JPH08244592A - 車両の制動力制御装置 - Google Patents

車両の制動力制御装置

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JPH08244592A
JPH08244592A JP7054474A JP5447495A JPH08244592A JP H08244592 A JPH08244592 A JP H08244592A JP 7054474 A JP7054474 A JP 7054474A JP 5447495 A JP5447495 A JP 5447495A JP H08244592 A JPH08244592 A JP H08244592A
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braking
pressure
control
vehicle
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豊 平野
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慎一 副島
Yoshinori Kadowaki
美徳 門脇
Rei Eiraku
玲 永楽
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 実際の車両の運動状態に即した制御を行うこ
とのできる車両の制動力制御装置を提供する。 【構成】 目標スリップ率と実スリップ率から目標制動
トルクを算出し、これを目標制動液圧に変換し、液圧モ
デルを用いて現にかかっている推定制動液圧を算出する
と共に、前記推定制動液圧と目標制動液圧から逆液圧モ
デルを用いて、液圧制御装置の制御量を算出して、制御
を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、制動装置のマスタシリ
ンダによって発生される液圧を、車両の走行状態に応じ
て増減制御するように構成した、車両の制動力制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、急制動時等における車両の安定性
及び操舵性を確保するためにアンチスキッドシステムが
開発されている。これは、車輪の回転状況や路面状況等
による車両の走行状態に応じて、制動装置のマスタシリ
ンダによって発生する液圧を、増減制御することによ
り、車輪に過大な制動力がかからないようにして、車輪
のロックを防止するものである。
【0003】例えば、特表平5−502423号におい
ては、目標スリップと、車輪速度及び車体速度等から求
められる実スリップとの偏差によるPIフィードバック
制御により、制動装置の目標制動液圧を求めている。
又、この目標制動液圧と、制動装置のマスタシリンダに
よって供給される供給圧力と、横方向力とから逆液圧モ
デルに基づいて、アンチスキッド液圧制御弁の開閉時間
を求め、弁の開閉を制御するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
表平5−502423号を含め、従来のこの種の制動力
制御装置にあっては、制御の指標となる目標制動液圧
を、目標スリップ、車輪速度、あるいは車体速度のよう
なパラメータから直接求めるようにしていたため、車両
の運動特性に即したよりきめ細かな総合的な制御を実現
することができないという問題があった。
【0005】例えば、前記特表平5−502423号で
開示された制御装置においては、逆液圧モデルを用いて
アクチュエータの弁開閉時間を求める際、弁モデルとし
て単なるオリフィスを想定し、静的なモデルで弁開閉時
間を算出しているが、実際の油圧系では配管剛性の変化
を考慮しないと精度を確保することはできず、更には車
両運動、アクチュエータのゲイン及び位相、油圧特性等
まで考慮した動的なモデルで算出しないと十分な精度で
制御することはできない。
【0006】そのため、従来の制御装置では場合によっ
ては例えばアクチュエータのゲインや位相、あるいは油
圧特性が実際の車両運動と適正に整合せず、制動力の制
御が必ずしも最適な車両挙動制御とはならない場合があ
るという問題があった。
【0007】即ち、前述したような目標スリップ、車輪
速度、あるいは車体速度等のパラメータから「目標制動
液圧」を直接求める方法では、該目標制動液圧を例えば
左右独立に求めたとしても、それによって得られる実際
の「制動力の左右配分」が現実の車両の挙動状態と必ず
しも良好に整合しないことがあるという問題があったも
のである。
【0008】そのため制動力の制御を車両の運動制御、
あるいは姿勢制御等により積極的に利用するというのは
現実的には難しいというのが実情であった。
【0009】本発明は、前記従来の問題を解決するべく
なされたもので、実際の車両の運動状態あるいは挙動状
態に即した制動制御を行うことのできる車両の制動力制
御装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、その要旨を図
1に示すように、制動装置のマスタシリンダによって発
生される液圧を、車両の走行状態に応じて増減制御する
液圧制御装置を備えた車両の制動力制御装置において、
車輪速度及び車体速度から実スリップ率を算出する実ス
リップ率算出手段と、予め設定された目標スリップ率と
前記算出された実スリップ率から、車輪速度が目標スリ
ップ率になるように、目標制動トルクを算出する目標制
動トルク算出手段と、前記目標制動トルクを目標制動液
圧に変換する目標制動液圧変換手段と、前記マスタシリ
ンダによって発生される液圧と過去の推定制動液圧か
ら、液圧モデルを用いて制動装置に現に作用していると
推定される推定制動液圧を算出する推定制動液圧算出手
段と、前記推定制動液圧と前記目標制動液圧から、液圧
制御装置の制御量を、逆液圧モデルを用いて算出する制
御量算出手段と、を備えたことにより前記目的を達成し
たものである。
【0011】本発明は又、前記目標制動トルク算出手段
は、液圧制御装置による誤差の補償を行う誤差補償手段
を備えたことにより、同様に前記目的を達成したもので
ある。
【0012】本発明は又、前記誤差補償手段はH∞制御
による周波数整形を行うことにより、同様に前記目的を
達成したものである。
【0013】本発明は又、前記誤差補償手段は、制御ゲ
インを車速に応じて変更することにより、同様に前記目
的を達成したものである。
【0014】本発明は又、前記制動装置は、後輪側の液
圧配管にプロポーショニングバルブを備えたものであっ
て、前記目標制動液圧変換手段は、後輪側の目標制動液
圧の上昇が前輪側の目標制動液圧の上昇に対して大きく
なるようにして変換する後輪側液圧変換手段を備えたこ
とにより、同様に前記目的を達成したものである。
【0015】本発明は又、前記制動装置は、後輪側の液
圧配管にプロポーショニングバルブを備えたものであっ
て、前記推定制動液圧算出手段で後輪側の推定制動液圧
を算出する際、液圧配管特性によって決定される前記液
圧モデルの液圧時定数を、プロポーショニングバルブの
液圧折れ点の前後で変更する後輪液圧時定数変更手段を
備えたことにより、同様に前記目的を達成したものであ
る。
【0016】本発明は、更に、電圧源の電圧を検出する
電圧検出手段と、前記電圧に応じて前記液圧モデルで使
用する液圧時定数を変更する液圧時定数変更手段と、を
備えたことにより、同様に前記目的を達成したものであ
る。
【0017】本発明は又、前記制御量算出手段は、算出
された制御量が、液圧制御装置で制御できない程に微小
な値であったときは、該制御量を制御可能な制御量にま
で補正する制御量補正手段を備えたことにより、同様に
前記目的を達成したものである。
【0018】本発明は又、前記推定制動液圧算出手段
は、算出された推定制動液圧に対する実制動液圧の遅れ
を補償する遅れ補償手段を備えたことにより、同様に前
記目的を達成したものである。
【0019】本発明は、更に、前記遅れ補償手段は、制
動力制御中に算出された推定制動液圧が大気圧相当の所
定液圧以下となったときは、該算出された推定制動液圧
が、この所定液圧以上に回復し、更に回復後所定時間が
経過するまでは、推定制動液圧を前記所定液圧に維持す
る推定制御液圧維持手段を備えたことにより、同様に前
記目的を達成したものである。
【0020】
【作用】本発明においては、車輪速度及び車体速度から
実スリップ率を算出し、この実スリップ率と目標スリッ
プ率を用いて、先ず目標制動トルクという物理量を算出
する。この目標制動トルクという物理量は、車両の運動
や挙動を表わす各種諸元との整合性を極めて明確に考慮
し得る概念であることから、現実のそのときの車両の運
動や挙動にきめ細かく対応するようにこれを定めること
ができる。
【0021】次に、目標制動トルクを目標制動液圧に変
換する。そして過去の推定制動液圧とマスタシリンダ液
圧より、液圧モデルを用いて現に車輪の制動装置に作用
している推定制動液圧を算出する。
【0022】又、この推定制動液圧と目標制動液圧とか
ら、逆液圧モデルを用いて液圧制御装置で設定するべき
実際の制御量を算出する。ここで制御量とは、例えば液
圧制御装置が3位置電磁弁を用いている場合にはその増
減保持開閉時間を意味し、液圧制御装置がリニア制御弁
を用いている場合にはその駆動電流、等を意味する。
【0023】このように、本発明においては、目標制動
液圧を直接計算するのではなく、まず目標制動トルクを
求めるようにしているため、実際の車両の運動に即した
制御指標を得ることができる。又、前記液圧モデル、及
び逆液圧モデルの導入により、現時点での実際の液圧の
正確な把握及びその液圧が目標液圧へ向けて実際に変化
してゆく過程の正確な把握、即ち液圧の動的な把握がで
きるため、求められた目標制動トルクが実際に有効に車
両に作用するように制御することができる。
【0024】従って、本発明はアンチスキッド制御や加
速スリップ制御のほか、例えば左右の車輪に制動力を
(運転者のブレーキ操作とは独立して)付与することに
より旋回中の車両運動を制御するというような様々な制
御に応用することが可能となり、車両運転時における安
定性、操舵性を総合的に向上させることができるように
なる。
【0025】なお、目標制動トルクを算出する際、液圧
制御装置による誤差の補償を行うようにした場合には、
誤差成分を相殺して精度良いモデルで前記制御量を算出
することができる。
【0026】又、前記誤差の補償において、H∞制御に
よる周波数整形を行うようにした場合には、周波数整形
フィルタによって周波数領域で位相遅れを補償すること
ができる。
【0027】又、前記誤差の補償において、制御ゲイン
を車速に応じて(低速時はゲインを大きく)変更するよ
うにした場合には、車輪振動等で発生するノイズの影響
を小さくすることができる。
【0028】又、前記制動装置が後輪側の液圧配管にプ
ロポーショニングバルブ(以下Pバルブと略す)を備え
たものである場合に、後輪側の目標制動液圧の上昇が前
輪側の目標制動液圧の上昇に対して大きくなるように変
換した場合には、Pバルブ機能を考慮したモデル上での
動的な変換を行うことができる。
【0029】又、前記制動装置が後輪側の液圧配管にP
バルブを備えたものである場合に、後輪側の推定制動液
圧を算出する際、液圧配管特性によって決定される前記
液圧モデルの液圧時定数をPバルブの液圧折れ点の前後
で変更するようにした場合には、算出する推定液圧の誤
差をより小さくすることができる。
【0030】又、電源圧の電圧を検出し、これに応じて
前記液圧時定数を変更するようにした場合には、電圧源
の電圧値の変動に応じて発生する液圧制御装置の応答遅
れを考慮した制御をすることができる。
【0031】又、算出された制御量が液圧制御装置で制
御できない程に微小な値であったときに、該制御量を制
御可能な制御量にまで増大補正するようにした場合に
は、液圧制御装置の制御タイミングの遅れを防止するこ
とができる。
【0032】又、算出された推定制動液圧に対する実制
動液圧の遅れを補償するようにした場合には、推定制動
液圧と実制動液圧との偏差が少なくなり、適切な制御を
行うことができる。
【0033】又、制動力制御中に、算出された推定制動
液圧が大気圧相当の所定液圧以下となったとき、該算出
された推定制動液圧がこの所定液圧以上に回復し、更に
回復後所定時間が経過するまでは、推定制動液圧を前記
所定液圧に維持するようにした場合には、推定制動液圧
と実際の制動液圧との差が大きくなるのを防止できると
共に、大気圧相当の液圧状態から再び増圧に戻るときに
発生する特異な液圧上昇遅れの影響を考慮した制御をす
ることができる。
【0034】
【実施例】以下図面を参照して、本発明の実施例を詳細
に説明する。
【0035】本実施例は、アンチスキッド制御システム
の制御ロジックに係わるものであり、その概略構成を図
2に、そのための制御回路を図3に示す。
【0036】この実施例は、車両2の図示しない公知の
制動装置のマスタシリンダによって発生される液圧(マ
スタシリンダ圧)Pmを、車両2の走行状態に応じて増
減制御するように構成した車両の制動力制御装置におい
て、実スリップ率S及び目標制動トルクNrを算出する
スリップ率制御部4(実スリップ率算出手段及び目標制
動トルク算出手段に相当)と、目標制動トルクNrを目
標制動液圧Prに変換するN−P変換部6(目標制動力
液圧変換手段に相当)と、目標制動液圧Prを実現する
のに必要な、増圧のための弁制御時間ti及び減圧のた
めの弁制御時間tdを算出する液圧制御部8(推定制動
液圧算出手段及び制御量算出手段に相当)とを備えたも
のである。
【0037】前記スリップ率制御部4は、車輪速度(車
輪角速度)ω及び車体速度Vから実スリップ率Sを算出
し、目標スリップ率Srと実スリップ率Sから、車輪速
度ωが目標スリップ率Srになるように目標制動トルク
Nrを車両運転状態あるいは挙動状態を考慮して算出す
る。
【0038】前記液圧制御部8は、前記マスタシリンダ
によって発生されるマスタシリンダ圧Pmと前記目標制
動液圧Prから液圧モデルを用いて制動装置に現に作用
していると推定される推定制動液圧Pを算出し、この推
定制動液圧Pと前記N−P変換部6によって算出された
目標制動液圧Prから、この目標制動液圧Prを実現す
るために必要な、増圧あるいは減圧のための弁制御時間
ti、tdを算出する。
【0039】なお、これらのスリップ率制御部4、N−
P変換部6、液圧制御部8の役割は実際には、図3のA
BSコンピュータ20が果たしており、各輪のスピード
センサ11a〜11dより、車輪速度ωが各車輪分測定
され、マスタ圧センサ12よりマスタシリンダ圧Pmが
測定され、上記演算がABSコンピュータ20において
実行され、得られた弁制御時間ti、tdの間だけバル
ブ31a〜d、32a〜dが制御される。
【0040】以下、本実施例の作用を各制御機能毎に詳
しく説明する。
【0041】まず、スリップ率制御部4の作用につい
て、1輪分の車輪Whと車両の運動方程式から説明す
る。
【0042】1輪分の車両重量をM、車体速度をV、タ
イヤ慣性モーメントをI、タイヤ半径をR、制動トルク
をN、車輪速度(車輪角速度)をω、実スリップ率を
S、タイヤの路面反力をF(S) とすると、これらの力は
図4に示すように車輪Whに働く。このとき車輪Whの
運動方程式は次の(1)式、車両の運動方程式は次の
(2)式のように表わされる。
【0043】 I・(dω/dt)=RF(S) −N …(1) M・(dV/dt)=−F(S) …(2)
【0044】又、実スリップ率Sは次の(3)式で与え
られる。
【0045】 S=(V−Rω)/V …(3)
【0046】実スリップ率Sと路面反力F(S) の関係を
図5に示す。又(3)式を車輪速度ωについて解くと、
次の(4)式のようになる。
【0047】 ω=(1−S)V/R …(4)
【0048】(1)、(2)式よりF(S) を消去すると
次の(5)式が得られる。
【0049】 N=−I・(dω/dt)−RM・(dV/dt) …(5)
【0050】以下、極配置法による目標制動トルクNr
の導出について説明する。
【0051】目標スリップ率をSrとして(4)式に代
入すると、目標車輪速度ωrは次の(6)式で与えられ
る。
【0052】 ωr=(1−Sr)V/R …(6)
【0053】ここで、車輪速度ωと目標車輪速度ωrの
偏差をeとし、次の(7)式のようにおき、tで微分す
ると(8)式が得られる。
【0054】 e=ω−ωr=ω−(1−Sr)V/R …(7) de/dt=dω/dt−{(1−Sr)/R}・(dV/dt)…(8)
【0055】(5)、(8)式よりdω/dtを消去す
ると、次の(9)式が得られる。
【0056】 de/dt={−(RM/I)−(1−Sr)/R}・(dV/dt) −N/I …(9)
【0057】このとき、aを正の定数(a>0)として
de/dt=−aeであれば、偏差eは0に収束する
(e→0)(極配置法)。よって次の(10)式のよう
におけば、目標制動トルクNrは(11)式のように得
ることができる。
【0058】 −ae={−(RM/I)−(1−Sr)/R}・(dV/dt) −N/I …(10) Nr=I・ae+{−RM−(1−Sr)I/R}・(dV/dt) …(11)
【0059】ここで、(11)式のdV/dtについて
考察すると、本来上式のdV/dtは(2)式より、そ
の本質は車輪Whの路面反力F(S) であり、アンチスキ
ッド制御中の車輪Whにあっては、スリップの変動によ
る速い動きと車両そのものの制動(通常は一定の減速
度)のための遅い動きが含まれていると考えられる。
【0060】しかし、実際には車体速度Vは直接測定が
難しいため、従来は各輪の車輪速度ωのグラフにおける
包絡線に想定される車体減速度のガードをかけたような
ものを用いて計算されていた。従って、計算された車体
速度Vにはスリップ変動による速い動きが欠落している
ものと考えられる。
【0061】又、(5)式より路面反力F(S) 、即ち、
真のdV/dtの速い動きはdω/dtにより大きく反
映され、遅い動きは制動トルクNの中心値に反映される
と考えられる。従って、この制動トルクNの中心値を基
準制動トルクNnom とすると、真のdV/dtは次の
(12)式により推定可能と考えられる。
【0062】 dV/dt=k1 ・(dω/dt)+k2 Nnom …(12)
【0063】これを(11)式へ代入し、dV/dtを
消去すると、次の(13)式が得られる。
【0064】 Nr=I・ae+{−RM−(1−Sr)I/R} ・(k1 ((dω/dt)+k2 Nnom ) =Kp・e+Kd・(dω/dt)+Kn・Nnom Kp,Kd,Knはフィードバッグゲイン …(13)
【0065】従って、目標制動トルクNrは上の(1
3)式によって求めることが可能となる。(13)式に
おいて、dω/dtはde/dtにバイアスをかけたも
のとも見ることができる。又、基準制動トルクNnom は
減速中の平均減速度に相当する量であるため、従来の方
法等によって求められた平滑化されたdV/dt(これ
を(dV/dt)sと表わす)により代用させることも
できる。
【0066】これにより、(13)式は次の(14)式
のように表わすことができる。
【0067】 Nr=Kp′・e+Kd′・(de/dt)+Kn′・(dV/dt)s Kp′,Kd′,Kn′はフィードバッグゲイン …(14)
【0068】この(14)式を用いると、車輪速度ωと
目標スリップ率Srが与えられれば、目標制動トルクN
rが計算可能となる。(14)式は、偏差eのPD(比
例・微分)フィードバックに平均減速度に相当するバイ
アス値を加えたものと見ることもでき、バイアス値を与
えることによってフィードバックゲインKp′、Kd′
の値を小さくでき、無用の振動を抑えていると解釈する
こともできる。
【0069】なお、後で詳しく述べるように、この目標
制動トルクNrを実現するために液圧制御部8で油圧回
路に逆モデルを用いて弁制御時間ti、tdを決定する
が、モデルと実アクチュエータのパラメータにズレがあ
った場合、誤差が蓄積していくこととなる。従ってこの
誤差蓄積による偏差eのバイアスが発生することにな
り、このバイアスを0にするために、偏差eの積分をフ
ィードバックする必要がある。
【0070】よって、実際の制御則は(14)に積分項
を加えた次の(15)式になる。
【0071】
【数1】
【0072】従って、PID(比例・積分・微分)フィ
ードバック制御となる。ここで積分は、制御開始から現
在までの積分とする。
【0073】又、各フィードバックゲインKp′、K
d′、KI ′は定数でもよいが、車体速度Vが低くなる
に連れて同じスリップ率でも偏差eの値が小さくなるた
め、Kp′、Kd′、KI ′は車体速度Vが低いと大き
くなるように車速感応にしてもよい。
【0074】次に、N−P変換部6において目標制動ト
ルクNrを目標制動液圧Prに変換する作用について説
明する。
【0075】通常、目標制動液圧Prは制動トルクNr
に比例すると考えられるので、次の(16)式のように
与えることができる。
【0076】 Pr=k3 Nr (K3 は定数) …(16)
【0077】但し、後輪側はPバルブがあるため、その
特性を入れたマップで与える。従って次の(17)式の
ように書くことができる。
【0078】Pr=Pr(Nr) …(17)
【0079】次に、液圧制御部8の作用について説明す
る。
【0080】流量モデル及び、液量による剛性の変化に
よりアクチュエータを液圧モデル化すると、増圧モデル
の場合次の(18)、(19)式が成り立つ。
【0081】 dP/dt=Kai√(Pm−P) …(18)
【0082】
【数2】
【0083】但し、Pは推定制動液圧、Pmはマスタシ
リンダ圧、Kはブレーキ剛性、aiは増圧弁制御関係量
(液圧時定数)であり、又積分はt=0からt=tまで
の増圧時である。
【0084】又、減圧モデルの場合、次の(20)、
(21)式が成り立つ。
【0085】 dP/dt=−Kad√(P−Pres ) …(20)
【0086】
【数3】
【0087】但し、Pres はリザーバ圧、adは減圧弁
制御関係量(液圧時定数)であり、積分はt=tf−t
からt=tfまでの減圧時である。
【0088】(18)、(19)式を増圧前推定制動液
圧をP(k−1)、増圧のための弁制御時間をtiとし
て解くと、現時点での推定制動液圧P(k)が次の(2
2)式で与えられる。
【0089】 P(k)=[Pm+2√{PmP(k−1)−P(k−1)2 } ・sin{ai√(2k)・ti} −{Pm−2P(k−1)} ・cos{ai√(2k)・ti}]/2 …(22)
【0090】又、同様に、(20)、(21)式を減圧
のための弁制御時間をtdとして解くと、次の(23)
式が得られる。
【0091】 P(k)=Pres +{P(k−1)−Pres } ・exp{−ad√(2k)・td} …(23)
【0092】次に、逆油圧モデルを用いて弁制御時間t
i、tdを求める作用を説明する。
【0093】(22)、(23)式において、推定制動
液圧P(k)に目標制動液圧Prを代入し、それぞれ増
圧のための弁制御時間ti、減圧のための弁制御時間t
dについて解くと、次の(24)、(25)式が得られ
る。
【0094】 ti={cos -1(1−2Pr/Pm) −cos -1(1−2P(k−1)/Pm)}/{ai√(2k)} …(24) td={ln(P(k−1)−Pres ) −ln(Pr−Pres )}/{ad√(2k)} …(25)
【0095】以上を図式化すると図6のようになる。即
ち、目標制動液圧Prより、(24)、(25)式によ
り、弁制御時間ti、tdが算出され、逆に弁制御時間
ti、tdより(22)、(23)式により現在の推定
制動液P(k)が算出される。
【0096】以上の演算は全て図3のABSコンピュー
タ20によって行われるが、その具体的アルゴリズムを
図7のフローチャートに示す。
【0097】なお、図7の演算は各車輪毎に一定周期で
行われるものとする。
【0098】まず、ステップ100において、車輪速度
ω及びマスタシリンダ圧Pmが読み込まれ、ステップ1
02において目標スリップ率Srが設定される。次にス
テップ104において、公知の方法により車体速度Vが
推定・演算される。
【0099】次に、ステップ106において(6)式に
より目標車輪速度ωrを算出し、ステップ108におい
て偏差e=ω−ωrが演算される。次にステップ110
において、(15)式により目標制動トルクNrが計算
され、ステップ112において、(16)式又は(1
7)式により目標制動液圧Prが計算される。次にステ
ップ114において、前回までの推定制動液圧P(k−
1)とこの目標制動液圧Prとが比較され、Prの方が
P(k−1)より大(Pr>P(k−1))なら、次の
ステップ116において(24)式により増圧のための
弁制御時間tiが計算されると共に、減圧のための弁制
御時間tdを零とする。
【0100】又、ステップ114の判定において、目標
制御液圧Prの方が前回までの推定制動液圧P(k−
1)より大でない(Pr≦P(k−1))なら、ステッ
プ118へ進み、再び目標制動液圧Prと前回までの推
定制動液圧P(k−1)を比較し、目標制動液圧Prの
方が小(Pr<P(k−1))なら、ステップ120に
おいて、(25)式により減圧のための弁制御時間td
が計算されると共に増圧のための弁制御時間tiを零と
する。又、ステップ118の判定において、目標制御液
圧Prが前回までの推定制動液圧P(k−1)より小で
ないならPr=P(k−1)であるので、ステップ12
2において、弁制御時間ti、tdを共に零とする。
【0101】次にステップ124においてPr>P(k
−1)のときは(22)式により、Pr<P(k−1)
のときは(23)式により、それぞれ推定制動液圧P
(k)の値を更新し、Pr=P(k−1)のときは前回
までの推定制動液圧P(k−1)の値をそのまま保持す
る。
【0102】最後に、ステップ126において、上で計
算された弁制御時間ti、tdに基づいて各バルブ31
a〜31d、32a〜32dが駆動され増減圧制御が行
われる。
【0103】なお、ステップ110における目標制動ト
ルクNrの演算において(15)式が用いられたが、偏
差eの代わりにスリップ率そのものの偏差S−Srを用
いてもよいし、前述したようにフィードバッグゲインK
b′、Kd′、KI ′は車体速度Vに応じて変化させて
もよい。又、平滑された(dV/dt)sの代わりに、
予め車体速度Vや路面状態によって値を変えるようマッ
プスケジューリングされた基準制動トルクNnom を用い
てもよい。
【0104】又、推定制動液圧Pの初期値は、アンチス
キッド制御作動前のマスタシリンダ圧Pm(後輪ではP
バルブ特性で換算したもの)とし、アンチスキッド制御
作動中か否かの判定は公知のロジックによるものとす
る。
【0105】以上述べたように、第1実施例によれば、
弁制御時間を算出する際の目標制動液圧Prを、実スリ
ップ率Sや目標スリップ率Srから直接演算するのでは
なく、車両状態に応じるように調整し易い目標制御トル
クNrを算出し、車両状態に応じて調整から算出するの
で、実際の車両運動に即した制御量を算出することがで
きる。
【0106】又、本実施例では、PID制御の微分項で
位相差を補償しているので、アクチュエータの位相遅れ
によって発生する油圧ハンチングを防止することができ
る。更に、ゲインを車速に応じて変更するので、車両振
動等で発生するノイズを除去することができる。
【0107】次に、第2実施例について説明する。
【0108】本第2実施例は、図2のスリップ率制御部
4において目標制動トルクNrを計算するロジックに周
波数特性を持たせるようにするもの(周波数整形)であ
る。
【0109】これは、実際のアンチスキッド制御系では
油圧系を含むアクチュエータに無駄時間や遅れが存在
し、このため例えば特表平5−502423号によるP
Iフィードバックでは制御性能を上げるためにゲインを
大きくするとハンチングを起こし、逆にハンチングを抑
えようとするとゲインを小さくせざるを得ないという問
題があるからである。この問題点はPIフィードバック
のゲイン特性が周波数領域で複雑な形を持ち得ないこと
に起因している。例えば、無駄時間要素は、そのゲイン
は周波数によらないが位相は周波数に比例して遅れる。
つまり制御対象が無駄時間を含む場合には、高い周波数
域ではゲインを小さくし安定度を大きくすることでハン
チングを抑えつつ、低い周波数域においてはゲインを大
きくすることで目標値への追従性を良くすることができ
る。このように無駄時間や遅れ、振動モード等周波数依
存性のある特性を持つ制御対象に対しては、周波数領域
でゲインを調整する周波数整形を行わなければならな
い。
【0110】次に、第2実施例における具体的な計算法
について説明する。
【0111】以上のような周波数整形フィルタは、制御
対象となる車体、車輪系の物理モデルに基づいて、H∞
制御理論等で知られている方法によってシステム係数行
列の形あるいは伝達関数の形で与えられる。システム係
数行列A、B、C、Dが与えられたとき、フィルタの次
数をnとすると、時刻kの目標制動トルクNr[k]は
車輪速度の偏差e[k]から、次の(26)、(27)
式で計算される。
【0112】 x[k+1]=Ax[k]+Be[k] …(26) Nr[k]=Cx[k]+De[k] …(27)
【0113】ここで、x[k]は時刻kの内部状態を表
わすn次の縦ベクトルである。又、(26)、(27)
式は偏差eから目標制動トルクNrへの伝達関数として
も表わすことができ、zを遅れ演算子として、次の(2
8)式が得られる。
【0114】 Nr=F(z)e, F(z)=D+C(zI−A)-1・B =(b0 +b1 z-1+・・・+bn z-n) /(1+a1 z-1+・・・+an z-n) …(28)
【0115】このとき目標制動トルクNrは、次の(2
9)式としても計算される。
【0116】 Nr[k]=b0 e[k]+b1 e[k−1]+・・・+bn e[k−n] −a1 Nr[k−1]−・・・−an Nr[k−n] …(29)
【0117】第2実施例において、スリップ率制御部4
において目標制動トルクNrを計算する方法を図8のフ
ローチャートに示す。まず、ステップ202において、
各輪の車輪速度ω、車体速度Vを各センサから読み込
む。次にステップ204において、目標車輪速度ωrと
車輪速度ωの偏差e(e=ω−ωr)を各輪について計
算する。最後にステップ206において、(26)、
(27)式あるいは(29)式に従って、各輪の目標制
動トルクNrを計算して、N−P変換部6に引渡す。
【0118】又、以上の計算(ステップ202〜20
6)は一定周期毎に繰返し行われるが、e[k]、Nr
[k]、x[k]等は計算が行われる度に新しい時刻の
ものに更新されなければならない。なお、スリップ率制
御部4以外の計算について第1実施例と同様であるので
説明を省略する。
【0119】実施例によれば、周波数整形フィルタによ
って、周波数領域で位相遅れを補償することができる。
【0120】次に、第3実施例について説明する。
【0121】本第3実施例は、後輪側の実際の制動液圧
は液圧回路にPバルブが入っているため、Pバルブの折
れ点の前後で増減圧勾配が変わることから、図2の液圧
制御部8において、推定制動液圧Pを求める際、前記液
圧時定数ai、adを一義に決めたのでは実際の制動液
圧どおりに推定制動液Pを推定することができないの
で、Pバルブの折れ点の前後で液圧時定数ai、adの
値を変え、目標通りに制御ができるようにするものであ
る。
【0122】図9は後輪側推定制動液圧Pの変化を示す
グラフである。図9においてPpは予め決められたPバ
ルブの折れ点の液圧であり、aih、adhはそれぞれ
Ppよりも高圧側の液圧時定数ai、adの値、又同様
に、ail、adlは、それぞれPpよりも低圧側の液
圧時定数ai、adの値である。
【0123】又、図10は第3実施例の制御を示すフロ
ーチャートである。
【0124】以下、図10のフローチャートを用いて第
3実施例の具体的な制御について説明する。
【0125】まず、図10のステップ302において、
現在演算しようとしているのは4輪中のどの車輪かを判
定する。これによりプログラムのループが実行され、4
輪分の計算が行われる。ステップ304の判定で前輪で
あると判断されたら、パラメータai、adをPバルブ
の前後で変える必要はないので、ステップ312へ進
み、(22)、(23)、(24)、(25)式の液圧
時定数ai、adを前輪側の増減圧勾配に合わせた増減
圧時の液圧時定数aif、adfとして、ステップ31
0へ進む。
【0126】又、ステップ304の判定で、前輪でな
い、即ち後輪であると判断された場合には、次のステッ
プ306で、既に制御開始時点から推定している(前回
の)推定制動液圧P(k−1)とPバルブの折れ点の圧
力Ppを比較し、前回の推定制動液圧P(k−1)がP
pよりも高ければステップ314へ進み、液圧時定数a
i、adをそれぞれaih、adhとしてステップ31
0へ進む。又、前回の推定制動液圧P(k−1)がPp
よりも低いときは、ステップ308へ進み、液圧時定数
ai、adをそれぞれail、adlとしてステップ3
10へ進む。
【0127】ステップ310においては、弁制御時間t
i、td決定と、推定制動液圧P(k)を(22)、
(23)、(24)、(25)式を用いて算出する。
【0128】この実施例によればPバルブの折れ点の前
後の増減圧勾配の違いに合わせた液圧時定数ai、ad
が選ばれるので推定制動液圧P(k)の推定精度をより
高めることができ、それだけ目標制動液圧Prへの制御
性能が向上する。
【0129】なお、以上の液圧制御部8以外の制御につ
いては第1実施例と同様である。
【0130】本実施例によれば、液圧モデル上で液圧時
定数ai、adをPバルブの折れ点前後の増減圧勾配に
応じて変更するので、算出する推定液圧の誤差の発生を
防止することができる。
【0131】次に、第4実施例について説明する。
【0132】本第4実施例は、アクチュエータの印加電
圧が変動した場合に、アクチュエータの応答遅れが生
じ、適正に制御できなくなることを防止するため、図2
の液圧制御部8において弁制御時間ti、tdを求める
際、前記液圧時定数ai、adを変更するようにしたも
のである。
【0133】即ち、図11に電源(バッテリ)電圧と液
圧時定数ai、adの関係を示すように、例えばバッテ
リ電圧が低い場合にはai、adの値は大きくしなけれ
ば、意図するアクチュエータ制御を行うことができな
い。
【0134】図12に本第4実施例で用いられるバッテ
リ電圧監視回路を示す。
【0135】図12において、バッテリ40の正負極は
コントローラ42に導かれ、高インピーダンス抵抗44
に繋がれている。この抵抗44の抵抗値にかかる電圧値
はA/D回路46によって、バッテリ40の電圧値Eb
として測定されコンピュータ(CPU)48にデジタル
値として入力される。
【0136】第4実施例における液圧制御部8の具体的
な制御を図13のフローチャートに示し、以下説明す
る。なお、液圧制御部8以外の制御については第1実施
例と同様である。
【0137】まず、ステップ400において、N−P変
換部6より目標制動液圧Prを読み込む。次にステップ
402において図12のコントローラ42において、バ
ッテリ40の電圧値Ebを計算する。次のステップ40
4では、目標制動液圧Prと前回の推定制動液圧P(k
−1)とを比較して、増圧か減圧かを判断する。
【0138】ステップ404の判断において、増圧と判
断された場合には、ステップ406において、ステップ
402で計算された電圧値Ebを用いて、増圧のための
弁制御時間tiを決定する液圧時定数aiの補正計算を
行う。このとき、図11に示したように、電圧値Ebが
低圧のときは液圧時定数aiを大きくし、弁制御時間t
iを長くとり、逆に電圧値Ebが高圧のときは液圧時定
数aiを小さくする。
【0139】ステップ406の液圧時定数aiの補正計
算に続いて、ステップ408において(24)式により
増圧のための弁制御時間tiの計算を行い、ステップ4
14へ進む。
【0140】又、ステップ404の判断で、減圧とされ
たときには、ステップ410において、減圧のための弁
制御時間tdを決定する液圧時定数adを、ステップ4
02で計算された電圧値Ebを用いて補正計算し、次の
ステップ412において(25)式により減圧のための
弁制御時間tdの計算を行いステップ414へ進む。
【0141】ステップ414では、ステップ408、4
12で算出された弁制御時間ti、tdを用いて、(2
2)式あるいは(23)式により現在の推定制動液圧P
(k)を計算する。
【0142】本実施例によれば、液圧時定数ai、ad
を電圧値Ebに応じて変更することにより、電圧源の電
圧値Ebの変動に応じて発生するアクチュエータの応答
遅れを防止することができる。
【0143】次に、第5実施例について説明する。
【0144】上述したように、今までの実施例では、
(24)、(25)式により求めた弁制御時間ti、t
dによりバルブ31a〜31d、32a〜32dを駆動
し目標制動液圧Prに制御していたが、増減圧指令値と
しての弁制御時間ti、tdが所定制御時間(例えば3
msec)より小さいものは、指令値を出力してもアクチュ
エータの特性により実際の制御液圧はほとんど動かず、
にも拘らず推定制動液圧P(k)はその分変化するた
め、実際の制動液圧と推定制動液圧P(k)との差が次
第に大きくなるという問題が生じる。この場合、例え
ば、3msec以下の指令値は出力しないようにすると、確
かに実際の制動液圧と推定制動液圧P(k)との差が次
第に大きくなるという問題は生じなくはなるものの、以
下のような問題が生じる。
【0145】即ち、図14に示した目標制動液圧Pr及
び推定制動液圧P(k)の関係のように、3msec以下の
増減圧指令値は零として出力しないようにしていると、
目標制動液圧Prと推定制動液圧P(k)との液圧差
が、図14のCのように3msec以上の増減圧指令を必要
とするくらい大きくなって初めて増減圧指令が出力され
ることになる。従って、図14の目標制動液圧Prのグ
ラフの極大点Dの付近では、推定制動液圧P(k)は目
標制動液圧Prに対して長い時間誤差を生じたままとな
り、この状態が結果として車輪の動きを振動的にしたり
して制御能力が低下するという問題を引き起こすことに
なる。
【0146】第5実施例は、上記問題を解決するもので
あり、3msec未満の指令に対してはこれを出力しないよ
うにするのではなく、例えば1msec以上3msec未満の指
令値を、3msecの指令値に繰上げて出力することによ
り、増減圧指令のタイミング遅れを解消するものであ
る。
【0147】これを、図15の油圧変化のグラフを用い
て説明すると、以下のようになる。
【0148】図15に示すように、目標制動液圧Pr及
び推定制動液圧P(k)において、従来の減圧タイミン
グEに対して1msec以上3msec未満の指令を3msecに繰
上げて出力することにより、目標制動液圧Prと推定制
動液圧Pとの差が、最低でも1msecの減圧指令を出すだ
けあればよいことになり、従ってその分減圧タイミング
は早くなり、図15のFで出力される。
【0149】なお、このとき1msec以上3msec未満の指
令を繰上げることにより、目標制動液圧Prが振動的に
なることが予想される。しかし、車両としては増減圧の
タイミングが遅れることによって起こる車輪速度ωの振
動や制御性能の低下の方が影響が大きいので、本実施例
のような制御の方が好ましいと考えられる。
【0150】以下、図16のフローチャートを用いて本
第5実施例の具体的な制御を説明する。
【0151】図16のステップ500は図2の液圧制御
部8において液圧モデルを用いて弁制御時間ti、td
を計算するルーチンであり、本実施例はその後に新しい
ロジックを追加するものである。
【0152】即ち、次のステップ502において、ステ
ップ500において計算された弁制御時間ti、tdの
大きさを調べ、それが3msec以上であればステップ51
0へ進み、その値をそのままアクチュエータへ指令値と
して出力する。
【0153】又、ステップ502で、弁制御時間ti、
tdが3msec未満のときはステップ504で、弁制御時
間ti、tdを1msecと比較し、1msec以上であればス
テップ506へ進み弁制御時間ti、tdをそれぞれ3
msecとし、ステップ510へ進む。又、ステップ504
で弁制御時間ti、tdが1msec未満のときには、ステ
ップ508へ進み弁制御時間ti、tdをそれぞれ零に
してステップ510へ進む。
【0154】なお、本実施例では、1msec未満は0msec
として扱っているが、0〜1msecも3msecに繰上げて扱
うようにしてもよい。
【0155】本実施例によれば、アクチュエータが液圧
を制御できない所定時間以下の制御時間が算出された場
合に、制御可能な最短制御時間として取り扱うので、制
御タイミングの遅れを防止することができる。
【0156】次に、第6実施例について説明する。
【0157】第6実施例は、制動制御において、各バル
ブ31a〜31d、32a〜32dへ増圧、減圧、保持
信号を出力してから、実際に液圧が動き出すまでには液
圧の遅れのために、通常所定時間(例えば5msec程度)
遅れるので、この遅れを解消するために1演算周期前の
推定制動液圧P(k−1)を現在の推定制動液圧P
(k)としてを出力するようにしたものである。
【0158】即ち、上に述べた遅れを考慮しないで、液
圧モデルを用いて制御すると、目標制動液圧Prと推定
制動液圧P(k)との偏差が次第に大きくなり、制御装
置の期待する必要な制動力が実現できず、車両を目標ス
リップ率Srに制御できなくなるという問題があるた
め、上記遅れを解消する必要がある。
【0159】この遅れを解消する方法を図17を用いて
説明する。
【0160】図17において、実際の制動液圧Pa
(k)が推定制動液圧P(k)と同じ値をとるまでに5
msecのずれが存在する。従って、ある時刻t1での推定
制動液圧P(k=t1)をP1とすると、実際の制動液
圧Pa(k=t1)はP2となり、P1とP2の間には
液圧差C1(=P1−P2)が存在する。
【0161】この液圧差C1を解消するために、時刻t
1における推定制動液圧P(k=t1)として、それよ
り5msec前の時刻t0において演算した推定制動液圧P
(k−1=t0)での値P3を使おうというものであ
る。これより液圧差C1が解消される。
【0162】第6実施例の具体的な制御を図18のフロ
ーチャートを用いて以下説明する。
【0163】第6実施例は、図2の液圧制御部8におい
て、推定制動液圧P(k)の演算に関するものであり、
これ以外の制御については第1実施例と同様である。
【0164】図18のステップ602において目標制動
液圧PrをN−P変換部6より入力し、ステップ604
において(24)、(25)式により弁制御時間ti、
tdを計算する。次のステップ606において(2
2)、(23)式により推定制動液圧P(k)を算出す
る。
【0165】次のステップ608において、演算周期が
5msecと油圧の遅れと一致しているので、従来推定制動
液圧としてP(k)を出力していたところを、1演算周
期5msec前の推定制動液圧P(k−1)で出力する。こ
れにより推定制動液圧が5msec遅れて出力されることと
なり、実際の制動液圧Pa(k)と一致する。
【0166】なお、上の説明で明らかなように、もし液
圧回路での遅れが例えば6msecであるような場合は、5
msec前の推定制動液圧P(k−1)と、更に5msec前の
推定制動液圧P(k−2)から補間して求めればよい。
【0167】本実施例によれば、液圧制御部8における
液圧モデル上でアクチュエータの制御信号(推定制動液
圧P(k))対する遅れを補償することができる。
【0168】次に、第7実施例について説明する。
【0169】第7実施例は、液圧制御において、演算上
の推定制動液圧P(演算)が大気圧まで落ちると、ブレ
ーキディスクとパッドのクリアランス、液圧の剛性特性
の影響等により次に立ち上がるときの液圧の遅れが所定
時間(例えば、50msec)発生することになり、この遅
れを考慮しないと目標制御液圧Prと推定制動液圧P
(k)との間に誤差が発生するため、演算上の推定制動
液圧P(演算)が大気圧相当の所定液圧Pth以下とな
ったときは、該演算上の推定制動液圧P(演算)が、こ
の所定液圧Pth以上に回復し、更に回復後所定時間
(50msec)が経過するまでは、出力としての推定制動
液圧P(出力)をこの所定液圧Pthに維持するように
するものである。
【0170】ここで、アンチスキッド制御中に、大気圧
相当まで減圧される状態とは、例えば車両が高μ路から
低μ路に入って急に減圧され、大気圧相当まで減圧され
たような場合である。
【0171】具体的に、図19を用いて演算上の推定制
動液圧P(演算)が大気圧相当以下にまで落ちた後の処
理を説明する。
【0172】図19において、今推定制動液圧P(演
算)が図の一点鎖線のように計算によって求められたと
する。しかしながらこの場合、たとえその値が大気圧相
当の所定値Pthを下廻っていたとしても実際に車輪W
hに現にかけられている制動液圧Paは大気圧(=Pt
h)以下には下がらないため、出力としての推定制動液
圧P(出力)は該所定値Pthを維持するようにしない
と推定制動液圧P(出力)が実際の制動液圧Paと異な
るようになってしまうため制御に不具合が発生する。従
って推定制動液圧Pはたとえ演算上の値P(演算)が所
定値Pth以下となったとしても実際に制御に用いる出
力としての推定制動液圧P(出力)は、所定値Pthを
維持するようにする(破線参照)。
【0173】一方、算出された推定制動液圧P(演算)
が時刻t5において所定値Pth以下の状態から以上の
状態に回復したとしても、前述したように実際の制動液
圧Paが所定値Pth以上に立ち上がるには約50msec
の時間がかかるため、この計算上回復した時期t5から
50msecだけ遅らせた時刻t6で出力するようにしない
と、推定制動液圧P(出力)と実際の制動液圧Paとが
一致しないことになる。そのため出力としての推定制動
液圧P(出力)は図19の時刻t5から50msec遅れた
時刻t6の時点から立ち上げるようにする。その結果実
際の制動液圧Paと推定制動液圧P(出力)との差を小
さく抑えることができるようになる。
【0174】次に、第7実施例の具体的制御を図20の
フローチャートを用いて説明する。
【0175】この実施例の制御は、図2の液圧制御部8
において、弁制御時間ti、tdの計算、推定制動液圧
Pの計算に続いて行われる。
【0176】まず、ステップ702において推定制動液
圧P(演算)と、大気圧相当の所定値Pthとを比較し、
推定制動液圧P(演算)の方が所定値Pthより小さいと
きはステップ704へ進み、遅れ補償制御中を示すフラ
ッグP−flagがONか否かを判断する。
【0177】P−flagがONでなければ、今初めて大気
圧相当以上から大気相当圧以下に下がったことになるの
で、ステップ706において、P−flagをONにして、
推定制動液圧P(出力)を1気圧(あるいは所定値Pt
h、以下同様)にする。又、P−flagがONの場合に
は、遅れ補償制御中であり、ステップ707において推
定制動液圧P(出力)を1気圧に維持する。
【0178】一方、ステップ702の判定で推定制動液
圧P(演算)がPthより大きいときは、ステップ708
へ進み、P−flagがONか否かを判断する。P−flagが
ONのときは、推定制動液圧P(演算)が大気圧以下か
ら大気圧以上に回復した状態ということになるので、次
のステップ710で、回復後50msecの補償制御中か否
か判定する。
【0179】具体的には、この実施例では、1演算周期
が5msecであることから、演算周期のカウント回数iが
9以下のときは、50msec補償制御中であると判定す
る。即ち、ステップ712において推定制動液圧P(出
力)を1気圧に維持し、演算周期のカウントを1インク
リメントする。
【0180】又、ステップ710の判定においてiが9
より大となったら、推定制動液圧P(演算)が所定値P
th以上に回復してから50msec経ったことになるの
で、iを0とし、P−flagをOFFにして、推定制動液
圧P(出力)は10周期前に算出された推定制動液圧P
(k−10:演算)を用いるようにする。
【0181】又、ステップ708の判定でP−flagがO
Nでないときは、もともと遅れ補償制御中でなく、大気
圧以下に下がったこともないので、このまま処理を終了
する。
【0182】なお、この遅れは通常時間の経過と共に解
消してゆくため、例えば所定の周期毎に推定制動液圧P
(k:出力)を、10周期前の推定制動液圧P(k−1
0:演算)→9周期前の推定制動液圧P(k−9:演
算)→8周期前の・・・というように次第に変更してゆ
き、最終的には、前述した図18の実施例のように、定
常的な遅れに相当する1周期前の推定制動液圧P(k−
1:演算)に収束されるようにする。
【0183】本実施例によれば、アンチスキッド制御
中、液圧が大気圧相当の所定液圧まで減圧された場合
に、推定制動液圧P(k)の値を所定値Pthに所定時
間維持するので、大気圧相当の減圧から再び増圧に戻る
際に発生するアクチュエータの特異な液圧遅れを防止す
ることができる。
【0184】なお、以上の実施例ではアンチスキッド制
御を対象として説明したが、本発明は、これに限定され
るものではなく、目標スリップ率と実スリップ率から車
輪速度が目標スリップ率となるように制動力を制御し
て、車両運転時における車両安定性、操舵性を向上させ
るものに適用するものならば同一のことが言えるのは明
らかである。
【0185】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明によれば、目
標制動液圧を直接計算するのではなく、車両運動に対応
するように目標制動トルクを求め、これを目標制動液圧
に変換するようにしているため、実際の車両の運動に即
した制御量を算出することができ、車両全体の制動力配
分を考慮した油圧制御を行うことができ、アンチスキッ
ド制御や加速スリップ制御のほか車両安定性、操舵性の
向上等の幅広い総合的な車両挙動制御を良好にできるよ
うになるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の要旨を示す概念図
【図2】本発明の第1実施例の概略構成を示すブロック
線図
【図3】同じく第1実施例の制御回路を示すブロック線
【図4】車輪に働く力を示す説明図
【図5】路面反力とスリップ率の関係を示す線図
【図6】第1実施例における液圧制御部の働きを示す説
明図
【図7】第1実施例の制御を示すフローチャート
【図8】本発明の第2実施例の制御を示すフローチャー
【図9】後輪側推定制動液圧の変化を示す線図
【図10】本発明の第3実施例の制御を示すフローチャ
ート
【図11】バッテリ電圧と液圧時定数の関係を示す線図
【図12】本発明の第4実施例におけるバッテリ電圧監
視回路を示す回路図
【図13】本発明の第4実施例の制御を示すフローチャ
ート
【図14】実制動液圧と推定制動液圧の関係を示す線図
【図15】本発明による第5実施例の制御を示す線図
【図16】第5実施例の制御を示すフローチャート
【図17】本発明の第6実施例の制御を示す線図
【図18】第6実施例の制御を示すフローチャート
【図19】本発明の第7実施例の制御を示す線図
【図20】第7実施例の制御を示すフローチャート
【符号の説明】
2…車両 4…スリップ率制御部 6…N−P変換部 8…液圧制御部
フロントページの続き (72)発明者 永楽 玲 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】制動装置のマスタシリンダによって発生さ
    れる液圧を、車両の走行状態に応じて増減制御する液圧
    制御装置を備えた車両の制動力制御装置において、 車輪速度及び車体速度から実スリップ率を算出する実ス
    リップ率算出手段と、 予め設定された目標スリップ率と前記算出された実スリ
    ップ率から、車輪速度が目標スリップ率になるように、
    目標制動トルクを算出する目標制動トルク算出手段と、 前記目標制動トルクを目標制動液圧に変換する目標制動
    液圧変換手段と、 前記マスタシリンダによって発生される液圧と過去の推
    定制動液圧から、液圧モデルを用いて制動装置に現に作
    用していると推定される推定制動液圧を算出する推定制
    動液圧算出手段と、 前記推定制動液圧と前記目標制動液圧から、液圧制御装
    置の制御量を、逆液圧モデルを用いて算出する制御量算
    出手段と、 を備えたことを特徴とする車両の制動力制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記目標制動トルク算
    出手段は、液圧制御装置による誤差の補償を行う誤差補
    償手段を備えたことを特徴とする車両の制動力制御装
    置。
  3. 【請求項3】請求項2において、前記誤差補償手段はH
    ∞制御による周波数整形を行うことを特徴とする車両の
    制動力制御装置。
  4. 【請求項4】請求項2において、前記誤差補償手段は、
    制御ゲインを車速に応じて変更することを特徴とする車
    両の制動力制御装置。
  5. 【請求項5】請求項1において、前記制動装置は、後輪
    側の液圧配管にプロポーショニングバルブを備えたもの
    であって、前記目標制動液圧変換手段は、後輪側の目標
    制動液圧の上昇が前輪側の目標制動液圧の上昇に対して
    大きくなるようにして変換する後輪側液圧変換手段を備
    えたことを特徴とする車両の制動力制御装置。
  6. 【請求項6】請求項1において、前記制動装置は、後輪
    側の液圧配管にプロポーショニングバルブを備えたもの
    であって、前記推定制動液圧算出手段で後輪側の推定制
    動液圧を算出する際、液圧配管特性によって決定される
    前記液圧モデルの液圧時定数を、プロポーショニングバ
    ルブの液圧折れ点の前後で変更する後輪液圧時定数変更
    手段を備えたことを特徴とする車両の制動力制御装置。
  7. 【請求項7】請求項1において、更に、電圧源の電圧を
    検出する電圧検出手段と、前記電圧に応じて前記液圧モ
    デルで使用する液圧時定数を変更する液圧時定数変更手
    段と、を備えたことを特徴とする車両の制動力制御装
    置。
  8. 【請求項8】請求項1において、前記制御量算出手段
    は、算出された制御量が、液圧制御装置で制御できない
    程に微小な値であったときは、該制御量を制御可能な制
    御量にまで補正する制御量補正手段を備えたことを特徴
    とする車両の制動力制御装置。
  9. 【請求項9】請求項1において、前記推定制動液圧算出
    手段は、算出された推定制動液圧に対する実制動液圧の
    遅れを補償する遅れ補償手段を備えたことを特徴とする
    車両の制動力制御装置。
  10. 【請求項10】請求項9において、前記遅れ補償手段
    は、制動力制御中に算出された推定制動液圧が大気圧相
    当の所定液圧以下となったときは、該算出された推定制
    動液圧が、この所定液圧以上に回復し、更に回復後所定
    時間が経過するまでは、推定制動液圧を前記所定液圧に
    維持する推定制御液圧維持手段を備えたことを特徴とす
    る車両の制動力制御装置。
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