JPH0692699A - 水硬性無機質成形品の製造方法 - Google Patents

水硬性無機質成形品の製造方法

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JPH0692699A
JPH0692699A JP4239894A JP23989492A JPH0692699A JP H0692699 A JPH0692699 A JP H0692699A JP 4239894 A JP4239894 A JP 4239894A JP 23989492 A JP23989492 A JP 23989492A JP H0692699 A JPH0692699 A JP H0692699A
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JP
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alkylene group
molded article
hydraulic inorganic
inorganic molded
organic compound
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JP4239894A
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Toshihiro Chikugi
稔博 筑木
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/18Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing mixtures of the silica-lime type

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Abstract

(57)【要約】 【目的】オートクレーブ養生条件下においても補強用繊
維としてのアクリル系繊維の有する補強効果を損なうこ
となく、高強度、寸法安定性に優れた水硬性無機質成形
品を押出し成形法によって得る。 【構成】アクリル系繊維と石灰質、珪酸質成分を混練し
て配合物を得、次いで成形し、更にオートクレーブ養生
して水硬性無機質成形品を得るに当り、有機重合体であ
って一般式(RCOOR’)n(ここでR、R’は少な
くともどちらか一方がアルキレン基であるアルキル基あ
るいはアルキレン基。nは自然数。)で示されるエステ
ル結合及び/または一般式(RCONR’R”)n(こ
こでRはアルキレン基、R’は水素またはアルキル基ま
たはアルキレン基。R”はアルキル基またはアルキレン
基。nは自然数)で示されるアミド結合を分子内に有す
る有機化合物を添加し、該有機化合物の存在下で混練を
行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高強度でかつ寸法安定
性に優れ、建築用部材として優れた特性を持つ水硬性無
機質成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築用無機質成形品、例えばアス
ベストセメント板、珪酸カルシウム板、軽量気泡コンク
リート(ALC)等のように石灰質と珪酸質などからな
る水硬性無機物質が高温のオートクレーブ中にて養生さ
れることによりトバモライトと呼ばれる高結晶性水和物
が形成され、このような水和物を含有する水硬性無機物
質からなる屋根材、床材、外壁および間仕切り材などは
高強度で優れた断熱性と熱的安定性が付与され、加えて
乾燥収縮を少なくしその化学的抵抗性を大きくすること
ができるといわれている。したがって、このような高温
の水蒸気中での養生を必須とする上述の高性能な水硬性
無機質成形品の補強用繊維としては、高温耐アルカリ性
に優れるアスベストや鉄筋等が使用されてきた。
【0003】しかし、アスベストは天然素材であるため
価格の変動が大きく、さらに近年、アスベストの粉塵が
健康および衛生上有害であることが明らかにされてきた
ため、その使用が忌避ないし制限されようとしている。
【0004】そこで、有機合成繊維を補強繊維として使
用しアスベストを代替すべく検討が重ねられてきた。し
かしながら、単純にアスベストを置き換えることは水硬
性無機質成形体の製造において成形体をオートクレーブ
養生する際に、有機合成繊維の著しい劣化を発生し、ゆ
えに得られる成形体の強度は著しく低く実用には供し得
ないものがあった。
【0005】その劣化の例としては、熱による配向の緩
和(典型的な例では、融解)あるいは熱分解、そして熱
水による配向の緩和(典型的な例では、膨潤、溶解、可
塑化)を挙げることができる。このような物理的な作用
による劣化を起こす繊維は基本的に高温度、例えば18
0℃でのオートクレーブ養生において補強繊維として供
することができないことは明らかである。前者の例では
ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、後者の例
ではポリビニルアルコール系繊維を挙げることができ
る。
【0006】一方、アクリル系繊維は、乾燥下180℃
程度の温度における物理的性質には問題がなく、また1
80℃程度の高圧熱水中での強度低下も軽微ではある
が、高温のアルカリ水雰囲気におかれれば化学的作用で
ある加水分解によって膨潤、分解してしまう。また、そ
の結果、アンモニアなどの好ましくない分解物を生じる
ことになる。
【0007】そこで、耐アルカリ性に優れるアクリル系
繊維を使用する試みあるいはアクリル系繊維にダメージ
を与えぬよう養生法を工夫する試みがなされている。例
えば、特開昭61−6159号公報には珪酸質と石灰質
を主原料とする水硬性物質とアクリル系繊維からなるス
ラリー状混合物を抄造法で成形し高温の水蒸気中で養生
する方法、特開昭62−282144号公報には極限粘
度2.5以上の高強度高弾性率繊維を用い110℃から
160℃の温度で水蒸気養生する方法、特開昭63−2
82144号公報にはアクリルアミド系モノマを共重合
した高強度高弾性率繊維を用い110℃以上の水蒸気中
で養生する方法、特開平2−129053号公報には重
量平均分子量40万以上の高強度アクリル系繊維を用い
180℃で養生したセメント製品などが開示されてい
る。
【0008】ところが、これら提案された方法において
もアクリル系繊維は高温の水蒸気雰囲気下でのオートク
レーブ養生では加水分解を避けえず、充分に補強効果が
得られないという問題があった。さらに、アクリル系繊
維の分解によって発生するアンモニアが成形板中に残留
することがあり、このため、商品価値が低下する問題を
内在していた。
【0009】また、近年、高強度高弾性率の水硬性物質
を得る目的で石灰質と珪酸質を混合し押出成形したのち
オートクレーブ養生を行う方法が提案されている。しか
し、押出成形においてはスラリーの流動性を確保する観
点から混練り時に添加する水が少なく、例えば抄造法の
ように多量の水で易溶性のアルカリ成分を除去するよう
なことができないので、成形板中のアルカリ成分は高濃
度になり、ますます補強繊維は劣化を受けやすい環境下
におかれる。
【0010】以上に述べた問題に対し、鋭意検討を重ね
た結果、オートクレーブ養生条件下においてアクリル系
繊維に化学的抵抗性を補佐する成分として成形板中のp
Hを望ましい値に緩衝できる成分を併用することにより
上記の問題を解決することができ本発明をなすに到っ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
のようにアクリル系繊維がオートクレーブ養生条件下で
充分な効果を発現し得ないと言う問題および製品中のア
ンモニア臭の問題を解決し高強度で寸法安定性に優れた
水硬性無機質成形品を得るための方法を提供するにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる課題は、アクリル
系繊維と石灰質、珪酸質成分を混練して配合物を得、次
いで成形し、次いでオートクレーブ養生して水硬性無機
質成形品を得るに当り、有機重合体であって一般式(R
COOR’)n(ここでR、R’は少なくともどちらか
一方がアルキレン基であるアルキル基あるいはアルキレ
ン基。nは自然数。)で示されるエステル結合及び/ま
たは一般式(RCONR’R”)n(ここでRはアルキ
レン基、R’は水素またはアルキル基またはアルキレン
基。R”はアルキル基またはアルキレン基。nは自然
数。)で示されるアミド結合を分子内に有する有機化合
物を添加し、該有機化合物の存在下で前記混練を行なわ
しめることを特徴とする水硬性無機質成形品の製造方法
とすることにより達成ができる。
【0013】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。
【0014】本発明でいうオートクレーブ養生条件とい
うのは、先述した好ましいトバモライト結晶を得るため
に用いられる養生方法であり、一般的には110℃から
190℃までの高温度の水蒸気雰囲気で養生を行なう方
法である。この養生温度は任意に設定できるが、養生温
度が高ければ高いほど速やかに水硬反応が完結するので
経済的観点からみて好ましく、また、良質の成形品が得
られる。このため160℃以上の温度で養生を行なうこ
とが望ましい。
【0015】本発明に用いられる水硬性物質とは、水和
によって硬化する無機物質をいい、例えば石灰質と硅酸
質の水硬反応が挙げられる。ここで石灰質成分として
は、ポルトランドセメントなどの単味セメント及び高炉
セメントなど混合セメントなどが挙げられ、珪酸質成分
としては珪砂、珪石紛、珪ソウ土、フライアッシュ、高
炉スラグ、シリカヒューム等が挙げられる。珪酸質成分
は粒径がなるだけ小さい方が水硬反応性が向上し、よく
石灰質成分と反応するので用いるオートクレーブ養生条
件下において酸性成分を放出するような成分の使用を少
なくでき経済的な点で望ましく、比表面積(ブレーン
値)で4000cm2 /g以上、更に好ましくは100
00cm2 /g以上であることが望ましい。
【0016】また、本発明に用いられるオートクレーブ
養生条件下において酸性成分を放出する化合物は、オー
トクレーブ養生の進行、すなわち水硬性物質の水和反応
の進行に伴い、成形板中のpHの急激な上昇(特に、オ
ートクレーブ反応初期においては水硬反応の速度が遅
く、また硅酸質あるいは石灰質中に不純物として存在す
る例えば水酸化ナトリウム等の易溶性のアルカリ成分が
一気に成形板含有水中に溶出することに伴う現象)に対
しアクリル系繊維の加水分解反応を抑制できるpH値に
緩衝することができるような成分であり、混練時には中
性物質として振舞いオートクレーブ養生という熱的エネ
ルギーとアルカリ水の作用によって酸性成分を発生させ
ることができるものである。混練り時のときから強い酸
性を示す成分を用いることは、水硬反応それ自体を阻害
し、混練り自体をも困難にすることになり結果として高
性能な水硬性無機成形品を得ることはできない。
【0017】こうしたオートクレーブ養生条件下で酸性
成分を放出する作用には、例えば加水分解反応等を利用
した方法や酸性物質を例えばポリビニルアルコールのよ
うな熱水下で溶解するような物質でできたカプセルに封
入して用いる方法などが挙げられ、適用することが可能
であるが成形板に均一に分散させることができる点では
加水分解反応など化学反応をトリガーとする化合物を混
練する方法が望ましい。
【0018】オートクレーブ中で酸性成分を放出する有
機重合体は、一般式(RCOOR’)n(ここでR、
R’は少なくとも一方がアルキレン基であるアルキル基
あるいはアルキレン基。nは自然数)で示されるエステ
ル結合及び/または一般式(RCONR’R”)n(こ
こでRはアルキレン基、R’は水素またはアルキル基ま
たはアルキレン基、R”はアルキル基またはアルキレン
基。nは自然数)で示されるアミド結合を有する有機化
合物であって、例えばポリエステル、ポリアクリル酸エ
ステル、アシル化ポリビニルアルコールのような有機重
合体の微粉末あるいは低重合度化物や水溶性ポリエステ
ル、部分加水分解酢酸ビニル重合体、水溶性アクリル酸
樹脂、ポリアクリルアミドといった水溶性高分子やアク
リル酸エステル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジ
ョン、ポリアミド系エマルジョンといった有機重合体の
水性分散体を挙げることができる。また、その形態、重
合度及び共重合物は使用条件に応じ適宜設定できる。し
かし、酸性成分放出後の補強効果、アクリル系繊維と水
硬性無機マトリクスとの接着性の向上が期待できる点か
らみれば、官能基としてエステル基を持つものが望まし
く、中でもアクリル酸エステル系樹脂あるいは酢酸ビニ
ル系樹脂からなるものを用いることが望ましい。また、
分散性、反応性に着目すれば有機重合体は粒径が小さい
ほど好ましく、かかる観点から形態としては水溶性体、
水性分散体特に水溶性体が望ましいといえる。また、望
ましい有機化合物としては、封管中にpHが12.5以
上のポルトランドセメント上澄み液を入れ、次いで該有
機化合物を加えて振とう後、アクリル系繊維をその液中
に浸して封入し、次いで160℃で6時間加熱処理を行
なったとき、アクリル系繊維の強力保持率が80%以上
である有機化合物であり、特に、このような有機化合物
を用いることにより、良好な性能の成型板を得ることが
できるのである。
【0019】上述のオートクレーブ条件下において酸性
成分を放出する化合物は単独でも用いることができる
し、また二種以上複合して用いることができることはい
うまでもない。
【0020】また、オートクレーブ養生条件下において
酸性成分を放出する化合物を用いる量は、その作用を充
分発揮できる量であればよいのであり、特に制限はされ
ない。一般的には分子中に有する有効な官能基の量にも
よるが、通常0.1から10wt%の範囲内で用いるこ
とが望ましい。0.1%よりも少ないと効果が十分に得
られないし、10wt%より多くてもさらなる曲げ強度
向上は望めない上、使用量によっては製品の耐火性を損
なうことにもなりかねない。
【0021】次に、本発明に用いられるアクリル系繊維
は、特に限定されるものではないが、高温のアルカリに
耐えかつ補強効果を期待することのできる方が望まし
く、そのようなアクリル系繊維としては高重合度のアク
リロニトリル(以下ANと略す)系ポリマを湿式、乾式
および乾湿式紡糸して得られる高強度高弾性率の繊維で
あることが望ましい。このうち、特に重合度が極限粘度
で2.5〜5.0の高重合度AN系ポリマを乾湿式紡糸
して得られ、引張強度が少なくとも10g/d、弾性率
が少なくとも180g/dおよび結節強度が少なくとも
1.9g/dであり、かつ表面が平滑なアクリル系繊維
が望ましく、紡糸方法としては乾湿式法をとると良好な
結果を得やすい。
【0022】上記のような乾湿式紡糸して得られた高強
度で、かつ表面が緻密で平滑なアクリル系繊維はセメン
トなど水硬性物質に対する補強効果が高く、かつ該水硬
性物質との接着力も高く、アルカリ水溶液の浸透抑制に
も有利であるので曲げ強度および曲げ弾性率の高い水硬
性無機成形品が得られる。
【0023】ここで、アクリル系繊維の製造に用いられ
るAN系ポリマとしては、AN単独または少なくとも9
0モル%のANと10モル%以下の該ANに対して共重
合性を有するモノマ、例えばアクリル酸、メタクリル
酸、イタコン酸などのカルボン酸及びそれらの低級アル
キルエステル類、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒド
ロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタアク
リレートなどのカルボン酸の水酸基を含有するヒドロキ
シアルキルアクリレート、アクリルアミド、メタクリル
アミド、α−クロルアクリロニトリル、ヒドロキシエチ
ルアクリル酸、アリルスルホン酸、メタクリルスルホン
酸などの共重合モノマを例示することができるが、この
うちアクリルアミド系モノマが高強度高弾性率繊維を得
る上で特に望ましい。
【0024】これらのAN系ポリマは、ジメチルスルホ
キシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルアセトアミド(DMAc)などの有機溶
剤、塩化カルシウム、塩化亜鉛、ロダンソーダなどの無
機塩濃厚水溶液、硝酸などの無機系溶剤に溶解して、溶
液粘度が2000ポイズ以上、好ましくは3000〜1
0000ポイズ、ポリマ濃度が5〜20%の紡糸原液を
作成する。
【0025】かくして得られた前記高重合度AN系ポリ
マの溶剤溶液(紡糸原液)から、できる限り高強度高弾
性率で、内外構造差の少ない緻密な繊維を製造するため
には、この高重合度AN系ポリマの紡糸原液を紡糸口金
を通していったん空気などの不活性雰囲気中に吐出した
後、吐出された該紡糸原液を凝固浴中に導いて凝固を完
結させる、いわゆる乾湿式紡糸法を採用し、高度に延伸
することが望ましい。この乾湿式紡糸の具体的条件とし
ては、紡糸原液を紡糸口金面と凝固浴液面との距離が1
〜20mm、好ましくは3〜10mmの範囲内に設定さ
れた該紡糸口金面と凝固浴液面とで形成される微小空間
に吐出した後、凝固浴へ導いて凝固させ、次いで得られ
た繊維糸条を常法により、水洗、脱溶媒、1次延伸、乾
燥・緻密化、2次延伸、熱処理などの後処理工程を経由
せしめて延伸繊維糸条とする。この乾湿式紡糸によって
得られる繊維糸条は、延伸性が極めて優れているが、好
ましくは2次延伸方法として、150℃〜270℃の乾
熱下に少なくとも1.1倍、好ましくは1.5倍以上延
伸し、全有効延伸倍率が少なくとも10倍、好ましくは
12倍以上になるように延伸し、その繊度を0.5〜7
デニール(d)、好ましくは1〜5dの範囲内とするの
がよい。
【0026】アクリル系繊維は、好ましくは長さ0.5
〜15mmに切断され、配合組成物重量あたり0.1〜
5重量%、好ましくは0.5〜3重量%の範囲内で水硬
性物質と混合される。
【0027】また、無機質成形品に多孔性を与え、軽量
化するためにパーライト、シラスバルーン、ガラスバル
ーン等を適宜混合することができる。更に、水硬性物質
の流動性を向上させるため木材パルプ、アクリル系繊維
や芳香族ポリアミド繊維のフィブリル化物、無機繊維な
ど、あるいはその他の充填剤を添加、配合することがで
きる。
【0028】上記のアクリル系繊維、水硬性物質、オー
トクレーブ条件下において酸性成分を放出する化合物、
及び各種の充填剤からなる配合物は水と共に混合される
かあるいは水は混合後付与されることもあるが、混合は
アクリル系繊維が充分に分散し、かつ配合物が充分混練
される方法であれば特に制限はなく、一般的にはオムニ
ミキサー、ニーダー、アイリッヒ混合器等が用いられ
る。また、成形方法には公知の方法が利用可能である。
例えば、スクリュー押出機等を用いて成形されたりする
が、このとき減圧下で混練押出を行なうことにより、更
に曲げ強度の高い水硬性無機質成形体を得ることができ
る。
【0029】次に、成形物はオートクレーブ中に投入さ
れ、例えば180℃の水蒸気雰囲気下で養生される。養
生温度として100℃から190℃の温度範囲を用いて
ももちろん問題はない。養生時間は上記の養生温度によ
っても異なるが、通常3時間から15時間の範囲で用い
られる。
【0030】
【発明の効果】本発明にかかる水硬性無機成形品の製造
方法は、石灰質と珪酸質を主原料とする水硬性物質にお
いて補強繊維としてアクリル系繊維を、養生方法として
オートクレーブ養生を用いるときに配合物を混練り時に
オートクレーブ条件下において酸性成分を放出する化合
物としては、有機重合体であって一般式(RCOO
R’)n(ここでR、R’は少なくともどちらか一方が
アルキレン基であるアルキル基あるいはアルキレン基。
nは自然数。)で示されるエステル結合及び/または一
般式(RCONR’R”)n(ここでRはアルキレン
基、R’、R”は水素またはアルキル基またはアルキレ
ン基。nは自然数。)で示されるアミド結合を分子内に
有する有機化合物を含有していることによって、オート
クレーブ養生中の補強繊維の補強効果の損失を抑制なら
しめ、得られる繊維強化水硬性無機成形品は著しく曲げ
強度が高く、耐食性、耐衝撃性並びに寸法安定性にきわ
めて優れる。
【0031】また、アクリル系繊維が内在しているオー
トクレーブ養生中における繊維の分解によって発生しう
るアンモニア問題の可能性を軽減できる。
【0032】従って、建築資材用途、土木資材用途など
多くの用途にその優れた性能を活用することができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果を具体的に
説明する。
【0034】オートクレーブ養生条件下において酸性成
分を放出するような成分としてポリアクリル酸エステル
水性分散体用い、成形法として押し出し成形法を用いた
例を示すが、この実施例に本発明が限定されるものでは
ない。
【0035】強力保持率:封管中にポルトランドセメン
ト上澄み液を入れ、次いで該有機化合物を加えて良く振
とう後、アクリル系繊維(強力をW1とする)をその液
中に浸して封入する。次いで160℃で6時間加熱処理
を行なった後、繊維を封管中から取り出し十分に水洗
後、乾燥してアクリル系繊維の強力を測定する(この値
をW2とする)。強力の測定条件は、JIS−L106
9に準拠する。このとき強力保持率(%)を以下の式で
定義する。
【0036】 強力保持率(%)=(W2/W1)×100 曲げ破壊:含水率が6±1重量%の成形品を成形方向、
すなわちアクリル系繊維がより配向している方向と平行
に幅7mm、長さ200mmに切断し試験片を作成す
る。得られた試験片をJIS−A1408に準じ、切断
面に垂直に3点曲げ試験を行なう。このとき、スパンは
165mm、曲げ速度は1mm/分とする。そして、成
形品の曲げ強度を測定する。
【0037】アンモニア臭:オートクレーブ養生後成形
品を室温下解放された空間に24時間おき、その後アン
モニア検知管(ガステック株式会社製)にて試験を行な
った。 実施例1、2、比較例1、2、3 アクリルアミド1重量%とAN99重量%をDMSO中
で溶液重合し、AN系重合体を作成した。得られた重合
体溶液を紡糸原液とし乾湿式紡糸した。凝固浴としては
15℃、55%DMSO水溶液を用いた。得られた未延
伸繊維糸条は熱水浴中で5倍に延伸した後、油剤を付与
し110℃で乾燥緻密化した。次いで、180℃の乾熱
チューブ中で最高延伸倍率の85%で二次延伸し、強度
12.1g/d、繊度約2デニールのアクリル系繊維を
得た。
【0038】この繊維をpHが12.5のポルトランド
セメントの上澄み液50cc、ポリアクリル酸エステル
水性分散体1g(有効成分量として)を用いて強力保持
率を測定したところ95%であった。
【0039】次に、石灰質としてポルトランドセメン
ト、珪酸質として日本セメント株式会社製珪砂を用い、
これら水硬性物質100重量部に対しメチルセルローズ
1.5重量部とアクリル系繊維(表1中では補強材とし
て表記)を配合しアイリッヒミキサで混合した後、ポリ
アクリル酸エステル水性分散体(表1中では添加剤とし
て表記)を分散させた水を添加し混練した。ここで用い
たアクリル系繊維とポリアクリル酸系水性分散体の配合
量(有効成分としての量)は、表1中に示した通りであ
る。得られた粘土状物を押出成形して厚さ約6mmの成
形板とした。得られた成形版を室温下湿潤状態にして2
4時間、70℃スチーム中に4時間おいた後、180℃
のオートクレーブ中で5.5時間水蒸気養生を行なっ
た。
【0040】得られた成形板を上記の方法で曲げ強度を
測定した。また、アンモニア臭の有無を調べた。その結
果を表1に示した。
【0041】
【表1】 上記のように曲げ強度として優れた特性の成形板を得る
ことができた。また、アクリル系繊維の分解によって発
生するアンモニア臭は軽微であり、このことからも本発
明の有用性を実証することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 24:26) F 2102−4G

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル系繊維と石灰質、珪酸質成分を混
    練して配合物を得、次いで成形し、次いでオートクレー
    ブ養生して水硬性無機質成形品を得るに当り、有機重合
    体であって一般式(RCOOR’)n(ここでR、R’
    は少なくともどちらか一方がアルキレン基であるアルキ
    ル基あるいはアルキレン基。nは自然数。)で示される
    エステル結合及び/または一般式(RCONR’R”)
    n(ここでRはアルキレン基、R’は水素またはアルキ
    ル基またはアルキレン基。R”はアルキル基またはアル
    キレン基。nは自然数。)で示されるアミド結合を分子
    内に有する有機化合物を添加し、該有機化合物の存在下
    で前記混練を行なわしめることを特徴とする水硬性無機
    質成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】オートクレーブ養生を160℃以上の温度
    で行なうことを特徴とする請求項1記載の水硬性無機質
    成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】有機化合物が、封管中にpHが12.5以
    上のポルトランドセメント上澄み液を入れ、次いで該有
    機化合物を加えて振とう後、アクリル系繊維をその液中
    に浸して封入し、次いで160℃で6時間加熱処理を行
    なったとき、アクリル系繊維の強力保持率が80%以上
    である有機化合物であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の水硬性無機質成形品の製造方法。
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