JPH08109253A - ポリエーテル類の精製方法 - Google Patents

ポリエーテル類の精製方法

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JPH08109253A
JPH08109253A JP24421994A JP24421994A JPH08109253A JP H08109253 A JPH08109253 A JP H08109253A JP 24421994 A JP24421994 A JP 24421994A JP 24421994 A JP24421994 A JP 24421994A JP H08109253 A JPH08109253 A JP H08109253A
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metal halide
polyether
high molecular
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JP24421994A
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Toru Ueno
徹 上野
Minoru Yamada
実 山田
Etsuko Sakai
悦子 酒井
Hiroshi Hatano
弘 波多野
Kazunori Chiba
和典 千葉
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ポリエーテル類からアルカリ金属ハロゲン化物
を除去する。 【構成】少量のアルカリ金属ハロゲン化物を含有するポ
リエーテル類にノニオン系界面活性剤および溶剤を添加
混合し、次いでアニオン系界面活性剤および酸を含む水
を添加した後、激しく撹拌することなくアルカリ金属ハ
ロゲン化物を水相に抽出し、さらに水相を除去すること
によりアルカリ金属ハロゲン化物を除去することを特徴
とするポリエーテル類の精製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少量のアルカリ金属ハ
ロゲン化物を含有する高分子量のポリエーテル類からア
ルカリ金属ハロゲン化物を除去する精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子量のポリエーテル類、たとえば、
ポリオキシアルキレンポリオールまたはポリオキシアル
キレンモノオール(以下、ポリオキシアルキレンポリ
(またはモノ)オールという)やその誘導体は、その分
子量が高くなるに従い粘度が高くなる。高分子量のポリ
エーテル類を精製してそれに含まれる不純物を除去する
場合、ポリエーテル類が高粘度となるほど精製処理が困
難となる。また、不純物が少量でかつそれを充分に除去
しなくてはならない場合、ポリエーテル類が高粘度であ
ることは処理をますます困難にする。
【0003】ポリオキシアルキレンポリ(またはモノ)
オールの末端水酸基を他の有機基等に変換して誘導体を
製造する場合、水酸基をアルカリ金属アルコキシドと
し、有機ハロゲン化物を反応させて誘導体を製造するこ
とがある。具体的には、たとえば、有機ハロゲン化物と
して塩化アリルを反応させて末端アリル基とした誘導体
を製造する場合、塩化メチレン等のポリハロゲン化炭化
水素と反応させてポリエーテルを多量化する場合などが
ある。
【0004】その際、アルカリ金属ハロゲン化物が副生
し、ほとんどの場合、誘導体からこの副生物を充分に除
去しなくてはならない。しかし、誘導体が高粘度である
とこの副生物の除去はきわめて困難となる。
【0005】以下、例として、末端アルケニル基を有す
るポリエーテル類の製造の場合について具体的に説明す
る。
【0006】末端アルケニル基を有するポリエーテル類
は、そのオレフィン基を利用してさらに付加反応等の化
学修飾により種々の官能基を導入できるので、官能基含
有ポリエーテル類の有用な中間体となっており、その合
成法および精製法はこれまでに検討がなされてきてい
る。末端水酸基を有するポリエーテルポリオールの水酸
基を塩化アリルや塩化メタリルのような塩化アルケニル
と塩基存在下に反応させて末端アルケニル基とする方法
は良く知られた方法である。
【0007】この方法において、反応時にたとえば塩基
としてアルカリ金属水酸化物や金属ナトリウムなどを使
用した場合、塩化ナトリウムのような無機塩が副生す
る。このような副生する無機塩および過剰の塩基を使用
した場合には残存する塩基の除去が必要となる。この除
去は、一般には、適当な吸着剤で処理し濾過する方法、
各種酸で中和した後、生成する塩を濾過する方法、およ
び抽出する方法等が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のように
高分子量のポリエーテル類では高粘度であるために濾過
が困難である。さらに、高分子量のポリエーテル類では
中和により生成する塩が微分散してしまい容易に濾過で
きない。また、撹拌を伴った抽出法にしても高分子量の
ポリエーテル類では単純な水洗方法ではポリマー層と水
層が全く分離できない状態のクリーム状の混合物になっ
たり、アルカリ金属ハロゲン化物の充分な除去ができな
い。たとえ溶剤を使用した場合でも乳化状態となり容易
に分液できない。
【0009】非水溶性の有機溶剤で希釈し、水層のpH
のコントロールと界面活性剤の併用により撹拌下で抽出
操作をする方法も提案されたが、液物性、撹拌強度等の
条件によっては乳化状態となり容易に分液できない。ま
た、実質的には親水性の高いポリエーテル類では使用し
にくいなど制約が大きい。したがって、末端アルケニル
基を有するポリエーテル類に限らず、上記のような性質
を有する高分子量のポリエーテル類の一般性の高い精製
方法の確立が望まれている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされた次の発明である。すなわち、少量の
アルカリ金属ハロゲン化物を含有する高分子量のポリエ
ーテル類にノニオン系界面活性剤および溶剤を添加混合
し、次いでアニオン系界面活性剤および酸を含む水を添
加した後、激しく撹拌することなくアルカリ金属ハロゲ
ン化物を水相に抽出し、さらに水相を除去することによ
りアルカリ金属ハロゲン化物を除去することを特徴とす
るポリエーテル類の精製方法である。
【0011】少量のアルカリ金属ハロゲン化物を含有す
る高分子量のポリエーテル類としては、水酸基を有する
高分子量ポリエーテルとハロゲン化炭化水素を、アルカ
リ金属あるいは塩基性アルカリ金属化合物の存在下に、
または高分子量ポリエーテルの末端水酸基をアルカリ金
属アルコキシド化した後に、反応させて得られる生成物
が適当である。なお、高分子量ポリエーテルの水酸基部
分のアルコキシド化は、ハロゲン化炭化水素との反応と
同時に行いうる。
【0012】水酸基を有する高分子量ポリエーテルとし
ては、ポリオキシアルキレンポリ(またはモノ)オール
という)が好ましい。その分子量は、特に限定されない
が、1000〜50000、特に3000〜5000
0、が好ましい。その水酸基数は、1以上であり、1〜
6が適当で、好ましくは2〜4である。
【0013】このポリオキシアルキレンポリ(またはモ
ノ)オールは、イニシエータに触媒存在下、モノエポキ
シド、特に炭素数3〜6のアルキレンオキシド、を反応
させて得られるものが好ましい。イニシエータは上記水
酸基数に対応する反応部位(水酸基やアミノ基の水素原
子)を有する化合物であり、たとえば、1価以上のアル
コール類やフェノール類、カルボン酸類、アミン類、チ
オール類がある。イニシエータとしては特に2〜4価の
アルコールやそのアルキレンオキシド付加物(目的物に
比較して低分子量のポリオキシアルキレンポリオール)
が好ましい。イニシエータとしての具体的な化合物に
は、次の化合物があげられる。
【0014】エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールそ
の他のポリプロピレングリコール、ブタンジオール、グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール、ビスフェノールAおよびこれらのアルキレンオキ
シド付加物。
【0015】また、末端アルケニル基を有するポリエー
テル類を製造する場合、1価のイニシエータとしてアル
ケニルアルコール(たとえば、アリルアルコール、メタ
リルアルコール)などのアルケニル基を有するイニシエ
ータも好ましい。
【0016】モノエポキシドとして好ましい炭素数3〜
6のアルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシ
ド、ブチレンオキシド、ヘキシレンオキシド、スチレン
オキシドなどがある。特に好ましくは、プロピレンオキ
シド単独、あるいはプロピレンオキシドと少量の他の炭
素数3以上のアルキレンオキシドの併用である。
【0017】ポリオキシアルキレンポリ(またはモノ)
オールの製造に使用される触媒として、アルカリ触媒は
よく知られている。アルカリ触媒は通常アルカリ金属や
その化合物からなり、事実上水酸基をアルコキシド化し
触媒作用を発揮していると考えられている。しかし、ア
ルカリ触媒を使用した場合は、副反応のため得られるポ
リオキシアルキレンポリ(またはモノ)オールの分子量
の上限は限られ、たとえばジオールの場合、たかだか4
000程度である。 より高分子量のものを製造するためには、複金属シアン
化物錯体触媒やポルフィリン金属錯体触媒などの使用が
好ましい。これら錯体触媒はアルキレンオキシド付加触
媒として公知である。
【0018】少なくとも1つの水酸基を有する高分子量
ポリエーテルの水酸基にハロゲン化炭化水素を反応させ
る方法としては、水酸基をナトリウムやカリウムなどの
アルカリ金属、NaHなどのようなアルカリ金属水素化
物、NaOR(Rはメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチルのようなアルキル基を示す)のような金
属アルコキシド、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの
ようなアルカリ金属水酸化物、と反応させ、アルコキシ
ド基とした後ハロゲン化炭化水素反応させる方法があ
る。アルカリ金属水酸化物などの塩基性アルカリ金属化
合物を使用する場合は、そのような化合物存在下にハロ
ゲン化炭化水素と反応させる方法を使用できる。以下、
これらのアルカリ金属やその化合物を単に塩基という。
【0019】この反応により、アルカリ金属ハロゲン化
物を含有する高分子量のポリエーテル類が得られる。ア
ルカリ金属ハロゲン化物の量は、通常高分子量のポリエ
ーテル類が高分子であるほど少量となる。通常その量
は、高分子量のポリエーテル類に対して5重量%以下で
あり、多くの場合、2重量%以下である。下限は精製の
必要性に応じて変わりうるが、通常の場合、0.1重量
%程度である。
【0020】本発明の方法により精製されたポリエーテ
ル類中のアルカリ金属ハロゲン化物の量は同様に目的に
応じて変わりうるが、未精製の量の1/10以下が適当
であり、特に未精製の量の1/10以下でかつ0.1重
量%未満が好ましい。
【0021】本発明におけるハロゲン化炭化水素として
は、炭素数4以下のポリハロゲン化炭化水素、あるいは
炭素数8以下のモノハロゲン化炭化水素が適当である。
【0022】ハロゲンとしては、塩素あるいは臭素が適
当である。特に、炭素数1〜2のジクロロ炭化水素、あ
るいは炭素数6以下のモノクロロ炭化水素が好ましい。
最も好ましくはアルケニルハライド、特に塩化アルケニ
ルが好ましい。アルケニルハライドとしては特に塩化ア
リルと塩化メタリルが好ましい。
【0023】アルケニルハライドの使用量は、水酸基を
有する高分子量ポリエーテルの水酸基全量のうちの何割
をアルケニル基に変換するかにより、任意に変えうる。
少なくとも1つの水酸基を有する高分子量ポリエーテル
の水酸基に対し任意の当量を使用でき、全水酸基をアル
ケニル基に変換する場合は一般には水酸基に対して過剰
倍当量使用される。その当量の上限は1.3倍当量程度
が適当である。
【0024】得られる高分子量のポリエーテル類におけ
る1分子当たりのアルケニル基の数は、1〜6、特に
1.8〜3.5が好ましい。得られる高分子量のポリエ
ーテル類はアルケニル基に変換されていない水酸基を有
していてもよい。
【0025】また、ポリオキシアルキレンモノオールの
製造において、アリルアルコール、メタリルアルコール
のようなアルケニル基を有するイニシエータを使用して
ポリオキシアルキレンモノオールを製造し、その水酸基
を上記の方法によりアルケニル化してアルケニル基の数
が1を超える高分子量のポリエーテル類を製造すること
もできる。
【0026】本発明ではアルカリ金属ハロゲン化物を含
む高分子量のポリエーテル類からアルカリ金属ハロゲン
化物(以下、塩ともいう)を除去するために、該ポリエ
ーテル類にノニオン系界面活性剤と溶剤を添加混合し、
次いでアニオン系界面活性剤および酸を含む水を添加し
た後、激しく撹拌することなく塩を水相に抽出する。さ
らに水相を除去することにより塩を容易に除去できる。
【0027】このアニオン系界面活性剤および酸を含む
水の使用は、特に抽出しようとする高分子量のポリエー
テル類中の塩基の含有量や高分子量のポリエーテル類の
極性によって、二相分離性を向上させるために特に有効
な方法である。
【0028】本発明で用いるノニオン系界面活性剤は、
特にノニオン系界面活性剤として一般に知られているも
のが好ましい。本発明では特にノニオン系界面活性剤の
うち分子中にオキシエチレン鎖を5重量%以上有する化
合物が好ましい。具体的な化合物を以下にあげるが、こ
れらに限定されない。
【0029】ポリオキシエチレン脂肪族アルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン脂肪族ア
ルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテル、ポリオキシエチレンモノ脂肪族カルボン酸エ
ステル、ソルビタンモノまたはポリ脂肪族エステル、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体、オ
キシエチレンまたはポリオキシエチレン脂肪族アミン、
脂肪酸ジアルカノールアミド、グリセロールモノ脂肪酸
エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレン
グリコール脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪
酸エステル。
【0030】使用する量は高分子量のポリエーテル類に
対し0.01〜5重量%、特には0.1〜3重量%、の
割合が好ましい。ノニオン系界面活性剤の量が0.01
重量%より少ないと、塩の抽出が不充分となり、ポリエ
ーテル類中に塩が残ることがあったり、また、塩が微分
散したままの状態となり、ポリエーテル類からの塩の除
去非常に困難となる。また、界面活性剤の量を5重量%
より多くした場合、精製後のポリエーテル類に多量の界
面活性剤が残ることとなり好ましくない。
【0031】本発明では、ノニオン系界面活性剤ととも
に溶剤を使用する。このような方法は、高分子量のポリ
エーテル類化合物の分子量が大きく、したがって粘度の
大きな場合に有効である。その場合、使用できる溶剤と
しては、水と相溶しないことが必須であるが、そのほか
には特に制限はない。
【0032】本発明で使用できる溶剤としては、具体的
にはヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素
系溶剤、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂
環族炭化水素系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素系溶剤、ジクロロメタン、トリクロロ
エチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水
素系溶剤、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロ
ゲン化芳香族炭化水素系溶剤があげられるが、これらに
限定されない。
【0033】本発明で使用するアニオン系界面活性剤
は、特にアニオン系界面活性剤として一般に知られてい
るものが好ましい。具体的な化合物としては、安価な点
からドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシル
ベンゼンスルホン酸カルシウム等があげられるが、これ
らに限定されない。
【0034】使用する量は高分子量ポリエーテル類に対
し0.01〜5重量%、特には0.1〜2重量%、の割
合が好ましい。アニオン系界面活性剤の量が0.01重
量%より少ないと、塩の抽出が不充分となり、ポリエー
テル類中に塩が残ることがあったり、また、塩が微分散
したままの状態となり、ポリエーテル類からの塩の除去
が非常に困難となる。また、界面活性剤の量を5重量%
より多くした場合、精製後のポリエーテル類に多量の界
面活性剤が残ることとなり好ましくない。
【0035】本発明で使用する水の量は、高分子量のポ
リエーテル類に対し50〜300重量%でよく、好まし
くは80〜200重量%である。水の量が50重量%よ
り少ない場合、水相の塩濃度が高くなってしまい、二相
分離がしにくく、300重量%より多い場合は、排水が
多く経済的ではない。
【0036】本発明で使用する酸としては、有機酸、無
機酸のいずれも使用でき、有機酸の場合は中和して生成
する有機酸塩が高分子量のポリエーテル類に溶解する場
合があるため、無機酸が好ましい。無機酸としては、塩
酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、過塩素酸等があげら
れるが、これらに限定されない。
【0037】アルカリ金属ハロゲン化物を水相に抽出す
る方法としては、一般的には撹拌法が知られているが、
撹拌法では撹拌強度が高すぎると全体が乳化状態となり
分液が困難になり、撹拌強度が低い場合には有機相と水
相の混合が不良となり抽出が不充分となるため好ましく
ない。
【0038】よって、本発明においては激しく撹拌する
ことなくアルカリ金属ハロゲン化物を水相に抽出するこ
とを必須とする。たとえば、液全体が乳化しない程度に
撹拌することによりアルカリ金属ハロゲン化物を水相に
抽出することが好ましい。
【0039】液全体が乳化しない程度に撹拌する方法と
して具体的には、ガスバブリング法、充填層法、静的混
合法が好ましく、ガスバブリング法または充填層法が特
に好ましい。操作が簡易であり装置のメンテナンスの点
で特にガスバブリング法が最も好ましい。ガスバブリン
グ法は精製しようとする高分子量のポリエーテル類を必
要に応じて溶剤で希釈し、抽出を行う装置の下部よりガ
スを導入し液全体が乳化しない程度に撹拌することによ
り抽出する。導入するガスは一般的に知られている窒
素、空気等が採用でき、安全性、価格の点から窒素が好
ましいが、これに限定されない。
【0040】本発明では上記の操作により有機相中のア
ルカリ金属ハロゲン化物を水相中に抽出し、その後、水
相を除去することによりアルカリ金属ハロゲン化物を除
去する。その場合静置二層分離などの方法を採用でき
る。水相を除去した後、有機相より溶剤を留去できる。
【0041】
【実施例】
[未精製ポリエーテルAの製造]グリセリンをイニシエ
ータとして触媒存在下プロピレンオキシドを重合して分
子量30000のポリオキシプロピレントリオールを得
た後、その水酸基に対して1倍当量のNaHと窒素雰囲
気下60℃で反応させてナトリウムアルコキシドとし
た。次いで、塩化アリルを1.05倍当量加え、60℃
で反応させた後、未反応の塩化アリルを減圧下で留去し
て、塩化ナトリウムを含む末端アリル化ポリエーテル化
合物(以下、未精製ポリエーテルAという)を製造し
た。
【0042】[未精製ポリエーテルBの製造]エチレン
グリコールをイニシエータとして触媒存在下プロピレン
オキシドを重合して分子量15000とした後、さらに
エチレンオキシドを重合して分子量18000としたポ
リオキシアルキレンジオールを得た。次に窒素雰囲気
下、粉末水酸化ナトリウムをそのポリオキシアルキレン
ジオールの水酸基に対して1.5倍当量を加え、さらに
塩化メタリル1.05倍当量を加え、60℃で反応させ
た後、未反応の塩化メタリルを減圧下で留去して、塩化
ナトリウムと水酸化ナトリウムを含む末端アルケニル化
ポリエーテル化合物(以下、未精製ポリエーテルBとい
う)を製造した。
【0043】[未精製ポリエーテルCの製造]ブタノー
ルをイニシエータとして触媒存在下プロピレンオキシド
を重合して分子量4000のポリオキシプロピレンモノ
オールを得た後、窒素雰囲気下、水酸基に対して、金属
ナトリウム1. 0倍当量を加え、120℃で3時間反応
させた。さらに塩化アリルを1. 1倍当量加え、60℃
で反応させた後、未反応の塩化アリルを減圧下で留去し
て、塩化ナトリウムを含む末端アルケニル化ポリエーテ
ル化合物(以下、未精製ポリエーテルCという)を製造
した。
【0044】[例1〜3]未精製ポリエーテルA〜Cを
100gガラス製反応器に入れ、ポリオキシエチレンプ
ロピレンブロック共重合体(分子量4000、オキシエ
チレン鎖24重量%含有)2. 9gとヘキサン87gを
添加、撹拌し均一とした。1. 05倍当量の塩化水素お
よびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0. 84g
を含む塩酸水溶液35gを加え反応器内を60℃に昇温
し、窒素ガスを通してバブリングを5時間実施し、塩を
水相に抽出した。次いで静置二層分離を60℃で6時間
行った。液が乳化していないので、二層分離が容易であ
った。次いで水相を抜き出し有機相から減圧下で溶媒を
留去し、淡黄色透明の油状物(ポリエーテルA〜C)を
得た。
【0045】[例4(比較例)]未精製ポリエーテルC
を100g撹拌機付きガラス製反応器に入れ、ポリオキ
シエチレンプロピレンブロック共重合体(分子量400
0、オキシエチレン鎖24重量%含有)2. 9gとヘキ
サン87gを添加、撹拌し均一とした。1. 05倍当量
の塩化水素およびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム0. 84gを含む塩酸水溶液35gを加え、反応器内
を60℃に昇温し、激しい撹拌を2時間実施したとこ
ろ、乳化状態となった。静置二層分離を60℃で6時間
行ったが、分液が不能となり白濁油状物を得た。
【0046】例1〜4について、得られた精製物を分析
した結果を表1にまとめた。表1における(1)pH
値、(2)Cl- イオン、(3)Cl- 除去率とはそれ
ぞれ次のとおりである。
【0047】(1)ポリエーテル10gをpH=7に調
整したイソプロパノール−イオン交換水(容積比60/
40の混合溶媒)60cm3 に溶解したときのpH値、
(2)クロム酸カリウムを指示薬として硝酸銀水溶液で
滴定して求めた塩素イオン量(mmol/gポリエーテ
ル)、(3)初期混合物に含まれる塩素イオンが精製後
何%除去できたかを示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【発明の効果】実施例で示すように、本発明によって塩
素イオンの少ない(すなわちアルカリ金属ハロゲン化物
が少ない)ポリエーテル類が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 波多野 弘 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内 (72)発明者 千葉 和典 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社中央研究所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少量のアルカリ金属ハロゲン化物を含有す
    る高分子量のポリエーテル類にノニオン系界面活性剤お
    よび溶剤を添加混合し、次いでアニオン系界面活性剤お
    よび酸を含む水を添加した後、激しく撹拌することなく
    アルカリ金属ハロゲン化物を水相に抽出し、さらに水相
    を除去することによりアルカリ金属ハロゲン化物を除去
    することを特徴とするポリエーテル類の精製方法。
  2. 【請求項2】少量のアルカリ金属ハロゲン化物を含有す
    る高分子量のポリエーテル類にノニオン系界面活性剤お
    よび溶剤を添加混合し、次いでアニオン系界面活性剤お
    よび酸を含む水を添加した後、液全体が乳化しない程度
    に撹拌することによりアルカリ金属ハロゲン化物を水相
    に抽出し、さらに水相を除去することによりアルカリ金
    属ハロゲン化物を除去することを特徴とする、請求項1
    の精製方法。
  3. 【請求項3】液全体が乳化しない程度に撹拌する方法
    が、ガスバブリング法である、請求項2の精製方法。
  4. 【請求項4】少量のアルカリ金属ハロゲン化物を含有す
    る高分子量のポリエーテル類が、水酸基を有する高分子
    量ポリエーテルとハロゲン化炭化水素を、アルカリ金属
    あるいは塩基性アルカリ金属化合物の存在下に、または
    高分子量ポリエーテルの末端水酸基をアルカリ金属アル
    コキシド化した後に、反応させて得られる生成物であ
    る、請求項1〜3のいずれかの精製方法。
  5. 【請求項5】ハロゲン化炭化水素がアルケニルハライド
    である、請求項4の精製方法。
  6. 【請求項6】アルケニルハライドが、塩化アリルあるい
    は塩化メタリルである、請求項5の精製方法。
  7. 【請求項7】水酸基を有する高分子量ポリエーテルが、
    水酸基数1〜6、分子量1000〜50000のポリエ
    ーテルである請求項4〜6のいずれかの精製方法。
  8. 【請求項8】水酸基を有する高分子量ポリエーテルが、
    1〜4価のイニシエータに触媒存在下炭素数3〜6のア
    ルキレンオキシドを反応させて得られるポリオキシアル
    キレンポリオールである、請求項4〜7のいずれかの精
    製方法。
  9. 【請求項9】ノニオン系界面活性剤が、分子中にオキシ
    エチレン鎖を5重量%以上有する化合物である、請求項
    1〜8のいずれかの精製方法。
  10. 【請求項10】アニオン系界面活性剤が、ドデシルベン
    ゼンスルホン酸ナトリウムである、請求項1〜9のいず
    れかの精製方法。
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