JPH05231772A - 穀粒乾燥機の藁屑堆積防止装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】穀粒貯留室から流下棚間に形成する流下室を流
下する穀粒の流れを良好にしようとするものである。 【構成】穀粒貯留室２に連通する流下室４を形成する流
下棚３，３頂点部に、堆積する藁屑を防止するために、
この流下棚３，３頂点部より上方へ向けて仕切板５を設
け、この仕切板５の上端部へ流下する藁屑等がかかる構
成とした。 【効果】仕切板５の上端部に流下する藁屑がかかること
により、流下棚３，３頂点部に藁屑が堆積することがな
くなり、このため流下室４を流下する穀粒の流れが良好
となり、穀粒の乾燥効率が向上した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、穀粒乾燥機の藁屑堆
積防止装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来は、回転駆動する拡散盤で穀粒は、
上部の穀粒貯留室へ拡散還元され、この穀粒は該貯留室
から下部の傾斜する流下棚間に形成する流下室へと繰出
し流下すべく設けられ、中央部の該流下棚頂点部には、
穀粒内に混入する藁屑が該頂点部への堆積を防止する藁
屑堆積防止装置を有しない穀粒乾燥機であった。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】穀粒乾燥機の拡散盤上
へ供給される穀粒は、この拡散盤の回転駆動により、穀
粒貯留室内へ拡散供給され、この貯留室から流下室へと
繰出し流下され、更に乾燥室へと流下する循環されなが
ら熱風に晒されて乾燥され、仕上目標水分と同じ穀粒水
分になると、該乾燥機が停止されて穀粒の乾燥は停止さ
れる。

【０００４】この乾燥作業のときは、穀粒は藁屑等に比
較して重いことにより、該貯留室内の遠距離位置へ拡散
供給され、又藁屑は軽いことにより該貯留室内の近距離
位置の中央部へ拡散されることが多くなり、このため藁
屑の混入の多い穀粒であると、この藁屑は、該流下室を
形成する中央部の流下棚の頂点部に堆積することが発生
し、この藁屑の堆積によって特に中央部近傍の穀粒の流
下が悪くなり、これが原因で穀粒に斑乾燥が発生するこ
とがあったが、これを防止しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明は、回転駆動す
る拡散盤１で穀粒を上部の穀粒貯留室２へ拡散還元して
該貯留室２から下部の傾斜する流下棚３間に形成する流
下室４へ穀粒を繰出し流下すべく設けると共に、中央部
の該流下棚３頂点部に堆積する藁屑等を防止する仕切板
５を中央部の該流下棚３頂点部より上方へ向けて設けた
ことを特徴とする穀粒乾燥機の藁屑堆積防止装置の構成
とする。

【０００６】

【発明の作用】穀粒乾燥機の拡散盤１上へ供給される穀
粒は、この拡散盤１の回転駆動により、穀粒貯留室２内
へ拡散供給され、この貯留室２から流下室４へと繰出し
流下され、更に穀粒乾燥室へと流下する循環されなが
ら、熱風に晒されて乾燥され、仕上目標水分と同じ穀粒
水分になると、該乾燥機が停止されて穀粒の乾燥が停止
される。

【０００７】この乾燥作業のときは、該流下室４を形成
する中央部の流下棚３頂点部に、上方へ向けて設けた仕
切板５に、該拡散盤１より拡散供給される穀粒内に混入
する藁屑が、この仕切板５上端部にひっかかるが、この
ひっかかった藁屑位置は、該流下室４よりかなり上方で
あることにより、流下する穀粒の流れを阻害することな
く穀粒は順調に流下されて乾燥される。

【０００８】

【発明の効果】この発明により、流下室４を形成する中
央部の流下棚３頂点部より上方へ向けて仕切板５を設
け、この仕切板５上端部に藁屑がひっかかることによ
り、この藁屑のひっかかっている個所が該流下室４よ
り、かなり上方部であることにより、流下する穀粒の流
れが阻害されることなく、常に穀粒は順調に流下するこ
とにより、穀粒に乾燥斑が発生することなく良好な乾燥
済穀粒を得ることができる。

【０００９】

【実施例】図例は、上部に穀粒を放冷する放冷装置６を
下部に穀粒を乾燥する熱風乾燥装置７を積重ね状態に装
着した穀粒乾燥機８を示すものである。前記乾燥機８の
該放冷装置６及び該熱風乾燥装置７は、前後方向に長い
長方形状で機壁９上部の該放冷装置６は、上部に放冷移
送螺旋を回転自在に内装した放冷移送樋１０及び放冷天
井板１１を設け、この放冷天井板１１下側には穀粒を貯
留する穀粒放冷貯留室２を形成した構成としている。

【００１０】前記放冷貯留室２下側には、この放冷貯留
室２に連通する傾斜して設けた流下棚３，３間に形成す
る流下室４，４を設け、この流下室４，４内には回転自
在に放冷流下螺旋１３を内装した構成であり、該流下室
４，４上側には菱形状の案内板１４，１４を設けた構成
であり、該中央部の流下棚３，３頂点部には、上方へ向
けて所定長さの仕切板５を設けた構成であり、該中央部
の流下棚３，３頂点部に堆積する藁出を防止するため、
この仕切板５上端部に藁屑がかかる構成として、中央部
側の該流下室４を流下する穀粒の流れを良好にした構成
としている。

【００１１】前記流下室４，４下側には、開閉弁１５，
１５を開閉自在に設け、この開閉弁１５，１５は開閉弁
モータ１６，１６の正逆回転により開閉する構成であ
り、この開閉弁１５，１５の開状態により、該流下室
４，４内の穀粒は下側の前記熱風乾燥装置７内へ落下供
給される構成であり、又閉状態により、該放冷流下螺旋
１３で該流下室４，４内の穀粒を横移送する構成として
いる。

【００１２】前記流下室４，４間の中央部には、乾燥移
送螺旋を回転自在に内装した乾燥移送樋１７を設けた構
成としている。前記乾燥移送樋１７下側には、前記熱風
乾燥装置７の乾燥貯留室１８を形成し、この乾燥貯留室
１８下側において、左右両側及び中央部の３条の各排風
室１９と左右両側の送風室２０，２０との間には、穀粒
乾燥室２１を４条設けた構成であり、この各乾燥室２１
下部には穀粒を繰出し流下させる各繰出バルブ２２を回
転自在に軸支し、この各繰出バルブ２２は繰出バルブモ
ータ２３で回転駆動する構成としている。

【００１３】前記各乾燥室２１下側には、乾燥集穀移送
螺旋２４を回転自在に内装した乾燥集穀樋２５を連通さ
せた構成としている。前記機壁９正面側において、前記
各送風室２０，２０に連通しうる送風路室２６を形成
し、この送風路室２６にはバーナ２７を内装したバーナ
ケース２８を着脱自在に装着すると共に、この機壁９外
側面には、前記乾燥機８を始動及び停止操作する操作装
置２９を着脱自在に設けた構成であり、この操作装置２
９の表面板には各種始動スイッチ３４、停止スイッチ３
５等を設け、下板外側には外気湿度センサ３７を設けた
構成としている。

【００１４】前記機壁９背面側には、前記各排風室１９
と連通しうる排風路室３０を形成し、この排風路室３０
中央後部側排風胴３１には排風機３２を設け、又この排
風機３２を回転駆動する排風機モータ３３を設けた構成
としている。前記放冷・乾燥移送樋１０，１７底板の前
後方向中央部には、移送穀粒を前記放冷貯留室２及び前
記乾燥貯留室１８へ供給する各供給口を設け、この各供
給口の下側には、放冷・乾燥拡散盤１，１を回転自在に
設けた構成としている。

【００１５】昇穀機３８は、前記機壁９背面側の外部に
設けられ、内部にはバケットコンベア３９付ベルトを張
設してなり、上端部は、投出筒４０を設け、この投出筒
４０の一方側と前記放冷移送樋１０始端部とを連通さ
せ、他方側は流下筒４１を介して前記乾燥移送樋１７始
端部とを連通させた構成であり、この投出筒４０内には
投出切換弁４２を開閉自在に設け、この投出切換弁４２
は投出モータ４３の正逆回転により開閉する構成であ
り、該投出切換弁４２の開状態で該昇穀機３８からの穀
粒は、該放冷移送樋１０へ供給され、又閉状態で該乾燥
移送樋１７へ供給される構成であり、下端部は、前記乾
燥集穀樋２５終端部との間に供給樋４４を設けて連通さ
せた構成であり、４５は昇穀機モータでこの昇穀機モー
タ４５で該昇穀機３８の各部を回転駆動する構成として
いる。

【００１６】前記昇穀機３８には、前記バケットコンベ
ア３９で上部へ搬送中に落下する穀粒を受け、この穀粒
を挾圧粉砕すると同時に、この粉砕穀粒の水分を検出す
る水分センサ４６を設け、この水分センサ４６の各部
は、水分モータ４７で回転駆動する構成としている。前
記乾燥機８での穀粒乾燥は、シングル乾燥、又はダブル
乾燥のいずれか一方が行なわれる構成であり、シングル
乾燥は、前記熱風乾燥装置７内を穀粒が循環しながら、
熱風に晒されて乾燥される構成であり、又ダブル乾燥
は、前記放冷装置６内から該熱風乾燥装置７内の両者を
穀粒が循環しながら、熱風に晒されて乾燥される構成と
している。

【００１７】前記乾燥機８での穀粒乾燥と穀粒放冷との
両者を同時に行なうときには、前記放冷装置６内で穀粒
は静置状態で放冷され、又前記熱風乾燥装置７内を穀粒
が循環しながら、熱風に晒されて乾燥される構成として
いる。前記乾燥機８での穀粒放冷は、前記放冷装置６内
で穀粒は静置状態での放冷か、又は該放冷装置６内から
前記熱風乾燥装置７内の両者を穀粒が循環しながら、放
冷かのいずれか一方が行なわれる構成としている。

【００１８】前記放冷装置６と前記熱風乾燥装置７との
両者を循環してダブル乾燥を設定して乾燥を開始したと
きは、前記操作装置２９内の乾燥制御装置で下記の如く
制御される構成としている。ダブル乾燥が開始され（ス
テップ１０１）、前記乾燥機８の各部が作動され（ステ
ップ１０２）、前記バーナ２７が始動され（ステップ１
０３）、前記放冷装置２へ通風が開始され（ステップ１
０４）、ダブル乾燥中に（ステップ１０５）、前記水分
センサ４６が検出する穀粒水分が、例えば、設定して記
憶させた仕上目標水分の＋２％以下を検出すると仕上目
標水分が１５％とすると１７％以下を検出すると（ステ
ップ１０６）、又前記外気湿度センサ３７が検出する外
気温度が、設定して記憶させた湿度８５％以上を検出す
ると（ステップ１０７）、該放冷装置２への通風が停止
され（ステップ１０８）、仕上目標水分以下が検出され
（ステップ１０９）、該乾燥機８を停止して穀粒乾燥を
停止する構成としている（ステップ１１０）。

【００１９】図５及び図６は、他の実施例を示す穀粒乾
燥機４８であり、下記の如く形成した構成としている。
前記乾燥機４８は、前後方向に長い長方形状の機壁４９
上部には、移送螺旋を回転自在に内装した移送樋５０及
び天井板５１を設け、この天井板５１下側には穀粒を貯
留する穀粒貯留室５２を設けた構成としている。

【００２０】前記貯留室５２下側において、左右両側及
び中央部の各送風室１３と菱形状の排風室５４，５４と
の間には各穀粒乾燥室５５を傾斜状態に設け、これら中
央部の乾燥室５５と外側部の乾燥室５５との合流部に
は、穀粒を繰出し流下させる繰出バルブ５６，５６を回
転自在に軸支した構成であり、該中央部の送風室５３頂
点部には、上方へ向けて所定長さの仕切板５を設けた構
成であり、該中央部の送風室５３を形成する通風網頂点
部に堆積する藁屑を防止するため、この仕切板５上端部
に藁屑がかかる構成として、中央部の流下室４を流下す
る穀粒の流れを良好にした構成としている。

【００２１】前記各乾燥室５５下側には穀粒が流下する
移送螺旋を回転自在に内装した集穀樋５７を設けて連通
させた構成としている。前記機壁４９正面側の該右側の
棚板下側にはバーナ５８を着脱自在に内蔵して設け、こ
の機壁４９正面側の外側面には、前記乾燥機４８、該バ
ーナ５８及び水分センサ５９等を張込、乾燥及び排出の
各作業別に始動及び停止操作する操作装置６０を着脱自
在に設け、又該バーナ５８から発生する熱風を、該前機
壁４９の開口部を経て前記各送風室５３に連通しうる送
風路室６１を形成した構成であり、この送風路室６１は
送風路室カバー６２で形成した構成としている。

【００２２】又前記機壁４９の背面側には、左右の前記
排風室５４に連通しうる排風路室６３を形成し、この排
風路室６３中央後部側排風胴６４には排風機６５及びこ
の排風機６５を回転駆動する排風機モータ６６を設けて
いる。前記移送樋５０底板の前後方向中央部には、移送
穀粒を前記貯留室５２内へ供給する供給口を設け、この
供給口の下側にはこの貯留室５２内へ穀粒を均等に拡散
還元する拡散盤６７を設けた構成としている。

【００２３】昇穀機６８は、前記機壁４９前外部に設け
られ、内部にはバケットコンベア６９付ベルトを張設し
てなり、上端部は、前記移送樋５０始端部との間におい
て投出筒７０を設けて連通させ、下端部は、前記集穀樋
５７終端部との間において供給樋７１を設けて連通させ
た構成であり、この昇穀機６８の各部は昇穀機モータ７
２で回転駆動する構成としている。

【００２４】前記昇穀機６８の上下方向ほぼ中央部に
は、穀粒水分を検出する前記水分センサ５９を設け、こ
の水分センサ５９は前記操作装置６０からの電気的測定
信号の発信により、水分モータ７３が回転してこの水分
センサ５９の各部が回転駆動され、該バケットコンベア
６９で上部へ搬送中に落下する穀粒を受け、この穀粒を
挾圧粉砕すると同時に、この粉砕穀粒の水分を検出する
構成としている。

【００２５】図７は、他の実施例を示す図であり、前記
貯留室５２内で前記前後機壁４９間に、この機壁４９を
補強する張棒７４を前記中央部の送風室５３上部で、前
記排風室５４，５４を形成する菱形状の頂点部より上部
に、複数本設けて両側をナット７５等で装着した構成で
あり、該中央部の送風室５３を形成する通風網頂点部に
堆積する藁屑を防止するため、この張棒７４に藁屑がか
かる構成として、前記中央の流下室４を流下する穀粒の
流れを良好にした構成として乾燥効率の向上を図る構成
としている。

【００２６】図８は、他の実施例を示す図であり、前記
貯留室５２内上部に揺動式の選別装置７６を設け、前記
昇穀機６８より投出される穀粒と混入する藁屑とがこの
選別装置７６へ供給され、選別された穀粒は、この選別
装置７６の選別棚板７７の孔部より落下して該貯留室５
２へ供給され、選別された藁屑は、該選別装置７６の該
選別棚板７７上を移送され、排藁通路７８を経て機外へ
排出され、穀粒乾燥中に藁屑を除去する構成として乾燥
効率の向上を図る構成としている。

【００２７】以下、上記実施例の作用について説明す
る。穀粒乾燥機８の放冷装置６の穀粒放冷貯留室２内に
収容された穀粒をダブル乾燥を行なうときは、操作装置
２９の乾燥作業を開始する始動スイッチ３４を操作する
ことにより、該乾燥機８の各部、バーナ２７、水分セン
サ４６等が始動して、このバーナ２７から発生した熱風
は、送風路室２６から送風室２０，２０、各穀粒乾燥室
２１を通過して各排風室１９及び排風路室３０を経て排
風機３２で吸引排風されることにより、該放冷貯留室２
１内に収容された穀粒は、この放冷貯留室２から流下室
４，４、熱風乾燥装置７の乾燥貯留室１８、穀粒乾燥室
２１内を流下中にこの熱風に晒されて乾燥され、各繰出
バルブ２２で下部へと繰出されて流下し、乾燥集穀樋２
５から供給樋４４を経て昇穀機３８内へ該乾燥集穀樋２
５内の乾燥集穀移送螺旋２４で移送供給され、バケット
コンベア３９で上部へ搬送されて該投出筒４０から放冷
移送樋１０内へ供給され、この放冷移送樋１０から放冷
拡散盤１上へこの放冷移送樋１０内の放冷移送螺旋で移
送供給され、この拡散盤１で該放冷貯留室２内へ均等に
拡散還元され、該水分センサ４６が検出する穀粒水分が
仕上目標水分と同じ穀粒水分を検出すると乾燥が終了し
たと検出され、乾燥制御装置で自動制御して該乾燥機８
を自動停止して穀粒の乾燥が停止される。

【００２８】この乾燥作業のときは、穀粒内に混入する
藁屑は、該放冷貯留室２内に設けた仕切板５の上端部に
かかり、この藁屑は該流下室４を形成する流下棚３，３
頂点部に堆積することがなくなり、このためこの流下室
４を流下する穀粒の流れが良好になり順調に流下する。

【図面の簡単な説明】

図はこの発明の一実施例を示す。

【図１】図２のＡ−Ａ拡大断面図。

【図２】穀粒乾燥機の全体側面図。

【図３】穀粒乾燥機の一部の一部破断せる拡大正面図。

【図４】フローチャート。

【図５】他の実施例を示す図６のＢ−Ｂ拡大断面図。

【図６】他の実施例を示す穀粒乾燥機の全体側面図。

【図７】他の実施例を示す穀粒乾燥機の全体正断面図。

【図８】他の実施例を示す穀粒乾燥機の一部破断せる全
体側面図。

【符号の説明】

１ 拡散盤 ２ 穀粒貯留室 ３ 流下棚 ４ 流下室 ５ 仕切板

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森 英二 愛媛県伊予郡砥部町八倉１番地 井関農機 株式会社技術部内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転駆動する拡散盤１で穀粒を上部の穀
   粒貯留室２へ拡散還元して該貯留室２から下部の傾斜す
   る流下棚３間に形成する流下室４へ穀粒を繰出し流下す
   べく設けると共に、中央部の該流下棚３頂点部に堆積す
   る藁屑等を防止する仕切板５を中央部の該流下棚３頂点
   部より上方へ向けて設けたことを特徴とする穀粒乾燥機
   の藁屑堆積防止装置。