JPH0691683B2

JPH0691683B2 - 浮上式搬送装置

Info

Publication number: JPH0691683B2
Application number: JP60058186A
Authority: JP
Inventors: 明平森下; 照男小豆沢
Original assignee: Toshiba Corp
Current assignee: Toshiba Corp
Priority date: 1985-03-25
Filing date: 1985-03-25
Publication date: 1994-11-14
Anticipated expiration: 2009-11-14
Also published as: JPS61218305A; US4742778A; CA1256521A

Description

【発明の詳細な説明】〔発明の技術分野〕本発明は、小物類を搬送する浮上式搬送装置に係わり、
特に、省エネルギ、省スペース化を図れるようにした浮
上式搬送装置に関する。

〔発明の技術的背景とその問題点〕

近年、オフイスオートメーシヨン、フアクトリーオート
メーシヨンの一環として、建屋内の複数の地点間におい
て、伝票、書類、現金、試料等を搬送装置を用いて移動
させることが広く行われている。

このような用途に用いられる搬送装置は、搬送物を速や
かに、かつ静かに移動させ得るものであることが要求さ
れる。このため、この種の搬送装置においてはガイドレ
ール上で搬送車を非接触に支持することが行われてい
る。搬送車を非接触で支持するには、空気や磁気を用い
るのが一般的である。中でも搬送車を磁気的に支持する
方式は、ガイドレールに対する追従性や、騒音低減効果
に優れており、最も有望な支持手段であると言える。

ところで、従来の磁気的な浮上式搬送装置は、搬送車を
電磁石で支持し、この電磁石への励磁電流を制御するこ
とによつて搬送車を安定に支持するものであつた。した
がつて、電磁石のコイルを常時付勢しなければならず、
消費電力が大きいという欠点を回避することができなか
つた。そこで、電磁石に要求される起磁力の大部分を永
久磁石で付与し、消費電力の低減化を図るようにした装
置も考えられている。しかし、この場合でも、例えば、
搬送車がガイドレールの曲線部を通過するなどして搬送
車に横方向の外力が加わつた場合には、搬送車に横ゆれ
が生じるが、搬送車が浮上しているために横ゆれの収束
が悪く、その間、横ゆれによる永久磁石の吸引力の変動
を電磁石の吸引力で制御しなければならない。また、磁
気支持ユニットには永久磁石が含まれているため、横揺
れに起因して磁気支持ユニットとガイドレールとが吸着
してしまうと、その吸引力を電磁石の励磁電流によって
引き剥がすためには大電流が要求されることになる。こ
の際に電磁石で消費される電力の増大が問題となつた。
また、このように搬送車への横方向の外力の印加によつ
て電磁石に付与する電力が大きくなるという問題がある
と、電磁石を付勢するための電源として大容量の電源を
使用しなくてはならず、結局、装置全体の大型化を招く
という問題があつた。

〔発明の目的〕

本発明は、係る問題に鑑みなされたものであり、その目
的とするところは、消費電力の低減化を図ることによ
り、省エネルギー、省スペース化の図れる浮上式搬送装
置を提供することにある。

〔発明の概要〕

本発明は、ガイドレールに沿って走行自在に配置された
搬送車と、前記ガイドレールと空隙を介して対向するよ
うに配置された電磁石と、前記電磁石、前記ガイドレー
ルおよび前記空隙で構成される磁気回路中に介在し、こ
の磁気回路とともに磁気支持ユニットを形成し前記搬送
車に搭載される永久磁石と、前記電磁石の励磁電流を制
御し、この励磁電流が零になる状態で前記磁気回路を安
定化させるゼロパワー制御手段とを備えた浮上式搬送装
置において、前記搬送車の走行方向に対して横方向に揺
動可能な錘と、この錘を支持する弾性支持手段とを有す
る横ゆれを減衰装置を前記搬送車に装備したことを特徴
とする浮上式搬送装置である。この横ゆれ減衰装置は、
搬送車の一部部材との動摩擦部分を設けて構成しても良
く、また、ダツシユポツトを介して搬送車側に取付けて
構成しても良く、またさらに錘りを液体に漬けて構成し
ても良い。さらに錘りの代りに電源の一部もしくは全部
を用いて構成しても良い。

すなわち、搬送車にバネまたはゴムなどの弾性体、ある
いは傾斜面等で支持された錘を取付け、搬送車に横方向
の外力が加わつた際に生じる搬送車の横ゆれを、共振現
象等を用いて前記錘の横ゆれに転稼させ、この錘の横ゆ
れの運動エネルギーを、これを支持するバネ、弾性体等
が変形する際に消費するエネルギーとして吸収させた
り、前記錘と傾斜面の間で発生する動摩擦、あるいは他
の搬送車の部材と前記錘、バネ、または弾性体との間に
生じる動摩擦、もしくはこれらを液体に漬けた際に生じ
る粘性抵抗さらにはダツシユポツトを用いることにより
吸収させて達成することができる。

〔発明の効果〕

本発明によれば、搬送車に加えられた横ゆれの運動エネ
ルギーが、前記錘を介して機械的に熱エネルギーに変換
され、消費されるので、浮上状態にある搬送車の横ゆれ
を速かに減衰させることができ、先に述べた横ゆれによ
る電源の消費量を大幅に抑えることができる。

また、磁気支持ユニットとガイドレールが吸着してしま
う危険を回避することができる。

〔発明の実施例〕

以下、図面を参照しながら本発明の一実施例に係る浮上
式搬送装置について説明する。

第１図乃至第３図において、１は少なくとも下面部分が
強磁性体で形成されたガイドレールである。このガイド
レール１上には、搬送車２がガイドレール１に沿って走
行自在に配置されている。搬送車２には、その下部に磁
気支持装置３が搭載されている。また、ガイドレール１
に沿つたベース部分４には、所定の間隔でリニア誘導電
動機５の固定子６が配設されている。

ガイドレール１は、アングル状部材11a,11bを平行に敷
設するとともに、これらアングル状部材11a,11bの下面
部に白色のビニルテープ12を貼着して構成されている。
ビニルテープ12は、表面における乱反射を促進させるよ
うに例えば艶消し処理が施されたものである。

搬送車２は、平板状の基台13と、この基台13上に載置さ
れ書類など被搬送物の搬送を容易化するための偏平な容
器14と、前記基台13の下面四隅位置に取付けられ非常時
等において上記基台13を支持する４つの車輪15とで構成
されている。

また、前記磁気支持装置３は、ガイドレール１を介して
上記基台13の下面と対向する台車21,21′と、基台13に
対し直角に配置され、基台13と台車21′とを連結する連
結板22と、前記台車21,21′の四隅位置に前記ガイドレ
ール１の下面と対向し、かつ水平面内で回転可能なよう
にボルト50および台座51を用いて取付けられた４つの磁
気支持ユニツト23と、これら磁気支持ユニツト23にそれ
ぞれ固定され磁気支持ユニツト23とガイドレール１との
間の空隙長を検出する光学ギヤツプセンサ24と、前記台
車21の中央位置に搭載された制御装置25と、前記基台13
の下面に固定された横ゆれ減衰装置60およびこの構成要
素である電源26とで構成されている。

さらに、この横ゆれ減衰装置60は枠61、弾性部材62およ
びこれに支持される錘として用いられる電池で構成され
た前記電源26とで構成されている。

磁気支持ユニツト23は、第４図にも示すように、上端面
がガイドレール１の下面と所定の空隙Ｐを介して対向す
る２つの継鉄31,32およびこれら継鉄31、32に巻装され
た励磁コイル33,34からなる２つの電磁石35,36と、前記
継鉄31,32の下部側面間に介在する永久磁石37とで構成
されており、全体としてＵ字形状をなしている。励磁コ
イル33,34は、電磁石35,36によつて形成される磁束が互
いに加算されるような向きで直列に接続されている。

また、台車21,21′は、台車21に固定された軸70と台車2
1′に固定された軸受71および抜け止め72を用いて、前
記搬送車２の進行方向と平行な鉛直面で回転可能な状態
で連結されている。

光学ギヤツプセンサ24は、支持部材38を介して磁気支持
ユニツト23に固定されている。この光学ギヤツプセンサ
24には、例えば第５図に示すように反射形フオトカプラ
が用いられており、発光素子41からガイドレール１の下
面のビニルテープ12に向けて出射され同ビニルテープ12
で反射された光を受光素子42で検出し、反射光の強弱に
よつてギヤツプ長を検出するものとなつている。

このビニルテープ12は、ギヤツプセンサ24の被測定面を
乱反射にするために設けてあるもので、これにより、ギ
ヤツプセンサ24の出力は、被測定面上のキズや汚れに対
しても非常に安定したものとなる。

また、制御装置25は、励磁コイル33,34と直列に接続さ
れた励磁電流検出手段である固定抵抗器43と、光学ギヤ
ツプセンサ24に発光信号を送出するとともに光学ギヤツ
プセンサ24からの受光信号を変調する変調器44と、この
変調器44からの信号および前記固定抵抗器43の電圧降下
による信号に基づいて励磁コイル33,34に流す電流値を
演算する演算回路45と、この演算回路45からの信号に基
づいて前記励磁コイル33,34に電力を供給する増幅器46
とで構成されている。

なお、これら磁気支持ユニツト23を支持する台車21,2
1′は、リニア誘導電動機５の可動要素である導体板を
兼ねたものとなつており、装置の稼動時においては固定
子６と僅かのギヤツプを介して対向する高さに配置され
ている。

次に、このように構成された本実施例に係る浮上式搬送
装置の動作について説明する。

装置が停止状態にある場合には、ガイドレール１に車輪
15が接触しているか、または永久磁石37の磁気的吸引力
によつて磁気支持ユニツト23がガイドレール１に吸着さ
れている。この状態で装置を起動させると、制御装置25
は永久磁石37が発生する磁束と同じ向き、または逆向き
の磁束が電磁石35,36に発生されるとともに、磁気支持
ユニツト23とガイドレール１との間に所定長の空隙Ｐを
維持させるべく励磁コイル33,34に流す電流を制御す
る。これによつて、第４図中点線で示すように、永久磁
石37〜継鉄31〜空隙Ｐ〜ビニルテープ12〜アングル状部
材11a（11b）〜ビニルテープ12〜空隙Ｐ〜継鉄32〜永久
磁石37の経路からなる磁気回路が形成される。ギヤツプ
長は、搬送車２など被支持体の重量と、永久磁石37の起
磁力による磁気支持ユニツト23〜ガイドレール１間の磁
気的吸引力とが丁度釣合うような長さに設定される。つ
まりゼロパワー制御がなされることになる。

今、搬送車２がリニア誘導電動機５の固定子６上にある
として、この固定子６を付勢すると、支持板21が固定子
６から電磁力を受けるので、搬送車２は、磁気浮上状態
のままガイドレール１に沿つて走行し始める。搬送車２
が空気抵抗等の影響で完全静止するまでの間に再び固定
子６が配置されていれば、搬送車２は再度付勢されてガ
イドレール１に沿つた移動を持続させる。この移動は目
的とする地点まで継続される。かくして、搬送車２を非
接触状態で目的地点まで移動させることができる。

また、目的地点までの間に、小径の曲線区間がある場合
にも、前記磁気支持ユニツトが水平面内で回転しながら
前記ガイドレール１をその磁気力により追従し、また、
この曲線区間にカントがつけてある場合には、カントに
よるガイドレール１の作る平面のねじれを台車21,21′
が鉛直面上で回転することにより吸収して搬送車２を高
速で走行させることができる。

ところで、走行中あるいは停止中の浮上状態にある搬送
車２においては、磁気支持ユニツト23が、ガイドレール
１に吸引力を発生し、搬送車２を支持・案内している
が、案内方向すなわち横方向において磁気支持ユニツト
23には、何らの制御も施されていないので、被搬送体の
積降し、曲線部の通過等で加えられる横方向の外力が搬
送車２に与える横ゆれの運動エネルギーを、磁気支持ユ
ニツト23が積極的に消費することはない。したがつて、
搬送車２の横ゆれに何らの減衰対策もとられないとすれ
ば、横ゆれの続く間の永久磁石の吸引力の変化を電磁石
を励磁して制御しなければならず、この間に電磁石で消
費される電力が増大し、結局、大容量の電源を用いなけ
ればならないということになる。

ところが、本実施例においては、枠61、弾性体62、電源
26より構成される横ゆれ減衰装置60が搬送車２に取付け
られている。したがつて搬送車２に発生した横ゆれは、
共振現象により電源26に伝達され、これにともなう弾性
体62の変形により熱に変換されて速かに減衰することに
なる。しかも、この減衰装置60は何らの電力をも必要と
しないので、電源のエネルギーを節約することにもな
る。

さらに、本実施例によれば、搬送車２の横ゆれを速やか
に抑えることができるので、上述したような横ゆれによ
る消費電力の増加を大幅に減らすことができるととも
に、横ゆれを嫌うような被搬送体を搬送することがで
き、したがつて、本発明による浮上式搬送装置の応用範
囲を大幅に拡大することができる。

〔発明の他の実施例〕

なお、本発明は上述した実施例に限定されるものではな
い。たとえば、上記実施例では横ゆれ減衰装置の錘とし
て電源を用いたが、これは錘の性質を何ら限定するもの
ではなく、他の搬送車の部材もしくは専用に設けられた
錘であつて差し支えない。

さらに、上記実施例では錘の支持に弾性体を用いたが、
これは錘の支持部材を何ら限定するものではなく、バ
ネ、あるいはこれに加えてダツシユポツト等を用いても
よく、また凹状の斜面あるいはＶ字状の斜面により支持
してもよい。さらに、横ゆれの運動エネルギー−熱エネ
ルギーの変換を促進するために、錘もしくはその支持部
材を他の部材に摺動するようにしたり、あるいはこれら
が液体に漬かるようにしても良い。要は、横ゆれの運動
エネルギーが機械的に速やかに熱エネルギーに変換され
るように横ゆれ減衰装置を構成すればよい。特に、搬送
車を構成する部材の一部あるいは全部が横ゆれ減衰装置
の構成要素になるようにすると、横ゆれ減衰装置を搬送
車に装着した場合の重量の軽量化が図れ、その分被搬送
車の積載量を大きくすることができる。

加えて、上記実施例によれば、横ゆれ減衰装置は、搬送
車の基台の下部に取付けられているが、これは横ゆれ減
衰装置の取付け位置を何ら限定するものでなく、その機
能を発揮できる位置であればどこに取付られても差し支
えない。

このように本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で種々
変更して実施することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例に係る浮上式搬送装置の概略
構成を示す斜視図、第２図は第１図の正面図、第３図は
第２図のＡ−Ａ′断面図、第４図は同装置における磁気
支持ユニツトとその周辺部とを示す断面図、第５図は同
装置における制御装置とその周辺部の概略構成を示す図
である。１ …ガイドレール、２…搬送車、３…磁気支持装置、４
…ベース、５…リニア誘導電動機、６…固定子、11a,11
b…アングル状部材、12…ビニルテープ、13…基台、14
…容器、15…車輪、21…支持板、22…連結板、23…磁気
支持ユニツト、24…光学ギヤツプセンサ、25…制御装
置、26…電源、31,32…継鉄、33,34…励磁コイル、35,3
6…電磁石、37…永久磁石、Ｐ…空隙、60…横ゆれ減衰
装置、61…枠、62…弾性体。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ガイドレールに沿って走行自在に配置され
た搬送車と、前記ガイドレールと空隙を介して対向するように配置さ
れた電磁石と、前記電磁石、前記ガイドレールおよび前記空隙で構成さ
れる磁気回路中に介在し、この磁気回路とともに磁気支
持ユニットを形成し前記搬送車に搭載される永久磁石
と、前記電磁石の励磁電流を制御し、この励磁電流が零にな
る状態で前記磁気回路を安定化させるゼロパワー制御手
段と、を備えた浮上式搬送装置において、前記搬送車の走行方向に対して横方向に揺動可能な錘
と、この錘を支持する弾性支持手段とを有する横ゆれ減
衰装置を前記搬送車に装備したことを特徴とする浮上式
搬送装置。
【請求項２】横ゆれ減衰装置を搬送車の他の部材と動摩
擦部分を持つように構成したことを特徴とする特許請求
の範囲第一項記載の浮上式搬送装置。
【請求項３】横ゆれ減衰装置をダッシュポットを介して
搬送車側に取付けたことを特徴とする特許請求の範囲第
一項記載の浮上式搬送装置。
【請求項４】横ゆれ減衰装置を液体に錘りを漬けて構成
したことを特徴とする特許請求の範囲第一項記載の浮上
式搬送装置。
【請求項５】前記錘の代わりに、前記搬送車に必要な電
力を供給する電源の一部もしくは全部を用いたことを特
徴とする特許請求の範囲第一項記載の浮上式搬送装置。