JP3227843B2 - ポリエステルフィルム - Google Patents

ポリエステルフィルム

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JP3227843B2
JP3227843B2 JP33453092A JP33453092A JP3227843B2 JP 3227843 B2 JP3227843 B2 JP 3227843B2 JP 33453092 A JP33453092 A JP 33453092A JP 33453092 A JP33453092 A JP 33453092A JP 3227843 B2 JP3227843 B2 JP 3227843B2
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雄三 大谷
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  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気記録媒体として、
優れた走行性、電磁変換特性および耐摩耗性を与えるポ
リエステルフィルムに関する。さらに詳しくは、本発明
はテープ走行時の滑り傷や摩耗粉の発生が極めて少な
く、ドロップアウトの発生が抑制された高密度磁気記録
用ベースフィルムに適したポリエステルフィルムに関す
る。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】ポリ
エステルフィルムは、物理的、化学的特性に優れ、産業
用基材として広く用いられている。このなかでも二軸配
向ポリエチレンテレフタレートフィルムは、特に機械的
強度、寸法安定性、平面性等に優れることから、磁気記
録媒体のベースフィルムとして今や必要不可欠なものと
なっている。近年、磁気記録媒体の改良が急速な勢いで
行われており、これに伴いベースフィルムへの要求も一
段と厳しいものとなってきている。例えばビデオテープ
のように高密度の記録を要するものでは、磁性層の薄膜
化が行われるが、この場合、ベースフィルム自体の凹凸
が磁性層表面に反映され、その程度が大きい場合には電
磁変換特性の低下やドロップアウトの多発を招くように
なる。従ってベースフィルムの表面はより平坦であるこ
とが望まれるが、良く知られているようにフィルムの表
面が平坦になるとフィルムの走行性が悪化するのみなら
ず、フィルムと基材、例えばガイドピンとの間の摩擦、
摩耗が大きくなり、フィルムに擦り傷が発生したり摩耗
粉が生成するようになる。
【0003】このようにポリエステルフィルムの耐摩耗
性が不十分であると、摩耗粉が生成し、電磁変換特性や
ドロップアウトの点において劣るようになる。また、フ
ィルムの耐擦傷性が不十分であると磁性層と塗布前後に
おいてフィルムに傷が入りやすく、それが磁性層表面に
反映されて電磁器的な特性が劣るようになる。さらに削
り取られた白粉状の物質の存在によってもしばしば電磁
気特性が悪化してしまう。
【0004】ポリエステルフィルムの走行性や耐摩耗性
などの表面特性改良する手段として、従来フィルム中に
不活性な微粒子を存在させフィルム表面を適度に粗面化
する方法、具体的にはいわゆる析出粒子法と添加粒子法
とが知られている。析出粒子法とはポリエステル製造工
程において触媒残渣等を微細な粒子としてポリエステル
中に析出させるものであり、操作が簡単でポリマーを安
価に製造することができ、しかも製造時のフィルターラ
イフが長いという長所を有する。さらにポリエステルと
の親和性に優れ、フィルムからの粒子の脱落が少なく、
耐摩耗性においても比較的優れている。しかしながら、
析出粒子の主成分は有機成分であるため耐擦傷性におい
て劣る。一方、添加粒子法とは炭酸カルシウム、カオリ
ン、シリカ、酸化チタン等の微粒子をポリエステル製造
時あるいは成形時に添加、含有させる方法である。この
方法では、一般に粒子とポリエステルとの親和性が欠如
しがちであるが、耐擦傷性の改良には効果があることが
知られている。特に特開平1−306220号公報に記
載されているように、硬度の高い粒子を特定量用いる
と、耐擦傷性や耐摩耗性を著しく向上させ得ることが知
られている。
【0005】かかる硬度の高い粒子を単独あるいは他の
粒子と組み合わせて用いることにより特に磁気テープと
したときに必要な諸特性を改良し得るものの、同時にコ
ストや製造の面で不利な点がある。すなわち、ポリエス
テルフィルムに高硬度粒子を配合する方法においては、
通常特殊な製造方法によって得られる高価な粒子をフィ
ルム全層にわたって充填させなければならないし、また
該粒子を含有する原料ポリエステルの製造に際しても、
粒子の分散を良好にするため低濃度としたエチレングリ
コールスラリーを大量に添加しなければならない。ま
た、高硬度粒子をフィルム全層にわたって充填させると
フィルムスリット時のスリット刃の摩耗が著しい等、装
置や操作ひいては製造コストの面で不都合がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記問題に
鑑み鋭意検討を行った結果、ポリエステルフィルムの製
造工程内で、特定な酸化アルミニウム粒子を含有する塗
布液を塗布して得られるフィルムが優れた特性を有する
ことを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明の要旨は、ポリエステル
フィルムの少なくとも片面に該ポリエステルフィルムの
製膜工程内で設けられた塗布層を有し、該塗布層中に、
1次粒径が5〜40nmの酸化アルミニウムの平均粒径
が30〜800nmの凝集体を0.1〜50重量%含有
することを特徴とするポリエステルフィルムに存する。
【0008】以下、本発明をさらに詳細に説明する 本発明でいうポリエステルとは、テレフタル酸、2.6
−ナフタレンジカルボン酸のような芳香族ジカルボン酸
またはそのエステルと、エチレングリコールを主たる出
発原料として得られるポリエステルを指すが、他の第三
成分を含有していても構わない。この場合、ジカルボン
酸成分としては、例えばイソフタル酸、テレフタル酸、
2.6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸およびセ
バシン酸等を用いることができる。またグリコール成分
としては、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ブタンジオール、1.4−シクロヘキサンジメタノ
ールおよびネオペンチルグリコール等を用いることがで
きる。いずれにしても、本発明でいうポリエステルとは
繰り返し構造単位の80%以上がエチレンテレフタレー
ト単位またはエチレン−2.6−ナフタレート単位を有
するポリエステルを指す。
【0009】また、本発明のポリエステルフィルムと
は、かかるポリエステルを出発原料とするポリエステル
フィルムを指すが、その製造方法としては公知の方法を
採用することができる。例えば、270〜320℃でシ
ート状に溶融押出しした後、40〜80℃で冷却固化
し、無定形シートとした後、80〜150℃で縦、横方
向に面積倍率で4〜20倍となるよう逐次二軸延伸ある
いは同時二軸延伸し、160〜250℃で熱処理する方
法(例えば特公昭30−5639号公報記載の方法)を
利用することができる。縦および横方向の延伸は、各一
段で延伸してもよく、必要に応じ、多段で延伸したり、
多段延伸の間に配向緩和のための熱処理区間を設けたり
することもできる。また、二軸延伸後、次工程の熱処理
工程に供する前に再度延伸してもよい。この再延伸は、
縦横いずれの方向に行うこともできる。
【0010】本発明の最大の特徴はポリエステルフィル
ムに設けられる塗布層中に配合する酸化アルミニウム粒
子の粒径と形態にある。すなわち本発明においては、微
細な1次粒子を適度に凝集させた凝集粒子を用いること
が必要である。塗布層中の凝集粒子は製膜時の延伸応力
やフィルム取扱い作業時の外力に対し、凝集粒子自身の
変形により応力の分散を起こすため塗膜からの粒子の脱
落を起こし難く、また比較的なだらかな突起を与えるた
め、均一な粒子な場合とは異なる耐摩擦摩耗性を与える
ことができる。かかる凝集粒子を用いることの具体的な
利点の1つとして繰り返し走行させた後の摩擦係数を低
く維持し得ることを挙げることができる。フィルムの取
扱い作業性を好ましく保つためにその摩擦係数を低減さ
せることは必要不可欠であるが、本発明者の知るところ
によると均一微細な粒子を用いた場合には、繰り返し走
行させると徐々にその値が増大してしまう。本発明によ
ればこの特性が改良され、実用性がより向上する。
【0011】本発明において凝集体の大きさは30〜8
00nmであり、好ましくは50〜400nmである。
この値が30nm未満であると本発明の改良効果が発揮
できない。また、800nmを超えると、塗布層と接触
する部分に傷が入るようになる。本発明においては、か
かる凝集体を構成する1次粒子の平均粒径は5〜40n
mである。この値が5nm未満であると、凝集体がしば
しば強固な結合を有し、外部応力にによってもほとんど
結合が崩れず、本発明の特有の効果を得難くなる。ま
た、この値が40nmを超える場合には凝集粒子が分
離、脱落し、磁気テープとして用いた場合には電磁気特
性を悪化させてしまう。
【0012】このように本発明においてはある特定の凝
集粒子を用いるが、本発明で用いるにふさわしい酸化ア
ルミニウム粒子としては、例えばいわゆる熱分解法によ
り得られるものを挙げることができる。この粒子は通
常、無水塩化アルミニウムを原料として火焔加水分解で
製造され、一般にその1次粒径は5〜40nmの範囲内
にあるが、しばしば1μmを超える凝集体を形成してい
る。本発明に用いる適度な粒径の凝集体は、例えばかか
る粗大な凝集粒子を粉砕することにより簡便に得ること
ができる。粉砕には、例えば、ロッドミル、ボールミ
ル、振動ロッドミル、振動ボールミル、パンミル、ロー
ラーミル、インパクトミル。攪拌摩砕ミル、流体エネル
ギーミル等を使用することができる。また必要に応じ超
音波分散を施してもよいが、その程度が強力であると一
次粒子あるいはそれに近い状態まで分散されるので注意
を要する。勿論本発明においては分級や濾過等の処理を
併用してもよい。
【0013】このようにして本発明で必要な酸化アルミ
ニウム凝集体を得るが、この場合、酸化アルミニウムの
一部、例えば30重量%未満がSi、Ti、Fe、Na
およびK等の酸化物で置換されても差し支えない。また
これらの粒子は、水性塗料との親和性を改良する等の目
的で、各種の表面処理剤でその表面が変成されていても
よい。本発明においては、主にこれらの粒子を水性塗布
剤の一成分として利用するが、この場合、あらかじめ水
に分散させる必要がある。この際、分散剤を使用するこ
とによれば、水性樹脂との配合安定性を高めることがで
き望ましい。また、配合する粒子は、必要に応じ粉砕、
分級および濾過等の操作を経て水性樹脂に配合される。
【0014】本発明においては、かかる酸化アルミニウ
ム凝集体および水性樹脂を含む塗布液をポリエステルフ
ィルムの製造工程内のフィルムの少なくとも片面に塗布
するが、酸化アルミニウム凝集体の配合量は塗料固形分
濃度で0.1〜50重量%の範囲であり、好ましくは1
〜10重量%の範囲から選択される。配合量が0.1重
量%未満では耐擦傷性が改良されず、50重量%を超え
ると塗布層の機械的強度が悪化する。
【0015】このように本発明においては、ある特定の
酸化アルミニウム凝集体を塗工することにより、金属ピ
ンをはじめとする基材と接触したとき、フィルムに傷が
入り難く、また磁性面と接触したとき、その面を傷つけ
難いという極めて優れた摩耗特性を有するフィルムを得
ることができる。なお、得られたフィルムは繰り返し走
行させた後もその摩擦係数が初期とほとんど変わらない
という優れた特徴を有するが、その絶対値を低く維持す
るためたの粒子を併用してもよい。併用できる粒子の具
体例を挙げれば、カオリン、タルク、カーボン、硫化モ
リブデン、石膏、岩塩、炭酸カルシウム、硫酸バリウ
ム、フッ化リチウム、フッ化カルシウム、ゼオライト、
リン酸カルシウム、二酸化珪素、二酸化チタンや耐熱性
の高分子微粉体を挙げることもできる。これらの添加粒
子の平均粒径は酸化アルミニウム凝集体のそれより大き
く、0.1〜3μmの範囲から、また塗料固形分に対す
る配合量は0.5〜40重量%の範囲から選択すること
が好ましい。
【0016】本発明の塗布層のバインダーには、通常、
水性樹脂を用いるが、ここでいう水性樹脂とは、ポリエ
ステルフィルムの表面に塗工された後の磁気記録材料の
製造工程や、磁気記録材料に加工された後の高温高湿下
の使用環境に耐えうる耐熱性、耐湿性を有し、また、こ
の層を下塗り層として磁性層やバックコート層などの上
塗り層が塗られる場合にはその層との接着性に優れる樹
脂であり、例えばポリエステル、ポリアミド、ポリスチ
レン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリアリ
レート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビ
ニルブチラール、ポリビニルアルコール、ポリウレタン
などの樹脂およびこれらの樹脂の共重合体や混合体など
の中から選ぶことができるが、これらに限定されるもの
ではない。これらの中で最も好ましい樹脂は、ポリエス
テル系樹脂である。
【0017】かかるポリエステル系樹脂を構成する成分
として下記のような多価カルボン酸および多価ヒドロキ
シ化合物を例示できる。すなわち、多価カルボン酸とし
ては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、
フタル酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、2,5
−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカル
ボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、2−カ
リウムスルホテレフタル酸、5−ソジウムスルホイソフ
タル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデ
カンジカルボン酸、グルタル酸、コハク酸、トリメリッ
ト酸、トリメシン酸、無水トリメリット酸、無水フタル
酸、p−ヒドロキシ安息香酸、トリメリット酸モノカリ
ウム塩およびそれらのエステル形成性誘導体などを用い
ることができ、多価ヒドロキシ化合物としては、エチレ
ングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3
−プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、
2−メチル−1,5−ペンタンジオール、ネオペンチル
グリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、p
−キシリレングリコール、ビスフェノールA−エチレン
グリコール付加物、ジエチレングリコール、トリエチレ
ングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリテ
トラメチレンオキシドグリコール、ジメチロールプロピ
オン酸、グリセリン、トリメチロールプロパン、ジメチ
ロールエチルスルホン酸ナトリウム、ジメチロールプロ
ピオン酸カリウムなどを用いることができる。
【0018】これらの化合物のなかから、それぞれ適宜
1つ以上を選択し、常法の重縮合反応によりポリエステ
ル系樹脂を合成する。なお、上記のほか、特開平1−1
65633号公報に記載されている、いわゆるアクリル
グラフトポリエステルや、ポリエステルポリオールをイ
ソシアネートで鎖延長したポリエステルポリウレタンな
どのポリエステル成分を有する複合高分子も本発明でい
うポリエステル系樹脂に含まれる。本発明における水性
樹脂は、水を70重量%以上含有する液体を媒体とし、
界面活性剤などによって強制分散化した塗布剤であって
もよいが、好ましくはポリエ−テル類のような親水性の
ノニオン成分や、四級アンモニウム塩のようなカチオン
性基を有する自己分散型塗布剤であり、さらに好ましく
は、アニオン性基を有する水溶性または水分散性樹脂塗
布剤である。
【0019】アニオン性基を有する樹脂とは、アニオン
性基を有する化合物を共重合やグラフトなどにより樹脂
に結合させたものであり、スルホン酸、カルボン酸、リ
ン酸およびそれらのリチウム塩、ナトリウム塩、カリウ
ム塩、アンモニウム塩等から適宜選択される。アニオン
性基の塗料固形分に対する割合は、0.05〜8重量%
の範囲が好ましい。アニオン性基量が0.05重量%未
満では、樹脂の水溶性あるいは水分散性が悪く、アニオ
ン性基量が8重量%を超えると、塗布層の耐水性や吸湿
性の点で問題が生じることがある。
【0020】本発明における塗布層を得るための塗布液
には、塗布層の固着性(ブロッキング性)、耐水性、耐
溶剤性、機械的強度の改良のために、架橋剤としてメチ
ロール化あるいはアルキロール化した尿素系、メラミン
系、グアナミン系、アクリルアミド系、ポリアミド系な
どの化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、ブロ
ックポリイソシアネート、シランカップリング剤、チタ
ンカップリング剤、ジルコ−アルミネート系カップリン
グ剤、過酸化物、熱または光反応性のビニル化合物や感
光性樹脂などを含有してもよい。さらに、必要に応じ
て、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、帯電防止剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、発泡剤、染料、顔料などを含有
していてもよく、それらを配合した系でも本発明の効果
は充分に発揮される。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の
実施例によって限定されるものではない。なお、本発明
における各種の物性および特性の測定方法、定義は下記
のとおりである。また、実施例および比較例中、「部」
とあるのは「重量部」を示す。
【0022】(1)平均粒径 塗布層中の一次粒子および凝集体の粒径は、塗布層断面
を透過電子顕微鏡で観察することにより求めた。平均粒
径は等価球換算値の積算体積分率50%の直径を平均粒
径とした。なお、乾粉およびスラリー中の粒子について
は走査型電子顕微鏡を用いて粒径を求めた。 (2)中心線平均粗さ(Ra) JIS B0601−1976記載の方法に従って行な
った。測定には(株)小坂研究所製表面粗さ計(SE−
3F)を用いた。触針径2μm、触針荷重30mg、カ
ットオフ値0.08mm、測定長0.8mmの条件で、
中心線平均粗さを求めた。これを12か所の測定点で行
ない、このうち最大値と最小値をそれぞれカットし、1
0点の平均値を求めてRaとした。
【0023】(3)走行性 平滑なガラス板上に、幅15mm,長さ150mmに切
り出したフィルム同士を2枚重ね、その上にゴム板をの
せ、さらにその上に荷重をのせ、2枚のフィルムの接圧
を2g/cm2 として、20mm/minでフィルム同
士を滑らせて摩擦力を測定した。5mm滑らせた点での
摩擦係数を動摩擦係数(F/F μd)とし、以下の基
準で判定した。 A・・・・・・・μd≦0.5 B・・・0.5<μd≦0.8 C・・・・・・・μd>0.8
【0024】(4)摩耗特性 硬質クロム製固定ピンにフィルムを接触させながら10
00m走行させ、硬質クロム製固定ピンに付着する摩耗
白粉を目視観察し、以下の○、△、×の3段階で評価し
た。なお、フィルム速度は13m/minとし、張力は
約200g,ピンへのフィルムの巻き付け角度は135
°とした。 A・・・白粉発生なし B・・・白粉発生量小 C・・・白粉発生量大
【0025】(5)耐擦傷性 ポリエステルフィルムを硬質クロム製固定ピン(直径6
mm、表面粗さ3S)に巻き付け角135度、張力20
0gで接触させ、速度13m/minで100m走行さ
せた。次いでポリエステルフィルムの固定ピンとの接触
面にアルミニウムを蒸着し、傷の程度を目視判定し次の
ランクに分けた。 A・・・ほとんど傷がついていない B・・・少し傷が認められるが、満足すべきレベル C・・・傷の量比較的少なく、深い傷はわずかである D・・・傷の量が比較的多く所々深い傷がある E・・・傷の量が多くまたしばしば深い傷がある
【0026】(6)電磁気特性 まず、磁性微粉末200部、ポリウレタン樹脂30部、
ニトロセルロース10部、塩酢ビ共重合体10部、レシ
チン5部、シクロヘキサノン100部およびメチルエチ
ルケトン300部をボールミルにて48時間混合分散
後、ポリイソシアネート化合物5部を加えて磁性塗料と
し、これをポリエステルフィルムに塗布した後、塗料が
十分乾燥固化する前に磁気配向させ、次いで乾燥して、
厚さ5μmの磁性層を有するフィルムを得た。この塗布
フィルムをスーパーカレンダーにて表面処理を施し、1
/2インチ幅にスリットしてビデオテープとした。この
ビデオテープを松下電気(株)製NV−3700型ビデ
オデッキにより常速にて下記の磁気テープ特性を評価し
た。 VTRヘッド出力 シンクロスコープにより測定周波数4メガヘルツにおけ
るVTRヘッド出力を測定し、基準テープを0.0デシ
ベル(dB)とし、その相対値を(dB)を測定した。 ドロップアウト(DO)数 4、4メガヘルツの信号を記録したビデオテープを再生
し、大倉インダストリー(株)製ドロップアウトカウン
ターでドロップアウト数を約20分間測定し、1分間当
たりのドロップアウト数に換算した。
【0027】実施例1 ジメチルテレフタレート100部、エチレングリコール
60部および酢酸マグネシウム4水塩0.09部を加熱
昇温するとともにメタノールを留去してエステル交換反
応を行い、反応開始から4時間を要して230℃まで昇
温し、実質的にエステル交換反応を終了させた。次い
で、エチルアシッドホスフェート0.04部を添加し、
さらに、三酸化アンチモン0.04部を加えて重縮合反
応を行い、4時間30分後、極限粘度0.660のポリ
エチレンテレフタレートを得た。得られたポリエステル
を乾燥後、290℃で溶融押出し、無定形シートとした
後、縦方向に90℃で3.5倍延伸後、次に示す酸化ア
ルミニウム粒子含有塗料をバーコート法にて乾燥延伸後
塗布厚さ0.1μmとなるように塗工し、次いで横方向
に110℃で3.7倍延伸し、210℃で3秒間熱処理
を行い、厚さ15μmのフィルムを得た。
【0028】酸化アルミニウム粒子含有塗料 酸化アルミニウム(一次粒径20nm、平均粒径80n
m)3重量部;ポリエステル樹脂(互応化学製プラスコ
ートZ−461)97重量部;水900重量部なお、酸
化アルミニウム粒子凝集体は分散剤と共に9倍量の水に
分散させ、さらにサンドグラインダーで徐々に分散させ
ることにより所定の平均粒径を有する凝集体スラリーと
して上記塗料に用いた。
【0029】実施例2 実施例1において酸化アルミニウム粒子含有塗料を次に
示すものに変えるほかは実施例1と同様にして二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。 酸化アルミニウム粒子含有塗料 酸化アルミニウム(一次粒径20nm、平均粒径80n
m)10重量部;ポリエステル樹脂(互応化学製プラス
コートZ−461)90重量部;水900重量部
【0030】実施例3 実施例1において酸化アルミニウム粒子含有塗料を次に
示すものに変えるほかは実施例1と同様にして二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。 酸化アルミニウム粒子含有塗料 酸化アルミニウム(一次粒径20nm、平均粒径400
nm)10重量部;ポリエステル樹脂(互応化学製プラ
スコートZ−461)90重量部;水900重量部
【0031】比較例1 実施例1において酸化アルミニウム粒子含有塗料を次に
示すものに変えるほかは実施例1と同様にして二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。 酸化アルミニウム粒子含有塗料 酸化アルミニウム(一次粒径20nm、平均粒径25n
m)10重量部;ポリエステル樹脂(互応化学製プラス
コートZ−461)90重量部;水900重量部
【0032】比較例2 実施例1において酸化アルミニウム粒子含有塗料を次に
示すものに変えるほかは実施例1と同様にして二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。 酸化アルミニウム粒子含有塗料 酸化アルミニウム(一次粒径20nm、平均粒径100
0nm)10重量部;ポリエステル樹脂(互応化学製プ
ラスコートZ−461)90重量部;水900重量部
【0033】比較例3 実施例1において酸化アルミニウム粒子含有塗料を次に
示すものに変えるほかは実施例1と同様にして二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。 酸化アルミニウム粒子含有塗料 酸化アルミニウム(一次粒径20nm、平均粒径80n
m)60重量部;ポリエステル樹脂(互応化学製プラス
コートZ−461)40重量部;水900重量部
【0034】比較例4 実施例1において酸化アルミニウム粒子含有塗料を次に
示すものに変えるほかは実施例1と同様にして二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。 酸化アルミニウム粒子含有塗料 酸化アルミニウム(一次粒径350nm、平均粒径35
0nm)10重量部;ポリエステル樹脂(互応化学製プ
ラスコートZ−461)90重量部;水900重量部
【0035】比較例5 実施例1において酸化アルミニウム粒子含有塗料を次に
示すものに変えるほかは実施例1と同様にして二軸延伸
ポリエチレンテレフタレートフィルムを得た。 シリカ粒子含有塗料 シリカ粒子(一次粒径30nm、平均粒径90nm)1
0重量部;ポリエステル樹脂(互応化学製プラスコート
Z−461)90重量部;水900重量部 以上、得られた結果をまとめて下記表1および2に示
す。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】本発明の要件を満たす実施例1〜3のフィ
ルムはいずれも走行性耐摩耗性に優れ、また特に耐擦傷
性に優れるので電磁気特性において高度に満足すべきレ
ベルにある。これに対し、比較例1は、酸化アルミニウ
ム凝集体の粒径が小さすぎて耐擦傷性、耐摩耗性等が改
良できず磁気テープとした場合のドロップアウトに劣
る。比較例2は酸化アルミニウム凝集体の粒径が大きす
ぎてS/Nが悪い。比較例3は、アルミナ粒子の配合量
が本発明の要件を超える場合の例であるが、塗布層の機
械的強度の悪化のために耐擦傷性の低下を起こす。比較
例4は一次粒子の大きな酸化アルミニウムを使用した例
で、この場合は耐摩耗性およびS/N良好とは言えな
い。比較例5はアルミナ粒子の代わりにシリカ粒子を配
合した場合の例であるが、この粒子はアルミナ粒子ほど
耐擦傷性の改良効果がないことが分かる。
【0039】
【発明の効果】本発明のフィルムは、優れた耐摩耗性お
よび耐擦傷性を有するものであり、その工業的価値は高
い。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 7/04 - 7/06 C09D 1/00 - 201/10 B32B 27/00 - 27/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルフィルムの少なくとも片面
    に該ポリエステルフィルムの製膜工程内で設けられた塗
    布層を有し、該塗布層中に、1次粒径が5〜40nmの
    酸化アルミニウムの平均粒径が30〜800nmの凝集
    体を0.1〜50重量%含有することを特徴とするポリ
    エステルフィルム。
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