JPH0657641A - 繊維製品の浸漬撥水加工方法および繊維製品 - Google Patents

繊維製品の浸漬撥水加工方法および繊維製品

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JPH0657641A
JPH0657641A JP16643293A JP16643293A JPH0657641A JP H0657641 A JPH0657641 A JP H0657641A JP 16643293 A JP16643293 A JP 16643293A JP 16643293 A JP16643293 A JP 16643293A JP H0657641 A JPH0657641 A JP H0657641A
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water repellent
textile product
fiber
product
fluorine
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JP16643293A
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Rumi Karasawa
留美 柄澤
Koichi Saito
公一 斉藤
Kazuya Hayashi
和也 林
Hideo Miura
英雄 三浦
Shigeaki Takahashi
重朗 高橋
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】アミノ当量500〜12000グラム当量/モ
ルのアミノシリコーン系樹脂とフッ素系撥水剤を3.
1:6.9〜8.3:1.7の割合に混合し、強酸の強
塩基塩共存下40〜140℃で浸漬法により処理するこ
とを特徴とする繊維製品の浸漬撥水加工方法。アルカリ
金属で置換されたカルボキシル基を4.65×10-4
量/g繊維以上含有するポリアミド繊維からなり、アミ
ノ当量500〜12000グラム当量/モルのアミノシ
リコーン系樹脂とフッ素系撥水剤が付与されてなること
を特徴とする繊維製品。 【効果】繊維製品の形状が筒状、ピース状である場合な
どにソフトな撥水加工繊維製品を得ることができる。撥
水性能を有し、かつムレ感のない快適な清涼機能を有す
るパンティーストッキングなどの繊維製品の素材を提供
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、繊維製品およびその浸
漬撥水加工方法に関するものである。さらに詳細には、
柔軟で耐久性のある撥水性能を有する繊維製品およびこ
れを浸漬法で容易に且つ経済的に処理することができる
撥水加工方法に関するものである。また、これに加え
て、吸放湿性と撥水性を兼備えた繊維製品およびその加
工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維に撥水性を付与する方法に
は、ポリフルオロアルキル基を有するフッ素系撥水剤も
しくはシリコーン系撥水剤を噴霧したり、パッディング
する方法が採用されている。また、これらの方法に代わ
り、特開昭58−149385号公報、特開昭60−2
276号公報、特開昭60−2780号公報、特開昭6
0−88178号公報のごとく浸漬状態で処理する方法
も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、噴霧や
パッディングする方法においては、処理する繊維製品は
シート状形状の繊維製品や立毛を有さない繊維製品に限
定され、非シート状形状である筒状またはパンティース
トッキング、タイツ、ソックスなどのピース状形態の繊
維製品や立毛を有する繊維製品へ適用しようとしても、
処理剤を繊維表面に均一に付着させることは不可能であ
り、全体として均一で耐久性の優れた撥水加工繊維製品
を得ることは実際上不可能であった。
【0004】一方、従来の浸漬法においては、浸漬浴中
の処理剤の利用効率が著しく低く、処理剤のすべてを繊
維に付着させるためには、多量の塩を併用する必要があ
り、工業的に非常に作業性が悪いものであった。また、
得られた繊維製品の風合いが粗硬であり、柔軟性に欠け
るものであった。
【0005】さらに、特にパンティーストッキング類に
おいては、梅雨時においても撥水性能を有し、かつムレ
感のない快適な清涼機能を有する素材は提供されていな
い。
【0006】本発明は、かかる従来技術の問題点を解決
し、非シート状形状である筒状またはパンティーストッ
キング、タイツ、ソックスなどのピース状形態の繊維製
品や立毛を有する繊維製品であっても均一で耐久性の優
れた撥水加工を施しうる浸漬撥水加工方法を提供するこ
とをその課題とする。また、撥水性能を有し、かつムレ
感のない快適な清涼機能を有するパンティーストッキン
グ類用の素材を提供することも別の課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の繊維製品の浸漬
撥水加工方法は、かかる課題を解決するために以下の構
成を有する。すなわち、アミノ当量500〜12000
グラム当量/モルのアミノシリコーン系樹脂とフッ素系
撥水剤を3.1:6.9〜8.3:1.7の割合に混合
し、強酸の強塩基塩共存下40〜140℃で浸漬法によ
り処理することを特徴とする繊維製品の浸漬撥水加工方
法である。
【0008】また、本発明の繊維製品は以下の構成を有
する。すなわち、アルカリ金属で置換されたカルボキシ
ル基を4.65×10-4当量/g繊維以上含有するポリ
アミド繊維からなり、アミノ当量500〜12000グ
ラム当量/モルのアミノシリコーン系樹脂とフッ素系撥
水剤が付与されてなることを特徴とする繊維製品であ
る。
【0009】本発明の処理方法においては、アミノ当量
500〜12000グラム当量/モルのアミノシリコー
ン系樹脂を用いるものである。シリコーン系樹脂を用い
なければ造膜性に劣る結果、耐久性の優れた撥水加工と
することが困難である。また、アミノ当量が500グラ
ム当量/モル未満の場合、シリコーン系樹脂の疎水性が
強すぎて均一な被膜が得られず、洗濯耐久性に劣ること
となる。また、アミノ当量が12000グラム当量/モ
ルを越える場合は、親水性が強すぎシリコーン樹脂の利
用効率が低下し、被膜形成が困難となる。
【0010】次に、本発明の処理方法においては、フッ
素系撥水剤を用いるものである。フッ素系撥水剤を用い
ず上記の特定アミノ当量を有するアミノシリコーン系樹
脂単独で処理した場合には、十分な撥水性を付与するこ
とができない、着用時に滑りやすいなどの問題がある。
本発明の目的である柔軟な風合いと耐久性のある撥水性
能とを容易に同時に満足させる観点から、フッ素系撥水
剤として、炭素数3〜21個のポリフルオロアルキル基
を含有する重合性化合物または/および炭素数3〜21
個のポリフルオロアルキル基を含有する重合性化合物と
ウレタン化合物の反応物を用いることが好ましい。
【0011】炭素数3〜21個のポリフルオロアルキル
基を含有する重合性化合物としては、エステルのアルコ
ール残基にフッ素を含有するアクリレート、メタクリレ
ートなどの不飽和エステル単量体から得られるオリゴマ
ーまたはこれら単量体と共重合可能な他の重合性単量体
との共重合オリゴマーが挙げられる。特に末端にパーフ
ロロアルキル基を含有する不飽和エステル類のオリゴマ
ーが好ましい。なお、エステルのアルコール残基には水
酸基、メトキシ基などの各種置換基を有するものも用い
ることができ、これら置換基には、硫黄、窒素、ハロゲ
ンなどの原子を含有するものであってもかまわない。
【0012】上記した炭素数3〜21個のポリフルオロ
アルキル基を含有する重合性化合物と共重合可能な他の
重合性単量体としては、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−メチロールメタクリルアミド、グリシジルアク
リレート、グリシジルメタクリレート、アジリジニルア
クリレート、アジリジニルメタクリレート、ジアセトン
アクリルアミド、ジアセトンメタクリルアミド、メチロ
ール化ジアセトンアクリルアミド、エチレンジアクリレ
ート、エチレンジメタクリレート、ヒドロキシアルキル
アクリレート、ヒドロキシアルキルメタクリレート、3-
フロロ-2- ヒドロキシプロピルメタクリレートなどの単
量体の他、塩化ビニル、エチレン、酢酸ビニル、フッ化
ビニル、アクリルアミド、メタクリルアミド、スチレ
ン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アクリ
ル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル、ベンジル
アクリレートまたはメタクリレート、ビニルアルキルエ
ーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、ビニルア
ルキルケトン、シクロヘキシルアクリレートまたはメタ
クリレート、無水マレイン酸、ブタジエン、イソプレ
ン、クロロプレンなどが例示できる。これらの一種以上
の重合性単量体とエステルのアルコール残基にフッ素を
含有するアクリレート、メタクリレートなどの不飽和エ
ステル単量体とで共重合体オリゴマーを形成し得る。
【0013】このような共重合体オリゴマー中のフッ素
を有する不飽和エステル単量体の共重合割合は、通常1
0〜90重量%、特に30〜80重量%が適当である。
【0014】また、炭素数3〜21個のポリフルオロア
ルキル基を含有する重合性化合物と反応可能なウレタン
化合物としては、次の化合物が上げられる。ただし、式
中、炭素数3〜21個のポリフルオロアルキル基をRf
と表示した。◎ ここで、反応とは主として架橋反応を意味するが他の反
応を排除するものではなく、要するに、炭素数3〜21
個のポリフルオロアルキル基を含有する重合性化合物と
ウレタン化合物との間に何らかの化学結合が生ずる反応
であればよい。
【0015】
【化1】
【0016】
【化2】
【0017】
【化3】
【0018】
【化4】
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】
【化7】
【0022】
【化8】
【0023】
【化9】
【0024】
【化10】 本発明においては、シリコーン系樹脂とフッ素系撥水剤
を3.1:6.9〜8.3:1.7、好ましくは7:3
〜5:5の割合に混合して用いるものである。シリコー
ン系樹脂とフッ素系撥水剤の比が3.1:6.9に満た
ない場合には、多量の塩を共存せしめないと処理液中の
撥水剤が吸尽されず、得られた繊維製品は粗硬になるな
どの問題がある。一方、シリコーン系樹脂とフッ素系撥
水剤の比が8.3:1.7を越える場合には、処理液中
の樹脂が吸尽されやすく柔軟な風合いが得られるもの
の、得られた繊維製品が過度にすべりやすくなり物性面
での欠点が出やすい問題がある。
【0025】本発明の方法においては強酸の強塩基塩を
共存せしめるものである。強酸の強塩基塩ではなく、弱
酸の強塩基塩または強酸の弱塩基塩を共存せしめるなら
ば、浸漬浴中のシリコーン樹脂とフッ素系撥水剤を繊維
製品に効率良く吸尽させることは困難である。
【0026】強酸の強塩基塩としては、ポリフルオロア
ルキル基含有化合物の安定性を阻害しない限り、広く採
用可能である。少なくとも水溶性であれば正塩、酸性塩
あるいは塩基性塩でもよい。例えば、無機塩としては、
塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化カリウム、硫酸ナ
トリウム、硫酸カリウムなどが好ましい。
【0027】この強酸の強塩基塩の浸漬浴中の濃度は処
理剤の利用効率を向上し、作業性を容易とする観点か
ら、0.01〜10重量%、さらには0.02〜5.0
重量%とするのが好ましい。
【0028】本発明の方法において処理すべき繊維製品
の繊維素材としては、木綿、絹、麻、羊毛などの天然繊
維あるいはポリアミド、ポリエステル、アクリル系、ポ
リプロピレンなどの合成繊維、レーヨン、アセテートな
どの半合成繊維が挙げられる。また、繊維製品の形状と
しては、ワタ状、フィラメント、スライバー、糸条、布
帛、不織布、敷物、縫製品などいずれであってもよい。
これらのうちでも、とりわけ、非シート状形状を有する
繊維製品、具体的には、縫製品やパンティーストッキン
グ、タイツ、くつ下などの筒状またはピース状形状を有
するものや、立毛を有する繊維製品のようにパッディン
グ法では毛倒れが発生したり、処理剤の均一付着が著し
く困難なものに本発明の方法を適用した場合に特に顕著
に効果を発揮できるものである。
【0029】なお、パンティーストッキング類に撥水性
と清涼機能を同時に付与するには、繊維素材として、ア
ルカリ金属で置換されたカルボキシル基を4.65×1
-4当量/g繊維以上含有するポリアミド繊維を用いる
ものである。アルカリ金属で置換されたカルボキシル基
4.65×10-4当量/g繊維に満たない場合には、皇
室度におけるムレ感を解消することができず、清涼機能
を付与することはできない。ここで、ポリアミドとは、
ナイロン6、ナイロン66、ナイロン4などのポリアミ
ドまたはこれらを主体とした共重合ポリアミドをいう。
【0030】アルカリ金属で置換されたカルボキシル基
を繊維に導入する方法としては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、マレイン酸などのカルボキシル基を
有するビニルモノマーを、過硫酸アンモニウムや過硫酸
カリウム、過酸化ベンゾイルなどの重合開始剤を用いる
か、電子線照射などにより、繊維ポリマー分子上にグラ
フト重合する方法、または、上記ビニルモノマーもしく
はその誘導体を繊維の製造段階に混合する方法などがあ
るが、工業的には前記のグラフト重合による方法が有利
である。
【0031】かかる手段で導入したカルボキシル末端基
を、当量を考慮して炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの所定濃度のアル
カリ水溶液中でアルカリ金属置換処理を施すと、アルカ
リ金属で置換されたカルボキシル基を4.65×10-4
当量/g繊維以上含有するポリアミド繊維とすることが
できる。
【0032】この場合には、アルカリ金属置換処理の後
に、前記した撥水加工を行なうのがよい。
【0033】本発明の方法において、処理温度は40〜
130℃のいずれかの温度で処理するものであり、40
℃未満では処理剤が繊維に付着しにくく、一方、130
℃を越えるとシリコーン系樹脂が分散破壊を起こすなど
の問題がある。
【0034】すなわち、前記した組成の処理液中に通
常、常温で繊維製品を浸漬し、徐々に40〜130℃の
任意の目標温度まで昇温し、目標温度で10〜30分間
処理すれば、処理液中の有効成分のほぼ全量を無駄なく
繊維に付着することができるものである。
【0035】なお、処理後における繊維製品中のシリコ
ーン系樹脂およびフッ素系撥水剤の付与量は付着固形分
濃度で0.2〜5.0重量%とするのが本発明の目的で
ある重名で耐久性のある撥水剤を有する繊維製品を得る
ために好ましい。
【0036】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に具体的に説
明する。◎ なお、実施例中に示す撥水性は次の表1に示したJIS
L 1092のスプレー法による撥水性点数によって
表わした。
【0037】
【表1】 また、実施例中に示す利用効率は、処理前後の処理液の
吸光度を分光光度計U−3400((株)日立制作所
製)により測定し、{(1−(残液の吸光度/処理液の
吸光度)}×100により求めたものをいう。
【0038】吸湿率の測定方法は次のとおり行なった。
すなわち、ガラス秤量びんに約1gの試料を入れ、解放
状態で110℃に設定した乾燥機中で2時間絶乾し、そ
の後、密封状態でシリカゲルを充填したデシケータ中で
30分間放冷した後、精秤し、これを絶乾時重量Wd
する。
【0039】次に、20℃,65%RHの温湿度条件に
した恒温恒湿槽中に、上記の試料入り秤量びんのふたを
開けた状態で24時間放置し、その後、再び秤量びんの
ふたを閉めた状態でシリカゲルを充填したデシケータ中
で30分間放置した後、精秤し、これを放置後重量We
とする。
【0040】吸湿率={(Wd /We )−1}×100 なお、30℃,90%RHの吸湿率は、上記の20℃,
65%RHの吸湿率の測定において、20℃,65%R
Hの条件を30℃,90%RHに変更する以外は全く同
様にして行なう。
【0041】また、30℃,90%RHでの吸湿率と2
0℃,65%RHでの吸湿率の差をΔMRとする。ΔM
Rの値が大きい程、清涼機能に優れ快適な素材といえ
る。
【0042】(実施例1)アミノ当量3000グラム当
量/モルのアミノシリコーン系樹脂を固形分量1.2%
owf 、下記構造式[I] のフッ素系撥水剤を固形分量0.
9%owf となるように混合し、強酸の強塩基塩である硫
酸ナトリウム20g/lを添加し、浴比1:20になる
ようにナイロン6加工糸からなるパンティーストッキン
グを常温で浸漬し、1℃/分の条件で昇温し、70℃で
20分間処理後、降温、水洗、脱液、乾燥した。次い
で、足型にセットし、115℃で熱処理セットを行なっ
た後、撥水性能、利用効率を測定した。結果を表2に示
す。
【0043】
【化11】
【0044】
【表2】 (比較例1,2,3)本実施例1においてアミノシリコ
ーン系樹脂を使用しないもの(比較例1)、フッ素系撥
水剤を使用しないもの(比較例2)、強酸の強塩基塩で
ある硫酸ナトリウムを使用しないもの(比較例3)を用
いた他は、実施例1と全く同様の条件で加工した。結果
を表2に併せて示す。
【0045】(実施例2)アミノ当量10000グラム
当量/モルのアミノシリコーン系樹脂を固形分量2.0
%owf 、下記構造式[II]のフッ素系撥水剤を固形分量
1.0%owf となるように混合し、強酸の強塩基塩であ
る硫酸ナトリウム20g/lを添加し、浴比1:20に
なるようにナイロン66からなるタイツを常温で浸漬
し、1℃/分の条件で昇温し、70℃で20分間処理
後、降温、水洗、脱液、乾燥した。次いで、足型にセッ
トし、115℃で熱処理セットを行なった後、撥水性
能、利用効率を測定した。結果を表3に示す。
【0046】
【化12】
【0047】
【表3】 (比較例4,5)実施例2においてアミノシリコーン系
樹脂とフッ素系撥水剤をそれぞれ固形分量3.0%owf
、0.5%owf となるように混合調製したもの(比較
例4)、1.0%owf 、4.0%owf となるように混合
調製したもの(比較例5)を用いた他は、実施例2と同
様の条件で加工した。結果を表3に併せて示す。
【0048】(実施例3)アミノ当量5000グラム当
量/モルのアミノシリコーン系樹脂を固形分量2.0%
owf 、下記構造式[III] のフッ素系撥水剤を固形分量
1.0%owf となるように混合し、強酸の強塩基塩であ
る硫酸ナトリウム20g/lを添加し、浴比1:20に
なるようにナイロン6加工糸からなるパンティーストッ
キングを常温で浸漬し、実施例1と全く同様の条件で加
工し、撥水性能、利用効率を測定した。結果を表4に示
す。
【0049】
【化13】 ただし、式中、Rfは炭素数3〜21個のポリフルオロ
アルキル基を表わす。
【0050】
【表4】 (比較例6,7)アミノ当量5000グラム当量/モル
のアミノシリコーン系樹脂に代えて、それぞれアミノ当
量300グラム当量/モルのアミノシリコーン系樹脂
(比較例6)、アミノ当量20000グラム当量/モル
のアミノシリコーン系樹脂(比較例7)を用いた他は、
実施例3と全く同様の条件で加工し、撥水性能、利用効
率を測定した。結果を表4に併せて示す。
【0051】(実施例4)ポリエステルステープル(2
d,51mm)10%使い20s紡績糸双糸(チーズ染め
品)をパイル糸とし、ポリエステルステープル(2d,
51mm)65%とレーヨンステープル(2d,51mm)
35%使い混紡糸(チーズ染め品)を地糸に用いて、経
パイル織物を製織した。
【0052】製織後、熱処理を行ない、ブラッシングに
よりパイル部分を分繊しつつパイル糸の方向を揃えた
後、シャリングによりパイル長さを刈り揃えモケット織
物を得た。
【0053】アミノ当量300グラム当量/モルのアミ
ノシリコーンを固形分量4.0%owf 、前記構造式[I]
のフッ素系撥水剤を固形分量で2.0%owf となるよう
に混合調製し、強酸の強塩基塩である硫酸ナトリウム2
0g/lを添加し、浴比1:20になるようにしてウイ
ンス染色機で1℃/分で昇温し、70℃で20分間該モ
ケット織物を処理した。次いで降温、水洗、脱水し、1
60℃で仕上げセットを行なった後、撥水性能を測定し
た。結果を表5に示す。
【0054】
【表5】 (比較例8)実施例4においてフッ素系撥水剤の3.3
%水分散液を調製し、絞り率60%で実施例4で用いた
のと同じ布帛をパッディングし、110℃で乾燥し、1
60℃で仕上げセットを行なった。撥水性能を測定した
結果を表5に併せて示す。
【0055】(実施例5)パンティー部に30デニー
ル、レッグ部に15デニールのナイロン66のウーリー
加工糸を用い、パンストを編成した。これを常法によっ
て精練した後、アクリル酸20%owf、過硫酸アンモニウ
ム1%owf、浴比1:20なる条件で常温から徐々に昇温
し、90℃で60分間加熱処理してグラフト重合により
カルボキシル基を導入した。これを水洗し、炭酸ナトリ
ウム14%owf、浴比1:20なる条件で80℃で30分
間処理してアルカリ金属置換処理をした。これを水洗
し、次いで分散染料を用い常法でオフホワイトに染色し
た。かかる処理によりパンストに6.98×10-4グラ
ム当量/グラムのカルボキシル基が導入された。
【0056】次いでアミノ当量3000グラム当量/モ
ルのアミノシリコーン系樹脂を固形分量1.2%owf、フ
ッ素系撥水剤アサヒガードAG−710(明成化学
(株)製)を固液分量0.9%owfとなるように混合し、
強酸の強塩基である硫酸ナトリウム20g/l を添加し浴
比1:20になるように該パンストを常温で浸漬し、1
℃/分で昇温し、70℃で20分間処理後、降温し、水
洗、脱水、乾燥した。次いで足型にセットし、115℃
で熱処理セットを行なった後、撥水性能、吸湿率を測定
した。結果を表6に示す。
【0057】
【表6】 (比較例9,10)グラフト改質しないもの(比較例
9)、導入されたカルボキシル基が1.98×10-4
少ないもの(比較例10)を用いた以外は実施例5と全
く同様の条件で加工した。結果を表6に合せて示す。
【0058】(実施例6)ナイロン6のフィラメント糸
10dとポリウレタン弾性糸20dからカバリング糸を
作り、該カバリング糸とナイロン6のフィラメント糸1
3dとを交編してシングルカバードヤーンのパンストを
編成した。これを常法により精練した後、アクリル酸1
5%owf、過硫酸アンモニウム1%owf、浴比1:20なる
条件で常温から徐々に昇温し、90℃で60分間加熱処
理してグラフト重合によりカルボキシル基を導入した。
これを水洗し、炭酸ナトリウム10%owf、浴比1:20
なる条件で80℃で30分間処理してアルカリ金属置換
処理をした。これを水洗し、次いで分散染料を用い常法
でオフホワイトに染色した。かかる処理によりパンスト
に6.02×10-4グラム当量/グラムのカルボキシル
基が導入された。
【0059】次いで、アミノ当量10000グラム当量
/モルのアミノシリコーン系樹脂を固形分量2.0%ow
f 、実施例2で用いたと同じ構造式[II]のフッ素系撥水
剤を固形分量1.0%owf となるように混合し、強酸の
強塩基塩である硫酸ナトリウム20g/lを添加し、浴
比1:20になるようにナイロン66からなるパンスト
を常温で浸漬し、1℃/分の条件で昇温し、70℃で2
0分間処理後、降温、水洗、脱液、乾燥した。次いで、
足型にセットし、115℃で熱処理セットを行なった
後、撥水性能、吸湿率を測定した。結果を表7に示す。
【0060】
【表7】 (比較例11,12)実施例6と同様にグラフト重合、
改質、染色を行なった。次いでアミノシリコーン系樹脂
とフッ素系撥水剤をそれぞれ固形分量3.0%owf 、
0.5%owf となるように混合調製したもの(比較例1
1)、1.0%owf 、4.0%owf となるように混合調
製したもの(比較例12)を用いた他は、実施例6と同
様の条件で加工した。結果を表7に併せて示す。
【0061】(実施例7)パンティー部に40デニー
ル、レッグ部に17デニールのナイロン6のウーリー加
工糸を用い、パンストを編成した。これを実施例6と同
様に精練、グラフト重合、アルカリ金属置換処理、染色
を行なった。かかる処理によりパンストに6.23×1
-4グラム当量/グラムのカルボキシル基が導入され
た。
【0062】次いでアミノ当量5000グラム当量/モ
ルのアミノシリコーン系樹脂を固形分量2.0%owf、実
施例3で用いたと同じ構造式[III] のフッ素系撥水剤を
固液分量1.0%owfとなるように混合し、強酸の強塩基
である硫酸ナトリウム20g/l を添加し浴比1:20に
なるように該パンストを常温で浸漬し、実施例6と全く
同様の条件で加工し、撥水性能、吸湿率を測定した。結
果を表8に示す。
【0063】
【表8】 (比較例13,14)実施例7と同様にグラフト重合、
改質、染色を行なった。次いでアミノ当量5000グラ
ム当量/モルのアミノシリコーン系樹脂に代えて、それ
ぞれアミノ当量300グラム当量/モルのアミノシリコ
ーン系樹脂(比較例13)、アミノ当量20000グラ
ム当量/モルのアミノシリコーン系樹脂(比較例14)
を用いた他は、実施例7と全く同様の条件で加工し、撥
水性能、吸湿率を測定した。結果を表8に併せて示す。
【0064】
【発明の効果】本発明の処理方法によれば、繊維製品に
対し、高価な処理剤を無駄なく、簡単に吸着させること
ができ、柔軟性に富んだソフトな撥水加工繊維製品を得
ることが可能である。特に、繊維製品の形状が筒状、ピ
ース状である場合や繊維製品が立毛を有する場合にはこ
の効果が顕著に発揮される。本発明によれば撥水性能を
有し、かつムレ感のない快適な清涼機能を有するパンテ
ィーストッキングをはじめとする繊維製品の素材を提供
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 英雄 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内 (72)発明者 高橋 重朗 滋賀県大津市園山1丁目1番1号 東レ株 式会社滋賀事業場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノ当量500〜12000グラム当量
    /モルのアミノシリコーン系樹脂とフッ素系撥水剤を
    3.1:6.9〜8.3:1.7の割合に混合し、強酸
    の強塩基塩共存下40〜140℃で浸漬法により処理す
    ることを特徴とする繊維製品の浸漬撥水加工方法。
  2. 【請求項2】フッ素系撥水剤が炭素数3〜21個のポリ
    フルオロアルキル基を含有する重合性化合物または/お
    よび炭素数3〜21個のポリフルオロアルキル基を含有
    する重合性化合物とウレタン化合物の反応物であること
    を特徴とする請求項1に記載の繊維製品の浸漬撥水加工
    方法。
  3. 【請求項3】繊維製品が非シート状形状を有することを
    特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の繊維製品の
    浸漬撥水加工方法。
  4. 【請求項4】繊維製品が、立毛を有することを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の繊維製品の浸漬撥水
    加工方法。
  5. 【請求項5】繊維製品として、アルカリ金属で置換され
    たカルボキシル基を4.65×10-4当量/g繊維以上
    含有するポリアミド繊維からなる繊維製品を用いること
    を特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の繊維製品
    の浸漬撥水加工方法。
  6. 【請求項6】アルカリ金属で置換されたカルボキシル基
    を4.65×10-4当量/g繊維以上含有するポリアミ
    ド繊維からなり、アミノ当量500〜12000グラム
    当量/モルのアミノシリコーン系樹脂とフッ素系撥水剤
    が付与されてなることを特徴とする繊維製品。
  7. 【請求項7】繊維製品が非シート状形状を有することを
    特徴とする請求項6に記載の繊維製品。
  8. 【請求項8】繊維製品がパンティストッキングであるこ
    とを特徴とする請求項7に記載の繊維製品。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100512431B1 (ko) * 2002-12-02 2005-09-05 조현두 청지의류의 발수처리 방법
JP2008517178A (ja) * 2004-10-22 2008-05-22 ゴア エンタープライズ ホールディングス,インコーポレイティド 布帛及びその製造方法
KR100922297B1 (ko) * 2009-07-24 2009-10-16 양기평 나일론 직물의 전사프린트용 코팅제, 이를 이용한 나일론 전사 프린트용 원단 제조 방법, 나일론 전사 프린트용 원단 및 전사인쇄층을 갖는 나일론 원단

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