JPH0782192A - ネオペンチルグリコールの製造法 - Google Patents

ネオペンチルグリコールの製造法

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JPH0782192A
JPH0782192A JP22607693A JP22607693A JPH0782192A JP H0782192 A JPH0782192 A JP H0782192A JP 22607693 A JP22607693 A JP 22607693A JP 22607693 A JP22607693 A JP 22607693A JP H0782192 A JPH0782192 A JP H0782192A
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JP
Japan
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trialkylamine
reaction
liquid
aldol condensation
npg
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JP22607693A
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English (en)
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Akiyuki Ninomiya
暎之 二宮
Akira Mori
晃 森
Shin Saito
審 斉藤
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
Original Assignee
Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Publication date
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】イソブチルアルデヒドとホルムアルデヒドをト
リアルキルアミン触媒下に反応させて得られたアルドー
ル縮合反応生成液を冷却してヒドロピバルアルデヒドを
含む有機相とトリアルキルアミン塩を含む水相の二相に
分離し、有機相を水素化反応することによるネオペンチ
ルグリコールの製造法。 【効果】水素化反応前に予めトリアルキルアミン塩を除
去したヒドロピバルアルデヒドを原料に使用することに
なるので、製品の品質が向上すると共に、水素化反応触
媒が長期間、充分なる活性を維持し得る。従って高純度
のネオペンチルグリコールを高収率に長期間安定して製
造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トリアルキルアミン触
媒下、イソブチルアルデヒド(以下、IBALと称す
る)とホルムアルデヒドとを反応させて得られたアルド
ール縮合反応液からヒドロキシピバルアルデヒド(以
下、HPAと称する)とトリアルキルアミン塩とを分離
した後に水素化反応させて、ネオペンチルグリコール
(以下、NPGと称する)を製造する方法に関する。原
料にNPGを用いて合成したポリエステル樹脂は良好な
熱安定性、耐薬品性、耐候性を示し、また電気特性にも
優れているため、NPGは、不飽和ポリエステル樹脂、
アルキッド樹脂、ポリカーボネート、ポリエステルイソ
シアナート、線状ポリウレタンなどの原料に用いられ、
極めて有用な物質である。
【0002】
【従来の技術】塩基性触媒下にIBALとホルムアルデ
ヒドからアルドール縮合反応によってHPAを合成しN
PGを製造する方法には、二つの方法がよく知られてい
る。即ちHPAとホルムアルデヒドとの所謂カニッアロ
反応でNPGを製造する方法と、HPAを直接に水素化
反応してNPGを製造する方法である。この内で所謂カ
ニッアロ反応でNPGを製造する方法は、目的物と等モ
ル量の蟻酸ソーダが副生するため、この蟻酸ソーダを有
効に利用しない限り、工業的なNPG製造法としては成
立しないと云う欠点を有している。
【0003】アルドール縮合反応によってHPAを合成
する方法については、米国特許3,935,274号、
米国特許5,146,012号などに記載されている。
アルドール縮合反応に用いられる塩基性触媒には、アル
カリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸化物、例
えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウ
ム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化タリウ
ム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭
酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸タリウム等、更にア
ミン化合物、特に第3級アミン、例えばトリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、ジエチルメチルアミン、ジイソ
プロピルメチルアミン、トリブチルアミンなどのトリア
ルキルアミン、および強塩基性イオン交換樹脂等が用い
られる。
【0004】これらの触媒の中、アルカリ金属、アルカ
リ土類金属の水酸化物、炭酸化物は、アルドール縮合反
応の後にカニッアロ反応によってNPGを製造する場合
に有利であるが、水素化反応によってNPGを製造する
場合には用いられない。すなわち、アルドール縮合反応
触媒にアルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、炭
酸化物を使用し、次に水素化反応によってNPGを製造
する場合には、カルボン酸塩を多量に含んだアルドール
縮合反応生成液が得られる。このカルボン酸塩を含有し
たまま水素化反応させた場合には水素化反応を阻害し、
また生成NPGの分解を促進させるなどの好ましくない
影響を与える。また強塩基性イオン交換樹脂を触媒とす
るアルドール縮合反応では、反応生成物あるIBALと
ホルムアルデヒドの総和に対して、容量比で同量以上の
イオン交換樹脂を使用しても、尚且つ反応速度が遅く、
副反応物も多く生成する等の問題があり、イオン交換樹
脂を触媒に用いることは工業的に困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】アルドール縮合反応触
媒にトリアルキルアミンを使用することは、アルカリ
金属触媒などに比べてHPA選択率が極めて高く、従っ
て副生成物が少ないので反応の上から望ましいことと、
触媒として使用したアミンの大半量が回収され再使用
することができることから、経済的な面からも有利であ
る。しかしながらアルドール縮合反応において、生成し
たHPAとホルムアルデヒドとの反応により、一部、副
反応としてNPGとギ酸が生成し、このギ酸とトリアル
キルアミンが反応してトリアルキルアンモニウムホルメ
ート(トリアルキルアミン塩)が生成する。
【0006】このようなトリアルキルアミン塩が水素化
反応工程以降へ漏洩した場合には、カルボン酸塩の漏洩
の場合とは異なる性質の好ましくない影響を与える。即
ち水素化反応工程へのトリアルキルアミン塩の漏洩は、
水素化反応中にその一部が1級、2級のアミンに水素分
解され、また分解で生成したアミンの一部が共存するI
BALやホルムアルデヒドらのアルデヒドと反応して、
NPGと全く分離されないか、または一部しか分離でき
ないようなトリアルキルアミンに変質する。このような
高沸点化したアミンが製品NPG中へ僅かでも混入すれ
ば、耐熱色を悪化させるばかりでなく保存安定性が悪化
する。
【0007】また水素化反応工程へのトリアルキルアミ
ン塩の漏洩は、水素化反応中にトリアルキルアミン自身
が触媒的な働きをして種々の副反応を伴わせる原因とな
り、その結果として反応率および選択率を低下させるこ
とになる。このようなトリアルキルアミン塩の漏洩は更
に水素化反応触媒の活性を直接的または間接的に劣化さ
せる原因にもなる。このため水素化反応によってNPG
を製造する場合には、アルドール縮合液中のトリアルキ
ルアミン塩を完全に除去するための万全な対策が必要で
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者等は、IBALと
ホルムアルデヒドをトリアルキルアミンの触媒下、アル
ドール縮合反応の反応生成液を水素化反応するに際し
て、水素化反応前に残存するトリアルキルアミン塩を除
去する方法について鋭意検討した結果、アルドール縮合
反応の反応生成液を冷却することにより残存するトリア
ルキルアミン塩が水相に分離されるので、有機相を用い
て水素化反応を行うようにすれば上記の如き課題が解決
されることを見出し、本発明に到達した。
【0009】即ち本発明は、イソブチルアルデヒドとホ
ルムアルデヒドをトリアルキルアミン触媒下に反応させ
て得られたアルドール縮合液を冷却してヒドロピバルア
ルデヒドを含む有機相とトリアルキルアミン塩を含む水
相の二相に分離し、有機相を水素化反応することを特徴
とするネオペンチルグリコールの製造法である。
【0010】なお本発明には、上記の製造法において
アルドール縮合反応生成液中に存在する低沸点留分を留
去した後に冷却して二相に分離すること、また水相を
IBALで抽出し、該抽出液をアルドール縮合反応系に
循環することによりHPAを回収すること、更にHP
Aを回収した後の抽残水相にトリアルキルアミンよりも
塩基性度の強いアルカリ剤を添加して、アルカリ交換に
よってアルカリ塩とトリアルキルアミンとし、遊離した
トリアルキルアミンを蒸留法で回収してアルドール縮合
反応系に循環すること、およびトリアルキルアミンを
回収した後の留残液に含有するアルカリ塩を濃縮して、
その一部をIBALによる抽出工程に循環することも含
まれる。
【0011】アルドール縮合反応に使用されるホルムア
ルデヒドは、ホルムアルデヒド水溶液(ホルマリン)で
も固形のパラホルムアルデヒドでも良い。しかしトリア
ルキルアミンを触媒にしたIBALとホルムアルデヒド
とのアルドール縮合反応においては、ホルムアルデヒド
濃度が希薄過ぎると反応速度が緩慢となり、また副反応
生成物が多くなって高い収率が得られず、また製品NP
G純度にも悪影響してくる。また本発明ではHPAとト
リアルキルアミン塩の分離の目的からアルドール縮合反
応後の工程で二相分離するが、原料のホルムアルデヒド
中にメタノールがあまり多いと分離が効率よく出来な
い。従って原料ホルムアルデヒドは濃度が35wt%以
上であり、メタノール含有量が0〜5wt%程度のもの
が好ましい。
【0012】本発明におけるIBALとホルムアルデヒ
ドのアルドール縮合反応は回分式および連続式のどちら
でも良いが、常圧または加圧下で窒素雰囲気中で行うこ
とが好ましい。ホルムアルデヒドに対するIBALの仕
込みモル当量は0.8〜1.6であり、好ましくは0.
9〜1.4の範囲である。
【0013】本発明ではアルドール縮合反応の触媒にト
リアルキルアミンを使用する。例えば、トリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジエチ
ルメチルアミン、トリプロピルアミン、トリイソプロピ
ルアミン、トリブチルアミン、トリイソブチルアミンな
どが有効である。アルドール縮合反応の触媒の添加量は
ホルムアルデヒドに対する仕込みモル当量で0.02〜
0.1であり、好ましくは0.02〜0.05の範囲で
ある。
【0014】回分式でアルドール縮合反応を行った場
合、反応開始直後の数分間は不均一系での反応であり液
は白濁している。 しかし反応が進行しHPA生成の増
大と共に反応は均一化して透明な液となる。回分式での
反応温度(到達温度)は仕込みモル比によって異なる
が、例えばIBAL/ホルムアルデヒドのモル比が1.
3/1.0である時は、最終的な到達温度が92〜93
℃である。
【0015】一方、連続式でアルドール縮合反応を行っ
た場合には反応液は初めから均一である。連続式での反
応温度は仕込みモル比と圧力にもよるが、例えばIBA
L/ホルムアルデヒドのモル比が1.2/1.0で、常
圧下で反応を行った場合には90〜93℃である。反応
形式は反応効率を良くするために2〜4段程度の多段式
連続反応で行うことが望ましい。
【0016】かくして得られたアルドール縮合反応生成
液中のHPAは、次工程の水素化反応に最も適合した形
にして送る必要がある。すなわち水素化反応においては
トリアルキルアミン塩を含有しないHPAが好ましく、
このようなHPAを得るために、本発明ではアルドール
縮合生成液を冷却してHPAを含む有機相とトリアルキ
ルアミン塩を含む水相の二相に分離し、有機相を水素化
反応に供する。この二相分離は次のように行われる。
【0017】まずアルドール縮合反応後、当該反応液中
に含まれる未反応のIBAL、触媒のトリアルキルアミ
ンおよび原料ホルムアルデヒドから持ち込まれるメタノ
ール等の低沸点留分を蒸留法で留去する。この留去後の
留残液に水を添加してHPA濃度が約40wt%になる
よう調製した後、40〜45℃に冷却し二相分離する。
これにより下層にHPAを主成分とする有機相が、上層
にトリアルキルアミン塩を含有する水相が分離される。
このような方法によって目的とする有機相中のトリアル
キルアミン塩量は水素化反応を阻害しない程度まで減量
され、この有機相を原料にして水素化反応を行うことが
できる。
【0018】一方、分離された水相中には、おおよそH
PA 12wt%、NPG 0.7wt%、CH3 OH
0.5wt%、H2 O 86wt%、トリアルキルア
ミン塩 1wt%が含まれている。このトリアルキルア
ミン塩としては、前述の如くアルドール縮合反応の副反
応で生成したギ酸とトリアルキルアミンから生成するト
リアルキルアンモニウムホルメートが最も多く、この他
にトリアルキルアンモニウムヒドロキシピバレートおよ
びトリアルキルアンモニウムイソブチレートも含まれ
る。
【0019】この水相中からHPAおよびトリアルキル
アミン塩をそれぞれ回収するが、その回収方法は、先ず
0.5重量%含まれるメタノールを蒸留法で留去し、次
に留残液と後工程で濃縮回収したアルカリ塩とを混合し
た後、IBALを抽剤に用いて混合液を抽出し、HPA
をIBAL相に、トリアルキルアミン塩を水相に分離分
配させる。IBALによる抽出方法は回分式でも連続式
の何れの方法でも容易に行われ、抽出装置は公知の装
置、或いはそれを改良したものが用いられる。この抽出
操作は、常圧、減圧、加圧の何れでも行うことができる
が、通常は常圧の窒素雰囲気下で行われる。抽出温度は
40〜70℃、好ましくは45〜60℃である。抽出後
の分液は静置法または動的な連続法で行うことができ、
特に困難な分液ではないが、必要によっては、分液槽に
入る前にテフロン糸、ガラスウール等を詰めた管中を通
過させることによって、更に鮮明に分液される。分液し
た上層のIBAL相は、そのままアルドール縮合反応槽
へ循環する。
【0020】一方この抽出分液された下層の水相からト
リアルキルアミンを回収するには、先ずトリアルキルア
ミンよりも塩基性度の強いアルカリ剤を添加して、アル
カリ置換によってトリアルキルアミンとアルカリ塩に転
換する。アルカリ置換に用いられるトリアルキルアミン
よりも塩基性度の強いアルカリ剤は、アルカリ金属およ
びアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸化物であり、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシ
ウム、炭酸ナトリウムなどが用いられる。その添加量は
抽残水相液中に含有するトリアルキルアミン塩量に対し
て、1.0〜1.2モル当量である。
【0021】次にこのアルカリ交換させた水相を蒸留法
で留出液中にトリアルキルアミンを回収し、そのままア
ルドール縮合反応槽へ循環して触媒として再使用する。
アルカリ塩を含む留残液はアルカリ塩の濃度がおよそ6
0重量%になるまで濃縮した後、その一部を前記の抽出
工程に循環し、残液は廃棄するか又はアルカリ塩を回収
する。
【0022】アルドール縮合反応生成液からIBALら
の低沸留分を留去した後、二相分離して得た下層の有機
相を原料にして水素化反応を行う。HPAを水素化して
NPGを製造する水素化反応に関しては、既に特公昭4
9−33169号、特公昭53−17568号、英国特
許第1219162号、英国特許第1048530号、
米国特許第3920760号、EP特許第44412
号、EP特許第44444号、米国特許第485551
5号および米国特許第4933473号等に、水素化反
応触媒としてラネーNi系、Ni−Cr系、Cu−Zn
系、Cu−Al系、Cu−Cr系、Cu−Cr−Ba
系、Cu−Cr−Mn系およびPt−Ru−W系などが
開示されている。
【0023】いずれの触媒を用いてもトリアルキルアミ
ン塩を混入した系で水素化反応を行った場合には前記の
如きトリアルキルアミン塩による弊害を伴うので、本発
明はこのような弊害を避けるために予めトリアルキルア
ミン塩を除去した原料を調製し水素化反応を行うもので
ある。本発明の水素化反応を実施するに際しては、HP
Aに対して適量の水またはアルコール類及びこれらの混
合物溶媒を仕込んで原料液を調製し、前記の触媒の単独
もしくは二種以上の存在下に水素化反応を行なわせる。
【0024】通常この仕込み原料中にはHPA、水の他
に、アルドール縮合反応での未反応IBAL、副反応と
して生成したNPG、ネオペンチルグリコール−イソ酪
酸エステル(以下、BNEと称する)、ネオペンチルグ
リコール−ヒドロキシピバリン酸エステル(以下、HP
NEと称する)が含まれている。また必要に応じて溶媒
としてアルコール類を用いることができ、この場合は原
料中には当該アルコールを含んだものとなる。
【0025】水素化反応に供する原料中のHPA濃度は
5〜80wt%であり、好ましくは、10〜60wt%
である。HPA濃度が低過ぎる場合には、生成NPGと
水または溶媒との分離が困難となる。またHPA濃度が
高過ぎる場合には、HPA同志のチェッシンコ反応によ
ってHPNEが副生し、更にこのHPNEの一部が加水
分解反応してヒドロキシピバリン酸(以下、HPACと
称する)を副生する等の問題が生じる。
【0026】本発明の方法においては、水素共存化にお
いて前記の触媒を分散または懸濁させるか、或いは当該
触媒を充填した反応管に原料液を供給するかの方法によ
り、HPAの水素化反応が行われる。水素化反応は連続
式回分式の何れの方法によっても行うことができる。反
応温度は70〜200℃、好ましくは80〜180℃で
ある。反応圧力は5〜150Kg/cm2 、好ましくは
10〜100Kg/cm2 であり、この圧力は水素を導
入して維持される。
【0027】水素化反応後、反応生成液から目的物NP
Gの分離回収する方法としては、蒸留法または溶媒抽出
法等によって行われる。蒸留法の場合は先ず反応生成液
から副生した低沸点物を留去した後にNPGの精製蒸留
を行う。また水および溶媒系で反応を行った場合には、
先ず反応生成液から副生した低沸点物を留去し、更に当
該溶媒を留去した後にNPGの精製蒸留を行う。
【0028】次に図面によって本発明を更に詳しく説明
する。図1は本発明によるNPG製造装置の一例を示す
フロー図である。図1においてアルドール縮合反応器1
に、経路2 よりホルムアルデヒドを、経路3 よりトリア
ルキルアミンを、経路4 より後工程で回収したトリアル
キルアミンを、経路5 より後工程で回収したHPAおよ
びその回収のために抽剤として使用したIBALを、経
路6 より後工程で回収したIBALおよびトリアルキル
アミンを供給し、アルドール縮合反応が行われる。
【0029】アルドール縮合反応生成液は経路7 より低
沸留分分離第1塔8 の中段に供給され、経路10より水を
下段から供給しながら蒸留して、未反応のIBALおよ
びトリアルキルアミンを含む低沸分を塔頂部から除去回
収する。回収された低沸留分は経路6 から反応器1 に循
環供給する。低沸留分分離第1塔8 の留残液は経路9 よ
りアルドール反応液分液槽11に供給し、二層分液する。
ここでHPAを主成分とする下層液はそのまま水素化反
応の原料とするため経路12より抜き出し水素化反応原料
槽30に供給する。
【0030】一方、水を主成分としトリアルキルアミン
塩を含んだ上層液は経路13より低沸留分分離第2塔14に
供給し、メタノール等の低沸分を蒸留分離し経路15より
系外に除去する。低沸留分分離第2塔14の留残液中には
漏洩したHPAが含有するが、これを回収するためにこ
の留残液を経路16より、またアルカリ塩濃縮液を経路17
より、HPA抽出塔18の中段に供給すると共に、HPA
抽出塔の下段部に抽剤IBALを経路19より供給し、こ
こでHPAをIBAL相側に転溶させる。HPA抽出塔
18の下部から抜き出された液は経路20よりHPA分離器
21に送り二層分離する。HPAはこの分離器21の上段か
ら抽出液として抜き出し、経路5 より反応器1 に循環す
る。
【0031】HPA分離器21の下段から抜き出した抽残
液中にはトリアルキルアミン塩が含有している。本発明
ではこのトリアルキルアミン塩をアルドール縮合反応の
触媒であるトリアルキルアミンに戻して回収する。その
ための手段としてこの抽残液を経路22よりトリアルキル
アミン回収塔23の塔中段に、また経路24より強塩基性ア
ルカリ水溶液を塔下段部に供給して、このトリアルキル
アミン回収塔内でアルカリ交換反応させ、トリアルキル
アミンとアルカリ塩とにする。ここで生成したトリアル
キルアミンは塔頂部より抜き出し、経路4 を経て反応器
1 に供給して触媒として再使用する。
【0032】トリアルキルアミン回収塔23の留残液は経
路25よりアルカリ塩濃縮器26に供給し、経路27より水を
蒸発除去しながら経路28より濃縮されたアルカリ塩を抜
き出し、その一部を経路17よりHPA抽出塔18の中段に
供給する。この残液は経路29より系外に抜き出す。
【0033】一方、経路12より抜き出したアルドール反
応液分液槽の下層液は水素化反応原料槽30に供給し、こ
こで経路48よりの脱水塔46の上中段部より抜き出した液
と混合する。次にこの混合液を経路31から、経路35より
抜き出した水素化反応生成液の一部を経路36から循環さ
せ、この二液を配管内で混合した後、経路32より第1水
素化塔34に供給する。第1水素化塔34にはこの混合液と
経路33よりの水素が同時に供給され、所定の圧力、温
度、LSVの条件下で水素化反応が行われる。
【0034】次に、第1水素化塔34から水素化原料槽30
へ循環した以外の水素化反応液は第1気液分離器38を経
由して経路40より、また気液分離器38で分離された水素
ガスは経路39より、それぞれ別経路で第2水素化塔41に
供給され、更に水素化反応が行われる。第2水素化塔41
の水素化反応液は第2気液分離器43で気液を分離し、水
素を主成分とするガスは経路44より系外に抜き出し、分
離液は経路45より脱水塔46に供給される。
【0035】脱水塔46の塔頂部から留去した水を主成分
とする低沸分は経路47より系外に抜き出し、また上中段
部より抜き出した低沸分エステルおよび少量のNPGを
主成分とする液は経路48より水素化原料槽30へ循環す
る。一方、塔底部で粗NPG化した留残液は経路49より
NPG精製塔50に供給する。このNPG精製塔50では最
適な操作条件下で蒸留を行い、塔頂部の経路51より高純
度のNPGを製品として取得する。塔底部からは経路52
より少量の釜残液を系外に抜き出す。
【0036】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限を受け
るものではない。なお実施例および比較例に用いた各々
の化合物の略号は次の通りである。
【0037】
【表1】 (略号) (化合物) NPG ネオペンチルグリコール HPA ヒドロキシピバルアルデヒド IBAL イソブチルアルデヒド F ホルムアルデヒド TEA トリエチルアミン MeOH メタノール HPNE ネオペンチルグリコール−ヒドロキシピバリン酸エステル FNE ネオペンチルグリコール−ギ酸エステル BNE ネオペンチルグリコール−イソ酪酸エステル HPAC ヒドロキシピバリン酸 iso-BuOH イソブタノール IBA イソ酪酸 FA ギ酸 TMPD 2,2,4-トリメチルペンタン -1,3-ジオール NPG−HPA Acetal ネオペンチルグリコール -ヒドロキシピバルアルデヒド -アセタール H2 O 水 TEA−FA トリエチルアンモニウムホルメート TEA−HPAC トリエチルアンモニウム−ヒドロキシピバレート TEA−IBA トリエチルアンモニウムイソブチレ−ト
【0038】実施例1 (アルドール縮合反応)初回反応として、IBAL 38.1
kg(0.528 kg-モル)と 40wt%のF 33.0kg(0.44 kg-モ
ル)の混合液を30℃に保ち、窒素ガス雰囲気中、攪拌
しながら、TEA 1.3kg(0.013 kg-モル)を添加した。
TEA添加と同時に反応液温度は上昇し、28分後には
92℃となった。更にこの温度で攪拌を続け10分後に
反応を終了した。
【0039】(低沸留分留去)引き続きこの反応生成液
から温度60〜65℃、圧力400〜410mmHg下
で未反応のIBAL、触媒TEA、原料Fから持ち込ま
れたメタノールらの低沸留分 8.1 kg を留去した。この
低沸留分は全量を次回の反応に循環、再使用するが、こ
れを低沸留分−Aと区分する。 (反応生成液の二相分液)低沸留分を留去した反応生成
液 64.3gの中に更に水 46.5gを加え、攪拌しながら40
℃まで冷却した。次に攪拌を停止し20分間静置した
後、二相分液した。この結果、上層液(水相)62.8 kg
、下層液 (有機相) 48.0 kg が得られ、各々組成は次
の通りであった。
【0040】
【表2】 成分 上層液 (水相) 下層液 (有機相) IBAL 0.01 wt% 0.07 wt% F 0.13 0.23 TEA 0.0 0.0 HPA 11.96 72.35 NPG 0.73 2.24 HPNE 0.07 1.60 HPAC 0.0 0.0 MeOH 0.49 1.04 H2 O 85.68 22.12 BNE 0.0 0.0 FNE 0.0 0.0 FA 0.0 0.0 iso-BuOH 0.0 0.01 TEA−FA他 0.95 0.02
【0041】(水素化反応)HPAを主成分とする下層
液 (有機相)を水素化するに際して、有機相 48.0kgの
内 4.8 kg に対してHPA、NPG、H2 O濃度が、各
々おおよそ15、45、40wt%になるように、有機
相にNPG 10.5 kgとH2 O 8.4 kg を添加して水素化
原料を調製した。次に原料液供給導管、水素供給導管及
び外部熱源ヒーターと冷却用ジャケットを兼ね備えた、
内径25mmΦ、塔長600mmの充填層型反応管にて
水素化反応を行った。反応管にCu−Zn−Zr(C
u:Zn=10:2、ZrO2 =46wt%)からなる
触媒200mlを均一に充填し、ここにLSV=1.0
の流量で前記調製の原料液を供給し、水素の供給は常時
系内分圧が90kg/cm2になるように水素で自動調
整する方法で行った。但し、LSVは(仕込み原料液量
ml/Hr)/触媒Vol(ml)で表す。また反応温度は120℃
とし、温度制御は外部熱源ヒーターおよび冷却が自動的
にできるジャケット型の温度制御装置を用いて行った。
このような方法によって4.8日間連続して水素化反応
を行い、23.0 kg の初回の水素化反応液を得た。
【0042】次に 23.0 kgの初回の水素化反応液の内
4.8 kg を蒸留精製用に抜き出し、残り 18.2 kgを2サ
イクル目の水素化反応の原料調製用とした。すなわち2
サイクル目の水素化反応の原料調製は、前記の下層液
(有機相) 48.0 kg から初回の水素化反応の原料調製で
4.8 kg を使用した残りの 43.9 kgの内の 4.8 kg と、
この水素化反応液 18.2 kgを混合し、初回の水素化反応
と同様の反応条件で水素化反応を行った。このような原
料調製法と水素化反応反応条件で 9サイクルの水素化反
応を行った。この間、触媒活性の低下は全く無く、NP
G選択率 99.8 mol%以上で定量的にNPGが生成した。
1〜9サイクルで得られた水素化反応生成液を混合し、
その組成分析を行った結果は次の通りであった。
【0043】
【表3】 (成分) (wt%) NPG 60.02 HPA 0.01 HPNE 0.88 IBAL Tr. F Tr. TEA 0.0 MeOH 0.01 iso-BuOH 0.08 FA 0.0 IBA Tr. HPAC 0.05 FNE 0.0 BNE 0.13 TMPD 0.02 NPG-HPA Acetal 0.01 TEA−FA 0.0 H2 O 38.11 その他 0.68
【0044】(NPGの蒸留精製)次に各サイクル毎に
得られた水素化反応生成液43kg全量を混合し、その
内10kgを用いて、蒸留法による脱水、低沸分カット
に引き続き精製蒸留を行い、5.8kgのNPGを製品
として得た。ここで得たNPGの品質は次の通りであ
り、高品質なものであった。
【0045】
【表4】 外観 純白結晶 溶融色(ハーゼンNo.) 10以下 融点(℃) 129.9 エステル分(EPNE換算wt%) 0.12 アルデヒド分(HPA換算wt%) 0.01 酸分(FA換算wt%) 0.001 水分(wt%) 0.02 水酸基分(wt%) 32.68 加熱着色度(150℃/1ケ月後のハーゼンNo.) 10
【0046】前記の二相分液して得た水相全量の62.
8kgを次のように処置した。(低沸留分のカット)水
相中に分配したメタノールらの低沸溜分を回分式の常圧
蒸留法で留去により0.47kgを留去した。(抽出)
低沸留分カット後の残留液62.3kgに予め調製した
60wt%の蟻酸ソーダ水溶液90.7kgを混合し、
更にLBAL32.0kgを添加し30℃で25分間攪
拌し、次に10分間静置後に二相分液した。上層液(水
相)40.53kg、下層液(有機相)144.47k
gが得られ各々の組成を次に示す。
【0047】
【表5】 成分 上層液(水相) 下層液(有機相) IBAL 78.95wt% 0.06wt% F 0.25 Tr TEA 0.0 0.0 HPA 18.50 0.01 NPG 1.38 Tr HPNE 0.15 0.0 HPAC 0.0 0.0 MeOH 0.0 0.0 H2 O 0.76 61.74 TEA−FA 0.0 0.41 蟻酸ソーダ Tr 37.67
【0048】ここで得た上層の抽出液40.53kg
は、全量を次回のアルドール縮合反応に循環、再使用す
るが、これをクルードIBAL−A1と区分する。一
方、下層から分液した抽残液144.47kgは、回収
部と濃縮部の二節からなる塔径50mmΦ、棚段数20
のオルダーショウ型蒸留塔の中段部に1.850kg/
Hrの流量で供給し、また同時に、塔中下段部に20w
t%苛性ソーダ水溶液を0.01kg/Hrの流量で供
給し、ここでアルカリ交換させながら遊離したTEAを
塔頂から連続的に回収した。抽残液中のTEA−FAに
対するTEA回収率は96%であり、TEAはほぼ定量
的に回収された。 このTEAの全量を次回のアルドー
ル縮合反応に循環、再使用するが、これをクルードTE
A−A1と区分する。またTEAを回収した後の留残液
をギ酸ソーダ濃度が60wt%になるまで濃縮した。こ
の濃縮液の一部を次回の抽出混合液として、循環、再使
用するが、これをFA−Na濃縮液−A1とする。
【0049】2サイクル目以降のアルドール縮合反応を
次のように行った。初回反応から得られたクルードIB
AL−A1 40.53kg、低沸留分 8.1kg、回収T
EA−A1 0.5kgに、40wt%F 33.0k
gおよび触媒TEAの追加分 0.135kgを混合し
てアルドール縮合反応を開始した。その後の工程の低沸
留分カット、二相分液、下相の有機相の水素化反応、N
PG精製蒸留および上層からのHPA回収、TEA回
収、循環等は初回と同様に行った。このように各々の液
をリサイクルする方法で6サイクル行った。1〜6サイ
クル目の各々の水素化反応で得られた生成液の組成分析
結果を表6に示す。
【0050】
【表6】 リサイクル数 1 2 3 4 5 6 NPG 59.73 60.30 60.20 59.98 59.89 60.21 HPA 0.12 0.02 0.02 0.03 0.04 0.02 HPNE 0.91 0.83 0.79 0.81 0.84 0.89 IBAL Tr Tr Tr Tr Tr Tr F Tr Tr Tr Tr Tr Tr TEA 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 MeOH 0.10 0.15 0.15 0.15 0.15 0.15 iso-BuOH 0.11 0.10 0.08 0.09 0.08 0.10 FA 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 IBA Tr Tr Tr Tr Tr Tr HPAC 0.09 0.23 0.21 0.24 0.20 0.21 FNE 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 BNE 0.20 0.23 0.23 0.26 0.25 0.24 TMPD 0.03 0.02 0.02 0.02 0.03 0.03 NPG-HPA Acetal 0.02 0.03 0.03 0.04 0.02 0.03 TEA−FA 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
【0051】また各サイクル目のNPGの品質試験の結
果は次の通りであり、何れも高品質であった。なお各項
目の測定単位は表4と同様であり、外観は全て純白結
晶、溶融色は全て10以下である。
【表7】リサイクル数 1 2 3 4 5 6 外観 純白結晶 溶融色 10以下 融点 129.6 129.8 129.9 129.7 129.8 130.1 エステル分 0.20 0.30 0.25 0.19 0.02 0.02 アルデヒド分 0.02 0.01 0.01 0.01 0.02 0.01 酸分 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 水分 0.05 0.09 0.07 0.06 0.06 0.07 水酸基分 32.65 32.66 32.66 32.64 32.64 32.68 加熱着色度 10 10 10 10 10 10
【0052】実施例2 実施例1において、水素化反応触媒をCu−Cr−Mn
触媒(日揮化学製N−201)に代えて、LSV=0.
7hr-1、圧力 90kg/cm2 、触媒最高温度13
0℃とし、連続して水素化反応を行った。他は実施例1
と同様の操作でアルドール縮合反応を6サイクル、水素
化反応を54サイクル(実施例1の水素化反応と同様に
各アルドール縮合反応のサイクルに対して9サイクル)
して得た水素化反応生成液を一つに混合し、組成分析し
た結果を表8に示す。また精製蒸留で得たNPGの品質
試験結果は表9の通りであり、何れも高品質であった。
【0053】実施例3 実施例1において水素化反応触媒をCu−Cr−Ba触
媒(エンゲルハルト製Cu−1164T)に代えて、L
SV=10.hr-1、圧力 90kg/cm2、触媒最
高温度120℃とし、連続して水素化反応を行った。他
は実施例1と同様の操作でアルドール縮合反応を6サイ
クル、水素化反応を54サイクルして得た水素化反応生
成液を一つに混合し、組成分析した結果を表8に示す。
また精製蒸留で得たNPGの品質試験結果は表9の通り
であり、何れも高品質であった。
【0054】実施例4 実施例1におけるアルドール縮合生成液から低沸留分カ
ットし、これに水を添加した後に二相分液して得た下相
液(有機相)48kgに対してメタノール90.9kg
を添加し、HPAが25wt%となるように調製した。
この調製液を原料に実施例1と同様のCu−Zn−Zr
触媒200mlを使用して水素化反応を行った。水素化
反応はLSV=1.2で原料液を供給し、水素の供給は
常時系内の水素分圧が40kg/cm2 、触媒最高温度
が120℃なるようにして制御した。水素化反応生成液
の組成分析した結果を表8に示す。水素化反応生成液を
蒸留法で、脱メタノール、脱水および低沸分カットを行
った後、NPG精製蒸留を行った。得られたNPGの品
質試験結果は表9の通りであり、何れも高品質であっ
た。
【0055】比較例1 実施例1におけるアルドール縮合生成液から低沸留分カ
ットし、二相分液せずにそのまま水素化反応の調製用原
料とした。次にこの反応生成液にNPGおよび水を添加
してHPA、NPG、H2 O濃度が、各々おおよそ1
5、45、40wt%になるように調製し、これを水素
化原料とした。水素化反応は実施例1と同様の触媒、装
置を用い、操作条件も同様とした。得られた水素化反応
生成液の組成分析した結果は表8に示す通りであり、is
o-BuOHの副生、TEAの変質およびHPACの副生
が大きいことが分かる。また精製蒸留で得たNPGの品
質試験結果は表9の通りであった。精製蒸留で得たNP
Gの純度は99.1wt%であり、特に不純物としてF
NE、BNEおよびTMPDが混入していた。
【0056】
【表8】 実施例2 実施例3 実施例4 比較例1 NPG 59.82 59.86 60.02 59.20 HPA 0.02 0.01 Tr 0.02 HPNE 0.82 0.81 0.85 1.10 IBAL Tr Tr Tr Tr F Tr Tr Tr 0.0 TEA 0.0 0.0 0.0 0.0 MeOH 0.10 0.15 0.13 0.21 iso-BuOH 0.09 0.08 0.09 0.31 FA 0.0 0.0 0.0 0.02 IBA Tr Tr Tr 0.02 HPAC 0.21 0.20 0.18 0.72 FNE 0.0 0.0 0.0 0.02 BNE 0.20 0.25 0.19 0.39 TMPD 0.02 0.01 0.02 0.25 NPG-HPA Acetal 0.02 0.04 0.04 0.12 TEA−FA 0.0 0.0 0.0 0.0
【0057】
【表9】 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 比較例1 外観 純白結晶 溶融色 10以下 融点 129.8 129.9 129.8 130.0 129.1 エステル分 0.24 0.21 0.18 0.18 0.82 アルデヒド分 0.01 0.01 0.01 0.02 0.04 酸分 0.001 0.001 0.001 0.001 0.001 水分 0.02 0.05 0.02 0.02 0.03 水酸基分 32.70 32.65 32.63 32.65 32.11 加熱着色度 10 10 10 10 70
【0058】
【発明の効果】水素化反応工程にトリアルキルアミン塩
が漏洩した場合には、前述の如くNPGと分離の困難な
トリアルキルアミンに変質し、耐熱色を悪化させるばか
りでなく保存安定性が悪化する。また水素化反応工程へ
のトリアルキルアミン塩の漏洩は、反応率および選択率
を低下させると共に水素化反応触媒の活性を劣化させる
原因にもなる。本発明では水素化反応前に予めトリアル
キルアミン塩を除去したHPAを原料に使用することに
なるので、このようなアミンが混入してくることによる
種々の弊害が一挙に取り除かれることになる。またトリ
アルキルアミン塩を除去したHPAを原料に使用するこ
とにより、水素化反応触媒が長期間、充分なる活性を維
持し得ることの他に、多くの副反応を抑制する効果があ
り、その結果として高収率に、高純度のNPGを製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるNPG製造装置の一例を示すフロ
ー図である。
【符号の説明】
1 アルドール縮合反応器 8 低沸留分分離第1塔 11 アルドール反応液分液槽 14 低沸留分分離第2塔 18 HPA抽出塔 21 HPA分離器 23 トリアルキルアミン回収塔 26 アルカリ塩濃縮器 30 水素化反応原料槽 34 第1水素化塔 38 第1気液分離器 41 第2水素化塔 43 第2気液分離器 46 脱水塔 50 NPG精製塔
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成6年3月24日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項1
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正内容】
【0002】
【従来の技術】塩基性触媒下にIBALとホルムアルデ
ヒドからアルドール縮合反応によってHPAを合成しN
PGを製造する方法には、二つの方法がよく知られてい
る。即ちHPAとホルムアルデヒドとの所謂交叉カニッ
アロ反応でNPGを製造する方法と、HPAを直接に水
素化反応してNPGを製造する方法である。この内で
カニッアロ反応でNPGを製造する方法は、目的物と
等モル量の蟻酸ソーダが副生するため、この蟻酸ソーダ
を有効に利用しない限り、工業的なNPG製造法として
は成立しないと云う欠点を有している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】一方、連続式でアルドール縮合反応を行っ
た場合には反応液は初めから均一である。連続式での反
応温度は仕込みモル比と圧力にもよるが、例えばIBA
L/ホルムアルデヒドのモル比が1.2/1.0で、
0.6 kg/cm2 の加圧下で反応を行った場合には90〜
93℃である。反応形式は反応効率を良くするために2
〜4段程度の多段式連続反応で行うことが望ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】(水素化反応)HPAを主成分とする下層
液 (有機相)を水素化するに際して、有機相 48.0kgの
内 4.8 kg に対してHPA、NPG、H2 O濃度が、各
々おおよそ15、45、40wt%になるように、有機
相にNPG 10.5 kgとH2 O 8.4 kg を添加して水素化
原料を調製した。次に原料液供給導管、水素供給導管及
び外部熱源ヒーターと冷却用ジャケットを兼ね備えた、
内径25mmΦ、塔長600mmの充填層型反応管にて
水素化反応を行った。反応管にCu−Zn−Zr(C
u:Zn=10:2、ZrO2 =46wt%)からなる
触媒200mlを均一に充填し、ここに前記調製の原料
液をLSV=1.0hr-1の流量で供給し、水素の供給
は常時系内分圧が90kg/cm2 になるように水素で
自動調整する方法で行った。但し、LSVは(仕込み原
料液量ml/Hr)/触媒Vol(ml)で表す。また反応温度は1
20℃とし、温度制御は外部熱源ヒーターおよび冷却が
自動的にできるジャケット型の温度制御装置を用いて行
った。このような方法によって4.8日間連続して水素
化反応を行い、23.0 kg の初回の水素化反応液を得た。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】実施例3 実施例1において水素化反応触媒をCu−Cr−Ba触
媒(エンゲルハルト製Cu−1164T)に代えて、L
SV=1.0hr-1、圧力 90kg/cm2、触媒最
高温度120℃とし、連続して水素化反応を行った。他
は実施例1と同様の操作でアルドール縮合反応を6サイ
クル、水素化反応を54サイクルして得た水素化反応生
成液を一つに混合し、組成分析した結果を表8に示す。
また精製蒸留で得たNPGの品質試験結果は表9の通り
であり、何れも高品質であった。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0054
【補正方法】変更
【補正内容】
【0054】実施例4 実施例1におけるアルドール縮合生成液から低沸留分カ
ットし、これに水を添加した後に二相分液して得た下相
液(有機相)48kgに対してメタノール90.9kg
を添加し、HPAが25wt%となるように調製した。
この調製液を原料に実施例1と同様のCu−Zn−Zr
触媒200mlを使用して水素化反応を行った。水素化
反応はLSV=1.2hr-1 で原料液を供給し、水素の
供給は常時系内の水素分圧が40kg/cm2 、触媒最
高温度が120℃なるようにして制御した。水素化反応
生成液の組成分析した結果を表8に示す。水素化反応生
成液を蒸留法で、脱メタノール、脱水および低沸分カッ
トを行った後、NPG精製蒸留を行った。得られたNP
Gの品質試験結果は表9の通りであり、何れも高品質で
あった。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イソブチルアルデヒドとホルムアルデヒド
    をトリアルキルアミン触媒下に反応させて得られたアル
    ドール縮合液を冷却してヒドロピバルアルデヒドを含む
    有機相とトリアルキルアミン塩を含む水相の二相に分離
    し、有機相を水素化反応することを特徴とするネオペン
    チルグリコールの製造法。
  2. 【請求項2】アルドール縮合反応生成液中に存在する低
    沸点留分を留去した後に冷却して二相に分離し、有機相
    を水素化反応する請求項1のネオペンチルグリコールの
    製造法。
  3. 【請求項3】アルドール縮合反応生成液を二相分離して
    得られた水相をイソブチルアルデヒドで抽出してヒドロ
    キシピバルアルデヒドを回収し、該抽出液をアルドール
    縮合反応系に循環する請求項1または請求項2のネオペ
    ンチルグリコールの製造法。
  4. 【請求項4】ヒドロキシピバルアルデヒドを回収した後
    の抽残水相にトリアルキルアミンよりも塩基性度の強い
    アルカリ剤を添加して、アルカリ交換によってアルカリ
    塩とトリアルキルアミンとし、遊離したトリアルキルア
    ミンを蒸留法で回収しアルドール縮合反応系に循環する
    請求項3のネオペンチルグリコールの製造法。
  5. 【請求項5】トリアルキルアミンを回収した後の留残液
    に含有するアルカリ塩を濃縮して、その一部をイソブチ
    ルアルデヒドによる抽出工程に循環する請求項4のネオ
    ペンチルグリコールの製造法。
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