JPH06313678A - 穀物乾燥貯蔵庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 送風機は乾燥貯蔵庫底部側の通風室内に収蔵
し、熱源装置は庫外に設置して静音状態のもとに乾燥貯
蔵作業が有効的に達成できるようにするとともに、風雨
による腐蝕を防止し耐久性の増大を図る許りか、切替ダ
ンパーおよびダンパーの単なる切替作動で加温空気また
は外気を堆積穀物に対し下方より上方あるいは上方より
下方に向け流通せしめて過乾状態となることなく均一に
乾燥せしめたり、あるいは同一の乾燥貯蔵庫を利用して
乾燥穀物を品質を損なうことなく食味良好な状態のもと
に長期に亘り貯蔵することができる。 【構成】 屋外型の乾燥貯蔵庫１の底部側に設けた通風
室２内に、吸気側が庫外に設置された熱源装置１７と導
風路１６を介し接続した送風機８を収蔵する。そして送
風機８の吐出側は、切替ダンパー２１の切替作動で通風
室２あるいは外部と接続したものである。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、熱交換作用によって得
られた加温空気を屋外型の乾燥貯蔵庫内に収容した穀物
に対し下方より上方、あるいは上方より下方に向け随時
流通せしめて穀物を均一水分に乾燥せしめるとともに、
乾燥された穀物を品質を損なうことなく食味良好な状態
のもとに長期に亘り貯蔵することができる穀物乾燥貯蔵
庫に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、タンク（穀槽）内に張込まれた穀
粒を、張込用コンベア、竪軸オーガー、穀粒搬送装置お
よび揚穀機を作動させて、穀粒を循環流動させながら熱
風発生装置により得られた乾燥風を通風床を介して上方
に向け流通せしめて乾燥し、次いで穀粒が所定水分まで
乾燥されたら、張込用コンベア、竪軸オーガー、穀粒搬
送装置および揚穀機の運転を停止して穀粒を静止状態と
したもとで、自然風を下方より上方に向け流通せしめて
仕上げ乾燥を行いながら穀粒を貯蔵するようにした穀粒
の乾燥方法は、本出願前例えば特公昭６３−４０５７９
号公報に記載されていて公知である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、従前のこの
種乾燥方法においては、乾燥風および自然風を通風床全
面より上方に向け一方送風させながら穀粒の乾燥作業お
よび貯蔵作業を行っていたものである。しかしながら、
穀槽内には相当量の穀粒が高く堆積された状態のもとに
収容されているので、如何に穀粒を揚穀機を介し循環流
動せしめたり、あるいは竪軸オーガーにより攪拌流動せ
しめても、通風床全面より上方に向け強制的に圧送され
る乾燥風が強く噴き当たる下層の穀粒は上層の穀粒より
も早く乾燥されるという現象、および循環乾燥作業時に
通風床上を自転しながら公転する横軸オーガーと竪軸オ
ーガーの下端が衝突しないようにするために、通風床上
に横軸オーガーの高さと略同じ高さに堆積された穀粒は
未攪拌状態となるという現象、さらに、堆積穀粒層中に
何等かの原因である大きさの通風路が一旦形成された場
合には、圧送風がこの通風路より上方に吹き抜け通風床
全面より均一な圧送風を上方に向け送風することができ
ないという現象等により、下層の穀粒が過乾状態となる
許りか、火炉および送風機とからなる熱風発生装置は、
屋外に設置されている関係で、乾燥貯蔵作業中における
騒音が大きく、騒音公害を起こすは勿論のこと、風雨に
よって腐蝕されるため故障が多く発生し、耐久性に乏し
いという問題点があった。

【０００４】本発明は、通風室内に送風機を収蔵し、熱
源装置は庫外に設置して静音状態のもとに乾燥貯蔵作業
が有効的に達成できるようならしめるとともに、風雨に
よる腐蝕を防止し、耐久性の増大を図る許りか、切替ダ
ンパーおよびダンパーの単なる切替作動で加温空気また
は外気を堆積穀物に対し下方より上方あるいは上方より
下方に向け流通せしめて過乾燥状態となることなく均一
に乾燥せしめたり、あるいは同一の乾燥貯蔵庫を利用し
て乾燥穀物を品質を損なうことなく食味良好な状態のも
とに長期に亘り貯蔵することができる穀物乾燥貯蔵庫を
提供することを目的としている。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の穀物乾燥貯蔵庫においては、第１項の発明
を、屋外型の乾燥貯蔵庫の底部側に設けた通風室内に、
吸気側が庫外に設置された熱源装置と導風路を介し接続
した送風機を収蔵するとともに、前記送風機の吐出側
は、切替ダンパーの切替作動で通風室あるいは外部と接
続せしめたものである。

【０００６】また、第２項の発明を、屋外型の乾燥貯蔵
庫の底部側に設けた通風室内に、吸気側が庫外に設けら
れ、かつ内部に熱源装置を備えた熱交換室と導風路を介
し接続した送風機を収蔵し、前記送風機の吐出側は、切
替ダンパーの切替作動で通風室あるいは外部と接続さ
せ、前記乾燥貯蔵庫の上部に一端を接続した連結ダクト
の下端側は熱交換室に接続せしめるとともに、通風室内
に位置した導風路の途中には開閉口自在の吸込口を設け
たものである。

【０００７】そして、第３項の発明を、熱交換室に接続
した連結ダクトの下端側には、吸気口と圧送排気口とを
開口せしめるとともに、前記吸気口および圧送排気口は
ダンパーの切替作動で交互に切替開口したものである。

【０００８】

【作用】図１および図２において、加温空気を通風室全
面より乾燥貯蔵庫内の堆積穀物に対し下方より上方（実
線矢印方向）に向け圧送流通せしめて乾燥作業を行いた
いときには、先ず切替ダンパー２１の切替作動で送風機
の吐出側を通風室と接続状態にするとともに、ダンパー
２５の回動操作で吸気口を閉じ、圧送排気口を開口する
と同時に、導風路の途中に設けた吸込口をダンパー２７
の回動操作で閉口せしめる。

【０００９】次いで、上記の状態のもとで乾燥貯蔵庫内
に所定量の穀物を収容した後、送風機および熱源装置を
運転すれば、送風機の吸引作用により熱源装置を通って
導風路内に吸引された外気は熱源装置との熱交換により
適当温度の加温空気となりながら送風機の吐出側から通
風室内に圧送されるとともに、前記加温空気は通風室全
面より堆積穀物に対し下方より上方に向け圧送された
後、連結ダクトを通って最後に圧送排気口より外部に排
気される。

【００１０】したがって、乾燥貯蔵庫内に収容された穀
物は、下方より上方に向け流通する加温空気により所定
水分に乾燥される。そして、上述の操作で乾燥された穀
物を同一の乾燥貯蔵庫を利用して貯蔵したいときには、
上述の状態で熱源装置の運転を停止し、外気のみを乾燥
穀物に対し下方より上方に向け流通せしめれば、乾燥穀
物は品質の低下を招くことなく長期に亘り貯蔵される。

【００１１】次に、図１および図２において加温空気を
堆積穀物に対し上方より下方（鎖線矢印方向）に向け吸
引流通せしめて乾燥作業を行いたいときには、先ず切替
ダンパー２１の切替作動で送風機の吐出側と通風室との
接続を断って送風機の吐出側を吸引排気口を経て外部と
接続させるとともに、ダンパー２５の回転操作で吸気口
を開口し、圧送排気口を閉じ、次いで吸込口をダンパー
２７の回動操作で開口すると同時に、導風路を閉鎖した
状態のもとで送風機および熱源装置を運転する。

【００１２】さすれば、送風機の吸引作用で熱交換室内
において熱源装置と熱交換された加温空気は、吸気口よ
り連結ダクトを通って乾燥貯蔵庫の上部側に吸引された
後、堆積穀物に対し上方より下方に向け吸引流通し通風
室内に吸引される。そして、通風室内に吸引された乾燥
に供された以後の排塵風は吸込口より送風機の吸気側に
吸引された後、吐出側より排気口を経て外部に向け排塵
される。

【００１３】したがって、乾燥貯蔵庫内に収容された穀
物は上方より下方に向け吸引流通する加温空気により所
定水分に乾燥される。そして、上述の操作で乾燥された
穀物を同一の可能貯蔵庫を利用して貯蔵したいときに
は、上述の状態で熱源装置の運転を停止し、外気のみを
乾燥穀物に対し上方より下方に向け吸引流通せしめれ
ば、乾燥穀物は品質の低下を招くことなく長期に亘り貯
蔵される。

【００１４】上述の如く加温空気の流通方向が切替ダン
パー２１あるいはダンパー２５，２７の操作で簡単に圧
送方向あるいは吸引方向に変向させることができるの
で、穀物の乾燥状態に応じて送風方向を随時圧送方向あ
るいは吸引方向に流通せしめて穀物を均一に乾燥させた
り、または貯蔵することができる。

【００１５】

【実施例】実施例について図面を参照して説明する。図
１ないし図３に示されたものは、本発明の穀物乾燥貯蔵
庫の実施例を示すものであって、図１は一部を切欠した
縦断正面図、図２は一部を切欠した要部の縦断拡大正面
図、図３は一部を切欠した要部の横断拡大平面図であっ
て、１は、屋外に設置した円筒状の乾燥貯蔵庫であっ
て、前記乾燥貯蔵庫１内の底部側には通風室２を介して
多孔板状の通風床３を水平に敷設して、通風床３の上方
に穀物を収容する乾燥室４が設けられている。通風床３
の上部には通風床３の上面を自転しながら公転する横軸
排出オーガー５を水平に設けて、乾燥室４内の穀物を通
風床３の中心位置に開口した排出口６へ向け搬送すると
ともに、前記横軸排出オーガー５の下方位置には横軸排
出オーガー５により排出口６まで移送されてきた穀物を
受け継いで乾燥貯蔵庫１外に搬送するためのコンベア式
の搬送ベルト７が回転自在に懸回されている。前記通風
室２の内部には圧送型式の送風機８が収蔵設置されてい
る。９は、穀物を乾燥貯蔵庫１内に投入するための投入
装置である。前記乾燥室４内には、基端部を公転回動の
軸心とし、他端部を乾燥貯蔵庫１の側壁１０内周面に設
けた環状案内レール１３に沿って公転する水平軸１２
と、前記水平軸１２に沿って中心部と側壁１０との間を
往復移動しながら自転する複数の竪軸オーガー１４とか
らなる攪拌混合装置１１が収設されている。１５は、乾
燥貯蔵庫１の下部一側に設けた熱交換室であって、前記
送風機８の吸気側に一端が接続された導風路１６の他端
側を熱交換室１５に接続せしめるとともに、熱交換室１
５内には、外部より熱交換室１５を通って導風路１６内
を送風機８の吸気側に吸引された外気を熱交換作用で加
温空気とするためのヒータ等からなる熱源装置１７が設
置されている。したがって、通風室２内に送風機８が収
蔵され、熱源装置１７が庫外に設置されることで送風機
８による騒音公害を防止するとともに、風雨による腐蝕
を無くし耐久性の増大を達成できる。送風機８の吐出側
に接続された吐出路１８の先端側の排気口１９は外部に
開口されるとともに、吐出路１８の途中には圧送吐出口
２０を開口して、圧送吐出口２０の開口位置の吐出路１
８内に回動調節自在に軸架した切替ダンパー２１により
吐出路１８を閉鎖したときのみ開口して送風機８より吐
出された加温空気を通風室２内に圧送せしめる。２２
は、上端側が乾燥貯蔵庫１の上部側に、また、下端側が
吸気口２３を経て熱交換室１５にそれぞれ接続された連
結ダクトであって、前記吸気口２３を開口した連結ダク
ト２２の下部には圧送排気口２４が開口されている。そ
して、吸気口２３と圧送排気口２４との開口境界位置の
連結ダクト２２内には回動調節自在のダンパー２５を軸
架して、ダンパー２５の切替作動により吸気口２３と圧
送排気口２４とを交互に切替開口せしめる。２６は、通
風室２内に位置した導風路１６の適所に開口した吸込口
であって、該吸込口２６は、導風路１６内に回動調節自
在に軸架したダンパー２７により導風路１６を閉鎖状態
としたときに開口され、また、導風路１６を導通状態と
したときに閉口されるように構成されている。

【００１６】

【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。送
風機を乾燥貯蔵庫の底部側に設けた通風室内に収蔵し、
熱源装置は庫外に設置し、送風機と熱源装置とを導風路
を介し接続したので、乾燥貯蔵庫内に収容した穀物を熱
源装置との熱交換で起成された加温空気の圧送作用によ
り乾燥せしめたり、あるいは乾燥穀物の貯蔵作業時にあ
っても、前記乾燥作業あるいは貯蔵作業を騒音公害を発
生させることなく静音状態のもとに効率よく達成させる
ことができる許りか、送風機が風雨により腐蝕されるの
を未然に防止でき、故障発生もなく耐久性の増大を図る
ことができる。その上、本発明においては、送風機によ
る送風方向を切替ダンパーおよびダンパーの切替作動で
圧送方向あるいは吸引方向となるよう変向調節せしめて
乾燥貯蔵庫内に収容した穀物に対し加温空気を下方より
上方に、また上方より下方に向け随時正確に流通させな
がら乾燥せしめ、下層部の穀物あるいは上層部の穀物の
みが過乾燥状態となることを確実に防止し、穀物全体を
均一に乾燥することができるは勿論のこと、同一の乾燥
貯蔵庫を利用し外気の圧送通風作用および吸引通風作用
の併用作用により乾燥穀物を品質を損なうことなく食味
良好な状態のもとに長期に亘り貯蔵することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一部を切欠した穀物乾燥貯蔵庫の縦断正面図で
ある。

【図２】一部を切欠した穀物乾燥貯蔵庫における要部の
縦断拡大正面図である。

【図３】一部を切欠した穀物乾燥貯蔵庫における要部の
横断拡大平面図である。

【符号の説明】

１ 穀物乾燥貯蔵庫 ２ 通風室 ８ 送風機 １５ 熱交換室 １６ 導風路 １７ 熱源装置 １８ 吐出路 １９ 排気口 ２０ 圧送吐出口 ２１ 切替ダンパー ２２ 連結ダクト ２３ 吸気口 ２４ 圧送排気口 ２５ ダンパー ２６ 吸込口 ２７ ダンパー

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 屋外型の乾燥貯蔵庫の底部側に設けた通
   風室内に、吸気側が庫外に設置された熱源装置と導風路
   を介し接続した送風機を収蔵するとともに、前記送風機
   の吐出側は、切替ダンパーの切替作動で通風室あるいは
   外部と接続せしめたことを特徴とする穀物乾燥貯蔵庫。
2. 【請求項２】 屋外型の乾燥貯蔵庫の底部側に設けた通
   風室内に、吸気側が庫外に設けられ、かつ内部に熱源装
   置を備えた熱交換室と導風路を介し接続した送風機を収
   蔵し、前記送風機の吐出側は、切替ダンパーの切替作動
   で通風室あるいは外部と接続させ、前記乾燥貯蔵庫の上
   部に一端を接続した連結ダクトの下端側は熱交換室に接
   続せしめるとともに、通風室内に位置した導風路の途中
   には開閉口自在の吸込口を設けたことを特徴とする穀物
   乾燥貯蔵庫。
3. 【請求項３】 熱交換室に接続した連結ダクトの下端側
   には、吸気口と圧送排気口とを開口せしめるとともに、
   前記吸気口および圧送排気口はダンパーの切替作動で交
   互に切替開口したことを特徴とする請求項２記載の穀物
   乾燥貯蔵庫。