JPH04314728A - ポリエーテル類の製造方法 - Google Patents

ポリエーテル類の製造方法

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JPH04314728A
JPH04314728A JP10892791A JP10892791A JPH04314728A JP H04314728 A JPH04314728 A JP H04314728A JP 10892791 A JP10892791 A JP 10892791A JP 10892791 A JP10892791 A JP 10892791A JP H04314728 A JPH04314728 A JP H04314728A
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JP
Japan
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catalyst
polyethers
polyether
alkali metal
monoepoxide
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JP10892791A
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Takeshi Morimoto
剛 森本
Naoki Yoshida
直樹 吉田
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AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はポリエーテル類の製造方
法に関するものであり、特にポリエーテルポリオールの
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】イニシエータにアルキレンオキシドなど
のモノエポキシドを開環反応させて得られるポリオキシ
アルキレンポリオールなどのポリエーテル類は、ポリウ
レタンなどの合成樹脂の原料、界面活性剤、潤滑剤、そ
の他の用途に広く用いられている。イニシエータはA−
(H)n(A:水酸基含有化合物の水酸基の水素原子を
除いた残基、n:1以上の整数)で表わされる水酸基含
有化合物である。
【0003】イニシエータとしては、例えば1価アルコ
ール、多価アルコール、1価フェノール、多価フェノー
ルなどがある。また、ヒドロキシアルキルアミノ基を有
する化合物(アルカノールアミン類やアミン類−アルキ
レンオキシド付加物など)もイニシエータとして用いら
れる。さらに上記イニシエータにモノエポキシドを反応
させて得られるポリエーテル類もまたイニシエータとし
て用いられる。
【0004】ポリエーテル類は上記イニシエータにモノ
エポキシドを開環付加反応させて得られる下記のような
化合物である。 A [−(R−O)m− H]n (R−O):モノエポキシドの開環した単位n,m:1
以上の整数
【0005】従来、ポリエーテル類を製造する方法とし
て、アルカリ触媒存在下にモノエポキシドを反応させる
方法が広く用いられている。アルカリ触媒としては水酸
化カリウムや水酸化ナトリウムなどのアルカリ金属化合
物が使用されていた。また、それらを触媒に用いたポリ
エーテル類の精製は、リン酸、炭酸ガスなどの中和剤に
よる中和や、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウム
などの吸着剤による吸着処理が行なわれていた。
【0006】しかし、アルカリ触媒を使用して得られる
ポリエーテル類は、次のような問題点があった。即ち、
モノエポキシド、特にプロピレンオキシドの異性化によ
り生成した不飽和モノオールがイニシエータとなり、こ
れにモノエポキシドが付加した不飽和ポリエーテルモノ
オール(以下、これを不飽和モノオールという)が生成
する。ポリエーテル類の分子量が高くなるにつれて異性
化の割合は増え、この傾向は、分子量6500以上(3
官能の場合)で顕著になるため、モノエポキシドとして
プロピレンオキシドを用いた場合、分子量6500以上
のポリエーテル類の合成は事実上不可能であった。
【0007】不飽和モノオールの生成が少ない、もしく
は無いポリエーテル類の生成方法としては、金属ポルフ
ィリンを用いる方法(特開昭61−197631)が知
られているが、製品ポリオールが着色するなどの問題点
があり、現実的ではない。
【0008】一方、触媒として複合金属シアン化物錯体
を用いてポリエーテル類を製造することは知られている
(US 3278457,US 3278458,US
 3278459)。この触媒は上記不飽和モノオール
の生成が少なく、また極めて高分子量のポリエーテル類
を製造することも可能である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記複合金属
シアン化物錯体触媒は以下のような2つの問題点を有し
ている。 第1に、複合金属シアン化物錯体を触媒に用いてイニシ
エータに炭素数3以上のモノエポキシドを開環付加反応
して得られるポリエーテル類は、触媒の除去が困難であ
った。
【0010】ポリウレタンの原料として使用されるポリ
オキシアルキレンポリオールでは、その残留触媒がポリ
ウレタン製造の際の反応または生成するポリウレタンの
物性に悪影響を与えることが知られている。したがって
、ポリオキシアルキレンポリオールの製造においては、
その後半で充分精製を行う必要がある。
【0011】複合金属シアン化物錯体を用いて得られた
ポリエーテル類から、この触媒を除去するためには、単
に濾過や、吸着剤などで処理するだけでなく、触媒をア
ルカリまたは酸で分解してイオン化し、その後これら分
解物や残留アルカリ、残留酸を吸着、濾過によって除去
することが必要である。
【0012】第2に、複合金属シアン化物錯体を触媒に
用いて、水酸基にエチレンオキシドを付加反応させるこ
とは、困難であった。複合金属シアン化物錯体を触媒に
用い、イニシエータに炭素数3以上のモノエポキシドを
開環反応して得られるポリエーテル類に引き続きエチレ
ンオキシドを供給すると、エチレンオキシドの単独重合
体であるポリエチレングリコールが生成し、ポリエーテ
ル類末端水酸基へのエチレンオキシドの均一な付加はお
きない。
【0013】複合金属シアン化物錯体触媒をアルカリで
処理して触媒を失活させ触媒残渣を除去する方法や、ア
ルカリ処理後エチレンオキシドを付加させ、その後触媒
残渣を除去する方法が知られている。アルカリで処理す
る方法としては、アルカリ金属やアルカリ金属水酸化物
(US 4355188)、アルカリ金属水素化物(U
S 4721818)を使用する方法が知られている。 しかし、アルカリ金属単体やアルカリ金属水素化物では
、取扱上危険が伴い、また、アルカリ金属水酸化物では
、特にポリエーテル類が高分子量になった場合、脱水処
理に時間がかかるなどの問題点があり、現実的でない。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべくなされた下記の発明を提供するものである
。即ち、複合金属シアン化物錯体触媒の存在下少なくと
も1個の水酸基を有するイニシエータに炭素数3以上の
モノエポキシドを開環付加反応させて得られた上記触媒
を含むポリエーテル類を、固体塩基触媒で処理して上記
触媒を失活させ、次に触媒成分をポリエーテル類から除
去することを特徴とするポリエーテル類の製造方法、

0015】および、複合金属シアン化物錯体触媒の存在
下少なくとも1個の水酸基を有するイニシエータに炭素
数3以上のモノエポキシドを開環付加反応させて得られ
た上記触媒を含むポリエーテル類に、固体塩基触媒存在
下エチレンオキシドを開環付加反応させ、その後得られ
たポリエーテル類から上記触媒成分を除去することを特
徴とするポリエーテル類の製造方法、である。
【0016】本発明における複合金属シアン化物錯体は
、前記公知例に示されているように下記一般式(1) 
の構造を有すると考えられる。 M1a[ M2x (CN)y]b (H2 O)cR
d   …(1)ただし、M1 はZn(II)、Fe
(II)、Fe(III) 、Co(II)、Ni(I
I)、Al(III) 、Sr(II)、Mn(II)
、Cr(III) 、Cu(II)、Sn(II)、P
b(II)、Mo(IV)、Mo(VI)、W(IV)
、W(VI)などであり、M2 はFe(II)、Fe
(III) 、Co(II)、Co(III) 、Cr
(II)、Cr(III) 、Mn(II)、Mn(I
II)、Ni(II)、V(IV)、V(V) などで
あり、Rは有機配位子であり、a、b、xおよびyは金
属の原子価と配位数により変わる正の整数であり、cお
よびdは金属の配位数により変わる正の数である。
【0017】一般式(1) におけるM1 はZn(I
I)が好ましく、M2 はFe(II)、Fe(III
)、Co(II),Co(III) などが好ましい。 有機配位子としては、例えばケトン、エーテル、アルデ
ヒド、エステル、アルコール、アミド、ニトリル、スル
フィドなどがある。
【0018】複合金属シアン化物錯体として特に好まし
いものは、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛錯体である。ま
た、ヘキサシアノコバルト酸亜鉛錯体と他の複合金属シ
アン化物錯体とを組み合わせた触媒も使用できる。組み
合わせは、金属成分の組み合わせであっても、2種以上
の触媒の混合物であってもよい。
【0019】一般式(1) で表わされる複合金属シア
ン化物錯体は、金属塩M1 Xa ( M1、aは上述
と同様、XはM1 と塩を形成するアニオン) とポリ
シアノメタレート(塩)Ze[M2x (CN)y]f
(M2 、x、yは上述と同様。Zは水素、アルカリ金
属、アルカリ土類金属など。 e、fはZ、M2 の原子価と配位数により決まる正の
整数)のそれぞれの水溶液または水と有機溶剤の混合溶
媒の溶液を混合し、得られた複合金属シアン化物に有機
配位子Rを接触させた後、余分な溶媒および有機配位子
Rを除去することにより製造される。
【0020】ポリシアノメタレート(塩)Ze[M2x
 (CN)y]fは、Zには水素やアルカリ金属をはじ
めとする種々の金属を使用しうるが、リチウム塩、ナト
リウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩
が好ましい。特に好ましくは通常のアルカリ金属塩、す
なわちナトリウム塩とカリウム塩である。金属塩として
は金属ハロゲン化物が好ましく、例えば塩化亜鉛等が適
当である。
【0021】ポリエーテル類は、通常、モノエポキシド
とイニシエータとの混合物に触媒を存在させて反応させ
ることにより製造される。また、反応系にモノエポキシ
ドを徐々に加えながら反応を行うこともできる。反応は
常温下でも起きるが、必要により、反応系を加熱あるい
は冷却することもできる。触媒の使用量は特に限定され
るものではないが、使用するイニシエータに対して1〜
5000ppm 程度が適当であり、30〜1000p
pm がより好ましい。触媒の反応系への導入は、初め
に一括して導入してもよいし、順次分割して導入しても
よい。
【0022】この複合金属シアン化物触媒を用いると、
不飽和モノオールの含有量の少ない、または不飽和モノ
オールの含有量が少なくかつ極めて高分子量の、ポリエ
ーテル類を合成することが可能である。
【0023】固体塩基触媒はオレフィンの異性化、水素
添加、脱水素等の反応に用いられている。この固体塩基
触媒は多孔質の担体にアルカリ金属を担持したものであ
る。また、アルカリ金属とともにアルカリ金属水酸化物
を担持したものも知られている(特公昭50−3274
 公報、特開昭62−42740公報)。本発明におい
て使用する固体塩基触媒としては、このような公知のも
のを使用できる。 特に、多孔質酸化物担体にアルカリ金属とアルカリ金属
水酸化物を担持したものが好ましい。
【0024】多孔質酸化物担体としては、アルミナ、ゼ
オライト、シリカ、チタニア、ジルコニア、活性炭、ケ
イソウ土等を使用でき、特にアルミナが好ましい。また
、担体は粉末状のものが好ましい。アルカリ金属として
はナトリウムとカリウムが、アルカリ金属水酸化物とし
てはそれらの水酸化物が好ましい。
【0025】特に好ましい固体塩基触媒は、アルミナ、
アルカリ金属、およびアルカリ金属水酸化物を不活性雰
囲気中で加熱処理して得られる固体塩基触媒である。こ
の場合、アルカリ金属やアルカリ金属水酸化物はアルミ
ナと反応しているとも考えられる。アルミナとしては種
々のものを使用しうるが、γ−アルミナが好ましく、特
に比表面積が50m2/g以上のγ−アルミナが好まし
い。
【0026】アルカリ金属とアルカリ金属水酸化物は上
記のようにナトリウムとカリウム、およびそれらの水酸
化物が好ましい。また、アルカリ金属とアルカリ金属水
酸化物のアルカリ金属種との組み合わせは、同一であっ
ても異なっていてもよい。アルミナに対するアルカリ金
属水酸化物の割合は2〜40重量%が好ましい。アルカ
リ金属は、使用したアルカリ金属水酸化物に対して等モ
ル以下が好ましい。特に、20〜95モル%が適当であ
る。
【0027】上記特に好ましい固体塩基触媒を製造する
場合、不活性雰囲気は窒素、アルゴン、ヘリウム等の不
活性ガス雰囲気が適当である。加熱温度は200 〜5
00 ℃、加熱時間は1〜10時間が適当で、通常撹拌
しながら混合する。この場合上記のようにアルミナとア
ルカリ金属やアルカリ金属水酸化物が反応すると考えら
れる。
【0028】反応の順は特に限定されるものではないが
、まずアルミナとアルカリ金属水酸化物とを反応させ、
次いで生成物にアルカリ金属を反応させることが触媒活
性の面から好ましい。また、両者を同時にアルミナと反
応させることも出来る。アルミナとアルカリ金属水酸化
物の反応温度は250 〜450 ℃が適当で、次いで
アルカリ金属を反応させる温度は200 〜400℃が
適当である。
【0029】複合金属シアン化物錯体を含むポリエーテ
ル類の処理方法としては、固体塩基触媒を加え、好まし
くは常温〜150 ℃、特に50〜110 ℃に加熱処
理した後精製を行う方法が好ましい。エチレンオキシド
を反応させる場合は、固体塩基触媒を加え同様に加熱し
、その後エチレンオキシドを所定量反応させ、次いで濾
過等で精製を行う方法が好ましい。
【0030】固体塩基触媒の使用量は、固体塩基触媒中
のアルカリ金属成分の量、ポリエーテル類中の複合金属
シアン化物錯体の量、ポリエーテル類の水酸基濃度等種
々の条件により変わりうるものである。しかし、通常の
条件下ではポリエーテル類の量に比較して複合金属シア
ン化物錯体の量はきわめて少量であるので、ポリエーテ
ル類の量に対して0.001 〜5重量%、特に0.0
1〜2重量%の固体塩基触媒の使用が好ましい。
【0031】本発明における固体塩基触媒は、不均一系
触媒であるので反応終了後濾過等でポリエーテル類から
分離することができる。この分離方法は容易に行なうこ
とができるので、本発明において好ましく採用される方
法である。しかしこれに限られることはなく、必要に応
じて中和剤、吸着剤、イオン交換剤などで処理の後、濾
過などで不要物をポリエーテル類から分離する精製工程
を採用することもできる。これによって、複合金属シア
ン化物錯体触媒の残留物やアルカリ残留物をすべてポリ
エーテル類から除去することができる。
【0032】中和剤としては酸や塩基、吸着剤としては
例えば合成ケイ酸マグネシウム、アルミノシリケート、
シリカ、ゼオライトなどの金属酸化物が好ましく、イオ
ン交換剤としては例えば陰イオン交換樹脂や陽イオン交
換樹脂などのイオン交換樹脂がある。
【0033】本発明の方法によって得られるポリエーテ
ル類としてはポリオキシアルキレンポリオールが好まし
い。ポリオキシアルキレンポリオールは少くとも2個の
水酸基を有するイニシエータにアルキレンオキシドなど
のモノエポキシドを順次開環付加反応させたものである
【0034】イニシエータとしては特に2〜8個の水酸
基を有するポリヒドロキシ化合物が好ましい。ポリヒド
ロキシ化合物としては、例えばエチレングリコール、プ
ロピレングリコールなどの2価アルコール、グリセリン
、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオールなどの
3価アルコール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン
、デキストロース、ソルビトール、シュークロースなど
の4価以上のアルコール、およびこれらのアルコールに
アルキレンオキシドなどのモノエポキシドを反応させて
得られる目的物よりも低分子量のポリエーテル類がある
【0035】また、ビスフェノールA、レゾール、ノボ
ラックなどのフェノール性水酸基やメチロール基を有す
る化合物、エタノールアミン、ジエタノールアミンなど
の水酸基と他の活性水素を有する化合物、およびこれら
にアルキレンオキシドなどのモノエポキシドを反応させ
て得られる目的物よりも低分子量のポリエーテル類があ
る。
【0036】さらに、窒素原子に結合した水素原子を少
なくとも2個有するモノアミンやポリアミンにアルキレ
ンオキシドなどのモノエポキシドを反応させて得られる
目的物よりも低分子量のポリエーテル類がある。その他
、リン酸やその誘導体、その他のポリヒドロキシ化合物
も使用できる。これらのポリヒドロキシ化合物は2種以
上を併用することもできる。
【0037】本発明は、また、1価のイニシエータにモ
ノエポキシドを開環反応せしめてポリエーテルモノオー
ルを製造する方法にも適用できる。1価のイニシエータ
としては、例えばメタノール、エタノール、ブタノール
、ヘキサノールなどのモノオール、フェノール、アルキ
ル置換フェノールなどのフェノール誘導体、およびこれ
らにアルキレンオキシドなどのモノエポキシドを反応さ
せて得られる目的物よりも低分子量のポリエーテル類が
ある。さらに、窒素原子に結合した水素原子を1個有す
るモノアミンやポリアミンにアルキレンオキシドなどの
モノエポキシドを反応させて得られる目的物よりも低分
子量のポリエーテル類がある。
【0038】本発明におけるモノエポキシドは、炭素数
3以上のモノエポキシドであり、特に炭素数3以上のア
ルキレンオキシドが好ましい。さらに好ましくは、プロ
ピレンオキシド、1,2 −ブチレンオキシド、2,3
 −ブチレンオキシド、エピクロルヒドリンなどの炭素
数3〜4のアルキレンオキシドが好ましく、最も好まし
くはプロピレンオキシドである。
【0039】それら単独あるいはそれらの2種以上また
はそれらとスチレンオキシド、グリシジルエーテル、グ
リシジルエステルなどの他のモノエポキシドを併用して
使用することができる。2種以上のアルキレンオキシド
の使用あるいはアルキレンオキシドと他のモノエポキシ
ドの使用の場合は、それらを混合して付加しまたは順次
付加し、ランダム重合鎖やブロック重合鎖を形成するこ
とができる。
【0040】しかし、複合金属シアン化物触媒を用いて
イニシエータやポリエーテル類に直接エチレンオキシド
を反応させようとしても、エチレンオキシドの単独重合
体であるポリエチレングリコールが生成する。このため
、例えばこの触媒を用いてエチレンオキシドと他のモノ
エポキシドを共重合させることや、複合金属シアン化物
を触媒に用いて得られたポリエーテル類に引き続きエチ
レンオキシドを反応させて1級水酸基の割合の高いポリ
エーテル類を得ることは困難である。ただし、イニシエ
ータとしてオキシエチレン基を有するヒドロキシ化合物
、例えばオキシエチレン基を有するポリオキシアルキレ
ンポリオールを用いることはできる。
【0041】本発明方法により、エチレンオキシドを反
応させて分子末端にオキシエチレン基を導入し、さらに
触媒成分を分離して1級水酸基の割合の高いポリエーテ
ル類を得ることが可能となる。この場合、ポリエーテル
類の水酸基に対してエチレンオキシドを1分子以上、特
に数分子以上反応させることが好ましい。
【0042】得られるポリエーテル類の分子量は特に限
定されるものではない。しかし、常温で液状である製品
がその用途の面から好ましい。イニシエータ1モルに対
するモノエポキシドの反応量は少なくとも約10モルが
好ましく、少なくとも約50モルがより好ましい。さら
に好ましくは、イニシエータの水酸基当たり平均少なく
とも約10分子、特に少なくとも約30分子反応させて
得られるポリエーテル類が好ましい。
【0043】また水酸基価で表わせば、200 以下、
特に100 以下が適当である。例えば、ポリウレタン
の原料としては、水酸基価で表して約5〜200 、特
に5〜60の液状ポリエーテルポリオールが好ましい。 他の用途、 例えば作動油等の油の原料なども上記範囲
のポリエーテルポリ(あるいはモノ)オールが好ましい
【0044】本発明により得られるポリエーテルポリオ
ールは、それ単独でまたは他のポリオール類と併用して
用いられるポリウレタン原料用のポリオールとして最も
有用である。また、本発明により得られるポリエーテル
ポリ(あるいはモノ)オールは、ポリウレタン以外の合
成樹脂の原料や添加剤の用途にも用いられる。さらに、
潤滑油、絶縁油、作動油、その他の油として、あるいは
その原料として用いることができる。さらに、本発明に
より得られたポリエーテル類はアルキルエーテル化物や
アシル化物などの他の化合物に変換して種々の用途に使
用しうる。
【0045】
【実施例】以下に本発明を実施例および比較例により具
体的に説明するが、本発明は、これら実施例にのみ限定
されるものではない。
【0046】[参考例]固体塩基触媒の製造比表面積1
30m2/g のγ−アルミナ6.4gを500 ℃で
予備焼成した後反応容器に入れ、窒素雰囲気下で水酸化
カリウム0.6gを投入し、撹拌しながら昇温し350
 ℃で3時間保持した。その後同じく窒素雰囲気下で金
属カリウム0.3gを加え、350 ℃で3時間撹拌を
続けた。金属カリウム添加直後は、反応物の粉体は濃青
色を呈したが、時間とともに色は薄くなり、最終的には
白色の粉末を得た。同様にして他の固体塩基触媒を製造
した。その結果を後記表1に示す。
【0047】[実施例1〜5]ステンレス製の耐圧オー
トクレーブ中に、グリセリンにプロピレンオキシド(以
下POという)を付加して得られた分子量1000のポ
リエーテルトリオール700gとヘキサシアノコバルト
酸亜鉛−グライム錯体触媒0.25g を窒素雰囲気下
に投入した。これを120℃に昇温し、この温度に維持
しながらPOを連続的に導入し、5時間かけて2.5k
g のPOを導入した。 POの導入終了後、未反応のPOを除去し、次いで参考
例で製造した固体塩基触媒12.5g を加えて撹拌し
つつ120 ℃に昇温し、その温度下でさらにエチレン
オキシド(以下EOという)450gを1時間かけて導
入した。
【0048】反応終了後未反応のEOを減圧下で留去し
、濾過乾燥して精製されたポリエーテルトリオールを得
た。このポリエーテルトリオールは透明で、中性を示し
た。またその平均分子量は約5200であり、末端水酸
基の1級化率は75%であった。
【0049】固体塩基性触媒の種類を変えた以外は上記
と同様にしてポリエーテルトリオールを製造した。何れ
のポリエーテルトリオールも透明でありかつ中性であっ
た。固体塩基触媒の種類(原料や製造条件で示す)と得
られたポリエーテルトリオールの末端水酸基の1級化率
を表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】[実施例6]実施例2において濾過により
ポリエーテルトリオールから分離された固体塩基触媒を
、再度実施例1〜5に示したEO付加反応触媒として使
用した。さらに同様にして、濾過による固体塩基触媒の
回収とそれをEO付加反応触媒使用する工程とを繰り返
した。この各工程において得られたポリエーテルトリオ
ールの末端水酸基の1級化率は、2回目85%、3回目
83%、4回目85%であった。
【0052】[比較例1]実施例1〜5の方法において
固体塩基性触媒を添加することなくそのままヘキサシア
ノコバルト酸亜鉛−グライム触媒存在下にEOの付加反
応を行なった。得られたポリエーテルトリオールの分子
量は約5000であり、末端水酸基の1級化率は15%
であった。また得られたトリオールは白濁しており、E
Oを均一に付加することができなかったことを示してい
た。
【0053】[比較例2]実施例1〜5の方法において
固体塩基性触媒の代わりに30wt%水酸化カリウム水
溶液32g を加え、加熱しながら減圧にて脱水処理し
た後、EOを投入する以外は同様にしてEOの付加反応
を行なった。反応後のポリエーテルトリオールは茶褐色
に濁り、アルカリ性を示していた。このトリオールに吸
着剤を添加して撹拌し、触媒を吸着させ、濾過乾燥して
精製されたポリエーテルトリオールを得た。このトリオ
ールの末端水酸基の1級化率は75%であった。
【0054】
【発明の効果】本発明における固体塩基触媒は不均一系
触媒であり、ポリエーテル類に溶解しないため吸着剤を
使用することなくポリエーテル類との分離が可能である
。従って、EO付加後の触媒や処理剤成分の分離が容易
であるという効果を有する。さらに、EO付加後ポリエ
ーテル類から分離して得られた固体塩基触媒は、再使用
が可能であり、これにより触媒あたりのEO反応量を著
しく向上させることができるという効果も有する。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複合金属シアン化物錯体触媒の存在下少な
    くとも1個の水酸基を有するイニシエータに炭素数3以
    上のモノエポキシドを開環付加反応させて得られた上記
    触媒を含むポリエーテル類を、固体塩基触媒で処理して
    上記触媒を失活させ、次に触媒成分をポリエーテル類か
    ら除去することを特徴とするポリエーテル類の製造方法
  2. 【請求項2】複合金属シアン化物錯体触媒の存在下少な
    くとも1個の水酸基を有するイニシエータに炭素数3以
    上のモノエポキシドを開環付加反応させて得られた上記
    触媒を含むポリエーテル類に、固体塩基触媒存在下エチ
    レンオキシドを開環付加反応させ、その後得られたポリ
    エーテル類から上記触媒成分を除去することを特徴とす
    るポリエーテル類の製造方法。
  3. 【請求項3】固体塩基触媒が、担体、アルカリ金属、お
    よびアルカリ金属水酸化物を加熱処理して得られる固体
    塩基触媒である、請求項1あるいは2の製造方法。
  4. 【請求項4】担体がアルミナである、請求項3の製造方
    法。
  5. 【請求項5】炭素数3以上のモノエポキシドが、炭素数
    3または4のアルキレンオキシドである、請求項1ある
    いは2の製造方法。
  6. 【請求項6】アルキレンオキシドがプロピレンオキシド
    である、請求項5の製造方法。
  7. 【請求項7】ポリエーテル類が、イニシエータ1モルに
    対し少なくとも50モルの炭素数3以上のモノエポキシ
    ドを反応させて得られるポリエーテル類である、請求項
    1あるいは2の製造方法。
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