JPH06115997A - アクリル系繊維補強水硬性無機質成型品およびその製造方法 - Google Patents

アクリル系繊維補強水硬性無機質成型品およびその製造方法

Info

Publication number
JPH06115997A
JPH06115997A JP26361692A JP26361692A JPH06115997A JP H06115997 A JPH06115997 A JP H06115997A JP 26361692 A JP26361692 A JP 26361692A JP 26361692 A JP26361692 A JP 26361692A JP H06115997 A JPH06115997 A JP H06115997A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
silica
cement
weight
component
acrylic fiber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP26361692A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeo Matsunase
武雄 松名瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP26361692A priority Critical patent/JPH06115997A/ja
Publication of JPH06115997A publication Critical patent/JPH06115997A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/18Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing mixtures of the silica-lime type
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/0068Ingredients with a function or property not provided for elsewhere in C04B2103/00
    • C04B2103/0088Compounds chosen for their latent hydraulic characteristics, e.g. pozzuolanes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P40/00Technologies relating to the processing of minerals
    • Y02P40/60Production of ceramic materials or ceramic elements, e.g. substitution of clay or shale by alternative raw materials, e.g. ashes
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】乾式成型法において、ポゾラン活性シリカのよ
うな非晶シリカや親水性成分を配合することによって、
オートクレーブ養生後に補強用アクリル系繊維がその補
強効果を発現し、高強度で寸法安定性に優れた水硬性無
機質成型品とその製造方法を得る。 【構成】水硬性物質中のセメント基礎原料であるセメン
トとシリカ成分(結晶性シリカおよび非晶性シリカであ
り、結晶性シリカ成分はゼロの場合を含む)の総量を1
00重量部とするとき、セメント成分が20重量部以上
でありかつ少なくとも10重量部以上の非晶性シリカを
配合した基礎原料にアクリル繊維が混合されてなり、乾
式法で成型されて後、オートクレーブ養生され、曲強度
を比重の二乗で除した比曲強度が35kg/cm2 以上
であるアクリル系繊維補強水硬性無機質成型品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築用部材として好適
な、高強度で寸法安定性に優れたオートクレーブ養生タ
イプのアクリル繊維補強水硬性無機質成型品とその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建築用無機質成型品、例えばアス
ベスト板、珪酸カルシューム板、軽量気泡コンクリート
板(ALC)などのように、石灰質と珪酸質などからな
る水硬性無機質が高温の水蒸気下のオートクレーブ中で
養生されるとトバモライトと呼ばれる高結晶性の水和物
が形成される。そして、このようなオートクレーブ養生
で得られる高結晶性の水硬性無機質からなる屋根材、床
材、外壁材、間仕切材などは、高強度で優れた断熱性と
熱的安定性が付与され、更に乾燥収縮を少なくし化学的
抵抗性を大きくすることができると言われている。従っ
て、このような高温の水蒸気での養生を必須とする上記
高性能な水硬性無機質成型品の補強繊維としては、高温
アルカリに耐えるアスベストが一般に使用されてきた。
【0003】しかしながら、アスベストは発癌性の疑い
から、アスベスト添加製品を製造、加工する担当者やそ
の製品を使用する一般市民の健康、衛生上の理由で、そ
の使用が忌避ないし制限されようとしている。
【0004】そこで、耐アルカリ性に優れたアクリル系
繊維をアスベストの代わりに用いようとする努力がなさ
れている。アクリル系繊維をアスベストの代わりに用い
る場合、水硬性無機質の成形方法によってその技術対応
が大きく異なる。水硬性無機質の成形法には、抄造法、
押出成形法、乾式法、注形法などがある。
【0005】本発明にかかわる乾式法は、瓦のような屋
根材などの水硬性無機質を製造する方法である。従来、
この乾式法分野でもアスベストが使用され、この分野に
おいてもアスベストの代わりになる補強繊維が望まれて
いる。乾式法は、セメントの石灰質と珪酸質などからな
る水硬性無機質を水がない状態で混合した乾燥状態の粉
体をプレスで予備成形し、水を水/セメント配合材固形
分比が10〜20%となるように供給した後、さらに4
0〜400kg/cm2 好ましくは100kg/cm2
以上のような高圧でプレスする。このため、乾式法の水
硬性無機質は、押出成形法と異なり、粘土状にならず乾
燥した粉体状に近い状態で成型することを特徴としてい
る。成型後、さらにオートクレーブ養生することによっ
て目的の成形品が得られる。
【0006】しかし、この乾式法において、通常の結晶
性シリカだけの配合セメントにアクリル系繊維を添加、
補強した成型板をオートクレーブ養生すると成型板の強
度が低下する。そこで、本発明者らは、アクリル系繊維
をこの乾式法の分野にものアスベストの代わりの補強繊
維としても使用しようと試みた。
【0007】
【問題を解決しようととする課題】本発明の目的は、上
述のように乾式法で製作する水硬性無機質成型品におい
て、アクリル系繊維がオートクレーブ養生下で十分な補
強効果を発現できないという問題点を解決し、乾式法に
おいて高強度で寸法安定性に優れたアクリル系繊維補強
水硬性無機質成型品とその製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
本発明のアクリル系繊維補強水硬性無機質成型品は、水
硬性物質中のセメント基礎原料であるセメントとシリカ
成分(結晶性シリカおよび非晶性シリカであり、結晶性
シリカ成分はゼロの場合を含む)の総量を100重量部
とするとき、セメント成分が20重量部以上でありかつ
少なくとも10重量部以上の非晶性シリカを配合した基
礎原料にアクリル繊維が混合されてなり、乾式法で成型
されて後、オートクレーブ養生され、曲強度を比重の二
乗で除した比曲強度が35kg/cm2 以上であること
を特徴とするアクリル系繊維補強水硬性無機質成型品で
ある。
【0009】また、本発明のアクリル系繊維補強水硬性
無機質成型品の製造方法は、水硬性物質中のセメント基
礎原料であるセメントとシリカ成分(結晶性シリカおよ
び非晶性シリカであり、結晶性シリカ成分はゼロの場合
を含む)の総量を100重量部とするとき、セメント成
分が20重量部以上で少なくとも10重量部以上の非晶
性シリカを配合した基礎原料にアクリル繊維を混合し、
乾式法で成型した後、オートクレーブ養生することを特
徴とするアクリル系繊維補強水硬性無機質成型品の製造
方法である。
【0010】
【作用】以下、さらに詳しく本発明について説明する。
【0011】建築用部材として高強度で寸法安定性に優
れた水硬性無機繊維質成型品を製造するには、石灰質
(CaO)と珪酸質(SiO2 )をほぼ等量のモル数に
配合した水硬性物質を高温の水蒸気下のオートクレーブ
中で高結晶の水和物にすることが必要である。このよう
な水硬性無機質成型品においてアクリル系繊維がオート
クレーブ養生後に補強効果を十分発揮するには、第一に
成形方法、第二に珪酸質の種類、粒径およびその配合量
が重要である。
【0012】本発明において水硬性物質のうち石灰質
は、セメントを用いる。セメントとしては、ポルトラン
ドセメント、アルミナセメントなど単味セメント、ある
いは高炉セメントなど混合セメントを用いることができ
る。一方、珪酸質は、結晶シリカと非晶性シリカに分類
できる。しかし、上述従来の技術の説明で述べたよう
に、アクリル系繊維をオートクレーブ養生する場合、珪
酸質成分として「結晶性シリカ単独」の配合にすると
き、アクリル系繊維の劣化のため成型品の強度が低下す
る。
【0013】このオートクレーブ養生時のアクリル系繊
維の劣化を防止するため、本発明では特に非晶性シリカ
を配合するものである。
【0014】非晶性シリカとしては、ポゾラン活性シリ
カやガラス粉などがあるが、特に効果のあるシリカはポ
ゾラン活性シリカである。また、ポゾラン活性シリカの
粒径には、重量平均粒径(以下、単に「粒径」と略す)
が1μm以上のポゾラン活性シリカと重量平均粒径が1
μm未満のポゾラン活性シリカがあるが、その粒径によ
って、ポゾラン活性シリカの比表面積が異なるため、セ
メントとの反応性、水の吸着性、シリカの凝集性などの
性質に影響が大きく異なる。このポゾラン活性シリカの
中でも、粒径が1μm以上のポゾラン活性シリカとして
は、フライアッシュ、高炉スラグなどが好ましく、これ
らの中で特にフライアッシュが好ましい。更に、粒径が
1μm未満のポゾラン活性シリカとしては、シリカヒュ
ーム、白土および珪そう土などが好ましく、この中でシ
リカヒュームが特に好ましい。
【0015】オートクレーブ養生時のアクリル系繊維の
劣化を防止するには、さらに、セメントに対するシリカ
の配合量が重要である。水硬性物質中のセメント基礎原
料であるセメントとシリカ成分(結晶性シリカおよび非
晶性シリカであり、結晶性シリカ成分はゼロの場合を含
む)の総量を100重量部とするとき、セメント成分が
20重量部以上でありかつ少なくとも非晶性シリカを1
0重量部以上含むことが必要である。非晶性シリカは、
好ましくは20重量部以上、さらには30重量部以上が
好ましく、本発明者らの知見によれば30重量部を超え
て配合することが一般に良い効果をもたらす。また、さ
らに非晶シリカ中で粒径が1μm未満のポゾラン活性シ
リカの配合量は、通常50重量%以下、好ましくは40
重量%以下配合することが好ましい。粒径が1μm未満
のポゾラン活性シリカが1μm以上のポゾラン活性シリ
カに比較し多すぎる場合、1μm未満のポゾラン活性シ
リカ活性シリカが凝集しやすくなり、製品となる成型板
の強度が低下する方向にある。高強度のアクリル系繊維
補強水硬性無機質成型品を製造するには、セメント基礎
原料には、20重量部以上好ましくは30重量部、さら
に好ましくは40重量部のセメント成分とすることが肝
要である。
【0016】また、基礎セメント配合中のセメント、非
晶シリカ以外成分である結晶性シリカは、通常ひび割れ
防止、補強効果や耐衝撃性を向上するために必要に応じ
て配合され、粒径としては、0.005〜3mmの範囲
内が好ましく、より好ましくは0.01〜1mm、最も
好ましくは、0.015〜0.5mmである。かかる結
晶性シリカは必ずしも配合されなくてもよい。
【0017】ところで、上述の水硬性物質には、アルカ
リ成分として少量のNa2 OおよびK2 Oが含まれるも
のである。特に、ポゾラン活性シリカにはその種類によ
って、アルカリ成分の含有量がかなり多くなることがあ
る。これらのアルカリ成分は、アクリル系繊維の補強効
果に悪影響を及ぼすためできるだけ少ないことが望まし
く、その含有量は、等価Na2 O(Na2 O+0.65
8K2 O)として3.5%以下、好ましくは3.0重量
%以下であることである。
【0018】次に、本発明において、親水性成分をセメ
ント基礎原料に添加することが、製品の強度を向上する
上で極めて有効である。かかる親水性成分の例として
は、セルロース系ポリマー、ポリアクリル酸系ポリマ
ー、ポリビニール(PVA)系ポリマー、ポリエチレン
(PE)系ポリマー、シリコン系ポリマー、でんぷん
系、リグニンスルフォン酸系などの親水性成分、天然動
物(天然タンパクを含む)系、天然植物系、天然鉱物系
などの親水性成分を用いることができ、かかる親水性成
分中、少なくとも1成分以上のセメント基礎原料に混合
することによって、オートクレーブ養生後の成型板の曲
強度が非常に向上する。
【0019】セルロース系ポリマー成分として、メチル
セルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(C
MC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピールセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロー
スなどがある。
【0020】ポリアクリル酸系ポリマー成分には、ポリ
アクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリメタアクリル
酸、ポリアクリル酸ナトリュームなどがある。
【0021】PVA系ポリマー成分としては、ポリビニ
ールアルコール、ポリビニールピロリドン、ポリビニー
ルメチルエーテルがある。
【0022】PE系ポリマー成分としては、ポリエチレ
ンオキサイト、ポリエチレングリコールなどがある。デ
ンプン系成分として、デンプン、ヒドロキシエチルデン
プン、カルボキシメチルデンプン、ジアルデヒドデンプ
ンなどがある。
【0023】天然動物(天然タンパクを含む)系成分と
しては、ゼラチン、カゼインなどがある。
【0024】天然植物系成分として、アルギン酸ソー
ダ、ガラクタン、トラガントガム、アラビアガム、マン
ナンなどがある。
【0025】天然鉱物系材料として、活性炭素、ベント
ナイト、塩化マグネシューム、酸化マグネシュームなど
がある。
【0026】これらの親水性成分は、成型条件や用途に
よって、種類や分子量、添加量などは選択でき、さらに
は併用することも可能である。
【0027】上述の本発明に用いたポゾラン活性シリカ
や親水性成分の効果およびその作用について、以下に説
明する。
【0028】本発明の乾式法においては、セメントを成
型するに必要な水の量(水比:セメントだけでなく、シ
リカなど全固形配合材100部に対する水の部数)は、
他の方法の水比、例えば抄造法:500〜3000や押
出成形法:20〜40に比較し極端に少なく、10〜2
0程度であり、セメントが水と反応し、水硬性物質にな
るために必要な水の量(6〜8)に非常に近い値であ
る。このような水が極端に少ない状態では、ポゾラン活
性シリカに本発明の親水性材料成分を併用することによ
って、成型板中のアクリル系繊維の補強効果の向上が大
である。この親水性材料成分による詳細な作用は不明な
点もあるが、概要は次のように考えられる。
【0029】本発明の後述比較例でも示したように、結
晶シリカだけを用いた配合材の場合には、成型板中のア
クリル系繊維は劣化し成型板の強度は非常に低下し実用
に耐えないものになる。これは、セメントの水和反応に
よって生じる水酸化カルシュームや配合材中のアルカリ
成分(特にNa、K成分)などによって、成型板中のア
ルカリ性即ちPHがアップし、アクリル系繊維が、高温
のオートクレーブ中で劣化したり、溶解したりして成型
板の強度が低下する。これを防止するため、ポゾラン活
性シリカのような非晶シリカや親水性成分を添加するわ
けである。
【0030】ポゾラン活性シリカの作用は、セメント
は、その成分である水酸化カルシュームとシリカと水が
反応し、水硬性物質を生成すると共に水酸化カルシュー
ムが副生するこの副生水酸化カルシュームにポゾラン活
性シリカを添加し、反応させPHを低下させることによ
って、高温オートクレーブ養生でのアクリル系繊維の劣
化を防止できる。反応をより活性化するためは、結晶シ
リカは不適当であり、水に溶解しやすく比表面積が大き
なポゾラン活性シリカが好ましい。ポゾラン活性シリカ
の中でも、シリカヒュームは、その反応性が高いことか
ら非常に有効であるが、多く用いると凝集を生じたり、
成型板の耐火性、耐衝撃性が低下するので最適化が重要
である。
【0031】次に、親水性成分の作用について以下説明
する。前述のように、低水比の乾式法おいては、非常に
水が少ないので、均一に混合することが困難である。こ
のためミクロ的に考えたとき、成型板中の水が局在化
し、局部的にPHが高い部分が生じ、その部分にあるア
クリル系繊維を劣化させるわけである。
【0032】本発明にて用いる親水性成分のように、水
を成型板中に均一に分散させたり、セメントやポゾラン
活性シリカへの局部的な水の取込みを防止し、徐々に水
を配合材に供給したり、ポゾラン活性シリカの凝集によ
る水の局部的取込みを防止をするための凝集防止などの
ように、セメントの水和反応が均一に進行させる作用に
よって、上記のような局部的PHのアップを防止する効
果は、非常に向上すると考えられる。ポゾラン活性シリ
カの中で、シリカヒュームを用いるときには、親水性成
分の併用が特に効果がある。親水性成分の作用からその
性質をみると、均一分散性の他に、吸水性、増粘性、凝
集力低下性、セメント反応抑制などの機能を持つものが
好ましく、このため、一種類だけでなく、二種類以上を
併用することも好ましい。また、本発明の親水性成分と
一般の分散剤である界面活性剤などとの併用も有効であ
る。
【0033】また、水硬性無機質成型品に多孔質性を与
え、軽量化するためにパーライト、シラスバルーン、ガ
ラスバルーンなどを適宜配合できる。さらに、水硬性無
機質成型品の成型性や耐衝撃性を向上させるため、木材
パルプ、アクリル系繊維や芳香族ポリアミド繊維のフィ
ブリル化物、ウォラストナイト、エディナイト、セピオ
ライトなどの無機繊維、結晶性シリカ、マイカ、クレ
ー、ベントナイトなどその他の充填剤を添加、配合する
ことができる。
【0034】次に、本発明に用いるアクリル系繊維は、
特に限定されるものではないが、高温のアルカリに耐
え、かつ補強効果を高めるため、高重合度のアクリル系
重合体からなる高強度高弾性率のアクリル系繊維である
ことが望ましい。例えば、極限粘度が2.0〜5.0の
アクリロニトリル(以下、「AN」と略す)系ポリマー
を使用し、引張強度が10g/d以上で、弾性率が18
0g/d以上のアクリル系繊維を用いることが望まし
い。
【0035】ここで、本発明に用いるアクリル系繊維の
具体的な製造法の一例を説明する。まず、アクリル系繊
維の製造に用いられるAN系ポリマーとしては、AN単
独または、少なくとも、90%モル%のANと10%以
下の該ANに対して共重合性を有するモノマ、例えばア
クリル酸、メタクリル酸、イタコン酸などのカルボン酸
およびそれらの低級アルキリエステル類、ヒドロキシメ
チルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒ
ドロキシメチルメタアクリレートなどのカルボン酸の水
酸基を含有するヒドロキシアルキルアクリレート、アク
リルアミド、メタアクリルアミド、α−クロルアクリロ
ニトリル、ヒドロキシエチルアクリル酸、アリルスルホ
ン酸、メタクリルスルホン酸などの共重合モノマえお例
示することができるが、これらの共重合モノマのうち強
度の高いアクリル系繊維が得られるアクリルアミド類が
特に望ましい。
【0036】これらのAN系ポキマは、ジメチルスルホ
キシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DM
F)、ジメチルアセトアミド(DMAc)などの有機溶
剤、塩化カルシューム、塩化亜鉛、ロダンソーダなどの
無機塩濃厚水溶液、硝酸などの無機系溶剤に溶解して、
溶液粘度が2000ポイズ以上、好ましくは3000〜
10000ポイズ、ポリマ濃度が5〜20%の紡糸原液
を作成する。かくして得られた前記高重合度AN系ポリ
マの溶剤溶液(紡糸原液)から、できる限り高強度高弾
性率で、内外構造差の少ない緻密な繊維を製造するため
には、この高重合度AN系ポリマ紡糸原液を紡糸口金を
通していったん空気などの雰囲気中に吐出した後、吐出
された該紡糸原液を凝固浴中に導いて凝固を完結させ
る、いわゆる乾湿式紡糸法を採用し、高度に延伸するこ
とが望ましい。
【0037】この乾湿式紡糸法の具体的条件としては、
紡糸原液を紡糸口金面と凝固面との距離が1〜20m
m、好ましくは3〜10mmの範囲以内に設定された該
紡糸口金面と凝固浴液面とで形成される微小空間に吐出
した後、凝固浴へ導いて凝固させ、次いで得られた繊維
糸条を常法により、水洗、脱溶媒、一次延伸、乾燥・緻
密化、2次延伸、熱処理などの後処理工程を経由せしめ
て延伸糸条とする。この乾湿式紡糸によって得られた繊
維糸条は、延伸が極めて優れているが、好ましくは2次
延伸方法として、150〜270℃の乾熱下に少なくと
も1.1倍、好ましくは1.5倍以上延伸し、全有効延
伸倍率が少なくとも10倍、好ましくは12倍以上なる
ように延伸し、その繊度を0.5〜7デニール(d)、
好ましくは1〜5dの範囲内とするのがよい。繊度が
0.5よりも小さいと延伸工程での糸切れが多くなり、
また7dよりも大きいと高強度が望めないために好まし
くない。
【0038】かくして得られたアクリル系繊維は、水硬
性物質への分散性を高める上で繊維長が5mm以下、好
ましくは2mm以下に切断される。特に、高速回転刃、
リファイナー、高速ハンマーおよびジェット流などの粉
砕機によって0.5mm以下の繊維長が30%重量以
上、好ましくは50重量%になるように切断されたアク
リル系繊維が好ましく用いられる。このとき、繊維長の
制御は粉砕時間や粉砕機の出力を調節したり、径の異な
るスクリーンで分級することによって行なうことができ
る。かくして、上記アクリル系繊維、水硬性物質、およ
び充填剤からなる配合物は、水のない(乾燥)状態でミ
キサーによって混合、分散される。この粉体混合物を板
状に予備成型し、たとえば、その板状粉体混合物に水を
配合固形分100部に対し10〜20部添加した後、プ
レス機によって40〜400kg/cm2 のような高圧
で圧縮成型する(いわゆる乾式法)。水の混合方法とし
て、上記のように予備成型後に混合するのでなく、ミキ
サーで粉体混合した後、成型前にミキサー中で混合しな
がら添加する方法があり、この方法で得られた湿った粉
体混合物をプレス機で板状に成型する。
【0039】アクリル系繊維の配合量は0.1〜5重量
%、好ましくは0.5重量%〜2%である。また、ミキ
サーとしてはオムニミキサー、アイリッヒおよびヘンシ
ェルミキサーなどが用いられる。
【0040】次に、上記のように乾式法で成型された成
型物はオートクレーブ中に投入され、通常、100〜1
80℃の水蒸気下で養生されるが、好ましくは160〜
180℃の水蒸気下で養成される。また、オートクレー
ブ養生時間は温度によるが通常3〜48時間が用いられ
る。
【0041】かくして得られる本発明にかかる成型品
は、アクリル系繊維の補強効果が十分発現し、曲げ強度
が著しく高く、寸法安定性に優れたものである。
【0042】ここで、本発明のような成型品分野におい
て、一般に曲強度は成型品の比重とともに増大する。し
たがって、本発明の効果は、この比重の影響を考慮して
検討されるのがその特質を表わす上で好適であり、特に
曲強度を比重の二乗で除した「比曲強度」値を用いて評
価をするのが好適である。
【0043】本発明の乾式成型法の成型品においては、
かかる比曲強度値は35kg/cm2 以上のものが得ら
れ、従来乾式法では、アクリル系繊維はオートクレーブ
養生タイプの成型品に補強繊維として使用できなかった
が、本発明によってアクリル系繊維の使用が可能になっ
た。本発明成型品の比強度において、より好ましくは4
5kg/cm2 以上、さらに好ましくは55kg/cm
2 以上のものである。ここで、曲強度および比重は、成
型品から成型方向を長手方向として長さ15cm×幅3
0mm×厚さ5mmの試験片を切り出し、JIS A
1408に準じ以下のようにして測定される。
【0044】曲強度:気乾状態において、スパン10c
m、荷重速度1mm/minで試験片の曲試験を行な
い、常法により曲強度(Kg/cm2 )を算出する。
【0045】比重:20℃の水を用いて試験片の飽水重
量および水中重量を、次いで105℃、24時間乾燥し
て絶乾重量を各々測定し、次式により嵩比重を算出す
る。
【0046】比重=絶乾重量/(飽水重量−水中重量)
【0047】
【発明の効果】本発明にかかる水硬性無機質成型品は、
セメントにポゾラン活性シリカのような非晶シリカを配
合したセメント基礎原料とアクリル系繊維との混合物を
乾式成型後オートクレーブ養生して得られるものであっ
て、アクリル系繊維の補強効果が十分発現されるため著
しく曲強度が高く、耐衝撃性ならびに寸法安定性などに
優れている。
【0048】したがって、建築資材用、土木資材用など
多くの用途にその優れた性能を活用することができる。
【0049】
【実施例】以下、実施例により本発明の効果を具体的に
説明する。
【0050】実施例1〜5、比較例1〜2 アクリロニトリル(AN)100%からなる極限粘度が
3.2のAN共重合体をジメチルスルホキシド(DMS
O)中で溶液重合し、得られた紡糸原液を乾湿式紡糸し
た。凝固浴としては、20℃、55%DMSO水溶液を
使用した。得られた未延伸繊維糸条を熱水で5倍に延伸
した後、水洗し180〜200℃の乾熱チューブ中で最
高延伸倍率の90%で2次延伸し、繊度2デニール、強
度11.7g/d、伸度11.8%、弾性率200g/
dのアクリル系繊維を得た。このアクリル系繊維を5m
mに切断した。
【0051】次に、セメントとしてポルトランドセメン
ト(等価Na2 O 1.0重量%)、ポゾラン活性シリ
カとして粒径15μmのフライアッシュ(Na2
1.8重量%)、粒径0.2μmのシリカヒューム(等
価Na2 O 1.2重量%)および親水性成分としてメ
チルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリビ
ニールアルコール、ポリアクリル酸を表1の配合で用
い、これら水硬性物質100重量部にたいしてアクリル
系繊維1重量部、親水性成分1重量部を配合し水を無添
加の紛体状態でアイリッヒ混合機によって3分間混合し
た後、水14部を添加しながらさらに5分間混合した。
この湿った状態の粉体を幅40mm、長さ160mmの
型枠に入れ、プレス機によって、200kg/cm2
圧縮成型し厚さ5mmの成型板とした。得られた成型板
を飽和水蒸気中に20℃で24時間、70℃で4時間放
置した後、180℃のオートクレーブ中で5.5時間水
蒸気中で養生した。
【0052】得られた成型板を幅30mm、長さ150
mmに切断し、気乾状態まで乾燥し曲強度を測定した結
果を表1に示した。
【0053】
【表1】 表1から、本発明にかかる非晶シリカを配合したいずれ
の成型板の比曲強度も、比較例の成型板の比強度に比べ
アクリル系繊維の補強性能が優れていることがわかる。
さらに、本発明の親水性成分を添加することによってさ
らにアクリル系繊維の補強効果は向上した。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水硬性物質中のセメント基礎原料であるセ
    メントとシリカ成分(結晶性シリカおよび非晶性シリカ
    であり、結晶性シリカ成分はゼロの場合を含む)の総量
    を100重量部とするとき、セメント成分が20重量部
    以上でありかつ少なくとも10重量部以上の非晶性シリ
    カを配合した基礎原料にアクリル繊維が混合されてな
    り、乾式法で成型されて後、オートクレーブ養生され、
    曲強度を比重の二乗で除した比曲強度が35kg/cm
    2 以上であることを特徴とするアクリル系繊維補強水硬
    性無機質成型品。
  2. 【請求項2】非晶性シリカ成分が、重量平均粒径が1μ
    m以上のポゾラン活性シリカおよび/または重量平均粒
    径が1μm未満のポゾラン活性シリカであることを特徴
    とする請求項1記載のアクリル系繊維補強水硬性無機質
    成型品。
  3. 【請求項3】重量平均粒径が1μm以上のポゾラン活性
    シリカがフライアッシュであり、かつ重量平均粒径が1
    μm未満のポゾラン活性シリカがシリカヒュームである
    非晶性シリカであることを特徴とする請求項1または2
    記載のアクリル系繊維水硬性無機質成型品。
  4. 【請求項4】セメント基礎原料が、セルロース系ポリマ
    ー、ポリアクリル酸系ポリマー、ポリビニール系ポリマ
    ー、ポリエチレン系ポリマー、シリコン系、でんぷん
    系、リグニンスルフォン酸系などの親水性成分、天然動
    物(天然タンパクを含む)系、天然植物系、天然鉱物系
    などの親水性成分中少なくとも1成分以上の親水性成分
    および/または非晶シリカを混合されてなるものである
    ことを特徴とする請求項1、2または3記載のアクリル
    系繊維水硬性無機質成型品。
  5. 【請求項5】水硬性物質中のセメント基礎原料であるセ
    メントとシリカ成分(結晶性シリカおよび非晶性シリカ
    であり、結晶性シリカ成分はゼロの場合を含む)の総量
    を100重量部とするとき、セメント成分が20重量部
    以上で少なくとも10重量部以上の非晶性シリカを配合
    した基礎原料にアクリル繊維を混合し、乾式法で成型し
    た後、オートクレーブ養生することを特徴とするアクリ
    ル系繊維補強水硬性無機質成型品の製造方法。
JP26361692A 1992-10-01 1992-10-01 アクリル系繊維補強水硬性無機質成型品およびその製造方法 Pending JPH06115997A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26361692A JPH06115997A (ja) 1992-10-01 1992-10-01 アクリル系繊維補強水硬性無機質成型品およびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26361692A JPH06115997A (ja) 1992-10-01 1992-10-01 アクリル系繊維補強水硬性無機質成型品およびその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06115997A true JPH06115997A (ja) 1994-04-26

Family

ID=17392014

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26361692A Pending JPH06115997A (ja) 1992-10-01 1992-10-01 アクリル系繊維補強水硬性無機質成型品およびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06115997A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN105130335A (zh) 一种基于内养护、补偿收缩与增韧的低收缩抗裂c60级自密实桥塔混凝土及其制备方法
EA028721B1 (ru) Способ получения маточной смеси на основе углеродных нанонаполнителей и сверхпластификатора и ее применение в неорганических отверждаемых системах
US4772328A (en) Hydraulic cementitious compositions reinforced with fibers containing polyacrylonitrile
JP6644546B2 (ja) セルロースナノファイバー担持水硬性成形体用補強繊維およびそれを含む水硬性組成物、水硬性成形体
CN1673166A (zh) 保温砂浆干粉料及制备方法
CN108794061B (zh) 一种含复合掺合料的泡沫混凝土及其制备方法和应用
JPH0733272B2 (ja) 繊維補強セメント複合材およびその成形物
JPH0140785B2 (ja)
JP2001287980A (ja) 水硬性組成物および無機質成形物の製造方法
JPH09295877A (ja) 短繊維補強コンクリート
CN112592109A (zh) 一种性能优异的再生混凝土
CN114075061B (zh) 一种高效特种纤维抗裂剂及其制备方法
JPH06115997A (ja) アクリル系繊維補強水硬性無機質成型品およびその製造方法
JPH06115989A (ja) アクリル系繊維補強水硬性無機質成型品およびその製造方法
JP3280636B2 (ja) 成形物の製造方法
CN113816646B (zh) 一种混凝土砂浆抗裂添加剂及其制备方法
JP3355588B2 (ja) セルロース繊維含有セメント組成物
JPH04300229A (ja) 水硬性無機質成形品およびその製造方法
JPH0585800A (ja) 水硬性無機質成形品およびその製造方法
JP3618399B2 (ja) 水硬性組成物
JP2565517B2 (ja) 繊維強化水硬性成形物
JP2004137119A (ja) セメント系繊維複合材料
JPH07126055A (ja) 水硬性組成物ならびに押出成形体およびその製造方法
JPH0680451A (ja) 水硬性無機質成形品の製造方法
JP2908494B2 (ja) アスベストフリー押出成形品の製造方法