JP3462914B2 - エアバッグ用糸条 - Google Patents

エアバッグ用糸条

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JP3462914B2 JP27085694A JP27085694A JP3462914B2 JP 3462914 B2 JP3462914 B2 JP 3462914B2 JP 27085694 A JP27085694 A JP 27085694A JP 27085694 A JP27085694 A JP 27085694A JP 3462914 B2 JP3462914 B2 JP 3462914B2
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和典 橋本
幸治 角本
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、機械的特性と柔軟性に
優れたエアバッグ基布を得ることできる、エアバッグ用
糸条に関するものである。 【0002】 【従来の技術】自動車の安全装置として用いられるエア
バッグは、現在、ナイロン66を用いた合成繊維織物に
ゴム類を被覆した基布により形成されたものが主流であ
る。 【0003】エアバッグは衝撃吸収性とともに、通常、
非常に小さな場所に収納するために、柔軟性にも優れて
いることが要求される。 【0004】しかしながら、この合成繊維織物にゴム類
を被覆した基布は、ゴム類の被覆によって、耐熱性や気
密性を向上させることはできるが、基布が硬くなるた
め、収納性が悪いという問題がある。 【0005】この問題を解決し、製造コストを下げる目
的で、最近では、ゴムを被覆しないノンコートタイプの
エアバッグの開発が進められており、素材もナイロン6
6より安価で耐熱性のよいポリエステルを使用すること
が検討されている。 【0006】しかしながら、ポリエステルはナイロン6
6と比較して弾性率が高いため、製織して基布にする
と、柔軟性に欠けるという欠点があり、特に、気密性を
上げるために高密度に織ると、コンパクトに収納するこ
とがより困難になるという問題が生じる。 【0007】特開平3-167312号公報には、エアバッグ用
ポリエステル繊維として、タフネス、結節強度の向上し
た繊維が提案されており、この繊維より得られるエアバ
ッグ基布は、耐衝撃性や耐久性に優れ、基布の平坦性も
改善されたものである。 【0008】しかしながら、この繊維より得られる基布
は、柔軟性が十分でなく、特に気密性を上げるために高
密度に織ると、収納性に劣るものとなるという欠点があ
った。 【0009】このように、強度や耐久性を保持したうえ
でポリエステル糸条に柔軟性を付与することは容易では
なく、強度や耐久性に優れると同時に柔軟なエアバッグ
基布を得ることのできるポリエステル糸条は未だ開発さ
れていない。 【0010】 【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点を解決し、エアバッグ基布として必要な機械的
特性と柔軟性を同時に有する基布を得ることのできるエ
アバッグ用糸条を提供することを技術的な課題とするも
のである。 【0011】 【課題を解決する手段】本発明者らは、上記の課題を解
決するために鋭意検討した結果、本発明に到達した。 【0012】すなわち、本発明は、芯成分が固有粘度が
0.8 以上のポリエチレンテレフタレート、鞘成分がポリ
エチレンテレフタレートとポリブチレンテレフタレート
が85/15〜90/10のモル比率で共重合された共重合体よ
り構成され、芯/鞘比率が重量比で50/50〜70/30の芯
鞘構造の繊維からなる糸条であって、単糸繊度が1〜3
d、総繊度が200 〜500 d、引張強度が8〜8.8g/
破断伸度が15〜17.6%、曲げ剛性が(1)式の範囲
にあることを特徴とするエアバッグ用糸条。 (1) B≦ 5.5×10-6×TD B :曲げ剛性(g・cm2/糸条) TD:総繊度(d) 【0013】(1) B≦ 5.5×10-6×TD B :曲げ剛性(g・cm2 /糸条) TD:総繊度(d) 以下、本発明について詳細に説明する。 【0014】本発明のエアバッグ用糸条は、芯鞘構造の
複合繊維からなるものであり、芯成分はポリエチレンテ
レフタレート(PET)、鞘成分はPETとポリブチレ
ンテレフタレート(PBT)の共重合体よりなるもので
ある。 【0015】ポリエステル本来の性質を損なわない程度
において、PETに耐熱剤、難燃剤、艶消剤等の第3成
分が混合されていてもよい。 【0016】まず、繊維の芯成分は、固有粘度が0.8 以
上のPETとする。ここで、固有粘度は、フェノールと
テトラクロロエタンの等重量混合溶剤を用いて、20℃で
測定した値である。固有粘度が0.8 未満であると、強度
や耐久性に劣った繊維となり、好ましくない。また、固
有粘度の上限は特に限定されるものではないが、操業性
よく紡糸するためには、固有粘度の範囲を0.8 〜1.1 と
することが好ましい。鞘成分は、PETとPBTが85/
15〜90/10のモル比率で共重合された共重合体よりなる
ものであり、共重合体の固有粘度は0.7 〜0.85の範囲が
好ましい。 【0017】鞘成分をこのように、PETとPBTから
なる共重合体とすることで、繊維の表層は、PETを成
分とする内層より柔軟になり、繊維を曲げたときの、内
側の圧縮に要するエネルギーが小さく、曲げ剛性が小さ
くなり、一方、繊維の内層は、高度に配向しているの
で、繊維軸方向に強度の高い繊維とすることができる。
鞘成分のPETとPBTの共重合比率は、85/15〜90/
10のモル比率とする必要があるが、この範囲よりPET
が多い場合、繊維の柔軟性が十分に発現されず、曲げ剛
性が大きくなり、PBTが多い場合、強度や耐久性が不
足する繊維となる。 【0018】芯成分と鞘成分の比率は重量比で50/50〜
70/30の範囲とする必要がある。芯成分がこの範囲より
多いと、曲げ剛性が大きい繊維となり、鞘成分がこの範
囲より多いと、強度や耐久性が不足するものとなる。 【0019】単糸繊度については、1〜3dとすること
が必要である。単糸繊度が3dより大きいと、繊維の曲
げ剛性が大きくなり、得られる布帛が柔軟なものとなら
ず、一方、1dより小さいと強度に劣り、また、芯、鞘
成分が剥離しやすくなるため、耐疲労性も悪い繊維とな
る。 【0020】総繊度は200 〜 500dの範囲のものとする
必要がある。総繊度が 500dより大きいと、高密度に織
る場合、柔軟性に欠けた基布となり、 200dより小さい
と、引裂強力の弱い基布となる。 【0021】糸条の曲げ剛性は、単糸繊度とフィラメン
ト数により値が変わるが、本発明では、製編織した布帛
に十分な柔軟性を付与するために、(1)式を満足させ
る必要がある。 【0022】さらに、引張強度は8〜8.8g/d、破断
伸度は15〜17.6%の糸条とすることが必要である。引張
強度が8g/dより小さいと、引裂強力の弱い基布とな
り、破断伸度が15%より小さいと、エアバッグ作動時の
衝撃に耐える耐衝撃性を有した基布を得ることができな
い。 【0023】次に、本発明のエアバッグ用糸条の製法例
について説明する。 【0024】まず、通常のエクストルーダー型の複合紡
糸機を用い、紡糸温度を295 〜305℃の範囲で紡糸し、
紡出直後の糸条を、雰囲気温度が300 ℃以上の加熱ゾー
ンを通過させた後、糸条の外周から中心に向かって冷却
風を吹き付けて冷却し、冷却固化直後に油剤を付与して
集束する。 【0025】集束した糸条を引き取った後、延伸を施し
て、引張強度が8〜8.8g/dの糸条を得るが、延伸工
程は、生産性をよくするため、紡糸に引き続き連続して
行うことが好ましいので、引取速度を400〜600m/分の
範囲とし、延伸時に繊維表層にかかる応力を低減できる
ように、加熱温度が200℃以上の加熱水蒸気を吹き付け
たり、ヒートプレート等を使用して加熱しながら、延伸
倍率4.5〜5.5倍で延伸する。 【0026】 【実施例】次に、本発明を実施例により具体的に説明す
る。なお、本発明における特性値の測定法は次のとおり
である。 【0027】(a) 強伸度 島津製作所製オートグラフS−100 を用い、試料長25c
m、引っ張り速度30cm/分の条件で測定した。 【0028】(b) 曲げ剛性 カトーテック社製純曲げ試験機KES−FB2を用いて
測定した。 【0029】(c) 柔軟性 JIS L-1096 6.19.1A法(45°カンチレバー法)
で測定した。 【0030】なお、エアバッグ用の基布として十分な柔
軟性は、60mm以下である。 【0031】実施例1〜2、比較例1〜5 固有粘度が0.9 のPETチップと、固有粘度が0.75で共
重合比率が表1に示すモル比であるPET/PBT共重
合体のチップを、エクストルーダーを2機備えた複合溶
融紡糸機にそれぞれ供給し、表1に示す芯鞘比で紡出し
た。 【0032】吐出温度を305 ℃とし、紡出した糸条を、
雰囲気温度が400 ℃に保たれた長さ10cmの加熱筒を通
過させた後に、円筒型の冷却風吹付装置により、風温20
℃、風速30m/分の冷却風を吹付けて冷却固化し、油剤
を付与した後、表面速度が480 m/分の引取ローラで引
き取った。 【0033】続いて、表面温度が220 ℃の延伸ローラに
送り、その際、引取ローラと延伸ローラとの間で400 ℃
の加熱水蒸気を吹き付け、延伸倍率5.2 倍で延伸を行
い、表面温度が160 ℃の弛緩ローラにより3%の弛緩処
理を施し、2500m/分の速度で巻き取った。 【0034】得られた糸条の総繊度、単糸繊度、引張強
度、破断伸度、曲げ剛性の値を表1に示す。 【0035】実施例1、2で得られた糸条は、いずれも
曲げ剛性が小さく、強度、伸度ともにエアバッグ用糸条
として十分な値であった。 【0036】一方、比較例1で得られた糸条は芯成分の
比率が低いため、強度が低く、比較例2で得られた糸条
は鞘成分の比率が低いため、曲げ剛性が大きかった。 【0037】比較例3で得られた糸条は鞘成分のPBT
の比率が高いため、強度が低く、比較例4で得られた糸
条は単糸繊度が小さいため、延伸時に毛羽が多発し採取
できず、比較例5で得られた糸条は単糸繊度が大きいた
め、曲げ剛性が大きかった。 比較例6 固有粘度が0.9 のPETチップを単一のエクストルーダ
ーを備えた溶融紡糸機に供給し、PETを単一成分とす
る繊維とした以外は、実施例1と同様に行った。 【0038】得られた糸条の総繊度、単糸繊度、引張強
度、破断伸度、曲げ剛性の値を表1に示す。 【0039】比較例6で得られた糸条は、PETの単一
成分からなるものであるため、曲げ剛性が大きかった。 【0040】 【表1】【0041】実施例3、比較例7 実施例1及び比較例6の糸条を用いて、経、緯密度とも
に48本/2.54cmの平組織の織物を製織し、柔軟性を測定
した。 【0042】得られた織物の柔軟性の測定値を表2に示
す。 【0043】 【表2】 【0044】実施例3で得られた織物は、柔軟性に優れ
るものであったが、比較例7で得られた織物は、曲げ剛
性が大きい糸条を用いたものであるため、柔軟性に劣
り、エアバッグ用基布としての収納性が不十分なもので
あった。 【0045】 【発明の効果】本発明のエアバッグ用糸条は、製編織す
れば、エアバッグ基布として必要な強度や伸度の機械特
性を有し、かつ柔軟性も有する布帛とすることが可能と
なる。 【0046】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D01F 8/14

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 芯成分が固有粘度が0.8 以上のポリエチ
    レンテレフタレート、鞘成分がポリエチレンテレフタレ
    ートとポリブチレンテレフタレートが85/15〜90/10の
    モル比率で共重合された共重合体より構成され、芯/鞘
    比率が重量比で50/50〜70/30の芯鞘構造の繊維からな
    る糸条であって、単糸繊度が1〜3d、総繊度が200〜5
    00d、引張強度が8〜8.8g/d破断伸度が15〜17.6
    、曲げ剛性が(1)式の範囲にあることを特徴とする
    エアバッグ用糸条。 (1) B≦ 5.5×10-6×TD B :曲げ剛性(g・cm2/糸条) TD:総繊度(d)
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