JPH0754044A - 磁気特性が極めて優れた無方向性珪素鋼板の製造方法 - Google Patents
磁気特性が極めて優れた無方向性珪素鋼板の製造方法Info
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- JPH0754044A JPH0754044A JP5205193A JP20519393A JPH0754044A JP H0754044 A JPH0754044 A JP H0754044A JP 5205193 A JP5205193 A JP 5205193A JP 20519393 A JP20519393 A JP 20519393A JP H0754044 A JPH0754044 A JP H0754044A
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Abstract
〜α変態時冷速を≦50℃/sとする)において冷却速度を
確保するための処理及びγ域焼鈍の雰囲気での窒化防止
のために特定元素を添加する。 【構成】 Si≦2.5 %、Al≦1.0 %かつSi+2Al :2.5%
を含有する無方向性電磁鋼板の製造工程で、熱間圧延
時のγ処理、溶鋼を移動更新する冷却体表面により凝
固せしめて鋼帯を製造する場合のγ処理、熱延で得ら
れた熱延鋼帯のγ処理を行い、各場合の溶鋼の段階で S
n, Sb, P, Cr, Ge, Te, As, Ni, Cu, Seのうちの少くと
も1つを、Sn, Sb, Ge, Te, Cuでは0.01〜0.8 %、 P,
As, Seでは0.02〜0.15%、Cr, Niでは0.05〜1.5 %添加
する。 【効果】 上記元素の添加により、γ処理時の窒化を防
止でき、仕上げ焼鈍時の再結晶及び結晶粒成長が充分達
成され、極めて優れた磁束密度と共に鉄損が得られる。
Description
く、鉄損が低い無方向性珪素鋼板(以下無方向性電磁鋼
板という)の製造方法に関するものである。
方向性電磁鋼板に対する品質向上の要求は省エネルギー
の観点から、益々強くなっている。鉄鋼メーカーの側で
もこの要望に応えるべく鋭意その研究開発が進められて
おり、工業的には、JISに規定されている数々のいわ
ゆる低級グレードの無方向性電磁鋼板の製造が行われて
いる。この種のグレードの無方向性電磁鋼板の製造にお
いては、低鉄損を得るためには、高純度鋼の溶製、珪素
の含有量を増加させる、最終焼鈍温度時間を十分に採る
こと等が従来行われてきているが、これらの方法では、
よく知られているように、鉄損は改善されるものの、磁
束密度は、一般に低下する。この解決方法として、いわ
ゆる熱間圧延での自己焼鈍、変態点以下での熱延板焼鈍
等が行われている。しかし、これらの方策を用いて製造
された無方向性電磁鋼板でもってしても、近年益々強く
要求されている、高効率化(省エネルギー化)には限界
があった。
する無方向性電磁鋼板において、最終冷延前の工程でγ
相を生じせしめ、冷却時のγ〜α変態時冷却速度を50
℃/秒以下とすることにより(以後の説明において、本
発明で示すγ〜α変態時の冷却速度を50℃/秒以下に
する処理をγ処理という。)、最終焼鈍後の製品板の集
合組織を制御して、磁束密度が極めて高く、鉄損が良好
な極めて優れた無方向性電磁鋼板が得られることを見出
した。
製造する場合、一般的によく用いられる雰囲気ガスは、
安価な窒素である。窒素は、いわゆる発生期の窒素でな
くても、無方向性電磁鋼板のように、珪素、アルミニウ
ムを多く含有する鋼材では、窒化しやすい。このため、
γ処理により集合組織的に改善され磁束密度は著しく向
上するも、AlN,Si3 N4 ,TiN,BN等の窒化
物を(特に表層部)に形成し、仕上げ焼鈍時の粒成長を
阻害するので、期待するほどの、鉄損の改善が生じない
場合があった。
は、窒素雰囲気においても表面窒化を引き起こすことの
ないγ処理方法を提供するものである。
(1)Si≦2.5重量%、Al≦1.0重量%で且
つ、Si+2Al:2.5重量%以下を含有する珪素鋼
スラブを通常の方法で溶製後、熱延し、1回の冷間圧延
で、所定の板厚とし、この鋼板を仕上げ焼鈍する工程を
経て得られる無方向性珪素鋼板の製造方法において、さ
らに添加元素として、Sn,Sb,P,Cr,Ge,T
e,As,Ni,Cu,Seのうちから選ばれる何れか
1つまたは2つ以上を、Sn,Sb,Ge,Te,Cu
にあっては、0.01〜0.8重量%、P,As,Se
にあっては、0.02〜0.15重量%、Cr,Niに
あっては、0.05〜1.5重量%添加した鋼材を使用
し、熱延でのコイルの巻き取り温度をAr3 以上とし、
その後冷却してα相に変態する時の冷却速度(Ar3か
らAr1 間の平均冷却速度)を50℃/秒以下とするこ
とを特徴とする磁気特性が極めて優れた無方向性珪素鋼
板の製造方法。および(2)Si≦2.5重量%、Al
≦1.0重量%で且つ、Si+2Al:2.5重量%以
下を含有する溶鋼を、移動更新する冷却体表面により凝
固せしめて鋼帯を製造し、次いで前記鋼帯を冷間圧延
で、所定の板厚とし、仕上げ焼鈍する工程を経て得られ
る無方向性珪素鋼板の製造方法において、さらに添加元
素としてSn,Sb,P,Cr,Ge,Te,As,N
i,Cu,Seのうちから選ばれる何れか1つまたは2
つ以上を、Sn,Sb,Ge,Te,Cuにあっては、
0.01〜0.8重量%、P,As,Seにあっては、
0.02〜0.15重量%、Cr,Niにあっては、
0.05〜1.5重量%添加した鋼材を使用し、溶鋼よ
り凝固させ直接に鋼帯を製造する時の冷却過程における
γ→α変態時の冷却速度(Ar3 からAr1 間の平均冷
却速度)を50℃/秒以下とすることを特徴とする磁気
特性が極めて優れた無方向性珪素鋼板の製造方法、であ
り、(3)Si≦2.5重量%、Al≦1.0重量%で
且つ、Si+2Al:2.5重量%以下を含有する珪素
鋼スラブを通常の方法で溶製、熱間圧延して得られた熱
延鋼帯を必要に応じて焼鈍し、1回または、焼鈍を挟ん
で2回以上の冷間圧延で、所定の板厚とし、仕上げ焼鈍
する工程を経て得られる無方向性珪素鋼板の製造方法に
おいて、さらに添加元素としてSn,Sb,P,Cr,
Ge,Te,As,Ni,Cu,Seのうちから選ばれ
る何れか1つまたは2つ以上を、Sn,Sb,Ge,T
e,Cuにあっては、0.01〜0.8重量%、P,A
s,Seにあっては、0.02〜0.15重量%、C
r,Niにあっては、0.05〜1.5重量%添加した
鋼材を使用し、最終冷間圧延の前の熱処理で、γ域まで
加熱し、γ相に変態させ、その後、冷却させてα相に再
変態する時の冷却速度(Ar3 からAr1 間の平均冷却
速度)を50℃/秒以下とすることを特徴とする磁気特
性が極めて優れた無方向性珪素鋼板の製造方法である。
明鋼に通常含有する成分および添加成分について説明す
る。機械特性の向上、磁性、耐錆性等の向上或いは、そ
の他の目的のために、Mn,Ni,Crを1種または2
種以上の含有量を増加させても本発明の効果は本質的に
は損なわれない。
用途は、主に小型回転機であり、特性の安定性の観点か
ら、その使用中に磁気特性の劣化(磁気時効)を起こさ
ないことが要求されるが、このγ処理により、炭化物
は、十分析出凝集するので、磁気時効現象は減少する。
このためには、従来いわれているように極低炭素である
必要はなく0.0500%以下であればよい。 (S)硫黄は、溶製時に不可避的に混入する元素であ
る。0.0100%以下とするのが望ましいのである
が、本発明のγ処理の適用により無害化が可能であり、
0.020%以下であればよい。
では、窒素は、硫黄と同様にその含有量が多いと、熱延
のスラブ加熱時に一部再固溶し、熱延中にAlN等の析
出物を形成し、仕上げ焼鈍時に再結晶粒の成長を妨げた
り製品板磁化時に磁壁移動のピニング効果のため、製品
で、低鉄損が得られなかった。しかし、本発明のγ処理
により、析出物は粗大化し無害化が可能であり、溶鋼段
階では、0.010%以下であればよい。 (Si,Al)Si,Alは、鋼板の固有抵抗を増加さ
せ渦流損を低減するため添加されるが、炭素が0.02
%以下では、Si+Alが2.50%を超えると変態が
なくなるので、2.50%以下とする。
性が悪くなり、またSの無害化のため一般的に添加され
るが、2.0%を超えると磁束密度が著しく劣化するの
で最高2.0%を目安とする。 (B)Bは、Nの無害化のために、添加できる。Nの量
とのバランスが必要であるので最大0.005%とす
る。しかし、γ処理のため、添加の必要性は、少ない。
e,Te,As,Ni,Cu,Se等の粒界偏析元素の
少なくとも1種を添加してγ処理時の窒化防止をする。 (P,As,Se)Pは、鋼板の打ち抜き性を高めるた
めにも添加する。0.2重量%以下であれば、磁気特性
の点では問題がない。しかし、効果とコストの兼ね合い
より、0.02〜0.15重量%とする。また、粒界偏
析元素であるので、吸窒を幾分防止する効果がある。A
s,Seは、0.01重量%未満では、窒化防止効果が
少なく、また、0.15重量%を超えると仕上げ焼鈍時
の粒成長を著しく阻害して、γ処理本来の効果を失わせ
しめる。このため0.02〜0.15重量%とする。
Sb,Ge,Te,Cuは、古くから、粒界偏析元素と
して知られており、薄板鋼材の集合組織制御に用いられ
てきた。しかし、本発明の目的は、γ処理時の窒化防止
のためであり、このためには、0.01〜0.8重量%
の添加が望ましい。0.01重量%より少ないと窒化防
止の効果がなく、0.8重量%より多いとコストが著し
く上昇するし、熱間圧延時の表面疵の原因となる。特
に、Cu疵が有名である。このため、含有量は、0.0
1〜0.8重量%とする。
鋼で含有されるように、表面に濃縮偏在し地金の保護の
効果がある。0.05重量%未満では効果が少ない。
1.5重量%を超えて添加してもγ処理時の窒化防止と
いう本来の目的は達成するが、コストが上昇するし、防
錆性無方向性電磁鋼板という他の目的材となる。このた
め、本発明では0.05〜1.5重量%とする。
熱間圧延時の場合について述べる。従来から、相変態を
有する無方向性電磁鋼(以下変態鋼と略す)の熱延条件
を制御することにより、熱延後の熱延板焼鈍がある場合
とない場合では、個別に熱延板の粒サイズを制御してい
たが、熱延仕上げ後に高温で巻き取りγ→α変態をさせ
ることは、今まで返り見られなかった。その理由は、冷
却時に変態(γ→α)させることにより、結晶粒の方位
がランダムになり、熱延板の結晶粒サイズが小さくなる
ため磁性の改善には適していないと考えられていたため
である。しかし、本発明者らが、鋭意研究をしたとこ
ろ、Ar3 点以上の高温で巻き取り、この変態通過時の
冷却速度を制御することにより、理由は明確ではない
が、最終製品板での集合組織が改善されることを発見し
た。このため、最終焼鈍時の焼鈍条件を従来より温度が
高く、時間を長くして粒成長をさせて鉄損を改善して
も、磁束密度が下がらず鉄損が改善される。また、γ処
理では、高温巻き取り後の冷却速度が遅いため、α相で
の溶解度が小さい不純物の析出が充分行われ凝集し、最
終焼鈍時の結晶粒成長が妨げられなくなり(不純物の無
害化)従来の条件で最終焼鈍しても鉄損も低く磁束密度
も高い無方向性電磁鋼が得られる場合が多い。
延で行われるので、変態点(Ar3)の低い材料が好ま
れるが、変態温度(Ar3 )が高い場合は、熱延仕上げ
スタンドの直後に巻き取り装置(リール)を設置するこ
とにより実現できる。ただし、平均冷却速度50℃/秒
以下を実現するためには、巻き取り後に保温カバーを設
置したり、弱い加熱装置を設置することによって達成で
きる。この場合、後工程の酸洗性を改善するため、カバ
ー内に、窒素等のガスを注入する。保定温度時間は、γ
相となる温度(Ar3 以上)であるが、これは、鋼の成
分で異なる。実際の条件は、Ar3 点+50℃以上で9
0秒程度で充分である。また、冷却速度の実際は、Ar
3 点からAr1 範囲を平均50℃/秒以下で冷却すれば
充分である。この時の窒化防止のために、添加元素すな
わちP,As,Se,Sn,Sb,Ge,Te,Cn,
Cr,Niの少なくとも1種を含有させたものである。
また、連続熱間圧延法のみでなく、可逆熱間圧延法(例
えばステッケルミルを用いる熱間圧延)でも、上記熱履
歴を確保できれば、γ処理は可能である。
しめる場合について述べる。従来から変態鋼の熱延板等
を、再加熱により変態させると、結晶粒の方位がランダ
ムになり、冷却変態時(γ→α)に結晶粒サイズが小さ
くなるため磁性の改善には適していないといわれ返り見
られなかった。また、このことは、直接溶鋼から鋼帯を
製造する場合も同様であった。しかし、本発明者らが、
鋭意研究をしたところ、この変態通過時の冷却速度を制
御することにより、理由は定かでないが、最終製品板で
の集合組織が著しく改善されることを見出した。このた
め、最終焼鈍時の焼鈍条件を従来より温度が高く、時間
を長くして粒成長をさせて鉄損を改善しても、磁束密度
が下がらず鉄損が改善される。また、先に記したがこの
場合のγ処理では冷却速度が遅いため、α相での溶解度
が小さい不純物の析出が充分行われ、最終焼鈍時の結晶
粒成長を妨げなくなり(不純物の無害化)従来の条件で
最終焼鈍しても鉄損も低く磁束密度も高い無方向性電磁
鋼板が得られる。すなわち本発明が移動更新する冷却体
表面に溶鋼を凝固させる方法を採用する場合には、この
γ処理は、直接溶鋼より得られる鋼帯(3.5〜0.5
mm)の冷却速度を制御するものであり、鋼帯がAr3 か
らAr1 間を徐冷する手段としては、前記した場合と同
様に加熱装置の設置、保温装置の設置、またはAr3 +
50℃以上の高温で巻き取り保温する方法等が考えられ
る。この時の雰囲気ガスに窒素を使う場合の窒化防止の
ために、本発明では添加元素が役立つものである。
加熱して制御冷却をすることもコスト的な不利はある
が、技術的には可能である。
最終冷間圧延前の焼鈍時の場合について述べる。前記し
たように、変態鋼の熱延板等に変態通過時の冷却速度を
制御する処理をすることにより、最終焼鈍時の焼鈍条件
を従来より温度が高く、時間を長くして粒成長をさせた
り、従来の条件で最終焼鈍しても鉄損も低く磁束密度も
高い無方向性電磁鋼が得られる。本発明において、この
γ処理を最終冷間圧延前の焼鈍工程で実施することによ
りこのような優れた特性付与が達成できる。このγ処理
は、連続焼鈍炉で行われてもよいし、箱型焼鈍炉のどち
らで行われてもよい。連続焼鈍炉でγ処理を行う場合
は、平均冷却速度を50℃/秒以下を実現するために
は、例えば特開昭57−198214号公報で規定され
ている、高磁束密度一方向性電磁鋼板の焼鈍条件(以下
二段均熱という)を適用してもよい。均熱条件は、γ相
とする温度(Ac3 以上)であるが、これは、鋼の成分
で異なる。実際の焼鈍条件は、Ac3 点+50℃以上で
90秒で充分である。また、冷却速度の実際は、Ar3
点からAr1 範囲を平均50℃/秒以下で冷却すれば充
分である。この時の雰囲気ガスに窒素を使う場合の窒化
防止のために、本発明の添加元素が役立つものである。
からの冷却速度を規定するものであるが、γ域での窒素
の固溶度が大きく、冷却速度がかなり遅いため、さらに
無方向性電磁鋼板では、珪素、アルミニウムを多く含有
しているので、いわゆる発生期の窒素でなくでも、液化
窒素でもかなり容易に窒化される。そして、AlN,S
i3 N4 ,TiN,BN等の窒化物を特に表層部に形成
し、仕上げ焼鈍時の粒成長を阻害するので、期待するほ
どの、鉄損の改善が生じない場合があった。発明者ら
は、鋭意研究開発を行い、Sn,Sb,P,Cr,G
e,Te,As,Ni,Cu,Seの如くの粒界偏析元
素を添加して、これらの元素の界面(表面)偏析により
窒化防止層を形成せしめ、γ処理時の窒化防止に成功し
たものである。
不可避的不純物からなる珪素スラブ)を通常の方法で加
熱し、熱延で2.5mm厚とし、1050〜950℃で熱
延を終了し、1000〜900℃で巻き取り、便宜的に
1000〜850℃間の平均冷却速度を 500℃/秒(常温水に焼き入れ) 50℃/秒(強制空冷) 10℃/秒(空冷) 1℃/秒(保温カバー使用) 0.07℃/秒(保温カバー内で弱く加熱) の各冷却速度で冷却した。その後、酸洗を施し、0.5
0mmの厚みに冷間圧延をした。冷間圧延された鋼板を脱
脂し、連続焼鈍炉にて、850℃(材料1,2)および
800℃(材料3,4)で30秒焼鈍した。その後、磁
気特性(L+Cの平均)を測定した。これらの値を表2
に示す。表3は比較法(前記1000〜850℃間のγ
→α変態点における冷却調整なし)であるa)熱延板焼
鈍なし、b)熱延800℃巻き取り後2時間保定の自己
焼鈍材、c)a)材を925℃で150秒の連続熱延板
焼鈍した材料の測定値を比較のために示した。
理条件、最終焼鈍条件が、同じにも関わらず、Sn,S
b,P,Cr,Asの添加により窒化が抑制され磁束密
度、鉄損ともに優れた無方向性電磁鋼板の製造が可能で
ある。また、材料1と2について熱延後1000〜85
0℃の平均冷却速度0.07℃/秒を採用したものの最
終焼鈍後の金属組織の写真の例を図1(a),(b)に
示す。Sbの添加により、結晶粒サイズ特に、表面層の
結晶粒サイズに著しい差異が生じていることがわかる。
Feおよび不可避的不純物からなる珪素スラブ)を移動
更新する冷却体表面にて凝固せしめて、直接2.5mmの
鋼帯を得たが、Ar3 +50℃からAr1 −50℃間を
次の条件で冷却した。平均冷却速度を 500℃/秒(常温水を掛けて冷却) 50℃/秒(空冷) 10℃/秒(巻き取らず冷却時に保温カバー使用) 1℃/秒(Ar3 +50℃以上で巻き取りそのま
ま冷却) 0.07℃/秒(Ar3 +50℃以上で巻き取り保温
カバーを掛けて冷却)
冷間圧延をした。冷間圧延された鋼板を脱脂し、連続焼
鈍炉にて、850℃(材料1,2)および800℃(材
料3,4)で30秒焼鈍した。その後、磁気特性(L+
Cの平均)を測定した。これらの値を表5に示した。表
6は表3と同様の比較法であるa)熱延板焼鈍なし、
b)熱延800℃巻き取り後2時間保定のいわゆる自己
焼鈍材、c)a)材を925℃で150秒の連続熱延板
焼鈍した材料の測定値を示す。
理条件、最終焼鈍条件が、同じにも関わらず、P,C
r,Te,Ni,Cu,Seの添加により、磁束密度、
鉄損ともに優れた無方向性電磁鋼板の製造が可能であ
る。また、材料1と2について鋳造後Ar3 +50℃か
らAr1 −50℃の平均冷却速度1.0℃/秒を採用し
たものの最終焼鈍後の金属組織写真を図2(a),
(b)に示す。γ処理条件、最終焼鈍条件が、同じにも
関わらずCrの添加により、結晶粒サイズ、特に表面層
の結晶粒サイズに著しい差異が生じている。
部Feおよび不可避的不純物からなる珪素スラブ)を通
常の方法で加熱し、2.5mm厚とし次いで、 条件1)熱延板焼鈍を連続的に1100℃で2分間行
い、便宜的に1000〜850℃間の平均冷却速度を 500℃/秒(常温水に焼き入れ) 50℃/秒(空冷) 10℃/秒(二段均熱) 1℃/秒(二段均熱) の各冷却速度で冷却した。 条件2)箱焼鈍で1100℃10分焼鈍後、切電後炉
中冷却した。この場合冷却速度は、0.07℃/秒であ
った。その後、酸洗を施し、0.50mmの厚みに冷間圧
延をした。冷間圧延された鋼板を脱脂し、連続焼鈍炉に
て、850℃(材料1,2)および800℃(材料3,
4)で30秒焼鈍した。その後、磁気特性(L+Cの平
均)を測定した。これらの値を表8に示した。表9は表
3と同様に比較法であるa)熱延板焼鈍なし、b)熱延
800℃巻き取り後2時間保定のいわゆる自己焼鈍材、
c)a)材を925℃で150秒の連続熱延板焼鈍した
材料の測定値を比較のために示した。
理条件、最終焼鈍条件が、同じにも関わらず、Sn,S
b,P,Cr,Ge,Teの添加により、磁束密度、鉄
損ともに優れた無方向性電磁鋼板の製造が可能である。
また、材料1と2について1000〜850℃の平均冷
却速度10℃/秒を採用した場合の最終焼鈍後の金属組
織写真を図3(a),(b)に示す。γ処理条件、最終
焼鈍条件が、同じにも関らずGeの添加により、結晶粒
サイズ特に、表面層の結晶粒サイズに著しい差異が生じ
ている。
γ処理時の窒化を防止することにより、磁束密度および
鉄損の極めて優れた無方向性電磁鋼板を得ることができ
る。
材料2について、熱延巻き取り時のγ処理した製品の金
属組織を示す顕微鏡写真。
材料2について、移動更新する冷却体表面により急冷さ
れた材料の凝固直後の冷却過程でγ処理した製品の金属
組織を示す顕微鏡写真。
材料2について、最終冷延前の熱処理の冷却過程でのγ
処理した製品の金属組織を示す顕微鏡写真。
Claims (3)
- 【請求項1】 Si≦2.5重量%、Al≦1.0重量
%で且つ、Si+2Al:2.5重量%以下を含有する
珪素鋼スラブを通常の方法で溶製後、熱延し、1回の冷
間圧延で、所定の板厚とし、この鋼板を仕上げ焼鈍する
工程を経て得られる無方向性珪素鋼板の製造方法におい
て、さらに添加元素として、Sn,Sb,P,Cr,G
e,Te,As,Ni,Cu,Seのうちから選ばれる
何れか1つまたは2つ以上を、Sn,Sb,Ge,T
e,Cuにあっては、0.01〜0.8重量%、P,A
s,Seにあっては、0.02〜0.15重量%、C
r,Niにあっては、0.05〜1.5重量%添加し、
熱延でのコイルの巻き取り温度をAr3 以上とし、その
後冷却してα相に変態する時の冷却速度(Ar3 からA
r1 間の平均冷却速度)を50℃/秒以下とすることを
特徴とする磁気特性が極めて優れた無方向性珪素鋼板の
製造方法。 - 【請求項2】 Si≦2.5重量%、Al≦1.0重量
%で且つ、Si+2Al:2.5重量%以下を含有する
溶鋼を、移動更新する冷却体表面により凝固せしめて鋼
帯を製造し、次いで前記鋼帯を冷間圧延で、所定の板厚
とし、仕上げ焼鈍する工程を経て得られる無方向性珪素
鋼板の製造方法において、さらに添加元素としてSn,
Sb,P,Cr,Ge,Te,As,Ni,Cu,Se
のうちから選ばれる何れか1つまたは2つ以上を、S
n,Sb,Ge,Te,Cuにあっては、0.01〜
0.8重量%、P,As,Seにあっては、0.02〜
0.15重量%、Cr,Niにあっては、0.05〜
1.5重量%添加し、溶鋼より凝固させ直接に鋼帯を製
造する時の冷却過程におけるγ→α変態時の冷却速度
(Ar3 からAr1 間の平均冷却速度)を50℃/秒以
下とすることを特徴とする磁気特性が極めて優れた無方
向性珪素鋼板の製造方法。 - 【請求項3】 Si≦2.5重量%、Al≦1.0重量
%で且つ、Si+2Al:2.5重量%以下を含有する
珪素鋼スラブを通常の方法で溶製、熱間圧延して得られ
た熱延鋼帯を必要に応じて焼鈍し、1回または、焼鈍を
挟んで2回以上の冷間圧延で、所定の板厚とし、仕上げ
焼鈍する工程を経て得られる無方向性珪素鋼板の製造方
法において、さらに添加元素としてSn,Sb,P,C
r,Ge,Te,As,Ni,Cu,Seのうちから選
ばれる何れか1つまたは2つ以上を、Sn,Sb,G
e,Te,Cuにあっては、0.01〜0.8重量%、
P,As,Seにあっては、0.02〜0.15重量
%、Cr,Niにあっては、0.05〜1.5重量%添
加し、最終冷間圧延の前の熱処理で、γ域まで加熱し、
γ相に変態させ、その後、冷却させてα相に再変態する
時の冷却速度(Ar3からAr1 間の平均冷却速度)を
50℃/秒以下とすることを特徴とする磁気特性が極め
て優れた無方向性珪素鋼板の製造方法。
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JP20519393A JP3387980B2 (ja) | 1993-08-19 | 1993-08-19 | 磁気特性が極めて優れた無方向性珪素鋼板の製造方法 |
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