JP3252535B2 - 穀粒乾燥機の送風室装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、穀粒乾燥機の送風室
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来は、穀粒貯留室から穀粒乾燥網間に
形成する複数列の穀粒乾燥室へ繰出しバルブの回転駆動
で穀粒は、繰出し流下されて循環されながら、熱風装置
から発生する乾燥風は、該乾燥室間に形成する送風室を
経て該乾燥室を通過することにより、循環中の穀粒はこ
の乾燥風に晒されて乾燥される。

【０００３】この乾燥作業中に乾燥網より落下する塵埃
等は、送風室の底板上へ堆積するが、この堆積した塵埃
の清掃は、この底板の掃除口の上側に設けた掃除蓋を取
り外して、この掃除口よりこの塵埃を下部に落下させて
清掃する方式の送風室装置であった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】穀粒乾燥機の穀粒貯留
室内へ収容された穀粒は、この貯留室から穀粒乾燥網間
に形成する各穀粒乾燥室へ各繰出バルブの回転駆動によ
り、繰出し流下されて循環されながら、熱風装置から発
生する乾燥風は、該乾燥室間に形成する送風室を経て該
乾燥室を通過することにより、循環中の穀粒はこの乾燥
風に晒されて乾燥される。

【０００５】この乾燥作業中に乾燥網より落下した塵埃
は、送風室の底板上へ堆積するが、この堆積した塵埃を
除去して清掃を行うときは、該底板の掃除口の上側に設
けた掃除蓋を取り外して、この掃除口よりこの塵埃を下
部へ落下させて清掃する。この清掃の容易化を図ると共
に、乾燥網下部の補強の簡略化を図り、又コスト低減を
図ろうとするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】この発明は、上部の穀粒
貯留室８から下部の穀粒乾燥網１０，１０間に形成する
複数列の穀粒乾燥室９へ繰出バルブ１３の回転駆動で穀
粒を繰出し流下させながら、該乾燥室９へ熱風装置４か
ら発生する乾燥風を該乾燥室９，９間に形成する送風室
１２を経て該乾燥室９へ通風すべく設け、該送風室１２
の底板１６の左右両側端には前後方向に亘って穀粒を流
下案内するガイド部１７，１７を下方へ傾斜すべく設け
ると共に、開口部１８を前後方向に亘って所定幅に設
け、この開口部１８の左右両側の一方側端部には前後方
向に亘って下方へ折曲する垂直部１９ａから更に内側へ
向けて傾斜する傾斜部２０を形成する受ガイド部２１ａ
を設け、他方側端部には前後方向に亘って下方へ向けて
折曲する垂直部１９ｂを形成する受ガイド部２１ｂを設
け、該開口部１８には回動自在な箱形状の開閉弁２２を
軸支して設け、該開閉弁２２の一方側の側壁部２３ａ下
端縁を該受ガイド部２１ａの該傾斜部２０に接触させ、
他方側の側壁部２３ｂ下部の横方向へ折曲する折曲部２
４は該受ガイド部２１ｂの該垂直部１９ｂ下端縁２６と
接触させ、前記開閉弁２２の回動中心を側壁部２３ｂ寄
りで、折曲部２４位置より下方に位置させたことを特徴
とする。

【０００７】

【発明の作用】穀粒乾燥機の穀粒貯留室８内へ収容され
た穀粒は、この貯留室８から穀粒乾燥網１０，１０間に
形成する各穀粒乾燥室９へ各繰出バルブ１３の回転駆動
により、繰出し流下されて循環されながら、熱風装置４
から発生する乾燥風は、該各乾燥室９，９間に形成する
送風室１２を経て該各乾燥室９を通過することにより、
循環中の穀粒はこの乾燥風に晒されて乾燥され、仕上目
標水分に達すると乾燥が終了したとして該乾燥機は自動
停止制御されて、穀粒の乾燥が停止される。

【０００８】この乾燥作業中に各乾燥網１０より落下し
た塵埃は、送風室１２の底板１６の左右両側部上及び開
閉弁２２上へ堆積するが、この堆積した塵埃を除去する
ときは、該底板１６の開口部１８に設けた該開閉弁２２
を回動中心から、この開閉弁２２の側壁部２３ｂ下部の
折曲部２４を下方へ回動させて、該側壁部２３ａを上部
へ回動させ、この開閉弁２２上へ堆積した塵埃は、この
開閉弁２２上を流下して、該開口部１８から下部へ落下
され、又該底板１６の左右両側部に堆積する塵埃は、該
開口部１８から下部へ落下させて清掃する。

【０００９】

【発明の効果】この発明により、送風室１２の底板１６
の開口部１８に設けた開閉弁２２を回動させることによ
り、この開閉弁２２上に堆積する塵埃は、落下して清掃
ができることにより清掃が簡単であり、又該底板１６の
左右両側部にガイド部１７，１７を設けたことにより、
この各ガイド部１７，１７へ各穀粒乾燥網１０，１０の
下部を装着できることにより、この各乾燥網１０，１０
の補強が簡略化できると共に、コスト低減ができ、又こ
の各乾燥網１０，１０の組付けが容易になった。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図例は、穀粒を乾燥する循環型の穀粒乾燥機１
に穀粒の水分を検出する水分センサ２及び乾燥風が発生
するバーナ３を内装する熱風装置４等を装着した状態を
示すものである。

【００１１】前記乾燥機１は、前後方向に長い長方形状
で機壁５上部には、移送螺旋を回転自在に内装した移送
樋６及び天井板７を設け、この天井板７下側には穀粒を
貯留する穀粒貯留室８を形成している。穀粒乾燥室９
は、左右両側の穀粒乾燥網１０，１０間に形成して、該
貯留室８下側において、左右両側の排風室１１，１１と
中央の送風室１２との間に２列設け、これら乾燥室９，
９下部には、穀粒を繰出し流下させる繰出バルブ１３を
夫々回転自在に軸支している。

【００１２】集穀樋１４は、移送螺旋を回転自在に軸支
し、各乾燥室９，９下側に設けて連通させている。前記
送風室１２は、内側の乾燥網１０，１０間に設け、上部
は山形状の案内板１５を設け、下部は底板１６を設け、
この底板１６の左右両側端には前後方向に亘って穀粒を
乾燥室９から流下案内するガイド部１７，１７を繰出バ
ルブ１３，１３上へ下り傾斜させて設けると共に、開口
部１８を左右両側及び前後両側に所定幅を残して設け、
この開口部１８の左右両側の一方側（左側）端部には前
後方向に亘って下方へ向けて折曲した垂直部１９ａから
更に内側へ向けて傾斜する傾斜部２０を形成した受ガイ
ド部２１ａを設けている。又他方側（右側）端部には前
後方向に亘って下方へ向けて折曲した垂直部１９ｂを形
成した受ガイド部２１ｂを設けた構成としている。

【００１３】開閉弁２２は、箱形状に形成して、底板１
６開口部１８に回動自在に設け、この開閉弁２２の一方
側（左側）には側壁部２３ａを設け、他方側（右側）に
は側壁部２３ｂを設け、この側壁部２３ｂの下部に横方
向へ折曲する折曲部２４を設け、又前後両側には前後壁
部２５ａ，２５ｂを設けた構成である。この側壁部２３
ａ下端縁は、受ガイド部２１ａの前記傾斜部２０へ接触
させた構成であり、又この側壁部２３ｂの該折曲部２４
は、受ガイド２１ｂの垂直部１９ｂ下端縁２６と接触さ
せた構成としている。

【００１４】前記開閉弁２２は、前後壁部２５ａ，２５
ｂに受孔２７ａ，２７ｂを設け、この受孔２７ａ，２７
ｂへ支持軸２８を挿入して、この支持軸２８へこの開閉
弁２２を装着して軸支した構成であり、この支持軸２８
は前後側機壁５，５に設けた各支持孔で支持させてあ
り、回動中心となるこれら受孔２７ａ，２７ｂは、該前
後壁部２５ａ，２５ｂの左右方向中心位置より、側壁部
２３ｂ側に寄った位置で、更に該側壁部２３ｂの折曲部
２４位置より下方へ位置させた構成としている。該前側
機壁５外側部で、該支持軸２８先端部には、開閉レバー
２９を設け、この開閉レバー２９には開閉杆３０を設
け、この開閉杆３０の左右移動操作によって、該開閉弁
２２を上下に開閉する構成としている。

【００１５】前記開閉弁２２は、回動中心の受孔２７
ａ，２７ｂを一方側へ寄せると共に、底板１６の受ガイ
ド部２１ｂの折曲部２４位置より下方に位置させ、又受
ガイド部２１ａに傾斜部２０を設けたことにより、この
受ガイド部２１ａと該開閉弁２２との間の隙間が減少し
て塵埃等のかみ込みが減少する構成であり、又塵埃がた
まらない構成であると共に、回動中心が下方に位置させ
たことにより、該開閉弁２２は自重によって、開状態が
閉状態に自動作動することにより、開閉弁２２の締め忘
れが防止できる構成であり、又底板１０と該開閉弁２２
とを簡単に構成している。

【００１６】前記各乾燥網１０は、下端部の送風室１２
側にＬ字状の補強板３１′を設け、この補強板３１の一
側面をガイド部１７の側面部へ接触させ、又下側面を該
ガイド部１７の上側面へ接触させた構成として、該乾燥
網１０の組付けが容易な構成としている。前記熱風装置
４のバーナ３は、バーナケース３１に内装して設け、こ
のバーナケース３１は、前側機壁５正面側において、送
風室１２入口側に対応すべくこの前側機壁５外側面に着
脱自在に設け、乾燥機１、水分センサ２及び該バーナ３
を張込、乾燥及び排出の各作業別に始動及び停止操作す
る操作装置３２を該前側機壁５に着脱自在に設けてい
る。

【００１７】排風機３３は、後側機壁５で、左右の排風
室１１，１１に連通すべく設けた排風路室３４中央後部
側排風胴３５に設け、又この後側機壁５には、この排風
機３３を回転駆動する排風機モータ３６を設けている。
該排風路室３４を形成する底板と集穀樋１４を形成する
後側機壁５との間には、排塵路室３５′を形成して、該
集穀樋１４内へ開閉弁２２より落下する塵埃及び底板１
６上の塵埃を、この排塵路室３５′を経て該排風機３３
で吸引排出する構成としている。

【００１８】バルブモータ３７は、繰出バルブ１３，１
３を減速機構を介して回転駆動させている。燃料ポンプ
３８は、燃料バルブを有して、バーナケース３１下板外
側に設け、この燃料バルブの開閉により、この燃料ポン
プ３８で燃料タンク３９内の燃料を吸入して、バーナ３
へ供給させている。送風機４０は、上板外側に設け、変
速用の送風機モータ４１で変速回転駆動させ、供給燃料
量に見合った燃焼用空気を該バーナ３へこの送風機４０
で送風させている。

【００１９】拡散盤４２は、移送樋６底板の前後方向中
央部で、移送穀粒を貯留室８へ供給する供給口の下側に
設け、該貯留室８へ穀粒を均等に拡散還元させている。
昇穀機４３は、前側機壁５外側部に設けられ、内部には
バケットコンベア４４付ベルトを張設してなり、上端部
は、移送樋６始端部との間において投出筒４５を設けて
連通させ、下端部は、集穀樋１４終端部との間において
供給樋４６を設けて連通させている。

【００２０】昇穀機モータ４７は、バケットコンベア４
４付ベルト、移送樋６内の移送螺旋、拡散盤４２及び集
穀樋１４内の移送螺旋等を回転駆動させている。前記水
分センサ２は、昇穀機４３の上下方向ほぼ中央部に設
け、この水分センサ２は、操作装置３２からの電気的測
定信号の発信により、水分モータ４８が回転してこの水
分センサ２の各部が回転駆動され、バケットコンベア４
４で上部へ搬送中に落下する穀粒を受け、この穀粒を挟
圧粉砕しながら、この粉砕穀粒の水分を検出させてい
る。

【００２１】前記操作装置３２は、乾燥機１、水分セン
サ２及び熱風装置４のバーナ３等を張込、乾燥及び排出
の各作業別に始動操作及び停止操作する構成であり、こ
れら始動及び停止操作で各モータ３６，３７，４１，４
７，４８、燃料バルブ及び燃料ポンプ３８等を始動、停
止及び調節制御する構成としている。以下、上記実施例
の作用について説明する。

【００２２】操作装置３２を操作することにより、穀粒
乾燥機１の各部、熱風装置４のバーナ３、水分センサ２
等が始動し、該バーナ３から乾燥風が発生し、この乾燥
風は、送風室１２から各穀粒乾燥室９，９を通過して各
排風室１１，１１及び排風路室３４を経て排風機３３で
吸引排風される。穀粒貯留室８内へ収容された穀粒は、
この貯留室８から各乾燥室９，９内を流下中にこの乾燥
風に晒されて乾燥され、各繰出バルブ１３，１３で下部
へと繰出されて流下して集穀樋１４から供給樋４６を経
て昇穀機４３内へ下部の移送螺旋で移送供給され、バケ
ットコンベア４４で上部へ搬送されて投出筒４５を経て
移送樋６内へ供給され、この移送樋６から拡散盤４２上
へ上部の移送螺旋で移送供給され、この拡散盤４２で貯
留室８内へ均等に拡散還元されて循環乾燥される。

【００２３】前記水分センサ２で検出される穀粒水分
が、設定した仕上目標水分と同じ穀粒水分が検出される
と、乾燥が終了したと検出され、操作装置３２で自動制
御して乾燥機１が自動停止され、穀粒の乾燥が停止され
る。上記の乾燥作業中及び乾燥作業終了後に、送風室１
２の底板１６の左右両側上及び該底板１６の開口部１８
に設けた開閉弁２２上に塵埃の堆積があり、この塵埃を
清掃するときは、乾燥機１を始動させて、開閉杆３０を
操作することにより、開閉レバー２９を介して支持軸２
８が回動して該開閉弁２２の側壁部２３ｂの折曲部２４
は下方位置へ回動し、側壁部２３ａは上方位置へ回動し
て、この開閉弁２２は開状態となり、この開閉弁２２上
の塵埃は、該開口部１８から集穀樋１４へ落下して、排
塵路室３５′を経て排風機３３で吸引されて機外へ排出
される。又該底板１６の左右両側上の塵埃は、該開口部
１８から該集穀樋１４、該排塵路室３５′を経て該排風
機３３で吸引されて機外へ排出される。

【００２４】排塵が終了すると開閉杆３０を上記とは逆
に操作することにより、開閉弁２２は元の閉状態に戻
る。

【図面の簡単な説明】

図は、この発明の一実施例を示すものである。

【図１】要部の拡大正断面図

【図２】要部の拡大側断面図

【図３】穀粒乾燥機の一部破断せる全体側面図

【図４】図３のＡ−Ａ拡大断面図

【符号の説明】

４ 熱風装置 ８ 穀粒貯留室 ９ 穀粒乾燥室 １０ 穀粒乾燥網 １２ 送風室 １３ 繰出バルブ １６ 底板 １７ ガイド部 １８ 開口部 １９ａ 垂直部 １９ｂ 垂直部 ２０ 傾斜部 ２１ａ 受ガイド部 ２１ｂ 受ガイド部 ２２ 開閉弁 ２３ａ 側壁部 ２３ｂ 側壁部 ２４ 折曲部 ２６ 下端縁

フロントページの続き (72)発明者 上路 仁志 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農 機株式会社 技術部内 (72)発明者 西野 栄治 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農 機株式会社 技術部内 審査官 新海 岳 (56)参考文献 実開 昭58−69799（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−203295（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭54−48877（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−184188（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭48−61054（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F26B 17/14

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 上部の穀粒貯留室８から下部の穀粒乾燥
   網１０，１０間に形成する複数列の穀粒乾燥室９へ繰出
   バルブ１３の回転駆動で穀粒を繰出し流下させながら、
   該乾燥室９へ熱風装置４から発生する乾燥風を該乾燥室
   ９，９間に形成する送風室１２を経て該乾燥室９へ通風
   すべく設け、該送風室１２の底板１６の左右両側端には
   前後方向に亘って穀粒を流下案内するガイド部１７，１
   ７を下方へ傾斜すべく設けると共に、開口部１８を前後
   方向に亘って所定幅に設け、この開口部１８の左右両側
   の一方側端部には前後方向に亘って下方へ折曲する垂直
   部１９ａから更に内側へ向けて傾斜する傾斜部２０を形
   成する受ガイド部２１ａを設け、他方側端部には前後方
   向に亘って下方へ向けて折曲する垂直部１９ｂを形成す
   る受ガイド部２１ｂを設け、該開口部１８には回動自在
   な箱形状の開閉弁２２を軸支して設け、該開閉弁２２の
   一方側の側壁部２３ａ下端縁を該受ガイド部２１ａの該
   傾斜部２０に接触させ、他方側の側壁部２３ｂ下部の横
   方向へ折曲する折曲部２４は該受ガイド部２１ｂの該垂
   直部１９ｂ下端縁２６と接触させ、前記開閉弁２２の回
   動中心を側壁部２３ｂ寄りで、折曲部２４位置より下方
   に位置させたことを特徴とする穀粒乾燥機の送風室装
   置。