JP3140109B2 - ポリエーテル類の精製方法 - Google Patents

ポリエーテル類の精製方法

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JP3140109B2
JP3140109B2 JP03289309A JP28930991A JP3140109B2 JP 3140109 B2 JP3140109 B2 JP 3140109B2 JP 03289309 A JP03289309 A JP 03289309A JP 28930991 A JP28930991 A JP 28930991A JP 3140109 B2 JP3140109 B2 JP 3140109B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少量のアルカリ金属ハ
ロゲン化物を含有する高分子量のポリエーテル類からア
ルカリ金属ハロゲン化物を除去する精製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子量のポリエーテル類(例えば、ポ
リオキシアルキレンポリ(あるいはモノ)オールやその
誘導体)は、その分子量が高くなるに従い粘度が高くな
る。高分子量のポリエーテル類を精製してそれに含まれ
る不純物を除去する場合、ポリエーテル類が高粘度とな
るほど精製処理が困難となる。また、不純物が少量でか
つそれを十分に除去しなくてはならない場合、ポリエー
テル類が高粘度であることは処理をますます困難にす
る。
【0003】ポリオキシアルキレンポリ(あるいはモ
ノ)オールの末端水酸基を他の有機基等に変換して誘導
体を製造する場合、水酸基をアルカリ金属アルコキシド
し、有機ハロゲン化物を反応させて誘導体を製造する
ことがある。具体的には、例えば、有機ハロゲン化物と
してアリルクロライドを反応させて末端アリル基とした
誘導体を製造する場合、塩化メチレン等の多ハロゲン化
炭化水素と反応させてポリエーテルを多量化する場合な
どがある。
【0004】その際、アルカリ金属ハロゲン化物が副生
し、ほとんどの場合誘導体からこの副生物を十分に除去
しなくてはならない。しかし、誘導体が高粘度であると
この副生物の除去はきわめて困難となる。
【0005】以下、例として、末端アルケニル基を有す
るポリエーテル類の製造の場合について具体的に説明す
る。
【0006】末端アルケニル基を有するポリエーテル類
は、そのオレフィン基を利用してさらに付加反応等の化
学修飾により種々の官能基を導入できることから、官能
基含有ポリエーテル類の有用な中間体となっており、そ
の合成法および精製法はこれまでに検討がなされてきて
いる。末端水酸基を有するポリエーテルポリオールの水
酸基をアリルクロライドやメタリルクロライドのような
アルケニルクロライドと塩基存在下に反応させて末端ア
ルケニル基とする方法は良く知られた方法である。
【0007】この方法において、反応時に例えば塩基と
してアルカリ金属水酸化物や金属ナトリウムなどを使用
した場合、塩化ナトリウムのような無機塩が副生する。
このような無機塩が副生する場合および過剰の塩基を使
用した場合には残存する塩基を除去することが必要とな
る。この除去は、一般には、適当な吸着剤で処理し濾
過する方法、各種酸で中和した後、生成する塩を濾過す
る方法、および抽出する方法等が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記の
ように高分子量のポリエーテル類では高粘度であるため
に濾過が困難である。さらに、高分子量のポリエーテル
類では中和により生成する塩が微分散してしまい容易に
濾過することができない。また、抽出法にしても高分子
量のポリエーテル類では単純な水洗方法ではポリマー層
と水層が全く分離できない状態のクリーム状の混合物に
なってしまい、たとえ溶剤を使用した場合でもエマルジ
ョン状となり容易に分液することができない。
【0009】非水溶性の有機溶剤で希釈し、水層のpH
のコントロールと界面活性剤の併用により分液する方法
も知られているが、実質的には親水性の高いポリエーテ
ル類では使用しにくいなど制約が大きい。従って、末端
アルケニル基を有するポリエーテル類に限らず、上記の
ような性質を有する高分子量のポリエーテル類の一般性
の高い精製方法を確立することが望まれている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の課題を
解決すべくなされた下記の発明である。すなわち、少量
のアルカリ金属ハロゲン化物を含有する高分子量のポリ
エーテル類に界面活性剤および水を添加した後、脱水
し、ついでアルカリ金属ハロゲン化物を濾過法または遠
心分離法により除去することを特徴とするポリエーテル
類の精製方法である。
【0011】少量のアルカリ金属ハロゲン化物を含有す
る高分子量のポリエーテル類としては、前記のような水
酸基を有する高分子量ポリエーテルとハロゲン化炭化水
素を、アルカリ金属もしくは塩基性アルカリ金属化合物
の存在下にまたは水酸基を有する高分子量ポリエーテル
の水酸基をアルカリ金属アルコキシド化した後に、反応
させて得られる生成物が適当である。なお、水酸基を有
する高分子量ポリエーテルの水酸基部分のアルコキシド
化は、ハロゲン化炭化水素との反応と同時に行なうこと
ができる。
【0012】本発明におけるポリエーテル類の原料であ
る少なくとも1つの水酸基を有する高分子量ポリエーテ
ルとしては、ポリオキシアルキレンポリ(あるいはモ
ノ)オールが好ましい。その分子量は、特に限定される
ものではないが、1000以上が適当である。好ましく
1000〜50000であり、特に好ましくは300
0〜50000である。その水酸基数は、1以上であ
り、1〜6が適当で、好ましくは2〜4である。
【0013】このポリオキシアルキレンポリ(あるいは
モノ)オールは、イニシエータに触媒存在下モノエポキ
シド、特に炭素数3〜6のアルキレンオキシドを反応さ
せて得られるものが好ましい。イニシエータは上記水酸
基数に対応する反応部位(水酸基やアミノ基の水素原
子)を有する化合物であり、例えば、1価以上のアルコ
ール類やフェノール類がある。
【0014】イニシエータとしては、特に2〜4価のア
ルコールやそのアルキレンオキシド付加物(目的物に比
較して低分子量のポリオキシアルキレンポリオール)が
好ましい。
【0015】イニシエータとしては1〜6価のアルコー
ルやフェノールが適当であるが、これらに限定されず、
例えば1〜6価のカルボン酸、アミン、チオールなども
使用できる。末端アルケニル基を有するポリエーテル類
を製造する場合、1価のイニシエータとしてはアルケニ
ルアルコール(例えば、アリルアルコール)などのアル
ケニル基を有するイニシエータが好ましい。2価以上の
イニシエータとしては、例えば、以下の化合物がある。
【0016】エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールそ
の他のポリプロピレングリコール、ブタンジオール、グ
リセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリト
ール、ビスフェノールAおよびこれらのアルキレンオキ
シド付加物。
【0017】モノエポキシドとしては、特に炭素数3〜
6のアルキレンオキシドが好ましい。炭素数3〜6のア
ルキレンオキシドとしては、プロピレンオキシド、ブチ
レンオキシド、ヘキシレンオキシド、スチレンオキシド
などがある。特に好ましくは、プロピレンオキシド単
独、あるいはプロピレンオキシドと少量の他の炭素数3
以上のアルキレンオキシドの併用である。
【0018】ポリオキシアルキレンポリ(あるいはモ
ノ)オールの製造において使用される触媒として、アル
カリ触媒はよく知られている。アルカリ触媒は通常アル
カリ金属やその化合物からなり、事実上水酸基をアルコ
キシド化し触媒作用を発揮していると考えられている。
しかし、アルカリ触媒を使用した場合は、副反応のため
得られるポリオキシアルキレンポリ(あるいはモノ)オ
ールの分子量の上限は限られ、例えばジオールの場合高
々4000程度である。
【0019】より高分子量のものを製造するためには、
複金属シアン化物錯体触媒やポルフィリン金属錯体触媒
などの使用が好ましい。これら錯体触媒はアルキレンオ
キシド付加触媒として公知である。
【0020】少なくとも1つの水酸基を有する高分子量
ポリエーテルの水酸基にハロゲン化炭化水素を反応させ
る方法としては、水酸基をナトリウムやカリウムなどの
アルカリ金属、NaHなどのようなアルカリ金属水素化
物、NaOR(Rはメチル、エチル、プロピル、イソプ
ロピル、ブチルのようなアルキル基を示す)のような金
属アルコキシド、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムの
ようなアルカリ金属水酸化物と反応させ、アルコキシ
した後ハロゲン化炭化水素反応させる方法がある。
【0021】または、アルカリ金属水酸化物などの塩基
性アルカリ金属化合物を使用する場合は、そのような化
合物存在下にハロゲン化炭化水素と反応させる方法を
使用できる。以下これらのアルカリ金属やその化合物を
単に塩基という。
【0022】この反応により、アルカリ金属ハロゲン化
物を含有する高分子量のポリエーテル類が得られる。ア
ルカリ金属ハロゲン化物の量は、通常高分子量のポリエ
ーテル類が高分子であるほど少量となる。通常その量
は、高分子量のポリエーテル類に対して、5重量%以下
であり、多くの場合2重量%以下である。下限は精製の
必要性に応じて変わりうるものであるが、通常の場合、
0.1重量%程度である。
【0023】また本発明により精製されたポリエーテル
類中のアルカリ金属ハロゲン化物の量は同様に目的に応
じて変わりうるものであるが、未精製の量の1/10以
下が適当であり、特に未精製の量の1/10以下でかつ
0.1重量%未満が好ましい。また、多くの場合、精製
前のポリエーテル類は上記の塩基を含有しており、本発
明の精製方法によりこの塩基も除去される。
【0024】前記のように本発明におけるハロゲン化炭
化水素としては、炭素数4以下のポリハロゲン化炭化水
素、あるいは炭素数8以下のモノハロゲン化炭化水素が
適当である。
【0025】ハロゲンとしては、塩素あるいは臭素が適
当である。特に、炭素数1〜2のジクロロ炭化水素、あ
るいは炭素数6以下のモノクロロ炭化水素が好ましい。
前記のように、最も好ましくはアルケニルハライド、特
にアルケニルクロライドが好ましい。アルケニルハライ
ドとしては特にアリルクロライドとメタリルクロライド
が好ましい。
【0026】アルケニルハライドは水酸基を有する高分
子量ポリエーテルの水酸基全量のうちの何割をアルケニ
ル基に変換するかによって、その使用量を任意に変える
ことが可能である。少なくとも1つの水酸基を有する高
分子量ポリエーテルの水酸基に対し任意の当量を使用で
きるが、すべての水酸基をアルケニル基に変換する場合
は一般には水酸基に対して過剰当量使用される。その当
量の上限は1.3程度が適当である。
【0027】また、得られる高分子量のポリエーテル類
における1分子当たりのアルケニル基の数は、1.6〜
6、特に1.8〜3が好ましい。なお、得られる高分子
量のポリエーテル類はアルケニル基に変換されていない
水酸基を有していてもよいことは勿論である。
【0028】また、ポリオキシアルキレンモノオールの
製造において、アリルアルコール、メタリルアルコール
のようなアルケニル基を有するイニシエータを使用して
ポリオキシアルキレンモノオールを製造し、その水酸基
を上記の方法によりアルケニル化してアルケニル基の数
が1をえる高分子量のポリエーテル類を製造すること
も可能である。
【0029】本発明ではアルカリ金属ハロゲン化物を含
む高分子量のポリエーテル類からアルカリ金属ハロゲン
化物(以下、塩ともう)を除去するために、該ポリエ
ーテル類に界面活性剤と水を添加し、高分子量のポリエ
ーテル類中のアルカリ金属ハロゲン化物を水で抽出し、
脱水することにより塩を析出させ、容易に除去できる大
きさの塩の結晶とする。
【0030】この水の使用は、特に精製しようとする高
分子量のポリエーテル類中の塩基の含有量や高分子量の
ポリエーテル類の極性によって、塩基が部分的に析出す
るおそれがある場合に有効な方法である。
【0031】本発明では、界面活性剤の使用は必須であ
る。本発明において使用される界面活性剤は、特にノニ
オン系界面活性剤として一般に知られているものが好ま
しい。本発明においては特にノニオン系界面活性剤のう
ち分子中にオキシエチレン鎖を5重量%以上有する化合
物が好ましい。
【0032】具体的なノニオン系界面活性剤としては、
ポリオキシエチレン脂肪族アルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンポリオキシプロピレン脂肪族アルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンモノ脂肪族カルボン酸エステル、ソル
ビタンモノまたはポリ脂肪族エステル、ポリオキシエチ
レンソルビタンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンオキシプロピレンブロックポリマー、オキシエチレ
ンまたはポリオキシエチレン脂肪族アミン、脂肪酸ジア
ルカノールアミド、グリセロールモノ脂肪酸エステル、
ポリグリセリン脂肪酸エステル、プロピレングリコール
脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル
等があげられるが、これらに限定されるものではない。
【0033】使用する量は高分子量のポリエーテル類
00重量部に対し0.01〜5重量部の割合が好まし
く、より好ましくは0.1〜1重量部である。
【0034】界面活性剤の量が0.01重量部より少な
いと、後で析出した塩を除去しても、ポリエーテル類中
に塩が残ることがあったり、また、塩が微分散した状態
となり、ポリエーテル類から塩を除去することが非常に
困難となる。また、界面活性剤の量を5重量部より多く
した場合、精製後のポリエーテル類に多量の界面活性剤
が残ることとなり好ましくない。
【0035】本発明で使用する水の量は、高分子量のポ
リエーテル類100重量部に対し1重量部〜50重量部
でよく、好ましくは5重量部〜30重量部である。水の
量が1重量部より少ない場合、脱水後に析出する塩が十
分大きくならないため、塩の除去がしにくく50重量部
より多い場合は、脱水工程に必要な時間と熱量が多く経
済的ではない。
【0036】塩の除去方法としては、濾過法、遠心分離
を用いる。高分子量のポリエーテル類から塩を除去す
る場合、必要に応じて溶媒で希釈することも可能であ
る。このような方法は、高分子量のポリエーテル類化合
物の分子量が大きく、従って粘度の高い場合に有効であ
る。その場合、使用できる溶媒としては、塩を溶解しな
いことが必須であるが、そのほかには特に制限はない。
【0037】本発明で使用できる溶媒としては、具体的
にはヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素
系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂
環族炭化水素系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等
の芳香族炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、トリクロロ
エチレン、テトラクロロエチレン等のハロゲン化炭化水
素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等のハロ
ゲン化芳香族炭化水素系溶剤があげられるがこれらに限
定されるものではない。
【0038】また、本発明では、精製しようとするアル
カリ金属ハロゲン化物を含有する高分子量のポリエーテ
ル類中に含まれる塩基を酸によって中和することもで
き、一般にはそのほうが好ましい。
【0039】中和するのに使用できる酸としては、有機
酸、無機酸、固体酸のいずれでもよいが有機酸の場合は
中和して生成する有機酸塩が高分子量のポリエーテル類
に溶解する場合があるため、無機酸、固体酸が好まし
い。
【0040】本発明で使用できる無機酸としては、塩
酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、過塩素酸等が例示で
きるし、また、固体酸としては活性白土、マグネシアシ
リケート、アルミノシリケート、ハイドロタルサイト等
の固体イオン交換体としても知られる吸着剤等が例示で
きるがこれらに限定されるものではない。
【0041】アルカリ金属ハロゲン化物を含有する高分
子量のポリエーテル類中の塩基を中和する場合は、アル
カリ金属ハロゲン化物を含有する高分子量のポリエーテ
ル類に界面活性剤と水を添加する前か、添加する時点が
よい。
【0042】
【実施例】以下、具体的に例をあげて説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。
【0043】[参考例1] グリセリンをイニシエータとして触媒存在下プロピレン
オキシドを重合して得分子量30000のポリオキシ
プロピレントリオールを、その水酸基に対して1当量
のNaHと窒素雰囲気下60℃で反応させてナトリウム
アルコキシドとした後、アリルクロライドを1.05
当量加え、60℃で反応させた後、未反応のアリルクロ
ライドを減圧下で留去して、塩化ナトリウムを含む末端
アリル化ポリエーテル化合物(以下、未精製ポリエーテ
ルAという)を製造した。
【0044】[参考例2] エチレングリコールをイニシエータとして触媒存在下プ
ロピレンオキシドを重合して分子量15000とした
後、さらにエチレンオキシドを重合して得られた分子量
18000ポリエーテルジオールに窒素雰囲気下、粉
末水酸化ナトリウムをそのポリエーテルジオールに対し
て1.5当量を加え、さらにメタリルクロライド1.
05当量を加え、60℃で反応させた後、未反応のメ
タリルクロライドを減圧下で留去して、塩化ナトリウム
と水酸化ナトリウムを含む末端アルケニル化ポリエーテ
ル化合物(以下、未精製ポリエーテルBという)を製造
した。
【0045】[参考例3] ブタノールをイニシエータとして触媒存在下プロピレン
オキシドを重合して得られた分子量4000のポリオキ
シプロピレンモノオールに窒素雰囲気下、水酸基に対し
て、金属ナトリウム1. 0当量を加え、120℃で3
時間反応させた。さらにアリルクロライドを1. 1
量加え、60℃で反応させた後、未反応のアリルクロラ
イドを減圧下で留去して、塩化ナトリウムを含む末端ア
ルケニル化ポリエーテル化合物(以下、未精製ポリエー
テルCという)を製造した。
【0046】[実施例1] 未精製ポリエーテルA100g撹拌機付きガラス製反
応器に入れ、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロ
ックコポリマー(分子量10000、オキシエチレン鎖
12重量%含有)1gと未精製ポリエーテルAに含まれ
塩基性アルカリ金属化合物に対し1. 05当量の
Clを含む塩酸水溶液20gを加え、60℃で2時間撹
拌した。混合物を80℃に昇温し、窒素ガスを通して水
を除去した。ヘキサン100gを加え、常温で30分間
撹拌した後、セライトをプレコートした濾紙を使用して
濾過した。濾液から減圧下で溶媒を留去し、淡黄色透明
の油状物(ポリエーテル)を得た。
【0047】[実施例2] 未精製ポリエーテルB100g撹拌機付きガラス製反
応器に入れ、セチルアルコールエチレンオキシド付加物
(日本油脂製、ノニオンP−208、オキシエチレン鎖
15重量%含有)0. 2gと未精製ポリエーテルBに含
まれる塩基性アルカリ金属化合物に対し1. 02当量
HClを含む塩酸水溶液10gを加え、60℃で2時
間撹拌した。混合物を80℃に昇温し、窒素ガスを通し
て水を除去した。トルエン50gを加え、常温で30分
間撹拌した後、トプコパーライトをプレコートした濾紙
を使用して濾過した。濾液から減圧下で溶媒を留去し、
淡黄色透明の油状物(ポリエーテル)を得た。
【0048】[実施例3] 未精製ポリエーテルC100g撹拌機付きガラス製反
応器に入れ、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロ
ックコポリマー(分子量10000、オキシエチレン鎖
12重量%含有)0. 1gとマグネシアシリケート0.
5gと水5gを加え、60℃で2時間撹拌した。混合物
を80℃に温し、窒素ガスを通して水を除去した。セ
ライトをプレコートした濾紙を使用して濾過し、淡黄色
透明の油状物(ポリエーテル)を得た。
【0049】[比較例] 未精製ポリエーテルA100g撹拌機付きガラス製反
応器に入れ、未精製ポリエーテルAに含まれる塩基性ア
ルカリ金属化合物に対し1. 05当量のHClを含む
塩酸水溶液20gを加え、60℃で2時間撹拌した。混
合物を80℃に昇温し、窒素ガスを通して水を除去し
た。ヘキサン100gを加え、常温で30分間撹拌した
後、セライトをプレコートした濾紙を使用して濾過した
が濾過性は実施例1に比較して著しく悪く、全量を濾過
することできなった。濾過できた溶液については、減
圧下で溶媒を留去して、白濁油状物を得た。
【0050】以上の例について、得られた精製物を分析
した結果を表1にまとめた。なお、表1における(1)
pH値、(2)Cl- イオン、(3)Cl- 除去率とは
それぞれ次のとおりである。
【0051】(1)ポリエーテル10gをpH=7に調
整したイソプロピルアルコール−イオン交換水(容積比
60/40の混合溶媒)60cm3 に溶解したときのp
H値 (2)クロム酸カリウムを指示薬として硝酸銀水溶液で
滴定して求めた、ポリエーテル1gあたりの塩素イオン
量(mmol/g) (3)未精製ポリエーテルに含まれる塩素イオンが精製
後何%除去できたかを示す。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】実施例で示すように、本発明によって塩
素イオンの少ない(即ちアルカリ金属ハロゲン化物が少
ない)ポリエーテル類が得られる。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−203125(JP,A) 特開 昭54−91594(JP,A) 特開 昭58−168623(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 65/00 - 65/48

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少量のアルカリ金属ハロゲン化物を含有す
    る高分子量のポリエーテル類に界面活性剤および水を添
    加した後、脱水し、ついでアルカリ金属ハロゲン化物を
    濾過法または遠心分離法により除去することを特徴とす
    るポリエーテル類の精製方法。
  2. 【請求項2】少量のアルカリ金属ハロゲン化物を含有す
    る高分子量のポリエーテル類が、水酸基を有する高分子
    量ポリエーテルとハロゲン化炭化水素を、アルカリ金属
    もしくは塩基性アルカリ金属化合物の存在下にまたは水
    酸基を有する高分子量ポリエーテルの水酸基をアルカリ
    金属アルコキシド化した後に、反応させて得られる生成
    物である、請求項1に記載の精製方法。
  3. 【請求項3】ハロゲン化炭化水素がアルケニルハライド
    である、請求項2に記載の精製方法。
  4. 【請求項4】水酸基を有する高分子量ポリエーテルが、
    水酸基数1〜6、分子量1000〜50000のポリエ
    ーテルである請求項2に記載の精製方法。
  5. 【請求項5】ポリエーテルが、1〜4価のイニシエータ
    に触媒存在下炭素数3〜6のアルキレンオキシドを反応
    させて得られるポリオキシアルキレンポリオールであ
    る、請求項5に記載の精製方法。
  6. 【請求項6】界面活性剤が、分子中にオキシエチレン鎖
    を5重量%以上有するノニオン系界面活性剤である、請
    求項1に記載の精製方法。
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