JPH08271828A - ホログラフィック表示装置 - Google Patents

ホログラフィック表示装置

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JPH08271828A
JPH08271828A JP8001668A JP166896A JPH08271828A JP H08271828 A JPH08271828 A JP H08271828A JP 8001668 A JP8001668 A JP 8001668A JP 166896 A JP166896 A JP 166896A JP H08271828 A JPH08271828 A JP H08271828A
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JP
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hologram
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JP8001668A
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Inventor
Norihito Nakazawa
伯人 中沢
Koichi Murata
浩一 村田
Yoshinobu Takano
芳伸 高野
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/01Head-up displays
    • G02B27/0101Head-up displays characterised by optical features
    • G02B27/0103Head-up displays characterised by optical features comprising holographic elements

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Diffracting Gratings Or Hologram Optical Elements (AREA)
  • Holo Graphy (AREA)
  • Instrument Panels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】観測者が視点を移動したり、観測者の身長やシ
ートポジションが標準的設定と異なる場合にも、単純な
構成で像品質の高い表示装置を得る。 【解決手段】光源6から発せられて表示体5を通過した
表示すべき情報を含む光3が、車体の風防ガラス7に備
えられたホログラム2に照射され、回折されて観測者1
に観察位置で視認される際に、観察位置に応じて表示体
5の情報を表示する部分が移動可能なホログラフィック
表示装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両、航空機、船
舶など乗物の風防ガラスにホログラムを備えて、運転者
に必要な情報を投影するホログラフィック表示装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】車両内の運転手等に情報表示する方法と
して、ヘッドアップディスプレイ(以下HUDとする)
が最近用いられるようになっている。これは、液晶表示
装置等の発光表示手段から投射された光学的情報を、風
防ガラスに備えられているハーフミラーやホログラム等
からなるコンバイナに映し、運転手が運転状態からほと
んど視線を動かすことなく情報を読み取れるようにした
ものである。
【0003】特に、コンバイナとしてホログラムを用い
たものは、運転者に向かって光学的情報を回折する機能
とともにレンズ機能等を併有できるので、光学的情報を
運転者の視野方向に回折したり、あるいは、他にレンズ
等の光学系を使用せず、任意の位置に結像したりするこ
とができる。また、回折スペクトルの半値幅が狭いた
め、前景輝度を損なわずに高輝度の表示像が得られると
いう特徴がある。
【0004】さらに、ホログラムへの光の入射角と回折
光の出射角を独立に変化させられるので、風防ガラス表
面の反射による多重像を避けうるとともに、システム設
計の自由度が向上する。これらの利点からHUD等の表
示装置のコンバイナとしてホログラムは有効である。
【0005】図4は自動車用ホログラフィック表示装置
の一例を示す概念図である。光源6から発し、レンズ系
4および回転機構を備えたミラー11を介して透過型液
晶表示素子15を通過した表示すべき情報を含む光3
は、ダッシュボードの開口部10を通り、車体の風防ガ
ラス7に備えられたホログラム2に照射され、回折され
て運転者に観察位置1で視認される。
【0006】また、ホログラム2に倍率を持たせれば、
速度表示8、警告表示9の表示像を遠方に結像させるこ
とも可能になる。また、必要に応じて波長選択フィルタ
や、収差補正のためのホログラムも使用できる。
【0007】ホログラム2は波長選択機能を持つので、
希望する色の像が表示可能となる。通常その色は単一で
あることが多いが、多重露光したホログラムによる多色
表示も可能であり、表示情報の量と質とを向上できる。
例えば、速度表示8を緑色、警告表示9を赤色とするこ
とによって、運転者に対してより的確に情報を伝達する
ことが可能となる。
【0008】しかし、ダッシュボードの開口部10はス
ペース的な制約やデザイン上の観点から、その面積が制
限される。そのため、表示虚像を観察しうる観測者の視
点位置すなわち視域も制限される。したがって、観測者
が視点を移動したり、観測者の身長やシートポジション
が標準的な設定と異なると、情報を含んだ光が開口部で
遮られ、表示虚像が観察できない場合が生ずる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解決
するため、従来は図3のように透過型表示素子15とホ
ログラム2との間にミラーや収差補正用の第2のホログ
ラムミラーを設け、そのミラー11を回転することによ
り視域を確保していた。例えば、実線で示すように標準
的観察位置20を中心とする決められた視域内であれ
ば、有限のサイズの表示像22が観察できるように開口
部10のサイズが決められている。
【0010】このとき、標準的観察位置20より上の2
1から観察する場合、ミラー11を固定したままでは光
が開口部で遮られるため、表示像のすべてを観察するこ
とができなくなる。そこで、破線で示すようにミラー1
1を時計回りに回転することにより表示虚像の観察が可
能となる。また、観察位置が下方である場合はミラー1
1を反時計回りに回せばよい。
【0011】ところが、このようにミラーや収差補正ホ
ログラムミラーを回転する従来の方法は、ミラー等が動
くためのスペースが余分に必要となるほか、機械的な駆
動をともなうためモータやギヤなどの機構部品とそのた
めの電源等が必要となり、システムのコストアップや消
費電力アップの原因となっていた。
【0012】また、観測者の視点位置移動に伴って視域
の確保の問題だけでなく、表示虚像の大きさの変化や歪
みなどの変形の問題も発生する。すなわち、観測者が観
察する目の位置を上下左右に動かした場合、虚像の大き
さが変わったり、歪み方が異なり虚像が様々に変形して
見えるという問題である。
【0013】このような運転中に観察される虚像の歪み
の変化は、表示の視認性を著しく低下させ表示が読み取
り難いばかりではなく、安全上の問題も大きい。この運
転者が目を動かしたときに生じる歪み(動歪み)を小さ
くすることは、一般に非常に難しく設計条件がかなり限
られ、しかも系がさらに複雑になりまた光学的な距離が
長くなり小型化が難しいという問題があった。
【0014】このような問題に対し、反射型ホログラム
で生ずる像のボケや歪みに関する収差を、表示手段であ
るCRTと反射型ホログラムとの間に複雑なリレーレン
ズ系を設けることにより除去する表示装置が提案されて
いる(例えば米国特許第4218111号)。
【0015】ところが、このような複雑な補正光学系を
構成しても、補正が有効になされるのは観測者が標準位
置から観察した場合とその近傍に対してのみであり、観
察する目の位置を大きく動かした場合は、虚像の大きさ
や歪み方が異なり虚像が様々に変形して見えるという問
題があった。
【0016】特に、上記のように視域を確保するために
調整機構を用いると、設計とは異なる条件となるため動
歪み等が著しく生じ、視認性が劣化する。さらに、表示
素子像と表示虚像の倍率が大きいときはこの動歪みの問
題は解決が非常に困難であった。また、この表示装置
は、複数枚のレンズ系からなる光学系を用いるために、
システムの軽量化、小型化が困難であり、高価になると
いう欠点があった。
【0017】本発明の目的は、従来技術の前述のような
欠点を解決し、従来知られていなかったホログラフィッ
ク表示装置を新規に提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、光源と表示す
べき情報を表示する表示体とを少なくとも備えて表示す
べき情報を光として発生する発光表示手段と、前記光を
観測者に向けて回折するように配されたホログラムとを
少なくとも備え、前記ホログラムによって形成される表
示虚像を観測者に視認させるホログラフィック表示装置
において、前記表示体の表示面内における情報の表示部
分の位置が移動可能であることを特徴とするホログラフ
ィック表示装置である。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて本発明を説
明する。図1は本発明におけるホログラフィック表示装
置を自動車に用いたHUDの一例を示す概念図である。
光源6から発し、レンズ系4を介して透過型液晶表示素
子等からなる表示体5を通過した表示すべき情報を含む
光3は、ダッシュボードの開口部10を通り、車体の風
防ガラス7に備えられたホログラム2に照射され、回折
されて運転者等の観測者1に観察位置で視認される。
【0020】本発明におけるホログラフィック表示装置
は、観測者1の視点位置が移動しても表示虚像が観察で
きるように視域を確保するため、表示体5の表示面内に
おける情報を表示する部分の位置を、観測者1の視点位
置の移動に対応し移動可能としている。
【0021】すなわち、図1に示したHUDにおいて、
例えば図2に示すように、充分な面積を持つ表示体5の
表示面のうち、中心付近の領域31を情報表示する部分
として、そこから発する光をホログラム2で回折し、観
測者が標準的観察位置20で表示虚像を視認する。な
お、標準的観察位置20を中心とする決められた視域内
で有限のサイズの表示虚像22が観察できるように、開
口部10のサイズが決められている。
【0022】そして、標準的観察位置20より上の21
を中心とする決められた視域内から観察する場合には、
ミラーの回転などの機械的駆動機構を用いることなく、
単に表示体5の表示面における情報を表示する部分の位
置を、中心付近の領域30から紙面の左側部分の領域3
2に移動することによって、表示虚像23の観察が可能
となる。また、観察位置が下方である場合は情報を表示
する位置を上記の反対に移動すればよい。
【0023】この場合、表示体5は、表示部分よりも大
きい寸法形状を有する。表示部分は表示体5の表示面内
にすべて含有されていて、その位置を表示面内に移動可
能となっている。
【0024】一般に、ホログラフィック表示装置におい
て観察位置を変えると、ホログラムを利用する場所(光
が投影される場所)が変わるため、表示虚像の大きさの
変化や歪みなどの変形が生ずる。特に倍率の大きいホロ
グラムではその面内での倍率分布も大きくなるため、視
点の移動にともなう表示虚像の変形の程度が著しい。
【0025】そこで、本発明におけるホログラフィック
表示装置においては、表示体の表示部部分の形状を変形
可能とすることによって、表示虚像の変形を補正でき
る。この変形を、表示部分の移動に連動して行うことに
よって、さらに表示虚像の品質の向上が実現できる。
【0026】例えば、図2に示すようなホログラフィッ
ク表示装置では、標準の位置20より上の位置21で観
測者が表示虚像を観察する場合、ホログラム2の利用位
置が標準の場合より上方となるため、表示体5とホログ
ラム2との間隔が標準の場合より長くなる。そのため、
見かけ上倍率が増加することとなり表示虚像23のサイ
ズは標準の場合の虚像22より縦に伸びて大きくなる。
【0027】そこで、表示体の表示する部分の形状を縦
に縮めて小さく変形させることによって、複雑で高価な
補正光学系を用いることなく表示虚像のサイズの変化を
補正できる。また、観察位置が下方である場合は見かけ
の倍率が減少するため、反対に表示する情報のサイズを
大きめにしておけばよい。
【0028】また、観察位置の移動にともなってサイズ
の変化だけでなく表示像の歪みが生ずる場合もある。こ
のような場合の解決方法としては、その表示像の歪みを
相殺するように、あらかじめ表示体に表示する表示部分
の形状を歪ませることが有効である。例えば、表示像が
上に凸に変形する場合は、表示体に表示する情報の形状
を下に凸に歪ませておけばよい。そして、その歪み具合
を観察位置に応じて変化させればよい。
【0029】表示体の表示面内における表示部分を動か
す方法は、表示体の表示面内における表示に用いる領域
を変化させることが好ましい。すなわち、表示体の表示
面における表示に用いる領域の変化は、機械的な駆動機
構なしに完全にソフト的に行えるからである。
【0030】例えば、観測者が表示像を確認しながら、
観測者の手元に備えられたスイッチを動かし、その動か
した時間、回数、角度、距離等を電気的な信号として取
り出し、その量に応じて表示体に表示する情報を表示す
る領域の位置を変化させればよい。また、観測者の観察
位置を検知するセンサを設け、その信号に応じて表示領
域の位置を変えてもよい。本発明の表示体に表示する情
報の表示領域の位置を変化させる方法は、これらに限ら
れず、機械的な機構なしにソフト的に行う方法を利用す
ることが好ましい。
【0031】表示体の表示部分の形状を変形可能とする
方法も、上記の表示位置を変化させる方法と同様に、観
察位置を表す信号に応じて、あらかじめ記憶させた補正
係数を用いて、表示する情報のサイズを変えればよい。
【0032】本発明における発光表示手段は光を発して
表示する機能を持つものであり、液晶表示素子等のいわ
ゆる受光型表示素子からなる表示体に熱陰極管、冷陰極
管、蛍光表示管、ハロゲンランプ、発光ダイオード、半
導体レーザなどからなる光源から発した光を照射するも
のであり、また、これらの機能を併有するものであって
もよい。
【0033】この液晶表示素子としては、透過型のツイ
ストネマチック型液晶表示素子、スーパーツイストネマ
チック型液晶表示素子等が好ましく使用できる。本発明
におけるコンバイナをカラー表示に用いる場合、カラー
フィルタと上記の液晶素子からなるカラー液晶表示素子
等が好ましく使用でき、一つの光源から発せられた光を
所望の色の光として照射できる。
【0034】このようにして複数の色の光は、同一の発
光表示手段から発することができ、これら複数の色の光
が同時に表示される場合には表示像が重なって表示さ
れ、逆にこの表示像の重なりを防ぐためには、必要に応
じてカラーフィルタと光源の組み合わせによって、ある
いはカラー液晶表示素子を制御することによって、複数
の色の光が同時に照射されないようにしてもよい。
【0035】また、それとは別に受光型表示素子を用い
ず、上記の光源自体をパターン化して配列し特定の情報
を光として発生するものであってもよい。微小な発光ダ
イオードのチップを充分な面積を持つように配列したも
のが例示される。
【0036】これらの表示体の表示面は一般的には平面
的なものが多いが、表示体の形状としては平面に限定さ
れず、3次元的な曲面形状をしていてもよい。高倍率の
ホログラムを用いる場合には表示像の歪み補正に効果的
な場合がある。
【0037】受光型表示素子に上記光源を併用したもの
の場合は、この受光型表示素子と光源との間にレンズ系
や曲面反射鏡等の適当な光平行化手段、導光板等の適当
な導光手段を配置してもよい。さらに、ホログラムに光
が投射されるまでの光径路内に、必要に応じて、光偏光
手段、または、KNO3 等の非線形光学素子を配置して
もよい。
【0038】本発明における表示すべき情報とは、その
表示用途により適宜選択されるものであり、車両のスピ
ード計、タコメータ、シフトレバー表示、さらには種々
の警告ランプや、ナビゲーション情報、エアコン、オー
ディオ機器など付属機器の情報等が例示できる。また、
道路情報、駐車場空き情報などの車両外からの情報も表
示できる。また、航空機や船舶などでは緯度、経度、高
度、進行方向などの位置・方位情報や、気象情報、レー
ダの障害物情報、魚群探知機の情報など、乗り物の運行
や業務に関わる様々な情報を例示できる。
【0039】観測者とは主には車両等の乗り物の運転手
であるが、助手席その他の同乗者や、これらすべての者
を含めることができる。
【0040】ホログラムは、通常数十mmから数百mm
角程度の面積で、数μmから数十μm程度の厚みであ
り、光回折機能を持つ。このようなホログラムは、リッ
プマンタイプ等の体積・位相型のホログラムが高い回折
効率が得られる点で望ましいが、エンボスタイプ、レイ
ンボータイプ等のホログラムと呼ばれるものを広く採用
できる。また、ホログラム材料としては、ポリビニルカ
ルバゾールやアクリル系などのフォトポリマー、重クロ
ム酸ゼラチン、光レジスト、銀塩など種々の感光材料を
採用できる。
【0041】かかるホログラムは風防ガラスに備えられ
るものであり、例えば風防ガラスの表面(車外側表面)
や車内側表面に備えられてもよいが、特にホログラムの
保護の点に鑑みて、本実施例のように合わせガラスであ
る風防ガラスの内部に封入して用いることが好ましい。
【0042】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図1は、本発明のホログラフィック表示装置の一
例を示し、自動車用のHUDに応用した例である。風防
ガラス7の下方には発光表示手段が備えられており、こ
の発光表示手段は熱陰極管を用いた光源6から発した光
がコリメータであるレンズ系4を介し、透過型カラー液
晶表示素子からなる表示体5を通過した表示すべき情報
を光3として発するものである。
【0043】光3はダッシュボードの開口部10を通り
車体の風防ガラス7に備えられたホログラム2に照射さ
れ反射的に回折されて、運転者に観察位置1で視認され
る。ホログラム2には倍率を付与でき表示虚像8、9を
遠方に表示できる。
【0044】図1では表示体5とホログラムとの間には
開口部以外のものはないが、ダッシュボード内の空きス
ペースに収納するために、光路の折り返し用ミラーや収
差補正ホログラムミラーを入れたり、像の拡大等のため
レンズ系を介在させてもよい。ただし、本発明ではこれ
らのミラーやレンズ系を視域確保の目的で駆動させるよ
うな機構を設ける必要がない。
【0045】本実施例ではホログラム2による色収差を
抑制するために、狭帯域な輝線スペクトルをもつ熱陰極
管を光源として用いたが、蛍光表示管やハロゲンランプ
のような広帯域の光源と狭帯域な干渉フィルタや色収差
補正ホログラム等を併用しても同等の表示像が得られ
る。
【0046】本実施例ではホログラム2として横160
mm×縦150mmの大きさで、厚さが20μmのアク
リル系フォトポリマーよりなる感光材料を用いた体積位
相型の反射型ホログラムを用いた。この実施例では反射
型のホログラムを用いたが、透過型のホログラムであっ
ても同様の効果が得られる。
【0047】本実施例は、図1において表示体5からホ
ログラム2までの距離を300mm、ホログラム2への
入射角を50°とし、ホログラム2から観測者1の観察
位置までの距離を800mm、ホログラム2からの出射
角を65°とした。ホログラム2から表示像8、9まで
の距離は900mmであり、ホログラムの倍率は3倍に
相当する。ホログラムの作製は入射角50°、および6
5°の配置で点光源からの拡散光で露光して行った。
【0048】また、ホログラムは波長選択機能を持つの
で、希望する色の像が表示でき、さらに、多重露光や複
数枚のホログラムの積層によって多色表示が可能とな
り、表示情報の量と質が向上する。例えば本実施例では
熱陰極管の発光ピーク波長に対応する545nmおよび
612nmとの光を回折する多重露光のホログラムを用
い、速度表示8を緑色、警告表示9を緑色と赤色とを混
合したアンバー色(橙色)として表示した。その結果、
運転者に対してより的確に情報を伝達できた。
【0049】液晶表示素子としては、2.5型TFTカ
ラー液晶素子を用いた。表示面のサイズは横約51mm
×縦約38mmである。この表示体において実際に情報
を表示するのに用いている表示部分(表示領域)は横2
5mm×縦15mmであり、表示素子は表示領域に対し
充分な面積を有する。
【0050】観測者の観察する表示虚像は、上記の表示
部分のほぼ3倍に拡大されており、横75mm×縦40
mmの大きさであった。なお、本発明の表示体の種類や
寸法はこれに限定されない。
【0051】図1のように開口部を設けた配置におい
て、表示に用いる領域を上記表示体の中心付近に固定し
た状態では、標準の観察位置及び、上下それぞれ25m
m、左右85mmの位置からは表示像が観察できた。様
々な身長の観測者に対応するには少なくとも上下それぞ
れ60mm程度の範囲で観察されなければならない。
【0052】そこで、上記表示素子面内における表示に
用いる領域を、観察位置に対応して中心付近から図2に
示すように紙面の左右に動かすことによって、上下25
mmから60mmの範囲の任意の観察位置においても、
表示像を観察できた。
【0053】また、本実施例で観察位置を上下に変えた
場合、表示像の縦方向の倍率が変化し縦に伸び縮みして
しまった。そこで、上記のごとく観察位置に応じて表示
領域の位置を変化させるだけでなく、そのサイズの補正
も行った。観察位置を上下それぞれ60mm変化させた
場合の表示像の高さの変化はそれぞれ約+25%及び約
−10%であったので、表示体に表示する情報の大きさ
(高さ)を観察位置に応じて+25%〜−10%の範囲
で変化するようにした。
【0054】以上の結果、観察位置を標準の位置から上
下それぞれ60mmの範囲で任意に動かしても、表示像
は常に観察でき、また、表示虚像の拡大縮小はほとんど
問題にならないレベルであった。
【0055】本実施例では表示体5を、表示体5からホ
ログラム2への光軸に対してほぼ垂直に配置して用い
た。この配置の場合は、目を左右に動かしたときの表示
像の動歪が大きいため、表示体5を光軸に対して50°
弱傾けた状態で用いることが好ましい。表示体5を傾け
る場合の表示部分(表示領域)は横25mm×縦23m
mとすることが望ましい。
【0056】また、観察位置を上下60mm変化させた
場合の表示像の高さの変化は、それぞれ約+10%およ
び約−5%であるので、表示体に表示する情報の大きさ
(高さ)を観察位置に応じて+10%〜−5%の範囲で
変化するようにすればよい。
【0057】なお、本実施例では本発明のホログラフィ
ック表示装置を、自動車用のHUDに応用した場合に付
いて述べたが、本発明はこれに限定されず、ホログラム
を用いた表示装置に広く応用できる。
【0058】
【発明の効果】本発明によれば、表示体の表示面内にお
ける情報を表示する部分の位置が、観測者の視点位置の
移動に対応し移動可能であるため、観測者が視点を移動
したり、観測者の身長やシートポジションが標準的な設
定と異なった場合においても、ミラー等を回転するなど
の機械的駆動機構を用いることなく、情報を含んだ光が
開口部で遮られずに観察可能となる。
【0059】表示虚像の変形に関しても、表示体におい
て表示する情報の形状が変形可能であるため、表示虚像
の変形を相殺できる。また、逆に応用すれば視点位置を
固定した観測者に対し、表示像の見える位置を変えるこ
ともできる。
【0060】以上のように本発明によって、視域の確保
と表示虚像の変形を補正が可能な、機械的駆動機構や複
雑な補正光学系をともなわない安価でコンパクトなホロ
グラフィック表示装置を構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のホログラフィック表示装置の一例を示
す自動車用HUDの概念図
【図2】本発明の視域確保の原理を示す概念図
【図3】従来の視域確保の原理を示す概念図
【図4】従来のホログラフィック表示装置の一例を示す
自動車用HUDの概念図
【符号の説明】 1:観測者、 2:ホログラム、 3:情報を含む光、 4:レンズ系、 5:表示体、 6:光源、 7:風防ガラス、 8:速度表示、 9:警告表示、 10:開口部、 11:視域確保用回転ミラー。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と表示すべき情報を表示する表示体と
    を少なくとも備えて表示すべき情報を光として発生する
    発光表示手段と、前記光を観測者に向けて回折するよう
    に配されたホログラムとを少なくとも備え、前記ホログ
    ラムによって形成される表示虚像を観測者に視認させる
    ホログラフィック表示装置において、前記表示体の表示
    面内における情報の表示部分の位置が移動可能であるこ
    とを特徴とするホログラフィック表示装置。
  2. 【請求項2】前記表示部分の表示形状が、表示虚像の変
    形を相殺するように変形可能であることを特徴とする請
    求項1のホログラフィック表示装置。
  3. 【請求項3】前記表示形状が、表示部分の位置の移動に
    ともなって変形可能であることを特徴とする請求項2の
    ホログラフィック表示装置。
JP8001668A 1995-01-27 1996-01-09 ホログラフィック表示装置 Pending JPH08271828A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8001668A JPH08271828A (ja) 1995-01-27 1996-01-09 ホログラフィック表示装置

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Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-12097 1995-01-27
JP1209795 1995-01-27
JP8001668A JPH08271828A (ja) 1995-01-27 1996-01-09 ホログラフィック表示装置

Publications (1)

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JPH08271828A true JPH08271828A (ja) 1996-10-18

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ID=26334942

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