JPH0733681A - 経皮吸収貼付剤 - Google Patents

経皮吸収貼付剤

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JPH0733681A
JPH0733681A JP30646093A JP30646093A JPH0733681A JP H0733681 A JPH0733681 A JP H0733681A JP 30646093 A JP30646093 A JP 30646093A JP 30646093 A JP30646093 A JP 30646093A JP H0733681 A JPH0733681 A JP H0733681A
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acid
drug
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pressure
transdermal
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JP30646093A
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Michiari Hashimoto
通有 橋本
Masato Azuma
正人 東
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】長期間均一に、モルヒネの酸付加塩を角質を有
する皮膚を通して供給することのできる、徐放性に優れ
た経皮吸収貼付剤を提供することにある。 【構成】支持体の片面に、粘着剤、モルヒネの酸付加塩
および経皮吸収促進剤〔logP値(疎水性を示す指数で
あり、式中、Pは、オクタノ−ル/水系における分配係
数を表す)−0.5〜2.0の有機化合物〕からなる粘
着剤層が積層された経皮吸収促進剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は経皮吸収貼付剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】モルヒネの酸付加塩、例えば、塩酸モル
ヒネは、鎮痛、鎮咳、止寫作用等の薬効を有する薬物で
あり、従来、経口剤、注射剤、坐剤等の剤型で患者に投
与されていた。しかし、経口剤には薬効が長時間持続し
ないという欠点があり、注射剤には投与そのものが患者
に苦痛を与えるという欠点がある。一方、坐剤は、経口
剤および注射剤の有する上記欠点を改善するものの、そ
の改善効果は十分ではない。また、坐剤には投与経路に
起因する患者の不快感が大きいという欠点ある。
【0003】近年、上記欠点の解消を目的として、塩酸
モルヒネを経皮吸収させる研究が種々行われており、例
えば、l−メント−ル/エタノ−ル/水の三成分系溶媒
に塩酸モルヒネを溶解させた経皮吸収製剤が報告されて
いる(日本薬剤学会第6年会講演要旨集、同学会第7年
会講演要旨集、第6回経皮吸収型製剤シンポジウム講演
抄録)。しかし、上記液剤を皮膚に塗布してもすぐに乾
燥してしまうため、長期間均一にモルヒネを経皮吸収さ
せて人体に供給することはできなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点に鑑
みてなされたものであって、その目的とするところは、
モルヒネの酸付加塩を長期間均一に供給することができ
る経皮吸収製貼付剤を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明で使用される支持
体としては、薬物が不透過又は難透過性のものであって
柔軟なものが好ましく、例えば、酢酸セルロース、エチ
ルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニル、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレ
タン、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブ
チレンテレフタレート、エチレン−酢酸ビニル−一酸化
炭素共重合体、エチレン−ブチルアクリレート−一酸化
炭素共重合体等の樹脂フィルム、アルミニウムシート等
が使用され、これらの積層シートであってもよく、織布
や不織布と積層されてもよい。
【0006】本発明で使用される粘着剤層は、粘着剤、
モルヒネの酸付加塩(薬物)および有機化合物(経皮吸
収促進剤)からなる。上記粘着剤としては、薬学的に許
容し得るものであればよく、例えば,アクリル系粘着
剤、ゴム系粘着剤等の常温で感圧性を有するものが好適
に使用される。
【0007】上記アクリル系粘着剤とは、アルキル(メ
タ)アクリレートの重合体を主体とする粘着剤であっ
て、アルキル(メタ)アクリレートと共重合可能な官能
性モノマー、多官能性モノマー、ビニル化合物等との共
重合体であってもよい。
【0008】上記アルキル(メタ)アクリレートとして
は、アルキル基の炭素数が少なくなると凝集力は向上す
るが粘着力が低下し、多くなると粘着力は向上するが凝
集力が低下するので、炭素数2〜18のものが好まし
く、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソ
ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリ
レート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オ
クチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)ア
クリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル
(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ステアリル(メタ)アクリレート等があげられる。
【0009】上記官能性モノマーとしては、例えば、
(メタ)アクリル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレ
ート、ブチルマレート、マレイン酸、無水マレイン酸、
フマル酸、クロトン酸等があげられ、その含有量は、多
くなると凝集力は向上するが粘着力が低下するので、粘
着剤中20重量%以下が好ましく、より好ましくは1〜
10重量%である。
【0010】上記多官能性モノマーとしては、例えば、
1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、テトラ
エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプ
ロパントリアクリレート、ジビニルベンゼン、ジビニル
トルエン、ジアリルフタレート、ジアリルマレート、ジ
アリルアジペート、ジアリルグリコレート、トリアリル
イソシアヌレート、ジエチレングリコールビスアリルカ
ーボネート等があげられ、その含有量は、少なくなると
凝集力向上効果が殆どなく、多くなると凝集力は向上す
るが粘着力が低下するので、粘着剤中0.005〜0.
5重量%が好ましい。
【0011】上記ビニル化合物としては、例えば、エチ
レン、塩化ビニル、プロピレン、アクリロニトリル、N
−ビニル−2−ピロリドン、酢酸ビニル、スチレン、α
−メチルスチレン、ブタジエン等があげられ、その含有
量は、多くなると凝集力は向上するが粘着力が低下する
ので、粘着剤中50重量%以下が好ましく、より好まし
くは40重量%以下である。
【0012】上記アクリル系粘着剤としては、例えば、
2−エチルヘキシルアクリレート55〜89.5重量
%、N−ビニル−2−ピロリドン10〜45重量%およ
び多官能性モノマー0.005〜0.5重量%の共重合
体が好適に使用される。さらに、上記アクリル系粘着剤
に、粘着付与剤、充填剤等が薬学的許容範囲内で添加さ
れても良い。
【0013】前記ゴム系粘着剤とは、ゴム弾性体を主体
とする粘着剤であって、一般に粘着付与剤が添加されて
なり、軟化剤等が適宜添加されてもよい。上記ゴム弾性
体としては、例えば、シス−1,4−イソプレン、トラ
ンス−1,4−イソプレン、ポリイソブチレン、ポリブ
タジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−
イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン
ブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体、スチレン−オレフィン−スチレンブロ
ック共重合体、スチレン−イソプレン−ブチレンブロッ
ク共重合体、ポリビニルエーテル、ポリウレタン、シリ
コンゴム等があげられる。
【0014】上記粘着付与剤としては、例えば、ロジ
ン、水添ロジン、不均化ロジン、ロジンエステル、テル
ペン樹脂、テルペンフェノール樹脂、石油系樹脂、アル
キル−フェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、
クマロン−インデン樹脂等があげられる。
【0015】上記軟化剤としては、例えば、プロセスオ
イル、パーム油、アーモンド油、オリーブ油、ツバキ
油、パーシック油、ラッカセイ油、ゴマ油、大豆油、ミ
ンク油、綿実油、トウモロコシ油、サフラワー油、ヤシ
油、ヒマシ油等のオイル、ポリブテン、液状イソブチレ
ン、液状ポリアクリレート、蜜蝋、カルナバロウ、ラノ
リン等があげられる。
【0016】前記モルヒネの酸付加塩(薬物)として
は、例えば、塩酸モルヒネ、硫酸モルヒネ等があげら
れ、その添加量は、少なくなると薬効が低下し、多くな
ると粘着剤の粘着力が低下するので、前記粘着剤100
重量部に対して0.1〜40重量部が好ましい。
【0017】前記有機化合物(経皮吸収促進剤)は、そ
の logP値(疎水性を示す指数であり、式中、Pは、オ
クタノ−ル/水系における分配係数を表す)が小さくな
っても大きくなっても薬物の経皮吸収促進効果が低下す
るので、その値は−0.5〜2.0に限定される。な
お、上記 logP値は、小さいと親水性を示し、大きいと
親油性を示すものであり、計算によって求められる。
(EUR.J.MED.CHEM.-CHIMICA.THERAPEUTICA,JULY-AUGUS
T,1974-9,No4,p361-375参照。)上記有機化合物の添加
量は、少なくなると薬物の経皮吸収促進効果が低下し、
多くなると粘着剤との相溶性が悪くなり粘着剤の粘着力
が低下するので、前記粘着剤100重量部に対して0.
1〜15重量部が好ましい。
【0018】請求項2に記載の経皮吸収貼付剤は、前記
有機化合物(経皮吸収促進剤)として、ポリオキシエチ
レンラウリルエ−テル、ポリオキシエチレンセチルエ−
テル、脂肪族アルコ−ルおよび脂肪族モノカルボン酸よ
りなる群から選ばれる少なくとも1種の有機化合物を使
用したものであり、これらは単独で使用されてもよい
し、併用されてもよく、その添加量は、少なくなると薬
物の経皮吸収促進効果が低下し、多くなると粘着剤との
相溶性が悪くなり粘着剤の粘着力が低下するので、前記
粘着剤100重量部に対して0.1〜15重量部が好ま
しい。
【0019】上記ポリオキシエチレンラウリルエ−テル
としては、分子中のオキシエチレン鎖数が少なくなって
も多くなっても薬物の経皮吸収促進効果が低下するの
で、オキシエチレン鎖数6〜12に限定される。
【0020】上記ポリオキシエチレンセチルエ−テルと
しては、分子中のオキシエチレン鎖数が少なくなっても
多くなっても薬物の経皮吸収促進効果が低下するので、
オキシエチレン鎖数14〜16に限定される。
【0021】上記脂肪族アルコ−ルとしては、炭素数が
少なくなっても多くなっても薬物の経皮吸収促進効果が
低下するので、炭素数4〜6に限定され、上記脂肪族ア
ルコ−ルとしては、例えば、ブチルアルコ−ル、イソブ
チルアルコ−ル、t−ブチルアルコ−ル、ペンチルアル
コ−ル、イソペンチルアルコ−ル、ヘキシルアルコ−ル
等があげられる。
【0022】上記脂肪族モノカルボン酸としては、炭素
数が少なくなっても多くなっても薬物の経皮吸収促進効
果が低下するので、炭素数2〜5に限定され、上記脂肪
族モノカルボン酸としては、例えば、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、吉草酸等があげられる。
【0023】請求項3に記載の経皮吸収貼付剤は、上記
請求項1に記載の粘着剤層に、さらに、ヒドロキシカル
ボン酸およびジカルボン酸のうち少なくともいづれか一
方の経皮吸収促進剤が添加されたものである。上記ヒド
ロキシカルボン酸およびジカルボン酸のとしては、炭素
数が多くなると薬物の経皮吸収促進効果が低下するの
で、炭素数2〜8に限定され、上記オキシカルボン酸と
しては、例えば、乳酸、グリセリン酸、酒石酸、クエン
酸等があげられ、特に乳酸が好適に使用される。
【0024】また、上記ジカルボン酸としては、例え
ば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジ
ピン酸、ピメリン酸、スベリン酸等の飽和脂肪族直鎖ジ
カルボン酸、フマル酸、マレイン酸等の不飽和脂肪族直
鎖ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル
酸等の芳香族ジカルボン酸、リンゴ酸等があげられる。
【0025】上記経皮吸収促進剤の添加量は、少なくな
ると薬物の経皮吸収促進効果が低下し、多くなると粘着
剤との相溶性が悪くなり粘着剤の粘着力が低下するの
で、前記粘着剤100重量部に対して0.1〜15重量
部が好ましい。
【0026】本発明で使用される粘着剤層の厚さは、特
に限定されるものではないが、薄くなると薬物を多量に
添加しないと薬効が得られず、粘着剤の粘着力が低下
し、厚くなると粘着剤層中の薬物が有効に利用されなく
なり、コストが上昇するだけでで性能は向上しないの
で、20〜200μmの厚さが好ましく、より好ましく
は30〜100μmである。
【0027】本発明の経皮吸収貼付剤の構成は上述の通
りであり、その製造方法は任意の方法が採用されてよ
く、例えば、溶剤系、エマルジョン系等の粘着剤と、薬
物および経皮吸収促進剤を混合し、支持体上に塗布、乾
燥する方法、剥離紙上に塗布、乾燥した後、支持体上に
転写する方法、ホットメルト系粘着剤と、薬物および経
皮吸収促進剤を混合し、支持体上に塗布、乾燥する方法
等があげられる。
【0028】モルヒネの酸付加塩(薬物)は、比較的不
安定な化合物であり、特に、酸素と共存していると経時
的に分解してしまうので、本発明の経皮吸収貼付剤を保
存する際には、酸素を遮断したり、脱酸素剤と共に保存
するのが好ましい。したがって、酸素透過度の小さいフ
ィルム、特に酸素透過度が100cm3/m3 ・atm・
24hrs(25℃)以下、より好ましくは20cm3/
3 ・atm・24hrs(25℃)以下のフィルムで
包装するのが好ましく、このフィルムとしては、例え
ば、アルミニウムシ−ト、表面がポリエチレン、ポリエ
チレンテレフタレ−ト等で覆われたアルミニウムシ−
ト、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリ塩化ビニリデン
−ポリエチレン積層フィルム等があげられ、バリアロン
−CX(旭化成工業社製)、ペアフレックス(呉羽化学
工業社製)、ケイフレックス(呉羽化学工業社製)、ボ
ブロン(日合フィルム社製)、エンブラ−OV(ユニチ
カ社製)、レイファンNO(東レ合成フィルム)等の名
称で市販されている。
【0029】上記脱酸素剤は、酸素を吸着、吸収または
除去しうるものであって、従来公知の任意のものが使用
可能であり、例えば、活性酸化鉄、ハイドロサルファイ
ト(亜二チオン酸ナトリウム)、アスコルビン酸、ブチ
ルヒドロキシトルエン等の粉状物、粒状物、タブレット
状物等があげられ、エ−ジレスZ−20(三菱ガス化学
社製)、鮮度保持剤F(凸版印刷社製)等の名称で市販
されている。
【0030】
【実施例】次に、本発明の実施例を説明する。なお、以
下「部」とあるのは「重量部」を意味する。 (粘着剤A、Bの合成)表1に示した所定量のモノマー
及び酢酸エチル400.0部を攪拌装置及び冷却装置付
きセパラブルフラスコに供給し、攪拌及び窒素置換しな
がら60℃に昇温した。過酸化ラウロイル2.0部をシ
クロヘキサン100.0部に溶解した溶液を10分割
し、その1をセパラブルフラスコに添加して重合を開始
した。その後残部の9を1時間毎に1づつ添加すると共
に、酢酸エチル240.0部を徐々に添加して12時間
重合反応させた。反応終了後冷却し、固形分濃度が35
重量%になるように酢酸エチルを添加した。
【0031】
【表1】
【0032】実施例1〜28、比較例1〜10 表2、表3および表4に示した、粘着剤100部、所定
量の塩酸モルヒネおよび経皮吸収促進剤をディゾルバー
に供給し、固形分濃度が30重量%となるように酢酸エ
チルを加えて全体を均一に混合した。得られた混合液を
シリコン処理されたポリエチレンテレフタレートフイル
ム(厚さ48μm)上に塗布後、乾燥して厚さ80μm
の粘着剤層を形成し、次いで厚さ38μmのポリエチレ
ンテレフタレート−エチレン・酢酸ビニル共重合体積層
フイルムのエチレン・酢酸ビニル共重合体層上に転写し
て経皮吸収貼付剤を得た。
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】皮膚透過量試験 実施例1〜28および比較例1〜10で得られた貼付剤
を用い、図1に示した拡散セル1により、皮膚透過量
(μg)を測定した。拡散セル1は、有底円筒状のレセ
プター槽2と、同槽2の上に配置された有底円筒状のド
ナー槽3から形成されている。ドナー槽3の底壁中央部
には開口部4が設けられており、底壁は周囲方向に延設
されフランジ5が設けられている。レセプター槽2の上
部にはフランジ6が設けられ、側壁には側方に突出した
サンプリング口7が取り付けられている。フランジ5と
フランジ6が対向して重ね合わされ、ドナ−槽3とレセ
プター槽2が気密状かつ同心状に積み重ねられている。
また、レセプター槽2の内部にはマグネット攪拌子9が
入れてある。
【0037】ヘアレスマウス(6週齢、雄)を頸椎脱臼
により屠殺した後、直ちに背部皮膚を剥離し、皮下脂肪
と筋層を除去して約5cm×5cmの皮膚片8を得た。
得られた皮膚片8を拡散セル1のフランジ5とフランジ
6との間に挟着し、ドナー層3の開口部4を皮膚片8で
完全に閉じた。得られた経皮吸収貼付剤10を円形
(3.14cm2 )に切断し、粘着剤層が皮膚片8に接
するように皮膚片8の中央部に貼付した。
【0038】レセプター層2にはレセプター溶液を満た
し、温度37℃に保持された恒温槽内に設置し、マグネ
ット攪拌装置によりマグネット攪拌子9を回転させて攪
拌した。試験開始後24時間に、サンプリング口7から
レセプター液1mlを採取し、採取したレセプター液中
の薬物量を高速クロマトグラフィにより測定した。レセ
プター液の採取に際しては、採取後レセプター液を補充
した。また、試験はn=2で行い、平均値を計算した。
結果を表5に示した。
【0039】なお、レセプター液は、NaH2PO4 5×10-4
mol 、Na2HPO4 2×10-4mol 、NaCl1.5×10-1mol 及び
ゲンタマイシン 10mg を蒸留水500ml に溶かし、NaOHの
0.1N水溶液でPH7.2 に調製した後、蒸留水を加えて100
0mlとすることにより調製した。
【0040】
【表5】
【0041】保存性試験 保存条件1;アルミニウムフィルム(厚さ9μm)の一
面にポリエチレンテレフタレ−トフィルム(厚さ12μ
m)とポリエチレンフィルム(厚さ12μm)が積層さ
れ、他面にポリエチレンフィルム(厚さ40μm)が積
層された積層フィルム(10cm角)のポリエチレンフ
ィルムを対向させ、ヒ−トシ−ルにより、経皮吸収貼付
剤および脱酸素剤(三菱ガス化学社製、エ−ジレスZ−
20、酸素吸収能力20cm3 )1個を封入する。 保存条件2;保存条件1と同様にして経皮吸収貼付剤の
みを封入する。 保存条件3;保存条件1と同様にして経皮吸収貼付剤と
シリカゲル2.5gを封入する。 実施例1〜28で得られた9cm角の貼付剤を上記条件
で包装して、60℃にて1ヶ月保存した後、包材中より
取り出し、各貼付剤における粘着剤層の着色度合いを目
視で観察した。得られた結果は、下記に示した通りであ
った。
【0042】保存条件1;実施例1〜28で得られたす
べての貼付剤について着色なし 保存条件2;実施例1〜28で得られたすべての貼付剤
について黄変 保存条件3;実施例1〜28で得られたすべての貼付剤
について黄変
【0043】
【発明の効果】本発明の経皮吸収製剤の構成は上述の通
りであり、経皮吸収促進剤として特定の有機化合物〔 l
ogP値(疎水性を示す指数であり、式中、Pは、オクタ
ノ−ル/水系における分配係数を表す)−0.5〜2.
0〕を用いるから、長期間均一にモルヒネの酸付加塩を
角質を有する皮膚を通して供給することができる。
【0044】従って、本発明の経皮吸収製剤は、疼痛、
咳、下痢等の症状を呈している患者に対して有効に適用
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】拡散セルを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 拡散セル 2 レセプター槽 3 ドナー槽 4 開口部 5、6 フランジ 7 サンプリング口 8 皮膚片 9 マグネット攪拌子 10 経皮吸収貼付剤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体層の一面に、粘着剤、薬物および経
    皮吸収促進剤からなる粘着剤層が積層されてなる経皮吸
    収貼付剤であって、上記薬物がモルヒネの酸付加塩であ
    り、上記経皮吸収促進剤が、 logP値(疎水性を示す指
    数であり、式中、Pは、オクタノ−ル/水系における分
    配係数を表す)−0.5〜2.0の有機化合物であるこ
    とを特徴とする経皮吸収貼付剤。
  2. 【請求項2】上記経皮吸収促進剤が、オキシエチレン鎖
    数6〜12のポリオキシエチレンラウリルエ−テル、オ
    キシエチレン鎖数14〜16のポリオキシエチレンセチ
    ルエ−テル、炭素数4〜6の脂肪族アルコ−ルおよび炭
    素数2〜5の脂肪族モノカルボン酸よりなる群から選ば
    れる少なくとも1種の有機化合物である請求項1記載の
    経皮吸収貼付剤。
  3. 【請求項3】粘着剤層に、さらに、炭素数2〜8の、ヒ
    ドロキシカルボン酸およびジカルボン酸のうち少なくと
    もいづれか一方の経皮吸収促進剤が添加されてなる請求
    項1記載の経皮吸収貼付剤。
JP30646093A 1993-05-18 1993-12-07 経皮吸収貼付剤 Pending JPH0733681A (ja)

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