JPH0639537B2 - 配向ポリエステルフィルム - Google Patents

配向ポリエステルフィルム

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JPH0639537B2
JPH0639537B2 JP29942489A JP29942489A JPH0639537B2 JP H0639537 B2 JPH0639537 B2 JP H0639537B2 JP 29942489 A JP29942489 A JP 29942489A JP 29942489 A JP29942489 A JP 29942489A JP H0639537 B2 JPH0639537 B2 JP H0639537B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は優れた耐摩耗性及び耐擦傷性を有するポリエス
テルフィルムに関する。更に詳しくは、本発明は主とし
て磁気記録媒体に適したポリエステルフィルムに関する
ものである。
〔従来の技術および発明が解決しようとする課題〕
ポリエステルフィルムは物理的、化学的特性に優れ、産
業用基材として広く用いられている。就中、二軸方向に
配向したポリエチレンテレフタレートフィルムは、特に
機械的強度、寸法安定性、平面性等に優れることから磁
気記録媒体のベースフィルムやコンデンサー誘電体を始
めとする各種の用途に使用されている。
ところで、近年特に伸びの著しい磁気記録媒体用フィル
ムにおいて最も問題となるのは耐摩耗性である。
例えば金属ピンとフィルムとが高速で接触すると両者の
間の摩擦、摩耗が大きくなりフィルムに擦り傷が発生し
たり、摩耗粉が生成するようになる。
本発明者らは、この耐摩耗性の改良につき鋭意検討を行
なった結果、モース硬度の高い、例えば酸化アルミニウ
ム粒子をフィルムに配合する方法を提案した。
かかるフィルムは金属ピンとの接触においてはフィルム
自身の傷つきや摩耗粉の発生の点で確かに極めて優れた
効果を発揮するが、最近のより高速高張力の条件下では
その効果は必ずしも充分ではなく更なる改良が求められ
ている。
本発明者らの知る所によれば、これら摩耗特性を高める
ためには配合する酸化アルミニウム粒子の硬度をより高
めれば良いが、一方かかる高硬度粒子をポリエステルに
添加するに際し、該粒子はスラリー調製工程においてし
ばしば装置を損傷させてしまう。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、この2律背反の現象を解決すべく鋭意検
討を行なった結果、酸化アルミニウム粒子の中でもある
特定の製造法による特定の比表面積を有する酸化アルミ
ニウム粒子を用いるならば、これらの改良が効果的に達
成できることを知見し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明の要旨は、アンモニウム明ばん熱分解法
により合成された、比表面積70〜100m2/gの酸化
アルミニウムの粒子を0.01〜2重量%含有することを特
徴とする配向ポリエステルフィルムに存する。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルとは、テレフタル酸、2,6
−ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸
又はそのエステルと、エチレングリコールを主たる出発
原料として得られるポリエステルを指すが、他の第三成
分を含有していてもかまわない。この場合、ジカルボン
酸成分としては例えば、イソフタル酸、フタル酸、2,
6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸、アジピン
酸、セバシン酸、及びオキシカルボン酸成分、例えばp
−オキシエトキシ安息香酸などの一種又は二種以上を用
いることができる。グリコール成分としては、ジエチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチ
ルグリコールなどの一種又は二種以上を用いることがで
きる。いずれにしても、本発明のポリエステルとは繰り
返し構造単位の80%以上がエチレンテレフタレート単
位又はエチレン−2,6−ナフタレン単位を有するポリ
エステルを指す。
また本発明のポリエステルフィルムとは、かかるポリエ
ステルを出発原料とする、少なくとも一軸に配向された
ポリエステルフィルムを指すが、その製造法としては公
知の方法を用いることができる。例えば通常270〜3
20℃でシート状に溶融押出しした後、40〜80℃で
冷却固化し、無定形シートとした後、縦、横方向に逐次
二軸延伸あるいは同時に延伸し、160〜250℃で熱
処理する等の方法(例えば特公昭30−5639号公報
記載の方法)を利用することができる。縦及び横方向に
延伸するに際しては、各々一段で延伸してもよいし、ま
た必要に応じ多段で延伸したり多段延伸の間に配向緩和
のための熱処理区間を設けたりすることもできる。ま
た、二軸延伸後、次工程の熱処理工程に供する前に再度
延伸してもよい。この再延伸は縦横いずれの方向に行な
うこともできるし、また両方向に行なってもよい。
本発明の最大の特徴はアンモニウム明ばん熱分解法によ
り合成された比表面積70〜100m2/gの酸化アルミ
ニウム粒子を用いることにある。
酸化アルミニウムは良く知られているように、通常ジプ
サイト、バイアライト、ベーマイト等のアルミナ水和物
を加熱分解することによって得られるが、この時の原料
の種類、加熱分解条件、特に温度条件によりα型を始め
β、γ、κ、ο、δ、η、χ、ρ型等の10種類近い、
異なる結晶型を有する酸化アルミニウムが生成する。ま
た、塩化アルミニウムを酸水素炎中で燃焼加水分解する
方法によっても酸化アルミニウムを得ることができる
が、この場合、処理条件によってα、γ、δ等の各種の
結晶型の酸化アルミニウムが得られる。
更にまた、特に高純度の酸化アルミニウムを得ることを
念頭においた製法であるが、炭酸塩熱分解法、火花放電
法、エチレンクロルヒドリン法、アルコキシド加水分解
法、アンモニウム明ばん熱分解法等多くの製法が知られ
ている。
これらの酸化アルミニウムは各々特有の性状を有してお
り、例えばα型は比表面積が小さく、ほとんど触媒活性
を示さないのに対し、γ型やη型は通常150〜300
m2/g程度の比表面積を有し高い触媒活性を有してい
る。またそれぞれの結晶型によって密度も約2.5〜4g
/cm3まで変り得るし、硬度も微妙に変化する。
本発明者はこれら性状を異にする多くの酸化アルミニウ
ムについて仔細に検討を加えた結果、アンモニウム明ば
ん熱分解法によるある特定の比表面積を有する粒子が本
発明の目的に適うことを見出し本発明を完成するに至っ
た。このアンモニウム明ばん熱分解法とは水酸化アルミ
ニウムを出発原料とし硫酸と反応させて硫酸アルミニウ
ムとした後、硫酸アンモニウムと反応させアンモニウム
明ばんとして達成する方法である。
この時の焼成温度は通常摂氏数百度から1200度程度
であるが、この時の条件を加減することにより得られる
粒子の比表面積を調節することができる。本発明者らの
知るところによれば、この比表面積値は粒子の結晶型や
1次粒子の結合の強さと関係が深く、最終的に粒子の硬
度や解砕のし易さに関連する。
ところで、これらの粒子をポリエステルに配合するに際
しては、フィルムの粗大突起を低減し均一微細な表面を
得るために、通常、粒子を含むスラリーをサンドグライ
ンダーやボールミルを用いて粉砕し、必要に応じ更に分
級処理を施す。この場合、粒子の硬度が高いと装置の内
面の摩耗が著しく工業的に円滑な運転が困難となる。
酸化アルミニウム製造時の焼成温度が高く比表面積が7
0m2/g未満になると、その結晶型は8型に加えα型が
混在あるいはα型が主体となりフィルムの金属ピンに対
する耐擦傷性は優れるものの、プラスチック製ピンの場
合にはそれを傷つけしばしば多くの摩耗粉を生成させて
しまう。更にスラリー調製の段階においてサンドグライ
ンダーの内壁、回転翼及び充填メディアを著しく損耗さ
せてしまうし、その結果スラリーの着色も引き起こして
しまう。
一方、比表面積が100m2/gを越えた場合にはプラス
チック製ピンとの接触における摩耗粉の発生が少くまた
粒子の粉砕時のトラブルもほとんどないが、金属ピンに
よるフィルムの傷つきが充分には改良されない。
従って本発明においては、この値は70〜100m2/g
の範囲であり、最適な範囲は75〜95m2/gである。
この場合、結晶型はδ型が主体であるが、その中でも硬
度や1次粒子間の結合の強さが適度な値を有するため本
発明の効果が発現されるものと考えられる。
なお、本発明における酸化アルミニウムは、その一部、
例えば5重量%未満、好ましくは1重量%未満がSi,
Ti,Fe,Na及びK等の酸化物で置換されていても
よい。また、これらの粒子は各種の表面処理剤、例えば
シランカップリング剤やチタンカップリング剤でその表
面が変性されていてもよい。
本発明においては、かかる酸化アルミニウム粒子を充分
に粉砕し一次粒子、すなわち10mμ程度に近い状態ま
で分散させて使用することが好ましいが、フィルムの表
面状態に悪影響を及ぼさない限り、多少凝集した二次粒
子として挙動しても差しつかえない。但しこの場合、見
かけ上の平均粒径を0.5μm以下、好ましくは0.1μm以
下とするのが良い。
なお、かかる酸化アルミニウムのポリエステルフィルム
に対する配合量は、0.01〜2重量%の範囲から選択され
る。この量が0.01重量%未満では耐擦傷性、耐摩耗性の
効果が不充分となるし、一方2重量%を越えると、しば
しばプラスチック製の基材を強く傷つけてしまったり、
表面粗度が大きくなるすぎて磁気記録媒体のベースフィ
ルムとして用いたとき、電磁変換特性を悪化させたりす
る。
このように本発明においては、ある特定の製造法によっ
てつくられた、しかも特定の比表面積値を有する酸化ア
ルミニウムを用いることにより、ポリエステル製造段階
における装置の損耗を防ぐことを可能ならしめると共
に、これまで達成し得なかったフィルムと各種基材との
間の優れた摩耗特性を得ることを可能とした。
しかしながら、かかる酸化アルミニウム粒子のみでは、
フィルムの滑り性が不足し取り扱い作業性が劣る場合も
あるので、他の粒子を併用することが好ましい。
かかる粒子の一つとしていわゆる析出粒子を挙げること
ができる。この析出粒子とはポリエステル製造工程中で
金属化合物を微細な粒子として析出させたものであり、
例えばエステル交換反応あるいはエステル化反応あるい
はその前後にアルカリ金属またはアルカリ金属化合物を
存在させ、リン化合物の存在下あるいは非存在下平均粒
径0.1〜5μm程度の不活性微粒子として沈殿させるも
のである。この場合、該粒子をポリエステルフィルムに
対し0.01〜1重量%存在させることにより特に走行性を
改善することができる。
また別の例として、いわゆる添加粒子を挙げることがで
きる。この添加粒子とはポリエステル製造工程に外部か
ら添加する粒子を指すが、具体的にはカオリン、タル
ク、カーボン、硫化モリブデン、石膏、岩塩、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、フッ化リチウム、フッ化カルシ
ウム、ゼオライト、リン酸カルシウム、二酸化ケイ素、
二酸化チタン等を挙げることができる。この場合、これ
ら添加粒子の平均粒径は本発明で用いる酸化アルミニウ
ムのそれより大きく0.1〜3μmの範囲から、またポリ
エステルに対する配合量は0.05〜2重量%の範囲から選
択することが好ましい。
なお、かかる添加粒子の例としては耐熱性の高分子微粉
体を挙げることもできる。この場合の典型的な例として
は、例えば特公昭59−5216号公報に記載されてい
るような、分子中に唯一個の脂肪族の不飽和結合を有す
るモノビニル化合物と架橋剤として分子中に二個以上の
脂肪族の不飽和結合を有する化合物との共重合体を例示
することができるが、勿論これらに限定される訳ではな
く、例えば熱硬化性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ
樹脂、熱硬化性尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂あるい
はポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素系樹脂の
微粉体を用いることもできる。この場合、これら耐熱性
高分子微粉体の平均粒径は0.05〜5μm、そのポリエス
テルフィルムに対する配合量は0.01〜3重量%の範囲か
ら選択される。
以上述べたように、本発明においては、特定の酸化アル
ミニウムに加えて必要に応じ他の粒子を併せ使用する
が、得られるポリエステルフィルムがある物性を満足し
ているとき、フィルムの走行性をより高度に改良するこ
とができたり、機械的強度の改良やスリット性の改善が
達成でき、例えば磁気記録媒体用のベースフィルムとし
て適したものとなる。
ポリエステルフィルムの好ましい一つの物性として、そ
の厚み方向の屈折率が1.492以上であることが挙げられ
る。この値が1.492未満では本発明の粒子を用いたとし
ても往々にして易滑性、耐摩耗性が不足するようにな
る。この値は1.494以上1.505以下が好ましい。かかる物
性を有するフィルムを得るためには、例えば縦−横逐次
二軸延伸の場合、縦延伸温度を通常の延伸温度よりも5
〜30℃高い105〜115℃程度とすれば良い。ある
いは、二軸延伸後、熱処理前に大幅な横弛緩を行なうこ
とによってもかかるフィルムを得ることができる。
また、本発明の特定の酸化アルミニウムを含有するポリ
エステルフィルムの好ましい態様の一つとして縦方向に
強く配向された、フィルム厚みが12.0μm以下の二軸配
向フィルムを挙げることができる。すなわち本発明のフ
ィルムはその高度な耐摩耗特性を生かして特に磁気記録
媒体用のベースフィルムとして好適に用いることができ
るが、その特長は高強度、薄手の高記録密度用のときに
特に発揮することができる。具体的には縦方向のF−5
値が12.0kg/mm2以上、就中14.0kg/mm2以上で、且つフィ
ルム厚みが12.0μm以下、就中10.0μm以下という特に
耐摩耗性が要求される用途において効果的である。
更にまた、本発明においては、幅方向の屈折率nTDと長
手方向の屈折率nMDとの差△n(nTD−nMD)が0.010
以上のとき、特にスリット性に優れ磁気記録媒体用ベー
スフィルムとして適したものとなる。このスリット性と
は磁性層を塗布したテープをシェアーカッター等でスリ
ットする時の特性、程度が低い場合には切り口が筋状に
めくれ上ったり、切り口からヒゲや粉が発生したりす
る。かかる現象が生じるとテープに白粉が付着し、電磁
変換特性を悪化させたり、ドロップアウトを誘起したり
する。△nを0.010以上、好ましくは0.020以上、より好
ましくは0.025以上とすることにより、このスリット性
を効果的に改良することができる。この△nはあまり大
き過ぎても熱収縮率等の点で不都合が生じるので、この
△nは0.060以下とすることが好ましい。
なお、かかる物性のフィルムを得るためには、例えば非
晶質の未延伸ポリエステルフィルムを90℃前後で縦方
向に3〜4倍に延伸した後、90〜150℃で幅方向に
3.5倍〜6倍(通常縦方向よりも高倍率とする)延伸し
た後、170〜230℃にて熱処理する方法が簡便に採
用される。
なお本発明においては、かかる特定の酸化アルミニウム
粒子を用いるという基本的な技術思想に、これら幾つか
の好ましい特性を複数組合せて使用することにより、更
に各種用途に好適なフィルムとすることができる。
なお、他の無機粒子と同じく酸化アルミニウム粒子もし
ばしば1μmを越える凝集体を形成しているので、ポリ
エステルに配合するに際しては、先述した通り、まずか
かる粗大な凝集体を粉砕しなければならない。このため
には、例えばロッドミル、ボールミル、振動ロッドミ
ル、振動ボールミル、パンミル、ローラーミル、インパ
クトミル、攪拌摩砕ミル、流体エネルギーミル等を用い
乾式あるいは湿式法により目的とする粒径まで粉砕す
る。就中攪拌摩砕ミルの一種であるいわゆるサンドグラ
インダーを用いる方法が粉砕効率が高く粒度を制御し易
いため有効裡に用いられる。この場合、該粒子のエチレ
ングリコールに対する濃度は5〜50重量%、好ましく
は10〜30重量%とするのがよい。
なお、必要に応じ、粉砕処理前後に分散、分級及び濾過
等の処理を施してもよいことは勿論である。
いずれにしても本発明においては通常エチレングリコー
ルスラリーをポリエステル製造の初期段階、例えばエス
テル化もしくはエステル交換反応終了後重縮合反応開始
前に添加する方法が好ましく採用される。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定さ
れるものではない。なお、実施例及び比較例中「部」と
あるは、「重量部」を示す。
また、本発明で用いた測定法は次の通りである。
(1)比表面積 窒素ガスによる吸着法により測定し、Brunauer-Emett-T
ellerの式により算出した。
(2)平均粒径 顕微鏡にて粒径を測定し、等価球換算値の体積分率50
%の点の粒径(直径)を平均粒径とする。
(3)サンドグラインダーによる粉砕時の装置の摩耗 酸化アルミニウム粒子を含むエチレングリコールスラリ
ーを五十嵐機械製造(株)製SL−1/2Gスクリーン
レス型サンドグラインダーに供給し粉砕を行なった。こ
の時の条件は次の通りである。
ベッセル容量;2、内面材質;硬質クロム、周速;9.
4m/秒、充填メディア;直径1mmガラスビーズ1.5、
スラリー濃度;20重量%、滞留時間;2時間 粉砕橇後の内面を目視で観察し装置の摩耗の程度をラン
クA(ほとんど傷がついていない)からランクD(擦っ
たような傷がかなり認められる。特にディスク周辺が著
しい)に分けた。
(4)ポリマー色調 東東電色(株)製カラーアナライザーTC−1800M
KII型を用いてJIS Z−08722の方法に準じて
ポリマーの明度(L値)を測定した。この値が大きいほ
ど明度が高い。
(5)走行性 フィルムの滑り性により評価した。滑り性は第1図の装
置を用いて測定した。すなわち固定した硬質クロムメッ
キ金属ロール(直径6mm)にフィルムを巻き付け角13
9°すなわち2.356rad(θ)で接触させ、53g
(T)の荷重を一端にかけて1m/mmの速度でこれを
走行させ、他端の抵抗力(T,g)を測定し、次式に
より走行中の摩擦係数(μd)を求めた。
(6)耐摩耗性 金属製のピン及びプラスチック製のピンとの摩耗特性を
評価した。このためにまず磁気テープを製造した。
すなわち、磁性微粉末200部、ポリウレタン樹脂30
部、ニトロセルロース10部、塩化ビニル−酢酸ビニル
共重合体10部、レシチン5部、シクロヘキサノン10
0部、メチルイソブチルケトン100部およびメチルエ
チルケトン300部をボールミルにて48時間混合分散
後ポリイソシアネート化合物5部を加えて磁性塗料と
し、これをポリエステルフィルムに塗布した後、塗料が
十分乾燥固化する前に磁気配向させ、その後乾燥し、2
μmの膜厚の磁性層を形成した。更にこの塗布フィルム
をスーパーカレンダーにて表面処理を施し、1/2イン
チ幅にスリットしてビデオテープとした。
次に得られた磁気テープを硬質クロムメッキ金属ピン
(直径6mm、表面粗さ3S)に巻きつけ角135°、張
力50gでベースフィルム面を接触させ、走行速度8m
/秒で擦過させた。
次いでフィルムの擦過面にアルミニウムを蒸着し、傷の
程度を目視測定し、金属製ピンとの摩耗特性を次の5ラ
ンクに分けた。
ランク1 傷の量が多く又しばしば深い傷がある。
ランク2 傷の量が比較的多く所々深い傷がある。
ランク3 傷の程度は比較的少なく深い傷はわずかであ
る。
ランク4 少し傷が認められるが、満足すべきレベルで
ある。
ランク5 ほとんど傷がついていない。
一方、磁気テープのベースフィルム面を、平滑処理を施
した直径6mmのナイロン製のピンと接触させ、8m/秒
で擦過させた。2000m走行後の該ピンの摩耗状況及
び白粉の発生状況を観察し、プラスチック製のピンとの
摩耗特性を次の5ランクに分けた。
ランク1 ピンに多数の縦スジが発生し、白粉の付着も
多い。
ランク2 ピンにかなりスジが認められ、白粉も比較的
多い。
ランク3 浅いスジが認められるが、白粉は少ない。
ランク4 浅いスジが若干認められるが、白粉はわず
か。
ランク5 ピンはほとんど傷ついておらず、白粉発生量
も極めて少ない。
(7)電磁気特性 金属ピンで200m、ナイロン製のピンで2000m摩
耗特性の評価を行なった磁気テープを巻き上げた後、そ
の電磁気特性を松下電器製NV−3700型のビデオデ
ッキを用いて測定した。
○VTRヘッド出力 シンクロスコープにより測定周波数が4メガヘルツにお
けるVTRヘッド出力を測定し、ブランクを0デシベル
としその相対値をデシベルで示した。
○ドロップアウト数 4.4メガヘルツの信号を記録したビデオテープを再生
し、大倉インダストリー(株)ドロップアウトカウンタ
ーでドロップアウト数を約20分間測定し、1分間当り
のドロップアウト数を換算した。
実施例1 〔エチレングリコールスラリーの調製〕 アンモニウム明ばん熱分解法で得られた数μm〜数百μ
mの粗粒を含む比表面積80m2/gの酸化アルミニウム
粒子をエチレングリコールに分散させ20重量%スラリ
ーとした。次いで該スラリーをサンドグラインダーで粉
砕したところ粒子の大部分は0.2μm以下に粉砕され微
分散化しており、0.5μmを越える粗粒は1重量%と極
めて少なかった。
次に該スラリーに分級処理を施し大粒子側の約10重量
%を除いた後、超音波分散処理を行ないポリエステル添
加用のエチレングリコールスラリーを得た。
〔ポリエステルの製造〕
ジメチルテレフタレート100部エチレングリコール7
0部及び酢酸マグネシウム四水塩0.20部を反応器にと
り、エステル交換反応を行なった。4時間後、実質的に
エステル交換反応の終了したこの系に、先に得られたエ
チレングリコールスラリーを酸化アルミニウム粒子の量
が0.6部となるよう添加し、更にエチルアシッドホスフ
ェート0.06部及び三酸化アンチモン0.04部を加え、常法
に従って5時間重合反応を行ない、極限粘度0.63のポリ
エステルを得た。(ポリエステル(A)) ポリエステル(A)のL値は54で実用上全く問題のな
いレベルであった。
一方、上記ポリエステルの製造において、酸化アルミニ
ウムの代りに平均粒径0.6μmの炭酸カルシウム0.6部を
添加する他は同様に重合を行ない、極限粘度0.63のポリ
エチレンテレフタレートを得た。(ポリエステル
(B)) 〔ポリエステルフィルムの製造〕 次にポリエステル(A)とポリエステル(B)とを5
0:50の重量比で混合し、乾燥後290℃で押出機よ
りシート状に押し出し無定形シートを得た。次いで得ら
れたシートを縦方向に90℃で3.5倍、横方向に100
℃で4.3倍延伸し、210℃で3秒間熱処理を行ない厚
さ15μmの二軸延伸フィルムを得た。
次いで得られたフィルムに磁性層を塗布し磁気テープを
製造した。得られたテープは走行性及び摩耗特性に優れ
その電磁気特性も高度に満足すべきものであった。
これらの特性を他の実施例及び比較例のそれと共にまと
めて下記表−1に示す。
比較例1 実施例1においてアンモニウム明ばん熱分解法による比
表面積80m2/gの酸化アルミニウム粒子の代りに、同
じ製造方法による比表面積62m2/gの粒子を用い実施
例1と同様にしてスラリーを調製しポリエステルを製造
した。(ポリエステル(C)) 次いで実施例1においてポリエステル(A)の代りにポ
リエステル(C)を用いる他は実施例1と同様にして二
軸延伸フィルム及び磁気テープを得た。
比較例2 比較例1において比表面積62m2/gの酸化アルミニウ
ム粒子の代りに、同じ製造方法による比表面積105m2
/gの酸化アルミニウム粒子を用いる他は同様にしてポ
リエステル(D)を得、フィルム化を行ない磁気テープ
を得た。
比較例3 実施例1においてアンモニウム明ばん熱分解法酸化アル
ミニウム粒子の代りに、塩化アルミニウム酸水素炎中で
燃焼加水分解する方法によって得られた比表面積105
m2/gの酸化アルミニウム粒子を行い、実施例1と同様
にしてスラリーを調製しポリエステル(E)を製造し
た。
次いで実施例1においてポリエステル(A)の代りにポ
リエステル(E)を用いる他は実施例1と同様にして二
軸延伸フィルム及び磁気テープを得た。
比較例4 比較例3において塩化アルミニウム燃焼法による酸化ア
ルミニウム粒子の代りに、水酸化アルミを摂氏約900
℃で加熱して得た比表面積150m2/gの酸化アルミニ
ウム粒子を用いる他は同様にしてポリエステル(F)を
得、次いでフィルム化を行ない磁気テープを得た。
比較例5 比較例4において、比表面積150m2/gの酸化アルミ
ニウム粒子の代りに同じく水酸化アルミニウムを出発原
料とするものの摂氏約1000℃で加熱して得られる比
表面積80m2/gの酸化アルミニウム粒子を用いる他は
同様にしてポリエステル(G)を得た。
次いで該ポリエステルを用いフィルム化を行ない磁気テ
ープを得た。
〔発明の効果〕 このように本発明の特定の酸化アルミニウム粒子を特定
量配合したフィルムは各種基材との摩擦摩耗特性に優れ
ており、磁気記録体用のベースフィルムを始めとして各
用途に好適に用いることができる。また、該粒子を用い
るならば、従来高硬度粒子を用いた時、しばしば問題と
なったスラリー調製工程における装置の損耗も実質的に
免れることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はフィルムの走行性を評価する走行系を示す概略
図である。図中(I)は直径6mmのステンレス製の固定
ピン、(II)および(III)はテンションメーターを示
し、θは135°である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 B29L 7:00 4F (72)発明者 目黒 義男 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 ダ イアホイル株式会社中央研究所内 (72)発明者 原田 敬 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 ダ イアホイル株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 平2−185533(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンモニウム明ばん熱分解法により合成さ
    れた、比表面積70〜100m2/gの酸化アルミニウム
    の粒子を0.01〜2重量%含有することを特徴とする配向
    ポリエステルフィルム。
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