JPH07139592A - 歯付ベルトとその駆動装置 - Google Patents

歯付ベルトとその駆動装置

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JPH07139592A
JPH07139592A JP31408193A JP31408193A JPH07139592A JP H07139592 A JPH07139592 A JP H07139592A JP 31408193 A JP31408193 A JP 31408193A JP 31408193 A JP31408193 A JP 31408193A JP H07139592 A JPH07139592 A JP H07139592A
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JP
Japan
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belt
tooth
core wire
distance
toothed belt
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JP31408193A
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English (en)
Inventor
Kuniharu Uto
邦治 宇都
Yasutsugu Kunihiro
康嗣 国広
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 心線を保護してその損傷を軽減するととも
に、ベルトの残存引張強さが良好で走行寿命を延長させ
た歯付ベルトとその駆動装置を提供することを目的とす
る。 【構成】 長さ方向に沿って配置した複数の歯部2と、
心線3を埋設した背部と、そして歯部2表面および歯底
部9の表面を被覆した歯布5とからなる歯付ベルト1で
あり、上記ベルト歯底部にてベルト長さ方向と直角に切
断した断面での歯底面9から心線3の中心までの距離が
0.69〜0.72mmに設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は歯付ベルトとその駆動装
置に係り、残存引張強さが良好で走行寿命を延長させて
なる歯付ベルトとその駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】歯部ピッチが8.0mmや9.25mm
の歯付ベルトは、主に自動車のオーバーヘッドカムシャ
フト駆動用に使用されている。近年の技術進歩によりエ
ンジンの高出力化やエンジンルームのコンパクト化に伴
って、べルトにかかる負荷や張力が増大し、またベルト
走行時の雰囲気温度も上昇しているところから、それら
に対応できる高品質の歯付ベルトが要求されている。
【0003】そこでこの対策に一つとして歯付ベルトの
構成材料を改善する方法が志向されている。例えば、歯
部や背部のゴムには、従来のクロロプレンに代わって水
素化ニトリルゴム(H−NBR)やクロロスルフォン化
ポリエチレン(CSM)等が使用され、また心線も従来
のEガラスから高強度ガラスやアラミド繊維へ移行され
いる。例えば、水素化ニトリルゴムとKガラスの心線を
使用した歯付ベルトは、例えば実開平1−111848
号公報に開示され、水素化ニトリルゴムとアラミド繊維
の心線を用いた歯付ベルトは、例えば特開平5−215
186号公報に開示されている。
【0004】また、歯布も従来の6ナイロン、66ナイ
ロンに代えてアラミド繊維を使用することが検討されて
いる。この歯布を使用した歯付ベルトは、例えば特開平
4−8948号公報に開示されている。このようにゴム
弾性体、歯布、そして心線等の材料改良により、ベルト
の耐熱性、耐摩耗性、耐歯欠け性は大きく改善された
が、しかしこれにも限度があり、ベルトの形状も併せて
検討されつつある。
【0005】従来の自動車歯付ベルトの形状では、所定
の張力を受けて走行している時の仮想ピッチライン上で
8.0mmと9.255mmの長さの歯部ピッチを有し
ている。その時の仮想ピッチラインとは、ベルト歯部と
プーリ溝部とが噛み合った状態で、ベルト歯底面からピ
ッチラインまでの距離(PLD値)が0.686mmに
設定された仮想の距離である。そこで、ベルトの断面寸
法では、歯底面から心線中心までの距離が走行時に0.
686mmになるように設定されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の歯付ベ
ルトを走行させると、ベルト歯底面がプーリ歯頂部に当
接あるいは衝突し、ベルト歯底面が摩擦、摩耗を引き起
こし、また心線が摩擦時の発熱の影響よって機械的な損
傷や熱劣化を受けていた。特に、歯底面から心線までの
距離が小さくなると、心線の受ける影響は大きく、例え
ば心線の引張強さの低下が起こり、やがてベルトが切断
する故障が発生した。本発明はこのような問題点を改善
するものであり、心線を保護してその損傷を軽減し、ベ
ルトの残存引張強さが良好で走行寿命を延長させた歯付
ベルトとその駆動装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、長さ方
向に沿って配置した複数の歯部と、心線を埋設した背部
と、そして歯部表面および歯底部の表面を被覆した歯布
とからなる歯付ベルトにおいて、上記ベルト歯底部にて
ベルト長さ方向と直角に切断した断面での歯底面から心
線の中心までの距離が0.69〜0.72mmに設定さ
れている歯付ベルトにある。
【0008】また、本発明は、長さ方向に沿って配置し
た複数の歯部と、心線を埋設した背部と、そして歯部表
面および歯底部の表面を被覆した歯布とからなる歯付ベ
ルトと、外周面に沿って交互に配置した複数の溝部と歯
部とを有するプーリとからなるる歯付ベルトの駆動装置
において、上記ベルト歯底部にてベルト長さ方向と直角
に切断した断面での歯底面から心線の中心までの距離
が、使用するプーリの外周面からピッチラインまでの距
離より0.004〜0.034mm大きく設定されてい
る歯付ベルトの駆動装置も含む。
【0009】第1図は本発明に係る歯付ベルトの側面図
であり、図2は図1のA−A断面図である。歯付ベルト
1はベルト長手方向に沿って複数の歯部2と、心線3を
埋設した背部4、そして歯部表面6および歯底部7の表
面を被覆した歯布5とからなっている。前記歯部2及び
背部4に使用されるゴムは、クロロプレンゴム、水素化
ニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン(CS
M)、アルキル化クロロスルホン化ポリエチレン(AC
SM)などの耐熱老化性の改善されたゴムが好ましい。
上記ゴムの中には配合剤として、カーボンブラック、亜
鉛華、ステアリン酸、可塑剤、老化防止剤等が添加さ
れ、また加硫剤として硫黄、有機過酸化物があるが、こ
れらの配合剤や加硫剤は、特に制限されない。
【0010】上記心線3としては、Eガラスまたは高強
度ガラスの5〜9μmのフィラメントを撚り合わせたも
のを、ゴムコンパウンドからなる保護剤あるいは接着剤
であるRFL液等で処理されたものである。また、有機
繊維としては応力に対して伸びが小さく、引張強度が大
きいパラ系アラミド繊維(商品名:ケブラー、テクノー
ラ)の0.5〜2.5デニールのフィラメントを撚り合
わせ、RFL液、エポキシ溶液、イソシアネート溶液と
ゴムコンパウンドとの接着剤で処理された撚りコードが
使用される。しかし、本発明ではこれらに限定されるこ
となく、カーボン繊維や金属繊維であってもよい。
【0011】歯布5として用いられる帆布は、6ナイロ
ン、66ナイロン、ポリエステル、アラミド繊維等であ
って、単独あるいは混合されたものであってもよい。歯
布5の経糸(ベルト幅方向)や緯糸(ベルト長さ方向)
の構成も前記繊維のフィラメント糸または紡績糸であ
り、織構成も平織物、綾織物、朱子織物でいずれでもよ
い。なお、緯糸には伸縮性を有するウーリーナイロンや
ウレタン弾性糸を一部使用するのが好ましい。
【0012】上記歯布5は、RFL液、イソシアネート
溶液あるいはエポキシ溶液によって処理される。RFL
液は、レゾルシンとホルマリンとの初期縮合物をラテッ
クスに混合したものであり、ここで使用するラテックス
としてはスチレン−ブタジエン−ビニルピリジン三元共
重合体、水素化ニトリルゴム、クロロスルフォン化ポリ
エチレン、エピクロルヒドリンなどのラテックスであ
る。接着処理後の歯布5の厚みは、0.95〜1.15
mmであり、そのために処理前の原反の厚みを0.80
〜0.90mmとして、ベルト歯底面から心線の中心ま
での距離を調節する。原反の厚みは、経糸と緯糸の太さ
や経糸と緯糸の打ち込み本数が影響している。
【0013】しかして、本発明の歯付ベルト1とその駆
動装置10においては、ベルト歯底面9から心線3の中
心までの距離が、0.69〜0.72mmに設定されて
いる。そして、使用するプーリ11は、図3に示すよう
に外周面12からピッチライン13までの距離(PL
D)が、例えば0.686mmに設定されており、ベル
ト歯底面9から心線3の中心までの距離(PLD)が、
使用するプーリの外周面12からピッチライン13まで
の距離(PLD)より0.004〜0.034mm大き
くなっている。なお、歯付ベルトにおいて、ベルト歯底
面9から心線3の中心までの距離が0.004mm未満
では、ベルトとプーリとの噛み合い時の衝撃によって心
線3の機械的な損傷が発生しやすく、またベルトとプー
リとの噛み合い時のベルトの摩擦、摩耗等によって心線
3の熱劣化を防止する効果が少ない。一方、0.034
mmを越えると、ベルトとプーリとの噛み合い時による
衝撃によって、歯欠けが生じやすくなる。
【0014】
【作用】このように本発明では、ベルト歯底面から心線
の中心までの距離を0.69〜0.72mmに設定し、
使用するプーリのPLD値より大きくすることによっ
て、心線を歯布とゴム層によって十分に保護し、ベルト
とプーリとの噛み合い時の衝撃等による心線の機械的な
損傷や、ベルトとプーリとの噛み合い時のベルトの摩
擦、摩耗等により発生する心線の熱劣化を防止すること
ができ、ベルトの寿命の向上に寄与する。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。 実施例1〜7 表1に示す経糸、緯糸からなる織物を製織した後、織物
を水中で振動を与えて製織時の幅の約1/2幅まで収縮
させた後、表3に示すゴム糊に浸漬、乾燥して歯布とし
た。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】次に、心線として組成Eガラスで素線径9
μmのマルチフィラメントを3本引き揃えて、保護剤お
よび接着剤であるRFL液に浸漬し、乾燥後、下撚り数
16回/10cmで下撚りを行って子縄とし、その子縄
を13本引き揃えて下撚りとは逆方向に上撚り数8回/
10cmで上撚りを施してS、Z一対の撚りコードを作
製した。コードの構成は150S −3/13で、直径は
1.2mmである。
【0020】歯布をエンドレス状の筒状体に仕上げ、こ
れを金型にセットした。その上から前記S、Z一対のコ
ードを心線ピッチ1.40mmと張力10kgf/本で
交互に巻き付け、その上に表2のゴムコンパウンドの圧
延シートを巻き付け、通常の圧入による加硫方法によっ
て加硫後、加硫スリーブを所定の幅に切断して個々のベ
ルトを作製した。ベルトサイズは、歯数:105、ベル
ト幅:19.1mm、歯ピッチ:9.525mmで、ベ
ルトの歯型は丸歯(HTD)であった。このベルトは、
PLD値0.686mmのプーリに使用される。
【0021】次に、ベルトを3軸耐熱走行試験に取り付
けて走行し、走行後のベルトの引張強さを測定した。こ
の3軸耐熱走行試験は、駆動プーリ(歯数18)と、従
動プーリ(歯数36)、そしてテンションプーリ(プー
リ径52mmφ)からなる。ベルトを駆動プーリと従動
プーリに巻き付け、そしてベルト背面をテンションプー
リに係合し、100°Cの雰囲気環境温度で駆動プーリ
の回転数7,200rpm、従動プーリに負荷5ps、
ベルト初張力15kgで走行させた。そして、200時
間走行後のベルトの引張強さを測定した。その結果を表
4および図4に示す。
【0022】
【表4】
【0023】比較例1〜6 比較例として、表1に示す歯布(A−2,A−3,A−
4)を用い、実施例と同様の材料と方法でベルトを作製
し、3軸耐熱走行を行った。その結果を表5および図4
示す。
【0024】
【表5】
【0025】この結果よると、本実施例のベルトは、ベ
ルト歯底面から心線の中心までの距離が0.69〜0.
72mmの範囲において3軸耐熱走行後の引張強さの低
下が小さく、耐屈曲疲労性に優れていることが判る。
【0026】
【発明の効果】以上のように本発明の歯付ベルトとその
駆動装置では、ベルト歯底面から心線の中心までの距離
を0.69〜0.72mmに設定し、使用するプーリの
PLD値より0.004〜0.034mm大きくするこ
とによって、心線を保護してその損傷を軽減し、ベルト
の残存引張強さが良好で走行寿命を延長することができ
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る歯付ベルトの側面図である。
【図2】図1のA−A断面図である。
【図3】本発明に係る駆動装置の側面図である。
【図4】ベルト歯底面から心線の中心までの距離と走行
後の歯付ベルトの残存引張強さの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 歯付ベルト 2 歯部 3 心線 4 背部 5 歯布 9 歯底面 10 駆動装置 11 プーリ 12 外周面 13 ピッチライン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長さ方向に沿って配置した複数の歯部
    と、心線を埋設した背部と、そして歯部表面および歯底
    部の表面を被覆した歯布とからなる歯付ベルトにおい
    て、上記ベルト歯底部にてベルト長さ方向と直角に切断
    した断面での歯底面から心線の中心までの距離が0.6
    9〜0.72mmに設定されていることを特徴とする歯
    付ベルト。
  2. 【請求項2】 長さ方向に沿って配置した複数の歯部
    と、心線を埋設した背部と、そして歯部表面および歯底
    部の表面を被覆した歯布とからなる歯付ベルトと、外周
    面に沿って交互に配置した複数の溝部と歯部とを有する
    プーリとからなる歯付ベルトの駆動装置において、上記
    ベルト歯底部にてベルト長さ方向と直角に切断した断面
    での歯底面から心線の中心までの距離が、使用するプー
    リの外周面からピッチラインまでの距離より0.004
    〜0.034mm大きく設定されていることを特徴とす
    る歯付ベルトの駆動装置。
JP31408193A 1993-11-19 1993-11-19 歯付ベルトとその駆動装置 Pending JPH07139592A (ja)

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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5382951A (en) * 1976-12-29 1978-07-21 Unitta Co Ltd Timing belt
JPH04331844A (ja) * 1991-05-01 1992-11-19 Bando Chem Ind Ltd タイミングベルト及びベルト伝動装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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