JPH08175404A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

電動パワーステアリング装置

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JPH08175404A
JPH08175404A JP6318350A JP31835094A JPH08175404A JP H08175404 A JPH08175404 A JP H08175404A JP 6318350 A JP6318350 A JP 6318350A JP 31835094 A JP31835094 A JP 31835094A JP H08175404 A JPH08175404 A JP H08175404A
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motor angular
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隆之 喜福
Shunichi Wada
俊一 和田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新たにセンサを設けたり、処理速度の速いC
PUを用いたりする事によるコストアップを避けるとと
もに、ハンドル戻り、粘性感、慣性感、フリクション感
等の操舵フィーリングを向上させた電動パワーステアリ
ング装置を得ることを目的とする。 【構成】 トルクセンサ2の出力に基づいて静的な操舵
トルクを補助するとともに、モータ1のPWM駆動に伴
う矩形波成分を除去可能なモータ印加電圧検出回路5を
備え、該回路5の出力からモータ角速度ωを推定し、モ
ータ角速度ωから帯域通過特性を有する微分手段によっ
てモータ角加速度dω/dtを推定し、モータ角速度ω
に基づいて摩擦を、モータ角加速度dω/dtに基づい
て慣性モーメントを補償する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、モータにより操舵補
助トルクを発生する電動パワーステアリング装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電動パワーステアリング装置にお
いては、操舵系の操舵トルクを検出するトルクセンサと
車速を検出する車速センサを設け、それらの出力に基づ
いてモータのアシストトルクを制御していた。また最近
では、さらに操舵フィーリングを改善するために、それ
に加えてモータの角速度や角加速度に基づいてステアリ
ング系の慣性、粘性等を補償する制御方法が提案されて
いる。
【0003】上記の如くモータ角速度や角加速度に基づ
いた制御を行う場合には、モータの角度あるいは角速度
を検出するセンサを設ける事が一般的である。しかし新
たにセンサを設けることはコストアップにつながるた
め、好ましくない。そこで、モータの誘起電圧を推定す
ることにより、角速度信号を得る方法が提案されてい
る。
【0004】例えば、図41は、特開平4ー8190号
公報に示された電動パワーステアリング装置である。図
において、1は操舵系に連結され、操舵を補助するモー
タ、2は操舵トルクを検出するトルクセンサ、3は車速
を検出する車速センサ、4はモータ1に通流する電流を
検出するモータ電流検出手段、5はモータ1に印加され
ている電圧を検出するモータ印加電圧検出手段、9は操
舵トルクを静的に補助するためのモータ電流を演算する
操舵力補助電流演算手段であり、トルクセンサ2により
検出された操舵トルクVtと、車速センサ3により検出
された車速Vsが入力され、操舵力補助電流目標値Is
が出力されている。
【0005】10はモータ1に通流する電流を制御する
モータ電流制御手段であり、モータ目標電流Ia*と、
モータ電流検出手段4により検出されたモータ電流検出
値Iasnsが入力され、モータを駆動するモータ駆動信
号が出力されている。11はモータの角速度を演算する
モータ角速度演算手段であり、モータ印加電圧検出手段
5により検出されたモータ印加電圧検出値Vasnsと、
モータ電流検出手段4により検出されたモータ電流検出
値Iasnsが入力され、これら検出値よりモータ角速度
推定値ωが演算されて出力されている。
【0006】12はモータ角加速度演算手段であり、モ
ータ角速度演算手段11により演算されたモータ角速度
推定値ωが入力され、この推定値ωを微分してモータ角
加速度推定値dω/dtを出力する。14はステアリン
グ系の粘性摩擦を補償するためのモータ電流を演算する
粘性摩擦補償電流演算手段であり、後述するモータ角度
推定値θおよびモータ角速度推定値ωと、車速センサ3
により検出された車速Vsが入力され、これら入力値よ
り粘性摩擦補償電流目標値Idを演算して出力する。
【0007】15はステアリング系の慣性モーメントを
補償するためのモータ電流を演算する慣性補償電流演算
手段であり、入力されたモータ角加速度推定値dω/d
tを基に慣性補償電流目標値Ijが演算されて出力され
ている。16はモータ角度演算手段であり、モータ角速
度演算手段11により演算されたモータ角速度推定値ω
を入力し、積分処理してモータ角度推定値θが演算出力
されている。
【0008】次に動作について説明する。ハンドルが操
舵され、操舵系に操舵トルクが発生してトルクセンサ2
により検出されると、操舵力補助電流演算手段9は車速
センサ3より入力された車速Vsとトルクセンサ2より
入力された操舵トルクVtに基づいて、例えば図42に
示す通り操舵力補助電流目標値Isが演算され、モータ
電流制御手段10にモータ目標電流Ia*として与えら
れる。
【0009】モータ電流制御手段10では、モータ電流
検出値Iasnsがモータ目標電流Ia*と一致するように
フィードバック制御され、モータ1が駆動される。モー
タ1が駆動されると、モータ印加電圧検出手段5でモー
タ1に印加されている電圧が検出されてモータ印加電圧
検出値Vasnsとしてモータ角速度演算手段11に与え
られる。
【0010】モータ角速度演算手段11では、モータ角
速度推定値ωがモータ印加電圧検出値Vasnsとモータ
電流検出値Iasnsから演算され、モータ角加速度演算
手段12、モータ角度演算手段16、粘性摩擦補償電流
演算手段14に与えられる。モータ角加速度演算手段1
2では、モータ角速度推定値ωを微分処理することによ
りモータ角加速度推定値dω/dtが求められ、慣性補
償電流演算手段15に与えられる。
【0011】モータ角度演算手段12では、モータ角速
度推定値ωを積分処理することによりモータ角度θが求
められ、粘性摩擦補償電流演算手段14に与えられる。
粘性摩擦補償電流演算手段14では、車速Vs、モータ
角速度推定値ω、モータ角度推定値θから、操舵フィー
リングに粘性感を与えると共に、特に高車速時において
悪化するハンドル戻り時の収斂性を向上させるのに効果
のある粘性摩擦補償電流の目標値Idが演算されて操舵
力補助電流目標値Isから減じられる。
【0012】慣性補償電流演算手段15では、モータ角
加速度推定値dω/dtから、モータ1のロータの慣性
モーメントの影響により、特に操舵方向反転時に操舵力
が重くなる、いわゆる慣性感を軽減するという効果があ
る慣性補償電流の目標値Ijが演算されて操舵力補助電
流目標値Isに加えられる。このように、操舵力補助電
流目標値Isに対して粘性摩擦補償電流目標値Idと慣
性補償電流目標値Ijとを加減算することでモータ目標
電流Ia*が求められ、そしてモータ電流制御手段10
に与えられて以下同様にモータ電流が制御される。
【0013】ここで、モータ角速度演算手段11につい
て詳しく説明する。モータ1を他励直流機とすれば、電
機子の等価回路は図43の如く表すことができる。ここ
で、 Ra:電機子抵抗 La:電機子インダクタンス ve:モータ誘起電圧 Va:モータ印加電圧 Ia:モータ電流 とする。
【0014】図43において、電機子インダクタンスL
aに基づく過渡的な項を無視すれば、Vaに関して以下
の(1)式が成立する。
【0015】 Va=Ia・Ra+ve (1)
【0016】また、 Ke:モータ誘起電圧定数 ωm:モータ角速度 とするとveに関して以下の(2)式が成立する。
【0017】 ve=Ke・ω (2)
【0018】よって、(1)、(2)式より以下の(3)式を得
る。
【0019】 ωm=(VaーIa・Ra)/Ke (3)
【0020】今、RaとKeは定数であり、VaとIa
には検出値を用いることができるから、(3)を(4)のよう
に表しモータ角速度を推定すことができる。
【0021】 ω=(VasnsーIasns・Ra)/Ke (4)
【0022】ここで、ω:モータ角速度推定値 Vasns:モータ印加電圧検出値 Iasns:モータ電流検出値 である。
【0023】モータ1をPWM駆動するものとすれば、
VaとIaの関係は概ね図44の通りであり、力行、回
生が切り替わる度に過渡現象を繰り返していることにな
る。一般にPWMの搬送波周期は、モータの電気的時定
数に対して十分短く設定されており、Iaは直流である
と見なせるが、Vaは矩形波となる。従って、(4)式
に基づいてモータ角速度ωを求めるにはVaの矩形波成
分を除去し、時間的な平均値を得る必要がある。
【0024】モータ角速度演算手段11では、矩形波状
のモータ印加電圧検出値をサンプリング後、ディジタル
フィルタにて矩形波成分を除去し、(4)式よりωを演
算している。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】従来の電動パワーステ
アリング装置は、以上のようにモータ駆動制御用のスイ
ッチング素子の発熱を抑えるためにモータはPWM駆動
されており、その際にPWMの搬送波周波数は騒音を抑
えるために可聴周波数帯域外の20kHz前後に設定さ
れている。従って、従来装置のように、モータ角速度演
算手段をS/Wで実現してモータ印加電圧Vaの矩形波
成分をディジタルフィルタで除去する構成とすると、モ
ータ角速度ωを正確に演算するためにはサンプリング周
波数を非常に高く設定する必要があり、その結果S/W
の負担が重くなり、処理速度の速い高価なCPUを使用
しなければならないという問題があった。
【0026】また、電機子抵抗Raには、モータとコン
トローラ間の配線や、コネクタの接触抵抗が含まれてお
り、ばらつきが大きい。さらに、電機子抵抗Raは、大
電流を流した場合の発熱等、温度の影響により変動す
る。従っ電機子抵抗Raには必ず誤差が含まれると考え
られる。ここで、(4)式による演算時のRaと実際の
Raとの誤差をΔRaとすれば、モータ角速度ωは以下
の(5)で表せる。
【0027】 ω={VasnsーIasns・(Ra+ΔRa)}/Ke (5)
【0028】上記(5)式より、Raの誤差はωの誤差
となって現れ、その誤差はモータ電流Iaに比例するこ
とがわかる。ゆえに従来装置では、特にモータに大電流
を通流した場合に、ωの直流的な誤差、すなわちオフセ
ットを生ずるという問題があった。その結果、例えば、
カーブを曲がるとき、ハンドルを保舵しているにもかか
わらずωは零にならないといった問題点があった。
【0029】さらに、モータ角速度ωよりモータ角加速
度推定値dω/dtを演算する微分演算部(図41の1
2を参照)の実現は困難であり、特にS/Wによって、
ステアリング系の制御に使用できるような雑音の少ない
正確な微分演算を実現するには、サンプリング周波数を
高く設定する必要がある。
【0030】ゆえに、電動パワーステアリング装置で広
く使用されている、処理速度の遅い安価なCPUにて実
現可能なサンプリング周期で、従来装置の如く微分演算
して得られたモータ角加速度推定値dω/dtには、雑
音が多く、電動パワーステアリングの制御に使用すると
モータ電流にリップルを生じ、ハンドルが振動したり、
騒音が発生したりするという問題点があった。
【0031】一方、電動パワーステアリング装置では、
マニュアルステアリングに比べて、ステアリング機構に
慣性モーメントを有するモータと、モータとステアリン
グ系を連結するギアの摩擦が付加されるため、特に車輪
の中立方向への復原力の小さい低車速域で、手放し時の
ハンドル戻りが悪くなる。それに加えて、従来装置の如
くソフトウエア処理にて得たモータ角速度を負帰還する
と、高車速域においてはハンドル戻り時の収斂性が向上
するものの、低車速域においてはハンドル戻りがますま
す悪化し、カーブを曲がり終えて直進路に戻る場合など
にハンドルが容易に中立に復帰しないという問題点があ
った。
【0032】また、モータとステアリング系を連結する
ギアの摩擦により、走行中の中立付近の操舵フィーリン
グ、すなわちセンターフィールが重くなり、いわゆるフ
リクション感を生じるという問題もあった。そしてこの
問題に関しても従来装置の如くモータ角速度を負帰還す
ることにより悪化する傾向にあった。
【0033】この発明は、上記のような問題点を解決す
るためになされたもので、新たにセンサを設けたり、処
理速度の速いCPUを用いたりする事によるコストアッ
プを避けるとともに、ハンドル戻り、粘性感、慣性感、
フリクション感等の拘わる問題点を解除して操舵フィー
リングを向上させることができる電動パワーステアリン
グ装置を得ることを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る電
動パワーステアリング装置は、操舵系に連結されたモー
タと、このモータをPWM駆動制御するPWM制御手段
と、遮断周波数がPWM搬送波周波数よりも低い低域通
過特性を有し、検出した前記モータの印加電圧を所定電
圧レベルに変換して出力するモータ印加電圧検出手段
と、検出されたモータ印加電圧に基づいて前記モータの
角速度を推定する角速度推定手段と、角速度推定結果に
基づいて前記モータの電流値を演算する電流値演算手段
とを備えたものである。
【0035】請求項2の発明に係る電動パワーステアリ
ング装置は、操舵系に連結されたモータと、このモータ
をPWM駆動制御するPWM制御手段と、遮断周波数が
PWM搬送波周波数よりも低い低域通過特性を有し、検
出した前記モータの端子電圧を所定電圧レベルに変換し
て出力するモータ端子電圧検出手段と、検出されたモー
タ端子電圧に基づいて前記モータの角速度を推定する角
速度推定手段と、角速度推定結果に基づいてモータ電流
値を演算する電流値演算手段とを備えたものである。
【0036】請求項3の発明に係る電動パワーステアリ
ング装置は、請求項1または2に記載の発明においてモ
ータ角速度推定値を、モータに通流する電流に基づいて
所定の値以下にクリップする。
【0037】請求項4の発明に係る電動パワーステアリ
ング装置は、請求項1または2に記載の発明においてモ
ータ角速度推定値を、操舵トルクに基づいて所定の値以
下にクリップする。
【0038】請求項5の発明に係る電動パワーステアリ
ング装置は、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明
においてモータ角速度推定値を、モータ角速度推定値の
演算結果が所定の値以下の場合に零にクリップする。
【0039】請求項6の発明に係る電動パワーステアリ
ング装置は、請求項1ないし5のいずれかに記載の発明
においてモータ角速度推定値を所定のカットオフ周波数
以上でハイパスフィルタ処理を施す。
【0040】請求項7の発明に係る電動パワーステアリ
ング装置は、請求項1ないし6のいずれかに記載の発明
においてモータ角速度推定値を微分処理してモータ角加
速度を推定する。
【0041】請求項8の発明に係る電動パワーステアリ
ング装置は、請求項7に記載の発明において微分処理は
帯域通過特性を有する。
【0042】請求項9の発明に係る電動パワーステアリ
ング装置は、請求項8に記載の発明においてモータ角速
度推定値は、微分処理時の帯域通過特性の高域遮断周波
数と略同一の遮断周波数を有するローパスフィルタ処理
を施す。
【0043】請求項10の発明に係る電動パワーステア
リング装置は、請求項7ないし9のいずれかに記載の発
明においてモータ角加速度推定値の演算結果が所定の値
以下の場合にはこの推定値を零にクリップする。
【0044】請求項11の発明に係る電動パワーステア
リング装置は、請求項3ないし10のいずれかに記載の
発明においてモータ角速度推定値をステアリング制御系
に正帰還し、正帰還に基づいて通流するモータ電流を、
ステアリング系の摩擦に基づく所定の値以下にクリップ
する。
【0045】請求項12の発明に係る電動パワーステア
リング装置は、請求項11に記載の発明においてモータ
角速度推定値の正帰還に基づいて通流するモータ電流を
クリップする電流値またはモータ角速度の正帰還ゲイン
を、上記モータ角速度推定値と車速の少なくともいずれ
か1つに基づいて変化させる。
【0046】請求項13の発明に係る電動パワーステア
リング装置は、請求項11または12に記載の発明にお
いてモータ角速度推定値の正帰還に基づいて通流するモ
ータ電流を立ち上がり時に増加させる微分手段を備え
る。
【0047】請求項14の発明に係る電動パワーステア
リング装置は、請求項3ないし10のいずれかに記載の
発明においてモータ角速度推定値を負帰還することによ
り角速度に基づくステアリング制御を行う。
【0048】請求項15の発明に係る電動パワーステア
リング装置は、請求項14に記載の発明においてモータ
角速度推定値の負帰還ゲインを、上記モータ角速度推定
値と車速の少なくともいずれか1つに基づいて変化させ
る。
【0049】請求項16の発明に係る電動パワーステア
リング装置は、請求項3ないし10のいずれかに記載の
発明において上記モータ角加速度推定値を正帰還するこ
とにより上記角加速度に基づくステアリング制御を行
う。
【0050】請求項17の発明に係る電動パワーステア
リング装置は、請求項16に記載の発明において上記モ
ータ角加速度推定値の正帰還ゲインを、上記モータ角加
速度推定値と車速の少なくともいずれか1つに基づいて
変化させる。
【0051】
【作用】請求項1の発明における電動パワーステアリン
グ装置は、PWM搬送波周波数よりも低い遮断周波数の
低域通過特性を有する回路にて矩形波成分を除去してモ
ータ印加電圧を検出し、このモータ印加電圧検出値に基
づいてモータ角速度ωを推定する。
【0052】請求項2の発明における電動パワーステア
リング装置は、PWM搬送波周波数よりも低い遮断周波
数の低域通過特性を有する回路にて矩形波成分を除去し
てモータ端子電圧を検出し、このモータ端子電圧検出値
に基づいてモータ角速度ωを推定する。
【0053】請求項3の発明における電動パワーステア
リング装置は、モータの電機子抵抗に含まれる誤差がモ
ータ角速度推定値に与える影響を抑えるため、モータ電
流に基づいてモータ角速度推定値を所定値以下にクリッ
プしてモータ角速度推定値のオフセット成分を除去す
る。
【0054】請求項4の発明における電動パワーステア
リング装置は、モータが操舵系に直結されており、操舵
トルクが大きい場合にはモータ角速度が小さいと考えら
れるため、操舵トルクに基づいてモータ角速度推定値を
所定の値以下にクリップすることによりモータ角速度推
定値のオフセット成分を除去する。
【0055】請求項5の発明における電動パワーステア
リング装置は、モータ角速度推定値の演算結果が所定の
値以下の場合にはモータ角速度推定値を零にクリップす
ることにより、モータ角速度推定値のオフセット成分を
除去する。
【0056】請求項6の発明における電動パワーステア
リング装置は、モータ角速度推定値をハイパスフィルタ
処理することにより、モータ角速度推定値のオフセット
成分を除去する。
【0057】請求項7の発明における電動パワーステア
リング装置は、モータ角速度推定値を微分処理すること
により、モータ角加速度を推定する。
【0058】請求項8の発明における電動パワーステア
リング装置は、微分処理に帯域通過特性を持たせること
により、モータの慣性感が問題となる周波数帯域では2
0dB/decの微分特性を持たせるとともに、モータ
角加速度推定値の雑音を抑える。
【0059】請求項9の発明における電動パワーステア
リング装置は、微分処理の帯域通過特性の高域遮断周波
数と略同一の遮断周波数を有するローパスフィルタ処理
を施すことによって、微分処理の帯域通過特性の高域遮
断特性によりモータ角加速度推定値が高周波域でモータ
角速度推定値に対して位相が遅れることを防止する。
【0060】請求項10の発明における電動パワーステ
アリング装置は、モータ角加速度推定値の演算結果が所
定の値以下の場合にはモータ角加速度推定値を零にクリ
ップすることにより、モータ角加速度推定値に含まれる
雑音成分を除去する。
【0061】請求項11の発明における電動パワーステ
アリング装置は、演算されたモータ角速度推定値をステ
アリング制御系に正帰還し、正帰還に基づいて通流する
モータ電流をステアリング系の摩擦に基づく所定の値以
下にクリップすることで、ステアリング系のクーロン摩
擦を補償して低車速時のハンドル戻りやフリクション感
を改善する。
【0062】請求項12の発明における電動パワーステ
アリング装置は、モータ角速度推定値の正帰還に基づい
て通流するモータ電流をクリップする電流値、又はモー
タ角速度推定値の正帰還ゲインをモータ角速度推定値に
基づいて変化させることで、モータ角速度推定値に含ま
れる雑音が制御に影響を与えることを防止できると共
に、自然な操舵フィーリングを実現し、且つ、車速に基
づいて変化させることで、低車速域でのハンドル戻りを
改善できるとともに、高車速域でのハンドル戻り時の収
斂性の劣化を防止する。
【0063】請求項13の発明における電動パワーステ
アリング装置は、モータ角速度推定値の正帰還に基づい
て通流するモータ電流を、立ち上がり時に増加させる微
分手段を備えることによりステアリング系の静止摩擦を
補償し、低車速時のハンドル戻りやフリクション感を改
善する。
【0064】請求項14の発明における電動パワーステ
アリング装置は、モータ角速度推定値をステアリング制
御系に負帰還することによりステアリング系の粘性摩擦
を補償し、操舵フィーリングに粘性感を与えるととも
に、特に高車速時において悪化するハンドル戻り時の収
斂性を改善する。
【0065】請求項15の発明における電動パワーステ
アリング装置は、モータ角速度推定値の負帰還ゲインを
モータ角速度推定値に基づいて変化させることでフリク
ション感の劣化を防止し、車速に基づいて変化させるこ
とで低車速域でのハンドル戻りの劣化を防止する。
【0066】請求項16の発明における電動パワーステ
アリング装置は、モータ角加速度推定値をステアリング
制御系に正帰還することにより、特にステアリング系の
慣性モーメントを補償し、慣性感を軽減する。
【0067】請求項17の発明における電動パワーステ
アリング装置は、モータ角加速度推定値の正帰還ゲイン
を、モータ角加速度に基づいて変化させることでセンタ
ー付近でのハンドルのふらつきを抑え、車速に基づいて
変化させることで車速に関係なく最適な操舵フィーリン
グを実現する。
【0068】
【実施例】
実施例1.以下、この発明の一実施例を図について説明
する。図1はこの実施例における電動パワーステアリグ
装置のコントローラ部のH/W構成図である。尚、図
中、図41と同一符号は同一又は相当部分を示す。図に
おいて、2aはトルクセンサ2を後述のA/D変換器8
fに入力するためのトルクセンサ入力I/Fであり、直
流増幅と位相補償を行っている。3aは車速センサ3を
後述の入出力ポート8eに入力するための車速センサ入
力I/Fである。
【0069】4はモータ1に通流される電流を所定の電
圧に変換して後述のA/D変換器8fに入力するための
モータ電流検出回路であってモータ電流を電圧に変換す
る電流検出抵抗器4a、電流検出抵抗器4aの両端の電
圧を力行時にサンプル、回生時にホールドし、増幅回路
4cで電圧増幅するサンプルホールド回路4bより構成
されている。
【0070】5はモータ1を駆動するPWM搬送波周波
数よりも低い所定の低域通過特性を有し、モータ1の端
子間の電圧を所定の電圧レベルに変換して後述のA/D
変換器8fに入力するためのモータ印加電圧検出回路で
あって抵抗器5a〜5g、コンデンサ5h〜5i、OP
アンプ5jより構成されている。
【0071】6はH形ブリッジ回路駆動回路であってF
ETドライバ6a〜6dで構成されている。7はモータ
1に双方向に電流を通流するためのH形ブリッジ回路で
あり、FETドライバ6a〜6dで駆動されるパワーM
OSFET7a〜7dで構成されている。8はマイクロ
コンピュータであり、CPU8a、プログラム等が格納
されるROM8b、データ等が一時的に保持されるRA
M8c、FETドライバ6a、6cが接続され、モータ
1を駆動するパルスを生成するパルス幅変調器8d、F
ETドライバ6b、6d、および車速センサ3が車速セ
ンサ入力I/F3aを介して接続される入出力ポート8
e、モータ電流検出回路4とモータ印加電圧検出回路5
の出力、およびトルクセンサ2がトルクセンサ入力I/
F2aを介して接続されるA/D変換器8f、制御周期
の管理等に使用されるタイマ8gより構成される。
【0072】図2はこの実施例におけるCPU8aが処
理するステアリング制御のS/W構成図である。9は操
舵トルクを静的に補助するためのモータ電流を演算する
操舵力補助電流演算手段であり、トルクセンサ2により
検出された操舵トルクVtと、車速センサ3により検出
された車速Vsが入力され、操舵力補助電流目標値Is
が出力されている。
【0073】10はモータに通流する電流を制御するモ
ータ電流制御手段であり、モータ目標電流Ia*と、モ
ータ電流検出手段4により検出されたモータ電流検出値
Iasnsが入力され、モータを駆動するモータ駆動信号
が出力されている。11はモータの角速度推定値ωを演
算するモータ角速度演算手段であり、モータ印加電圧検
出回路5により検出されたモータ印加電圧検出値Va
snsと、モータ電流検出手段4により検出されたモータ
電流検出値Iasnsが入力され、モータ角速度推定値ω
が出力されている。
【0074】12はモータ角加速度演算手段であり、モ
ータ角速度演算手段11により演算されたモータ角速度
推定値ωが入力され、これを微分処理したモータ角加速
度推定値dω/dtが出力されている。13はステアリ
ング系のクーロン摩擦を補償するためのモータ電流を演
算するクーロン摩擦補償電流演算手段であり、モータ角
速度推定値ωと、車速センサ3により検出された車速V
sが入力され、クーロン摩擦補償電流目標値Icが出力
されている。
【0075】14はステアリング系の粘性摩擦を補償す
るためのモータ電流を演算する粘性摩擦補償電流演算手
段であり、モータ角速度推定値ωと、車速センサ3によ
り検出された車速Vsが入力され、粘性摩擦補償電流目
標値Idが出力されている。15はステアリング系の慣
性モーメントを補償するためのモータ電流を演算する慣
性補償電流演算手段であり、モータ角加速度推定値dω
/dtが入力され、慣性補償電流目標値Ijが出力され
ている。
【0076】図3はモータ印加電圧検出回路5の直流特
性を、図4は周波数特性を表す図である。
【0077】図5はモータ印加電圧検出回路5のカット
オフ周波数の設定方法を説明する図である。
【0078】図6はモータ角速度演算手段11の動作を
説明するフローチャートであり、図7はモータ角速度推
定値ωを補正する係数K1を説明する図である。
【0079】図8はモータ電流Iaとモータ角速度ωm
の関係を説明する図である。
【0080】図9はモータ角加速度演算手段12の動作
を説明するフローチャートである。図10はそれをブロ
ック図で表したものであり、図11、図12はその周波
数特性を表した図である。
【0081】図13はクーロン摩擦補償電流演算手段1
3の動作を説明するフローチャートであり、図14はモ
ータ角速度推定値ωと、車速Vsと、クーロン摩擦補償
電流Icの関係を説明する図である。
【0082】図15は粘性摩擦補償電流演算手段14の
動作を説明するフローチャートであり、図16はモータ
角速度推定値ωと、車速Vsと、粘性摩擦補償電流Id
の関係を説明する図である。
【0083】図17は慣性補償電流演算手段15の動作
を説明するフローチャートであり、図18はモータ角加
速度推定値dω/dtと、車速Vsと、慣性補償電流I
jの関係を説明する図である。
【0084】次に、本施例の動作を図1中の破線の向き
にモータ電流Iaが通流する場合を例にとって説明す
る。マイクロコンピュータ8の指示により、FETドラ
イバ6b、6cはパワーMOSFET7b、7cをオフ
し、FETドライバ6dはパワーMOSFET7dをオ
ンし、FETドライバ6aはパワーMOSFET7aを
所定のデューティ比でPWM駆動する。
【0085】モータ電流Iaは、パワーMOSFET7
aのオン、オフに従い、それぞれ図1中の力行、回生で
示した経路に流れる。モータ電流検出回路4では、まず
モータ電流Iaを電流検出抵抗器4aにより電圧に変換
する。ところが図1に示す通り、回生時にはモータ電流
Iaが電流検出抵抗4aに流れないため、サンプルホー
ルド回路4bにて、パワーMOSFET7aオン時、す
なわち力行時に電流検出抵抗4aの両端の電圧をサンプ
ルし、パワーMOSFET7aオフ時、すなわち回生時
にホールドした後、増幅回路4cにて所定のゲインで増
幅し、マイクロコンピュータ8のA/D変換器8fに入
力している。
【0086】モータ印加電圧検出回路5では、PWM駆
動に伴ってモータ印加電圧Vaに現れる矩形波成分を除
去するとともに、A/D変換器8fに入力可能な所定の
電圧レベルに変換し、A/D変換器8fに入力してい
る。
【0087】ここでモータ印加電圧検出回路5について
詳しく説明する。OPアンプ5jを理想OPアンプと
し、 R11=R21=R1 (5) R12=R22=R2 (6) C11=C21=C1 (7) と仮定して、s領域(sはラプラス演算子)でモータ印
加電圧Vaとモータ印加電圧検出値Vasnsの関係を求
めると、以下の(8)となる。
【0088】 Vasns=V1+(Va・R2/R1)/(1+C1・R2・s) (8)
【0089】(8)式を見ると、Vasnsは、VaをR2/
R1に分圧し、時定数C1・R2の一次遅れ特性を付加
し、直流バイアス電圧V1に加えた電圧であるというこ
とがわかる。すなわち、直流特性は図3、周波数特性は
図4に示す通りになる。
【0090】(8)式において、V1は、A/D変換器8
fの入力電圧範囲(例えば0〜5V)の中央(例えば
2.5V)に設定しておけば良い。さらに、抵抗R11
=R12=R1、R21=R22=R2、及びコンデン
サC11=C21=C1については、Vaの電圧範囲
(例えばー12〜12V)がA/D変換器8fの入力電
圧範囲(例えば0〜5V)にレベル変換されるようにR
2/R1を設定し、かつ、図5に示すとおり、カットオ
フ周波数fc=1/(2π・C1・R2)が、PWM搬
送波周波数(例えば20kHz)より十分低く、モータ
の応答周波数(例えば100数十Hz)よりも十分高く
なるように設定する。
【0091】これによりステアリング系の制御が可能な
帯域幅が確保され、しかもVaの矩形波成分が除去され
たモータ印加電圧検出値VasnsをA/D変換器8fに
入力することができる。
【0092】次に、図2をもとに本実施例のS/Wの動
作について説明する。操舵トルクと車速に基づいて操舵
力補助電流目標値を演算し、モータ印加電圧とモータ電
流からモータ角速度とモータ角加速度を演算し、モータ
角速度とモータ角加速度から各補償電流目標値を演算
し、上記操舵力補助電流目標値と上記各補償電流目標値
を加算してモータ電流目標値とし、これをフィードバッ
ク制御するという概略動作は従来装置と同一である。ま
た、操舵力補助電流演算手段9と電流制御手段10は従
来装置と同機能を有するものであり、説明を省略する。
【0093】以下、各ブロック毎に動作を説明する。ま
ず、モータ角速度演算手段11では、モータ印加電圧検
出値Vasnsとモータ電流検出値Iasnsから、(4)式
に基づいてモータ角速度推定値ωを演算している。これ
を図6のフローチャートに基づいて説明する。
【0094】最初に、S61でモータ印加電圧検出値V
snsとモータ電流検出値IasnsをA/D変換したデー
タを読み込み、S62で定数データである電機子抵抗R
aとモータ誘起電圧定数KeをROMから読み込む。次
に、S63で所定のIasnsーK1テーブルを参照し、
S61にて読み込んだモータ電流検出値Iasnsから係
数K1を求める。最後にS64で(4)式とS63で求め
たK1から以下の(6)式でモータ角速度推定値ωを演算
してRAM8cにストアする。
【0095】 ω=K1・(VasnsーIasns・Ra)/Ke (6)
【0096】ここで、IasnsーK1テーブルおよびK
1について詳しく説明する。(4)式に基づいてモータ角
速度推定値ωを演算する場合、(5)式で示したように、
電機子抵抗Raの誤差によって生じるモータ角速度推定
値ωの誤差はモータ電流Iaに比例し、モータ電流Ia
の増加とともに増加する。すなわち、モータ角速度推定
値ωのオフセットはモータ電流Iaの増加とともに増加
する。ところが、一般にモータに印加する電圧が一定な
らば、モータ電流Iaとモータ角速度ωmには、図8に
示すようにモータ電流Iaの増加とともにモータ角速度
ωmが減少する関係がある。
【0097】従って、モータ1に大電流が通流される場
合には、モータ角速度推定値ωを零にクリップしておけ
ばよいと考えられる。その際、モータ電流検出値Ia
snsが所定のしきい値を越える場合にモータ角速度推定
値ω=0としてもよいが、モータ角速度推定値ωが急変
することを避けるためには、図7の如く、モータ電流検
出値Iasns=0のときに1で、モータ電流検出値Ia
snsの増加に伴って0に近づく係数K1を、(4)式から求
めたモータ角速度ωに乗じておけばよい。ここで、K1
は、モータ電流検出値Iasns=0のときに1とし、少
なくともモータ電流検出値Iasnsがモータ1をデュー
ティ比100%で駆動時のロック電流Imaxと等しい
ときには0になるということを目安に、実験的に設定す
ればよい。
【0098】なお、ここでは(4)式と上記K1をモー
タ電流検出値Iasnsを用いてωを演算したが、電流制
御手段10の応答性が十分速いと見なせる場合には、モ
ータ電流検出値Iasnsのかわりにモータ電流目標値I
aを用いてもよい。この場合には、モータ電流検出値I
snsに含まれる雑音の影響を受けないという利点があ
る。
【0099】このように、本実施例の方法でモータ角速
度推定値ωを求めると、H/Wでモータ印加電圧の矩形
波成分を除去してあるため、S/Wによる演算が簡単に
なり、サンプリング周波数も低く設定できる。また、電
機子抵抗Raの誤差によるモータ角速度推定値ωのオフ
セットを簡単かつ効果的に除去することができる。
【0100】モータ角加速度演算手段12では、モータ
角速度演算手段11にて演算されたモータ角速度推定値
ωから、モータ角加速度推定値dω/dtを演算してい
る。これを図9のフローチャートと図10のブロック図
に基づいて説明する。なお、図10のブロック図は、図
9のフローチャートのうち、S92〜S94をブロック
図で表現したものである。
【0101】最初に、S91でモータ角速度推定値ωを
読み込み、S92でモータ角速度推定値ωを所定の遮断
周波数fc1でハイパスフィルタ処理する。次にS93
でS92の演算結果にゲインK2を乗じ、さらにS94
でS93の演算結果を所定の遮断周波数fc2でローパ
スフィルタ処理し、dω/dtを得る。最後にS95で
dω/dtをRAM8cにストアする。
【0102】以上の演算により、図11の周波数特性が
得られる。すなわち、fc1をステアリング系に必要と
される応答周波数近傍(例えば5Hz)に設定しておけ
ば、モータの慣性感が問題となる周波数帯域では20d
B/decの微分特性を持たせることができ、さらにf
c2をステアリング系の制御に不要な帯域(例えば5H
z以上)を遮断するように設定しておけば、同時にモー
タ角加速度推定値dω/dtの雑音を抑えることが可能
となる。
【0103】なお、モータ角加速度演算手段12にてゲ
インをかせぐ必要がない場合には、ステップS93は不
要であり、これを省略した場合には図12の周波数特性
が得られる。
【0104】クーロン摩擦補償電流演算手段13では、
モータ角速度推定値ωと車速Vsから、ステアリング系
のクーロン摩擦を補償し、低車速時のハンドル戻りやフ
リクション感を改善するためのクーロン摩擦補償電流目
標値Icを演算している。これを図13のフローチャー
トと図14に基づいて説明する。まず、S131で上記
の如く演算されたモータ角速度推定値ωと、所定の方法
で演算された車速Vsを読み込み、次に、S132でモ
ータ角速度推定値ωと車速Vsから、所定のテーブルに
従ってクーロン摩擦補償電流目標値Icを求め、最後に
S133で、上記クーロン摩擦補償電流目標値IcをR
AMにストアする。
【0105】Icを求めるテーブルは、例えば図14に
示すように、モータ角速度推定値ωが、所定の値ω1以
上になると、車速Vsに応じて一定値にクリップされた
電流が、ωと同方向に通流されるように構成する。ここ
で、電流のクリップ値Ic1はモータ1を接続する事に
より増加したステアリング系のクーロン摩擦を補償する
トルクを発生し得るように設定する。
【0106】これにより、モータ1が運転者の操舵やタ
イヤのセルフアライニングトルク等によって回転する
と、モータの回転方向に一定の電流が通流されることに
なり、ステアリング系のクーロン摩擦があたかも減少し
たかのように動作させることができ、ハンドル戻りやフ
リクション感を改善することが可能となる。なお、Ic
は車速にかかわらず一定値でもよいが、図14の如く、
車速Vsの増加とともに電流値を低減するようにテーブ
ルを構成しておけば、後述する高車速時におけるハンド
ル戻り時の収斂性の悪化を防止し、かつ低車速時のハン
ドル戻りを改善することが可能となり、さらに操舵フィ
ーリングが向上する。
【0107】また、上記しきい値ω1に関しても、車速
Vsにかかわらず一定値でもよいが、車速に応じて変化
させてもよく、例えば図14の如く車速Vsの増加とと
もにω1が増加するように設定すれば、高車速時のハン
ドルのふらつきを抑えることができる。
【0108】粘性摩擦補償電流演算手段14では、モー
タ角速度推定値ωと車速Vsから操舵フィーリングに粘
性感を与え、特に高車速時において悪化するハンドル戻
り時の収斂性を向上させるための粘性摩擦補償電流目標
値Idを演算している。これを図15のフローチャート
と図16に基づいて説明する。
【0109】まず、S151で上記の如く演算されたモ
ータ角速度推定値ωと、所定の方法で演算された車速V
sを読み込み、次に、S152でモータ角速度推定値ω
と車速Vsから、所定のテーブルに従って粘性摩擦補償
電流目標値Idを求め、最後にS153で、上記Idを
RAM8cにストアする。
【0110】粘性摩擦補償電流目標値Idを求めるテー
ブルは、例えば図16のように、モータ角速度推定値ω
に比例した電流がモータ角速度推定値ωと逆方向に通流
されるように構成する。これにより、モータ1が運転者
の操舵やタイヤのセルフアライニングトルク等によって
回転し始めると、モータ角速度推定値ωに比例した粘性
摩擦補償電流目標値Idがモータ1の回転方向と逆方向
に通流される。
【0111】この結果、ステアリング系の粘性摩擦があ
たかも増加したかのように動作させることができ、操舵
フィーリングに油圧パワーステアリングのような粘性
感、反力感を与えるとともに、高車速時におけるハンド
ル戻り時の収斂性を改善することが可能となる。なお、
ゲインId/ωは車速Vsにかかわらず一定値でもよい
が、図16の如く、車速Vsの増加とともに上記ゲイン
が増加するようにテーブルを構成しておけば、低車速時
のハンドル戻りの悪化を防止し、かつ中高車速時におい
て粘性感、反力感のあるしっかりした操舵フィーリング
を与え、ハンドル戻り時の収斂性を改善することが可能
となり、さらに操舵フィーリングが向上する。
【0112】慣性補償電流演算手段15では、慣性感を
軽減する効果がある慣性補償電流の目標値Ijを演算し
ている。これを図17のフローチャートと図18に基づ
いて説明する。まず、S171で上記の如く演算された
モータ角加速度推定値dω/dtと、所定の方法で演算
された車速Vsを読み込み、次に、S172でモータ角
加速度推定値dω/dtと車速Vsから、所定のテーブ
ルに従って慣性補償電流目標値Ijを求め、最後にS1
73で、慣性補償電流目標値IjをRAM8cにストア
する。
【0113】慣性補償電流目標値Ijを求めるテーブル
は、例えば図18のように、モータ角加速度推定値dω
/dtに比例した電流がモータ角加速度推定値dω/d
tの方向に通流されるように構成する。これにより、モ
ータ1が運転者の操舵やタイヤのセルフアライニングト
ルク等によって回転し始めると、モータ角加速度dω/
dtに比例した慣性補償電流目標値Ijがモータ1の加
速方向に通流されることになる。従って、ステアリング
系の慣性モーメントがあたかも減少したかのように動作
させることができ、ステアリング系にモータ1が接続さ
れたことによる操舵フィーリングの慣性感の悪化を改善
することが可能となる。
【0114】ここで、一般に、操舵力補助電流演算手段
9では、図42に示すとおり車速Vsの増加とともに、
運転者にしっかりした保舵力を与えるために、ゲインI
s/Vtを減少させる。このため、車速Vsが増加する
と、保舵力は増加するものの、ステアリング系の応答性
が劣化するという弊害がある。そこで、ゲインIj/
(dω/dt)は車速Vsにかかわらず一定値でもよい
が、例えば図16の如く、車速Vsの増加とともにゲイ
ンIj/(dω/dt)が増加するようにテーブルを構
成しておけば、上記のような応答性の劣化を補償するこ
とができ、応答性を劣化させることなく車速Vsの増加
とともに運転者にしっかりした保舵力を与えることがで
きる。
【0115】また、上記ゲインを増加させると高車速時
におけるハンドル戻り時の収斂性が悪化する場合には、
逆に車速Vsの増加とともにゲインが減少するようにテ
ーブルを構成してもよい。
【0116】このようにして求められたクーロン摩擦補
償電流目標値Icと、粘性摩擦補償電流目標値Idと、
慣性補償電流目標値Ijと、操舵トルクを静的に補助す
るための操舵力補助電流目標値Isとを加え、モータ目
標電流Ia*とし、これがモータ電流検出値Iasnsと一
致するように電流制御手段10によってフィードバック
制御し、モータ1を駆動する。
【0117】以上のように、本実施例では、モータ角速
度推定値ωをH/Wで検出したモータ印加電圧から推定
する構成とし、モータ角速度推定値ωからモータ角加速
度dω/dtを推定する微分演算に帯域通過特性を持た
せたため、従来装置と比べてサンプリング周波数を下げ
ても正確にモータ角速度推定値ω、モータ角加速度dω
/dtを演算することができ、より安価なCPUを用い
ることができる。
【0118】また、モータ角速度推定値ωをモータ電流
Iaに基づいて補正する構成としたため、電機子抵抗R
aがモータ角速度推定値ωに与える影響を従来装置と比
べて軽減することができる。また、モータ角速度推定値
ωに基づいてステアリング系のクーロン摩擦を補償する
構成としたため、特に低車速時におけるハンドル戻り
や、フリクション感を従来装置と比べてコストアップす
ることなく、改善する事ができる。
【0119】実施例2.上記実施例1では、電機子抵抗
Raに含まれる誤差がモータ角速度推定値ωに与える影
響を抑えるため、モータに大電流が通流される場合にモ
ータ角速度推定値ω=0にクリップしていたが、操舵ト
ルクが大きい場合には速く操舵できないという考えに従
い、操舵トルクが大きい場合にモータ角速度推定値ω=
0にクリップしてもよい。
【0120】その際、操舵トルクVtが所定のしきい値
を越える場合にモータ角速度推定値ω=0としてもよい
が、モータ角速度推定値ωが急変することを避けるため
には、実施例1と同様、図19に示す通り、モータ電流
Iaのかわりに操舵トルクVtから補正係数K1を求め
るようにしてもよい。
【0121】一般に、電動パワーステアリングコントロ
ーラの規格は、各車速Vsにおける操舵補助電流目標値
Isの最大値に対する誤差で与えられることが多い。従
って、操舵トルクVtが大きい場合にモータ角速度推定
値ωに基づくクーロン摩擦補償電流Ic、Idが静的に
Isに加算されて通流されると、モータ角速度推定値ω
のオフセットによって電動パワーステアリングコントロ
ーラの規格を満足できなくなるという問題が考えられ
る。本実施例では、上記のような問題を確実に防止する
ことができる。
【0122】実施例3.上記実施例1及び2では、電機
子抵抗Raに含まれる誤差がモータ角速度推定値ωに与
える影響を抑えるために、(4)式に基づいて求めたモー
タ角速度推定値ωに補正係数K1を乗ずる構成としてい
たが、モータ角速度推定値ωを所定のしきい値ωTH以下
にクリップする構成としても良い。図20は本実施例に
おけるモータ角速度演算手段11の動作を説明するフロ
ーチャートであり、図21は上記しきい値ωTHを説明す
る図である。
【0123】以下、本実施例におけるモータ角速度演算
手段11の動作を、図20のフローチャートに基づいて
説明する。最初に、S201でモータ印加電圧検出値V
sn sとモータ電流検出値IasnsをA/D変換したデー
タを読み込み、S202で定数データである電機子抵抗
Raと、モータ誘起電圧定数KeをROM8bから読み
込み、S203で(4)式に基づいてモータ角速度推定値
ωを演算する。
【0124】次にS204で所定のテーブルを参照し、
S201にて読み込んだモータ電流検出値Iasnsから
しきい値ωTHを求め、S205、S206、S203に
て求めたモータ角速度推定値ωを上記ωTH以下にクリッ
プする。最後にS207でモータ角速度推定値ωをRA
M8cにストアする。
【0125】ここで、IasnsーωTHテーブルおよびωT
Hについて、詳しく説明する。(4)式に基づいてモータ角
速度推定値ωを演算する場合、(5)式で示したように、
電機子抵抗Raの誤差によって生じるモータ角速度推定
値ωの誤差は、モータ電流目標値Iaに比例する。そこ
で、(4)式から求めたモータ角速度を、モータ電流検出
値Iasnsの増加に伴って0に近づくしきい値ωTH以下
にクリップしておけば、モータ電流目標値Iaが大きい
場合のモータ角速度推定値ωのオフセットを除去するこ
とができると考えられる。
【0126】ここで、一般にモータ1に印加する電圧が
一定ならば、モータ電流目標値Iaとモータ角速度ωm
には、図8に示すようにモータ電流目標値Iaの増加と
ともにモータ角速度ωmが減少する関係がある。ゆえ
に、しきいωTHは、モータ電流検出値Iasnsが0のと
きに、モータを無負荷でデューティ比100%駆動時の
角速度ωmaxより大きくし、少なくともモータ電流検出
値Iasnsがロック電流Imaxと等しいときには0に
なるということを目安に、実験的に設定しておけばよ
い。
【0127】なお、本実施例においても、電流制御手段
10の応答性が十分速い場合には、モータ電流検出値I
snsのかわりにモータ電流目標値Iaを用いても良
い。また、モータ電流目標値Iaまたはモータ電流検出
値Iasnsのかわりに、実施例2のごとく、操舵トルク
Vtを用いてωTHを求めても良いことはいうまでもな
い。
【0128】実施例4.実施例1〜3の如くモータ角速
度推定値ωのオフセットを補正しても、モータ電流目標
値Iaが比較的小さいときにはモータ角速度推定値ωの
演算結果に電機子抵抗Raの誤差の影響が現れる場合が
ある。ところが、上記のとおり、電機子抵抗Raの誤差
がモータ角速度推定値ωに与える影響はモータ電流目標
値Iaに比例するため、このようなオフセットは比較的
小さい(例えば2〜3ビット)と考えられる。そこで、
図22に示すとおり、実施例1〜3の如く演算したモー
タ角速度推定値(=ωTMP)が所定のしきい値以下のと
きには、ωを0にクリップする構成とすれば、上記の問
題は解決できると考えられる。
【0129】本実施例の如くモータ角速度を演算すれ
ば、モータ電流が比較的小さい場合に現れるモータ角速
度推定値ωのオフセットを除去でき、特に、微小操舵時
に、モータ角速度推定値ωのオフセットにより粘性摩擦
補償電流目標値Idが大きくなり、フリクション感が増
大するという問題を解決する事ができる。
【0130】実施例5.実施例1〜4の如くモータ角速
度推定値ωのオフセットを補正しても、完全には補正で
きず、オフセットが残る場合がある。このような場合に
は、実施例1〜4の如く演算したモータ角速度推定値
(=ωTMP)を所定のカットオフ周波数でハイパスフィ
ルタ処理後、モータ角速度推定値ωとしてもよい。これ
により、モータ角速度推定値ωのオフセットは完全に除
去する事ができる。
【0131】しかし、このとき、モータが一定速度で回
転しているとモータ角速度推定値ω=0となるため、カ
ットオフ周波数を低くとっても、クーロン摩擦が十分補
償されないことが懸念される。従って、クーロン摩擦が
特に問題となる場合には、図23の如く、クーロン摩擦
補償電流演算手段13にはハイパスフィルタ処理前のω
TMPを与え、粘性摩擦補償電流演算手段14にはハイパ
スフィルタ処理後のモータ角速度推定値ωを与える構成
としてもよい。
【0132】実施例6.実施例1〜5で述べた方法でモ
ータ角速度推定値ωを補正後に、モータ角加速度推定値
dω/dtを演算してもよいが、微分演算によってオフ
セットは除去されるため、図24の如く、クーロン摩擦
補償電流演算手段13と粘性摩擦補償電流演算手段14
にはモータ角速度推定値補正手段17にて、実施例1〜
5のようにモータ角速度推定値ωを補正した後に与え、
モータ角加速度演算手段12にはモータ角速度推定値ω
を補正前に与えても良い。これにより、モータ角速度推
定値ωの補正によってモータ角加速度推定値dω/dt
が悪影響を受けることを防止することができる。
【0133】実施例7.実施例1のようにモータ角加速
度演算手段12が帯域通過特性を有するようにすると、
モータ角速度ωの周波数が比較的低い場合には問題ない
が、周波数が高くなるとモータ角加速度推定値dω/d
tの位相がまわるため、モータ角速度推定値ωとモータ
角加速度推定値dω/dtの位相差が0に近づいてしま
う。正弦波状に操舵した場合を例にとり、図25に上記
問題を図示する。
【0134】位相差が0に近づく周波数がステアリング
系の応答周波数よりも十分高ければ(例えば10数H
z)これは問題ないが、モータ角加速度推定値dω/d
tの雑音を抑える等の理由で上記fc2を低く(例えば
5Hz)設定しなければならない場合には問題となる。
例えば、モータ角速度推定値ωとモータ角加速度推定値
dω/dtの位相が揃えば、モータ角速度推定値ωに比
例する粘性摩擦補償電流目標値Idと慣性補償電流目標
値Ijが打ち消し合うことになり、補償電流が通流され
なくなってしまう。
【0135】上記問題を解決するためには、図26に示
すように、実施例1〜6の如く求められたモータ角速度
推定値ωをさらにローパスフィルタ処理して位相を遅ら
せた後、クーロン摩擦補償電流演算手段13あるいは粘
性摩擦補償電流演算手段14に与えればよい。上記ロー
パスフィルタのカットオフ周波数は、モータ角速度推定
値ωとモータ角加速度推定値dω/dtの位相差が問題
となる周波数に設定しておけばよく、例えば上記fc2
と略同一に設定しておけば良い。これによりモータ角速
度推定値ωとモータ角加速度推定値dω/dtの位相が
揃うことを防止することができ、その結果、各補償電流
の位相関係を正常に保つことができる。
【0136】実施例8.モータ電流検出値Iasnsに含
まれる雑音等に起因して、モータ角速度推定値ωに不要
な交流成分が含まれる場合には、モータ角速度推定値d
ω/dtにも雑音が乗り、モータ角加速度演算手段12
の周波数特性を変更しても、その雑音を除去できない場
合がある。このような場合、図27に示すとおり、実施
例1の如く演算したモータ角加速度推定値(=(dω/
dt)TMP)が所定のしきい値以下のときには、ωを0
にクリップする構成とすれば、上記の問題は解決できる
と考えられる。
【0137】本実施例の如くモータ角加速度を演算すれ
ば、モータ角加速度演算手段12の高域遮断特性によっ
て除去できない雑音成分を除去でき、ハンドル中立付近
でのふらつき等の問題を解決することができる。
【0138】実施例9.上記実施例1では、モータ角速
度推定値ωが、所定の値ω1以上になると、車速Vsに
応じて一定値にクリップされた電流Icが、モータ角速
度推定値ωと同方向に通流されるように構成していた。
ここで、モータ角速度推定値ωに雑音が含まれることを
考慮すれば、ω1は大きい方が誤動作が少ないと考えら
れる。しかし、ω1を大きくすれば、ステアリング系の
クーロン摩擦は十分補償されず、例えば低車速時にハン
ドルが中立位置まで戻りきらない等の問題を生ずる。こ
のような場合、図28の如く、しきい値ω1にヒステリ
シスを設ければ良い。
【0139】本実施例の如くクーロン摩擦補償電流目標
値Icを演算すれば、低車速時のハンドル戻りを劣化さ
せることなく、モータ角速度推定値ωの雑音成分がIc
に影響を与えることを防止することができる。
【0140】実施例10.上記実施例1では、モータ角
速度推定値ωが、所定の値ω1以上になると、車速Vs
に応じて一定値にクリップされた電流Icが、モータ角
速度推定値ωと同方向に通流されるように構成していた
が、車速Vsとモータ角速度推定値ωに応じてゲインI
c/ωを変化させても良い。
【0141】例えば図29の如く、ω=0付近でのIc
をモータ角速度推定値ωに対して所定のゲインで滑らか
に立ち上げるように設定すれば、ハンドル中立付近での
モータ目標電流の急変を防止することができ、ハンドル
のふらつき等の問題を防ぐことができる。また、例えば
図30の如く、ω=0付近でIcが大きくなるように設
定すれば、ステアリング系の静止摩擦の影響を若干緩和
することができる。
【0142】実施例11.上記実施例1では、モータ角
速度推定値ωに応じてステアリング系のクーロン摩擦を
補償する構成としていた。つまり、モータが回転し始め
なければ摩擦を補償する電流は通流されず、静止摩擦は
補償されていなかった。そのため、運転者によっては、
特に低車速時のハンドル戻りを不自然に感じることがあ
った。この発明においては舵角を検出する手段を具備し
ないため、静止摩擦を完全に補償することは不可能であ
るが、モータ角速度推定値ωの微分値に応じて静止摩擦
補償電流を演算する構成とすれば、静止摩擦の影響を緩
和することができる。
【0143】図31は本実施例における静止摩擦補償を
ブロック図で表したものであり、図32はS/Wの動作
を説明するフローチャートである。以下、図32のフロ
ーチャートを基に動作を説明する。まずS321でモー
タ角速度推定値ωと車速Vsを読み込む。次に、S32
2でモータ角速度推定値ωを微分処理し、立ち上がりエ
ッジを抽出する。ここで、微分処理されたモータ角速度
推定値ωをωedgとする。最後にS323で、ωedgとV
sから、所定のテーブルに従って静止摩擦補償電流目標
値Ifを求め、S324で静止摩擦補償電流目標値If
をRAM8cにストアする。
【0144】静止摩擦補償電流目標値Ifを求めるテー
ブルは、例えば図33に示すように、ωedgが、所定の
値ωedgが1以上になると、Vsに応じて一定値にクリ
ップされた電流がωedgと同方向に通流されるように構
成する。ここで、電流のクリップ値If1はモータを接
続する事により増加したステアリング系の静止摩擦を補
償するトルクを発生し得るように設定する。
【0145】これにより、モータが運転者の操舵やタイ
ヤのセルフアライニングトルク等によって回転し始める
ときに、モータの回転方向に短時間電流が通流されるこ
とになり、ステアリング系の静止摩擦があたかも減少し
たかのように動作させることができ、上記実施例1より
もさらにハンドル戻りやフリクション感を改善すること
が可能となる。
【0146】なお、静止摩擦補償電流目標値Ifは車速
Vsにかかわらず一定値でもよいが、図33の如く、車
速Vsの増加とともに電流値を低減するようにテーブル
を構成しておけば、高車速時におけるハンドル戻り時の
収斂性の悪化を防止し、かつ低車速時のハンドル戻りを
改善することが可能となり、さらに操舵フィーリングが
向上する。
【0147】また、上記しきい値ωedg1に関しても、
車速Vsにかかわらず一定値でもよいが、車速Vsに応
じて変化させてもよく、例えば図33の如く車速Vsの
増加とともにωedg1が増加するように設定すれば、高
車速時のハンドルのふらつきを抑えることができる。
【0148】以上のようにして求めた静止摩擦補償電流
目標値Ifを、図31の如くIc等の補償電流と加算し
てモータ目標電流Ia*を演算し、以降、上記実施例1
と同様にモータ1を制御する。
【0149】なお、本実施例においては、ωedgに基づ
いて静止摩擦補償電流目標値Ifを演算したが、例えば
図34の如く、クローン摩擦補償電流目標値Icのエッ
ジを強調する構成としても同様の効果が得られることは
いうまでもない。
【0150】このように、本実施例では、モータ角速度
推定値ωの立ち上がりエッジに応じてモータ1に電流を
通流する構成としたため、モータ1を接続する事により
増加したステアリング系の静止摩擦を補償することが可
能となり、上記実施例1よりもさらに良好な操舵フィー
リングを得ることができる。
【0151】実施例12.上記実施例1では、モータ角
速度推定値ωに比例した粘性摩擦補償電流目標値Id
が、モータ角速度推定値ωと逆方向に通流されるように
構成していたが、車速Vsとモータ角速度推定値ωに応
じてゲインId/ωを変化させても良い。
【0152】例えば図35の如く、ω=0付近での粘性
摩擦補償電流目標値Idを、モータ角速度推定値ωに対
して所定のゲインで滑らかに立ち上げるように設定すれ
ば、上記実施例1と比べて、ハンドル中立付近での粘性
摩擦補償電流目標値Idを減少させ、急操舵した場合の
粘性摩擦補償電流目標値Idを増加させることができ。
その結果フリクション感の悪化を防止し、かつ急操舵し
た場合にはしっかりとした反力感や粘性感を与え、高車
速時におけるハンドル戻り時の収斂性を改善することが
可能となる。
【0153】また、車速Vsの増加とともに上記ゲイン
が増加し、粘性摩擦補償電流目標値Idのモータ角速度
推定値ωに対する不感帯Ddが減少するようにテーブル
を構成しておけば、中車速ないし低車速時のハンドル戻
りとフリクション感の悪化を防止し、かつ中高車速時に
おいて粘性感や収斂性を改善することが可能となり、さ
らに操舵フィーリングが向上する。
【0154】実施例13.上記実施例1では、モータ角
加速度推定値dω/dtに比例した慣性補償電流目標値
Ijが、モータ角加速度推定値dω/dtの方向に通流
されるように構成していたが、Vsとωに応じてゲイン
Ij/(dω/dt)を変化させても良い。
【0155】例えば図36の如く、モータ角加速度推定
値dω/dt=0付近での慣性補償電流目標値Ijを、
モータ角加速度推定値dω/dtに対して所定のゲイン
で滑らかに立ち上げるように設定すれば、上記実施例1
と比べて、ハンドル中立付近での慣性補償電流目標値I
jを減少させ、急操舵した場合の慣性補償電流目標値I
jを増加させることができる。その結果ハンドル中立付
近でのふらつきを防止し、かつ急操舵した場合の慣性感
を改善することが可能となる。
【0156】また、車速の増加とともに上記ゲインが増
加し、慣性補償電流目標値Ijのモータ角加速度推定値
dω/dtに対する不感帯Djが減少するようにテーブ
ルを構成しておけば、中車速時ないし低車速時のハンド
ル中立付近でのふらつきを防止し、かつ中高車速時にお
いて慣性感を改善することが可能となり、さらに操舵フ
ィーリングが向上する。
【0157】また、上記ゲインを増加させると高車速時
におけるハンドル戻り時の収斂性が悪化したり、ハンド
ルが中立付近でふらついたりする場合には、逆に車速の
増加とともにゲインが減少し、不感帯が増加するように
テーブルを構成してもよい。
【0158】実施例14.実施例1では、モータ印加電
圧を差動アンプで検出し、A/D変換器8fを介してC
PU8aに入力していたが、モータの各端子電圧をA/
D変換器8fに入力し、CPU8aでモータ印加電圧を
演算する構成としてもよい。
【0159】図37はこの実施例におけるコントローラ
のH/W構成図であり、実施例1と同一あるいは相当す
る部分は同一の符号を付してある。4はモータ1に通流
される電流を所定の電圧に変換して後述のA/D変換器
8fに入力するためのモータ電流検出回路であり、モー
タ1に直列に接続された電流検出抵抗器4aの両端の電
圧を増幅回路4cで電圧増幅するように構成されてい
る。
【0160】21はモータ1を駆動するPWM搬送波周
波数よりも低い所定の低域通過特性を有し、モータ1の
端子電圧Vaを所定の電圧レベルに変換してA/D変換
器8fに入力するためのモータ端子電圧検出回路であ
り、21a〜21fは抵抗器、21g〜21hはコンデ
ンサである。なお、上記以外の部分は実施例1と同一で
あり、説明は省略する。
【0161】図38は、モータ端子電圧検出回路21の
直流特性を、図39は周波数特性を表す図である。
【0162】図40はモータ端子電圧からモータ印加電
圧を演算するS/Wの動作を説明するフローチャートで
ある。
【0163】ここで、モータ端子電圧検出回路21につ
いて詳しく説明する。図37において、 R13=R23=R3 (7) R14=R24=R4 (8) R15=R25=R5 (9) C12=C22=C2 (10) と設定するものとして、s領域(sはラプラス演算子)
でモータ端子電圧検出値V11とV12、V21とV2
2との関係を求めるとそれぞれ以下の(11)、(12)式のよ
うに表される。
【0164】 V12=Vcc・R4・R5/R6+V11・R3・R4/R6/(1+C2・R3・R4・R5・s/R6) (11)
【0165】 V22=Vcc・R4・R5/R6+V21・R3・R4/R6/(1+C2・R3・R4・R5・s/R6) (12)
【0166】 ただし、 R6=R3・R4+R4・R5+R5・R3 (13) となる。
【0167】(11)、(12)式を見ると、V12、V22
は、V11、V21をそれぞれR3・R4/R6で分圧
し、時定数C2・R3・R4・R5/R6の一次遅れ特
性を付加し、直流バイアス電圧Vcc・R4・R5/R
6に加えた電圧である、ということがわかる。すなわ
ち、直流特性は図38、周波数特性は図39に示す通り
になる。
【0168】(11)、(12)式において、Vccは定電圧
(例えば5V)とし、抵抗R3、R4、R5はV11、
V21の電圧範囲(例えばー12〜12V)がA/D変
換器8fの入力電圧範囲(例えば0〜5V)にレベル変
換されるように設定する。
【0169】また、モータ印加電圧Vaと同様にV1
1、V21も矩形波となるため、コンデンサC2につい
ては、カットオフ周波数fc=1/(2π・C2・R3
・R4・R5/R6)が、PWM搬送波周波数(例えば
20kHz)より十分低く、モータの応答周波数(例え
ば100数十Hz)よりも十分高くなるように設定す
る。これによりステアリング系の制御が可能な帯域幅が
確保され、しかもV11、V21の矩形波成分が除去さ
れたモータ端子電圧検出値V12、V22をA/D変換
器8fに入力することができる。
【0170】次に、V11、V12からモータ印加電圧
Vaを演算する方法について説明する。(11)、(12)式に
最終値定理を適用すると、V12、V22は直流的には
それぞれ以下の(14)、(15)式で表される。
【0171】 V12=Vcc・R4・R5/R6+V11・R3・R4/R6 (14)
【0172】 V22=Vcc・R4・R5/R6+V21・R3・R4/R6 (15)
【0173】図37において、 Va=V11ーV21 (16) であるから、(14)、(15)式を(16)式に代入すればモータ
印加電圧Vaは以下の(17)式より求まる。
【0174】 Va=(V12ーV22)・R6/(R3・R4) (17)
【0175】すなわち、モータ端子電圧検出値V12、
V22から、(17)式に基づいてCPU8aでモータ印加
電圧Vaを演算すればよい。
【0176】更に、モータ端子電圧検出値V12、V2
2からモータ印加電圧Vaを求めるS/Wの動作を、図
40のフローチャートに沿って説明する。まず、S40
1でモータ端子電圧検出値V12、V22をA/D変換
したデータを読み込む。次にS402で(17)式に基づい
てモータ印加電圧Vaを演算し、最後に、S403でモ
ータ印加電圧Vaの演算値をRAM8cにストアする。
【0177】以後は、このようにして演算したモータ印
加電圧Vaを用いて、上記実施例1と同様にモータ角速
度推定値ωやモータ角加速度推定値dω/dtを演算し
てモータ1を制御すればよい。
【0178】以上のように本実施例では、H/Wでモー
タのPWM駆動に伴う矩形波成分を除去したモータ端子
電圧を検出し、S/Wでモータ印加電圧を演算する構成
としたため、実施例1と比べて処理速度の速いCPUを
用いることなく、OPアンプを省略することができる。
【0179】さらに、実施例1におけるモータ印加電圧
検出回路5では、モータ端子電圧の同相分はOPアンプ
5jにて除去されるため、モータの各端子電圧が同相に
変化するような故障状態、例えばパワーMOSFET7
a〜7dがオフした状態でのモータ線の地絡等を検出す
ることができないが、モータ端子電圧検出回路21を用
いればモータの各端子電圧をCPU8aにてモニタでき
るため、上記のような故障も検出する事が可能となり、
故障検出能力が向上する。
【0180】また、そのため、モータ印加電圧検出回路
5を用いる場合には、実施例1の如く故障検出能力を向
上させるために電流検出抵抗器4aを電源側に設けるこ
とが望ましいが、モータ端子電圧検出回路21を用いれ
ば、本実施例の如く電流検出抵抗器4aをモータに直列
に接続してもよく、その結果サンプルホールド回路4b
を省略することができ、さらなるコストダウンを図るこ
とができる。
【0181】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、操舵系に連結
されたモータと、このモータをPWM駆動制御するPW
M制御手段と、遮断周波数がPWM搬送波周波数よりも
低い低域通過特性を有し、検出した前記モータの印加電
圧を所定電圧レベルに変換して出力するモータ印加電圧
検出手段と、検出されたモータ印加電圧に基づいて前記
モータの角速度を推定する角速度推定手段と、角速度推
定結果に基づいて前記モータの電流値を演算する電流値
演算手段とを備えたので、モータ印加電圧を、遮断周波
数がモータを駆動するPWM搬送波周波数よりも低い低
域通過特性を有する回路にて矩形波成分を除去して検出
した、モータ印加電圧検出値に基づいて上記モータ角速
度を推定することにより、サンプリング周波数を従来装
置より下げても正確にモータ角速度を推定することがで
きるという効果がある。
【0182】請求項2の発明によれば、操舵系に連結さ
れたモータと、このモータをPWM駆動制御するPWM
制御手段と、遮断周波数がPWM搬送波周波数よりも低
い低域通過特性を有し、検出した前記モータの端子電圧
を所定電圧レベルに変換して出力するモータ端子電圧検
出手段と、検出されたモータ端子電圧に基づいて前記モ
ータの角速度を推定する角速度推定手段と、角速度推定
結果に基づいてモータ電流値を演算する電流値演算手段
とを備えたもので、モータ端子電圧を、遮断周波数がモ
ータを駆動するPWM搬送波周波数よりも低い低域通過
特性を有する回路にて矩形波成分を除去して検出した、
モータ端子電圧検出値に基づいて上記モータ角速度を推
定することにより、サンプリング周波数を従来装置より
下げても正確にモータ角速度を推定することができると
いう効果がある。
【0183】請求項3の発明によれば、請求項1または
2に記載の発明においてモータ角速度推定値を、モータ
に通流する電流に基づいて所定の値以下にクリップする
ことで、モータ電流に基づいてモータ角速度推定値を補
正することにより、上記モータ角速度推定値の誤差を軽
減する事ができるという効果がある。
【0184】請求項4の発明によれば、請求項1または
2に記載の発明においてモータ角速度推定値を、操舵ト
ルクに基づいて所定の値以下にクリップする操舵トルク
に基づいてモータ角速度推定値を補正することにより、
上記モータ角速度推定値の誤差を軽減することができる
という効果がある。
【0185】請求項5の発明によれば、請求項1ないし
4のいずれかに記載の発明においてモータ角速度推定値
を、モータ角速度推定値の演算結果が所定の値以下の場
合に零にクリップすることにより、モータ角速度推定値
の誤差を軽減することができるという効果がある。
【0186】請求項6の発明によれば、請求項1ないし
5のいずれかに記載の発明においてモータ角速度推定値
を所定のカットオフ周波数以上でハイパスフィルタ処理
を施すことにより、モータ角速度推定値のオフセットを
除去することができるという効果がある。
【0187】請求項7の発明によれば、請求項1ないし
6のいずれかに記載の発明においてモータ角速度推定値
を微分処理してモータ角加速度を推定することで、サン
プリング周波数を従来装置より下げても正確にモータ加
速度を推定できるという効果がある。
【0188】請求項8の発明によれば、請求項7に記載
の発明において微分処理は帯域通過特性を有すること
で、サンプリング周波数を従来装置より下げても正確に
モータ加速度を推定できるという効果がある。
【0189】請求項9の発明によれば、請求項8に記載
の発明においてモータ角速度推定値は、微分処理時の帯
域通過特性の高域遮断周波数と略同一の遮断周波数を有
するローパスフィルタ処理を施すことで、モータ角速度
推定値とモータ角加速度推定値との位相関係を正常に保
つことができるという効果がある。
【0190】請求項10の発明によれば、請求項7ない
し9のいずれかに記載の発明においてモータ角速度推定
値の演算結果が所定の値以下の場合にはこの推定値を零
にクリップすることで、モータ角速度推定値に含まれる
雑音を除去できるという効果がある。
【0191】請求項11の発明によれば、請求項3ない
し10のいずれかに記載の発明においてモータ角速度推
定値をステアリング制御系に正帰還し、正帰還に基づい
て通流するモータ電流を、ステアリング系の摩擦に基づ
く所定の値以下にクリップすることで、ステアリング系
のクローン摩擦を補償し、操舵フィーリングを向上させ
ることができるという効果がある。
【0192】請求項12の発明によれば、請求項11に
記載の発明においてモータ角速度推定値の正帰還に基づ
いて通流するモータ電流をクリップする電流値またはモ
ータ角速度の正帰還ゲインを、上記モータ角速度推定値
と車速の少なくともいずれか1つに基づいて変化させる
ことで、操舵フィーリングを向上させることができると
いう効果がある。
【0193】請求項13の発明によれば、請求項11ま
たは12に記載の発明においてモータ角速度推定値の正
帰還に基づいて通流するモータ電流を立ち上がり時に増
加させる微分手段を備えたので、特にステアリング系の
静止摩擦を補償し、操舵フィーリングを向上させること
ができるという効果がある。
【0194】請求項14の発明によれば、請求項3ない
し10のいずれかに記載の発明においてモータ角速度推
定値を負帰還することにより角速度に基づくステアリン
グ制御を行うことで、特にステアリング系の粘性摩擦を
補償し、操舵フィーリングを向上させることができると
いう効果がある。
【0195】請求項15の発明によれば、請求項14に
記載の発明においてモータ角速度推定値の負帰還ゲイン
を、上記モータ角速度推定値に基づいて変化させること
でフリクション感の劣化を防止し、或いは、車速に基づ
いて変化させることで低車速域でのハンドル戻りの劣化
を防止しできるという効果がある。
【0196】請求項16の発明によれば、請求項3ない
し10のいずれかに記載の発明において上記モータ角加
速度推定値を正帰還することにより上記角加速度に基づ
くステアリング制御を行うことで、特にステアリング系
の慣性モーメントを補償し、操舵フィーリングを向上さ
せることができるという効果がある。
【0197】請求項17の発明によれば、請求項16に
記載の発明において上記モータ角加速度推定値の正帰還
ゲインを、上記モータ角加速度推定値に基づいて変化さ
せることでセンタ付近でのハンドルのふらつきを防止
し、或いは車速に基づいて変化させることで車速に関係
なく最適な操舵フィーリングを実現できるという効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例による制御装置のH/W
構成図である。
【図2】 この発明の一実施例による制御装置のS/W
ブロック図である。
【図3】 この発明の一実施例による制御装置のモータ
印加電圧検出回路の直流特性を表す図である。
【図4】 この発明の一実施例による制御装置のモータ
印加電圧検出回路の周波数特性を表す図である。
【図5】 この発明の一実施例による制御装置のモータ
印加電圧検出回路、あるいはモータ端子電圧検出回路の
カットオフ周波数の設定方法を説明する図である。
【図6】 この発明の一実施例による制御装置のモータ
角速度演算手段の動作を説明するフローチャートであ
る。
【図7】 この発明の一実施例による制御装置のモータ
角速度推定値を補正する係数とモータ電流の関係を説明
する図である。
【図8】 直流モータにおけるモータ電流とモータ角速
度の関係を説明する図である。
【図9】 この発明の一実施例による制御装置のモータ
角加速度演算手段の動作を説明するフローチャートであ
る。
【図10】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角加速度演算手段の動作を説明するブロック図であ
る。
【図11】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角加速度演算手段の周波数特性を表す図である。
【図12】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角加速度演算手段の周波数特性を表す図である。
【図13】 この発明の一実施例による制御装置のクー
ロン摩擦補償電流演算手段の動作を説明するフローチャ
ートである。
【図14】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角速度推定値と、車速と、クーロン摩擦補償電流の関
係を説明する図である。
【図15】 この発明の一実施例による制御装置の粘性
摩擦補償電流演算手段の動作を説明するフローチャート
である。
【図16】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角速度推定値と、車速と、粘性摩擦補償電流の関係を
説明する図である。
【図17】 この発明の一実施例による制御装置の慣性
補償電流演算手段の動作を説明するフローチャートであ
る。
【図18】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角加速度推定値と、車速と、慣性補償電流の関係を説
明する図である。
【図19】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角速度推定値を補正する係数と操舵トルクの関係を説
明する図である。
【図20】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角速度推定値を補正する方法を説明するフローチャー
トである。
【図21】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角速度推定値を補正するしきい値とモータ電流の関係
を説明する図である。
【図22】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角速度推定値を補正する方法を説明する図である。
【図23】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角速度推定値を補正する手段とモータ制御電流を演算
する手段との関係を説明するブロック図である。
【図24】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角速度推定値を補正する手段とモータ角加速度演算手
段との関係を説明するブロック図である。
【図25】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角速度推定値と、モータ角加速度推定値との関係を説
明する図である。
【図26】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角速度推定値を補正する手段と、モータ角加速度演算
手段と、モータ制御電流を演算する手段との関係を説明
するブロック図である。
【図27】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角加速度推定値を補正する方法を説明する図である。
【図28】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角速度推定値と、クーロン摩擦補償電流との関係を説
明する図である。
【図29】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角速度推定値と、クーロン摩擦補償電流との関係を説
明する図である。
【図30】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角速度推定値と、クーロン摩擦補償電流との関係を説
明する図である。
【図31】 この発明の一実施例による制御装置の静止
摩擦を補償する方法を説明するブロック図である。
【図32】 この発明の一実施例による制御装置の静止
摩擦を補償する方法を説明するフローチャートである。
【図33】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角速度推定値の微分値と、静止摩擦補償電流との関係
を説明する図である。
【図34】 この発明の一実施例による制御装置の静止
摩擦を補償する方法を説明するブロック図である。
【図35】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角速度推定値と、粘性摩擦補償電流との関係を説明す
る図である。
【図36】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ角加速度推定値と、慣性補償電流との関係を説明する
図である。
【図37】 この発明の一実施例による制御装置のH/
W構成図である。
【図38】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ端子電圧検出回路の直流特性を表す図である。
【図39】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ端子電圧検出回路の周波数特性を表す図である。
【図40】 この発明の一実施例による制御装置のモー
タ印加電圧を演算する方法を説明するフローチャートで
ある。
【図41】 従来の制御装置の構成を表すブロック図で
ある。
【図42】 この発明と従来の制御装置の操舵トルクと
操舵力補助電流との関係を説明する図である。
【図43】 直流モータの電機子の等価回路である。
【図44】 直流モータをPWM駆動した場合のモータ
印加電圧とモータ電流との関係を示した波形図である。
【符号の説明】
1 モータ、2 トルクセンサ、3 車速センサ、4
モータ電流検出回路、5 モータ印加電圧検出回路、6
H形ブリッジ回路駆動回路、7 H形ブリッジ回路、
8 マイクロコンピュータ、9 操舵力補助電流演算手
段、10 モータ電流制御手段、11 モータ角速度演
算手段、12 モータ角加速度演算手段、13 クーロ
ン摩擦補償電流演算手段、14 粘性摩擦補償電流演算
手段、15 慣性補償電流演算手段、17 モータ角速
度推定値補正手段、18 ローパスフィルタ、19 微
分手段、20 静止摩擦補償電流演算手段、21 モー
タ端子電圧検出回路。

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵系に連結されたモータと、このモー
    タをPWM駆動制御するPWM制御手段と、遮断周波数
    がPWM搬送波周波数よりも低い低域通過特性を有し、
    検出した前記モータの印加電圧を所定電圧レベルに変換
    して出力するモータ印加電圧検出手段と、検出されたモ
    ータ印加電圧に基づいて前記モータの角速度を推定する
    角速度推定手段と、角速度推定結果に基づいて前記モー
    タの電流値を演算する電流値演算手段とを備えたことを
    特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 操舵系に連結されたモータと、このモー
    タをPWM駆動制御するPWM制御手段と、遮断周波数
    がPWM搬送波周波数よりも低い低域通過特性を有し、
    検出した前記モータの端子電圧を所定電圧レベルに変換
    して出力するモータ端子電圧検出手段と、検出されたモ
    ータ端子電圧に基づいて前記モータの角速度を推定する
    角速度推定手段と、角速度推定結果に基づいてモータ電
    流値を演算する電流値演算手段とを備えたことを特徴と
    する電動パワーステアリング装置。
  3. 【請求項3】 モータ角速度推定値を、モータに通流す
    る電流に基づいて所定の値以下にクリップすることを特
    徴とする請求項1または2に記載の電動パワーステアリ
    ング装置。
  4. 【請求項4】 モータ角速度推定値を、操舵トルクに基
    づいて所定の値以下にクリップすることを特徴とする請
    求項1または2に記載の電動パワーステアリング装置。
  5. 【請求項5】 モータ角速度推定値を、モータ角速度推
    定値の演算結果が所定の値以下の場合に零にクリップす
    ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかにに記
    載の電動パワーステアリング装置。
  6. 【請求項6】 モータ角速度推定値を所定のカットオフ
    周波数以上でハイパスフィルタ処理を施すことを特徴と
    する請求項1ないし5のいずれかに記載の電動パワース
    テアリング装置。
  7. 【請求項7】 モータ角速度推定値を微分処理してモー
    タ角加速度を推定することを特徴とする請求項1ないし
    6のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  8. 【請求項8】 微分処理は帯域通過特性を有することを
    特徴とする請求項7記載の電動パワーステアリング装
    置。
  9. 【請求項9】 モータ角速度推定値は、微分処理時の帯
    域通過特性の高域遮断周波数と略同一の遮断周波数を有
    するローパスフィルタ処理を施すことを特徴とする請求
    項8に記載の電動パワーステアリング装置。
  10. 【請求項10】 モータ角加速度推定値の演算結果が所
    定の値以下の場合にはこの推定値を零にクリップするこ
    とを特徴とする請求項7ないし9のいずれかに記載の電
    動パワーステアリング装置。
  11. 【請求項11】 モータ角速度推定値をステアリング制
    御系に正帰還し、正帰還に基づいて通流するモータ電流
    を、ステアリング系の摩擦に基づく所定の値以下にクリ
    ップすることを特徴とする請求項3ないし10のいずれ
    かに記載の電動パワーステアリング装置。
  12. 【請求項12】 モータ角速度推定値の正帰還に基づい
    て通流するモータ電流をクリップする電流値またはモー
    タ角速度の正帰還ゲインを、上記モータ角速度推定値と
    車速の少なくともいずれか1つに基づいて変化させるこ
    とを特徴とする請求項11に記載の電動パワーステアリ
    ング装置。
  13. 【請求項13】 モータ角速度推定値の正帰還に基づい
    て通流するモータ電流を立ち上がり時に増加させる微分
    手段を備えたことを特徴とする請求項11ないし12の
    いずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
  14. 【請求項14】 モータ角速度推定値を負帰還すること
    により角速度に基づくステアリング制御を行うことを特
    徴とする請求項3ないし10のいずれかに記載の電動パ
    ワーステアリング装置。
  15. 【請求項15】 モータ角速度推定値の負帰還ゲイン
    を、上記モータ角速度推定値と車速の少なくともいずれ
    か1つに基づいて変化させることを特徴とする請求項1
    4に記載の電動パワーステアリング装置。
  16. 【請求項16】 上記モータ角加速度推定値を正帰還す
    ることにより上記角加速度に基づくステアリング制御を
    行うことを特徴とする請求項3ないし10のいずれかに
    記載の電動パワーステアリング装置。
  17. 【請求項17】 上記モータ角加速度推定値の正帰還ゲ
    インを、上記モータ角加速度推定値と車速の少なくとも
    いずれか1つに基づいて変化させることを特徴とする請
    求項16に記載の電動パワーステアリング装置。
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