JP3403982B2 - アクリル系合成繊維及びその製造方法 - Google Patents

アクリル系合成繊維及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水浸透性、染色性
及び染色後の風合い及び水浸透性に優れ、また原綿製造
時の操業性、紡績性に優れた天然アンゴラ兎毛、カシミ
ア、ミンク等の獣毛調風合いを有する合成繊維と連続染
色原着繊維及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、アクリル系合成繊維は最も獣毛調
に近い風合い、光沢、優れた染色性を有する繊維として
認められ、天然毛皮を想定したボアー等のイミテーショ
ンファー分野及びハイパイル分野に汎く使用されてい
る。
【0003】通常、アクリル系合成繊維に使用する油剤
は紡績性を考慮して比較的きしみの強い物を使うが、よ
り天然の獣毛に風合いを近づけるため、シリコン油剤や
カチオン系油剤を使った例が以前より多数見られる。し
かし、カチオン系油剤では柔軟性は付与出来る反面、特
に染色後の獣毛調のぬめり風合いに劣る。
【0004】特開昭60−21978号公報、特開昭6
0−209048号公報には、パイルの収縮性繊維の表
面にシリコン油剤を付着した例が記載されているが、シ
リコンエマルジョンの安定性の低下、原綿製造工程や紡
績時の静電気発生、各種ローラーへの巻付きが多くな
り、本生産レベルの操業性を得るのは困難である。
【0005】また、カチオン系柔軟剤、シリコン系油剤
の付着した繊維は撥水性が強く、ハイパイル製品を加工
する場合は染色時の浸透性の低下及び浸透性不良による
バッキング剤の接着性に問題があった。更にシリコン油
剤においては製品の加工工程及び製品に対し静電気が発
生し易いという問題があった。特にカチオン系柔軟剤及
び/又はシリコン系油剤を使用した原綿を染色するとシ
リコン系油剤以外の油剤が洗い落とされ風合いが悪化し
静電気の発生が大きくなり、水浸透性が不良となる欠点
を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の欠点を鑑み、水浸透性、染色性、風合い、接着性、
紡績性に優れた、特に水浸透性と染色後の風合い及び水
浸透性に優れた合成繊維及び製造方法を提供する事にあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1、2の係
る発明は、アクリル系合成繊維に対しカチオン系柔軟剤
を少なくとも0.1重量%、及びポリオキシエチレンア
ルキルウレタンを少なくとも0.1重量%含有してなる
ことを特徴とする合成繊維、及び合成繊維を製造するに
際し、ゲルトウ状態の繊維にカチオン系柔軟剤及びポリ
オキシエチレンアルキルウレタンを付着させてなること
を特徴とする合成繊維の製造方法である。
【0008】また、本願の請求項3及至6に係る発明
は、スルホン酸基含有モノマー量を0.5〜5重量%含
むアクリル系共重合体からなり、湿式紡糸のゲル膨潤状
態で塩基性染料により染色され、カチオン系柔軟剤を少
なくとも0.1重量%、及びポリオキシエチレンアルキ
ルウレタンを少なくとも0.1重量%含有してなる事を
特徴とするアクリル系合成繊維、及びアクリル系合成繊
維を製造するに際し、スルホン酸基含有モノマー量を
0.5〜5重量%含むアクリル系共重合体を湿式紡糸
し、延伸、水洗後のゲル状態にある繊維に塩基性染
料、カチオン系柔軟剤を少なくとも0.1重量%、
ポリオキシエチレンアルキルウレタンを少なくとも0.
1重量%付与させる事を特徴とするアクリル系合成繊維
の製造方法である。
【0009】先ず、本願発明の請求項1、2に係る内容
について説明する。この発明は、いわゆる「綿染め」に
より染色を行い、最終製品を得る事の出来る繊維、及び
その製造方法に関する。
【0010】本発明のアクリル系合成繊維とはアクリロ
ニトリルを40重量%以上と他のビニル系モノマー60
重量%以下からなるものである。ビニル系モノマーの具
体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、或いはこれ
らのアルキルエステル類、酢酸ビニル、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、アリルスルホン酸ソーダ、メタリルスル
ホン酸ソーダ、ビニルスルホン酸ソーダ、スチレンスル
ホン酸ソーダ、2−アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸ソーダなどが挙げられる。
【0011】本願の請求項1、2に係る発明に使用する
アクリロニトリル系共重合体は特にスルホン酸基含有モ
ノマーを有する事が好ましい。スルホン酸基含有モノマ
ーとしてはアリルスルホン酸ソーダ、メタリルスルホン
酸ソーダ、ビニルスルホン酸ソーダ、スチレンスルホン
酸ソーダ、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸ソーダなどを適宜組合せたものが挙げられる。
【0012】上記スルホン酸基含有モノマーはアクリル
系合成繊維にはアニオン座席としてカチオン染色する際
好ましく用いられる。本発明に用いるスルホン酸基含有
モノマー量は特に限定するものではないが繊維の柔軟性
という観点から少なくとも0.5重量%が好ましく、生
産操業性の観点からは5重量%以下が好ましい。染色に
必要なアニオン座席以上の過剰な座席によって、カチオ
ン系柔軟剤を積極的に付着せしめ、繊維中に残存せしめ
るものである。従って、原綿だけでなく染色後もカチオ
ン系柔軟剤が残りやすく、その為染色後の風合いに優
れ、製品にした時に優れた獣毛調風合いを達成できる。
また繊維自体の親水性が高くなり染色時の濡れ性を向上
することが出来る。
【0013】本発明で使用するカチオン系柔軟剤は、ポ
リオキシエチレンポリアミン、ポリオキシエチレンポリ
アミンポリアマイド、ポリオキシエチレンアルキルポリ
アミン誘導体などのポリアミン、脂肪族アミン塩及びそ
の4級アンモニューム塩、芳香族4級アンモニューム
塩、モノまたはジアシロイルポリエチレンポリアマイド
と尿素の縮合物、及びそのエピクロールヒドリン反応物
塩等のカチオン系界面活性剤が挙げられる。
【0014】上記ポリオキシエチレンはポリオキシプロ
ピレン、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンの
ブロック共重合型ポリエーテル、ランダム共重合型ポリ
エーテルであっても良く、分子量は200〜8000が
好ましく、特に分子量は500〜3000が水浸透性か
ら好ましい。
【0015】また上記アルキル基は長鎖のものが柔軟性
及び染色後の風合い維持で好ましく、より好ましくはC
=5〜80のアルキル基が良く、C=12〜50のアル
キル基が染色後の風合いから特に好ましい。本発明方法
の様にアクリル繊維を湿式紡糸してゲル膨潤状態で付与
すると繊維中への残存が多く洗濯耐久性の点からも好ま
しい。
【0016】カチオン系柔軟剤のアクリル系合成繊維に
対する含有量は少なくとも0.1重量%であり、0.1
重量%以上で良好な柔軟性が付与でき、含有量が0.1
重量%未満だと繊維の柔軟性に欠け良好な獣毛調風合い
は得られない。好ましくは0.1〜1重量%の範囲が良
い。
【0017】本発明で使用するポリオキシエチレンアル
キルウレタンは、下記式で表わされるものである。
【0018】
【化1】 式中、R1はアルキル基、R2、R3はポリオキシエチ
レン又はHを示す。
【0019】アルキル基は長鎖のものが柔軟性で且つ染
色後に残りやすく、好ましくはR1は炭素数がC=5〜
80、より好ましくはC=12〜50、特に好ましくは
16〜40のアルキル基であり染色後に残りやすい。R
2、R3の少なくとも1つはポリオキシエチレンで原綿
及び染色後の水浸透性に効果がある。ポリオキシエチレ
ンはポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンとポリ
オキシプロピレンのブロック共重合型ポリエーテル、ラ
ンダム共重合型ポリエーテルであっても良く、分子量2
00〜8000が好ましく、特に分子量は500〜30
00が染色後に残りやすく、染色後の水浸透性から好ま
しい。
【0020】式で表される化合物としては、アルキル
(C30)-OCONH-POE(2000)、アルキル
(C30)-OCONH-POE(3000)、アルキル
(C40)-OCONH-POE(2000)、アルキル
(C40)-OCONH-POE(3000)、アルキル
(C30)-OCON-(POE(2000))2、アル
キル(C30)-OCON-(POE(3000))2、
アルキル(C40)-OCON-(POE(2000))
2、アルキル(C40)-OCON-(POE(300
0))2、アルキル(C12)-OCONH-POE(5
00)、アルキル(C12)-OCONH-POE(20
00)、アルキル(C12)-OCONH-POE(30
00)、アルキル(C18)-OCONH-POE(50
0)、アルキル(C18)-OCONH-POE(200
0)、アルキル(C18)-OCONH-POE(500
0)、などが挙げられる。
【0021】本発明方法の様にアクリル繊維を湿式紡糸
してゲル膨潤状態で付与すると、繊維中への残存が多く
洗濯耐久性の点からも好ましい。ポリオキシエチレンア
ルキルウレタンのアクリル系合成繊維に対する含有量は
少なくとも0.1重量%であり、含有量が0.1重量%
未満だとカード工程での静電気発生が高くなり、又油剤
の付着量にもよるが水浸透性が低下し、染色困難な繊維
になる。好ましくは0.1〜1重量%の範囲が良い。
【0022】カチオン系柔軟剤とポリオキシエチレンア
ルキルウレタンとの成分比はカチオン系柔軟剤1重量部
に対しポリオキシエチレンアルキルウレタが0.5〜2
重量部、特に0.7〜1.5重量部が染色性、染色後の
風合い、静電気抑制及び水浸透性から好ましい。カチオ
ン系柔軟剤の成分比が多過ぎると静電気発生が大きく前
乾燥工程でのトウのばらけが大きく捲付トラブルを引き
起こす原因となり、ポリオキシエチレンアルキルウレタ
ン多過ぎると柔軟剤風合いが不十分となる。
【0023】紡糸は通常のアクリル系合成繊維と同様な
方法で行なえば良く、数段の浴槽を通し、順次延伸、水
洗を行ない、ゲル膨潤状態の繊維を得る。尚、繊維断面
は丸型、偏平、その他の異型等どの様な断面でもかまわ
ない。
【0024】本発明の方法は斯くの如く得られた繊維に
対して前記記載のカチオン系柔軟剤及びポリオキシエチ
レンアルキルウレタン含有乳化液を付与し、その後乾燥
緻密化する。その際、表面温度120〜160℃のロー
ラー式乾燥機及び/又は乾熱120〜180℃の熱風乾
燥機を用いて処理することが好ましい。処理温度が12
0〜180℃だと繊維の緻密化が十分な、透明性に優れ
る繊維が得られ、また熱処理による着色や繊維物性低下
も殆どないので好ましい。
【0025】必要であれば、制電成分を主成分とする油
剤を乾燥前又は乾燥後に付与し、次いでクリンプ、カッ
ト等の後処理を行なう。制電油剤成分は高級アミン塩、
第4級アンモニュ−ム塩等のカチオン系界面活性剤、リ
ン酸エステル界面活性剤、スルホン酸塩等アニオン系界
面活性剤、多価アルコール系等の非イオン系など挙げら
れるが、特にカチオン系界面活性剤が好ましい。
【0026】次に、本願の請求項3〜6の発明について
説明する。これらの発明はいわゆる「原着繊維」とその
製造方法に関する。この発明に用いられるアクリル系共
重合体も先に述べたものと同様の組成を有する。しか
し、この発明に用いられる共重合体にはスルホン酸基含
有モノマー量を0.5〜5重量%含まれている事が必要
である。0.5重量%より少ないと中色、濃色染色条件
下では染料の付着が不良で、染め斑が発生したり、付着
した染料はほぼ脱落する。一方、5重量%より多いと親
水性が高過ぎる為、凝固性、耐熱水性、延伸性が悪化、
その結果、各工程での単糸切れが発生、ローラー巻き付
きトラブルが発生し、生産操業性が悪い。
【0027】この発明のアクリル系合成繊維は上述した
アクリル系共重合体を湿式により紡糸し、延伸、水洗後
のゲル状態で塩基性染料、カチオン系柔軟剤を少な
くとも0.1重量%、ポリオキシエチレンアルキルウ
レタンを少なくとも0.1重量%付与させたものであ
る。この際、付着させるカチオン系柔軟剤、及びポリオ
キシエチレンアルキルウレタンについては、先に述べた
通りである。
【0028】本発明で使用する塩基性染料は俗にカチオ
ン染料と呼ばれる染料を指し、例えば、BASF社のB
asacrylシリーズや三菱化学社のDiacryl
シリーズなどがある。
【0029】本発明における染色条件を簡単に説明する
と、pHは6以下であることが望ましい。これ以上では
染料が目的色に発色しない。染色温度は30℃以上80
℃以下が望ましい。これはこの範囲では均一に連続染色
する事が容易になるためである。染色濃度は繊維の種
類、目的色によって大きく異なるが、およそ1〜40g
/lの範囲である。なお、「g/l」は染色液1リット
ル中に含まれる染料の重量をあらわす。通常はとくに助
剤は必要無いが、染料付着量が1.0%owfを下回る
場合には染色斑を防ぐ為、緩染剤を用いても良い。そし
て、本発明の原着アクリル系合成繊維は、通常のアクリ
ル系合成繊維と全く同じ設備で生産する事が可能で、染
色槽への染料供給装置以外に設備を追加する必要はな
い。
【0030】又、この発明でゲル状態の繊維に塩基性
染料、カチオン系柔軟剤、ポリオキシエチレンアル
キルウレタンをを付与させる具体的な方法としては、例
えばこれらの溶液を調整し、ゲル状態の繊維をその溶液
に浸す方法が挙げられる。この場合、各々は別の溶液と
して調整し付与させてもよいが、3種の混合溶液を調整
しこの溶液にゲル状態の繊維を浸す方法が好ましい。
【0031】本発明において、繊維中に公知の添加剤を
加えることは何ら差し支えない。例えば、難燃剤、耐光
剤、紫外線吸収剤、顔料、防電剤などが具体的な添加剤
として挙げられる。
【0032】
【発明の効果】本発明の製造方法は紡績性、耐久性共に
優れた柔軟な獣毛調風合いを有するアクリル系合成繊維
を工業的容易にかつ安価に製造出来る方法である。ま
た、本発明によって得られた繊維をハイパイル、ボア
ー、マイヤー毛布等の立毛製品や衣料品に使用すると天
然の兎毛、カシミアを使った物と非常に近い風合いとな
り、特に原綿の風合い、水浸透性が染色後もそのままそ
の風合い、水浸透性が残るのである。
【0033】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
する。尚、実施例中「%」とあるのは「重量%」を意味
する。
【0034】油剤付着量については、ソックスレー抽出
器を用いて還流、抽出して求めた。
【0035】カードでの静電気は20℃×60%RHの
調湿下、ドッファ回転数25rpmの条件で春日電機
(株)集電式電位測定器で測定した。
【0036】原綿、染色後の風合いは、5名の有識判定
者により◎(非常に良好)、○(良好)、×(不良)の
3段階で判定した。その際の染色条件はカチオン染料を
用いて浴比1:50、100℃で60分間行った。
【0037】原綿、染色後の水浸透性はカット綿1gを
直径約5cmのボール状にし約20℃の水に浮かべてか
ら沈むまでの時間を測定(n=3の平均値)した。◎
(非常に良好:1分未満)、○(良好:1分〜30
分)、×(不良:30分で沈まない)の3段階で判定し
た。
【0038】実施例1〜5、比較例1〜2 アクリロニトリル(AN)/塩化ビニリデン(VDC)
/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
ソーダ(SAM)=(58−X)/42/Xからなる表
1に示すアクリル系共重合体を重合体濃度27%になる
様にジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した紡糸原
液を0.055mmφ×80000ホールの口金を通し
てDMF/水=58/42%、20℃の凝固浴に紡出し
6倍延伸した後、水洗してゲル膨潤状態の繊維を得た。
上記方法にて得られた繊維に表1に示す通りカチオン系
柔軟剤(A1)とポリオキシエチレンアルキルウレタン
(B1)及び制電剤(C1)を付与し、表面温度150
℃のローラー式乾燥機で緻密化した。その後、クリン
プ、カットして3d×51mmアクリル系繊維を得て評
価を行なった。評価結果を表1に併記する。
【0039】
【表1】
【0040】実施例6〜9、比較例3〜4 AN/アクリル酸メチル(MA)/SAM=89.9/
7.6/2.5からなるアクリル系共重合体を重合体濃
度25%になる様にDMFに溶解して紡糸原液を作製し
た。次いでこの紡糸原液に酸化チタンをDMF分散液状
で1.2重量%添加し0.451mm×0.038m
m、25000ホールの偏平型口金を通してDMF/水
=55/45%、21℃の凝固浴に紡出し5.5倍延伸
した後、水洗してゲル膨潤状態の繊維を得た。そして、
塩基性染料、カチオン系柔軟剤、ポリオキシエチレンア
ルキルウレタン及び制電剤の溶液を調製し、これを同一
の槽に入れ、前述のゲル膨潤状態の繊維をこれに浸し、
表面温度150℃のローラー式乾燥機で緻密化した。そ
の後、クリンプ、カットを行ない10d×51mmの偏
平繊維を得た。評価結果を表2に併記する。
【0041】
【表2】
【0042】ゲルトウ染色の染め斑については5名の肉
眼判定結果から、下記の3段階で判定した。 ○:染め斑が殆ど無い △:染め斑が部分的にある ×:染め斑が多い
【0043】染色後の工程での染料の脱落は汚れを肉眼
で観察し、以下の3段階で判定した。 ○:殆ど脱落がない △:若干脱落がある ×:かなり脱落がある
【0044】生産操業性はローラー巻き付きなどのトラ
ブルの有無を以下の2段階で判定した。 ○:繊維の単糸切れ巻き付きなどのトラブルはない。 ×:繊維の単糸切れ巻き付きなどのトラブルがある。
【0045】染料の濃度を調製し、各々ゲルトウが2%
中色、5%濃色の染まるようにした。塩基性染料、カチ
オン系柔軟剤、ポリオキシエチレンアルキルウレタン及
び制電剤の溶液を調整し、これを同一の槽に入れて、こ
の槽をアクリル繊維製造工程中の水洗工程の後に設置し
た。
【0046】実施例10〜14、比較例5〜6 アクリロニトリル(AN)/塩化ビニリデン(VDC)
/2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
ソーダ(SAM)=(58−X)/42/Xの組成のア
クリル系共重合体を用いて、延伸、水洗工程を経た後の
ゲル膨潤状態の繊維を上述の槽に浸した。塩基性染料と
してBasacryl Blue X3GL(BASF
社製)を使った。その後、乾燥緻密化してクリンプを掛
け、カットして3d×38mmの原着綿を得た。評価結
果を表3に併記する。
【0047】
【表3】
【0048】実施例10〜14では2%の中色の染色
斑、5%の高濃色の染色斑も水洗槽での染料の脱落もな
く、そして、生産操業性はローラー巻き付きなどのトラ
ブルも発生せず、全て良好だった。また、水浸透性も良
好であった。
【0049】しかし、比較例5では染料の付着が不良
で、染め斑になったばかりか、付着した染料はほぼ脱落
した。しかし、紡糸時のトラブルは発生せず、操業性は
良好だった。
【0050】逆に比較例6は染料の脱落はほとんど無
く、原着綿の染め斑(中色、濃色)問題はなかった。し
かし、親水性が高過ぎる為、凝固性、耐熱水性、延伸性
が悪化、その結果、各工程での単糸切れが発生、ローラ
ー巻き付きトラブルが発生し、操業性は悪かった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂田 一浩 山口県防府市鐘紡町4番1号 カネボウ 合繊株式会社内 (56)参考文献 特開2000−336579(JP,A) 特開 平8−337930(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06M 13/00 - 15/72

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル系合成繊維に対しカチオン系
    柔軟剤を少なくとも0.1重量%、及びポリオキシエチ
    レンアルキルウレタンを少なくとも0.1重量%含有し
    てなることを特徴とするアクリル系合成繊維。
  2. 【請求項2】 アクリル系合成繊維を製造するに際し、
    アクリル系共重合体を湿式紡糸し、延伸、水洗後のゲル
    状態にある繊維にカチオン系柔軟剤を少なくとも0.
    1重量%、ポリオキシエチレンアルキルウレタンを少
    なくとも0.1重量%付着させる事を特徴とするアクリ
    ル系合成繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】 スルホン酸基含有モノマーを0.5〜5
    重量%含むアクリル系共重合体からなり、湿式紡糸のゲ
    ル膨潤状態で塩基性染料により染色され、カチオン系柔
    軟剤を少なくとも0.1重量%、及びポリオキシエチレ
    ンアルキルウレタンを少なくとも0.1重量%含有して
    なる事を特徴とするアクリル系合成繊維。
  4. 【請求項4】 アクリル系合成繊維を製造するに際し、
    スルホン酸基含有モノマーを0.5〜5重量%含むアク
    リル系共重合体を湿式紡糸し、延伸、水洗後のゲル状態
    にある繊維に、塩基性染料、カチオン系柔軟剤を少
    なくとも0.1重量%、ポリオキシエチレンアルキル
    ウレタンを少なくとも0.1重量%付着させる事を特徴
    とするアクリル系合成繊維の製造方法。
  5. 【請求項5】 ゲル状態にある繊維を、上記、、
    の溶液に浸す事により付着させる請求項4記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 ゲル状態にある繊維を、上記、、
    の混合溶液に浸す事により付着させる請求項5記載の製
    造方法。
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