JPH07101691A - サイドフォークリフト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 長尺物を安定状態で取扱うことのできるサイ
ドフォークリフトを提供する。 【構成】 車体１の前後方向の略中央部には荷役装置６
を横方向に移動可能に配置するための平面略コ字状空間
部２が設定され、車体１の前後にはコ字状空間２を挟ん
で前荷台３と後荷台４が設定されたサイドフォークリフ
トにおいて、荷役装置６におけるマスト７に沿って昇降
可能なリフトブラケット１０の前面に固着されるフォー
クバー１１を、その前後両端が前後の荷台３，４の端部
から張出すように該荷台３，４の上面を通って前後方向
に延在させる。そして、フォークバー１１の張出部には
フォーク１２を掛止する構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、木材、鋼材、パイプ等
の長尺物の荷役運搬に好適なサイドフォークリフトに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、長尺物の荷役運搬に用いられるサ
イドフォークリフトとしては、図５及び図６に示すよう
なものが知られている。図示のサイドフォークリフト
は、車体２１の前後方向の略中央部に、荷役装置２６を
移動可能に配置するための側方を開放した平面略コ字状
空間部２２が形成されるとともに、車体２１の前後部に
は前記コ字状空間部２２を挟んで前荷台２３と後荷台２
４が形成され、さらに前荷台２３の一側には運転室２５
が設けられた構成となっている。

【０００３】そして、荷役装置２６におけるマスト２７
は、車体２１側に設けられた図示省略のリーチレールに
沿って転動可能なガイドローラを介して側方に移動可能
とされ、かつリーチシリンダにより移動されるようにな
っている。また、マスト２７に沿って昇降可能なリフト
ブラケット２８の前面には、フォークバー２９が固着さ
れ、該フォークバー２９にはフォーク３０が掛止されて
いる。すなわち、従来のサイドフォークリフトは、車体
中央部に形成したコ字状空間部２２に荷役装置２６の全
体が配置される構成であった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上述した従
来のサイドフォークリフトでは、フォーク３０の間隔に
制限があることから、前後方向の安定性に問題があっ
た。すなわち、長尺物Ｗをフォーク３０にて取り上げた
ときの支点間距離が狭いため、フォーク間中心に対する
長尺物Ｗの重心位置のずれ程度によっては、長尺物Ｗが
前後バランスを崩して落下する可能性がある。このよう
なことから、場合によっては取り直し作業を必要とする
等、作業能率が悪いという点に問題がある。

【０００５】なお、本発明の関連技術としては、例えば
実開昭５０−２１８７６号公報や実開昭５０−８５９１
７号公報等がある。上記公報に記載されたサイドフォー
クリフトは、車体の前端面と後端面とのそれぞれにマス
トを側方への移動可能に配置するとともに、該マストに
フォークを装着した形式である。ところが、このような
タイプのサイドフォークリフトでは、前側と後側のマス
トを車体の前後長分だけ離隔させて設けているため、前
側と後側のマストに装着されたフォークそれぞれの昇降
動作を同期させることが技術的に困難であり、しかも運
搬時にはマスト及びフォークが運転室からの前後視野を
阻害する点に問題がある。

【０００６】そこで本発明は、上述の問題に鑑み、長尺
物を安定状態でかつ容易に取り扱うことのできるサイド
フォークリフトを提供することを、解決すべき技術的課
題とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は次のように構成したものである。すなわ
ち、請求項１の発明は、車体の前後方向の略中央部には
荷役装置が横方向に移動可能に配置され、前記車体の前
後には前記荷役装置を挟んで前荷台と後荷台が形成され
たサイドフォークリフトであって、前記荷役装置におけ
るマストに沿って昇降可能なリフトブラケットの前面に
装着されるフォークバーを、その前後両端が前記車体の
前後の端部から張出すように前記前後の荷台の上面を通
って前後方向に延在せしめるとともに、前記フォークバ
ーの車体前後の端部からの張出部にはフォークを装着し
たことを特徴としている。

【０００８】また、請求項２の発明は、車体の前後方向
の略中央部には荷役装置を横方向に移動可能に配置する
ための側方を開放した平面略コ字状空間部が形成され、
前記車体の前後には前記コ字状空間を挟んで前荷台と後
荷台が形成されたサイドフォークリフトであって、前記
荷役装置におけるマストに沿って昇降可能なリフトブラ
ケットの前面に装着されるフォークバーを、その前後両
端が前記前後の荷台の端部から張出すように該荷台の上
面を通って前後方向に延在せしめるとともに、前記フォ
ークバーの前後の荷台端部からの張出部にはフォークを
装着したことを特徴とする。

【０００９】

【作用】上述のように構成された請求項１の発明に係る
サイドフォークリフトにおいては、フォーク間隔が車体
前後のそれぞれの端部間の距離となるため、長尺物を大
なる支点間距離で支持することになり、前後安定の良好
な状態で取り扱うことが可能となる。また、請求項２の
発明に係るサイドフォークリフトにおいては、フォーク
間隔が前後の荷台の端部間の距離となるため、長尺物を
大なる支点間距離で支持することになり、前後安定の良
好な状態で取り扱うことが可能となる。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体
的に説明する。図１〜図３はそれぞれサイドフォークリ
フトを示し、図１は平面図、図２は正面図、図３は側面
図である。図示のように、本実施例に係るサイドフォー
クリフトは、車体１の前後方向における略中央部には、
荷役装置６を配置するための一側方（一般には、右側）
を開放した平面略コ字状空間部２が形成され、また、コ
字状空間部２を挟んで車体１の前後には前荷台３と後荷
台４が形成されている。そして、前荷台３におけるコ字
状空間部２の開放側の反対側に運転席５が設置されてい
る。

【００１１】つぎに、前記コ字状空間部２に配置される
荷役装置６について説明する。前後一対のマスト７は、
前記コ字状空間部２の側面に水平に設けられた前後のリ
ーチレール８に沿って転動するガイドローラ９を介して
移動可能に装着され、図示省略のリーチシリンダにより
移動されるようになっている。

【００１２】しかして、マスト７に沿って昇降されるリ
フトブラケット１０の前面には、フォーク１２掛止用の
フォークバー１１が固着されている。このフォークバー
１１は前後の荷台３，４の上面を通って車体１の前後方
向に水平に延在されるとともに、その前後の端部が前後
の荷台３，４の端面からそれぞれ張出すに十分な前後長
を備えている。また、フォークバー１１は前記リフトブ
ラケット１０が下降端のときに、前後の荷台３，４の上
面に最も接近するように設定されている。そして、フォ
ークバー１１の前後の張出部には、前後で対をなすＬ型
のフォーク１２が上下のフック１３を介して掛止され、
該フォーク１２はリフトブラケット１０が下降端のとき
に、地面近くに接近又は接地するようにその鉛直部長さ
が設定されている。

【００１３】上記のように本実施例に係るサイドフォー
クリフトにおいては、フォーク掛止用のフォークバー１
１を前後の荷台３，４の上面を通って前後方向に延在す
る構成としたことにより、フォーク１２を車体１の前後
に配置する構成を取り得たものである。従って、リーチ
シリンダの作動によりマスト７をリーチレール８に沿っ
てコ字状空間部２の開放側へ移動させ、図１に仮想線で
示す如く長尺物Ｗを荷役する場合において、フォーク１
２による長尺物Ｗの支点間距離を従来に比べて遙に大き
くできるため、長尺物Ｗの重心が前後のフォーク間中心
に対して多少ずれていても、長尺物Ｗをフォーク１２に
て安定良く取り上げ、荷台３，４に積み込むことが可能
となる。従って、容易かつ迅速にして安全な荷役作業が
遂行されることとなる。なお、このことは、長尺物Ｗを
荷台３，４上に積み込む場合に限らず、荷台３，４から
降ろす場合についても同様のことである。

【００１４】また、本実施例においては、荷台３，４上
に長尺物Ｗを積んで走行する場合において、フォークバ
ー１１及びフォーク１２の存在が運転席５からの前方視
野の妨げとならず、良好な前方視野を維持できるもので
あり、またマスト７も前後で接近配置されることから、
その昇降動作の同期化が容易となるものであって、コ字
状空間部２に荷役装置６を配置するタイプのサイドフォ
ークリフトの長所を活かすことができる。また、コ字状
空間部２に荷役装置６のマスト７を立設させることか
ら、重心を車体１の略中央部低位置に設定することがで
き、車体１の安定性を高めることができる。

【００１５】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、要旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能で
あり、例えば図４に示すように、上記した実施例の構成
に加え、フォークバー１１の中央部、つまりコ字状空間
部２に対応する部位にセンターフォーク１４を追加して
もよい。このときは、例えば鉄筋のような中央部分に撓
みを生じ易いような長尺物Ｗを取り扱うような場合に有
効となる。

【００１６】

【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
フォーク間隔を広げて長尺物を安定した状態で取り扱う
ことができるため、長尺物の荷台への積み込み及び取り
降ろし作業を迅速にかつ安全に行うことができる。ま
た、本発明においては、車体のコ字状空間部にマストを
配置するタイプのサイドフォークリフトの長所、つま
り、運転席からの前方視野が良好であること、及び前後
のマストに装着されたフォークの昇降作動の同期が容易
であること、等の長所を損なうことがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例に係るサイドフォークリフトの
平面図である。

【図２】同じく正面図である。

【図３】同じく側面図である。

【図４】本発明の他の実施例に係るサイドフォークリフ
トの正面図である。

【図５】従来のサイドフォークリフトの概略平面図であ
る。

【図６】同じく概略正面図である。

【符号の説明】

１…車体 ２…コ字状空間部 ３…前荷台 ４…後荷台 ６…荷役装置 ７…マスト １０…リフトブラケット １１…フォークバー １２…フォーク

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車体の前後方向の略中央部には荷役装置
   が横方向に移動可能に配置され、前記車体の前後には前
   記荷役装置を挟んで前荷台と後荷台が形成されたサイド
   フォークリフトであって、 前記荷役装置におけるマストに沿って昇降可能なリフト
   ブラケットの前面に装着されるフォークバーを、その前
   後両端が前記車体の前後の端部から張出すように前記前
   後の荷台の上面を通って前後方向に延在せしめるととも
   に、前記フォークバーの車体前後の端部からの張出部に
   はフォークを装着したサイドフォークリフト。
2. 【請求項２】 車体の前後方向の略中央部には荷役装置
   を横方向に移動可能に配置するための側方を開放した平
   面略コ字状空間部が形成され、前記車体の前後には前記
   コ字状空間を挟んで前荷台と後荷台が形成されたサイド
   フォークリフトであって、前記荷役装置におけるマスト
   に沿って昇降可能なリフトブラケットの前面に装着され
   るフォークバーを、その前後両端が前記前後の荷台の端
   部から張出すように該荷台の上面を通って前後方向に延
   在せしめるとともに、前記フォークバーの前後の荷台端
   部からの張出部にはフォークを装着したサイドフォーク
   リフト。