JP3263138B2 - 熱転写シート - Google Patents

熱転写シート

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JP3263138B2
JP3263138B2 JP22362492A JP22362492A JP3263138B2 JP 3263138 B2 JP3263138 B2 JP 3263138B2 JP 22362492 A JP22362492 A JP 22362492A JP 22362492 A JP22362492 A JP 22362492A JP 3263138 B2 JP3263138 B2 JP 3263138B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は熱転写シートに関し、更
に詳しくは、階調性の高いカラー画像を形成する場合、
シャドウ部は勿論、ハイライト部の染料転写性が均一且
つ良好で高品質の転写画像が形成可能な昇華型熱転写シ
ートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、種々の熱転写方法が公知である
が、それらの中で昇華性染料を記録剤とし、これをポリ
エステルフイルム等の基材シートに担持させて熱転写シ
ートとし、昇華性染料で染着可能な被転写材、例えば、
紙やプラスチックフイルム等に染料受容層を形成した被
転写材上に各種のフルカラー画像を形成する方法が提案
されている。この場合には加熱手段としてプリンターの
サーマルヘッドが使用され、極めて短時間の加熱によっ
て3色又は4色の多数の色ドットを被転写材に転移さ
せ、該多色の色ドットにより原稿のフルカラー画像を再
現するものである。この様に形成された画像は、使用す
る色材が染料であることから非常に鮮明であり、且つ透
明性に優れている為、得られる画像は中間色の再現性や
階調性に優れ、従来のオフセット印刷やグラビア印刷に
よる画像と同様であり、且つフルカラー写真画像に匹敵
する高品質の画像が形成可能となっている。
【0003】
【発明が解決しようとしている問題点】上記の如き熱転
写方法で写真に匹敵する高品質画像を形成する為には、
使用する熱転写シートの構成が重要であり、先ず、第一
に、染料層中の染料が均一に存在することが必要であ
る。これは染料と親和性の大なる樹脂を染料層のバイン
ダーとして使用すれば達成されるが、この場合には染料
の被転写材への移行性が十分とは云えず、高濃度画像が
形成されないという問題がある。一方、バインダー樹脂
として染料との親和性の低い樹脂を使用すれば染料の被
転写材への移行性は良好であるが、熱転写シートの保存
中に染料層中で染料が凝集したり、結晶化したり、或は
染料層の表面にブリードアウトし、被転写材への均一な
染料転写が困難となるという問題がある。この問題はカ
ラー画像を形成する場合において、そのハイライト部
(淡色部)において著しい転写むら(色むら)となって
現れる。従って、本発明の目的は、上記従来技術の問題
点を解決し、階調性のあるカラー画像を形成する場合、
シャドウ部は勿論、ハイライト部においても均一且つ良
好な染料転写が可能で転写むら等を生じない熱転写シー
トを提供することである。
【0004】
【問題点を解決する為の手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、基材シート上
に、加熱により移行して被転写材上に転写される染料を
含有する染料層が積層されてなる熱転写シートであっ
て、前記染料層のバインダー成分が、下記成分のうちの
(I)と(II)との混合物であることを特徴とする熱転
写シートである。 (I)アセタール化部分の重量%がポリマー全量中で5
0重量%以上であり且つアセタール化部分の80%以上
がアセトアセタールであるポリビニルアセトアセタール
樹脂。 (II)アセタール化部分の重量%がポリマー全量中で5
0重量%以上であり且つアセタール化部分の40%以上
がフェニル基を有するアルデヒドでアセタール化された
ポリビニルアセタール樹脂。又、本発明は、基材シート
上に、加熱により移行して被転写材上に転写される染料
を含有する染料層が積層されてなる熱転写シートであっ
て、前記染料層のバインダー成分が、下記成分(III)
であることを特徴とする熱転写シートである。 (III)アセタール化部分の重量%がポリマー全量中で
50重量%以上であり且つアセタール化部分の10%以
上がフェニル基を有するアルデヒドでアセタール化され
たポリビニルアセタール樹脂。
【0005】
【作用】染料層を構成するバインダー樹脂として特定の
バインダー樹脂を採用することによって、染料とバイン
ダー樹脂との相溶性が良好であるにも係らず、染料の放
出性が良好であるので、階調性のあるカラー画像を形成
する場合、シャドウ部は勿論、ハイライト部においても
均一且つ良好な染料転写が可能で転写むら等を生じない
熱転写シートを提供することが出来る。
【0006】
【好ましい実施態様】以下に図面に示した好ましい実施
態様を参照して本発明を更に詳細に説明する。本発明に
係る熱転写シート1は、図1に示す様に、基材シート2
上に染料層3を設けて構成される。基材シート2として
はコンデンサーペーパー、ポリエステルフイルム、ポリ
スチレンフイルム、ポリサルフォンフイルム、ポリイミ
ドフイルム、ポリビニルアルコールフイルム、セロファ
ン等アラミドフイルム、ポリエーテルイミドフイルム、
ポリエーテルエーテルケトンフイルム、ポリパルバン酸
フイルム等の紙若しくはフイルムが用いられ、その厚み
は、1.5〜50μm、好ましくは2〜9μmである。
これらの紙やフイルムの中で価格面及び未処理状態での
耐熱性を要求される場合は、コンデンサーペーパーが用
いられ、一方、機械的強度を有し熱転写シート作成時の
取り扱いやサーマルプリンター内で走行させた場合に破
断しないこと、表面が平滑であること等を重要視する場
合には、ポリエステルフイルムが好ましく用いられる。
【0007】染料層3は、染料と特定のバインダー樹脂
とから主としてなる。染料は、熱により溶融、拡散若し
くは昇華して移行する染料であって、特に分散染料が好
ましく用いられる。これら染料は、約150〜550程
度の分子量を有するものであり、昇華(溶融)温度、色
相、耐光性、インキ化及びバインダー樹脂中での溶解性
等を考慮して選択され、一般的には、ヂアリールメタン
系、トリアリールメタン系、チアゾール系、メチン系、
アゾメチン系、キサンチン系、オキサジン系、チアジン
系、アジン系、アクリジン系、アゾ系、スピロジピラン
系、インドリノスピロピラン系、フルオラン系、ローダ
ミンラクタム系、アントラキノン系等の染料が代表的で
あり、具体的には以下の様な染料が好ましく用いられ得
る。C.I.(Color Index)イエロー51、3、54、7
9、60、23、7、141;C.I.ディスパースブルー
24、56、14、301、334、165、19、7
2、87、287、154、26;C.I.ディスパースレ
ッド135、146、59、1、73、60、167;
C.I.ディスパースバイオレット4、13、26、36、
56、31;C.I.ソルベントバイオレット13;C.I.ソ
ルベントブラック3;C.I.ソルベントグリーン3;C.I.
ソルベントイエロー56、14、16、29;C.I.ソル
ベントブルー70、35、63、36、50、49、ア
セタール化部分、105、97、11;C.I.ソルベント
レッド135、81、18、25、19、23、24、
143、146、182等。
【0008】更に具体的には、例えば、3,3´−ジエ
チルオキサチアシアニン・アイオダイド・アストラゾン
ピンクFG(バイエル社製、C.I.48015)、2,2´・
カルボシアニン(C.I.808)、アストラフイロキシンF
F(C.I.48070)、アストラゾン・イエロー7GLL
(C.I.ベーシックイエロー21)、アイゼン・カチロン
エロー3GLH(保土谷化学製、C.I.48055)、アイゼ
ン・カチロンレッド6BH(C.I.48020)等の如きモノ
メチン系、ジメチン系又はトリメチン系等のメチン(シ
アニン)系塩基性染料類;オーラミン(C.I.655)等の
如きジフェニルメタン系塩基性染料類;マラカイト・グ
リーン(C.I.42000)、ブリリアント・グリーン(C.I.4
2040)、マジェンタ(C.I.42510)、メタル・バイオレ
ット(C.I.42535)、クリスタル・バイオレット(C.I.4
2555)、メチル・グリーン(C.I.684)、ビクトリア・
ブルーB(C.I.44045)等のトリフェニルメタン系塩基
性染料;ピロニンG(C.I.739)、ローダミンB(C.I.4
5170)、ローダミン6G(C.I.45160)等のキサンテン
系塩基性染料;アクリジン・イエローG(C.I.785)、
レオニンAL(C.I.46075)、ベンゾフラビン(C.I.79
1)、アフイン(C.I.46045)等のアクリジン系塩基性染
料;ニュートラル・レッド(C.I.50040)、アストラゾ
ン・ブルーBGE/x 125%(C.I.51005)、メチレ
ン・ブルー(C.I.52015)等のキノンイミン系塩基性染
料;その他第4級アンモニウム基を有するアントラキノ
ン系塩基性染料等の塩基性染料等が挙げられる。これら
の染料は、そのままの形態で、或はこれらの染料をアル
カリ処理した形態で用いることが出来、又、これらの染
料の対イオン交換体或はロイコ体も用いることが出来
る。常態では無色或は淡色であるロイコ染料等を使用す
る場合は、被転写材に顕色剤を包含させておけばよい。
【0009】更に好ましい染料を例示する。
【化1】 (上記一般式中のR1は、置換又は非置換のアルキル基
又はアルコキシ基を、R2は、アルコキシカルボニル
基、アルキルアミノカルボニル基、アルコキシ基、アル
コキシアルコキシ基、アルキル基、シクロアルキル基又
は複素環基を、R3及びR4は置換又は非置換のアルキル
基を、R5は置換又は非置換のアリール基又は置換又は
非置換の芳香族複素環基を、R6は置換又は非置換のア
ルキル基を、R11及びR12は、置換又は非置換のアルキ
ル基、アリール基、シクロアルキル基又はビニル基を、
9はCONHR、NHCOR、SO2NHR、NHSO
2R(Rは置換又は非置換のアルキル基、シクロアルキ
ル基、アリール基又は芳香族複素環基を表す)、R
10は、置換又は非置換のアルキル基、アルコキシ基、ア
ルキルカルボニルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ
基、カルバモイル基、スルファモイル基、水素原子又は
ハロゲン原子を表す。)
【0010】本発明で使用するバインダー樹脂は、主と
してポリビニルアセタール樹脂からなる。本発明でバイ
ンダー樹脂として使用するポリビニルアセタール樹脂
下記の3種であり、本発明では下記樹脂(I)と(II)
との混合物(この場合の好ま しい混合比(重量)は、前
者100重量部当たり後者が約5〜50重量部の範囲で
ある)、又は(III)を使用する。 (I)アセタール化部分の重量%がポリマー全量中で5
0重量%以上であり且つアセタール化部分の80%以上
がアセトアセタールであるポリビニルアセトアセタール
樹脂、(II) アセタール化部分の重量%がポリマー全量中で5
0重量%以上であり且つアセタール化部分の40%以上
がフェニル基を有するアルデヒドでアセタール化された
ポリビニルアセタール樹脂との混合物。III)アセタール化部分の重量%がポリマー全量中で
50重量%以上であり且つアセタール化部分の10%以
上がフェニル基を有するアルデヒドでアセタール化され
たポリビニルアセタール樹脂。
【0011】上記において、アセタール化部分及びその
種類を上記範囲及び種類にするには、ポリビニルアルコ
ールをアセタール化する際に使用するアルデヒドの種類
及び反応量を調整することによって容易に行うことが出
来る。上記(I)において、アセタール化部分の重量%
がポリマー全量中で80重量%未満であり及び/又はア
セタール化部分の80%以上がアセトアセタールではな
い場合には、本発明の目的であるハイライト部における
均一転写性、即ちハイライト部の色再現性が不十分とな
る。同様に上記の(II)及び(III)の例においても、
所定の条件から外れると、同様に本発明の目的であるハ
イライト部における均一転写性、即ちハイライト部の色
再現性が不十分となる。上記ポリビニルアセタール樹脂
の分子量は特に限定されないが、重合度として100〜
10,000の範囲であることが好ましい。
【0012】又、本発明では、前記ポリビニルアセター
ル樹脂の他に、他の公知のバインダー樹脂、例えば、ポ
ルエステル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリ
カーボネート、セルロース誘導体、アクリル樹脂、前記
以外のポリビニルアセタール樹脂等を多少であれば併用
することが出来る。又、本発明においては、染料層の耐
熱性を向上させるために、本発明の目的達成を妨げない
範囲において、水酸基と反応する官能基を少なくとも2
個以上有する架橋剤、例えば、ポリイソシアネート化合
物等を染料層形成時に使用してもよい。
【0013】染料の染料層中に含有される割合は、染料
の昇華(溶融)温度、発色した状態でのカバリングパワ
ー(演色性)の大小にもよるが、上記バインダー樹脂成
分に対する染料の重量比(染料/バインダー樹脂比)が
0.3以上が好ましく、更に好ましくは0.3〜3.0
であり、最も好ましくは0.55〜2.5である。染料
/バインダー樹脂比が0.3未満では印字濃度及び熱感
度等の画像品質においては好ましくなく、一方、3.0
を超えるとフイルムへの密着性及び保存性が低下する傾
向がある。染料層3を基材シート2上に設けるには、染
料、バインダー樹脂及び適当な溶剤と共に溶解して染料
層用インキとし、これを適当な印刷方法或は塗布方法に
より基材シート2上に塗布及び乾燥して設ければよい。
又、染料はバインダー樹脂中において実質的に溶解状態
にあることが好ましい。尚、必要に応じて、染料層用イ
ンキ中に任意の添加剤を加えてもよい。
【0014】本発明の熱転写シートの基本的な構成は上
記の通りであるが、サーマルヘッドの様な接触型の加熱
手段により、基材シートの表面を直接加熱する場合に
は、図2に示す様に、基材シート2の染料層3が設けら
れていない側にワックス等の滑剤或は離型剤を含む滑性
層4を設けることによって、サーマルヘッド等の加熱手
段と基材シートとの融着を防止すると共に滑り性を良好
にすることが出来る。本発明の熱転写シートは、所要の
寸法に裁断した枚葉シート状であってもよく、又、連続
状或は巻き取り状であってもよく、更に幅の狭いテープ
状であってもよい。
【0015】基材シート2上へ染料層3を設けるに際し
て、基材シート2の表面に同一の染料が含まれた染料層
用インキを全面的に塗布してもよいが、場合によって
は、異なる染料をそれぞれ含む複数の染料層用インキ
を、夫々基材シート2の表面の異なる区域に形成しても
よい。例えば、図3に示す様な、黒色の染料層5と赤色
の染料層6とを基材シート2上に平行に積層した熱転写
シート、或は図4に示す様な、黄色の染料層7、赤色の
染料層8、青色の染料層9、黒色の染料層10を基材シ
ート2上に繰り返しても設けた熱転写シートであっても
い。
【0016】この様な複数の色相の異なる染料層が設け
られた熱転写シートを使用することによって、1枚の熱
転写シートにより多色画像が得られるという利点が生ず
る。尚、熱転写シートに、パーフォレーションを形成し
たり、或は色相の異なる区域の位置を検出する為の検知
マーク等を設けることによって、使用時の便を図ること
も出来る。上記の様にして構成された本発明の熱転写シ
ートと任意の被転写材を、例えば、図5に示す如く熱転
写シート1の染料層3と被転写材の基材シート12上の
染料受容層13とが接する様に向かい合わせ、染料層3
と染料受容層13の界面にサーマルヘッド14等の熱印
加手段により画像情報に応じた熱エネルギーを与えるこ
とにより、染料層3中の染料を染料受容層13に移行さ
せて、所望の画像を染料受容層13中に形成させること
が出来る。
【0017】熱エネルギーを与える熱源としては、サー
マルヘッド14の他にレーザー光、赤外線フラッシュ、
熱ペン等の公知のものを使用することが出来る。熱エネ
ルギーの与え方としては熱転写シート側から行う他、被
転写材側から行っても、或は両側から行なってもよい
が、熱エネルギーの有効利用の観点からは熱転写シート
側から行うのが好ましい。しかしながら、被転写材側か
ら熱エネルギーを与える方が、与える熱エネルギーを制
御して画像の濃淡の階調を表現したり、或いは染料が被
転写材上で拡散するのを促進して画像の連続階調の表現
をより確実化する意味で好ましく、又、両側から熱エネ
ルギーを与える方法においては前記両者の方法の利点を
同時に享受することが出来る。熱エネルギーを与える熱
源としてサーマルヘッド14を用いるときは、サーマル
ヘッドに印加する電圧或はパルス幅を変調することによ
り、与える熱エネルギーを連続的に或は多段階に変化さ
せることが出来る。
【0018】熱エネルギーを与える熱源としてレーザー
光を用いるときは、レーザー光の光量や照射面積を変化
させることにより、与える熱エネルギーを変化させるこ
とが出来る。又、音響光学素子を内蔵したドットジェネ
レーターを用いれば、網点の大小に応じた熱エネルギー
を与えることも出来る。尚、レーザー光を用いるとき
は、熱転写シートと被転写材とを充分に密着させて行う
と良く、又、レーザー光を照射する面はレーザー光の吸
収を良くする為に、例えば、黒色に着色しておくとよ
い。或は染料層3中にレーザー光を吸収し、熱に変換す
る非昇華性の物質を添加しておけば、より染料への熱伝
達が効率良く行われ、且つ画像の分解能が高くなる。
【0019】熱エネルギーを与える熱源として赤外線フ
ラッシュランプを用いるときは、レーザー光を用いる場
合と同様に行うと良く、或は黒色等の、画像の濃淡を連
続的に表現したパターン或は網点パターンを介して行っ
てもよく、或は一面の黒色等の着色層と、前記のパター
ンのネガに相当するネガパターンを組み合わせて行って
もよい。以上の様にして染料層と染料受容層との界面に
熱エネルギーを与えると、染料層中の染料は与えられた
熱エネルギーに応じた量で染料受容層13に熱移行且つ
受容されて画像を所望の形成する。
【0020】以上の如き熱転写記録により、熱エネルギ
ーに応じた染料が染料受容層に熱転写されて、1色の画
像を記録することが出来るが、以上の方法を熱転写シー
トを取り換えて、例えば、黄色、赤色、藍色及び必要に
応じて黒色の熱転写シートを順次取り換えて、各色に応
じた熱転写を行うことにより、各色の合成からなる写真
調のカラー画像を得ることも出来る。尚、この様に各色
の熱転写シートを用いる代わりに、図4に示す様に予め
各色に塗り分けて形成した区域を有する熱転写シートを
用い、先ず黄色の区域を用いて黄色の分色画像を熱転写
し、次に熱転写シートの赤色の区域を用いて熱転写を行
い、以下、順次熱転写を繰り返すことにより黄色、赤
色、藍色、及び必要により黒色の分色画像を熱転写する
方法を採ると、熱転写シートの交換が不要になるという
利点がある。尚、熱エネルギーを与えるのに用いる熱源
の大きさ、熱転写シートと被転写材との密着性、熱エネ
ルギーを適宜に調整することにより、得られる画像の品
質を向上させることが出来る。
【0021】本発明の熱転写シートは被転写材と組み合
わせて用いることにより、熱印字方式の各種のプリンタ
ーを用いた印字、ファクシミリ、或は磁気記録方式によ
る写真のプリント作成やテレビジョン画面からのプリン
ト作成等に利用することが出来る。例えば、受信したテ
レビジョンの一画面を、磁気テープ或は磁気ディスク等
の記録媒体に、黄色、赤色、藍色及び必要に応じ黒色の
各分色パターンの信号として記憶させておき、記憶され
た各分色パターンの信号を出力させ、この信号に応じた
熱エネルギーをサーマルヘッド等の前記した熱源により
熱転写シートと被転写材の重ね合わせ体に付与して、各
色毎に逐次熱転写を行うと、テレビジョンの画面をシー
ト状のハードプリントとして再生することが出来る。こ
の様なテレビジョンの画面のプリントアウトに、被転写
材と本発明の熱転写シートの組み合わせ体を利用すると
きは、通常被転写材として白色の染料受容層単独のもの
又は無色透明な染料受容層を紙等の基材シートで裏打ち
したもの、若しくは白色の染料受容層を紙等の基材シー
トで裏打ちしたもの等を用いると反射画像を得るのに都
合がよい。
【0022】尚、上記と同様なことはコンピューターの
操作によりCRT画面上に形成された文字、図形、記号
及び色彩等の組み合わせ、グラフィックパターンを原画
として利用するときにも行うことが出来、又、原画が絵
画、写真、印刷物等の固定画像或は人物、静物、風景等
の実際の物であるときは、ビデオカメラ等の適宜な手段
を媒介して用いることにより、上記と同様に画像を形成
することが出来る。更に原画から各分色パターンの信号
を作り出すに際し、印刷の写真製版用に用いられる電子
製版機(カラースキャナー)を用いてもよい。
【0023】
【実施例】次に実施例及び比較例を挙げて本発明を更に
具体的に説明する。尚、文中、部又は%とあるのは特に
断りのない限り重量基準である。 実施例1〜及び比較例1〜4 下記組成の染料層用インキを調製し、背面に耐熱処理を
施した6μm厚のポリエチレンテレフタレートフイルム
に、乾燥塗布量が1.0g/m2になる様に塗布及び乾
燥して表3及び表4に記載の本発明及び比較例の熱転写
シートを得た。 インキ組成 下記構造式の染料 a部 下記表1のポリビニルアセトアセタール樹脂 b部 下記表2のポリビニルアセタール樹脂 b部 メチルエチルケトン (100−a−b−c)/2部 トルエン (100−a−b−c)/2部 但し、上記組成において染料が溶剤に不溶な場合には、
溶媒としてDMF、ジオキサン又はクロロフルム等を適
宜用いた。
【0024】次に、基材シートとして合成紙(王子油化
製、ユポFPG#150)を用い、この一方の面に下記
の組成の塗工液を乾燥時10.0g/m2になる割合で
塗布し、100℃で30分間乾燥して染料受容層を形成
して被転写材を得た。 ポリエステルバインダー樹脂(Vylon200、東洋紡製) 11.5部 塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体(VYHH、UCC製) 5.0部 アミノ変性シリコーン(KF−393、信越化学工業製) 1.2部 エポキシ変性シリコーン(X−22−343、信越化学工業製) 1.2部 メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサン(重量比4:4:2) 102.0部
【0025】 熱転写記録テスト 前記の本発明の熱転写シートと上記の被転写材とを夫々
の染料層と染料受容面とを対向させて重ね合わせ、熱転
写シートの裏面からヘッド印加電圧11V、印字時間1
0msec.の条件でサーマルヘッドで記録を行い下記
表3及び表4の結果を得た。
【化2】
【0026】
【表1】
【表2】
【0027】
【表3】
【表4】
【0028】
【効果】以上の如き本発明によれば、染料層を構成する
バインダー樹脂として特定のバインダー樹脂を採用する
ことによって、染料とバインダー樹脂との相溶性が良好
であるにも係らず、染料の放出性が良好であるので、階
調性のあるカラー画像を形成する場合、シャドウ部は勿
論、ハイライト部においても均一且つ良好な染料転写が
可能で転写むら等を生じない熱転写シートを提供するこ
とが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の熱転写シートの断面図。
【図2】 本発明の熱転写シートの断面図。
【図3】 本発明の熱転写シートの斜視図。
【図4】 本発明の熱転写シートの斜視図。
【図5】 本発明の熱転写シートを用いて熱転写する方
法を例示する説明図。
【符号の説明】
1……熱転写シート 2……基体シート 3……熱転写層 11……被熱転写シート 12……基体シート 13……受容層 14……サーマルヘッド 15……プラテンロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−151484(JP,A) 特開 平4−22685(JP,A) 特開 平4−236205(JP,A) 特開 平4−148990(JP,A) 特開 平5−85070(JP,A) 特開 平3−65391(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/38 - 5/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材シート上に、加熱により移行して被
    転写材上に転写される染料を含有する染料層が積層され
    てなる熱転写シートであって、前記染料層のバインダー
    成分が、下記成分のうちの(I)と(II)との混合物で
    あることを特徴とする熱転写シート。 (I)アセタール化部分の重量%がポリマー全量中で5
    0重量%以上であり且つアセタール化部分の80%以上
    がアセトアセタールであるポリビニルアセトアセタール
    樹脂 (II)アセタール化部分の重量%がポリマー全量中で5
    0重量%以上であり且つアセタール化部分の40%以上
    がフェニル基を有するアルデヒドでアセタール化された
    ポリビニルアセタール樹脂。
  2. 【請求項2】 基材シート上に、加熱により移行して被
    転写材上に転写される染料を含有する染料層が積層され
    てなる熱転写シートであって、前記染料層のバインダー
    成分が、下記成分(III)であることを特徴とする熱転
    写シート。 (III)アセタール化部分の重量%がポリマー全量中で
    50重量%以上であり且つアセタール化部分の10%以
    上がフェニル基を有するアルデヒドでアセタール化され
    たポリビニルアセタール樹脂。
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