JPH0684445B2 - 磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルム - Google Patents

磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフィルム

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JPH0684445B2
JPH0684445B2 JP63214198A JP21419888A JPH0684445B2 JP H0684445 B2 JPH0684445 B2 JP H0684445B2 JP 63214198 A JP63214198 A JP 63214198A JP 21419888 A JP21419888 A JP 21419888A JP H0684445 B2 JPH0684445 B2 JP H0684445B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は磁気記録媒体としたときに優れた走行性、電磁
変換特性、耐摩耗性及びスリット性を与えるポリエステ
ルフィルムに関する。更に詳しくはテープ走行時の擦り
傷や摩耗粉の発生が極めて少なく、しかもスリット性に
優れているため、ドロップアウトの発生を抑制でき、特
に高密度磁気記録用途に適したベースフィルムに関する
ものである。
〔従来の技術および発明が解決しようとする問題点〕
ポリエステルフィルムは物理的、化学的特性に優れ、産
業用基材として広く用いられている。就中、二軸配向ポ
リエチレンテレフタレートフィルムは、特に機械的強
度、寸法安定性、平面性等に優れることから磁気記録媒
体のベースフィルムとして今や必要不可欠のものとなっ
ている。ところで、近年磁気記録媒体の改良が急速な勢
いで行なわれており、これに伴ないベースフィルムに対
する要求も一段と厳しいものとなって来ている。例えば
ビデオテープのように高密度の記録を要するものでは磁
性層の薄膜化が行なわれるが、この場合ベースフィルム
自体の凹凸が磁性層表面に反映され、その程度が大きい
場合には、いわゆるスペーシングロスのため電磁変換特
性の低下を招いたり、ドロップアウトを引き起したりす
るようになる。従って、ベースフィルムの表面はできる
限り平坦であることが望まれる。しかしながら、フィル
ム表面が平坦になるとフィルムの走行性が悪化するのみ
ならず、フィルムと基材、例えばガイドピンとの間の摩
擦、摩耗が大きくなり、フィルムに擦り傷が発生したり
摩耗粉が発生するようになる。発生した摩耗粉は磁気テ
ープを重ねて巻き上げる際に、しばしば磁性層表面に転
着しドロップアウトを引き起してしまう。
また、フィルムの耐擦傷性が不充分であると磁性層塗布
前後においてフィルムに傷が入り易く、それが磁性層表
面に反映されて電磁気的な特性が劣るようになる。また
削り取られた白粉状物質の存在によってもしばしば電磁
気特性が悪化するようになる。
更に、磁気テープのスリット性の良し悪しもその性能に
大きな影響を及ぼす。即ち磁気テープは磁性層表面に鏡
面化する、いわゆるカレンダー処理に施した後、通常シ
ェアカッターを用いて所望の幅のスリットされるが、こ
の場合往々にして切り口から粉やヒゲが発生する。この
異物が磁性層表面に付着するとドロップアウトを誘発し
てしまうためスリット性の改良が強く望まれていた。
本発明者らはこれら磁性記録媒体に望まれる諸特性の改
善につき鋭意検討を行なった結果、先に特願昭63-14241
9号(特開平1-311131号)明細書において画期的な方法
を提案した。
それは、特に従来その改良が為されていなかった耐擦傷
性を高度に満足させるため、モース硬度の高い、例えば
酸化アルミニウム粒子をベースフィルムに配合すると共
に、必要に応じ走行性及び耐摩耗性を維持、改良するた
め適当な粒径、硬度を有する他の粒子を併用するという
技術的思想をその骨格としている。
かかる新規な方法により確かにこれらの特性は高度に満
足することが可能となった。しかしながらドロップアウ
ト発生の大半の原因となるスリット時の粉やヒゲの発
生、特に長期間連続運転時においては、未だ不充分で更
なる改良が求められていた。
ポリエステルフィルムのスリット性の改良に関しては、
従来フィルムの結晶化度を高める方法や特願昭63-95933
号公報に記載されているように面配向係数やマイクロボ
イド個数を特定の範囲に保った共重合ポリエチレンテレ
フタレートフィルムを用いる方法が知られているが、そ
の実用性や効果の点において必ずしも満足すべきもので
はなかった。しかもこれらのフィルムは特に耐擦傷性の
点において著しく劣っており、ドロップアウトを低減さ
せることが可能なベースフィルムの出現が強く望まれて
いた。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らはこれら磁気記録媒体に要望される走行性、
電磁変換特性、耐摩耗性、耐擦傷性やスリット性につき
総合的に検討を加えた結果、ある特性の2種類の粒子を
含有して成り、しかもその表面状態がある特定の範囲に
あるフィルムがこれら全ての特性、就中耐擦傷性とスリ
ット性とを高度に満足し、特にドロップアウトの著しく
低減されたベースフィルムを与えることを見出し本発明
を完成するに至った。
即ち、本発明の要旨は平均粒径1μm以下、モース硬度
8以上の無機粒子(A)を0.1〜2重量%及び平均粒径
が粒子(A)より大きくモース硬度が5以下の不活性粒
子(B)を0.05〜2重量%含有するフィルムであって、
該フィルム表面の微細突起密度が100〜500個/mmである
ことを特徴とする磁気記録媒体用二軸配向ポリエステル
フィルムに存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明でいうポリエステルとは、テレフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸の如き芳香族ジカルボン酸又は
そのエステルと、エチレングリコールを主たる出発原料
として得られるポリエステルを指すが他の第三成分を含
有していてもかまわない。この場合、ジカルボン酸成分
としては例えば、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフ
タレンジカルボン酸、テレフタル酸、アジピン酸、セバ
シン酸、及びオキシカルボン酸成分、例えばp−オキシ
エトキシ安息香酸などの一種又は二種以上を用いること
ができる。グリコール成分としては、ジエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−
シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール
などの一種又は二種以上を用いることができる。いずれ
にしても、本発明のポリエステルとは繰り返し構造単位
の80%以上がエチレンテレフタレート単位又はエチレン
−2,6−ナフタレン単位を有するポリエステルを指す。
また、本発明のポリエステルフィルムとは、かかるポリ
エステルを出発原料とする二軸に配向されたポリエステ
ルフィルムを指すが、その製造法としては公知の方法を
用いることができる。例えば、通常270〜320℃でシート
状に溶融押出しした後、40〜80℃で冷却固化し、無定形
シートとした後、縦、横方向に逐次二軸延伸あるいは同
時に延伸し、160〜250℃で熱処理する等の方法(例え
ば、特公昭30−5639号公報記載の方法)を利用すること
ができる。縦及び横方向に延伸するに際にしては、各々
一段で延伸してもよいし、また必要に応じ多段で延伸し
たり、多段延伸の間に配向緩和のための熱処理区間を設
けたりすることもできる。また、二軸延伸後、次工程の
熱処理工程に供する前に、再度延伸することも可能であ
る。この再延伸は縦、横いずれの方向に行なうこともで
きるし、また両方向に行なってもよい。
本発明のフィルムは、平均粒径1μm以下、モース硬度
8以上の無機粒径(A)を0.1〜2重量%含有する。粒
径(A)は主としてフィルムの耐擦傷性を改良するため
にフィルムに配向するものであるが、具体的には酸化ア
ルミニウム、シリコンカーバイド、ジルコンカーバイ
ド、バナジウムカーバイド、チタンカーバイド、ボロン
カーバイド、ほう化タングステン、ボロンナイトライド
等を使用し得る。これらの中でも工業的に入手が容易な
酸化アルミニウムまたはシリコンカーバイド、就中酸化
カルミニウムが好ましく用いられる。
粒子(A)の平均粒径が1μmを越えても耐擦傷性は充
分に発揮されるが、磁気テープの走行速度や張力の条件
によってはフィルムと接触する基材を強く傷つけてしま
うことがあるので、この値は1μm以下、好ましくは0.
1μm以下とするのが良い。また、そのポリエステルに
対する配合量が0.1重量%未満になると耐擦傷性の効果
がやや劣るようになるし、また2重量%を越えると往々
にして基材を傷つけてしまう。
本発明において特に好適に用いることのできる粒子とし
て、例えばいわゆる熱分解法による酸化アルミニウムを
挙げることができる。この粒子は通常無水塩化アルミニ
ウムを原料として火焔加水分解によって製造され、その
粒径は10mμから100μm程度である。また、本発明にお
いては、アルコキシドの加水分解法による酸化アルミニ
ウム粒子も好適に使用し得る。この場合、通常Al(OC
3H7)3またはAl(OC4H9)を出発原料とし、加水分解の条件
を適宜選択することにより1μm以下の微粒子を得る。
勿論この場合合成したスラリーに酸を添加して透明なゾ
ルを得、次いでこのゾルをゲル化した後、500℃以上に
加熱することにより焼結体とする等の方法を採用するこ
ともできる。
また、別の方法、即ちアルミン酸ナトリウム溶液に酢酸
メチルや酢酸エチルを加え攪拌し、AlOOHを得、次いで
これを加熱することによって得られた酸化アルミニウム
微粉末を用いてもよい。いずれにしても本発明において
は平均粒径1μm以下の酸化アルミニウムが特に好まし
く用いられる。本発明においては、かかる酸化アルミニ
ウム粒子を一次粒子まで完全に分散させて使用すること
が好ましいが、フィルムの表面状態に悪影響を及ぼさな
い限り多少凝集し2次粒子として挙動しても差しつかえ
ない。但しこの場合も見かけ上の平均粒径が1μm以
下、特に0.1μm以下が好ましく用いられる。なお、こ
れらの場合、酸化アルミニウムの一部、例えば30重量%
未満がSi、Ti、Fe、Na,K等の酸化物で置換されていても
差しつかえない。
本発明のフィルムは、かかる無機粒子(A)と共に平均
粒径が粒子(A)より大きくモース硬度が5以下の不活
性粒子(B)を0.05〜2重量%含有する。
この粒子(B)は主としてフィルムの走行性、耐摩耗性
を改良するために用いるものであるが、いわゆる添加粒
子または析出粒子のいずれを用いてもよいし、必要に応
じ両者を併用してもよい。しかしながら、いずれの場合
もその平均粒径は粒子(A)よりも大きくモース硬度は
5以下である必要がある。というのは基材と接触する確
率が高いフィルム表面の比較的大きな突起を形成する粒
子は低硬度であることが望ましいからである。かかる要
件が満されない場合はしばしばフィルムが基材に致命的
な損耗を与えてしまう。
かかる粒子(B)としては、具体的にカオリン、タル
ク、カーボン、硫化モリブデン、石膏、岩塩、炭酸カル
シウム、硫酸バリウム、フッ化リチウム、フッ化カルシ
ウム、ゼオライト、リン酸カルシウム等の無機粒子を挙
げることができるが、主にポリエステルに対する分散性
の点から炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ゼオライト、
リン酸カルシウムが好ましく用いられる。
また、粒子(B)として耐熱性の高分子微粉体を用いる
こともできる。この場合の典型的な例としては、例えば
特公昭59-5216号公報に記載されているような、分子中
に唯一個の脂肪族の不飽和結合を有するモノビニル化合
物と架橋剤として分子中に二個以上の脂肪族の不飽和結
合を有する化合物との共重合体を例示することができる
が、勿論これらに限定される訳ではなく、例えば熱硬化
性フェノール樹脂、熱硬化性エポキシ樹脂、熱硬化性尿
素樹脂ベンゾグアナミン樹脂またはポリテトラフルオロ
エチレンのようなフッ素系樹脂の微粉体を用いることも
できる。
また、粒子(B)の別の例として析出粒子を挙げること
ができる。この析出粒子とはポリエステル製造工程中で
金属化合物を微細な粒子として析出させたものであり、
例えばエステル交換反応あるいはエステル化反応中ある
いはその前後にアルカリ金属化合物またはアルカリ土類
金属化合物を存在させ、リン化合物の存在下あるいは非
存在下0.1〜3μm程度の粒子として析出させるもので
ある。
いずれにしても本発明においては、粒子(A)よりも平
均粒径が大きく且つモース硬度の低い粒子(B)を存在
させる必要があるが、粒子(B)の平均粒径は、通常、
粒子(A)のそれの2倍以上、好ましくは5倍以上であ
る。また、粒子(B)の平均粒径は電磁変換特性を良好
に保つため3μm以下であることが好ましい。
なお、かかる粒子(B)のポリエステルフィルムに対す
る配合量が0.05重量%未満では走行性や耐摩耗性が不充
分となるし、逆に2重量%を越えるとしばしば電磁変換
特性が悪化するようになる。
以上詳述したように、本発明においてはある特定の異な
る2種類の粒子を用いることを必須とするが、本発明の
眼目はスリット性を改良するため更にフィルム表面の微
細突起密度をある特定の範囲に保つことにある。即ち本
発明者らは、フィルム中に極めて多数の異成分を微分散
させるならば他の特性を損ねることなくスリット性を改
良し得ることを知見したが、その改良の程度はかかる異
成分が存在する結果、発現するフィルム表面の微細突起
の密度と極めて良い相関性があることが判った。
かかる現象が起こる理由は定かではないが、フィルム中
に異成分が無数に微分散していることによりポリエステ
ルの分子や結晶構造が適度に乱されスリット性が改良さ
れるものと思われる。
本発明でいう微細突起密度は、触針式表面粗さ計によっ
て測定できる。この時、触針の半径を2μm、針圧を30
mg、カットオフ値を0.08mm、縦方向拡大倍率を10万倍、
横方向拡大倍率を500倍としフィルム表面を1mm測定す
る。得られた粗さ曲線のチャート上の山頂のレベルとそ
の左側の谷底のレベルとの差が1.0mm以上のものを微細
突起と定義する。
本発明のフィルム表面の微細突起密度は100〜500個/mm
である必要がある。この値が100未満ではスリット性の
改良が不充分であるし、また500を越えるようになると
突起同士の重なり合いが増して電磁変換特性が悪化する
ようになり好ましくない。
かかる微細突起は幾つかの方法で発現させることができ
る。まず第1の方法は粒子(A)及び粒子(B)のみを
用いた系の中でかかる微細突起を与える方法である。と
いうのはかかる微細突起を与える方法である。というの
はかかる微細突起は、通常、平均粒子系0.1〜1μm、
好ましくは0.1〜0.6μmの粒子をポリエステルフィルム
に対し0.1〜5重量%、好ましくは0.2〜3重量%の範囲
内で含有させることにより達成されるので、粒子(A)
及び粒子(B)の粒径、量を注意深く加減することによ
りかかる表面状態を発現することも可能である。
しかしながら、より簡便には微細突起を発現させる役目
を担わさせる第三の粒子(C)を配合する方法がある。
粒子(C)は通常上述した粒径、量の範囲から選択され
るが、この場合も該粒子のモース硬度は5以下が好まし
い。またその平均粒径については、小さい順に粒子
(A)、粒子(C)、粒子(B)となるように選択する
ことが望ましい。なお、かかる粒子(C)としては無機
粒子の他、耐熱性高分子微粉体あるいは析出粒子を用い
ることができる。
本発明で必要な微細突起を生成せしめる別の手段として
はいわゆるポリマーブレンドがある。即ち、粒子
(A)、粒子(B)に加えてポリエステルに添加、混合
した時、海島構造を呈しフィルム表面に微細な突起を与
え得るポリマーを配合する方法である。かかるポリマー
としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
メチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアミ
ド、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアルキレングリコ
ールあるいはポリエステル系の液晶ポリマーを挙げるこ
とができる。これらの中でもポリエステル系の液晶ポリ
マーはポリエステルと適度の相溶性を有し容易に好まし
い表面状態を与えるので好適に使用し得る。
いずれにしても本発明においては、フィルム表面の微細
突起密度をある特定範囲に保つことにより、他の特性を
損なうことなくスリット性の改良を達成するものである
が、かかる効果は二軸延伸フィルムの幅方向の屈折率η
TDと長手方向の屈折率ηMDとの差Δnが0.010以上、好
ましくは0.020以上、更に好ましくは0.025以上のとき、
より顕著に発揮される。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定さ
れるものではない。なお、実施例及び比較例「部」とあ
るは「重量部」を示す。
また、本発明で用いた測定法は次の通りである。
(1)平均粒径 顕微鏡にて粒径を測定し、等価球換算値の体積分率50%
の点の粒径(直径)を平均粒径とする。
(2)耐摩耗性 第1図に示す装置を用いて、フィルムを200m走行させ、
固定ピンに付着する白粉量の多寡を目視判定し、耐摩耗
性のランクをA(付着量が極めて少なく優れている)〜
C(付着量が多く実用性に乏しい)の3ランクに分け
た。
(3)走行性 フィルムの滑り性により評価した。滑り性は第2図の装
置を用いて測定した。即ち固定した硬貨クロムメッキ金
属ロール(直径6mm)にフィルムを巻き付け角135°すな
わち2.356rad(θ)で接触させ、53g(T2)の荷重を一
端にかけて1m/mmの速度でこれを走行させ、他端の抵抗
力(T1,g)を測定し、次式により走行中の摩擦係数(μ
d)を求めた。
(4)耐擦傷性 まず、磁気テープを製造した。即ち次に示す磁性塗料を
ポリエステルフィルムに塗布し、乾燥後の膜厚が2μm
となるよう磁性層を形成した。即ち磁性微粉末200部、
ポリウレタン樹脂30部、ニトロセルロース10部、塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体10部、レシチン5部、シクロ
ヘキサノン100部、メチルイソブチルケトン100部および
メチルエチルケトン300部をボールミルにて48時間混合
分散後ポリイソシアネート化合物5部を加えて磁性塗料
とし、これをポリエステルフィルムに塗布した後、塗料
が十分乾燥固化する前に磁気配向させ、その後乾燥し
た。更にこの塗布フィルムをスーパーカレンダーにて表
面処理を施こし、1/2インチ幅にスリットしてビデオテ
ープとした。
次に、該磁気テープを硬貨クロムメッキ金属ピン(直径
6mm、表面粗さ3S)に巻き付け角135°、張力50gで接触
させ走行速度4m/秒で擦過させた。
次いで磁気テープ擦過面にアルミニウムを蒸着し、傷の
程度を目視判定し次の5ランクに分けた。
ランク1 傷の量が多く、又しばしば深いキズがある。
ランク2 傷の量が比較的多く所々深いキずがある。
ランク3 傷の程度は比較的少なく深いキズはわずかで
ある。
ランク4 少し傷が認められるが、満足すべきレベル。
ランク5 ほとんど傷がついていない。
(5)スリット性 カレンダー後の磁気シートをシェアカッターで1/2イン
チ幅にスリットした。この時スリット箇所を観察し、ヒ
ゲや粉の発生具合を次の3ランクに分けた。
ランクA:1時間連続してスリットしてもヒゲや粉の発生
がなく極めて良好 ランクB:AとCの中間 ランクC:1時間連続してスリットを行なうと後半次第に
ヒゲや粉の発生が認められるようになる。
(6)電磁気特性 上記磁気テープの電磁気特性を、松下電器製NV-3700型
ビデオデッキを用いて測定した。
VTRヘッド出力 シンクロスコープにより測定周波数が4メガヘルツにお
けるVTRヘッド出力を測定し、プランクをoデシベルと
しその相対値をデシベルで表示した。
ドロップアウト数 4.4メガヘルツの信号を記録したビデオテープを再生
し、大倉インダストリー(株)ドロップアウトカウンタ
ーでドロップアウト数を約20分間測定し、1分間当りの
ドロップアウト数に換算した。
実施例1 ジメチルテレフタレート100部とエチレングリコール70
部及び酢酸マグネシウム四水塩0.09部を反応器にとり、
加熱昇温すると共にメタノールを留去させ、反応開始後
約4時間を要して230℃まで昇温し、エステル交換反応
を終了した。次いで熱分解法により得られた平均粒径0.
02μmの酸化アルミニウムを1部添加した後、更にリン
酸トリエチル0.04部及び三酸化アンチモン0.04部を添加
して常法により重縮合反応を行ない固有粘度0.62のポリ
エチレンテレフタレートを得た。(ポリエステル
(A)) 酸化アルミニウム粒子はポリエステル(A)中に極めて
均一に分散しており、凝集粒子は実質的に認められなか
った。
同様に平均粒径0.6μmの炭酸カルシウム1重量%を含
むポリエステルを得た。(ポリエステル(B)) 一方、耐熱性を有する平均粒径0.2μmの架橋高分子を
得た。即ちスチレン90部及びジビニルベンゼン10部を出
発原料として乳化重合法により単分散の架橋高分子粒子
を得、次いで上記と同様にして該粒子を1重量%含有す
るポリエステルを製造した。(ポリエステル(C)) 以上のようにして得たポリエステル(A)、ポリエステ
ル(B)、ポリエステル(C)を30:20:50の重量比で混
合し、乾燥した後290℃で押出機よりシート状に押し出
し無定形シートを得た。次いで該シートを長手方向に90
℃で3.5倍、幅方向に110℃で4.3倍延伸し、210℃で熱処
理を行ない、厚さ15μmの二軸配向ポリエステルフィル
ムを得た。得られたフィルムの幅方向の屈折率は1.67
2、長手方向の屈折率は1.644でその差は0.028であっ
た。また、フィルム表面の微細突起密度は254個/mmであ
った。
得られたフィルムに磁性層を塗布して磁気記録媒体と
し、その特性を評価した。
実施例2 実施例1の架橋高分子粒子の代りに液晶ポリエステルを
用いてフィルムを得た。即ちポリエステル(C)50部の
代りに、ポリエチレンテレフタレート19.4部、p−アセ
トキシ安息香酸18.2部、酢酸マグネシウム0.01部及び三
酸化アンチモン0.01部を混合し、275℃の温度で反応さ
せて得られた、液晶性を有するポリエステル2部と粒子
を含有しないポリエチレンテレフタレート48部を用いて
実施例1のポリエステルフィルムの製造と同様にして厚
み15μmの二軸配向ポリエチレンテレフタレートフィル
ムを得た。
次に該フィルムを用いて実施例1と同様にして磁気記録
媒体を得、その特性を評価した。
実施例3及び4 表−1に示すようにポリエステルフィルムに含有させる
粒子を変更する他は実施例1と同様の操作を行なった。
但し実施例3においては第三成分として平均粒径0.2μ
mの炭酸カルシウム0.5部を、また実施例4においては
第三成分として平均粒径0.3μmの架橋高分子を0.6部フ
ィルムに対して配合した。
比較例1 実施例1において架橋高分子粒子を配合しない他は実施
例1と同様にしてフィルムを得、次いで磁気記録媒体を
得た。
比較例2及び3 表−1に示すようにポリエステルフィルムに含有せしめ
る粒子を変更する他は実施例1と同様の操作を行なっ
た。但し比較例2においては第三成分として平均粒径0.
7μmの架橋高分子をポリエステルに対し3重量%配合
した。また実施例4においては第三成分として実施例2
で用いた液晶ポリエステルをポリエステルに対して20重
量%配合した。
本発明の要件を満す実施例1〜4のフィルムはいずれも
スリット性、電磁気特性等の諸特性に優れ、ドロップア
ウトが著しく低減されているが、微細突起密度が適切で
ない比較例1〜3のフィルムは電磁変換特性やドロップ
アウトの点で不充分であった。
〔発明の効果〕 本発明のフィルムは優れた走行性、電磁変換特性、耐摩
耗性、スリット性および耐擦り傷性を有する高密度磁気
記録用途として有用であり、その工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
第1図はフィルムの耐摩耗性を評価する走行系を示す図
である。(I)は直径6mmのステンレス製の固定ピン、
(II)はテンションメーターを示し、θは135°であ
る。 第2図はフィルムの走行性を評価する走行系を示す図で
ある。(V)は直径6mmのステンレス製の固定ピン、(I
II)および(IV)はテンションメータを示し、θは135
°である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 7:00 4F (72)発明者 滝澤 俊文 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 ダ イアホイル株式会社中央研究所内 (72)発明者 原田 敬 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 ダ イアホイル株式会社中央研究所内 (56)参考文献 特開 昭52−78953(JP,A) 特開 昭62−164733(JP,A) 特開 昭59−227421(JP,A) 特開 昭61−240431(JP,A)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均粒径1μm以下、モース硬度8以上の
    無機粒子(A)を0.1〜2重量%及び平均粒径が粒子
    (A)より大きくモース硬度が5以下の不活性粒子
    (B)を0.05〜2重量%含有するフィルムであって、該
    フィルム表面の微細突起密度が100〜500個/mmであるこ
    とを特徴とする磁気記録媒体用二軸配向ポリエステルフ
    ィルム。
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