JPH0647637B2

JPH0647637B2 - ポリオレフィンエラストマー組成物とその製造方法

Info

Publication number: JPH0647637B2
Application number: JP61500147A
Authority: JP
Inventors: アレンエルブリユン
Original assignee: Shimitsuku De Sharubonaaju SA Soc
Current assignee: Shimitsuku De Sharubonaaju SA Soc
Priority date: 1984-12-14
Filing date: 1985-12-12
Publication date: 1994-06-22
Anticipated expiration: 2009-06-22
Also published as: US4762877A; DE3564815D1; EP0204790B1; ATE37037T1; FR2574804A1; WO1986003761A1; JPS62502047A; EP0204790A1; FR2574804B1

Description

【発明の詳細な説明】本発明は、ポリオレフィンエラストマーを主成分とする
組成物、該組成物の製造方法および該組成物を加工して
得られた物品に関する。

ポリオレフィンエラストマーは、特に、エチレン／プロ
ピレン／ジエンのランダム重合体であり、工業的に非常
に広く使われているゴムである。押出しおよび成型の技
術を使って、該エラストマーを加工するには、該エラス
トマーが加工に有効な高硬度となるような組成物である
必要がある。そのような組成物は、エラストマーの性質
を保持していなければならないが、熱可塑性である必要
はない。その結果、該組成物は架橋できるものでなくて
はならず、しかも、優れた加工性、すなわち、この業界
で使用されるゴム加工法および機械にて加工し得るもの
であることが必要である。特に、架橋剤が配合された後
の加工温度が110℃を越えないことが重要である。

カーボンブラック、クレイまたはシリカのような通常の
補強剤をポリオレフィンエラストマーに添加しただけで
は、本質的に、この点では満足な硬さは達成できない。

さらに、ポリオレフィンエラストマーの硬度を増加する
ため、ポリオレフィンエラストマーにスチレン樹脂を加
えること（仏特許第1,337,598号）、またはフェノール
系物質を加えること（***特許第2,324,987号）が知ら
れている。しかしながら、そのような組成物は、それら
の20℃における変形後の弾性回復率があまりよくなく、
とりわけ該組成物は、使用時に寸法安定性が極めて悪い
という欠点があるので、満足できるものではない。

仏特許第1,491,940号は、ゴルフボール製造用の混合物
を開示しており、それは、ポリブタジエン、ポリクロロ
プレン、ポリイソプレン、アクリロニトリル／ブタジエ
ン／スチレン重合体、スチレン／ブタジエン／スチレン
ブロック共重合体およびエチレン／プロピレン共重合体
から選ばれる合成ゴム５〜95重量％、ならびにオレフィ
ンと不飽和カルボン酸の共重合体95〜５重量％からなる
ものである。また、米国特許第3,454,676号はエチレン
／プロピレン／１，４−ヘキサジエンエラストマー20〜
80重量％、およびエチレン性α，β−不飽和、モノある
いはジカルボン酸（少なくとも30％の酸根は金属イオン
で中和されている）から誘導されたくり返し単位を１／
25mol％含むエチレンを主成分とするイオン性共重合体8
0〜20重量％からなる混合物を開示している。カーボン
ブラックのような充填剤およびイオウのような加硫剤を
用いない場合、この米国特許の開示する混合物は平凡な
22〜100kg／cm²という破壊強度を有している。

それゆえ、本発明の目的は、ショアーＡ型硬度が少なく
とも80であり、使用上優れた寸法安定性を有し、鋼のよ
うな金属に対する優れた付着性を有し、しかも十分なツ
ヴィック(Zwick)の弾性反発力を有する不飽和ポリオレ
フィンを主成分とする組成物を提供することにある。

本発明の第１の主題である組成物は、少なくとも１種の
不飽和ポリオレフィンエラストマー、該エラストマー用
の少なくとも１種の加硫剤および少なくとも１種の加硫
活性剤を含むものであって、さらに、これら組成物に付
加的にエチレンから誘導される繰り返し単位、無水マレ
イン酸から誘導される繰り返し単位およびアクリル酸ま
たはメタクリル酸のエステルの少なくとも１種から誘導
される繰り返し単位を含んだ少なくとも１種の三元共重
合体を含むことを特徴とする。

本発明において、不飽和ポリオレフィンエラストマーと
は、好ましくはエチレンと、３〜６個の炭素原子を含む
少なくとも１種のα−オレフィンと少なくとも１種のジ
エンとの三元共重合体（Ｂ）であり、特にエチレン／プ
ロピレ／ジエン三元共重合体が好ましく、そこでジエン
は共役または非共役の線状あるいは環状のジエンから選
ばれるものであり、例えば、ブタジエン、イソプレン、
１，３−ペンタジエン、１，４−ペンタジエン、１，４
−ヘキラジエン、１，５−ヘキサジエン、１，９−デカ
ジエン、５−メチレン−２−ノルボルネン、５−ビニル
−２−ノルボルネン、２−アルキル−２，５−ノルボル
ナジエン、５−（５−ヘキセニル）−２−ノルボルネ
ン、１，５−シクロオクタジエン、ビシクロ〔２．２．
２〕オクタ−２，５−ジエン、シクロペンタジエン、
４，７，８，９−テトラヒドロインデンおよびイソプロ
ピリデンテトラヒドロインデンが挙げられる。

本発明において使用可能なこのようなエラストマーであ
る三元共重合体（Ｂ）は、一般的には、プロピレンから
誘導される繰り返し単位15〜60mol％およびジエンから
誘導される繰り返し単位0.1〜20mol％を含有するもので
ある。

本発明において、エラストマーの加硫剤とは、特に、イ
オウおよび有機イオウ誘導体を示すものである。

本発明において、加硫活性剤とは、加硫剤と共に使用さ
れる化合物であり、そのようなものとして特にジチオカ
ルバミド酸テルル、ジチオカルバミド酸亜鉛、アルキル
ベンゾチアジルスルホンアミドおよびアルキルチウラム
スルフィドが挙げられる。

本発明による組成物の追加の成分としての三元共重合体
（Ａ）において、その好ましい組成は、エチレンから誘
導される繰り返し単位87〜98.7mol％、アルキルアクリ
レートおよびメタクリレート（アルキルは１〜６個の炭
素原子を含む）より選ばれるエステルから誘導される繰
り返し単位１〜10mol％、および無水マレイン酸から誘
導される繰り返し単位0.3〜３mol％、および無水マレイ
ン酸から誘導される繰り返し単位0.3〜３mol％であり、
そのメルトインデックス（ＡＳＴＭ規格Ｄ−1238）は３
〜200dg／minの範囲内であることが好ましい。そのよう
な重合体としては、仏特許第2,498,609号がある。その
使用量は、重合体相の重量に対して15〜60％であり、該
重合体相は不飽和ポリオレフィンエラストマーおよび三
元共重合体(A)の混合物からなっている。

重合体相における三元共重合体（Ａ）の割合は、該組成
物の用途に従い、次に示す二つの傾向を考慮して選ばれ
る。すなわち、三元共重合体（Ａ）の割合が高くなると
それに比例して、ショアー硬度、ツヴィック(Zwick)弾
性反発力および金属への密着性の値が高くなり、一方、
引っ張り特性（破断強度および破断点伸び、残留圧縮永
久歪）を表す値は、三元共重合体（Ａ）の割合が増える
と、減少する。一般に、三元共重合体（Ａ）の比率は不
飽和ポリオレフィンエラストマー（Ｂ）と三元共重合体
（Ａ）とで構成される重合体相の15〜60重量％である。

本発明による組成物は、付加物として、特にカーボンブ
ラック、クレイ、シリカのような少なくとも１種の補強
剤充填材を、重合体相に対して好ましくは10〜120重量
％含んでもよい。また本発明による組成物は、付加物と
して、少なくとも１種の有機顔料および／または少なく
とも１種の無機充填材を、好ましくは重合体相に対して
５重量％以下で含んでもよい。

このような無機充填材は、特に、チタン、鉛、鉄、すず
および亜鉛の酸化物、ならびにバリウムおよび鉛の硫酸
塩、ならびにマグネシウム、カルシウムおよび鉛の炭酸
塩、ならびに黄鉄鉱等が挙げられる。

本発明の組成物への付加物として、特に、ブタジエン／
スチレン樹脂のような少なくとも１種の補強合成樹脂
を、上記定義の重合体相に対して25重量％以下で含んで
もよい。

本発明の組成物への付加物として、不飽和ポリオレフィ
ンエラストマー用の少なくとも１種の可塑剤を、重合体
相に対して30重量％以下で含んでもよい。

本発明の第２の主題は、上記の組成物の製造方法にあ
り、該方法は、不飽和ポリオレフィンエラストマー，加
硫剤、加硫活性剤および三元共重合体（Ａ）を、70〜15
0℃の温度で、均一な混合物を得るのに十分な時間、即
ち通常、使用される手段に応じて２〜10分間混合する。
必要により、該組成物に、添加される上記の残りの成
分、すなわち、補強充填剤、有機顔料、無機充填剤、補
強合成樹脂およびエラストマー用の可塑剤は、上記と同
様の条件で混合すればよい。

エラストマー組成物を混合するのに適した装置として
は、本発明による製造方法を満足させるものであればど
のようなものでもよく、特に、密閉式ロールミキサーあ
るいは回転翼ミキサーのような装置が好ましい。

この段階で得られる組成物は、150℃を越えてないの
で、保存および輸送に好適である。しかしながら、加工
して工業製品とするためには、好ましくは３〜40分間、
好ましくは160〜200℃の温度に加熱することによって加
硫する必要がある。上記の工業成品の成形は、加硫の段
階の前に、あるいは加硫と同時に行なう。

本発明により得られた加硫後の組成物は、以下の点で満
足できる特性を有している。

・ショアーＡ型硬度80以上、・老化前後における引っ張り特性（破断強度、破断点伸
び）・圧縮後の弾性特性（残留圧縮永久歪）・寸法安定性（高温収縮）、および・金属への密着性この一連の卓越した特性は、本発明による組成物を加工
することで、種々の用途を有する工業製品とすることを
可能とする。そのような用途としては、特に自動車（窓
ガラス）産業、家庭用機械（冷蔵庫のドア）産業用のシ
ール材、可撓性連結パイプ、ベルト等が挙げられる。こ
のような製品は、当業者には周知の、押出形材製造、圧
縮成型等のような加工方法を使って得られる。

以下、本発明を実施例によって説明するが、本発明の範
囲はこれらに限定されるものではない。

実施例１および２第Ｉ表に示す成分からなる均一な組成物を調製するため
密閉式ロールミキサーを使用し、110℃の温度で混合し
た。第１表中、各成分量は重量部で表わす。

エラストマー(a)は、商品名ビスタロン(VISTALON)ＭＤ8
3／１としてエッソカンパニー(Esso Company)から販売
されているエチレン／プロピレン／５−エチリデン−２
−ノルボルネン三元共重合体である。

三元共重合体(c)は、メルトインデックス（ＡＳＴＭ規
格Ｄ−1238）が7dg／minであり、エチルアクリレート６
重量％、無水マレイン酸３重量％を含むエチレン／エチ
ルアクリレート／無水マレイン酸三元共重合体であり、
ロタデール(LOTADER)ＬＸ4110という商品名で出願人の
会社から販売されているものである。

三元共重合体(d)は、エチルアクリレート18重量％、無
水マレイン酸４重量％を含むメルトインデックス（ＡＳ
ＴＭ規格Ｄ−1238）が100dg／minのエチレン／エチルア
クリレート／無水マレイン酸三元共重合体であり、ロタ
デール(LOTADER)ＣＲ６／15という商品名で出願人の会
社から販売されているものである。

可塑材(e)は、商品名フレクソン（ＦＬＥＸＯＮ）876で
販売されている製品である。加硫活性剤(f)はエチルフ
ェニルジチオカルバミド酸亜鉛である。加硫活性剤(g)
は、シクロヘキシルベンゾチアジルスルホンアミドであ
る。加硫活性剤(h)は、テトラメチルチウラムジサルフ
ァイドである。加硫活性剤(i)は、ジエチルジチオカル
バミド酸テルルである。

このような方法で調製した組成物を、その後、180℃の
温度で10分間加圧下にて、加硫した。このようにして得
られた本発明の組成物について、以下のようにして諸特
性を測定した。

・初期ショアーＡ型硬度Ｈ_０（20℃）は、ＡＳＴＭ規格
D2240基づくものである。

・初期破断強度ＢＳ_０は、ＡＳＴＭ規格Ｄ−638基づ
き、kg／cm²で表わしたものである。

・初期破断点伸びＥＢ_０は、ＡＳＴＭ規格Ｄ−638基づ
き、％で表わしたものである。

・ショアーＡ型硬度Ｈ_１および破断強度ＢＳ_１は、ＮＦ
Ｔ規格46.004により、空気を補給できるオープン中にお
ける100℃の空気雰囲気にて、７日間の促進老化後に、
上記と同様の規格で測定したものである。

・ショアーＡ型硬度Ｈ_２と破断強度ＢＳ_２は、100℃の
水中にて７日間促進老化した後に、上記と同様な規格で
測定したものである。

・残留冷間圧縮永久歪RCS₂₀は、ＡＳＴＭ規格Ｄ−395
（Ｂ法）に基づき、20℃にて10％圧縮後に測定したもの
である。

・残留熱間圧縮永久歪RCS₇₀は、前記と同様の規格によ
り、70℃にて25％圧縮後に測定されたものである。

・寸法安定性ＤＳは、180℃で10分間加硫した板状の組
成物の板から切り出した10×10×200mmの棒状試料を170
℃にて30分間加熱した後の、長さの変化（％）で表わし
たものである。

・ツヴィック(Zwick)弾性反発力ＺＲ（−30℃）は、Ｉ
ＳＯ規格4662に基づき％で表わしたものである。

これらの種々の測定により得られた結果を第II表に示
す。

実施例３および４第Ｉ表に示すような成分からなる均一な組成物を調製す
る目的で、密閉式ロールミキサーを用いて、混合物の温
度が80℃から130℃（実施例３の場合、150℃）に徐々に
上昇するように加熱して、混合した。第Ｉ表中、各成分
量は重量部で表わす。

エラストマー(b)は、商品名ビスタロン(VISTALON)7000として
エッソカンパニー(Esso Company)から販売されているエ
チレン／プロピレン／５−エチリデン−２−ノルボルネ
ン三元共重合体である。

樹脂(j)は、商品名カリフレックス(CARIFLEX)ＳＰ145と
してシェルケミカルカンパニー(SHELL CHEMICAL Compan
y)から販売されているブタジエン／スチレン樹脂であ
る。樹脂(k)は、商品名R7551としてルスロットカンパニ
ー(ROUSSELOT Company)から販売されている、ノボラッ
ク樹脂にヘキサメチレンテトラミンを添加したものであ
る。

上記の組成物を、その他、加圧下にて180℃で10分間加
硫した。こうして、得られた組成物について、実施例１
および２と同様にして諸特性の測定を行なった。これら
の測定で得られた種々の結果を第II表に示す。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】エチレンから誘導される繰り返し単位と、
無水マレイン酸から誘導される繰り返し単位と、アクリ
ル酸またはメタクリル酸のエステルの少なくとも１種か
ら誘導される繰り返し単位とを含む少なくとも１種の三
元共重合体（Ａ）と、少なくとも１種の不飽和基を有す
るポリオレフィンエラストマー（Ｂ）と、このエラスト
マー用の少なくとも１種の加硫剤と、少なくとも１種の
加硫活性剤とを含む組成物であって、上記三元共重合体
（Ａ）は、 (1)87〜98.7モル％のエチレンから誘導される繰り返し
単位と、 (2)１〜10モル％のアルキルアクリレートおよびメタク
リレートより選ばれるエステルから誘導される繰り返し
単位（ここで、アルキル基は１〜６個の炭素原子を有す
る）と、 (3)0.3〜３モル％の無水マレイン酸から誘導される繰り
返し単位とで構成され且つメルトインデックスが３〜200dg／分で
あり、三元共重合体（Ａ）は不飽和基を有するポリオレフィン
エラストマー（Ｂ）と三元共重合体（Ａ）とで構成され
る重合体相の15〜60重量％であることを特徴とする組成
物。
【請求項２】不飽和基を有するポリオレフィンエラスト
マーがエチレンと、３〜６個の炭素原子を含む少なくと
も１種のα−オレフィンと、少なくとも１種のジエンと
の三元共重合体（Ｂ）である特許請求の範囲第１項に記
載の組成物。
【請求項３】補強用充填剤をさらに含む特許請求の範囲
第１項または２項に記載の組成物。
【請求項４】補強用充填剤がカーボンブラックである特
許請求の範囲第３項に記載の組成物。
【請求項５】補強用充填剤の量が重合体相に対して10〜
120重量％である特許請求の範囲第３項または第４項に
記載の組成物。
【請求項６】少なくとも１種の有機顔料および／または
無機充填剤をさらに含む特許請求の範囲第１〜５項のい
ずれか一項に記載の組成物。
【請求項７】無機充填剤が酸化亜鉛である特許請求の範
囲第６項に記載の組成物。
【請求項８】有機顔料および／または無機充填剤の量が
重合体相に対して５重量％以下である特許請求の範囲第
６項または第７項に記載の組成物。
【請求項９】不飽和基を有するポリオレフィンエラスト
マー用の少なくとも１種の可塑剤をさらに含む特許請求
の範囲第１〜８項のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項１０】可塑剤の量が重合体相に対して30重量％
以下である特許請求の範囲第９項に記載の組成物。
【請求項１１】エチレンから誘導される繰り返し単位
と、無水マレイン酸から誘導される繰り返し単位と、ア
クリル酸またはメタクリル酸のエステルの少なくとも１
種から誘導される繰り返し単位とを含む少なくとも１種
の三元共重合体（Ａ）と、少なくとも１種の不飽和基を
有するポリオレフィンエラストマー（Ｂ）と、このエラ
ストマー用の少なくとも１種の加硫剤と、少なくとも１
種の加硫活性剤とを含む組成物であって、上記三元共重
合体（Ａ）は、 (1)87〜98.7モル％のエチレンから誘導される繰り返し
単位と、 (2)１〜10モル％のアルキルアクリレートおよびメタク
リレートより選ばれるエステルから誘導される繰り返し
単位（ここで、アルキル基は１〜６個の炭素原子を有す
る）と、 (3)0.3〜３モル％の無水マレイン酸から誘導される繰り
返し単位とで構成され且つメルトインデックスが３〜200dg／分で
あり、三元共重合体（Ａ）が不飽和基を有するポリオレフィン
エラストマー（Ｂ）と三元共重合体（Ａ）とで構成され
る重合体相の15〜60重量％である組成物の製造方法であ
って、不飽和基を有するポリオレフィンエラストマー（Ｂ）
と、加硫剤と、加硫活性剤と、三元共重合体（Ａ）と
を、70〜150℃の温度で、均一な混合物が得られるまで
混合することを特徴とする方法。
【請求項１２】加硫するために、上記組成物を３〜４分
間、160〜200℃の温度で加熱する特許請求の範囲第１１
項に記載の方法。