JPH08158160A - エアバッグ用複合繊維 - Google Patents

エアバッグ用複合繊維

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Publication number
JPH08158160A
JPH08158160A JP6300644A JP30064494A JPH08158160A JP H08158160 A JPH08158160 A JP H08158160A JP 6300644 A JP6300644 A JP 6300644A JP 30064494 A JP30064494 A JP 30064494A JP H08158160 A JPH08158160 A JP H08158160A
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JP
Japan
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nylon
fiber
sheath
core
component
Prior art date
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Pending
Application number
JP6300644A
Other languages
English (en)
Inventor
Noriko Kamihashi
範子 神橋
Koji Kakumoto
幸治 角本
Kazunori Hashimoto
和典 橋本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Publication date
Application filed by Unitika Ltd filed Critical Unitika Ltd
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Publication of JPH08158160A publication Critical patent/JPH08158160A/ja
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  • Spinning Methods And Devices For Manufacturing Artificial Fibers (AREA)
  • Woven Fabrics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ナイロン6を芯成分、ナイロン46を鞘成分
として、溶融紡糸した複合繊維であって芯部と鞘部の重
量比が50/50〜80/20であり、単糸繊度が6デニール以
下であるエアバッグ用複合繊維。 【効果】 ナイロン6とナイロン46成分が適切な割合
で配置された芯鞘構造糸であるため、製糸時に高倍率で
の延伸が可能で、十分な強度と耐熱性を有している。そ
して、この複合繊維を製編織して得られる布帛は、エア
バッグとして必要な機械特性、耐熱性、耐疲労性を有し
ながら、柔軟性にも優れており、コンパクトに収納する
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、柔軟で収納性及び展開
性に優れ、強伸度等の機械特性のよいエアバッグを得る
ことができる複合繊維に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の安全装置として用いられるエア
バッグは、現在、ナイロン66を用いた合成繊維織物に
クロロプレンゴムを被覆した基布により形成されたもの
が主流である。エアバッグは衝撃吸収性とともに、通
常、非常に小さな場所に収納するために、柔軟性にも優
れていることが要求される。しかしながら、この合成繊
維織物にゴム類を被覆した基布は、ゴム類の被覆によっ
て、耐熱性や気密性を向上させることはできるが、基布
が硬くなるため、収納性が悪いという問題がある。
【0003】しかしながら、助手席用のようにサイズが
大きいエアバッグの場合には、よりコンパクトに収納で
きるものが要望されており、この要望に対して、ゴム類
を被覆しないノンコートタイプのものが提案されている
が、ノンコートタイプの基布では、エアバッグをふくら
ませる際にインフレーターが発する熱によって破損し、
エアバッグの機能を果たさない場合がある。低温のイン
フレーターも検討されているが、ナイロン66は融点が
低いので、ノンコートタイプのエアバッグ用途に使用す
る素材としては十分でない。
【0004】さらに、自動車は屋外に放置されている
と、車内温度が日中に80℃近くにまで上がる場合があ
り、したがって、エアバッグ用の繊維は、長期間過酷な
環境下におかれても変化しない耐熱性と耐疲労性を有し
ている必要がある。特開平5-272009号公報には、柔軟
性、機械的特性及び耐疲労性に優れているエアバッグ用
繊維として、ナイロン46繊維が提案されている。しか
しながら、ナイロン46繊維は、製糸時に糸の切断が発
生する最大延伸倍率が低く、高倍率での延伸が困難であ
り、十分な強度を有する繊維を得ることが難しく、コス
トも高かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決し、製編織してエアバッグとして用いれ
ば、エアバッグとして必要な機械特性及び耐熱性や耐疲
労性を有し、かつ柔軟性に優れるためコンパクトに収納
することが可能であり、しかも、低コストなエアバッグ
用繊維を提供することを技術的な課題とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討の結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明は、ナイロン6を芯成分、ナイロ
ン46を鞘成分として、溶融紡糸した複合繊維であって
芯部と鞘部の重量比が50/50〜80/20であり、単糸繊度
が6デニール以下であるエアバッグ用複合繊維を要旨と
するものである。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明のエアバッグ用複合繊維は、鞘成分がナイロン46
で構成されているので、繊維に耐熱性や耐疲労性を付与
することが可能であり、しかも製編織して得られる布帛
に柔軟性を付与することができる。鞘成分として用いる
ナイロン46は、ポリテトラメチレンアジパミド、また
はこれを主体とし、15重量%以下の他のポリアミド成分
を共重合またはブレンドしたものである。他のポリアミ
ド成分としては、ε−アミノカプロン酸、ε−カプロラ
クタム、ω−ラウリンラクタム等のラクタムの重合物や
コハク酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等
のジカルボン酸とヘキサメチレンジアミン、1,4-ジアミ
ノメチルシクロヘキサン、p-フェニレンジアミン等のジ
アミンとの重合物が挙げられる。
【0008】また、エアバッグとして要求される機械特
性を保持しながら、操業性よく、低いコストで繊維を得
るためには、複合繊維の芯成分にナイロン6を使用する
必要がある。ナイロン46とナイロン6は、本来の性質
が損なわれない程度に耐熱剤等の第3成分が含有されて
いてもよい。
【0009】本発明の複合繊維において、芯部と鞘部の
割合は、重量比で50/50〜80/20とすることが必要であ
る。芯部の割合がこれより少ないと、高倍率での延伸が
困難となり、操業性が悪くなり、コストも高くなる。逆
に芯部の割合がこれより多いと、芯成分の一部が繊維表
面に露出しやすくなり、耐熱性に劣る繊維となる。
【0010】また、本発明の複合繊維を高強度で耐疲労
性に優れた繊維とし、かつ製糸性よく得るためには、本
発明に用いるナイロン46とナイロン6は、相対粘度
(96%硫酸を溶媒とし、濃度1g/dl、温度25℃で測
定した)が3.0 〜3.7 であることが好ましく、さらに好
ましくは3.2 〜3.5 である。
【0011】本発明の複合繊維の単糸繊度は6デニール
以下であることが必要である。単糸繊度が6デニールよ
り大きくなると、得られる布帛は、風合いが硬く、ま
た、小さな容積にコンパクトに収納できなくなる。単糸
繊度の下限は特に限定されるものではないが、芯鞘構造
の繊維を操業性よく得るためには、1デニール以上とす
ることが好ましい。
【0012】複合繊維の総繊度は、特に限定されるもの
ではないが、210 〜840 デニールであることが好まし
い。210 デニール未満であると引張強力、引き裂き強力
などの機械特性を保持するために織物の織り密度を大き
くする必要があり、製織性が悪くなったり、風合いの硬
い織物となりやすく好ましくない。また、総繊度が840
デニールを超えると、織物の厚みが大きくなるため、エ
アバッグ自体の重量が大きくなり、収納性が悪くなりや
すい。
【0013】また、柔軟で収納性及び展開性に優れ、機
械特性がよく、かつ耐疲労性に優れたエアバッグを得る
ためには、本発明の複合繊維の強度は8.5 g/d以上、
伸度は15%以上であることが好ましい。
【0014】次に、本発明の複合繊維の製法例について
説明する。本発明の複合繊維は、上記したような、芯成
分と鞘成分を重量比が50/50〜80/20となるようにし
て、常法により同心芯鞘型に複合溶融紡糸し、300 〜15
00m/分の引き取り速度で引き取り、5〜6倍の延伸倍
率で延伸することにより製造される。
【0015】延伸については、引き取られた未延伸糸を
一旦巻き取ってから延伸する二工程法でも、紡糸に連続
して延伸するスピンドロー法でもよいが、生産性を高め
るにはスピンドロー法が好ましい。また、延伸は2段以
上の多段で熱延伸することが好ましく、延伸温度は、15
0〜250 ℃であり、加熱方法としては、特に限定される
ものではないが、加熱ローラや加熱水蒸気、ヒートプレ
ート、ヒートボックス等による方法が挙げられる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、実施例における各試験項目の測定は下記に示
す方法に従って行った。 (a)強伸度 島津製作所製オートグラフDSS−500 を用い、試料長
30cm、引張速度30cm/分の条件で測定した。 (b)耐熱強力保持率 200 ℃の乾燥機中で6時間放置した後、強度を(a)と
同様の方法で測定し、放置する前の強度との比(放置前
の強度/放置後の強度)を百分率で表した。なお、エア
バッグ用の基布として十分な耐熱強力保持率は、80%以
上である。 (c)布の引張強力 JIS L 1096 6.15.1 A法(ストリップ法)によ
り、3cm幅で測定した。 (d)布の柔軟性 JIS L 1096 6.19.1 A法(45度カンチレバー法)
で測定した。なお、エアバッグ用の基布として十分な柔
軟性は、60mm以下である。 (e)相対粘度 96重量%硫酸を溶媒として、濃度1g/dl、温度25℃
で測定した。
【0017】実施例1〜2、比較例1〜2 鞘成分に5重量%のポリカプロラクタムを共重合し、耐
熱剤としてヨウ化銅を添加したナイロン46(相対粘度
3.30)、芯成分にナイロン6(相対粘度3.38)を使用
し、表1に示す芯鞘重量比で同心型の芯鞘複合繊維を次
のようにして製造した。エクストルーダー型複合紡糸機
を使用し、紡糸温度を300 ℃、直径0.5 mmの紡糸孔を
72個有する紡糸口金を用いて紡出し、冷却固化後、400
m/分の速度の引き取りローラで引き取り、この引き取
りローラと120 ℃の第2ローラ、210 ℃の第3ローラ、
190 ℃の第4ローラ及び160 ℃の第5ローラ間で4段延
伸を行った。この際、第2ローラと第3ローラの間で糸
条に450 ℃の加熱水蒸気を吹き付け、糸の切断が発生す
る最大延伸倍率の85%である表1に示す延伸倍率で延伸
を行い、総繊度が315 デニールの繊維を得た。得られた
複合繊維の強伸度、耐熱強力保持率を測定した結果を表
1に示す。
【0018】表1より明らかなように、実施例1〜2の
繊維は、強度、伸度ともに高く、耐熱強力保持率も高
く、エアバッグ用繊維として必要な物性を満足してい
た。一方、比較例1の繊維は、ナイロン46成分が多い
ため、最大延伸倍率が低く、十分な延伸ができず、強度
が低いものであった。比較例2の繊維は、芯のナイロン
6成分が多すぎたため、繊維の表面にナイロン6成分の
一部が露出し、耐熱強力保持率が低かった。
【0019】比較例3 ナイロン46のみを用い、通常のエクストルーダー型溶
融紡糸装置を用いて紡糸した以外は、実施例1と同様の
条件で紡糸、延伸を行った。延伸倍率及び得られた複合
繊維の強伸度、耐熱強力保持率を測定した結果を表1に
示す。
【0020】表1より明らかなように、比較例3の繊維
は、ナイロン46成分のみからなるため、最大延伸倍率
が低く、十分な延伸ができず、強度が低いものであっ
た。
【0021】
【表1】
【0022】実施例3、比較例4〜5 実施例1及び比較例2、3で得られた繊維を、経密度、
緯密度共に63本/2.54cmの平組織の織物に製織し、エ
アバッグ用基布とした。得られたエアバッグ用基布の引
張強力と柔軟性を測定した結果を表2に示す。
【0023】比較例6 直径0.5 mmの紡糸孔を48個有する紡糸口金を用いた以
外は、実施例1と同様の芯鞘重量比の複合繊維とし、実
施例1と同様の条件で紡糸、延伸を行い、単糸繊度が6.
6 デニール、強度8.5 g/d、伸度17.8%、耐熱強力保
持率85%の複合繊維を得た。続いて、得られた複合繊維
を実施例3と同様の条件で製織し、エアバッグ用基布を
得た。得られたエアバッグ用基布の引張強力と柔軟性を
測定した結果を表2に示す。
【0024】
【表2】
【0025】表2より明らかなように、実施例3の基布
は、引張強力、柔軟性の値ともに満足できるものであっ
た。一方、比較例4の基布は、ナイロン6成分が多い複
合繊維を用いたため、引張強力は高かったが、柔軟性に
劣るものであった。比較例5の基布は、ナイロン46成
分のみからなる繊維を用いたため、柔軟性は高かった
が、引張強力に劣るものであった。比較例6の基布は、
ナイロン6とナイロン46成分よりなる複合繊維であっ
たが、単糸繊度が6デニールを超えていたため、柔軟性
に劣るものであった。
【0026】
【発明の効果】本発明の複合繊維は、ナイロン6とナイ
ロン46成分が適切な割合で配置された芯鞘構造糸であ
るため、製糸時に高倍率での延伸が可能で、十分な強度
と耐熱性を有している。そして、この複合繊維を製編織
して得られる布帛は、エアバッグとして必要な機械特
性、耐熱性、耐疲労性を有しながら、柔軟性にも優れて
おり、コンパクトに収納することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ナイロン6を芯成分、ナイロン46を鞘
    成分として、溶融紡糸した複合繊維であって芯部と鞘部
    の重量比が50/50〜80/20であり、単糸繊度が6デニー
    ル以下であるエアバッグ用複合繊維。
JP6300644A 1994-12-05 1994-12-05 エアバッグ用複合繊維 Pending JPH08158160A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6300644A JPH08158160A (ja) 1994-12-05 1994-12-05 エアバッグ用複合繊維

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6300644A JPH08158160A (ja) 1994-12-05 1994-12-05 エアバッグ用複合繊維

Publications (1)

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JPH08158160A true JPH08158160A (ja) 1996-06-18

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ID=17887349

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6300644A Pending JPH08158160A (ja) 1994-12-05 1994-12-05 エアバッグ用複合繊維

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JP (1) JPH08158160A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1004691A1 (de) * 1998-11-26 2000-05-31 EMS-Chemie AG Kern-Mantel-Bikomponenten-Fasern für Papiermaschinenbespannungen
JP2008308147A (ja) * 2007-06-18 2008-12-25 Yasuyuki Enomoto エアバッグ装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1004691A1 (de) * 1998-11-26 2000-05-31 EMS-Chemie AG Kern-Mantel-Bikomponenten-Fasern für Papiermaschinenbespannungen
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