JP4014365B2 - 顔料インク用インクジェット記録用紙 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクを用いて記録するインクジェット記録用紙に関するものであり、特に顔料インクの記録に適したインクジェット記録用紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、インクジェットプリンターやプロッターの目ざましい進歩により、フルカラーでしかも高精細な画像が容易に得られるようになってきた。
【0003】
インクジェット記録方式は、種々の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録シートに付着させ、画像・文字等の記録を行なうものである。インクジェットプリンターやプロッターはコンピューターにより作成した文字や各種図形等の画像情報のハードコピー作成装置として、種々の用途に於いて近年急速に普及している。特に多色インクジェット方式により形成されるカラー画像は製版方式による多色印刷やカラー写真方式による印画に比較しても遜色のない記録を得ることが可能であり、更に作成部数が少ない用途に於いては、印刷技術や写真技術によるよりも安価で済むことから広く応用されつつある。
【0004】
さらに、用途の多様化に伴い、大判のポスターやPOPアート、製図用途に使用されることが多くなってきている。これら用途ではインクジェットの高鮮鋭性を活かせ、色彩性も優れていることから、良好な画像を得ることが可能であり、宣伝効果が大きいものとなる。これらへの適用はパーソナルコンピュータレベルで、鮮鋭性や色彩性といった画像再現性や色再現性に優れた画像を簡単に得ることが可能であるためであり、インクジェット記録用紙を多用する理由ともなっている。
【0005】
これらインクジェット記録装置の高性能化や用途の多様化により、インクジェット記録に対するニーズは高まっており、その結果記録装置或いは用紙に求められる特性も要求もかなり高度になってきている。例えば、大判ポスターやPOPアート、また写真画像を出力する用途の場合、その用途が屋内外の展示や個人の記録保存といったものであるため、従来以上に画像の耐候性、画像保存性が求められるようになっている。このような要望に対し、インク及び用紙の改良が進んでおり、従来よりはかなり良好な保存性が得られるようになってきている。しかしながら、特に耐光性に関しては未だ銀塩写真のレベルには到達しておらず、要求が満たされていないのが現状である。
【0006】
このような要求を満たすために、最近では顔料タイプのインクが使用されるようになってきている。顔料インクは光劣化も少なく、水によって再溶解しないため、染料タイプのインクよりも耐候性、画像保存性が向上することが知られている。しかし、インク中の色材顔料は染料と異なり媒体に不溶であるため、インク中の色材顔料を安定に分散させる必要があり、インク中の色材顔料の比率を容易に上げられない。また、染料インクのように着色効率が高くなく、鮮明な発色を得にくい。よって画像形成に使用されるインク量は染料インクに比べて多くなる傾向にあり、特にインク量の多い重色部間の境界滲み(ブリーディング)が発生する。
【0007】
そのため、用紙に対する要求も必然的に高まってきている。顔料インクの吸収性を向上させる方法として、支持体上に塗設するインク受理層を厚くすることが考えられる。この方法でインク吸収性は改善されるが、インクが原紙方向に深く浸透するため、発色性が低下する。前述したように顔料インクの場合、染料インクと比較して鮮明な発色を得にくいため、インクが深く浸透すると発色性は著しく低下してしまう。
【0008】
発色性向上のために、染料インク同様インク定着剤と呼ばれるカチオン性ポリマーを使用することも考えられるが、染料インクの場合とは異なり、十分な定着効果を得られず、結果として良好な発色性及びブリーディングの向上を得ることは難しい。
【0009】
また、インク受理層表面を平滑或いは鏡面処理し、光沢が付与されたインクジェット記録用紙に顔料インクで印字した場合、その表面平滑性のためインク中の色材顔料がインク受理層中に入り込めず、吸収性が低下する。
【0010】
このような光沢が付与されたインクジェット記録用紙の吸収性を向上させる方法として、用紙の再表面処理が考えられる。具体的には、表面に凹凸を設ける等の方法である。しかしながらこれら方法では、表面光沢の低下といった問題が発生する。よって有効な手段とは言い難く、上述したような課題すべてを満足する品質を得ることは難しかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、顔料インクで印字した際の発色性・インク吸収性及び重色間のブリーディングが良好なインクジェット記録用紙を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
支持体の少なくとも片面に、白色顔料及びバインダーを含有するインク受理層を一層以上もうけてなるインクジェット記録用紙において、該支持体に塩化バリウム、硫酸銅、硫酸鉄、塩化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種以上の水溶性多価金属塩を含有することにより、本課題を解決するに至った。
【0014】
更に、該支持体が紙であり、該水溶性多価金属塩を含浸もしくは塗工により付与する事が有効である。
【0015】
該水溶性金属塩は、該支持体の少なくとも片面に0.35g/m2以上含有することでその効果は確実なものとなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のインクジェット記録用紙を詳細に説明する。
【0017】
本発明者らは、顔料インク適性を向上させる方法として、顔料インク中の溶媒と色材顔料とを分離し、インク中の色材顔料をインク受理層表面近傍に分布させ、溶媒分を下層に浸透させることで、吸収性と発色性及びブリーディングの改善が可能であると考えた。
【0018】
そこで本発明者らは顔料インクの顔料あるいは分散剤に作用してインク中の色材顔料を凝集、固着し、色材顔料成分と溶媒分を濾別する手法及び物質に関し鋭意検討した結果、特定の多価金属塩を支持体に含有せしめることで、顔料インクの吸収性や発色性及び重色部のブリーディングが飛躍的に向上した、顔料インクの記録に適したインクジェット記録用紙を作製できることを見いだした。
【0019】
水溶性インクの吸収性・発色性及び重色部のブリーディングを向上させる方法として、カチオン性樹脂の適用が従来公知である。しかしながら顔料インクに対しては、染料インクへ作用する場合と異なりカチオン性樹脂の効果は余り高くない。また、インクの吸収性及び重色部のブリーディングを向上させる方法としてインク受理層を厚く設ける事が考えられるが、吸収性向上に伴うインク自体の受理層中への浸透が発生し、鮮明な発色が得られなくなり、受理層自体の強度低下も発生する。すなわち、染料インクに有効なカチオン性樹脂の適応やインク受理層の厚膜化は、顔料インクの吸収性・発色性及び重色部のブリーディングの向上には効果的ではない。
【0020】
本発明のインクジェット記録用紙による顔料インク適性の改善は、支持体中に含有する多価金属塩が、顔料インク中の色材顔料分散剤に作用することで、インク中の色材顔料成分を塗層表面近傍に定着させ、インク溶媒分と濾別し、濾別された溶媒分を下層が吸収することにより達成される。
【0021】
本発明において該多価金属塩が有効に作用するインクは色材顔料、アニオン系分散剤、水を含んでなる顔料インクである。本発明者らが水溶性多価金属塩の作用に関して鋭意検討した結果、ノニオン或いはカチオン系分散剤を使用した顔料インクに対しては該金属塩のインク凝集効果が認められず、アニオン系分散剤のみに作用することが確認された。このことからも、上述した金属塩の作用が裏付けられ、この作用が顔料インク適性を向上させていると考えられる。
【0022】
本発明において適用される水溶性金属塩は多価金属塩である。2価以上の水溶性金属塩であれば特に問題なく使用できるが、これがNaやKといった1価金属塩の場合、顔料インクへの作用が低く、多価金属塩と同等の効果を引き出すためには多量に使用する必要があり、結果として塗液の特性やインクジェット記録用紙としての特性に影響をもたらすため現実的でない。
【0023】
また本発明において適用される水溶性多価金属塩は、2価以上の水溶性金属塩であれば、顔料インクへの作用が見られることを確認しているが、Pb塩やNi塩、Co塩等の毒性が強い金属塩に比べ、毒性が低く、取り扱いやすい塩化バリウム、硫酸銅、硫酸鉄、塩化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種以上の塩であることが好ましい。これら多価金属塩は、単独で使用しても2種以上を併用してもかまわない。この場合、異なる金属塩同士でも良いし、同金属の硫酸塩と塩化物のような組合せでもかまわない。
【0024】
更に本発明者らは、水溶性多価金属塩の効果を良好に発現させるために必要とされる量についても検討を行った。その結果、該水溶性多価金属塩が、支持体中或いは少なくとも片面に0.35g/m2以上含有することで顔料インクに対する効果を安定して発現させることが出来ることを見いだした。さらに発色性を考慮すると0.5g/m2以上添加するのがより好ましい。ここで、該金属塩が0.35g/m2未満であると顔料インクに対する作用が弱く、インク吸収性の改良に及ぼす影響が弱くなる。さらに該金属塩を2g/m2以上添加すると顔料インク中の色剤顔料が塗層表面で凝集し、インク吸収性を悪化させることがあるので、該金属塩は、0.5g/m2以上2g/m2以下であることが最も望ましい。
【0025】
本発明に係わる支持体とは、LBKP、NBKPなどの化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGPなどの機械パルプ、DIPなどの古紙パルプなどの木材パルプ、またはケナフ、バガス、コットンなどの非木材パルプを主成分として、従来公知の白色顔料、バインダー、サイズ剤、定着剤、歩留向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤、調色染料などの各種添加剤を1種以上用いて混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機などの各種装置で製造された原紙であり、このような原紙をそのまま用いても良いし、平坦化をコントロールするために、マシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を用いても良い。
【0026】
また、該支持体の坪量としては、インク受理層を設けた後の坪量が、対象とする印刷用紙の坪量に近いか厚めになるよう選択されることが好ましい。これは、インクジェット記録において画像形成に使用される多量のインクにより発生するコックリング等の現象が、通常の印刷物とは異なる印象を与えるためである。よって、インクジェット記録用紙を印刷用紙との坪量差を少なくするか、むしろ厚めにしておくことが好ましい。また、支持体を挟んだインク受理層の反対面には、カール適性を付与するために、バックコート層を塗設することも可能であり、その際の白色顔料としては、前述した無機或いは有機顔料が使用できるが、特に平板状顔料や加水ハロイサイトが好ましい。
【0027】
本発明において、支持体に付与された水溶性多価金属塩がインク受理層を介してなお、顔料インクの吸収性、発色性及びブリーディングに影響するメカニズムは定かではないが、水溶性塩であるため、水溶性インク受理層塗工液が塗布された時に金属イオンがインク受理層中に浸透し、インク受理層中に分布する様になるためではないかと考えられる。
【0028】
本発明における、該水溶性金属塩の付与方法は、内添、含浸、塗布のいずれでも良い。内添では付与量の調整が困難であり、歩留まりが悪くなるため、含浸もしくは塗布による付与方法が好ましい。例えば、従来公知のエアナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、キャストコーターインクラインドサイズプレス、トランスファーロールコーター、タブサイズ、ロッドコーター、シムサイザーなどの各種装置をオンマシン或いはオフマシンで用いることができる。
【0029】
本発明に係るインク受理層とは、白色顔料の他、水性接着剤等を含有する塗被組成物からなり、さらに、顔料インクと染料インクを併用するインクジェット記録方式に適用する場合には上記の他、カチオン性化合物を含有することもできる。また、これらに添加剤として、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、界面活性剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤力増強剤、乾燥紙力増強剤などを適宜配合することもできる。
【0030】
本発明において、支持体およびインク受理層に用いられる白色顔料としては、公知の白色顔料を1種以上用いることができる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウムなどの白色無機顔料、スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂などの有機顔料などを用いることができる。上述の白色顔料の中でも、多孔性無機顔料が好ましく、多孔性非晶質合成シリカ、多孔性炭酸マグネシウム、多孔性アルミナなどが挙げられ、特に細孔容積の大きい多孔性合成非晶質シリカが好ましい。
【0031】
本発明のインク受理層の水性接着剤に用いられる水性高分子バインダーとしては、例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉などの澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースなどのセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコール、またはシリル変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体などの共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの重合体または共重合体などのアクリル系共重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合体などのビニル系共重合体ラテックス;あるいはこれらの各種共重合体のカルボキシ基などの官能基含有単量体による官能基変性共重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂などの熱硬化合成樹脂などの水性接着剤;ポリメチルメタクリレートなどのアクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの重合体または共重合体樹脂ラテックス;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂ラテックスが挙げられ、これを1種以上使用できる。これらの水性高分子バインダーのうち、接着力の点から、ポリビニルアルコール、またはシリル変性ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール誘導体が好ましい。
【0032】
バインダーの配合量としては、白色顔料との総和100重量部に対して、3〜70重量部、好ましくは、5〜50重量部であり、3重量部未満ではインク受理層の塗層強度が不足するし、70重量部を超えるとインク吸収性が低下する。
【0033】
本発明において、インク受理層は1層或いはそれ以上設けてあれば良く、該層は支持体の片面或いは両面に設けられていても構わない。両面に受理層を設ける場合、対象とする印刷用紙が両面同じ構成ならば、インクジェット記録用紙も同じ構成とし、また片面ずつ異なる構成ならばインクジェット記録用紙もその各々の面に合わせた構成とすることが可能である。特に両面にインク受理層を設ける態様は、一般の印刷用紙と同様に両面を使えることとなり、実際の印刷物の仕上がりを正確に確認しやすい等の利点があるため好ましい。さらに、本発明において、インク受理層を設けた側の支持体上の面の反対側の面に、カール矯正或いは搬送適性改良等の目的で塗工層を設けることも可能である。
【0034】
本発明において、インク受理層の塗設量は特に限定されるものではないが、あまり少ないとノンコートタイプインクジェット記録用紙と同様にインクの吸収性は良いものの、画像濃度・色彩性・鮮明性が低く、インクが原紙の面方向に拡散して、鳥の羽状にギザギザしたフェザリングと呼ばれるドット形状の悪化が発生し、良好な品質の画像が得られない。また、あまり塗設量が多いと、塗工又は含浸後の乾燥工程における乾燥負荷が高まり、塗工又は含浸速度の低下に伴う生産性の低下ばかりでなく、高負荷での乾燥では、インク受理層を構成する塗被組成物中のバインダーが、蒸発する溶媒と共にインク受理層表面に移動して、その表面の空隙量を低下させるために、記録時に地汚れなどの発生がある。該塗設量の範囲は1〜30g/m2、より好ましくは4〜20g/m2である。
【0035】
塗工量の多いインク受理層で生じる問題は、要求される品質に合わせて、インク受理層を複数に分けて設けることも可能であり、1層当たりのインク受理層の塗設量は塗被組成物の濃度や乾燥工程の能力に影響されるが、望ましくは、1〜30g/m2さらに好ましくは4〜20g/m2である。
【0036】
本発明のインクジェット記録用紙に於いては、インク受理層を多層構成とし表面に光沢を発現する層を設けることも出来る。
【0037】
本発明に於ける、インク受理層を設ける方法としては、オンマシンコーター、オフマシンコーターのいずれでも良い。例えば、従来公知のエアナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロールコーター、ビルブレードコーター、ショートドエルブレードコーター、キャストコーター、サイズプレスなどの各種装置をオンマシン或いはオフマシンで用いることができる。また、塗工後には、マシンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダー、ソフトカレンダーなどのカレンダー装置を用いて仕上げることも可能である。
【0038】
本発明でいう顔料インクとは、色材顔料、水性媒体、その他の添加剤からなる記録液体であり、添加剤に関しては、インクの目的である記録性に悪影響を及ぼさない範囲で適宜選択が可能である。前記色材顔料のうち、ブラックインクとして用いられる色材顔料としては、C.I.PigmentBlack7(カーボンブラック)等、シアンインクとして用いられる色材顔料としては、C.I.PigmentBlue1、C.I.PigmentBlue2、C.I.PigmentBlue15:3、C.I.PigmentBlue16等、マゼンタインクとして用いられる色材顔料としては、C.I.PigmentRed5、C.I.PigmentRed48:2、C.I.PigmentRed57:1、C.I.PigmentRed112、C.I.PigmentRed122等、イエローインクとして用いられる色材顔料としては、C.I.PigmentYellow1、C.I.PigmentYellow3、C.I.PigmentYellow13、C.I.PigmentYellow83等が代表例であるが、水性インクを形成し得る色材顔料であれば特に限定されない。
【0039】
インクの溶媒としては、例えば水および水溶性の各種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、 sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;アセトン、ジアセトンアルコールなどのケトンまたはケトンアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6 −ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコールなどのアルキレン基が2〜6個のアルキレングリコール類;グリセリン、エチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテル類などが挙げられる。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレングリコールなどの多価アルコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどの多価アルコールの低級アルキルエーテルが好ましい。
【0040】
その他の添加剤としては、例えば、PH調節剤、金属封鎖剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤、および防錆剤などが挙げられる。
【0041】
【実施例】
以下に、本発明の実施例をあげて説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。又、実施例に於いて示す「部」および「%」は、特に明示しない限り重量部及び重量%を示す。
【0042】
<原紙の作製>
濾水度450mlCSFのLBKP70部、濾水度450mlCSFのNBKP30部から成る木材パルプ100部に、軽質炭酸カルシウム/重質炭酸カルシウム/タルクの比率が30/35/35の顔料5部、市販アルキルケテンダイマー0.1部、市販カチオン系アクリルアミド0.03部、市販カチオン化澱粉1.0部、硫酸バンド0.5部を調成後、長網抄紙機を用いて坪量105g/m2で抄造し原紙を得た。このようにして得られた原紙を以下に述べる実施例及び比較例に用いた。
【0043】
(インク受理層塗工液A)
被組成物は、合成非晶質シリカ(ファインシールX37B:トクヤマ社製)100部、ポリビニルアルコール(PVA117:クラレ株式会社製)30部、カチオン性染料定着剤(スミレーズレジン1001:住友化学工業株式会社製)20部を用い、固形分濃度13%に調整してインク受理層塗工液Aを得た。
【0044】
(インク受理層塗工液B)
被組成物は、コロイダルシリカ(スノーテックスXL:日産化学株式会社製)100部、変性アクリルエマルジョン(モビニール8020:ヘキスト合成株式会社製)15部、アルカリ溶解したカゼイン(ニュージランド製)10部を用い、固形分濃度20%に調整してインク受理層塗工液Bを得た。
【0045】
実施例1〜5、参考例1〜5及び比較例1、2
上述した原紙に、表1に示した割合で調整したサイズプレス液(10%水溶液)をインクラインドサイズプレスで乾燥付着量1.5g/m2になるように付与、乾燥して支持体を作製した。さらにその支持体にインク受理層塗工液Aをエアナイフコーターにより、乾燥塗工量10g/m2になるように塗工、乾燥して、さらにその上にインク受理層塗工液Bをエアナイフコーターを用いて乾燥塗工量10g/m2となるように塗工、乾燥し、スーパーカレンダー処理を行って、実施例1〜5、参考例1〜5及び比較例1、2のインクジェット記録用紙を得た。
【0046】
参考例6実施例6、比較例3、4
参考例4実施例3、比較例1、2においてインク受理層塗工液Bを塗工しなかった他は、全く参考例4実施例3、比較例1、2と同様にして各々参考例6実施例6、比較例3、4のインクジェット記録用紙を得た。
【0047】
【表1】
Figure 0004014365
【0048】
上記のようにして作製したインクジェット記録用紙について下記の評価方法に従って評価した。
【0049】
<印字>
ヒューレットパッカード社製インクジェットプリンター(DesignJet2500cp、UVインク)を用い、作製したインクジェット記録シートにブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の各単色及び、ブラックインクを除く他の3色インクでの2重色(レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(Bl))、ブラック、シアン、マゼンタ、イエローでの4重色の計8色のベタパターンを、2cm×2cmで横一列に隣接して記録するという方法で、ベタ印字を行い、これを吸収性・発色性及びブリーディングの評価に用いた。
【0050】
1)吸収性
各色の2cm×2cm四方ベタ印字部について、印字後24時間経過後に各色の境界の滲みとベタ印字部の印字むらについて、以下の基準で目視評価した。
○:各色の境界の滲み及びベタ印字部の印字むらが全く見られない。
△:重色において境界の滲みもしくはベタ印字部の印字むらのどちらかが見られる。
×:単色においても境界の滲みもしくはベタ印字部の印字むらのどちらかが見られる。
【0051】
2)発色性
明度指数L*、知覚色度指数a*及びb*は、JIS−Z8722−1995に 準じて、色彩色差計(SpectroEye:GretagMacbeth社製)を使用して、得られたインクジェット記録用紙のブラック及び4重色以外を測定し、各色の測定値を色の彩度C*を表す数式1より算出される数値をもちい、数式2で表される各色の彩度の合計C* totalにより評価を行った。
【0052】
【数1】
*={(a*2+(b*20.5
【0053】
【数2】
* total=C* C+C* M+C* Y+C* R+C* G+C* Bl
【0054】
彩度C*は各色の鮮やかさを示す指標であり、各色の彩度C*の合計C* total値は、400以上が好ましい。この値よりも低い場合には色が不鮮明となり、発色性が低下するため好ましくない。
【0055】
3)重色部(Red/Green)間のブリーディング
印字部の重色部R/Gでの境界の滲みを目視により、以下の基準により評価を行った。
○:全く問題のないもの
△:わずかにブリーディングが見られるが、実用上問題のないもの
×:滲みがひどく実用上問題があるもの
○及び△:実用上問題なく使用できる
×:使用不可能
【0056】
このブリーディングの評価では、インク量の多い重色部での顔料インクの定着性が確認できる。このブリーディングが悪い場合には、重色部の境界において定着性の低さから顔料インクが混ざり、滲みとなって現れるため好ましくない。
【0057】
結果を表2に示した。
【0058】
【表2】
Figure 0004014365
【0059】
表2の結果から明らかなように、本発明で示される水溶性多価金属塩を支持体に含有させたインクジェット記録用紙は、顔料インクの吸収性、発色性及びブリーデングのいずれにおいても優れた品質を示すものである。実施例に示すように、塩化マグネシウムを0.5g/m2用いた場合は吸収性・発色性及びブリーディングが特に良好である。
【0060】
これらに反し、比較例1、3のように水溶性多価金属塩を使用しない場合や比較例2、4のように1価の水溶性金属塩を用いる場合、発色性・ブリーディングに劣る。
【0061】
また、インク受理層塗工液Aを用いた実施例は、水溶性多価金属を添加していない比較例3に比べ、吸収性はほぼ同等であるにも係わらず、発色性・ブリーディングにおいて良好な結果が得られる。
【0062】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明を実施することにより顔料インクの吸収性、発色性及びブリーディングに優れたインクジェット記録用紙を提供することが可能となる。

Claims (3)

  1. 支持体の少なくとも片面に、白色顔料及びバインダーを含有するインク受理層を一層以上設けてなるインクジェット記録用紙において、該支持体に塩化バリウム、硫酸銅、硫酸鉄、塩化マグネシウムから選ばれる少なくとも1種以上の水溶性多価金属塩を含有することを特徴とする顔料インク用インクジェット記録用紙。
  2. 該支持体が紙であり、水溶性多価金属塩を含浸もしくは塗工により付与することを特徴とする請求項1記載の顔料インク用インクジェット記録用紙。
  3. 該水溶性多価金属塩の含有量が0.35g/m2以上であることを特徴とする請求項1または2記載の顔料インク用インクジェット記録用紙。
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