般的に用いられる支持体が特に好ましい。
【0079】
本発明のインクジェット記録用紙においては、支持体に近い側に設けられたインク吸収性層が白色顔料を含有することが好ましい。
【0080】
かかる白色顔料としては、例えば、各種の無機または有機の固体微粒子が用いられる。
【0081】
この目的で用いられる無機微粒子としては、例えば軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、水酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、ハイドロタルサイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、水酸化マグネシウム等の白色無機顔料等を使用する事が出来る。
【0082】
その様な無機微粒子は、1次粒子のままでバインダー中に均一に分散された状態で用いられることも、また、2次凝集粒子を形成してバインダー中に分散された状態で添加されても良い。
【0083】
一方有機微粒子の例としては、例えばポリスチレン、ポリアクリル酸エステル類、ポリメタクリル酸エステル類、ポリアクリルアミド類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、またはこれらの共重合体、尿素樹脂、またはメラミン樹脂等が挙げられる。
【0084】
白色顔料の含有量は、屈折率や粒径によって変わるが、おおむね記録用紙1m2当たり0.1〜10g、好ましくは0.2〜5gである。
【0085】
本発明で好ましい白色顔料は屈折率が1.6以上の白色顔料である。そのような高屈折率白色顔料は少量で目的とする不透明度が得られ、コスト的にも、またドットの真円度にも悪影響を与えることが少ないので好ましい。
【0086】
上記白色顔料は平均粒径が通常0.05〜2μmのものが用いられるが、安定性や光沢性への影響が小さいことなどから特に0.1〜1μmのものが好ましく、特に0.2〜0.5μmのものが最も好ましい。
【0087】
上記白色顔料の中でも本発明においては、酸化チタン、硫酸バリウム又は酸化亜鉛が特に好ましく、酸化チタンが最も好ましい。
【0088】
支持体から離れた位置に不透明性の高いインク吸収性層が存在すると滲みの程度が少ない段階で濃度低下が生じやすくなり、滲みによる濃度上昇と相殺する形で濃度低下を起こさせることが重要と推定されるために特に、インク吸収性層の不透明度が主として上記白色顔料により得られる場合には、該白色顔料を含有するインク吸収性層が、支持体に近い特定のインク吸収性層で主としてして達成される、すなわち、不透明化層が支持体に近いインク吸収性層に局在化しているのが好ましい。
【0089】
特にインク吸収性層全体の不透明度の70%以上有するインク吸収性層が、支持体から見てインク吸収性層全体の乾燥膜厚の50%以下の距離の位置に局在化していることが好ましい。
【0090】
本発明のインクジェット記録用紙においては、印字直後の濃度低下を最小限とするために、支持体から最も離れているインク吸収性層(最上層)の不透明度はインク吸収性層全体の不透明度の20%以下であることが好ましい。
【0091】
最上層のインク不透明度が高くなることにより反射濃度が低下し、カラー画像の鮮明度が低下してくる。特に好ましい最上層の不透明度は5%以下である。
【0092】
本発明のインクジェット記録用紙はインク吸収性層が3層以上からなることもでき、4〜6層であることもできる。
【0093】
本発明のインクジェット記録用紙に用いられる親水性バインダーとしては、ゼラチンまたはゼラチン誘導体、ポリビニルピロリドン(平均分子量が約20万以上が好ましい)、プルラン、ポリビニルアルコールまたはその誘導体(平均分子量が約1万以上が好ましい)、ポリエチレンオキサイド(平均分子量が5万以上が好ましい)、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、デキストラン、デキストリン、ポリアクリル酸およびその塩、寒天、κ−カラギーナン、λ−カラギーナン、ι−カラギーナン、キサンテンガム、ローカストビーンガム、アルギン酸、アラビアゴム、プルラン、特開平7−195826号および同7−9757号に記載のポリアルキレンオキサイド系共重合性ポリマー、水溶性ポリビニルブチラール、あるいは、特開昭62−245260号に記載のカルボキシル基やスルホン酸基を有するビニルモノマーの単独またはこれらのビニルモノマーを繰り返して有する共重合体等のポリマーを挙げることができる。これらの親水性バインダーは単独で使用しても良く、2種以上を併用しても良い。
【0094】
上記親水性バインダーの使用量は概ね1〜20g、好ましくは2〜15gである。
【0095】
本発明のインクジェット記録用紙のインク受容性層側の任意の層中には、必要に応じて各種の添加剤を含有させることが出来る。
【0096】
例えば、特開昭57−74193号公報、同57−87988号公報及び同62−261476号公報に記載の紫外線吸収剤、特開昭57−74192号、同57−87989号公報、同60−72785号公報、同61−146591号公報、特開平1−95091号公報及び同3−13376号公報等に記載されている退色防止剤、アニオン、カチオンまたはノニオンの各種界面活性剤、特開昭59−42993号公報、同59−52689号公報、同62−280069号公報、同61−242871号公報および特開平4−219266号公報等に記載されている蛍光増白剤、硫酸、リン酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のpH調整剤、消泡剤、ジエチレングリコール等の潤滑剤、防腐剤、増粘剤、硬膜剤、帯電防止剤、マット剤等の公知の各種添加剤を含有させることもできる。
【0097】
硬膜剤としては無機または有機の硬膜剤を使用することが出来る。このような硬膜剤は親水性バインダーが含有するヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基またはイミノ基などと反応し得る基を有する化合物であり、例えばクロムみょうばん、ホルムアルデヒド、グリオキザール、エポキシ系化合物、ビニルスルホン系化合物、アクリロイル系化合物、s−トリアジン系化合物、N−メチロール系化合物、カルボジイミド系化合物、およびエチレンイミノ系化合物等を使用することが出来る。
【0098】
本発明のインクジェット記録用紙におけるインク記録面側の塗布固形分の量は特に制限はないが、概ね5〜60g/m2が好ましく、10〜40g/m2がより好ましい。なお、記録画像形成後のカールの防止という面からは、なるべく薄く形成するのが良い。
【0099】
本発明のインク記録面側の任意の構成層中には、画像の耐水化剤として特開昭56−84992号公報のポリカチオン高分子電解質、特開昭57−36692号公報の塩基性ラテックスポリマー、特公昭64−15744号公報、特開昭61−58788号公報、同62−174184号公報等記載のポリアリルアミン、特開昭61−47290号公報記載のアルカリ金属弱酸塩等を一種以上用いることができる。
【0100】
本発明のインクジェット記録用紙のインク吸収性層は、親水性バインダーが膨潤または溶解してインクを吸収・保持するいわゆる膨潤型のインクジェット記録用紙として、あるいは、インク吸収性層が層内に空隙を有し、この空隙内にインクを吸収させるいわゆる空隙型のインクジェット記録用紙、あるいはこれらの両者の混合型として実現される。
【0101】
本発明が上記膨潤型である場合、インク吸収性層は前記親水性バインダーの主体的な構成物になる。この場合、親水性バインダーとしてはゼラチンまたはゼラチン誘導体を主体とする親水性バインダーが好ましく用いられる。
【0102】
好ましく用いられるゼラチンとしては通常のアルカリ処理ゼラチンおよび酸処理ゼラチンを用いることが出きる。そのようなゼラチンの等電点は通常は9〜5の範囲のものを適宜選択して用いることが出きる。
【0103】
ゼラチン誘導体は上記アルカリ処理または酸処理ゼラチンのアミノ基またはイミノ基を無水フタル酸等の酸無水物やフェニルイソシアネート等のイソシアネート類等により反応させ、アミノ基およびイミノ基の少なくとも一部を不活性化させたゼラチンが好ましい。
【0104】
上記ゼラチンまたはゼラチン誘導体と組み合わせて用いられる親水性バインダーとしては、ポリビニルアルコールまたはその誘導体、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンオキサイド、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等が好ましい親水性バインダーとして挙げられる。
【0105】
上記親水性バインダーの使用量は膨潤型インクジェット記録用紙の場合には、概ね5〜20g、好ましくは7〜15gである。
【0106】
本発明のインクジェット記録用紙が空隙型である場合には、空隙の形成によりインク吸収性層の不透明度が必要以上に高くならないようにするのが高い色素濃度と鮮明度を得る上から好ましい。
【0107】
空隙型のインク吸収性層で特に好ましいインク吸収性層は超微粒子と親水性バインダーとの軟凝集により空隙が形成されるものである。
【0108】
上記軟凝集による空隙形成は、平均粒径が約0.1μm程度以下の固体微粒子を親水性バインダーを含有する塗布液調整時または被膜形成時に親水性バインダーと固体微粒子間の軟凝集を移用し2次粒子または3次元構造を形成して空隙を作成する方法である。これによる空隙形成は、多孔質微粒子を使用する方法、あるいは親水性バインダーに対して概ね等量以上の容量の微粒子固体粒子を含有して微粒子間に空隙を形成する方法に比べてインク吸収性の不透明度が低く高い鮮明度の高いカラー画像が得られることから好ましい方式である。
【0109】
上記膨潤型と空隙型は組み合わせて適用できる。例えば下層に膨潤性インク吸収性層を、上層に空隙型インク吸収性層を配置する方式、あるいはこの逆に下層に空隙型インク吸収性層を、上層に膨潤型のインク吸収性層を配置する方式があるが、空隙型インク吸収性層が前記軟凝集型である場合には後者が好ましい。
【0110】
本発明で好ましく用いられる軟凝集を形成して空隙構造を被膜中に形成する方法は、好ましくは親水性バインダーを含有する水溶液中に分散状態にある1次超微粒子が、接触点が比較的制限された状態でお互いに凝集し合う状態を経由して形成される。
【0111】
このような軟凝集構造は直線的もしくは分岐状に凝集体を形成したものが水溶液中に分散された状態や、あるいはこれらの凝集体が更に凝集し合って水溶液中で3次元網目構造をとる状態が含まれる。
【0112】
いずれの場合であっても、この水溶液を支持体上に塗布乾燥することによって、形成された被膜中に微細な空隙構造を形成することが出来る。
【0113】
この様にして得られた被膜中の微細な空隙の大きさは、概ね1次粒子の大きさからそれらの数倍程度の大きさであり、微細な大きさの空隙である特徴がある。
【0114】
この様な軟凝集構造を形成する方法としては、例えば1次粒子がお互いに凝集しにくく、安定に存在できるような親水性バインダーを含有する水溶液中に、粒子の凝集を加速するような親水性ポリマーを極微量添加して僅かに凝集を形成する方法、あるいは1次粒子表面と弱い結合が出来るような水溶性バインダーを有する水溶液中で形成される。
【0115】
本発明では、特に、後者の方法が空隙の量を比較的コントロールしやすく安定に形成しやすいこと、使用する微粒子の量に比較してより多い空隙量が得られる事、さらには被膜の光沢性がより高い被膜が得られることから好ましい。
【0116】
後者の方法により空隙を形成する場合、1次粒子の粒径としては概ね0.005〜0.05μmの1次粒子を用いることがより高い光沢性が得られることから好ましい。
【0117】
上記において、無機微粒子としては、例えば、シリカ、珪酸マグネシウムや珪酸カルシウム等の珪酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化亜鉛、合成ヘクトライト等各種スメクタイト粘土(例えば特開平7−81210号および同6−184998号公報などに記載された粘土)等が挙げられるが好ましくは粒子表面がアニオン性の平均粒径が5〜20nmの微粒子シリカ、特に好ましくは気相法により得られる微粒子シリカである。
【0118】
また、親水性バインダーとしては、従来公知の各種親水性バインダーが用いられるが特に好ましいのは平均重合度が約1500以上のポリビニルアルコールである。
【0119】
本発明で特に好ましいのは微粒子シリカを1次粒子として使用し、親水性バインダーとしてポリビニルアルコールを用いる場合である。この場合、微粒子シリカ表面のシラノール基とビニルアルコールの水酸基が弱い水素結合を行い、軟凝集体が形成される。
【0120】
前記親水性バインダーと前記無機固体微粒子の比率は、重量比で概ね1:15〜1:1であり、好ましくは1:10〜1:2の範囲である。
【0121】
ポリビニルアルコールと微粒子シリカを用いて軟凝集体を含有する被膜を形成する場合についてその方法の例について以下に説明する。
【0122】
pHを6〜8、温度約40℃に保ったポリビニルアルコール水溶液(概ね3〜15%)中に、シリカ微粒子分散液(概ね5〜15%)を強撹拌しながら徐々に添加し、添加終了後に超音波分散機や高速ホモジナイザーなどにより分散する。この場合必要に応じて各種の界面活性剤やメタノール、アセトン、酢酸エチルなどの水混和性の有機溶媒を使用するのは均一な塗布液を調製する上で好都合である。
【0123】
ついで、各種の添加剤を添加後、塗布に必要な粘度に調整して支持体上に公知の方法で塗布し乾燥することで上記空隙を有する被膜が得られる。
【0124】
上記軟凝集形成による空隙層は、高い空隙率を被膜の脆弱性を劣化させずに得るために、前記親水性バインダーが硬膜剤により硬膜されていることが好ましい。
【0125】
硬膜剤は、一般的には前記親水性バインダーと反応し得る基を有する化合物あるいは親水性バインダーが有する異なる基同士の反応を促進するような化合物であり、親水性バインダーの種類に応じて適宜選択して用いられる。
【0126】
硬膜剤の具体例としては、例えば、エポキシ系硬膜剤(ジグリシジルエチルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ジグリシジルシクロヘキサン、N,N−ジグリシジル−4−グリシジルオキシアニリン、ソルビトールポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル等)、アルデヒド系硬膜剤(ホルムアルデヒド、グリオキザール等)、活性ハロゲン系硬膜剤(2,4−ジクロロ−4−ヒドロキシ−1,3,5−s−トリアジン等)、活性ビニル系化合物(1,3,5−トリスアクリロイル−ヘキサヒドロ−s−トリアジン、ビスビニルスルホニルメチルエーテル等)、ほう酸およびその塩、ほう砂、アルミ明礬等が挙げられる。
【0127】
特に好ましい親水性バインダーとしてポリビニルアルコールおよびまたはカチオン変性ポリビニルアルコールを使用する場合には、ほう酸およびその塩、およびエポキシ系硬膜剤から選ばれる硬膜剤を使用するのが好ましい。
【0128】
最も好ましいのはほう酸およびその塩から選ばれる硬膜剤である。
【0129】
本発明で、ほう酸またはその塩としては、硼素原子を中心原子とする酸素酸およびその塩のことを示し、具体的にはオルトほう酸、二ほう酸、メタほう酸、四ほう酸、五ほう酸、および八ほう酸およびそれらの塩が含まれる。
【0130】
上記硬膜剤の使用量は親水性バインダーの種類、硬膜剤の種類、無機微粒子の種類や親水性バインダーに対する比率等により変化するが、概ね親水性バインダー1g当たり1〜200mg,好ましくは5〜100mgである。
【0131】
本発明のインクジェット記録用紙は最大インク量が記録用紙1m2当たり20ml/m2以上であるようなインクジェット記録方法において特に本発明の効果が著しい。
【0132】
本発明で言う水性インクとは、下記着色剤及び液媒体、その他の添加剤から成る記録液体である。着色剤としてはインクジェットで公知の直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料あるいは食品用色素等の水溶性染料が使用できる。
【0133】
水性インクの溶媒としては、水及び水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリエタノールアミン等の多価アルコール類;エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類等が挙げられる。
【0134】
これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコール、トリエタノールアミンやグリセリン等の多価アルコール類、トリエチレングリコールモノブチルエーテルの多価アルコールの低級アルキルエーテル等は好ましいものである。
【0135】
その他の水性インクの添加剤としては、例えばpH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤、等が挙げられる。
【0136】
水性インクは記録用紙に対する濡れ性が良好にするために、20℃において、25〜50dyn/cm、好ましくは30〜40dyn/cmの範囲内の表面張力を有するのが好ましい。
【0137】
【実施例】
以下に本発明の実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
【0138】
なお、実施例中で「%」は特に断りのない限り絶乾重量%を示し、添加量は各々インクジェット記録用紙1m2当たりの量を示す。
【0139】
実施例−1
170g/m2の原紙のインク吸収性側を13重量%のアナターゼ型二酸化チタン含有する40μmのポリエチレン層で、また、裏面側を35μmのポリエチレン被覆したポリエチレン被覆紙支持体上の、裏面側にバック層としてアクリル酸エステル系樹脂および微粒子シリカを含有する層を設けた。一方インク吸収性層側に下記の層構成からなるインク吸収性層を設けたインクジェット記録用紙−1を作製した。
【0140】
尚ここで使用したポリエチレン被覆紙支持体の不透明度は96.5%であった。
【0141】
【0142】
【化1】
【0143】
塗布は各塗布液をスライドホッパー塗布方式で3層同時重層塗布を行った。
【0144】
各塗布液は35℃で重畳し、塗布直後に約0〜5℃の風を約10秒間当てて冷却セットさせた後、20〜50℃の範囲の風で3分間で急速乾燥した。
【0145】
得られた記録用紙の切片を顕微鏡で観測した結果、第1層は約3μm、第2層は約6.5μm、第3層は約4μmであった。
【0146】
一方、インクジェット記録用紙−1において、第1層に表1に示した白色顔料を添加した以外はインクジェット記録用紙−1と同様にしてインクジェット記録用紙−2〜7を作製した。
【0147】
更に比較試料として、インクジェット記録用紙−1において第3層(最上層)に白色顔料として酸化チタンを0.6g添加したインクジェット記録用紙−8、第1層、第2層および第3層に酸化チタンを添加(第1層:0.1g、第2層:0.2g、第3層:0.3g)したインクジェット記録用紙−9を作製した。
【0148】
記録用紙−2〜9の層構成(膜厚)は記録用紙−1とほぼ同等であった。
【0149】
なお、各々の記録用紙を作製するのに使用した塗布液を透明なポリエチレンテレフタレートフィルム支持体上に塗布し、乾燥後剥離した被膜について不透明度を測定した結果を表1に示す。不透明度は各層の不透明度および、第1〜第3層を有する被膜について測定した。
【0150】
得られた各々のインクジェット記録用紙について、セイコーエプソン株式会社製インクジェットプリンターMJ−5000Cを用い、以下の項目の評価を行った。
【0151】
(1)最高濃度:イエロー、マゼンタ、およびシアンのベタ印字を行い、反射濃度をそれぞれ青、緑、および赤の単色光にて測定した。
【0152】
(2)経時保存時の色バランス:イエロー、マゼンタ、およびシアンの各印字濃度を調節して、見かけ上ニュートラルに近い色調を与える条件で、反射濃度が1.0付近のニュートラルパッチが得られる条件で印字し、その色度座標を求めた。ついで、23℃、相対湿度80%で1ヶ月間保存し同様に色度座標を求め、色差の変化を求めた。
【0153】
色度座標は、JIS−Z−8722に規定された方法で測定し、JIS−Z−8730に規定された方法で表示した場合の、
【0154】
【数1】
【0155】
に従って求められる。
【0156】
結果を表2に示す。
【0157】
【表1】
【0158】
【表2】
【0159】
表1、2の結果から、本発明のインクジェット記録用紙−3、5、7は最高濃度が比較記録用紙−1と同等であり、高い鮮明度を有している。これに対して、第3層に酸化チタンを添加した記録用紙−8は最高濃度が大きく低下している。また、第1層から第3層の順に徐々に不透明度が増大するインクジェット記録用紙−9でも同様に最高濃度が低下している。
【0160】
一方、印字後の滲みによる色バランス変化(ΔE)は下層に酸化チタンなどの白色顔料を添加することにより改善されていることがわかる。
【0161】
実施例−2
実施例−1で作製したインクジェット記録用紙−3において、酸化チタンを第1層に0.2g及び第2層に0.4g添加した以外は記録用紙−3と同様にしてインクジェット記録用紙−11を作製した。
【0162】
更に、インクジェット記録用紙−11において、酸化チタンを第1層に0.4g及び第2層に0.2g添加した以外は記録用紙−3と同様にしてインクジェット記録用紙−12を作製した。
【0163】
得られた記録用紙を実施例−1に記載の方法で評価し、表3、4に示す結果を得た。
【0164】
【表3】
【0165】
【表4】
【0166】
表3、4の結果から、インク吸収性層全体の不透明度の70%以上を有する層が、支持体から見てインク吸収性層全体の膜厚の50%以下の距離に局在化していない記録用紙−11は、ΔEの改良効果が記録用紙−3に比べて若干低下する。これは経時での濃度低下が大きくなったためと推定される。
【0167】
実施例−3
実施例−1で作製した記録用紙−1、3、8において、第1層および第2層のフェニルカルバモイル化ゼラチンと第3層に使用したアルカリ処理ゼラチンをいずれも当重量の酸処理ゼラチン(等電点=8.4)に変更し、更に染料媒染剤として下記のカチオン性ポリマーを0.2g(第1層)、0.3g(第2層)および0.3g(第3層)に添加した以外は記録用紙−1、3と同様にしてインクジェット記録用紙−21、22、28を作製した。得られた結果について表5、6に示す。
【0168】
【化2】
【0169】
【表5】
【0170】
【表6】
【0171】
表5、6の結果から、染料媒染剤を添加した場合、記録用紙−21は若干ΔEが改善されているが、不十分である。これに対して本発明の記録用紙−22は反射濃度を低下させることなく良好な色バランスが経時で維持されることがわかる。
【0172】
実施例−4
実施例−1で使用したポリエチレンで両面を被覆した紙支持体の酸化チタン含有ポリエチレン層上に以下の組成からなる層を順次塗設して記録用紙−31を作製した。
【0173】
得られた記録用紙の切片を顕微鏡で観測した結果、第1層は約11μm、第2層は約32μmであった。この記録用紙は微粒子シリカとポリビニルアルコールの軟凝集形成による空隙構造を有する記録用紙で、表面光沢度は60度光沢が52%であった。
【0174】
次に上記記録用紙−31の第1層中に酸化チタン(実施例−1で使用したのと同じ)を0.2g添加した以外は記録用紙−31と同様にして記録用紙−32を作製した。
【0175】
得られた記録用紙を実施例−1と同様にして評価した。結果を表7、8に示す。
【0176】
【表7】
【0177】
【表8】
【0178】
表7,8の結果から、インク吸収性層が空隙型構造をとっている場合でも本発明の効果が得られることがわかる。
【0179】
【発明の効果】
本発明によるインクジェット記録用紙は印字後、特に高湿下で長期間保存した場合であっても色素の滲みによる濃度変化や色バランスの変動幅を改良した優れた効果を有する。
Claims (8)
- 原紙の両面をポリオレフィンで被覆した不透明支持体の同一側に少なくとも2層のインク吸収性層を有するインクジェット記録用紙において、インク吸収性層全体のJIS−P−8138により測定して得られる不透明度が30%以上であって、不透明支持体に近い側に設けられたインク吸収性層のJIS−P−8138により測定して得られる不透明度が不透明支持体より遠い側のインク吸収性層のJIS−P−8138により測定して得られる不透明度より大きく、且つ、前記インク吸収性層全体の不透明度の70%以上有するインク吸収性層が、不透明支持体から見てインク吸収性層全体の乾燥膜厚の50%以下の距離に局在化しており、更に、不透明支持体から最も離れたインク吸収性層のJIS−P−8138により測定して得られる不透明度が前記インク吸収性層全体の不透明度の20%以下であることを特徴とするインクジェット記録用紙。
- 前記不透明支持体のJIS−P−8138により測定して得られる不透明度が80%以上であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
- 前記不透明支持体に近い側に設けられたインク吸収性層が白色顔料を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用紙。
- 前記不透明支持体から最も離れている前記インク吸収性層の不透明度が5%以下であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用紙。
- 前記白色顔料の屈折率が1.6以上の顔料であることを特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録用紙。
- 前記白色顔料の平均粒径が0.1〜1μmであることを特徴とする請求項3又は5に記載のインクジェット記録用紙。
- 前記白色顔料が酸化チタン、硫酸バリウム又は酸化亜鉛から選ばれる少なくとも1種の白色顔料であることを特徴とする請求項3、5又は6の何れか1項に記載のインクジェット記録用紙。
- インク吸収性層が少なくとも3層からなることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のインクジェット記録用紙。
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