JPH066332B2 - プラスチック成形における補助プラグ成形法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はプラスチツクの熱成形法、例えば、雌型を使用
する真空成形や圧縮空気圧成形において利用される補助
プラグ成形法（プラグアシスト法）の改良に関する。

（従来の技術） 雌型を使用する真空成形や圧縮空気圧成形により深絞り
の成形品を得る場合は、一般的に成形品の肉厚が不均一
になりやすい問題がある。従来、この問題を解決する一
手段として、第３図に示すように、熱可塑性樹脂の材料
シート(2)を一旦補助プラグ(3)によって予張してから成
形する補助プラグ成形法が公知である。

（発明が解決しようとする課題） 従来の補助プラグ成形法によれば、比較的均一な肉厚の
成形品(4)を得ることが可能である。しかし、より詳し
く検査すると、第４図に示すように、予張工程で補助プ
ラグ(3)と接触する部位(4a)の肉厚が他の部位の肉厚に
比べて僅かに大きくなることが避けられない。そこで本
発明は、補助プラグ成形において、成形品における補助
プラグの接触した部位と他の部位の肉厚の不均一を解消
して成形性を向上せしめることを目的とする。

（課題を解決するための手段） 本発明は上記目的を達成するために案出されたもので、
補助プラグによる材料シートの予張工程において、補助
プラグを微振動させることを特徴とするものである。

（作用） 従来の補助プラグ成形法によって得られた成形品(4)に
おいて、補助プラグ(3)と接触する部位(4a)の肉厚が他
の部位の肉厚に比べて僅かに大きくなるのは、材料シー
ト(2)において補助プラグ(3)と接触する部位がその予張
時に密着によって摩擦を生じるのですべりにくくなって
伸びを抑えられることが主な原因である。従って、予張
時の補助プラグ(3)と材料シート(2)の接触部の摩擦を減
じて材料シート(2)のすべりをよくすれば伸びが抑えら
れることもなく肉厚が均一な成形品を得ることができ
る。本発明によれば、材料シートの予張時に、補助プラ
グが微振動するので、補助プラグと材料シートが密着せ
ず、従って、補助プラグと材料シート間の摩擦が減少す
るものである。

（実施例） 実施例について第１図及び第２図を参照して説明する。
まず、雌型(1)の上に熱可塑性樹脂材料シート(2)をクラ
ンプした状態で配して加熱軟化させ、次に、第１図に示
すように、雌型(1)の内部に補助プラグ(3)を下降させて
材料シート(2)を予張する。この予張工程において補助
プラグ(3)を適宜な振動数と振幅で微振動させる。この
予張工程の終了後は、材料シート(2)と雌型(1)の間の空
間(5)を真空にして材料シート(2)を大気圧によって雌型
(1)に圧着させて成形し、その後、冷却して硬化させて
から真空をきって雌型(1)から取り出せば、第２図に示
すように、肉厚が均一な成形品(4)を得ることができ
る。

尚、上記の実施例は真空成形の場合に適用したものであ
るが、勿論、圧縮空気圧成形の場合も同様に適用可能で
ある。

（発明の効果） 本発明は上述したように構成されるので、補助プラグに
より材料シートを予張した場合でも、従来のごとく成形
品において補助プラグと接触した部位の肉厚が他の部位
の肉厚に比べて僅かに大きくなるということがなく、成
形品全体の肉厚が均一になって成形性が向上する効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例の材料シートの予張工程を示す断
面、第２図は本発明実施例で得られた成形品の断面図、
第３図は従来例の材料シートの予張工程を示す断面図、
第４図は従来例で得られた成形品の断面図である。 (1)…雌型、(2)…材料シート、(3)…補助プラグ、(4)…
成形品、(5)…空間。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】補助プラグによる材料シートの予張工程に
   おいて、補助プラグを微振動させることを特徴とする補
   助プラグ成形法。