JPH07161455A - ダイヤモンドヒ−タ - Google Patents

ダイヤモンドヒ−タ

Info

Publication number
JPH07161455A
JPH07161455A JP5341568A JP34156893A JPH07161455A JP H07161455 A JPH07161455 A JP H07161455A JP 5341568 A JP5341568 A JP 5341568A JP 34156893 A JP34156893 A JP 34156893A JP H07161455 A JPH07161455 A JP H07161455A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
diamond
heater
conductive wire
boron
doped
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5341568A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoru Fujii
知 藤井
Takashi Chikuno
孝 築野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Electric Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Electric Industries Ltd filed Critical Sumitomo Electric Industries Ltd
Priority to JP5341568A priority Critical patent/JPH07161455A/ja
Priority to DE69429976T priority patent/DE69429976T2/de
Priority to EP94309113A priority patent/EP0658066B1/en
Priority to US08/354,837 priority patent/US5695670A/en
Priority to CA002137603A priority patent/CA2137603C/en
Publication of JPH07161455A publication Critical patent/JPH07161455A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H05ELECTRIC TECHNIQUES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H05BELECTRIC HEATING; ELECTRIC LIGHT SOURCES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; CIRCUIT ARRANGEMENTS FOR ELECTRIC LIGHT SOURCES, IN GENERAL
    • H05B3/00Ohmic-resistance heating
    • H05B3/10Heating elements characterised by the composition or nature of the materials or by the arrangement of the conductor
    • H05B3/12Heating elements characterised by the composition or nature of the materials or by the arrangement of the conductor characterised by the composition or nature of the conductive material
    • H05B3/14Heating elements characterised by the composition or nature of the materials or by the arrangement of the conductor characterised by the composition or nature of the conductive material the material being non-metallic
    • H05B3/141Conductive ceramics, e.g. metal oxides, metal carbides, barium titanate, ferrites, zirconia, vitrous compounds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Resistance Heating (AREA)
  • Crystals, And After-Treatments Of Crystals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】小型で高密度の発熱が可能であって、液体や真
空中で使用できるヒ−タを提供する。 【構成】ノンド−プのダイヤモンドの一部に連続するボ
ロンド−プダイヤモンドの導電線部2を設けて導電線部
の両端にオ−ミック電極4を設け、ボロンド−プダイヤ
モンドを発熱体とする。ノンド−プダイヤモンドが絶縁
被覆になる。全体がダイヤモンドであるので、小型にす
ることができる。高熱に耐える。真空中、液体中でも使
用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高温用のヒ−タに関
する。特に、真空中で用いるサイズの小さいヒ−タや、
液体で用いる電気絶縁の必要なヒ−タに関する。
【0002】
【従来の技術】ヒ−タは、電流を流すことにより熱を発
生させる素子である。電気抵抗があるので、電流を流す
ことによりジュ−ル熱が発生する。従来のヒ−タは、ニ
クロム線、カンタル線などの金属線が用いられる。高温
でも安定で酸化されにくく抵抗が大きいからである。高
抵抗の金属ヒ−タは実績もあり用途も広く、安価である
などの長所がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ニクロムなどの線ヒ−
タは、導体の中で、あるいは導体と接触した状態で使用
する場合は、絶縁のためにマイカ(雲母)や石英(Si
2 )管で周りを被覆する必要がある。マイカは平板で
あるので、2枚重ねて間にヒ−タ線を挟む。
【0004】石英は円筒管にして線ヒ−タを通す。円筒
形の絶縁碍子で線ヒ−タを保護し絶縁するものもある。
マイカや石英、絶縁碍子等で金属線を包むとその分だけ
体積、面積が増える。被覆のために嵩張ったものにな
る。微小なサイズのヒ−タを作るのが難しい。
【0005】当然のことであるが、金属線のヒ−タは、
融点以上の温度には加熱できない。高融点金属といって
も融点はそれほど高くなく、せいぜい2000℃程度で
ある。金属の融点は酸化物などに比べて低いものであ
る。
【0006】しかし融点が実際の加熱の限界ではない。
抵抗線をマイカや石英で被覆するから、熱伝導が悪くな
る。発熱体の温度と被覆表面の温度の差が大きくなる。
発熱体での温度が絶縁体の融点以下でないといけないと
いう条件もある。このような理由でヒ−タの絶縁体の表
面温度は1000℃程度にしかならない。
【0007】ところが対象物の一部を局所的に加熱した
いという場合がある。この場合体積が小さいが発熱量の
高いヒ−タが必要である。従来の金属ヒ−タでは、被覆
が容積を取ることと、発熱部温度が低いことから、発熱
密度を高くできないという難点がある。本発明はこのよ
うな欠点を克服し、小型で、発熱密度の高いヒ−タを提
供することが目的である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明のヒ−タは、ダイ
ヤモンドの一部に連続するボロンド−プの導電線部を設
け導電線部の端部には電極を設けたものである。その他
の部分はノンド−プのダイヤモンドである。これは絶縁
被覆として機能する。
【0009】電極から電流を流すことにより、ボロンド
−プの導線線部に電流が選択的に流れる。これによって
導電線部が発熱する。電極の数は2とは限らない。3つ
でも4つでも良い。電極と電極の間に連続するボロンド
−プの導電線部が存在すれば良いので、これが蛇行して
いても良い。
【0010】経路を長くすると抵抗を大きくすることが
できる。これは抵抗体を直列接続するのと等価である。
蛇行する導電線部を均一に設けると発熱密度を平均化さ
せることができる。
【0011】また電極間をつなぐ導電線部は1本とは限
らず、2本あるいは3本であっても良い。複数本ある方
が抵抗を下げて発熱量を増やすことができる。これは抵
抗体を並列につなぐのと等価である。また複数の導電線
部を設けると、発熱量密度を場所によって変えることが
できる。
【0012】
【作用】ダイヤモンドは天然のものは絶縁体である。人
工ダイヤモンドでも不純物をド−プしないものは絶縁体
である。従来絶縁体である筈のダイヤモンドをヒ−タと
して利用した例はない。絶縁体がヒ−タになるはずがな
いからである。
【0013】ダイヤモンドは際立った特徴をいくつも持
っている優れた物質である。極めて高価であり美しいこ
とから装飾としてダイヤモンドは古くから使われてい
る。また極めて硬いということから刃物、工具としても
使われる。さらに微粒子は有機物などで固定されてダイ
ヤモンド砥石として使われる。これらがダイヤモンドの
主要な用途である。
【0014】さらに幾つかの優れた点がある。ダイヤモ
ンドは熱伝導度が極めて高い。高熱伝導度を利用したも
のとして、ダイヤモンドヒ−トシンクが提案される。こ
れは半導体素子の放熱のための素子である。アルミのヒ
−トシンクより格段に放熱性が良い。しかし高価なヒ−
トシンクになり用途は限られる。
【0015】さらに剛性が高い割りには軽いので曲げ剛
性率が他の如何なる材料よりも高い。それで高音用のス
ピ−カ−用振動板としての用途もある。これらはいずれ
も高絶縁体としてのダイヤモンドである。高価な材料で
あるので、優れた性質があっても多様な用途に現実に利
用されている訳ではない。絶縁体であるのでヒ−タとし
ての応用は想像もされない。
【0016】人工ダイヤモンドの製造方法は大別して二
つある。炭素原料に高圧高温をかけて合成する高圧合成
法と、加熱した基板に炭化水素と水素の混合ガスを通し
低圧で気相反応を起こさせてダイヤモンドの薄膜を作る
CVD法である。高圧合成法はバルクのダイヤモンド結
晶を作ることができる。
【0017】CVD法は薄いダイヤモンドの薄膜を作る
ことに適しているが、時間をかければかなり厚いダイヤ
モンドの単結晶または多結晶を作ることができる。
【0018】天然ダイヤモンドは高抵抗で絶縁体である
し、高圧合成ダイヤモンドも絶縁体である。したがって
ダイヤモンドがヒ−タとして利用されなかったのは当然
である。CVD法によるダイヤモンドは原料ガスを流し
て、基板の近くで化学反応を起こさせ反応生成物が基板
に堆積するようにしている。ために原料ガス選択の自由
度が高い。
【0019】ダイヤモンドは化学的な安定性が高い。バ
ンドギャプが広い。非酸化雰囲気では耐熱性が高い。非
酸化雰囲気で、融点が4000℃程度で極めて高い。こ
れらの優れた性質と、熱伝導度が高いことから、高温環
境下、あるいは放射線、宇宙線などの苛烈な環境下でも
機能する半導体素子としての応用も探られている。
【0020】半導体素子とする場合は、p型領域、n型
領域、pn接合などを形成する必要がある。純粋に炭素
だけからなる場合、ダイヤモンドは絶縁体であって、半
導体素子にならない。いわんやp型、n型などにはなら
ない。しかしSiの類推でなんらかの不純物を添加すれ
ば、半導体になりさらに、p型、n型になるであろうと
予測される。
【0021】CVD法を使って合成すれば、ダイヤモン
ドに不純物をド−プすることができる。ダイヤモンド半
導体の研究の過程で、ボロンをド−プすることによりp
型領域を形成できることがわかった。しかしn型のド−
ピングは難しい。今だに適当なド−ピングができない。
良好なpn接合もできない。このために整流性の接合と
してはショットキ−接合が用いられようとしている。
【0022】Siの場合は、ノンド−プであっても抵抗
が十分に小さく元々半導体である。ボロンをド−プして
p型にできるし、AsやPをド−プしてn型にもでき
る。不純物をド−プした場合抵抗の下がりが大きく、ド
−プ量と導電性が比例する。制御性に優れ、十分な再現
性もある。
【0023】ところが、ダイヤモンドの場合は、ノンド
−プで絶縁体である。結晶構造がSiと同じダイヤモン
ド構造であるが、Siよりも原子半径が小さく結合力が
強い。ために不純物が結晶構造の内部に取り込まれにく
い。それでド−ピングが自由に起こらない。再現性もな
い。しかしボロンド−プでp型にすることだけは、現在
でも再現性良く実現できる。
【0024】本発明はボロンド−プによりp型域を作る
ことができるという性質を巧みに利用する。p型の部分
は半導体になり、ノンド−プの部分よりも抵抗が低い。
ボロンド−プしても、電気の良導体にならず半導体であ
る。しかし抵抗加熱ヒ−タとするには、電気抵抗はある
程度高くなければならない。良導体であるよりもむしろ
半導体である方が抵抗加熱ヒ−タとして優れているので
ある。
【0025】そこで本発明はダイヤモンドの一部を連続
したボロンド−プの導電線とし、この線の両端に電極を
付け、電流を流し発熱体として利用するのである。これ
が本発明のダイヤモンドヒ−タである。ホトリソグラフ
ィ−技術を用いて、ボロンド−プ線とノンド−プ部分を
選択的に作ることができる。
【0026】ボロンド−プ部分が導電線で、ノンド−プ
の部分は高絶縁体となる。ダイヤモンドをヒ−タとする
と、導電部と被覆部とが同じ材料で作られるという極め
て優れた特長がある。これは他のヒ−タ材料にはまった
く無いことである。
【0027】導電部と被覆部が同じ材料で作られるとい
うようなヒ−タは曾て存在したことがない。ダイヤモン
ドヒ−タが初めてである。同一材料で導電線と被覆部を
作るということは二つの大きい利点を持つ。
【0028】抵抗線に後から被覆を巻き付けるのではな
いから、被覆が体積、面積を余分に取らない。嵩張らな
い超小型のヒ−タを作ることができる。半導体リソグラ
フィの技術を使い微細加工することができるからであ
る。
【0029】また同じ材料であるので熱膨張、収縮の程
度が常に同一になる。境界で熱応力が発生しない。ため
に加熱冷却の繰り返しによって、被覆にひびが入った
り、断線する恐れがない。このようなことは従来のヒ−
タでは類例のないことである。
【0030】図1は本発明のダイヤモンドヒ−タの一例
を示す横断平面図である。図2は同じものの縦断面図で
ある。基板はノンド−プダイヤモンドである。これは多
結晶または単結晶のダイヤモンドである。これは任意に
製法によって作った人工ダイヤモンドでも良いし、天然
ダイヤモンドでも良い。
【0031】この上にCVD法によりボロンド−プのダ
イヤモンド層2と、ノンド−プのダイヤモンド層3をフ
ォトリソグラフィにより選択的に形成する。ボロンド−
プ層2は連続した導電線部にする。この例では2往復す
る形状になっている。これは導電線部を長くして抵抗値
を高めるためである。
【0032】往復回数は2回に限らずより多くの往復回
数を持つパタ−ンとしてもよい。さらに中心から周辺に
渦巻き状に連続する渦巻き型のパタ−ンとしても良い。
ボロンド−プ導電線部が連続していれば良いのである。
いずれにしても、ノンド−プのダイヤモンド層3はこれ
を囲み被覆する。
【0033】導電線部の両端にはボロンを幅広くド−プ
した拡大ド−プ部5がありここにオ−ミック電極4が形
成される。オ−ミック電極4は、ボロンド−プ層2、5
とオ−ミック接合できるTi金属を用いている。拡大ド
−プ層5を設けるのは電極との接合を良好にするためで
ある。
【0034】ボロン部ド−プを広げる替わりに、ボロン
濃度を高めても良い。これによっても電極の近傍の抵抗
を下げてオ−ミック接続を良くすることができる。電極
金属の上は金層(Au)によって被覆して酸化を防ぐよ
うにすると良い。ボロンド−プ層2とこれを囲むノンド
−プ層の上にはさらにノンド−プダイヤモンド層3を設
ける。
【0035】ボロンド−プ層2はノンド−プ層により三
次元的に囲まれる。電極を電源につなぐとボロンド−プ
層に電流が流れる。ノンド−プ層は被覆になり、ド−プ
層が電流の流れる発熱部になる。
【0036】このダイヤモンドヒ−タは、外部が高絶縁
性のダイヤモンドであるから、導電線部と外部の電気的
絶縁は十分である。被覆と導電線部が同じ材料からなる
ので、体積を小さくすることができる。まとまりの良い
形状にできる。たとえば直方体、円柱、平板など任意の
適当な形状にするのは容易である。
【0037】熱伝導度が高いダイヤモンドが被覆になっ
ているから、発熱部に熱が滞留しない。発熱部と外表面
の温度の差が小さい。ノンド−プのダイヤモンド層を薄
くすることにより熱伝導をさらに高めることができる。
発熱部と被覆が同じ材料であるので、ノンド−プのダイ
ヤモンド層と発熱層の剥離などの問題がない。
【0038】また繰り返し加熱冷却によって生じる境界
での剥離が起きたりしない。超小型のヒ−タとすること
ができる。化学的に強いので酸性雰囲気、アルカリ雰囲
気など苛酷な雰囲気でも利用できる。非酸化雰囲気であ
ればかなりの高温まで利用できる。気体の中だけでな
く、液体中でもヒ−タとして使うことができる。導電部
は完全に被覆によって覆われているからである。被覆自
体がダイヤモンドであるので液体が被覆に浸透して絶縁
が破れる恐れがない。
【0039】さらに本発明のヒ−タは真空中でも利用で
きる。被覆と線部の間に空隙がなくて水滴やガスが吸着
されない。ヒ−タに吸着されている気体が放出されて真
空度を下げる恐れが少ない。劣化した発熱体の粉末が飛
散するということもない。
【0040】酸化雰囲気で用いる場合は、ダイヤモンド
ヒ−タの表面の全体をTiCのようなカ−バイド層によ
って覆う。ダイヤモンドは高温で酸化されるがカ−バイ
ドで覆うと酸化されない。
【0041】
【実施例】図面により本発明のダイヤモンドヒ−タの製
造方法を説明する。図3は前半の工程を示す。これはS
i基板を用いてこの上にダイヤモンドをCVD法によっ
て成長させるものである。工程順に説明する。
【0042】工程1:(100)面のSi単結晶基板を
ECRプラズマCVD装置の上に置く。ECRプラズマ
CVD法というのは、縦磁場を印加したチャンバ内にマ
イクロ波を導入し、原料ガスをマイクロ波によって励起
するものである。電子の磁場中でのサイクロトロン周波
数がマイクロ波周波数に等しいようにしてある。
【0043】電子はマイクロ波パワ−を共鳴吸収するよ
うになっている。たとえばマイクロ波の周波数は2.4
5GHzで、875ガウスの磁場で共鳴する。ダイヤモ
ンドを合成するのであるから、導入するガスは、水素ガ
スと、炭化水素ガスである。
【0044】ノンド−プの場合はこれだけで良いが、ボ
ロンド−プのダイヤモンドを合成する場合は、これの他
にボロンを含むガスを導入する必要がある。BH3 、B
26 などの常温で気体である原料を導入する。
【0045】工程2:3%のメタン(CH4 )を含む水
素ガスを100sccmの流量で、ガス入り口からEC
Rプラズマ装置に導入する。チャンバ内の圧力を15T
orrとする。マイクロ波パワ−を300Wとする。
【0046】ガスが、マイクロ波によって励起された電
子によりプラズマとなり、これがSi基板の上で気相反
応をしてダイヤモンド構造を形成する。この時Si基板
の温度は500℃であった。この状態で20時間ダイヤ
モンド成長を続けた。これによって、不純物の無い(ノ
ンド−プの)多結晶ダイヤモンドを100μm成長させ
た。
【0047】工程3:1000ppmのB26 、3%
のメタン(CH4 )を含む水素ガスを5sccmの流量
で、ECRプラズマ装置に導入する。300Wのマイク
ロ波を導入する。この状態を10時間持続する。これに
よってボロンド−プダイヤモンドが、前記のノンド−プ
ダイヤモンドの上に形成される。このダイヤモンド層の
ボロン濃度は1021cm-3であった。
【0048】工程4:この試料をCVD装置から取り出
す。図3の工程4に示すようにフォトリソグラフィ技術
によりボロンド−プ層の上に、非導電部となるべき場所
に対応する櫛形のパタ−ンを形成する。
【0049】つまりレジストを塗布し、ベ−キングし
て、非導電部となるべきパタ−ンを描いたマスクを通し
て露光し現像したものである。櫛形のパタ−ンはレジス
トによるものである。櫛形と表現しているが渦巻き状の
こともあるし蛇行するパタ−ンであることもある。導電
部が連続するようなパタ−ンであれば良い。
【0050】工程5:リアクテイブイオンエッチング
(RIE)装置にこの試料を入れ、試料台にセットす
る。RIEエッチングというのは、平行平板電極の一方
にエッチングすべき試料を設置し、反応性のガスを入れ
て、電極間にRF(高周波)電圧を印加しガスをプラズ
マにし、反応性のイオンが試料に衝突することにより試
料表面をエッチングする方法である。
【0051】RIE装置内に、10%の酸素を含む水素
ガスを60sccm導入し、圧力を1Torrに保つ。
400WのRFパワ−を電極間に印加し、35分間ボロ
ンド−プダイヤモンド層をエッチングする。レジストで
覆われた部分はエッチングされない。レジストで覆われ
ていない部分がエッチングされる。
【0052】工程6:フォトレジストを取り除く。レジ
ストで覆われていた部分だけボロンド−プ層が残る。こ
れが図4の工程5に示すものである。レジストで覆われ
ない部分において、ボロンド−プ層が完全に除かれてい
る。その下のノンド−プ層はエッチングされない。これ
は酸素プラズマに対してノンド−プが耐性があるという
のではなく、エッチング時間を正確に制御することによ
る。
【0053】そして真空蒸着装置に試料をセットする。
電極を取り出すべき部分にチタン(Ti)を0.1μm
蒸着する。その上に重ねて白金(Pt)を0.1μm蒸
着する。Tiを蒸着するのはダイヤモンドとオ−ミック
接続させるためである。白金を重ねるのはTiの酸化、
腐食を防ぐためである。
【0054】工程7:試料を蒸着装置から取り出して、
再びECRプラズマ装置に試料を入れて試料台に設置す
る。3%のメタン(CH4 )を含む水素ガス(H2
を、100sccmの流量でプラズマ装置に導入し、圧
力を15Torrに保つ。300WのECRマイクロ波
パワ−を20時間印加する。この時Si基板の温度は5
00℃である。
【0055】メタンがマイクロ波によって励起された電
子によりプラズマとなり、さらに励起されて分解し炭素
原子となる。炭素原子がダイヤモンド層となって、試料
の上にさらに堆積する。こうしてノンド−プダイヤモン
ド層が先程形成されたボロンド−プのダイヤモンドを覆
うように成長する。
【0056】ボロンド−プ層より上方100μmになる
ようにノンド−プ層を形成する。つまり中間のボロンド
−プ層は、上下を、100μmの厚みの不純物の無いダ
イヤモンド層で挟まれているということである。これが
図4の工程6である。
【0057】工程8:ふっ硝酸によりシリコン(Si)
の基板を除去する。これが図5の工程7に示す。
【0058】工程9:工程5と工程6で述べたフォトリ
ソグラフィとリアクテイブイオンエッチング装置により
電極を覆うダイヤモンド層を除く。これが図4の工程8
に示す状態である。
【0059】以上によって本発明のダイヤモンドヒ−タ
を製作することができる。酸化雰囲気で使う場合はさら
に、
【0060】工程10:ダイヤモンドの表面に、チタン
(Ti)或いはシリコン(Si)を蒸着する。熱処理に
より、TiC、或いはSiC等のカ−バイドになる。ダ
イヤモンドの表面がカ−バイドになるので酸化雰囲気で
あっても、酸化されない。
【0061】以上に説明したものは、ボロンド−プ層が
ひとつの平面上にある。二次元的なヒ−タである。しか
し、工程2〜工程7を繰り返すことによって2つ以上の
平面にボロンド−プ層を設けることができる。こうする
と多層ヒ−タを得ることができる。三次元的ヒ−タであ
る。
【0062】さらに、二つの電極の間に複数のボロンド
−プの導電線を設けて並列抵抗としてもよい。或いは3
以上の電極とこれらの電極を繋ぐ複数のボロンド−プ導
電線を設けるようにしても良い。ここでは基板をSiの
単結晶としているが、その他の金属を基板に用いても良
い。モリブデン、ニッケル等の金属を基板とすることも
できる。
【0063】
【発明の効果】本発明のヒ−タはダイヤモンドを導電線
と被覆の両方に用いるものである。ボロンド−プ層は導
電線になり、ノンド−プ層は被覆となっている。ダイヤ
モンドをヒ−タとするものは曾て無かった。ダイヤモン
ドは絶縁物と考えられてきたからである。
【0064】しかしボロンをド−プすると導電性が得ら
れるし、これはかなりの高抵抗であるので発熱体として
用いることができる。導電部と被覆が同一の材料ででき
ているから構造が単純である。さらにダイヤモンドは熱
伝導率が極めて高い。このようなことから高発熱密度の
小型のヒ−タにすることができる。
【0065】化学的にも堅牢である。酸、アルカリなど
の薬品に汚染される場所でも使うことができる。被覆に
液体が浸透することがないので液体中でも使える。液状
の薬品、薬剤の加熱にも有効である。棒状のヒ−タにす
ると、液体が入った容器の中にヒ−タを入れて通電する
だけで液体を加熱することができる。
【0066】家庭用のヒ−タとして、水の加熱などにも
用いることができる。簡単な容器のヒ−タ加熱により、
発熱体が蒸発しないしガスを出さないので、真空中でも
使える。分析室が真空である電子線を用いる分析装置な
どにおいて分析サンプルを加熱することに用いると便利
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のダイヤモンドヒ−タの横断平面図。
【図2】本発明のダイヤモンドヒ−タの縦断面図。
【図3】本発明のダイヤモンドヒ−タを製造する工程の
前半分を示す図。
【図4】本発明のダイヤモンドヒ−タを製造する工程の
後半分を示す図。
【符号の説明】
1 ノンド−プダイヤモンド基板 2 ボロンド−プダイヤモンド導電線部 3 ノンド−プダイヤモンド 4 オ−ミック電極 5 拡大部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ボロンド−プの単結晶又は多結晶ダイヤ
    モンドでできた連続する1本または複数本の導電線部
    と、導電線部を囲むノンド−プの単結晶又は多結晶ダイ
    ヤモンドでできた被覆部と、導電線部の端に設けられる
    オ−ミック電極とよりなり、電極に電圧を印加すること
    により、ボロンド−プの導電線部に電流を流し発熱させ
    るようにしたことを特徴とするダイヤモンドヒ−タ。
  2. 【請求項2】 オ−ミック電極が、ボロンド−プの導電
    線部に蒸着されたTi層と、Ti層の上に形成された金
    または白金とよりなることを特徴とする請求項1に記載
    のダイヤモンドヒ−タ。
  3. 【請求項3】 オ−ミック電極の近傍でボロンド−プの
    導電線部の面積が広くなっているかあるいはボロンド−
    プ密度が高くなっていることを特徴とする請求項1又は
    2に記載のダイヤモンドヒ−タ。
  4. 【請求項4】 ボロンド−プの導電線部は櫛形に往復す
    る連続経路になっており、所望の発熱量を得るために必
    要なド−ピング濃度と、経路の幅と長さを持つようにし
    たことを特徴とする請求項1に記載のダイヤモンドヒ−
    タ。
  5. 【請求項5】 ボロンド−プの単結晶又は多結晶ダイヤ
    モンドでできた連続する1本または複数本の導電線部
    と、導電線部を囲むノンド−プの単結晶又は多結晶ダイ
    ヤモンドでできた被覆部と、導電線部の端に設けられる
    オ−ミック電極と、ノンド−プのダイヤモンド被覆部を
    さらに被覆するカ−バイド層とよりなり、電極に電圧を
    印加することにより、ボロンド−プの導電線部に電流を
    流し発熱させるようにしたことを特徴とするダイヤモン
    ドヒ−タ。
JP5341568A 1993-12-09 1993-12-09 ダイヤモンドヒ−タ Pending JPH07161455A (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5341568A JPH07161455A (ja) 1993-12-09 1993-12-09 ダイヤモンドヒ−タ
DE69429976T DE69429976T2 (de) 1993-12-09 1994-12-07 Diamant Heizkörper
EP94309113A EP0658066B1 (en) 1993-12-09 1994-12-07 Diamond heater
US08/354,837 US5695670A (en) 1993-12-09 1994-12-08 Diamond heater
CA002137603A CA2137603C (en) 1993-12-09 1994-12-08 A boron-doped diamond resistance heater

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5341568A JPH07161455A (ja) 1993-12-09 1993-12-09 ダイヤモンドヒ−タ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07161455A true JPH07161455A (ja) 1995-06-23

Family

ID=18347082

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5341568A Pending JPH07161455A (ja) 1993-12-09 1993-12-09 ダイヤモンドヒ−タ

Country Status (5)

Country Link
US (1) US5695670A (ja)
EP (1) EP0658066B1 (ja)
JP (1) JPH07161455A (ja)
CA (1) CA2137603C (ja)
DE (1) DE69429976T2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004296146A (ja) * 2003-03-25 2004-10-21 Toshiba Corp ヒータ構造体及び機能デバイス
JP2013035732A (ja) * 2011-08-10 2013-02-21 Sumitomo Electric Ind Ltd 導電層付き単結晶ダイヤモンドおよびそれを用いた工具

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE19545198A1 (de) * 1995-12-05 1997-06-12 Jakob Lach Gmbh & Co Kg Verfahren zur Bearbeitung von Diamantschichten
DE19643550A1 (de) * 1996-10-24 1998-05-14 Leybold Systems Gmbh Lichttransparentes, Wärmestrahlung reflektierendes Schichtensystem
US5977519A (en) * 1997-02-28 1999-11-02 Applied Komatsu Technology, Inc. Heating element with a diamond sealing material
US6082200A (en) * 1997-09-19 2000-07-04 Board Of Trustees Operating Michigan State University Electronic device and method of use thereof
US6505914B2 (en) * 1997-10-02 2003-01-14 Merckle Gmbh Microactuator based on diamond
AU6601701A (en) * 2000-05-24 2001-12-03 Vinzenz Hombach Catheter with an integrated micro heating element
DE10038015A1 (de) * 2000-08-04 2002-02-21 Gfd Ges Fuer Diamantprodukte M Klinge
DE102004033090A1 (de) * 2004-07-08 2006-02-09 Klaus Dr. Rennebeck Element zur Wärmeableitung
TWI323622B (en) * 2004-09-30 2010-04-11 Watlow Electric Mfg Modular layered heater system
US20180160481A1 (en) * 2016-12-02 2018-06-07 Goodrich Corporation Method to join nano technology carbon allotrope heaters

Family Cites Families (19)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3813520A (en) * 1973-03-28 1974-05-28 Corning Glass Works Electric heating unit
SU680203A1 (ru) * 1974-05-30 1979-08-15 Ордена Трудового Красного Знамени Институт Сверхтвердых Материалов Ан Украинской Сср Высокотемпературный электронагреватель сопротивлени
US4203198A (en) * 1978-12-04 1980-05-20 International Telephone And Telegraph Corporation Method of construction of electrical heating panels
SU1142240A1 (ru) * 1982-08-13 1985-02-28 Одесский Ордена Трудового Красного Знамени Государственный Университет Им.И.И.Мечникова Микропа льник
JPS61236113A (ja) * 1985-04-12 1986-10-21 Imai Yoshio ダイヤモンド薄膜及びp型ダイヤモンド半導体の製造方法
US5435889A (en) * 1988-11-29 1995-07-25 Chromalloy Gas Turbine Corporation Preparation and coating of composite surfaces
JPH02192494A (ja) * 1989-01-20 1990-07-30 Sumitomo Electric Ind Ltd 複合材料
JP2778598B2 (ja) * 1989-06-23 1998-07-23 東京エレクトロン株式会社 加熱方法及び加熱装置
US5089802A (en) * 1989-08-28 1992-02-18 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Diamond thermistor and manufacturing method for the same
JP2799744B2 (ja) * 1989-09-11 1998-09-21 株式会社半導体エネルギー研究所 ダイヤモンドを用いたサーミスタの作製方法
JP2775903B2 (ja) * 1989-10-04 1998-07-16 住友電気工業株式会社 ダイヤモンド半導体素子
JP2961812B2 (ja) * 1990-05-17 1999-10-12 住友電気工業株式会社 半導体装置
US5173761A (en) * 1991-01-28 1992-12-22 Kobe Steel Usa Inc., Electronic Materials Center Semiconducting polycrystalline diamond electronic devices employing an insulating diamond layer
US5264681A (en) * 1991-02-14 1993-11-23 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Ceramic heater
GB9111474D0 (en) * 1991-05-29 1991-07-17 De Beers Ind Diamond Boron doped diamond
JPH05299705A (ja) * 1992-04-16 1993-11-12 Kobe Steel Ltd ダイヤモンド薄膜電子デバイス及びその製造方法
JP3086556B2 (ja) * 1993-02-09 2000-09-11 株式会社神戸製鋼所 半導体ダイヤモンド層上の耐熱性オーミック電極及びその形成方法
JP3755904B2 (ja) * 1993-05-14 2006-03-15 株式会社神戸製鋼所 ダイヤモンド整流素子
US5488350A (en) * 1994-01-07 1996-01-30 Michigan State University Diamond film structures and methods related to same

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004296146A (ja) * 2003-03-25 2004-10-21 Toshiba Corp ヒータ構造体及び機能デバイス
JP2013035732A (ja) * 2011-08-10 2013-02-21 Sumitomo Electric Ind Ltd 導電層付き単結晶ダイヤモンドおよびそれを用いた工具

Also Published As

Publication number Publication date
US5695670A (en) 1997-12-09
DE69429976D1 (de) 2002-04-04
CA2137603A1 (en) 1995-06-10
DE69429976T2 (de) 2002-08-29
EP0658066A3 (en) 1996-02-07
EP0658066A2 (en) 1995-06-14
EP0658066B1 (en) 2002-02-27
CA2137603C (en) 1998-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0964433B1 (en) Multiple-layered ceramic heater
US5183530A (en) Method of manufacturing diamond thermistors
JP2695000B2 (ja) サーミスタ及びその製造方法
EP0645793B1 (en) Electron emitting device
JPH07161455A (ja) ダイヤモンドヒ−タ
JPH08231298A (ja) 熱伝導率の高いダイヤモンド薄膜構造体
JPH05506064A (ja) 電子用途用ダイヤモンド載置基板
JP3428984B2 (ja) 安定化層及びその製法
JPH03131003A (ja) ダイヤモンド薄膜サーミスタ
JPS6024579B2 (ja) 半導体装置の製造方法
US5036373A (en) Electric device with grains and an insulating layer
JP4166346B2 (ja) 耐蝕性部材、耐蝕性部材の製造方法および腐食性物質の加熱装置
JP3755904B2 (ja) ダイヤモンド整流素子
US5309000A (en) Diamond films with heat-resisting ohmic electrodes
JP2537175B2 (ja) 機能性堆積膜の製造装置
JP3642853B2 (ja) 赤外線光源
US5139970A (en) Electric device and manufacturing method of the same
JP4312352B2 (ja) 電子放出装置
KR100334351B1 (ko) 저온 열 화학기상증착 장치 및 이를 이용한탄소나노튜브의 저온 합성 방법
JPH08231297A (ja) 熱伝導性が高いダイヤモンドの製造方法
JPH05283361A (ja) ダイヤモンド半導体装置およびその製造方法
KR101075080B1 (ko) 이온 주입용 스텐실 마스크
JPH08316498A (ja) ダイヤモンド半導体整流素子
JP4912542B2 (ja) 成膜方法及び成膜装置
KR20030077262A (ko) 플라즈마 화학 기상 증착장치 및 이를 이용한 박막 형성방법