JPH08225613A - ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

ビニル系重合体の製造方法

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JPH08225613A
JPH08225613A JP7344514A JP34451495A JPH08225613A JP H08225613 A JPH08225613 A JP H08225613A JP 7344514 A JP7344514 A JP 7344514A JP 34451495 A JP34451495 A JP 34451495A JP H08225613 A JPH08225613 A JP H08225613A
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tetramethylpropyl
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vinyl chloride
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隆志 小林
Tadashi Amano
正 天野
Yoshitaka Okuno
義隆 奥野
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 塩化ビニル単量体、塩化ビニリデン単量
体、酢酸ビニル単量体などのビニル系単量体を重合させ
る際に、下記一般式(1) 【化1】 (式中R1,R2及びR3は互いに同一又は異種の炭素数
1〜9の直鎖状アルキル基を示す。)で示される1,
1,2,2−テトラメチルプロピルペルオキシエステル
化合物を添加して重合することを特徴とするビニル系重
合体の製造方法。 【効果】 本発明によれば、ビニル系単量体を重合させ
る際の重合開始剤として式(1)の1,1,2,2−テ
トラメチルプロピルペルオキシエステル化合物を使用し
たことにより、重合過程全般における重合反応速度を均
一化させ、重合時間を短縮することができ、着色性や衛
生性に優れた重合体成形品を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系重合
体、塩化ビニリデン系重合体、酢酸ビニル系重合体など
のビニル系重合体を重合時間を短縮して良好な品質で得
ることができるビニル系重合体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】近年、
塩化ビニル系重合体、塩化ビニリデン系重合体、酢酸ビ
ニル系重合体などのビニル系重合体を製造する場合、品
質を維持しつつ高い生産性のもとでこれら重合体を製造
するため、重合プロセスにおいては短時間の反応で製造
する要求が高まっている。
【0003】例えば、塩化ビニル単量体を重合させる際
の短時間の反応を目的としてより重合反応速度が高い重
合開始剤が使用されている。
【0004】このような重合開始剤としては、tert
−ブチルペルオキシピバレート、tert−ブチルペル
オキシネオヘプタノエート、tert−ブチルペルオキ
シネオデカノエート、tert−ヘキシルペルオキシネ
オデカノエート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジ
カーボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシジカーボ
ネート、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロ
ニトリル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオ
キサイド、クミルペルオキシネオデカノエート、イソブ
チリルペルオキサイド等が挙げられる。
【0005】しかしながら、上記tert−ブチルペル
オキシピバレート、tert−ブチルペルオキシネオヘ
プタノエート、tert−ブチルペルオキシネオデカノ
エート、tert−ヘキシルペルオキシネオデカノエー
ト、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニト
リル、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキサ
イド等は、重合中期迄は活性が維持されて重合反応速度
は高く維持されるが、重合後期の重合器内圧が降圧し始
める以後においては反応速度低下が著しく、重合時間が
長くなり、重合時間短縮の十分な効果を得ることができ
ない。また、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカー
ボネート、ジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネー
ト等は、重合全般を通して重合反応速度が相対的に高く
維持されるが、重合体成形品の着色性に劣り、クミルペ
ルオキシネオデカノエートは、重合中期迄は活性が維持
されて重合反応速度は高く維持されるが、重合後期の重
合器内圧が降圧し始める以後においては反応速度低下が
著しく、重合時間が長くなって重合時間短縮の十分な効
果を得ることができず、かつ分子構造としてフェニル基
を有しているため製品が医療分野へ不向きで、かつ重合
体の成形時において臭気が発生するという問題があっ
た。
【0006】そこで、ビニル系重合体を製造する際に、
品質、特に重合体成形品の着色性、臭気等の衛生性に優
れ、重合全般を通して重合反応速度が高く維持され、短
時間反応を可能にするビニル系重合体の製造方法が望ま
れていた。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みなされたもので
あり、塩化ビニル系重合体、塩化ビニリデン系重合体、
酢酸ビニル系重合体などのビニル系重合体を製造する際
に、品質に優れ、短時間の反応でこれら重合体を製造す
ることができるビニル系重合体の製造方法を提供するこ
とを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結
果、塩化ビニル単量体、塩化ビニリデン単量体、酢酸ビ
ニル単量体などのビニル系単量体を重合する場合、重合
開始剤として下記一般式(1)で示される1,1,2,
2−テトラメチルプロピルペルオキシエステル化合物を
使用することにより、重合全般に亘り重合反応速度を高
く維持することが可能となり、特に、重合後期の重合器
内圧が降下し始める以後の重合反応速度を相対的に高く
維持することができて短時間反応が可能となり、更に、
着色性、衛生性などに優れた高品質のビニル系重合体成
形品が得られ、上記従来の問題を効果的に解決し得るこ
とを知見し、本発明をなすに至ったものである。
【0009】
【化2】 (式中R1,R2及びR3は互いに同一又は異種の炭素数
1〜9の直鎖状アルキル基を示す。)
【0010】以下、本発明につき更に詳しく説明する
と、本発明は、ビニル系単量体を重合させる際に、下記
一般式(1)で示される1,1,2,2−テトラメチル
プロピルペルオキシエステル化合物を添加して重合する
ものである。
【0011】
【化3】 (式中R1,R2及びR3は互いに同一又は異種の炭素数
1〜9の直鎖状アルキル基を示す。)
【0012】この式(1)の化合物は、新規物質であ
り、R1,R2,R3は上述したように、互いに同一又は
異種の炭素数1〜9の直鎖状アルキル基であり、具体的
にはメチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル
基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル
基、n−オクチル基、及びn−ノニル基等が挙げられる
が、R1,R2及びR3の炭素数の総和は3〜11である
ことが、得られる化合物の粘性を低く保つことができる
ことから、重合器内への供給の際、ポンプで重合器内に
圧入することが容易となる等の取扱い性の点で好まし
い。更には、R1,R2,R3の炭素数の総和が3〜8で
あることがより好ましい。
【0013】また、1,1,2,2−テトラメチルプロ
ピルペルオキシエステル化合物としては、ベンゼン溶液
0.1モル/l中における10時間半減期温度(10時
間で重合開始剤が1/2となる温度)が30〜50℃で
あるものが好ましい。
【0014】上記1,1,2,2−テトラメチルプロピ
ルペルオキシエステル化合物としては、1,1,2,2
−テトラメチルプロピルペルオキシピバレート、1,
1,2,2−テトラメチルプロピルペルオキシネオヘプ
タノエート、1,1,2,2−テトラメチルプロピルペ
ルオキシネオデカノエート等が好適に用いられる。
【0015】上記1,1,2,2−テトラメチルプロピ
ルペルオキシエステル化合物は、以下に示す方法により
製造される。即ち、まず公知の方法(例えば、Jour
nal of the American Chemi
cal Society/89:7/March 2
9,1967)で合成される1,1,2,2−テトラメ
チルプロピルアルコールを過酸化水素水溶液と濃硫酸で
処理して、下記構造式(2)で示されるアルキルヒドロ
ペルオキシドを得る。この反応は発熱反応であり、室温
で行うことが好ましい。
【0016】
【化4】
【0017】次に、上記式(2)のアルキルヒドロペル
オキシドを、下記一般式(3)で示される酸クロリド
(例えば、ピバリン酸クロリド、ネオヘキサン酸クロリ
ド、ネオヘプタン酸クロリド、ネオデカン酸クロリド、
ネオトリデカン酸クロリド等)と水酸化カリウム水溶液
等の塩基触媒の存在下、反応温度を20℃以下に保ちな
がらベンゼン、トルエン、キシレン、n−ヘキサンなど
の有機溶媒中で反応させ、次いで中性になるまで水洗
し、有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水することによ
り、上記一般式(1)で示される1,1,2,2−テト
ラメチルプロピルペルオキシエステル化合物を得ること
ができる。
【0018】
【化5】 (式中R1,R2及びR3は前記と同様の意味を示す。)
【0019】この式(1)のペルオキシエステル化合物
は、ビニル系重合体の製造において、重合開始剤として
用いられるものであるが、式(1)の化合物の添加量
は、仕込み単量体100重量部に対し0.001〜5重
量部、特に0.01〜0.3重量部である。
【0020】本発明において、ビニル系重合体を得るた
めに用いられるビニル系単量体としては、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、アクリロニト
リル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、ブタジエン、クロロプレン
などが挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を
組合せて使用することができる。これらの中では、特に
塩化ビニル単量体、塩化ビニリデン単量体、酢酸ビニル
単量体又はこれらを主体とする単量体混合物を用いて塩
化ビニル系重合体、塩化ビニリデン系重合体、酢酸ビニ
ル系重合体を製造する場合に有効である。
【0021】ここで、塩化ビニル系重合体としては、塩
化ビニル系単独重合体のほか、塩化ビニルと他のビニル
系単量体との共重合体(通常、塩化ビニルが50重量%
以上、好ましくは70重量%以上)が包含される。この
塩化ビニルと共重合されるコモノマーとしては、エチレ
ン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−
デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセ
ン、1−テトラデセン等のα−オレフィン;マレイン
酸;酢酸ビニル等のビニルエステル;ラウリルビニルエ
ーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル;無水マレイン酸;塩化ビニリデン等が例示される。
【0022】塩化ビニリデン系重合体としては、塩化ビ
ニリデン単独重合体のほか、塩化ビニリデンと他のビニ
ル系単量体との共重合体(通常、塩化ビニリデンが50
重量%以上、好ましくは70重量%以上)が包含され
る。この塩化ビニリデンと共重合されるコモノマーとし
ては、上記に挙げたコモノマーの中で塩化ビニリデン自
身を除いたものが例示される。
【0023】酢酸ビニル系重合体としては、酢酸ビニル
単独重合体のほか、酢酸ビニルと他のビニル系単量体と
の共重合体(通常、酢酸ビニルが50重量%以上、好ま
しくは70重量%以上)が包含される。この酢酸ビニル
と共重合されるコモノマーとしては、上記に挙げたコモ
ノマーの中で酢酸ビニル自身を除いたものが例示され
る。
【0024】上記のようなビニル系単量体の重合を行う
場合、重合開始剤として上述したように式(1)の化合
物を使用するものであり、この場合、式(1)の化合物
を単独で使用しても短時間重合反応に有効であるが、活
性的に異なる他の重合開始剤を少なくとも1種以上併用
することにより、重合過程全般における重合反応速度を
均一化させ、一層重合時間を短縮することができる。即
ち、(イ)成分としてベンゼン溶液0.1モル/l中に
おける10時間半減期温度が30℃以上40℃未満であ
る重合開始剤と、(ロ)成分としてベンゼン溶液0.1
モル/l中における10時間半減期温度が好ましくは4
0℃以上70℃以下、より好ましくは40℃以上60℃
以下である重合開始剤とを併用することで従来の重合開
始剤同士の併用では得られなかった優れた効果を得るこ
とができるものである。
【0025】ここで、(イ)成分(10時間半減期温度
が30℃以上40℃未満)として具体的には、イソブチ
リルペルオキサイド(10時間半減期温度32.5℃、
以下同様)等のジアシル系有機過酸化物、クミルペルオ
キシネオデカノエート(36.6℃)等のペルオキシエ
ステル系有機過酸化物、ジアリルペルオキシジカーボネ
ート等のペルオキシジカーボネート系の有機過酸化物が
挙げられる。
【0026】(ロ)成分(10時間半減期温度が40℃
以上70℃以下)として具体的には、3,5,5−トリ
メチルヘキサノイルペルオキサイド(59.5℃)、ラ
ウロイルペルオキサイド(62.0℃)等のジアシル系
有機過酸化物、tert−ブチルペルオキシピバレート
(55.0℃)、tert−ブチルペルオキシネオヘプ
タノエート(49.7℃)、tert−ブチルペルオキ
シネオデカノエート(46.5℃)、tert−ヘキシ
ルペルオキシネオデカノエート(44.7℃)等のペル
オキシエステル系有機過酸化物、ジ−sec−ブチルペ
ルオキシジカーボネート(45.0℃)、ジ−2−エチ
ルヘキシルペルオキシジカーボネート(43.5℃)等
のペルオキシジカーボネート系の有機過酸化物、2,
2’−アゾビスイソブチロニトリル(65.0℃)、
2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル
(51.0℃)等のアゾ系化合物が挙げられ、これらの
中で3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキサイ
ド、tert−ブチルペルオキシネオヘプタノエート、
tert−ブチルペルオキシネオデカノエート、ジ−2
−エチルヘキシルペルオキシジカーボネートが好適に用
いられる。
【0027】ここで、上記(イ)成分、又は(ロ)成分
の少なくとも一方として上記1,1,2,2−テトラメ
チルプロピルペルオキシエステル化合物が用いられ、ま
た、(イ)成分と(ロ)成分との10時間半減期温度差
が好ましくは2℃以上、より好ましくは5℃以上である
ものが好適に用いられる。この10時間半減期温度差が
2℃より小さいと重合過程全般における重合反応速度を
均一化させ、重合時間を短縮することができない場合が
ある。
【0028】この場合、(イ)成分は、全仕込み単量体
100重量部に対し0.001〜0.5重量部、好まし
くは0.01〜0.3重量部であり、(ロ)成分は、全
仕込み単量体100重量部に対し0.001〜0.5重
量部、好ましくは0.01〜0.3重量部であり、か
つ、(イ)成分と(ロ)成分の総添加量が、全仕込み単
量体100重量部に対し0.5重量部、好ましくは0.
3重量部を越えない範囲で好適に使用される。添加方法
としては、単量体の仕込み後、溶剤で希釈するか、ある
いは水性エマルジョンとして反応系にポンプで圧入する
方法などを採用することができる。
【0029】本発明において、重合方法としては、懸濁
重合、乳化重合、溶液重合、塊状重合等のラジカル重合
に好適に用いられるが、特に懸濁重合法によることが好
ましい。
【0030】懸濁重合法としては公知の方法を採用する
ことができ、重合温度は好ましくは30〜70℃、より
好ましくは40〜65℃である。使用される懸濁剤は従
来一般に使用されているものでよく、例えばメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース
などのセルロース誘導体、水溶性または油溶性の部分ケ
ン化ポリビニルアルコール、アクリル酸重合体、ゼラチ
ンなどの水溶性ポリマーが挙げられる。これらは単独で
又は2種以上の組み合わせとしても使用することがで
き、また上記懸濁液とともにソルビタンモノラウレー
ト、ソルビタントリラウレート、グリセリントリステア
レート、エチレンオキシドプロピレンオキシドブロック
コポリマーなどのノニオン性乳化剤、ポリオキシエチレ
ンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレングリ
セリンオレート、ラウリル硫酸ナトリウム等のアニオン
性乳化剤などを単独で又は2種以上を組み合わせて使用
することができる。懸濁剤量は、塩化ビニル系単量体1
00重量部に対し、0.02〜0.2重量部の範囲で適
宜添加される。
【0031】なお、必要に応じて塩化ビニル系単量体の
重合において適宜選択される重合調整剤、連鎖移動剤、
pH調整剤、ゲル化調整剤、帯電防止剤、架橋剤、充填
剤、重合体スケール付着防止剤などを添加することも任
意である。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、ビニル系単量体を重合
させる際の重合開始剤として式(1)の1,1,2,2
−テトラメチルプロピルペルオキシエステル化合物を使
用したことにより、重合過程全般における重合反応速度
を均一化させ、重合時間を短縮することができ、着色性
や衛生性に優れた重合体成形品を得ることができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体
的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるも
のではない。
【0034】[実施例1]内容積2リットル、内温調節
コイル付きステンレス製重合器を用い、重合器内に脱イ
オン水1250gと水溶性部分ケン化ポリビニルアルコ
ール0.36g,水溶性セルロースエーテル0.24g
を溶解した脱イオン水50gを仕込み、重合器内圧が5
0mmHgabs.になるまで脱気したのち、塩化ビニ
ル単量体(VCM)405gを仕込み、撹拌しながらコ
イルに加熱水を通水して内温を57℃に到達するまで昇
温した。この時点で、先に得られたイソパラフィン溶液
で25%濃度の1,1,2,2−テトラメチルプロピル
ペルオキシピバレート(TMPV)を1.62g(0.
100重量%対VCM)注射器で注入し重合を開始させ
ると同時にコイルに冷却水を通水して内温を57℃(重
合温度)に保持しながら重合を続けた。
【0035】重合器の内圧が4.5kgf/cm2に低
下した時点でビスフェノールA20%濃度メタノール溶
液0.225gを注射器で注入し重合を停止して、排ガ
ス(未反応単量体)の回収を行い、塩化ビニル重合体ス
ラリーを取り出し、脱水乾燥して、366g(収率9
0.4%)の塩化ビニル重合体を得た。
【0036】[実施例2]実施例1における1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシピバレート
(TMPV)0.100重量%対VCMの代わりに、T
MPV0.080重量%対VCMと1,1,2,2−テ
トラメチルプロピルペルオキシネオデカノネート(TM
ND)0.026重量%対VCM(両開始剤の総和が、
実施例1におけるTMPVと等モル)を添加した以外
は、実施例1に準じた手順に従い、塩化ビニル重合体を
得た。
【0037】[実施例3]実施例1における1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシピバレート
(TMPV)0.100重量%対VCMの代わりに、T
MPV0.038重量%対VCMとクミルペルオキシネ
オデカノエート(CND)0.030重量%対VCMを
添加し、重合器の内圧が5.5kgf/cm2に低下し
た時点で重合を停止した以外は、実施例1に準じた手順
に従い、塩化ビニル重合体を得た。
【0038】[実施例4]実施例1における1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシピバレート
(TMPV)0.100重量%対VCMの代わりに、
1,1,2,2−テトラメチルプロピルペルオキシネオ
デカノエート(TMND)0.070重量%対VCM添
加し、重合温度を54℃とし、重合器の内圧が4.2k
gf/cm2に低下した時点で重合を停止した以外は、
実施例1に準じた手順に従い、塩化ビニル重合体を得
た。
【0039】[実施例5]実施例1における1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシピバレート
(TMPV)0.100重量%対VCMの代わりに、
1,1,2,2−テトラメチルプロピルペルオキシネオ
デカノエート(TMND)0.020重量%対VCMと
tert−ブチルペルオキシネオデカノエート(BN
D)0.050重量%対VCMを添加し、重合器の内圧
が6.4kgf/cm2に低下した時点で重合を停止し
た以外は、実施例1に準じた手順に従い、塩化ビニル重
合体を得た。
【0040】[実施例6]実施例1における1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシピバレート
(TMPV)0.100重量%対VCMの代わりに、
1,1,2,2−テトラメチルプロピルペルオキシネオ
デカノエート(TMND)0.020重量%対VCMと
tert−ブチルペルオキシネオデカノエート(BN
D)0.090重量%対VCMを添加し、重合温度を5
1℃とし、重合器の内圧が6.4kgf/cm2に低下
した時点で重合を停止した以外は、実施例1に準じた手
順に従い、塩化ビニル重合体を得た。
【0041】[実施例7]実施例1における1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシピバレート
(TMPV)0.100重量%対VCMの代わりに、
1,1,2,2−テトラメチルプロピルペルオキシネオ
ヘプタノエート(TMHP)0.090重量%対VCM
と酢酸ビニルモノマーの総重量405g(重量比率9/
1)に対し添加し、重合温度を57℃とし、重合器の内
圧が4.2kgf/cm2に低下した時点で重合を停止
した以外は、実施例1に準じた手順に従い、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体を得た。
【0042】[比較例1]実施例1における1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシピバレート
(TMPV)の代わりに、tert−ブチルペルオキシ
ネオデカノエート(BND)0.113重量%対VCM
(実施例1におけるTMPVと等モル)を添加した以外
は、実施例1に準じた手順に従い、塩化ビニル重合体を
得た。
【0043】[比較例2]実施例1における1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシピバレート
(TMPV)の代わりに、tert−ブチルペルオキシ
ネオヘプタノエート(BNH)0.094重量%対VC
M(実施例1におけるTMPVと等モル)を添加した以
外は、実施例1に準じた手順に従い、塩化ビニル重合体
を得た。
【0044】[比較例3]実施例1における1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシピバレート
(TMPV)の代わりに、ジ−2−エチルヘキシルペル
オキシジカーボネート(EHP)0.160重量%対V
CM(実施例1におけるTMPVと等モル)を添加した
以外は、実施例1に準じた手順に従い、塩化ビニル重合
体を得た。
【0045】[比較例4]実施例3における1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシピバレート
(TMPV)の代わりに、tert−ブチルペルオキシ
ネオデカノエート(BND)0.043重量%対VCM
(実施例3におけるTMPVと等モル)を添加した以外
は、実施例3に準じた手順に従い、塩化ビニル重合体を
得た。
【0046】[比較例5]実施例3における1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシピバレート
(TMPV)の代わりに、ジ−2−エチルヘキシルペル
オキシジカーボネート(EHP)0.061重量%対V
CM(実施例3におけるTMPVと等モル)を添加した
以外は、実施例3に準じた手順に従い、塩化ビニル重合
体を得た。
【0047】[比較例6]実施例3における1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシピバレート
(TMPV)の代わりに、ジ−sec−ブチルペルオキ
シジカーボネート(SBP)0.041重量%対VCM
(実施例3におけるTMPVと等モル)を添加した以外
は、実施例3に準じた手順に従い、塩化ビニル重合体を
得た。
【0048】[比較例7]実施例4における1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシネオデカノエ
ート(TMND)の代わりに、クミルペルオキシネオデ
カノエート(CND)0.075重量%対VCM(実施
例4におけるTMNDと等モル)を添加し,重合器の内
圧が6.6kgf/cm2に低下した時点で重合を停止
した以外は、実施例4に準じた手順に従い、塩化ビニル
重合体を得た。
【0049】[比較例8]実施例5における1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキネオデカノエー
ト(TMND)0.020重量%対VCMとtert−
ブチルペルオキシネオデカノエート(BND)0.05
0重量%対VCMの代わりに、tert−ブチルペルオ
キシネオデカノエート(BND)0.067重量%対V
CM(実施例5におけるTMNDとBNDの総和のモル
量と等モル)添加した以外は、実施例5に準じた手順に
従い、塩化ビニル重合体を得た。
【0050】[比較例9]実施例5における1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシネオデカノエ
ート(TMND)の代わりに、クミルペルオキシネオデ
カノエート(CND)0.020重量%対VCM(実施
例5におけるTMNDと等モル)を添加した以外は、実
施例5に準じた手順に従い、塩化ビニル重合体を得た。
【0051】[比較例10]実施例6における1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシネオデカノエ
ート(TMND)の代わりに、クミルペルオキシネオデ
カノエート(CND)0.020重量%対VCM(実施
例6におけるTMNDと等モル)を添加した以外は、実
施例6に準じた手順に従い、塩化ビニル重合体を得た。
【0052】[比較例11]実施例7における1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシネオヘプタノ
エート(TMHP)の代わりに、tert−ブチルペル
オキシネオデカノエート(BND)0.090重量%対
VCMと酢酸ビニルモノマーとの総重量(実施例7にお
けるTMHPと等モル)を添加した以外は、実施例7に
準じた手順に従い、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体を
得た。
【0053】[比較例12]実施例7における1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシネオヘプタノ
エート(TMHP)の代わりに、ジ−2−エチルヘキシ
ルペルオキシジカーボネート(EHP)0.139重量
%対VCMと酢酸ビニルモノマーとの総重量(実施例7
におけるTMHPと等モル)を添加した以外は、実施例
7に準じた手順に従い、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体を得た。
【0054】実施例1〜7、比較例1〜11において得
られた各塩化ビニル重合体について、初期着色性等の測
定を行った。結果を表1,2に示す。
【0055】初期着色性(IC)測定法 塩化ビニル重合体100重量部にラウリル酸スズ1重量
部、カドミウム系安定剤0.5重量部およびジオクチル
フタレート50重量部を配合し、2本ロールミルを用い
て160℃で5分間混練した後、厚さ0.8mmのシー
トを成形した。次に、このシートを裁断して重ねて、4
×4×1.5cmの型枠に入れて160℃、65〜70
kgf/cm2で加熱、加圧成形して測定試料を作成し
た。この測定試料について、光電色彩計(日本電色工業
株式会社製)を用いて、JISZ8730(1980)
に記載のハンターの色差式における明度指数Lを求め、
a値およびb値を測定した。
【0056】ただし、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体
である実施例3、比較例5及び比較例6に関しては上記
においてジオクチルフタレート30重量部、ロールミル
混練温度120℃、4×4×0.5cmの型枠とした以
外は同一条件で初期着色性測定を行った。
【0057】表1,2において、「重合開始」を重合開
始剤を投入した時点とし、「降圧迄の時間」を重合開始
から重合器内圧が下がり始める迄の時間とし、「降圧速
度」を降圧開始した時点から重合を停止した時点での重
合器内圧に達する間の圧力降下速度とする。
【0058】ただし、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重
合である実施例7、比較例11及び比較例12におい
て、「降圧迄の時間」がゼロになっているのは、塩化ビ
ニル単独重合と異なり、重合開始の最初から重合器内圧
が徐々に低下したことを意味し、「降下速度」は、重合
開始の最初から重合を停止した時点での重合器内圧に達
する間の圧力降下速度とする。
【0059】表1,2における重合開始剤記号とその名
称、10時間半減期温度の関係は以下のとおりである。
【0060】 記号 名 称 10時間半減期温度* TMPV:1,1,2,2−テトラメチルプロピルペル 45.7℃ オキシピバレート TMHP:1,1,2,2−テトラメチルプロピルペル 40.6℃ オキシネオヘプタノエート TMND:1,1,2,2−テトラメチルプロピルペル 39.0℃ オキシネオデカノエート BND :tert−ブチルペルオキシネオデカノエー 46.5℃ ト BNH :tert−ブチルペルオキシネオヘプタノエ 52.1℃ ート EHP :ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボ 43.5℃ ネート SBP :ジ−sec−ブチルペルオキシジカーボネー 45.0℃ ト CND :クミルペルオキシネオデカノエート 36.6℃ *10時間半減期温度は、ベンゼン溶液0.1モル/lにおける値である。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】表1,2の結果(実施例1、4、7)よ
り、本発明の重合開始剤である1,1,2,2−テトラ
メチルプロピルペルオキシエステル化合物(TMPV、
TMHP、TMND)を単独で用いてビニル系単量体を
重合した場合、短時間反応が達成でき、かつ重合体成形
品の着色性の優れたものが得られることが認められた。
【0064】また、上記1,1,2,2−テトラメチル
プロピルペルオキシエステル化合物(TMPV、TMH
P、TMND)と、他の10時間半減期温度の異なる重
合開始剤とを併用した場合(実施例2、3、5、6)に
も、上記と同様に、得られた重合体の優れた初期着色性
を維持しつつ、従来の重合開始剤同士の併合では成しえ
なかったほどの短時間重合反応を達成することが認めら
れた。
【0065】[参考例1] 1,1,2,2−テトラメ
チルプロピルペルオキシピバレートの製造 撹拌装置、温度計および滴下ロートを備えた300ml
の4ッ口フラスコに73.7gの50%過酸化水素水溶
液を仕込み、撹拌を開始し、水冷により温度を20℃以
下に保ちながら98%の濃硫酸51.7gを滴下して混
酸を調製した。次に、氷浴を用いて温度を0〜5℃とし
て、あらかじめ、“Journal of the A
merican Chemical Society/
89:7/March 29,1967”に記載された
方法で合成した1,1,2,2−テトラメチルプロピル
アルコール42.9gのジクロロメタン溶液(40m
l)を撹拌しながらゆっくり滴下した。滴下終了後、撹
拌を2時間続け、次いで純水で有機層が中性になるまで
水洗を行った。有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水した
後、溶媒を留去し、47.4gの1,1,2,2−テト
ラメチルプロピルヒドロペルオキシド(上記構造式
(2))を得た。
【0066】次に、撹拌装置、温度計および滴下ロート
を備えた100mlの4ッ口フラスコに得られた16.
8gの1,1,2,2−テトラメチルプロピルヒドロペ
ルオキシドを仕込み、47.7gの30%水酸化カリウ
ム水溶液を加えて撹拌、混合した。温度を0〜5℃に保
ちながら11.1gのピバリン酸クロリドを撹拌しなが
ら滴下し、さらに撹拌を2時間続けた。反応液を中性に
なるまで水洗し、有機層を無水硫酸ナトリウムで脱水し
た。得られた化合物を、ヨードメトリー法により分析し
た結果、収量23.8g,収率91.7%(ヒドロペル
オキシドに対するモル収率)であった。
【0067】また、得られた化合物を分析した結果、
1,1,2,2−テトラメチルプロピルペルオキシピバ
レートであると判明された。以下に、その分析結果を示
す。
【0068】更に、得られた化合物のベンゼン溶液0.
1モル/lにおける10時間半減期温度は45.7℃、
活性酸素量は7.40%であった。
【0069】
【化6】 1H−NMR(アセトン−d6) H δ(ppm) a 1.01(s,9H) d 1.26(s,6H) g 1.23(s,9H)13 C−NMR(アセトン−d6) C δ(ppm) a 26.07 b 38.30 c 86.64 d 20.80 e 175.10 f 39.32 g 27.45 IR(neat) ν/cm-1 1768(C=O伸縮) 1095(C−O伸縮) 850(O−O伸縮)
【0070】[参考例2] 1,1,2,2−テトラメ
チルプロピルペルオキシネオヘプタノエートの製造 ピバリン酸クロリドの代わりにネオヘプタン酸クロリド
を用いた以外は、参考例1に準じた手順に従い、収量2
1.3g、収率72.5%で化合物を得た。
【0071】得られた化合物を分析した結果、1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシネオヘプタノ
エートであると判明され、ベンゼン溶液0.1モル/l
における10時間半減期温度は40.6℃、活性酸素量
は6.55%であった。以下に、分析結果を示す。
【0072】
【化7】 1H−NMR(アセトン−d6) H δ(ppm) a 1.03(s,9H) d 1.20(s,6H) g 1.24(s,6H) h 1.32〜1.35(m,2H) i 1.50〜1.57(m,2H) j 0.87(t,3H,J=7Hz)13 C−NMR(アセトン−d6) C δ(ppm) a 26.07 b 38.31 c 86.66 d 20.81 e 174.80 f 43.10 g 25.50 h 43.82 i 18.90 j 14.76 IR(neat) ν/cm-1 1765(C=O伸縮) 1093(C−O伸縮) 851(O−O伸縮)
【0073】[参考例3] 1,1,2,2−テトラメ
チルプロピルペルオキシネオデカノエートの製造 ピバリン酸クロリドの代わりにネオデカン酸クロリドを
用いた以外は、参考例1に準じた手順に従い、収量2
3.2g、収率67.5%で化合物を得た。
【0074】得られた化合物を分析した結果、1,1,
2,2−テトラメチルプロピルペルオキシネオデカノエ
ートであると判明された。また、ベンゼン溶液0.1モ
ル/lにおける10時間半減期温度は39.0℃、活性
酸素量は5.59%であった。以下に、分析結果を示
す。
【0075】
【化8】 1H−NMR(アセトン−d6) H δ(ppm) a 1.02(s,9H) d 1.17(s,6H) g〜m 0.68〜1.55(m,19H)13 C−NMR測定は、ネオデカン酸が数種の混合物であ
るため、同定が不可能であった。
【0076】IR(neat) ν/cm-1 1770(C=O伸縮) 1095(C−O伸縮) 850(O−O伸縮)
【0077】なお、活性酸素濃度及び10時間半減期温
度の測定は下記の方法で行った。重合開始剤の活性酸素濃度測定方法(ヨードメトリー
法) 「有機過酸化物その化学と工業的利用」、有機過酸化物
研究グループ編(化学工業社、1952)に記載の方法
に準じて行った。具体的な方法を以下に示す。
【0078】内容積約300mlの共栓付き三角フラス
コにベンゼン30mlを入れ、フラスコ内に二酸化炭素
(流量約2.5リットル/分)を約30秒間導入した
後、試料(1.5〜1.8meq)を正しく計り入れ
る。次にヨウ化ナトリウム飽和水溶液2mlを加え、次
いで塩化第2鉄酢酸水溶液(0.0002%FeCl3
・6H2O)70mlを加え、内容物をよく混合したの
ち、暗所に15分間放置する。純水約80mlを加え、
0.1Nチオ硫酸ナトリウム溶液で無色になるまで滴定
する。別に同一条件でブランクテストを行う。
【0079】重合開始剤の10時間半減期温度測定方法 ベンゼンを溶媒として、0.1モル/lの過酸化物濃度
の溶液を調整し、窒素置換を行ったガラス管中に密封し
て、一定の所定温度にセットした恒温槽に浸し、この重
合開始剤を熱分解させ、活性酸素濃度を前述の方法で測
定し、未分解の重合開始剤濃度経時変化を得ることによ
り、この温度での分解速度定数を得る。
【0080】重合開始剤熱分解式 [I]=[I]0・exp(−K・t)−(イ) [I]:重合開始剤濃度 [I]0:初期重合開始剤濃度 K:所定温度における分解速度定数 t:時間 4種類の温度に関し上記操作によりKを得て、縦軸に1
n(K)、横軸に1/(R・T)を取り、アレニウスプ
ロットすることにより、傾きよりこの重合開始剤の活性
化エネルギー(Ea)、y切片より頻度因子(A)を得
る。
【0081】分解速度定数式 K=A・exp(−Ea/(R・T))−(ロ) 変形して、 1n(K)=1n(A)−Ea/(R・T) A:重合開始剤の頻度因子 Ea:重合開始剤の活性化エネルギー R:気体定数 T:温度 10時間で重合開始剤が1/2濃度となる温度、即ち1
0時間半減期温度は、(イ)式で[I]=1/2[I]
0、t=10とし、A,Eaが既知となったので、
(ロ)を代入し、T(10時間半減期温度)を得る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ビニル系単量体を重合させる際に、下記
    一般式(1) 【化1】 (式中R1,R2及びR3は互いに同一又は異種の炭素数
    1〜9の直鎖状アルキル基を示す。)で示される1,
    1,2,2−テトラメチルプロピルペルオキシエステル
    化合物を添加して重合することを特徴とするビニル系重
    合体の製造方法。
  2. 【請求項2】 上記一般式(1)において、R1とR2
    3との炭素数の総和が11以下である請求項1記載の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 上記一般式(1)において、R1とR2
    3との炭素数の総和が8以下である請求項2記載の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 ビニル系単量体が塩化ビニル単量体又は
    これを主体とする単量体混合物であり、得られる重合体
    が、塩化ビニル系重合体である請求項1,2又は3記載
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 重合開始剤として、(イ)10時間半減
    期温度が30℃以上40℃未満のものと、(ロ)10時
    間半減期温度が40〜70℃のものとを併用すると共
    に、上記(イ)及び(ロ)の少なくとも一方の重合開始
    剤として上記一般式(1)で示される1,1,2,2−
    テトラメチルプロピルペルオキシエステル化合物を用い
    た請求項1乃至4のいずれか1項記載の製造方法。
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