JPH07172059A - 穿孔転写型記録材料及び記録方法 - Google Patents

穿孔転写型記録材料及び記録方法

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JPH07172059A
JPH07172059A JP6235470A JP23547094A JPH07172059A JP H07172059 A JPH07172059 A JP H07172059A JP 6235470 A JP6235470 A JP 6235470A JP 23547094 A JP23547094 A JP 23547094A JP H07172059 A JPH07172059 A JP H07172059A
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layer
group
color material
chemical
atom
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JP6235470A
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English (en)
Inventor
Sota Kawakami
壮太 川上
Atsushi Nakajima
厚志 仲島
Katsumi Maejima
勝己 前島
Tawara Komamura
大和良 駒村
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高濃度で画像保存性に優れ、取扱い性が簡便
な画像記録材料とその作成方法ならびに記録方法を提供
する。 【構成】 支持体上に少なくとも色材層と色材バリヤー
層を有する記録材料の該色材バリヤー層を画像様に穿孔
し、熱・圧力によって穿孔部分の色材層の色材を受像層
に転写させる記録方法に用いる穿孔転写型記録材料にお
いて、色材層が少なくともキレート形成可能な色材を含
有することを特徴とする穿孔転写型記録材料。上記受像
材料の受像層が金属イオン含有化合物を含有することを
特徴とする穿孔転写型記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高濃度で保存性に優れた
画像が簡便に得られる穿孔転写型記録材料、及びそれを
用いる記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、転写記録方法としては、熱溶融性
色材層又は熱昇華性色素を含有する色材層を基材上に設
けた熱転写記録材料と受像材料とを対向させ、サーマル
ヘッド、通電ヘッド等の電気信号により制御される熱源
をインクシート(記録材料)側から圧着して、画像を転
写記録する方法がある。
【0003】又、特開昭63-35383号、同63-35387号に
は、支持体上に昇華性インク層と熱可塑性樹脂を主成分
とする保護層を有し、この保護層をレーザー光によって
融解することで保護層を穿孔した後、この保護層と受像
紙を密着させ、レーザーもしくはサーマルヘッドによる
加熱を、昇華性インク層を有する支持体側から与えるこ
とによって、画像情報を受像層に熱転写する技術が記載
されている。これに関連して、特開平4-201486号には、
色素バリヤー層(前述の保護層に相当)に金属蒸着膜を
使用する技術に関する開示がある。
【0004】一方、米国特許5,156,938号、同5,171,650
号には、別な技術として、極めて高いパワー密度のレー
ザー光をインク層又は支持体とインク層の間の層に照射
することによって爆発を生じさせ、この力によってイン
ク層をバインダーごと受像体へ吹き飛ばして転写させる
ことが記載されている。
【0005】一方、近年、医療、印刷分野等では、解像
度が高く、高い透過濃度の記録が可能で、取扱い性の容
易なデジタル記録のできる記録方法が求められている。
デジタル記録が可能な画像記録方法としては、サーマル
ヘッドを用いた昇華型熱転写記録方法、溶融型熱転写記
録方法、感熱発色記録方法や、電子写真記録方法、イン
クジェット記録方法などがあるが、いずれも透過画像と
して用いるには透過濃度が不足していた。又、優れた階
調性を得ようとすると、昇華型熱転写記録方法や感熱発
色記録方法では画像保存性が不足するという問題があっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
み為されたものであり、高濃度で画像保存性に優れ取扱
い性が簡便な画像記録材料とその作成方法ならびに記録
方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成によって達成される。
【0008】(1)支持体上に少なくとも色材層と色材バ
リヤー層を有する記録材料の該色材バリヤー層を画像様
に穿孔し、熱・圧力によって穿孔部分の色材層の色材を
受像層に転写させる記録方法に用いる穿孔転写型記録材
料において、色材層が少なくともキレート形成可能な色
材を含有する穿孔転写型記録材料。
【0009】(2)キレート色素形成可能な色材が一般式
(1)〔化1〕又は一般式(2)〔化2〕で表される化
合物である(1)記載の穿孔転写型記録材料。
【0010】(3)キレート色素形成可能な色材が、一般
式(3)〔化3〕〜一般式(12)〔化12〕で表される化
合物から選ばれる一つである(1)記載の穿孔転写型記録
材料。
【0011】(4)第1支持体上に少なくとも色材層、色
材バリヤー層、受像層及び第2支持体をこの順に有する
穿孔転写型記録材料。
【0012】(5)色材バリヤー層と受像層の間が、全面
積の90%以上の領域において3〜50μmの間隔を有する
(4)記載の穿孔転写型記録材料。
【0013】(6)色材層、色材バリヤー層及び受像層の
いずれかがマット剤を含有する(4)又は(5)記載の穿孔
転写型記録材料。
【0014】(7)マット剤の粒径が5μm以上である
(6)記載の穿孔転写型記録材料。
【0015】(8)第1支持体と色材層の間にクッション
層を有する(4)〜(7)のいずれか1項に記載の穿孔転写
型記録材料。
【0016】(9)受像層と第2支持体の間にクッション
層を有する(4)〜(7)のいずれか1項に記載の穿孔転写
型記録材料。
【0017】(10)色材バリヤー層が赤外吸収色素を含有
する(1)〜(9)のいずれか1項に記載の穿孔転写型記録
材料。
【0018】(11)支持体上に少なくとも色材層と色材バ
リヤー層を有する記録材料の該色材バリヤー層を画像様
に穿孔し、熱・圧力によって穿孔部分の色材層の色材を
受像層に転写させる記録方法において、色材層が少なく
ともキレート形成可能な色材を含有し、受像材料の受像
層が金属イオン含有化合物を含有する穿孔転写型記録方
法。
【0019】(12)第1支持体上に少なくとも色材層、色
材バリヤー層、受像層及び第2支持体をこの順に有する
記録材料の該色材バリヤー層を画像様に穿孔し、熱・圧
力によって穿孔部分の色材層の色材を受像層に転写させ
る穿孔転写型記録方法。
【0020】(13)支持体上に少なくとも色材層と色材バ
リヤー層を形成した記録材料と、支持体上に少なくとも
受像層を形成した受像材料を加圧下に貼り合わせる(4)
記載の穿孔転写型記録材料の作成方法。
【0021】以下、本発明を詳細に説明する。
【0022】本発明の穿孔転写型記録材料(単に「記録
材料」ともいう)は、例えば図1に示すように、基本的
に支持体1上に色材層2と色材バリヤー層3とを、この
順に積層して成るが、必要に応じてその他の層を有して
もよい。又、取扱い性を向上させるために図2のような
マット剤を含有させた構成であってもよい。
【0023】支持体としては、寸法安定性が良く、画像
記録の際、レーザー等の熱源に耐えるものならば特に制
限がなく、例えばコンデンサー紙、グラシン紙のような
薄葉紙;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリスル
ホン、ポリビニルアルコール、セロファン、ポリスチレ
ンのような耐熱性プラスチックフィルムを用いることが
できる。
【0024】支持体の厚さは、通常2〜200μmの範囲が
好ましく、更に好ましくは25〜100μmである。
【0025】色材層には必須成分として色材の他にバイ
ンダーが含有されており、更に必要に応じて添加剤等の
任意成分も含まれている。特に、高感度、高い画像保存
性を得るために、色材はキレート形成可能な色材である
ことが好ましい。
【0026】本発明において、受像層に転写される色材
は熱拡散性色素であることが好ましいが、これに限らず
その他の色素、顔料でもよく、これらが転写する場合に
はバインダー成分ごと転写する、いわゆる熱溶融型の形
態を採ってもよい。
【0027】熱拡散性色素については、熱拡散性又は昇
華性である限り特に制限はない。熱拡散性シアン色素と
しては、特開昭59-78895号、同59-227948号、同60-2496
6号、 同60-53563号、同60-130735号、同60-131292号、同61-1
9936号、同61-22993号、同61-31292号、同61-31467号、
同61-35994号、同61-49893号、同61-148269号、同62-19
1191号、同63-91287号、同63-91288号、同63-290793号
等に記載のナフトキノン系、アントラキノン系、アゾメ
チン系色素等が挙げられる。
【0028】熱拡散性マゼンタ色素としては、特開昭59
-78896号、同60-30392号、同60-30394号、同60-253595
号、同61-262190号、同63-5992号、同63-205288号、同6
4-159号、同64-63194号等に記載のアントラキノン系、
アゾ系、アゾメチン系色素等が挙げられる。
【0029】熱拡散性イエロー色素としては、特開昭59
-78896号、同60-27594号、同60-31560号、同60-53565
号、同61-12394号、同63-122594号等に記載のメチン
系、アゾ系、キノフタロン系、アントライソチアゾール
系色素等が挙げられる。
【0030】又、熱拡散性色素として、開鎖型又は閉鎖
型の活性メチレン基を有する化合物と、p-フェニレンジ
アミン誘導体の酸化体又はp-アミノフェノール誘導体の
酸化体とのカップリング反応により得られるアゾメチン
色素、及びフェノール誘導体、ナフトール誘導体と、p-
フェニレンジアミン誘導体の酸化体又はp-アミノフェノ
ール誘導体の酸化体とのカップリング反応により得られ
るインドアニリン色素も好適に使用することができる。
【0031】以下、色材層が少なくともキレート形成可
能な色材を含有する穿孔転写型記録材料の場合について
述べる。この様な記録材料を以降「キレート型材料」と
呼ぶ。
【0032】キレート形成可能な色材とは、キレート反
応後キレート化合物となる色材を言う。更に詳しくは分
子内に少なくとも2個以上の配位子(ligand)がを有
し、かつ、これらの配位子が金属原子に配位後、4〜7
員環等の環状構造を採り得る位置に存在する色素前駆体
を言う。
【0033】このような金属原子に配位可能な基(キレ
ート化可能基とも称す)としては周知のものが挙げられ
るが、具体的に−OH,−COOH,−NH2,−NH−,−N=,
−CO−,−O−,−NHCO−,−S−,−SO−,−P=,−P
O−,−NO,−N=N−などが挙げられる。
【0034】色素としては、例えば一般式(0)〜一般
式(15)に示すキレート形成可能な熱拡散性色素を用
い、受像要素にこの色素とキレート反応する金属イオン
含有化合物を含有させることにより、転写後の色素画像
の耐久性を著しく向上させることができる。
【0035】昇華性又は熱拡散性のキレート形成可能な
色材としては、ヒドロキシアントラキノン類、ヒドロキ
シナフトキノン類、o-ヒドロキシニトロソ色素、アゾメ
チン色素、アゾ色素等が挙げられるが、これらの中でも
アゾメチン色素、アゾ色素が好ましく、特に下記一般式
(0)で表されるアゾ色素が好ましい。
【0036】
【化13】
【0037】式中、X0は少なくとも一つの環が5〜7
個の原子で構成される芳香族炭素環(好ましくはベンゼ
ン)又は複素環を形成するに必要な原子群を表し、これ
等は縮合環を形成していてもよく、かつアゾ基に結合す
る炭素原子の隣接位の少なくとも一つが(a)窒素原子、
酸素原子、硫黄原子であるか、(b)窒素原子、酸素原
子、硫黄原子、燐原子と結合した炭素原子であるか、
(c)キレート化可能基が結合した炭素原子であり、該環
は置換基を有してもよい。Dはアゾ成分の残基(例えば
芳香複素環で置換されたメチン基)を表す。
【0038】アゾメチン色素の代表例を挙げる。
【0039】
【化14】
【0040】アゾ色素の中でも下記一般式(1)又は
(2)で表される色素が好ましい。
【0041】
【化15】
【0042】式中、X1及びX2は各々、少なくとも一つ
の環が5〜7個の原子で構成される芳香族炭素環(好ま
しくはベンゼン、ナフタレン)又は複素環(例えばピラ
ゾール、イミダゾール、チアゾール、ピリジン、ベンゾ
チアゾール、キノリン、ピラゾロアゾール等)を形成す
るに必要な原子群を表し、縮合環を形成していてもよ
く、かつアゾ基に結合する炭素原子の隣接位の少なくと
も一つが(a)窒素原子、酸素原子、硫黄原子であるか、
(b)窒素原子、酸素原子、硫黄原子、燐原子と結合した
炭素原子であるか、(c)キレート化可能基が結合した炭
素原子である。
【0043】
【化16】
【0044】式中、X3は一般式(1)で定義したX1
びX2と同義であり、Eは電子吸引性基(好ましくはア
セチル基、置換又は非置換のベンゾイル基、シアノ基又
はアセトアミド基)を表し、R1はアルキル基(好まし
くはメチル)又はアリール基(好ましくはフェニル)を
表す。
【0045】次に一般式(1)又は(2)で表されるア
ゾ色素の具体例を挙げる。
【0046】
【化17】
【0047】
【化18】
【0048】
【化19】
【0049】
【化20】
【0050】
【化21】
【0051】
【化22】
【0052】
【化23】
【0053】
【化24】
【0054】一般式(1)で表されるアゾ色素の中でも
一般式(3)〜(12)で表される色素がより好ましく、
特に一般式(12)の分子量330以下の色素は転写感度が
高いという点で望ましい。
【0055】
【化25】
【0056】式中、Z1は2個の炭素原子とQと共に5
又は6員の複素環(例えばフラン、チオフェン、ピロー
ル、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、ピリジ
ン、ピラジン、ピリミジン等)を形成するに必要な原子
群を表し、Qは−O−、−S−、−N<又は−N(R)−(R
は水素原子又はアルキル基を表す)を表す。R2及びR 3
は各々、水素原子又は1価の基を表し、u及びwは各々
1〜5の整数を表す。
【0057】
【化26】
【0058】式中、Lは−CON(R′)−(R′はアルキル
基又は水素原子を表す)、−COO−又は−SO2−を表し、
4はアゾ基の結合した炭素原子に隣接する原子が、窒
素原子又はキレート化可能基が結合した炭素原子である
含窒素複素環(例えばチアゾール、ピラゾール、イミダ
ゾール、トリアゾール、ベンゾトリアゾール等)又は芳
香族炭素環(好ましくはベンゼン)を表し、R4は置換
基を有してもよい脂肪族基、複素環基又は水素原子を表
し、Gはキレート化可能基を表す。
【0059】
【化27】
【0060】式中、R5はベンゼン環に置換可能な基を
表し、nは0〜3の整数を表す。nが2以上の時、複数
のR5は各々、同一でも異なっていてもよい。R6はヒド
ロキシル基又はアミノ基を表す。
【0061】
【化28】
【0062】式中、R7はベンゼン環に置換可能な基を
表し、R8はイソキノリン環に置換可能な基を表し、
p,qは各々0〜4の整数を表す。p,qが2以上の
時、複数のR7,R8はそれぞれ同一でも異なっていても
よく、又、それぞれ互いに結合して環を形成してもよ
い。R9は水素原子、ハロゲン原子又は1価の置換基を
表し、Gはキレート化可能基を表す。
【0063】
【化29】
【0064】式中、R10は置換基を有してもよいアルキ
ル基又はシクロアルキル基を表し、X5はアゾ基に結合
している炭素原子及び炭素原子に形成している窒素原子
と共に5又は6員の含窒素複素環(例えばチアゾール、
ピリジン、ベンゾチアゾール等)を形成するに必要な原
子群を表し、該複素環は置換基を有していてもよく、9
又は10員の縮合環を形成してもよい。
【0065】
【化30】
【0066】式中、R11及びR12は各々、水素原子又は
置換基を表し、X5はアゾ基に結合している炭素原子及
びヒドロキシル基が結合している炭素原子と共に6員の
含窒素複素環(好ましくはピリジン、キノリン)を形成
するに必要な原子群を表し、該複素環は置換基を有して
いてもよく、更に縮合環を形成してもよい。
【0067】
【化31】
【0068】式中、X7は芳香族炭素環(好ましくはベ
ンゼン、ナフタレン)を形成するに必要な原子群を表
し、X8はチアゾール環又はベンゾチアゾール環を形成
するに必要な原子群を表し、R13はアルキル基を表す。
【0069】
【化32】
【0070】式中、R14はアルキル基、ハロゲン原子又
は水素原子を表し、R15はアルキル基又は水素原子を表
し、R16及びR17は各々、置換基を有してもよいアルキ
ル基又は置換基を有してもよいアリール基を表す。ただ
し、R16及びR17の少なくとも一つはアルキル基で置換
されたアリール基又はアルキル置換アリール基で置換さ
れたアルキル基を表す。
【0071】
【化33】
【0072】式中、R18及びR19は各々、水素原子又は
置換基を表し、R20は置換基を有してもよいアルキル基
又は置換基を有してもよいアリール基を表し、Z2は2
個の炭素原子と共に5〜6員の複素環(例えばイソチア
ゾール、ピラゾール等)又は芳香族炭素環(好ましくは
ベンゼン)を形成するに必要な原子群を表す。
【0073】
【化34】
【0074】式中、X9及びX10は各々、少なくとも一
つの環が5〜7個の原子から構成される芳香族炭素環
(好ましくはベンゼン、ナフタレン)又は複素環(例え
ばチアゾール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾー
ル、ピリジン、ピラゾロアゾール等)を形成するに必要
な原子群を表す。なお、化合物の分子量は330以下であ
る。
【0075】一般式(3)〜(12)で表されるアゾ色素
の具体例を以下に示す。
【0076】
【化35】
【0077】
【化36】
【0078】
【化37】
【0079】
【化38】
【0080】
【化39】
【0081】
【化40】
【0082】
【化41】
【0083】
【化42】
【0084】
【化43】
【0085】
【化44】
【0086】
【化45】
【0087】
【化46】
【0088】
【化47】
【0089】
【化48】
【0090】
【化49】
【0091】
【化50】
【0092】
【化51】
【0093】
【化52】
【0094】
【化53】
【0095】
【化54】
【0096】
【化55】
【0097】
【化56】
【0098】
【化57】
【0099】
【化58】
【0100】
【化59】
【0101】
【化60】
【0102】
【化61】
【0103】
【化62】
【0104】アゾメチン色素の例としては、下記一般式
(13)〜(15)などが挙げられる。
【0105】
【化63】
【0106】式中、X11及びX12は各々、前記一般式
(0)で定義されたX0と同義である。代表的具体例は
以下の通り。
【0107】
【化64】
【0108】
【化65】
【0109】式中、X13及びX14は各々、前記一般式
(0)で定義されたX0と同義である。代表的具体例は
以下の通り。
【0110】
【化66】
【0111】
【化67】
【0112】式中、X15及びX16は各々、前記一般式
(0)で定義されたX0と同義であり、R21及びR22
各々、水素原子又はアルキル基を表し、R21とR22が結
合して芳香族炭素環を形成してもよい。代表的具体例は
以下の通り。
【0113】
【化68】
【0114】これら熱拡散性色素の使用量は、支持体1
m2当たり通常0.1〜20g、好ましくは0.2〜5gである。
又、色材層における熱拡散性色素の含有率は、通常5〜
90重量%の範囲内であり、好ましくは30〜80重量%であ
る。
【0115】色材層に用いるバインダーとしては、感熱
転写記録分野で公知の樹脂類を用いることができる。以
下に述べるポリビニルアセタール系樹脂及びセルロース
系樹脂が好ましいが、これに限定されない。
【0116】ポリビニルアセタール系樹脂としては、ア
セタール化の程度、アセチル基、残留水酸基などの含有
率によって種々の化合物があり、代表例としてポリビニ
ルアセトアセタール、ポリビニルブチラール等を挙げる
ことができる。
【0117】セルロース系樹脂としては、例えばニトロ
セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセル
ロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキ
シプロピルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロ
ース、酪酸セルロースなどが挙げられるが、中でもニト
ロセルロースが特に好ましい。
【0118】上記以外の感熱転写記録分野で公知の樹脂
として、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネ
ート、ポリビニルアルコール、ポリビニルホルマール、
ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン、ポリスチ
レン、ポリスチレン共重合体、アイオノマー樹脂などを
挙げることができる。
【0119】これらバインダーの中から1種又は2種以
上を適宜選択して用いることができる。バインダーは、
色材層全体に対し通常10〜70重量%を配合することが好
ましい。又、バインダーと熱拡散性色素の色材層におけ
る重量比は1:10〜10:1の範囲が好ましく、2:8〜
8:2が特に好ましい。
【0120】色材層の厚みは、受像体から剥離可能で、
しかも熱エネルギーの印加により色素の移動が可能なよ
うに調整されていればよく、通常0.2〜10μmの範囲内で
あり、好ましくは0.4〜5μmである。
【0121】本発明において色材層に添加される添加剤
としては、変性シリコーン樹脂を初め、弗素樹脂、界面
活性剤、ワックス類、高級脂肪酸、高級脂肪族アルコー
ル、高級脂肪族エーテル、金属微粉末、シリカゲル、カ
ーボンブラック、有機充填剤、無機充填剤、バインダー
成分と反応可能な硬化剤(例えばイソシアナート類やア
クリル酸、エポキシ類等の放射線活性化合物)などを挙
げることができる。更に、転写を促進するため、例えば
特開昭59-106997号に記載の高級脂肪酸エステル等の熱
溶融性物質を用いることができる。
【0122】添加剤の添加量は、添加剤の種類や添加目
的により一律に決められないが、添加剤全体として通
常、バインダーに対して50重量%以下が好ましい。
【0123】上記変性シリコーン樹脂の具体例として
は、ポリエステル変性シリコーン樹脂、アクリル変性シ
リコーン樹脂、ウレタン変性シリコーン樹脂、セルロー
ス変性シリコーン樹脂、アルキッド変性シリコーン樹
脂、エポキシ変性シリコーン樹脂などが挙げられ、これ
らを1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0124】変性シリコーン樹脂の色材層に対する配合
量は、通常0.01〜10重量%、好ましくは0.01〜2.0重量
%である。
【0125】色材層は、前記熱拡散性色素、バインダー
及び必要に応じて加えられる添加剤を溶媒に溶解又は分
散して塗工液を調製し、支持体上に塗布・乾燥して形成
することができる。
【0126】なお、バインダーは1種又は2種以上を溶
媒に溶解して用いるだけでなく、ラテックス分散して用
いることもできる。
【0127】溶媒としては、水、アルコール類(例えば
エタノール、プロパノール、ブタノール)、セロソルブ
類、エステル類(例えば酢酸エチル、酢酸ブチル)、芳
香族類(例えばトルエン、キシレン、クロロベンゼ
ン)、ケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケト
ン)、エーテル類(例えばテトラヒドロフラン、ジオキ
サン)、塩素系溶媒(例えばクロロホルム、トリクロロ
エチレン)等が挙げられる。溶媒は1種を単独で用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0128】塗工には通常知られたグラビアロールによ
る面順次塗分け塗布、押出し塗布、ワイヤーバー塗布、
ロール塗布などを用いることができる。
【0129】色材バリヤー層は、少なくとも色材層の色
材(熱拡散性色素)を加熱又は加圧下でも通さない性質
と、高強度の露光を吸収する性質を有する必要がある。
このためには、色材バリヤー性素材として(1)水溶性樹
脂、(2)イオン結合を有する樹脂、又は(3)Tg(ガラス転
移点)が80℃以上、好ましくは100℃以上、更に好まし
くは120℃以上の樹脂(主成分として含有)、(4)金属蒸
着層が好ましい。
【0130】水溶性樹脂としては、ゼラチン、ポリビニ
ルアルコール、水溶性ポリビニルホルマール、水溶性ポ
リビニルアセタール、水溶性ポリビニルブチラール、ポ
リビニルピロリドン、水溶性ポリエステル、水溶性ナイ
ロン、ポリアクリル酸、水溶性ポリウレタン、メチルセ
ルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどが挙げら
れる。又、これらの樹脂を構成するモノマー成分の共重
合体も用いることができる。
【0131】イオン結合を有する樹脂とは、高分子の主
鎖又は側鎖にイオン結合基、つまり酸性基又は塩基性基
を有する樹脂を言う。酸性基としては−COO-,−SO3 -
PO3 -などが挙げられ、塩基性基としては−NH2,−NH
−,−N=などが挙げられる。イオン結合を有する樹脂
としては、これら酸性基と塩基性基を両方有しているも
の、酸性基を有し2価の金属イオンを含有し、この金属
イオンを介して架橋構造を有するもの等が挙げられる。
【0132】本発明のイオン結合を有する樹脂において
は、これらのイオン結合基を繰返しモノマー単位の少な
くとも100個に1個以上有することが好ましい。ただ
し、必ずしも繰返しモノマー単位を有しない樹脂も用い
ることができる。
【0133】イオン結合を有する樹脂としては、アイオ
ノマー樹脂などの他、スルホ基で置換されたスチレン、
アクリル酸、メタクリル酸、無水フタル酸などを共重合
成分として含む樹脂に、カウンターイオンとしてNa+,K
+,Ca2+,Zn2+,NH4 +などが付加されたものが挙げられ
る。又、ゼラチン、カゼイン等も好ましく用いられる。
【0134】Tgが80℃以上の樹脂としては、ポリ塩化ビ
ニル、ポリアリールメタクリレート、ポリベンジルメタ
クリレート、ポリカーボネート、ナイロン、ポリフェニ
レンオキシド、ゼラチン、ポリパラバン酸などが挙げら
れる。中でもポリメチルメタクリレート、ポリベンジル
メタクリレート、ポリカーボネート、ナイロン、ポリエ
ステル、ポリパラバン酸などが好ましい。又、スチレ
ン、塩化ビニル、メチルメタクリレート、アリールメタ
クリレート、アクリロニトリル、エチレンオキシド、ベ
ンジルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート
等のモノマー成分の共重合体でTgが80℃以上の樹脂も好
ましく用いられる。更に、熱硬化性樹脂でガラス転移点
を持たない樹脂も好ましい。
【0135】色材バリヤー性素材の色材バリヤー層に対
する割合は50〜99重量%が好ましい。色材バリヤー層の
全樹脂成分の内、色材バリヤー性素材が占める割合は50
重量%以上が好ましく、より好ましくは70重量%以上、
最も好ましくは90重量%以上である。
【0136】色材バリヤー層を金属蒸着層で形成する場
合の金属としては、光吸収性を有するものなら何でも用
いることができるが、Al、Zn、Sn、Ag、Pb、Cr、Bi、N
i、Co等、及びこれらの酸化物、水酸化物、硫化物など
が好ましい。
【0137】色材バリヤー層は、又、高強度露光を吸収
するための光吸収性物質を含有してもよい。この光吸収
性物質は、高強度露光の波長が紫外光〜500nm以下の可
視光領域である場合、上記の樹脂成分そのものであって
もよい。
【0138】高強度露光の波長が可視光領域の場合に
は、その露光波長を吸収する各種顔料、染料を用いるこ
とができる。又、波長が赤色〜近赤外領域の場合、特願
平4-334584号,7頁に記載の色素類、カーボンブラック
等を用いることができる。例えば、機能材料1990年6月
号64〜68頁に記載される近赤外吸収色素や、色材61巻
(1988)218〜223頁に記載の光記録用機能色素などか
ら、シアニン系、スクアリリウム系、アズレニウム系、
フタロシアニン系、ナフタロシアニン系、アントラキノ
ン系、ジチオール金属錯塩系、インドアニリン金属錯体
系、分子間CT錯体系、遷移金属キレート系、アルミニ
ウムジインモニウム系の各色素を選んで用いることがで
きる。
【0139】赤外線吸収色素としては、700nm以上の赤
外光を吸収可能な色素なら如何なるものも用いることが
できるが、本発明を効果的に達成するためには700〜120
0nmの範囲の最大吸収波長におけるモル吸光係数が50,00
0以上、更には100,000以上の色素が好ましい。
【0140】又、本発明に用いられる赤外線吸収色素
は、本発明の色材バリヤー層バインダーと良く相溶する
ことが好ましい。更に、水又は有機溶媒に0.1%以上、
より好ましくは1%以上溶解することが望ましい。ただ
し、分散によって色材バリヤー層バインダーと混合でき
るものを排除するものではない。
【0141】本発明の赤外線吸収色素は、又、別の特性
としてレーザー照射時の熱によって容易に分解し得るこ
とが好ましく、例えば窒素気流中で室温から10℃/分の
昇温を行った場合に1%の重量減少を示す温度が500℃
以下、より好ましくは400℃以下、更に好ましくは350℃
以下であることが好ましい。ただし、この熱分解特性は
本発明に必須のものではない。
【0142】色材バリヤー性素材として水溶性樹脂を用
いる場合には、光吸収性物質も水溶性であることが好ま
しく、特にスルホ基等の水溶性置換基を有するトリカル
ボシアニン系色素が好ましい。
【0143】光吸収性物質は必要に応じて添加されれば
よいが、露光の波長が赤外域の場合には、前述の近赤外
吸収色素を1〜50重量%含有することが好ましい。近赤
外吸収色素は、色材バリヤー層のバリヤー機能を低下さ
せない場合には更に多量を添加することができる。
【0144】色材バリヤー層には、この他に塗布性を改
善するための添加剤として、例えば界面活性剤、帯電防
止のための導電性化合物、ブロッキング防止のための離
型剤、マット剤などを必要に応じて含有することができ
る。
【0145】色材バリヤー層の膜厚は、バリヤー機能を
低下させない限り、できるだけ薄いことが好ましく、具
体的には0.01〜2.0μmの範囲であり、好ましくは0.1〜
1.0μmである。ただし、露光の強度が充分高い場合に
は、より厚い膜厚でも穿孔することが可能なので、この
範囲に限定されない。
【0146】色材バリヤー層は、必要に応じて機能を分
離させた複数の層で形成されてもよい。分離される機能
としては、例えば色材バリヤー性、導電性、光吸収性、
ブロッキング耐性などが挙げられ、これらの機能を複数
層で異ならせて持たせることができる。
【0147】色材バリヤー層の塗工は前記色材層と同様
にして行うことができる。
【0148】本発明においては、必要に応じて色材層及
び色材バリヤー層の他に層を設けることができる。例え
ば支持体と色材層の間には、接着性等を高めるための下
引層を設けることができる。又、支持体の裏面(色材層
とは反対側)には、走行安定性、耐熱性、帯電防止性等
を付与する目的でバッキング層を設けてもよい。このバ
ッキング層の厚みは0.1〜1μmの範囲にするのが好まし
い。
【0149】更に記録材料には、パーフォレーションを
形成したり、色相の異なる区域の位置を検出するための
検知マークなどを設け、使用時の便宜を図ることもでき
る。
【0150】次に本発明の記録材料と共に用いられる受
像材料について述べる。
【0151】受像材料は基本的に支持体と受像層とで構
成されるが、自己支持性の受像層そのもので受像材料を
形成することもできる。
【0152】支持体としては、例えば紙、コート紙、合
成紙(ポリプロピレン、ポリスチレン又は、それらを紙
又はプラスチックフィルムに貼り合わせた複合材料)、
白色又は透明のポリエチレンテレフタレートフィルム、
白色又は透明のポリ塩化ビニル、ポリオレフィン被覆紙
などが挙げられる。支持体の厚みは、通常20〜300μmで
あり、好ましくは30〜200μmである。
【0153】受像層は、受像層用バインダーと各種添加
剤とで形成される。この受像層用バインダーとしては、
ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニルと他のモノマー(例え
ばアルキルビニルエーテル、酢酸ビニル等)との共重合
体樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル酸エステル、ポリ
ビニルピロリドン、ポリカーボネート、三酢酸セルロー
ス、スチレンアクリレート樹脂、ビニルトルエンアクリ
レート樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、尿素
樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、スチレン-無水マレイ
ン酸樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂などを挙げること
ができる。
【0154】上記樹脂は新たに合成して使用してもよい
が、市販品を使用することもできる。いずれにしても、
物性面から見て受像層用バインダーとしては、Tgが−20
〜150℃の範囲にある樹脂が好ましく、特に30〜120℃の
樹脂が好ましい。又、平均重量分子量で2,000〜100,000
の範囲にある樹脂が好ましい。
【0155】受像層の形成に際しては、上記の各種樹脂
は反応活性点を利用して(反応活性点がない場合には付
与する)、放射線、熱、湿気、触媒等により架橋又は硬
化させてもよく、この場合、エポキシ、アクリルの如き
放射線活性モノマーやイソシアナートの如き架橋剤を用
いることができる。
【0156】キレート可能な色素を色材層に用いる場
合、金属イオン含有化合物を受像層に添加するのが好ま
しい。
【0157】金属イオン含有化合物としては、有機もし
くは無機化合物とイオン結合又は配位結合によって結合
する金属イオンを有するものならば如何なるものも用い
ることができるが、一般的には金属イオンの無機又は有
機の塩及び金属錯体が挙げられ、中でも有機酸の塩及び
錯体が好ましい。
【0158】上記金属としては、周期律表の第I〜VIII
族に属する1価及び多価の金属が挙げられるが、中でも
Al、Co、Cr、Cu、Fe、Mg、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti及びZnが
好ましく、特にNi、Cu、Cr、Co及びZnが好ましい。
【0159】金属イオン含有化合物の具体例としてはNi
2+、Cu2+、Cr2+、Co2+及びZn2+と酢酸やステアリン酸等
の脂肪族の塩あるいは安息香酸、サリチル酸等の芳香族
カルボン酸の塩等が挙げられる。
【0160】又、下記一般式(16)で表される錯体は特
に好ましく用いることができる。
【0161】 一般式(16) [M(Q1)q(Q2)r(Q3)s]P+(Y-)P 式中、Mは金属イオン、好ましくはNi2+、Cu2+、Cr2+
Co2+及びZn2+を表す。Q1、Q2及びQ3は、それぞれ金
属イオンMと配位結合可能な配位化合物を表し、互いに
同じであっても異なっていてもよい。
【0162】これらの配位化合物としては、例えば「キ
レート科学(5)」(南江堂)に記載されている配位化
合物から選択することができる。
【0163】Yは有機アニオン基を表し、具体的にはテ
トラフェニル硼素アニオンやアルキルベンゼンスルホン
酸アニオン等が挙げられる。qは1〜3の整数、rは0
〜2の整数、sは0又は1を表すが、これらは前記一般
式で表される錯体が4坐配位か、6坐配位かによって決
定されるか、あるいはQ1、Q2及びQ3の配位子の数に
よって決定される。pは1又は2を表す。
【0164】p=0は、Q1〜Q3で表される配位化合物
がアニオン性化合物であり、Mで表される金属カチオン
で電気的に中和された状態であることを意味する。この
アニオン性化合物としては下記一般式(17)で表される
化合物が好ましい。
【0165】
【化69】
【0166】式中、R23及びR24は同じでも異なっても
よく、各々アルキル基又はアリール基を表し、R25はハ
ロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基又はアルコキシ
カルボニル基を表す。
【0167】一般式(17)のアニオン性化合物(X-
と金属イオン(M2+)から形成される金属イオン含有化
合物M2+(X-)2の具体例を以下に挙げるが、これに限定さ
れない。
【0168】
【化70】
【0169】金属イオン含有化合物の添加量は、受像材
料1m2当たり0.5〜20gが好ましく、1〜15gがより好
ましい。別の言い方をすると、1m2当たりの色材層に含
有されるキレート可能な色素1モルに対し、1.5モル以
上更に好ましくは3モル以上含有される。
【0170】受像層には剥離剤、酸化防止剤、紫外線吸
収剤、光安定剤、フィラー(充填剤)、顔料を添加する
ことができる。又、増感剤として可塑剤、熱溶剤などを
添加してもよい。
【0171】受像層は、前記受像層の形成成分を溶媒に
分散又は溶解して塗工液を調製し、支持体の表面に塗布
・乾燥する塗工法や、受像層の形成成分を有する混合物
を溶融押し出し支持体表面にラミネートするラミネート
法などにより形成することができる。
【0172】受像層は支持体の表面全体に亘って形成さ
れてもよいし、表面の一部に形成されてもよい。
【0173】受像層の厚みは、一般に1〜50μmで、好
ましくは2〜10μm程度である。一方、自己支持性であ
る受像層そのものが受像材料を形成する場合には、受像
層の厚みは通常60〜200μm、好ましくは90〜150μm程度
である。
【0174】受像材料の表面には、融着防止、画像保存
性改良等の目的でオーバーコート層が積層されてもよ
い。オーバーコート層は、グラビア塗布、ワイヤーバー
塗布、ロール塗布、その他公知の塗布方式あるいはラミ
ネート法などにより形成することができる。この層の厚
みは、通常0.05〜3μmである。
【0175】受像材料が支持体と受像層とから成る場合
には、ノイズを少なくし、画像情報に対応した画像を再
現性良く転写記録するために、支持体と受像層の間にク
ッション層を設けることができる。
【0176】クッション層を構成する材質としては、ウ
レタン樹脂、アクリル樹脂、エチレン系樹脂、エチレン
-酢ビ樹脂、エポキシ樹脂、スチレン-ブタジエン樹脂、
ブタジエンラバー等が挙げられる。クッション層の厚み
は5〜25μmが好ましい。
【0177】次に、図2に示されるような、少なくとも
第1支持体上に色材層、色材バリヤー層、受像層及び第
2支持体を有する穿孔転写型記録材料について述べる。
尚、本記録材料を以降「一体化型材料」と呼ぶ。
【0178】一体化型材料の色材層、色材バリヤー層、
受像層及び支持体については、以下に述べる以外はキレ
ート型材料と同様の構成を採ることができる。
【0179】一体化型材料の作成方法は特に制約を受け
ないが、次の方法を用いることができる。
【0180】(1)第1支持体上に、順次、色材層、色材
バリヤー層、受像層及び第2支持体層を塗布によって設
ける方法。
【0181】(2)第1支持体上に、色材層、色材バリヤ
ー層を塗布によって設け、別途、第2支持体上に受像層
を設け、両者を加圧下で貼り合わせる方法。
【0182】(1)と(2)では(2)の方法の方が好まし
い。(2)の方法については、どの層をどの支持体上に塗
布した後、貼り合わせるかで他の組合せも採れるが、
(2)で示した組合せが最も好ましい。
【0183】貼合せに際しては、2本の加圧ロール間を
通過させる方法、平板プレスで圧着する方法等が用いら
れる。貼合せの圧力は0.1〜5kg/cm2が好ましい。特
に、色材バリヤー層と受像層の間を全面積の90%以上の
領域において3〜50μmの間隔を有するようにする場
合、二つの支持体が一体化できる限り、できるだけ弱い
圧力で貼り合わせることが好ましい。
【0184】二つの支持体を一体化させるため、それぞ
れの支持体のいずれか又は両方の最上層(例えば色材バ
リヤー層、受像層)の上に更に粘着層を塗布した後、貼
合せを行ってもよい。粘着層の塗布は、記録材料の特性
を損なわない限り全面に行ってもよいが、材料の周辺部
にのみ塗布し画像記録部分に影響を与えないようにする
のが好ましい。
【0185】本発明の穿孔転写型記録方法においては、
色材バリヤー層を高強度の露光により爆発又は燃焼によ
り除去するので、色材バリヤー層は片面が空間として開
かれていることが好ましい。この空間を得るため、一体
化型材料では色材バリヤー層と受像層の間に微小の間隔
を置くことが必要となる。間隔は3〜50μmが好まし
く、更に5〜25μmがより好ましい。
【0186】間隔の作成方法としては各種方法が採りう
るが、スペーサービーズを色材層、色材バリヤー層、受
像層あるいは必要に応じて設けられるその他の層に添加
することで作成できる。特に、色材層又は受像層に添加
することが好ましい。
【0187】スペーサービーズの材質は特に限定されな
いが、シリカ、シリコン粒子、アクリル樹脂重合体、ス
チレン樹脂重合体、テフロン微粒子などを用いることが
できる。ビーズの粒径は、上記間隔を達成できる粒径で
あればよいが、一部は層中に埋め込まれるため、必要な
間隔よりやや大きめな粒径がよく、好ましくは5〜100
μm、更に好ましくは10〜50μmである。
【0188】ビーズの添加量は、添加する層の膜厚、ビ
ーズの粒径、必要な間隔に依存するので一概に規定でき
ないが、添加する層のバインダー重量の0.1〜10重量%
が目安である。
【0189】次に本発明の熱転写記録方法(画像の形
成)について説明する。
【0190】画像形成のプロセスは、図1及び図2に示
すように、まず、記録材料の好ましくは色材バリヤー層
側から高強度露光を行うことにより、色材バリヤー層を
画像状に穿孔する工程と、次に穿孔された記録材料と受
像材料とを色材バリヤー層−受像層が対面するように重
ね合わせ全面加熱又は/及び加圧する工程から成る。
【0191】露光手段について更に詳細に説明する。こ
の高強度露光用光源としては、光学系にて集光し易く、
出力エネルギーが大きくかつ熱に変換し易い波長の光を
発光できることが好ましい。このような光源としては、
例えば、キセノン光、ハロゲン光、半導体レーザー、L
ED、ヘリウムネオンレーザー、アルゴンレーザー、Y
AGレーザー及び炭酸ガスレーザーなどが挙げられる。
これらの中で複数の発光素子からなるアレイとして使用
しやすい光源としては半導体レーザー、LEDなどが挙
げられる。
【0192】この発光素子としては、露光エネルギーを
効率良く熱エネルギーに変換し得る波長の光を発光し得
るものが好ましく、好ましい発光波長としては、例えば
600〜2000nmである。
【0193】光源の駆動方式としては、半導体レーザー
を用いる場合、自動出力制御(APC)方式か、又は自
動電流制御(ACC)方式が採用できる。いずれの場合
にも、一時的な過大な電流で半導体レーザーを破壊しな
いための保護回路を備えていることが好ましい。
【0194】光源は、必要に応じて複数並列においても
よい。その場合の露光系の配置は、複数の光源がそれぞ
れ別の走査線を走査するように置くことが好ましく、光
源のチャンネル数は1〜100が好ましい。
【0195】図3及び図4はヒートモード記録用光源と
しての発光素子の配置の実施例を示している。図3では
発光素子アレイが計16個の並列に配置した発光素子を用
いている。図4では発光素子アレイが同様に計16個の発
光素子を、6個、6個及び4個の群にし、それぞれ所定
角度θ傾斜して配置され、発光素子は例えば同じ定格出
力100mWの半導体レーザーを用いている。
【0196】この発光素子アレイの個々の発光素子の露
光スポット径は、基本的には必要とする画像の解像度に
よって決定されるが、例えば1/e2のスポット径が3〜
40μmの範囲が好ましい。発光素子は例えば1mm以上の
大きさを有しているのに対し、露光される部分ではスポ
ット径は例えば3〜40μmであるため、外側の発光素子
ほどより内側に向かって露光方向が曲げられなくてはな
らない。しかし、余り大きく露光方向が曲げられると、
スポット径が歪んでしまうため好ましくない。このよう
な発光素子の大きさがアレイとしての並びを規制してし
まう点をできるだけ緩和するために、アレイにおける発
光素子の並びを図4の様にすることが好ましい。
【0197】このようなレーザー穿孔記録においては、
露光時間を短くすることにより記録材料の色材バリヤー
層から色材層側への熱伝導によるエネルギーロスが少な
くなる。サーマルヘッドを使用し、支持体側からの熱伝
導によりインク層を加熱する通常の熱転写記録と比べ、
レーザー穿孔記録では色材バリヤー層近傍に直接熱エネ
ルギーが与えられる。
【0198】このため露光は出来る限り高照度短時間で
行われることが好ましい。好ましい露光速度としては線
速度1m/秒以上、更に好ましくは3m/秒以上であ
る。又、好ましい露光パワー密度は100,000W/cm2
上、更に好ましくは200,000W/cm2以上である。
【0199】半導体レーザーの走査方法としては、ポリ
ゴンミラーやガルバノミラーとfθレンズ等を組み合わ
せてレーザー光の主走査を行い、記録媒体の移動により
副走査を行う、いわゆる平面操作方法や、ドラムを回転
させながらレーザー露光を行い、ドラムの回転を主走査
としレーザー光の移動を副走査とする円筒走査等がある
が、円筒走査の方が光学系の精度を高め易く、高密度記
録には適している。
【0200】レーザー穿孔記録の特徴を活かすために
は、一般のサーマルヘッドに比べてドットピッチが細か
いことが好ましく、2.5〜25.4μm、より好ましくは3〜
12.7μmである。又、主走査方向と副走査方向のドット
ピッチは一致することが好ましい。
【0201】尚、ここに示した画像信号の処理方法はど
のようなものでも使用することができる。又、基となる
画像データはアナログ信号でもデジタル信号でもよい。
【0202】高強度露光により形成される孔は、網点状
であってもよいし、連続した孔であってもよい。
【0203】記録材料と受像材料を重ね合わせて全面加
熱する際の熱エネルギーの与え方としては、受像材料側
から行うことも、記録材料側から行うことも、あるいは
双方から行うこともできる。この加熱により、色材層の
熱拡散性色素は色材バリヤー層の前記孔を通じて色材層
から受像材料の受像層へと拡散移行し、画像を形成す
る。加熱温度、圧力は特に制限されないが、加熱温度は
通常60〜200℃の範囲が好ましく、80〜150℃がより好ま
しく、圧力は0.1〜5kg/cm2が好ましい。
【0204】この場合、画像は色材バリヤー層の孔の形
状に対応して形成され、網点になったりベタになったり
する。網点の場合、画像濃度は網点数が多いほど高い
(画像濃度は孔数に応じて増大する)。
【0205】本発明の記録材料は色材層の上に色材バリ
ヤー層が形成されているので、保存性に優れている。
【0206】又、本発明の熱転写記録方法は、上記色材
バリヤー層の穿孔にレーザー光を使用することにより高
解像度記録を行い、かつ各記録ドットに更に階調を持た
せることにより、面積階調と濃度階調を組み合わせ、非
常に広い範囲で画像の濃淡の階調を表現したり、高い熱
量の加熱もしくは加圧により色素の受像材料への拡散を
促進して、画像の濃度を非常に高めることができる。
【0207】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明をより具体的に
説明するが、本発明の実施態様はこれに限定されない。
なお、以下において「部」は「重量部」を表す。
【0208】実施例1 (記録材料の製造)下記組成物を混合・分散して熱拡散
性色素を含有する色材層塗布液を調製した。
【0209】色材層塗布液 キレート型熱拡散性色素(下記) 40部 ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製:エスレックBX−1) 60部 メチルエチルケトン 700部 シクロヘキサノン 200部 キレート色素として、例示化合物の1−1,2−7,3
−2,4−13,5−1,6−1,7−1,8−1,9−
7,9−10,10−1,11−24,11−26,12−1,12−2
4,12−38を、それぞれ使用した。
【0210】上記色材層塗布液を、厚さ100μmのポリエ
チレンテレフタレート(PET)フィルム上にワイヤー
バーを用いて塗布・乾燥し、厚み4μmの色材層を形成
した。
【0211】次に、下記処方の色材バリヤー層塗布液
を、上記色材層の上にワイヤーバーを用いて塗布・乾燥
し、厚み0.15μmの色材バリヤー層を形成し、記録材料
を得た。
【0212】色材バリヤー層塗布液 ゼラチン 3.0部 近赤外吸収色素(IR−1) 2.0部 純水 95部
【0213】
【化71】
【0214】(受像材料の製造)裏面に帯電防止加工を
施し、表面抵抗を1010Ωとした厚さ100μmのPETの帯
電防止加工処理面と反対側の面に、下記組成の受像層塗
布液をワイヤーバーを用いて塗布し、120℃で30分乾燥
して厚み4μmの受像層を設けた。
【0215】受像層塗布液 ポリビニルブチラール(積水化学社製:エスレックBL−1) 40部 金属イオン含有化合物(17−4) 50部 アミノ変性シリコン(信越シリコン社製:KF−393) 5部 エポキシ変性シリコン(信越シリコン社製:X-22-343) 5部 メチルエチルケトン 300部 シクロヘキサン 100部 (画像の形成) 《色材バリヤー層の穿孔》前記記録材料の色材バリヤー
層に、半導体レーザーSDL-8032-101(三洋電機社製:波
長810nm、最大光出力150mW)のレーザー光を集光して最
大出力時の半値幅のビーム径を5μmとして露光を行っ
た。レーザー露光装置の配置は図4のようにし、16個の
半導体レーザーを用いて露光を行った。
【0216】露光の際の焦点面での光出力は半導体レー
ザー1個当たりの平均で101mWであった。又、露光の走
査速度から計算したベタ露光時の露光エネルギー密度は
150mJ/cm2であった。
【0217】《色材の転写》上記のように色材バリヤー
層が穿孔された記録材料の色材バリヤー層と受像材料の
受像層とが接するように重ね合わせ、160℃・2kg/cm2
の熱ロールを通し、穿孔部分を通して色材を受像層に転
写させた。
【0218】得られた各画像を下記の評価法によって特
性評価をした。得られた結果を表1に示す。
【0219】<ベタ露光部透過濃度及び未露光部透過濃
度>サクラデンシトメーターPDA65(コニカ社製)を用
い、青、緑、赤フィルターを介し各色素の色調に合わせ
て各画像の透過濃度を測定した。なお、未露光部透過濃
度は全ての画像共0.04と同じ値を示したので表1では省
略した。
【0220】<定着性>得られた各画像の受像層表面
と、厚さ180μmのPETフィルム上に厚さ5μmのニト
ロセルロース層を塗設してなるシートの塗布面とを重
ね、140℃で2分間加熱し、受像層からニトロセルロー
ス層への色素の転写の程度を目視により3段階評価をし
た。色素の再転写の少ないもの程、定着性が優れてい
る。
【0221】○:再転写が認められない △:再転写が僅かに認められる ×:再転写が顕著である <耐光性>各画像をキセノンフェードメーターで72時間
光照射し、照射前の濃度をD0、照射後の濃度をDとし
た時、(D/D0)×100(%)を色素の残存率として耐
光性を評価した。
【0222】<滲み>各記録材料を用い、線幅20μmの
ライン・アンド・スペースのパターン画像を作成したも
のを50℃で1カ月間の保存を行った後、顕微鏡を用いて
目視により画像の滲みを評価した。
【0223】○:殆ど滲みが観察されない △:ライン・アンド・スペースの濃度差が確認できる ×:ライン・アンド・スペースが確認できない
【0224】
【表1】
【0225】表から明らかなように、穿孔転写型記録材
料にキレート形成可能な色材を含有させることにより、
耐光性は80%以上、定着性、滲みについても良好であ
り、特に一般式(9)〜(11)で表される色素は耐光性
が、一般式(12)の色素は最大濃度が優れていた。
【0226】実施例2 (記録材料の製造)下記組成物を混合・分散して熱拡散
性色素を含有する色材層塗布液を調製した。
【0227】色材層塗布液 キレート型熱拡散性色素(D−1) 25部 〃 (D−2) 15部 〃 (D−3) 40部 ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1:前出) 20部 メチルエチルケトン 700部 シクロヘキサノン 200部 上記色材層塗布液を、厚さ100μmのPETフィルム上に
ワイヤーバーを用いて塗布・乾燥し、厚み4μmの色材
層を形成した。
【0228】次に、下記処方の色材バリヤー層塗布液
を、上記色材層の上にワイヤーバーを用いて塗布・乾燥
し、厚み0.15μmの色材バリヤー層を形成し、記録材料
を得た。
【0229】色材バリヤー層塗布液 ゼラチン 2.5部 近赤外吸収色素(IR−2) 2.0部 コロイド銀 0.5部 純水 95部
【0230】
【化72】
【0231】(受像材料の製造)実施例1と全く同様に
して受像材料を作成した。
【0232】(画像の形成) 《色材バリヤー層の穿孔》実施例1と同様にしてレーザ
ー露光を行い、色材バリヤー層の穿孔を行った。
【0233】《色材の転写》上記のように色材バリヤー
層が穿孔された記録材料の色材バリヤー層と受像材料の
受像層とが接するように重ね合わせ、180℃・2kg/cm2
の熱ロールを通し、穿孔部分を通して色材を受像層に転
写させた。
【0234】PETフィルム透過濃度は0.02、未露光部
透過濃度は0.04、ベタ露光部透過濃度は3.28であった。
更に、得られた画像の保存性の確認のため、50℃で1カ
月間保存を行ったが、室温保存のリファレンスと比較し
ても、画像の滲みもなく良好な保存性を示した。
【0235】実施例3 (記録材料の製造)下記組成物を混合・分散して熱拡散
性色素を含有する色材層塗布液を調製した。
【0236】色材層塗布液 熱拡散性色素(日本化薬社製:カヤセットブルー714) 4部 ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1:前出) 4部 メチルエチルケトン 90部 シクロヘキサノン 10部 上記色材層塗布液を、厚さ100μmのPETフィルム上に
ワイヤーバーを用いて塗布・乾燥し、厚み4μmの色材
層を形成した。なお、PETフィルムの裏面には、バッ
キング層としてシリコン変性ウレタン樹脂(大日精化社
製:SP-2105)を含むニトロセルロース層を設けた。
【0237】次に、下記処方の色材バリヤー層塗布液
を、上記色材層上にワイヤーバーを用いて塗布・乾燥
し、厚み0.5μmの色材バリヤー層を形成し、記録材料を
得た。
【0238】色材バリヤー層塗布液 ゼラチン 3.5部 近赤外吸収色素(IR−1) 1.5部 純水 95部 (受像材料の製造)厚さ150μmの合成紙(王子油化合成
紙社製:ユポFPG-150)上に、下記組成の受像層塗布液
をワイヤーバーを用いて塗布、更にドライヤーで仮乾燥
した後、100℃のオーブン中で1時間乾燥して合成紙上
に厚み5μmの受像層を有する受像材料を得た。
【0239】受像層塗布液 塩化ビニル-ビニルイソブチルエーテル共重合体 8.5部 (BASF社製:ラロフレックスMP25) ポリメチルメタクリレート球状微粒子(粒径12〜15μm) 0.5部 ポリエステル変性シリコン樹脂 1部 (信越シリコーン社製:X-24-8300) メチルエチルケトン 40部 シクロヘキサノン 10部 以上のように作成した記録材料と受像材料を1kg/cm2
・90℃の熱ロールを通すことにより一体化した。
【0240】(画像の形成) 《色材バリヤー層の穿孔》前記記録材料の色材バリヤー
層に、半導体レーザーLTO90MD/MF(シャープ社製:波
長830nm,最大光出力100mW)のレーザ光を集光して最大
出力時約6μm径のビームとし、走査ピッチ10μm、走査
速度2m/秒で照射することにより色材バリヤー層を穿
孔した(光学効率は60%であった)。
【0241】《色材の転写》色材バリヤー層が穿孔され
た一体化材料を、130℃で3kg/cm2の加熱・加圧が行え
る熱ロールを通し、穿孔部分のみ色材(拡散性色素)を
受像層に転写させた。
【0242】得られた画像は異物による転写抜けが無
く、8μm径のドットで構成されたベタ転写部分の赤反
射濃度(ベタ濃度)を測定したところ3.1であった。穿
孔されなかった部分の反射濃度(白地濃度)は0.06であ
り、熱ロールを通す前の受像材料の反射濃度と変わりな
かった。
【0243】実施例4 実施例2と同様にして厚み12μmのPET上に色材層塗
布液の処方のみ下記のように変更して記録材料を作成
し、次に下記の受像材料を作成した。
【0244】色材層塗布液 キレート型熱拡散性色素(例示化合物11−26) 22部 〃 (例示化合物10−1) 13部 〃 (例示化合物9−7) 35部 マット剤(平均粒径17μm,総研化学社製:MR-20G) 10部 ポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX−1:前出) 20部 メチルエチルケトン 700部 シクロヘキサノン 200部 (受像材料の製造)裏面に帯電防止加工を施し、表面抵
抗を5×109Ωとした厚さ175μmのPETの帯電防止加
工処理面と反対側の面に、下記組成のクッション層塗布
液をドクターブレードを用いて塗布し、乾燥膜厚10μm
のクッション層を設けた。
【0245】クッション層塗布液 エチレン-酢酸ビニル樹脂 30部 (三井デュポンポリケミカル社製:エバフレックスEV-40Y) トルエン 60部 メチルエチルケトン 10部 次に、別途、シリコン表面処理剤により剥離性を持たせ
た厚さ25μmのPETの表面処理剤塗布面に、下記処方
の受像層塗布液をワイヤーバーにて塗布し、乾燥膜厚3
μmの受像層を形成した。
【0246】受像層塗布液 塩化ビニル樹脂(信越化学社製:TK−300) 40部 金属イオン含有化合物(17−4) 50部 アミノ変性シリコン(KF−393:前出) 5部 エポキシ変性シリコン 5部 (信越シリコン社製:X-22-343) メチルエチルケトン 300部 シクロヘキサノン 100部 この25μm剥離性PET上に設けられた受像層面と、先
に作成したクッション層が塗布された175μmPETのク
ッション層面を対面させて、室温でラミネーターにより
3kg/cm2の加圧を行い、2枚のシートを貼り合わせた
後、剥離性のPETを剥離することにより、175μmPE
T上にクッション層及び受像層がこの順に形成された受
像材料を得た。
【0247】(一体化加工)次に、記録材料のバリヤー
層面と受像材料の受像層面とを対面させて、室温でラミ
ネーターにより0.5kg/cm2の圧力を加え、記録材料と受
像材料の一体化を行った。
【0248】(画像の形成)色材バリヤー層の穿孔を実
施例1と同様にして行い、一体化された材料をラミネー
ターを通して180℃・5kgの加熱・加圧を行った後、両
者を分離した。フィルム透過濃度は0.04、未露光部透過
濃度及びベタ露光部透過濃度は、それぞれ0.04と3.58で
あった。
【0249】一体化により画像形成時の異物付着による
転写抜けなどが無くなった。又、得られた画像は細線再
現性に優れ、実施例2により得られた画像よりも更に均
一な線巾を有していた。
【0250】
【発明の効果】本発明の取扱い性が簡便な穿孔転写型記
録材料及びそれをを用いた記録方法により、高濃度で画
像保存性に優れた色素画像が安定して得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録材料を用いて、本発明の記録方法
を行う時系列的な工程模式図
【図2】本発明の別構成の記録材料を用いて、本発明の
記録方法を行う時系列的な工程模式図
【図3】本発明で使用する光源の発光素子の配置例
【図4】本発明で使用する光源の発光素子の別なる配置
【符号の説明】
1 記録材料支持体 2,12 色材層 3,13 色材バリヤー層 4,14 受像層 5 受像材料支持体 11 一体化型材料の第1支持体 15 一体化型材料の第2支持体 16 マット剤 17 転写された色材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 駒村 大和良 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも色材層と色材バリ
    ヤー層を有する記録材料の該色材バリヤー層を画像様に
    穿孔し、熱・圧力によって穿孔部分の色材層の色材を受
    像層に転写させる記録方法に用いる穿孔転写型記録材料
    において、色材層が少なくともキレート色素形成可能な
    色材を含有することを特徴とする穿孔転写型記録材料。
  2. 【請求項2】 キレート色素形成可能な色材が下記一般
    式(1)又は一般式(2)で表される化合物であること
    を特徴とする請求項1記載の穿孔転写型記録材料。 【化1】 〔式中、X1及びX2は各々、少なくとも一つの環が5〜
    7個の原子で構成される芳香族炭素環又は複素環を形成
    するに必要な原子群を表し、縮合環を形成していてもよ
    く、かつアゾ基に結合する炭素原子の隣接位の少なくと
    も一つが(a)窒素原子、酸素原子、硫黄原子であるか、
    (b)窒素原子、酸素原子、硫黄原子、燐原子と結合した
    炭素原子であるか、(c)キレート化可能基が結合した炭
    素原子である。〕 【化2】 〔式中、X3は一般式(1)で定義したX1及びX2と同
    義であり、Eは電子吸引性基を表し、R1はアルキル基
    又はアリール基を表す。〕
  3. 【請求項3】 キレート色素形成可能な色材が、下記一
    般式(3)〜一般式(12)で表される化合物から選ばれ
    る一つであることを特徴とする請求項1記載の穿孔転写
    型記録材料。 【化3】 〔式中、Z1は2個の炭素原子とQと共に5又は6員の
    複素環を形成するに必要な原子群を表し、Qは−O−、
    −S−、−N<又は−N(R)−(Rは水素原子又はアルキル
    基を表す)を表す。R2及びR3は各々、水素原子又は1
    価の基を表し、u及びwは各々1〜5の整数を表す。〕 【化4】 〔式中、Lは−CON(R′)−(R′はアルキル基又は水素
    原子を表す)、−COO−又は−SO2−を表し、X4はアゾ
    基の結合した炭素原子に隣接する原子が、窒素原子又は
    キレート化可能基が結合した炭素原子である含窒素複素
    環又は芳香族炭素環を表し、R4は置換基を有してもよ
    い脂肪族基、複素環基又は水素原子を表す。〕 【化5】 〔式中、R5はベンゼン環に置換可能な基を表し、nは
    0〜3の整数を表す。nが2以上の時、複数のR5は各
    々、同一でも異なっていてもよい。R6はヒドロキシル
    基又はアミノ基を表す。〕 【化6】 〔式中、R7はベンゼン環に置換可能な基を表し、R8
    イソキノリン環に置換可能な基を表し、p,qは各々0
    〜4の整数を表す。p,qが2以上の時、複数のR7
    8はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、又、それ
    ぞれ互いに結合して環を形成してもよい。R9は水素原
    子、ハロゲン原子又は1価の置換基を表し、Gはキレー
    ト化可能基を表す。〕 【化7】 〔式中、R10は置換基を有してもよいアルキル基又はシ
    クロアルキル基を表し、X5はアゾ基に結合している炭
    素原子及び炭素原子に結合している窒素原子と共に5又
    は6員の含窒素複素環を形成するに必要な原子群を表
    し、該複素環は置換基を有していてもよく、9又は10員
    の縮合環を形成してもよい。〕 【化8】 〔式中、R11及びR12は各々、水素原子又は置換基を表
    し、X6はアゾ基に結合している炭素原子及びヒドロキ
    シル基が結合している炭素原子と共に6員の含窒素複素
    環を形成するに必要な原子群を表し、該複素環は置換基
    を有していてもよく、更に縮合環を形成してもよい。〕 【化9】 〔式中、X7は芳香族炭素環を形成するに必要な原子群
    を表し、X8はチアゾール環又はベンゾチアゾール環を
    形成するに必要な原子群を表し、R13はアルキル基を表
    す。〕 【化10】 〔式中、R14はアルキル基、ハロゲン原子又は水素原子
    を表し、R15はアルキル基又は水素原子を表し、R16
    びR17は各々、置換基を有してもよいアルキル基又は置
    換基を有してもよいアリール基を表す。ただし、R16
    びR17の少なくとも一つはアルキル基で置換されたアリ
    ール基又はアルキル置換アリール基で置換されたアルキ
    ル基を表す。〕 【化11】 〔式中、R18及びR19は各々、水素原子又は置換基を表
    し、R20は置換基を有してもよいアルキル基又は置換基
    を有してもよいアリール基を表し、Z2は2個の炭素原
    子と共に5又は6員の芳香族炭素環又は複素環を形成す
    るに必要な原子群を表す。〕 【化12】 〔式中、X9及びX10は各々、少なくとも一つの環が5
    〜7個の原子から構成される芳香族炭素環又は複素環を
    形成するに必要な原子群を表し、縮合環を形成してもよ
    い。なお、化合物の分子量は330以下である。〕
  4. 【請求項4】 第1支持体上に少なくとも色材層、色材
    バリヤー層、受像層及び第2支持体をこの順に有するこ
    とを特徴とする穿孔転写型記録材料。
  5. 【請求項5】 色材バリヤー層と受像層の間が、全面積
    の90%以上の領域において3〜50μmの間隔を有するこ
    とを特徴とする請求項4記載の穿孔転写型記録材料。
  6. 【請求項6】 色材層、色材バリヤー層及び受像層のい
    ずれかがマット剤を含有することを特徴とする請求項4
    又は5記載の穿孔転写型記録材料。
  7. 【請求項7】 マット剤の粒径が5μm以上であること
    を特徴とする請求項6記載の穿孔転写型記録材料。
  8. 【請求項8】 第1支持体と色材層の間にクッション層
    を有することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項
    に記載の穿孔転写型記録材料。
  9. 【請求項9】 受像層と第2支持体の間にクッション層
    を有することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項
    に記載の穿孔転写型記録材料。
  10. 【請求項10】 色材バリヤー層が赤外吸収色素を含有
    することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記
    載の穿孔転写型記録材料。
  11. 【請求項11】 支持体上に少なくとも色材層と色材バ
    リヤー層を有する記録材料の該色材バリヤー層を画像様
    に穿孔し、熱・圧力によって穿孔部分の色材層の色材を
    受像層に転写させる記録方法において、色材層が少なく
    ともキレート形成可能な色材を含有し、受像材料の受像
    層が金属イオン含有化合物を含有することを特徴とする
    穿孔転写型記録方法。
  12. 【請求項12】 第1支持体上に少なくとも色材層、色
    材バリヤー層、受像層及び第2支持体をこの順に有する
    記録材料の該色材バリヤー層を画像様に穿孔し、熱・圧
    力によって穿孔部分の色材層の色材を受像層に転写させ
    ることを特徴とする穿孔転写型記録方法。
  13. 【請求項13】 支持体上に少なくとも色材層と色材バ
    リヤー層を形成した記録材料と、支持体上に少なくとも
    受像層を形成した受像材料を加圧下に貼り合わせること
    を特徴とする請求項4記載の穿孔転写型記録材料の作成
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7078149B2 (en) * 2002-06-12 2006-07-18 Ritek Corporation Optical recording medium and method for making the same

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US7078149B2 (en) * 2002-06-12 2006-07-18 Ritek Corporation Optical recording medium and method for making the same

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