JPH06258809A - ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機

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JPH06258809A
JPH06258809A JP4802893A JP4802893A JPH06258809A JP H06258809 A JPH06258809 A JP H06258809A JP 4802893 A JP4802893 A JP 4802893A JP 4802893 A JP4802893 A JP 4802893A JP H06258809 A JPH06258809 A JP H06258809A
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JP
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processing
agent
processing agent
solid
tank
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JP4802893A
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English (en)
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Wataru Satake
亘 佐竹
Shigeharu Koboshi
重治 小星
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ハロゲン化銀写真感光材料用の自動現像機に
関し、自動現像機のコンパクト化及び作業性の改善が図
られ、しかも低補充化が容易となり、安定した写真性能
が得られる自動現像機を提供する。 【構成】 ハロゲン化銀写真感光材料を処理する処理液
を満たす処理槽1を有するハロゲン化銀写真感光材料用
自動現像機において、ハロゲン化銀写真感光材料用固体
処理剤13を該自動現像機中の処理液に供給する手段9
を有し、該供給手段9の一部又は全部が自由落下を利用
したものであり、かつ該固体処理剤13が排出口先端を
出てから処理液に投入されるまでの距離が2cm以上20cm
以下であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料用の自動現像機(以下、単に自現機ということもあ
る)に関し、更に詳しくは自動現像機のコンパクト化及
び溶解作業をなくし、大幅に作業性の改善がはかられ、
しかも安全かつ確実に安定してケミカルを供給すること
ができる自動現像機に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料(以
下、感光材料ないし写真材料と称することもある)は、
露光後、現像、脱銀、洗浄、安定化等の工程により処理
される。又黒白ハロゲン化銀写真感光材料は露光後現
像、定着処理される。黒白現像液、カラー現像液、脱銀
処理には漂白液、漂白定着液、定着処理には定着液、洗
浄には水道水またはイオン交換水、無水洗洗浄には安定
化液、又色素安定化処理には安定液がそれぞれ使用され
る。
【0003】これら各処理工程を行うための処理機能を
有する液体のことを処理液という。各処理液は通常20〜
40℃に温度調節され、感光材料はこれらの処理液中に浸
漬され処理される。
【0004】この様な処理は通常自動現像機(以下、自
現機と称する)等で上記の処理液を収納した処理槽内を
順次搬送させることによって行われる。
【0005】ここで自動現像機と言う場合、現像部、定
着部、脱銀部、洗浄又は安定化部及び乾燥部を有し、各
処理現槽部を順次自動的に写真感光材料を搬送させる手
段を有する現像機のことを一般的にさす。
【0006】さて、この様な自動現像機で処理する場
合、処理槽内の処理液の活性度を一定に保つために処理
剤を補充する方式が一般に広く採られている。
【0007】この処理剤補充方式としては処理剤を溶解
した補充液を予め用意しておく方法が広く用いられてい
る。
【0008】具体的には、補充用タンクから、予め作製
した補充液を適時処理槽内に供給しつつ処理作業を行う
ようにしている。
【0009】この場合、補充用タンクに貯溜される補充
液自体は一般には別の場所で調整され作成されたもので
あるがミニラボ等では現像機内に近接して設置された補
充タンクにて一定量一度に調整されるのが普通である
が、その作製に当っては、手作業による溶解またはミキ
サーによる溶解混合が行なわれてきた。
【0010】すなわち、ハロゲン化銀写真感光材料用処
理剤(以下、写真処理剤と称することもある)は粉末状
あるいは液体状で市販されており、使用にあたっては、
粉末の場合は一定量の水に手作業で溶解することにより
調液され、又、液体状の場合も濃縮されているから一定
量の水を加え簡単に撹拌し希釈して用いられる。
【0011】補充タンクは自動機の横に設置される場合
があり、相当のスペースを確保する必要がある。又、最
近急増しているミニラボにおいても自現機本体に補充タ
ンクを内蔵するようにしているが、少なくとも5L〜10
Lそれぞれの液について必要でありこれだけの補充タン
クのスペースを確保する必要がある。
【0012】補充用処理剤は、写真処理に際して良好で
安定した性能を得るためにいくつかのパートに分かれて
いる。カラー用発色現像液は3〜4パートに分かれてお
り、又カラー用漂白定着液の補充液は酸化剤である有機
酸第2鉄塩のパートと還元剤であるチオ硫酸のパートに
分かれており、補充液作成時に前記有機酸第2鉄塩の濃
厚パートとチオ硫酸塩含有濃厚パートを混ぜ合わせ、一
定量の水を加えることで使用に供している。
【0013】上記濃厚化されたパートは例えばポリ容器
等の容器に入れられ、これらをまとめて外袋(例えば段
ボール箱)に入れて1単位として市販されている。
【0014】上記パート剤がキット化された補充処理剤
は、溶解、希釈、混合後、一定量に仕上げて使用される
が、該補充処理剤には次のような欠点がある。
【0015】第1に従来のキットのほとんどは、作業性
向上のため濃縮された濃厚水溶液となっておりほとんど
がpH2.0以下もしくは12.0以上の極めて危険な水溶液で
あり、皮膚への付着など人体に危険なものが多く又、強
力な酸化剤か還元剤である事が多く、船、航空機での輸
送には極めて危険な腐食性を有している。又、水溶液で
あるため溶解度に限度があり固体の場合より重量、容積
が多くなる。前記のように濃縮物は危険物であるが故に
容器は、一定の高さから落としても破壊せず液がこぼれ
ない事が必要となるため容器はより頑強であることのた
めポリ容器の廃棄が問題になっている。
【0016】第2に各パート剤は容器に各々入れられ、
補充処理剤によってはパート剤が数本に及び、1単位と
もなると容器の数がかなり多くなり、貯蔵や輸送の際に
多くのスペースを必要とする。例えばカラーペーパー用
処理液であるCPK−2−20QAの発色現像補充剤は10
lを1単位として保恒剤含有キットをパートAに、発色
現像主薬含有キットをパートBに、アルカリ剤はパート
Cに分けられ、各A,B及びCは500mlのポリ容器に入
っている。同様に漂白定着液は8lを1単位として3ボ
トルにパート剤が分かれており、安定液は10lを1単位
として2ボトルにパート剤が分かれている。これらの補
充剤は各々各種の大きさの外箱に入れられた貯蔵、輸送
されることになるが外箱が小さい安定液で約17cm×14cm
×16.5cmで比較的大きい漂白定着剤で約18.5cm×30.5cm
×22.5cmとなり、貯蔵、輸送上あるいはお店の中で同種
の補充剤でしか積み上げができず、結局多くのスペース
を必要とする。
【0017】第3の欠点としては空になった容器の廃棄
の問題である。近年ヨーロッパ、アメリカを中心にして
環境保全、省資源化が強く望まれており、写真関係では
特にポリ容器の廃棄が問題になっている。写真用のポリ
容器はコストが安く貯蔵や輸送にも便利で耐薬品性に優
れているものの、ポリ容器は生分解性がほとんどなく、
蓄積され、焼却した場合は炭酸ガスの大量の発生を伴
い、地球の温暖化や酸性雨等の一因になっており、又ユ
ーザーの問題としては作業スペースの狭いところにポリ
容器が大量と山積みされ、しかも強度がある為につぶす
こともできず、更にスペースも狭くしている等の問題が
指摘されている。
【0018】第4にケミカルが非常に不安定であること
である。
【0019】通常補充液の寿命(ライフタイム)は浮き
蓋有りでも2週間が一般的な使用期限である。しかるに
最近では各処理液の補充量は低補充化され1日平均30本
のカラーフィルムを受注処理するミニラボでは10Lの補
充液が1ヶ月以上も使用される事が多くなっている。
【0020】この様な場合処理槽の処理液より補充タン
クの中の補充液のほうがはるかに空気に触れる割合が多
くなり劣化していることになり補充しても全く意味がな
いことが頻繁に起こっている。従って補充タンクを5L
に小さくする工夫や補充キットの収容単位を5Lと小さ
くする工夫がされている。この場合にはさらに包材が必
要となってくる欠点を有している。
【0021】また別にはカラーペーパー用発色現像補充
液を例にすると、カラーペーパー用発色現像補充液を作
成する際、ある一定量の水を補充タンクに入れた後、保
恒剤含有濃縮キットAを入れて撹拌し、次に発色現像主
薬含有濃縮キットBを入れて撹拌し、ついでアルカリ剤
含有濃縮キットCを入れて撹拌し、最後に水を加えてあ
る一定量に仕上げる。その際、いくつかの問題が発生し
易くなる。例えば、撹拌が不十分であったり、はじめの
水を入れ忘れたりした場合に、発色現像主薬の結晶が析
出しやすくなり、それがベローズポンプにたまって補充
されずに、写真性能が不安定になったり、ベローズポン
プが破損したりする。又濃縮キットは製造後直ちに使用
される由ではなく製造後1年経過して使用されることも
あり、場合によっては発色現像主薬や保恒剤が酸化され
性能が不安定になったりする。
【0022】濃縮キットや粉剤から作成された発色現像
補充液は更に又補充タンク内においていくつかの問題が
あることが知られている。例えば長期にわたって補充液
が使用されないと補充タンク壁面に結晶が付着したり、
又補充液が酸化され易くなったり、タールの発生等が生
じたりする。又保存条件によっては補充液中の結晶しや
すい成分、例えば発色現像主薬等が低温で析出する等の
問題があり、その為にメーカーによっては補充液の保存
条件を指定してユーザーが管理する様指導しているのが
実状である。
【0023】この様に一般的に用いられている濃縮キッ
トを使用して補充液を作成する方法、あるいは粉剤を用
いて補充液を作成する方法はカラーペーパー用発色現像
液を例にとりあげても前記したような問題点があり、漂
白定着液、漂白液、定着液に付いても似たような問題が
ある。例えば、漂白定着液は、保存安定性は著しく悪い
特徴がある。何故なら漂白定着処理は、高いpHを持つ
発色現像液の直後の処理となり、通常は、このアルカリ
性の発色定着液が処理するペーパーにより持ち込まれる
ため中和する目的で酸性度が高くpHは著しく低いのが
通例である。低pHでは、チオ硫酸塩と酸化剤からなる
漂白定着液では保存性が著しく悪く補充液を作成して低
補充は不可能といわれている。この他に定着液、安定液
とも同様である。
【0024】また別の問題として低補充化や迅速化が進
められる中で補充液は濃厚化されるばかりであり通常は
溶解度の限界まで濃縮されているのが最近の補充液であ
る。
【0025】この事は、補充液の保存性は悪くなるばか
りであり結晶析出など実用上の多くの問題をかかえてい
る。
【0026】一方、上記の様な濃縮キット又は粉剤を用
いて補充液を作成する方法とは別に、濃縮キットを直接
補充する方法が知られている。
【0027】この方法は溶解作業の不効率性を改善する
為に濃縮キットをベローズポンプ等の供給手段を用いて
直接処理槽に補充し、併せてある一定量の補水を独立し
て行うものである。確かにこの方法は前記の濃縮キット
や粉剤から補充液を調整する方法に比べ、調液作業が不
要になる。あるいは補充液を作成しないので保存性の問
題はなくなる。
【0028】しかしながら上記の方法も多くの問題をか
かえている。すなわち濃縮キットを供給する為に濃縮キ
ット用のタンクそして供給手段としてのポンプが新たに
必要となり、自現機が大型化する問題である。例えばカ
ラーペーパー用処理液であるCPK−2−20を例に考え
てみると、発色現像補充液の濃縮キットは3パートあ
り、漂白定着補充液の濃縮キットは3パート、そして安
定補充液の濃縮キットは2パートあり、これを供給する
場合、濃縮キット用のタンクが8個、そしてポンプが8
台必要である。従来の補充方式の場合、各補充液毎のタ
ンク、ポンプがあれば良いから各々3個あれば事足り
る。この様に濃縮キットを供給する場合だけをみても従
来の方法に比べタンク、ポンプがたくさん必要となり、
更に調整水用のポンプも必要となる。また、ベローズポ
ンプの精度はそれ程高くなく複数の液を同時に精度良く
吐出する事は難しく成分のくるいを生じてしまう欠点が
ある。
【0029】更に濃縮キットは濃縮液の為に補充ノズル
の出口付近で結晶が析出しやすくメンテナンスが大変で
ある。又ベローズポンプにそれ程供給精度がなく、濃厚
液補充の場合更に補充精度が大幅にずれやすく、結果的
に写真性能の変動が大きくなるという問題がある。その
他の問題として廃ポリ容器は濃縮キットを供給する方法
にしたからといって従来の補充方式と廃ポリ容器量はか
わらない。
【0030】上記以外の方法で、ポリ容器をなくし、補
充液のケミカル安定性を向上させる為の提案がいくつか
為されている。
【0031】例えば特開昭58-11032号公報には現像成分
をマイクロカプセルで包む技術が開示され、又特開昭51
-61837号公報には崩壊剤を含有した写真用錠剤が開示さ
れている。更には特開平2-109042号、同2-109043号、同
3-39735号及び同3-39739号公報にはある平均粒径をもっ
た顆粒化された写真用処理剤を用いる方法が開示されて
いる。
【0032】特開昭51-61837号公報記載の崩壊剤を含有
した写真用錠剤は単に容易に水にとける錠剤を提起した
ものであり、本発明であるところの処理槽に直接固体処
理剤を溶解するという思想は何ら想起できるものではな
い。
【0033】又特開平2-109042号は、ある平均粒径をも
った顆粒化された写真用処理剤について記載されてい
る。
【0034】しかしながら、前述した公報には自動現像
機において、補充液の溶解作業をなくし作業性を充分に
簡便化し安定した写真性能を得たり、補充タンクをなく
しコンパクトな自現機を提案するものではない。
【0035】一方、前もっての溶解作業を不要にする方
法としては特開昭3-11344号公報に各単位容器よりパー
ト剤の混合比率に応じた量のペースト状のパート剤を押
出し、この押出されたパート剤を所定の濃度に希釈する
ことにより精度よく調整、供給する技術が開示されてい
るが、確かにこの方法によれば溶解作業は少なくなるか
又はほとんど溶解作業はなくなるが、ペースト状のパー
ト剤は溶媒を含むために安定性に欠けたり長期間にわた
り一定量押し出すことが難しく又使用頻度が少ないとノ
ズルがつまり易く、写真性能を一定に保つことが困難で
ある。又ペーストを入れる容器が必要であり、この場合
柔軟で破損しにくい材質が求められ一般に再利用しにく
い複合材料が使用され、環境上好しくない。特にペース
ト状ケミカルは有機溶媒によりペースト化されている事
が多く保存性はかんばしくない事が知られている。
【0036】又、実開平1-85732号には、安定液に、錠
剤型防菌剤を投入する手段を有する自動現像機が開示さ
れているが、防菌剤自体は、多量に入っても特に問題と
ならないから、投入の制御が不要であり、これも処理剤
補充制御手段については想起させるものでないし、又、
液自体の防腐が目的であるのでこれを必須とはしていな
い。
【0037】WO 91-07698号公報及びWO 91-07699号公報
にはCD−3またはCD−4を固体添加し、他の成分は
アクチベーターとして液剤添加する方法が開示されてい
るが、本特許は再生に関するものであり、特にノーオー
バーフローに限りなく近い低補充に関する発明であり現
像液からイオン交換樹脂によりブロマイドイオンやクロ
ライドイオンを吸着除去したのち不足成分であるアルカ
リ剤アクチベーターや固形または少量の濃厚発色現像主
薬を添加しボリュームを増加させずに成分を添加するた
めの方法である。
【0038】また特開平4-213454号公報には、粉状の処
理剤を自動現像機の補助タンクに直接投入する記載があ
る。しかし本発明者の検討結果では投入出口と処理液と
の距離が目的達成にとって非常に重要であることが判っ
た。液体ケミカルの場合は、液体である性質上、殆どの
場合例外なく液中に補充液を添加するようになっている
が、固体の場合は直接接触させることは不可能である。
又、液体の飛散はそれ程問題にはならないが、固体ケミ
カルの場合、粉末状のものでは、自由落下する際に飛散
し最も避けなければならないコンタミネーションという
問題が発生する。さらにせっかく一定量に計量しても実
際には投入されてなかったり、吸湿してしまって途中で
つまり、投入口を塞いでしまったりする。特に処理剤成
分には、吸湿性がある素材があるため、除湿空間を設け
る手段をとることが有効だが、これらの手段は例えば除
湿機での除湿であったり、ドライエアーを吹き付けるも
のである。湿度を下げることによって湿気対策には効果
があるが、逆に静電気が発生しやすくなり、このことの
よって粉状ケミカルの飛散程度は増大する。また、ドラ
イエアーの吹き付けは風量による大小はあれ、粉塵が生
じやすくなることは言うまでもない。また、顆粒や錠剤
でも粉の舞い上がりは避け得べきものであり、更に形が
大きくなることにより処理液自体の飛びはねが生じやす
くなる。
【0039】粉状ケミカルの飛散による問題は第一に他
の処理槽へのコンタミネーションが生じることである。
特に、ネガフィルムの発色現像液の処理の場合、非常に
精密な処理性が要求されるため、他の処理剤の混入を避
けなければいけない。例えばコニカビックミニラボBM
-101(コニカ(株)社製)は、ネガフィルムの発色現像液
に約0.1g相当の漂白剤成分が混入することで、処理変
動が生じてしまい、商品価値のない製品となってしま
う。このように自動現像機への固体処理剤の投入は非常
に厳密を要するものであり、それが従来の液体タイプの
ものから固体の処理剤を投入するタイプにするために
は、飛散と防湿に対する注意がより一層要求されること
は言うまでもない。
【0040】第二の問題として、処理剤の飛散により店
舗の中での粉塵公害の危険性が生じることである。写真
処理剤は、アルカリ剤や皮膚刺激性の物質、皮膚感作性
の物質を含み、液体の希釈溶液のままでも皮膚に接触し
ないような注意を払ってきたものである。言い換えれ
ば、そう言う処理剤への接触の危険性を避けるために、
固体処理剤という形式をとっているようなものである。
しかるに投入における諸注意をせずにいると、液体より
も実質的に濃厚である固体の方がはるかに危険である場
合が生じる。すなわち粉塵の発生による人体への影響で
ある。粉塵による人体への影響としては、対象となる物
質によっても異なるが、一般的に皮膚粘膜障害やアレル
ギー、呼吸器障害を引き起こすといわれている。これら
は単に粒子が微細であるがために皮膚組織等への吸着、
吸収作用が促進され、諸症状を引き起こすことが殆どだ
が、写真処理剤にいたっては、それ単体でも刺激性を持
つものもあるため、それらの影響については計りしれな
い。例えば写真用処理剤としては一般的な亜流酸塩やア
ルカリ剤は呼吸器系に吸入されると、眼結膜炎や咳やく
しゃみ等が起こり、声がしわがれたり、時には呼吸困難
に陥る。また、発色現像主薬などの中には皮膚感作性を
持ち、人によってはアレルギー性症状を生じたりする。
【0041】通常、自動現像機には、結露防止のための
相当数の排気ファンを要している。もし自現機内に粉塵
が発生すればその発生した粉塵はほぼ100%に近く店内
にまきちらされていることになる。現在でも処理液の蒸
発によって発生した臭気が店内に充満するクレームが出
ているため、更に粉塵による環境悪化を招くことはこの
過当競争の激しいミニラボ業界では許容できない。
【0042】第三の問題としては、補充の正確さがあげ
られる。規定量の投入を行なっても実際に処理タンクに
入らなければ、当然補充は不正確となるわけだが、従来
の補充液方式と違って、固体処理剤の場合、補充水は別
途に供給手段を持つため、最悪は水だけ補充されて実際
の必須補充成分が投入されていないというケースが起こ
る。この場合、もし固体処理剤の投入検知手段を有して
いなければ、警報がならないまま連続処理可能となり、
除々に処理液の希釈劣化が生じ、故障となる。これを防
ぐためには、補充が確実に投入されいるかの検知手段が
必要であり、しかも粉末状処理剤が確実に投入されてい
るかどうかは、実際に処理液を分析する以外にはない。
つまり、極めて複雑な検知手段と高価なセンサーが必要
であり、実質的に困難である。
【0043】以上のように、洗浄等の自動投入と違い、
取り扱い性が非常に正確なものを要求される固体処理剤
に関しては、投入には様々な制約条件が必要であった。
【0044】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、固体
ケミカルを供給する手段を有する自動現像機において、
安全かつ確実に固体ケミカルを所定の処理槽へ供給する
ことで作業環境をクリーンにし、コンタミネーションや
投入故障による処理変動をなくした自動現像機の実用化
を達成する事である。
【0045】
【課題を解決するための手段】このような目的は、以下
の本発明により達成される。即ち、ハロゲン化銀写真感
光材料用固体処理剤をハロゲン化銀写真感光材料用自動
現像機中の処理液に供給する手段において、一部又は全
部が自動落下を利用したものであり、かつ該固体処理剤
が供給口先端を出てから処理液に投入されるまでの距離
が2cm以上20cm以下であることを特徴とするハロゲン化
銀写真感光材料用自動現像機によって達成される。
【0046】
【作用】本発明者らは自動現像機の処理タンクに直接固
体処理剤を投入する事に関し、膨大な実験を重ね、各処
理液について写真性能を変動させず、粉塵等のほとんど
発生しない最適な投入手段について求めた。すなわち、
固体処理剤を投入手段にセットし、処理液中へ投入する
際に、その一部又は全てを重力により自由落下させ、処
理剤が空中に開放される投入口から出た処理剤が処理液
に投入するまでの距離を2cm〜20cmまでとすることで上
記の問題を解決できることを見いだした。従来の液剤タ
イプの補充液を用いる場合では、必ず液中に吐き出され
ていたため補充液の供給口の高さについては規定を必要
としなかったが、固体ケミカルの場合、この供給口と液
面との距離が投入の信頼性,安全性を確保する上で最も
重要な項目であることが見い出されたことは、驚きであ
った。
【0047】供給装置は様々な方式のものが考えられる
が、そのほとんどが最終的には重力による投入が用いら
れる。
【0048】このことは固体処理剤が吸湿性であるた
め、液表面から必ず離れて投入することから必然的に起
こってしまう問題の解決に起因しているものである。即
ち、固体処理剤投入口と液面間の距離をゼロには出来な
いことによるものである。この距離が近すぎると、吸湿
性や投入の安全性からみて実現性が低い問題が数多く生
じてしまうことは容易に推測できる。前述したように固
体処理剤を取り扱う際には、あまり投入高さを高くする
と確実な投入ができず、液のコンタミネーションや安全
性に問題が生じ、またあまり低すぎて液面と投入出口が
接触してしまっても、固体処理剤が吸湿してしまい、投
入故障が生じてしまう。そこで本発明者らは鋭意検討
し、様々な投入装置で様々な固体処理剤を投入した結
果、投入部出口から処理液面までの距離を2cm以上20cm
以下とすることで固体処理剤の場合でも確実に投入操作
が行なえることを見い出した。
【0049】以下、本発明について詳しく説明する。
【0050】本発明でいう固体処理剤とは、前記した如
き粉末処理剤や錠剤、丸薬、顆粒の如き固体処理剤など
であり、必要に応じ防湿加工を施したものである。ペー
ストやスラリー状は半液状で保存安定性に劣り、又輸送
上の危険をともない規制を受けるような形状のものを除
くものであり、これらは本発明の固体処理剤には含まれ
ない。
【0051】本発明でいう粉末とは、微粒結晶の集合体
のことをいう。本発明でいう顆粒とは、粉末に造粒工程
を加えたもので、粒径50〜5000μmの粒状物のことをい
う。本発明でいう錠剤とは、粉末又は顆粒を一定の形状
に圧縮成型したもののことを言う。
【0052】上記固体処理剤の中でも錠剤である方が、
補充精度が高くしかも取扱い性が簡単であることから好
ましく用いられる。
【0053】写真処理剤を固形化するには、濃厚液また
は微粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着剤を混練し成
型化するか、仮成型した写真処理剤の表面に水溶性結着
剤を噴霧したりすることで被覆層を形成する等、任意の
手段が採用できる(特願平2-135887号、同2-203165号、
同2-203166号、同2-203167号、同2-203168号、同2-3004
09号参照)。
【0054】好ましい錠剤の製造法としては粉末状の固
体処理剤を造粒した後打錠工程を行い形成する方法であ
る。単に固体処理剤成分を混合し打錠工程により形成さ
れた固体処理剤より溶解性や保存性が改良され結果とし
て写真性能も安定になるという利点がある。
【0055】錠剤形成のための造粒方法は転動造粒、押
し出し造粒、圧縮造粒、解砕造粒、攪拌造粒、流動層造
粒、噴霧乾燥造粒等公知の方法を用いることが出来る。
錠剤形成のためには、得られた造粒物の平均粒径は造粒
物を混合し、加圧圧縮する際、成分の不均一化、いわゆ
る偏析が起こりにくいという点で、100〜800μmのもの
を用いることが好ましく、より好ましくは200〜750μm
である。さらに粒度分布は造粒物粒子の60%以上が±10
0〜150μmの偏差内にあるものが好ましい。次に得られ
た造粒物を加圧圧縮する際には公知の圧縮機、例えば油
圧プレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機、プリ
ケッテングマシンを用いることが出来る。加圧圧縮され
て得られる固体処理剤は任意の形状を取ることが可能で
あるが、生産性、取扱い性の観点から又はユーザーサイ
ドで使用する場合の粉塵の問題からは円筒型、いわゆる
錠剤が好ましい。
【0056】さらに好ましくは造粒時、各成分毎例えば
アルカリ剤、還元剤、漂白剤、保恒剤等を分別造粒する
ことによって更に上記効果が顕著になる。
【0057】錠剤処理剤の製造方法は、例えば、特開昭
51-61837号、同54-155038号、同52-88025号、英国特許1
213808号等の明細書に記載される一般的な方法で製造で
き、更に顆粒処理剤は、例えば、特開平2-109042号、同
2-109043号、同3-39735号及び同3-39739号等の明細書に
記載される一般的な方法で製造できる。更にまた粉末処
理剤は、例えば、特開昭54-133332号、英国特許725892
号、同729862号及びドイツ特許3733861号等の明細書に
記載されるが如き一般的な方法で製造できる。
【0058】上記の固体処理剤の嵩密度は、その溶解性
の観点と、本発明の目的の効果の点から錠剤である場合
1.0g/cm3〜2.5g/cm3が好ましく1.0g/cm3より大きいと得
られる固形物の強度の点で、2.5g/cm3より小さいと得ら
れる固形物の溶解性の点でより好ましい。固体処理剤が
顆粒又は粉末である場合嵩密度は0.40〜0.95g/cm3のも
のが好ましい。
【0059】本発明に用いられる固体処理剤は発色現像
剤、黒白現像剤、漂白剤、定着剤、漂白定着剤、安定剤
等写真用処理剤に用いられるが、本発明の効果とりわけ
写真性能を安定化させる効果が大きいのは発色現像剤で
ある。
【0060】又液体危険物の規制を除外できるのは黒白
現像剤、発色現像剤、漂白剤、漂白定着剤、安定剤であ
る。
【0061】本発明の実施態様からすれば全処理剤が固
体処理剤化されていることが最も好ましいが、少なくと
も発色現像剤を固体化することが好ましい。すなわち発
色現像剤成分には相互に化学的反応を起こす成分が多数
含まれ、又有害成分も含まれていることから本発明の効
果が最も顕著に表われる。更に好ましくは発色現像剤以
外に漂白定着剤、又は、漂白剤、及び定着剤が固体処理
剤化されていることである。これらは従来から液体分包
キットで輸送上の危険が問題視されているものである。
【0062】本発明に用いられる固体処理剤はある処理
剤の1部の成分のみ固体化することも本発明の範囲に入
るが、好ましくは該処理剤の全成分が固体化されている
ことである。
【0063】処理量情報に応じて各処理槽に補充する処
理剤全てを固体処理剤として投入することが好ましい。
補充水が必要な場合には、処理量情報又は別の補充水制
御情報にもとづき補充水が補充される。この場合処理槽
に補充する液体は補充水のみとすることが出来る。つま
り、補充が必要な処理槽が2種類以上の複数であった場
合に、補充水を共有することによって補充用液体を貯留
するタンクは1つで済み、自動現像機のコンパクト化が
図れる。特に補充水タンクは外部に1個外置きで置くこ
とが自現機をコンパクトにするためには好ましい方法で
ある。
【0064】発色現像剤を固形化する場合、アルカリ
剤、発色剤及び還元剤全てを固体処理剤化し、かつ錠剤
の場合には少なくとも3剤以内最も好ましくは1剤にす
ることが、本発明に用いられる固体処理剤の好ましい実
施態様である。
【0065】本発明の必須構成要件である投入部出口と
投入される液面との距離は2cm以上20cm以下であること
が必要で、好ましくは3cm以上10cm以下である。ここで
いう距離とは固体処理剤がガイド等で方向性をもって移
動している部分を出てから空中に開放され自由落下で処
理液面へ投入するまでの距離を示し、固体処理剤が固定
されている位置からの距離全てを示しているのではな
い。従って装置の関係上、投入部が投入される処理液部
分と離れている場合、ガイド等で固体処理剤を移動させ
本発明距離にて重力落下させるることは自由である。
【0066】本発明でいう自由落下による投入とは、固
体処理剤が自重にかかる重力により上方から下方へ移動
することをいい、投入口先端から処理液中に投入される
までのすべての移動をモーター等外力によるものは含ま
ない。ただし、投入の一部を外力による方法、例えば投
入初期段階に押し出しやはじきのような外力による移動
を伴っても構わない。
【0067】本発明でいう排出口先端とは投入動作を開
始した点を表し、ただしその後、ガイド等によって移動
する場合はその出口を表す。
【0068】本発明において固体処理剤を処理槽に供給
する供給手段としては、例えば、固体処理剤が錠剤であ
る場合、実開昭63-137783号公報、同63-97522号公報、
実開平1-85732号公報等公知の方法があるが要は錠剤を
処理槽に供給せしめる機能が最低限付与されていればい
かなる方法でも良い。又固体処理剤が顆粒又は粉末であ
る場合には実開昭62-81964号、同63-84151号、特開平1-
292375号、記載の重力落下方式や実開昭63-105159号、
同63-195345号等記載のスクリュー又はネジによる方式
が公知の方法としてあるがこれらに限定されるものでは
ない。
【0069】しかしながら好ましい方法は、固体処理剤
を処理槽に供給する供給手段としては、例えば予め秤量
し分割包装された所定量の固体処理剤を感光材料の処理
量に応じて包装体を開封、取出す方法が考えられる。具
体的には、固体処理剤が所定量ずつ好ましくは一回分の
補充量ずつ、少なくとも二つの包装材料から構成される
包装体に挟持収納されており、包装体を2方向に分離も
しくは包装体の一部を開封することにより取出し可能状
態にする。取出し可能状態の固体処理剤は自然落下によ
り容易に濾過手段を有する処理槽に供給することができ
る。所定量の固体処理剤は外気及び隣の固体処理剤との
通気性が遮断されるよう各々が分割密封された包装体に
収納されているため開封しなければ防湿が保証されてい
る。
【0070】実施態様として、固体処理剤を挟むように
少なくとも二つの包装材料から成る包装体が固体処理剤
の周囲を分離可能なようにお互いの接面で密着もしくは
接着されている構成が考えられる。固体処理剤を挟んだ
各々の包装材料を異った方向に引っ張ることにより密着
もしくは接着された接面が分離し、固体処理剤が取出し
可能状態となる。
【0071】別の実施様態として、固体処理剤を挟むよ
うに少なくとも二つの包装材料から成る包装体の少なく
とも一方が外力により開封可能となる構成が考えられ
る。ここでいう開封とは包装材料の一部を残した切り込
みもしくは破断である。開封方法としては、開封しない
側の包装体から固体処理剤を介して開封可能な包装体の
方向へ圧縮力を加えることにより強制的に固体処理剤を
押し出す、又は開封可能な側の包装体に鋭利な部材で切
り込みを入れることにより固体処理剤を取出し可能状態
にすることが考えられる。
【0072】本発明で用いる処理剤供給手段は、セット
した処理剤がなくなったあるいはなくなることを事前に
検出する手段を有するのが好ましい。液体の補充液を用
いる補充方法では、補充液の液面が低下したことを液面
センサー等で検出し、それをアラーム記号として知らせ
ることにより、補充液作成のタイミングを教えている。
本発明でも同様に次の固体処理剤をセットするタイミン
グを知らせるための検出手段を有する方が操作性という
点では好ましい。検出手段としては、赤外線センサーや
静電容量センサーによる方法や、重量を測定する方法、
あるいは錠剤や個包装された固体処理剤の場合は、数量
を検出する方法、投入回数をカウントするもの、又は処
理剤自体がスイッチをONまたはOFFするような機
構、さらには顆粒や粉末の場合、投入時の流量を検出す
るものでもかまわない。
【0073】この中で静電容量センサーによる方法は、
非接触であり、不透明な塩ビ板等の外側から検出するこ
とも可能であり好ましい。ただし、処理剤によって通電
する量が異なるため、各処理剤でON/OFFの感度を
調節することが必要となる。
【0074】本発明の固体処理剤投入手段は、固体処理
剤が接触する部分を乾燥状態にする手段を有することが
好ましい。処理液に固体処理剤を確実に投入するため、
投入出口は処理液と近接していることが多い。そこで、
蒸気等による湿気の影響を受けない防湿手段を有するこ
とが望ましい。例えば吸気ファンにより常にドライエア
ーが流れるような流路を作るとか、簡易的にシャッター
を設け、極力蒸気にさらされないようにするとか、赤外
線ヒーター等で常に保温乾燥するとかといった方法が考
えられるが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。更に、ドライエアー等を用いる方法では粉末や顆粒
が飛散しない様な工夫、例えば必要に応じシャッターす
る等の工夫を用いるもかまわない。
【0075】本発明の固体処理剤を投入する場所は処理
槽中であればよいが、好ましいのは、感光材料を処理す
る処理部と連通し、該処理部との間を処理液が流通して
いる場所であり、更に処理部との間に一定の処理液循環
量があり溶解した成分が処理部に移動する構造が好まし
い。固体処理剤は温調されている処理液中に投入される
ことが好ましい。
【0076】投入される部分の開口面積は、2〜100cm2
で、かつ少くとも投入する固体処理剤よりは大きいこと
が好ましく、より好ましくは2〜50cm2である。開口部
分とは、実際に固体処理剤の投入に使用されるために設
けた穴であり、投入する固体処理剤の大きさより大きけ
れば良いわけで常に開いている必要はなく、シャッター
等で閉じていて、必要に応じ、開閉するものでも構わな
い。この開口部分を大きくすることにより固体処理剤を
投入しやすくなるが、大きくなればなる程処理液の空気
接触面積が増大し、それによる必要な空気酸化反応が進
行するため好ましくない。また小さくすれば、それらを
抑制することは可能だが、投入する固体処理剤の径が限
定されたり、つまりが生じ、投入が困難になるケースが
あるため、上記の範囲が好ましい。この開口部分は固体
処理剤が飛散しにくいようガイドで囲ってあることがよ
り好ましい。
【0077】一般に自動現像機は温調のため、電気ヒー
ターにより処理液を温調しており、処理部としての処理
タンクと連結した補助タンクに熱交換部を設け、ヒータ
ーを設置しこの補充タンクには処理タンクから液を一定
循環量で送り込み、温度を一定ならしめるようポンプが
配置されている。
【0078】そして通常は処理液中に混入したり、結晶
化で生じる結晶異物を取り除く目的でフィルターが配置
され、異物を除去する役割を担っている。
【0079】この補助タンクの如き、処理部と連通した
場所であって、温調が施された場所に固体処理剤が投入
されるのが最も好ましい方法である。何故なら投入され
た処理剤のうちの不溶成分はフィルター部によって処理
部とは遮断され、固形分が処理部に流れ込み感光材料な
どに付着することは防止できるからである。
【0080】又、処理タンク内に処理部と共に処理剤投
入部を設ける場合には、不溶性部分がフィルムなどに直
接接触しないよう遮蔽物等の工夫をすることが好まし
い。
【0081】フィルターや濾過装置などの材質は一般的
な自動現像機に使用されるものは全て本発明では使用で
き、特殊な構造や材料が本発明の効果を左右するもでは
ない。
【0082】本発明は固体処理剤を処理槽に投入するこ
とで補充液をたくわえる為のタンク等が不要になり自現
機がコンパクトになる又循環手段を有する場合には、固
体処理剤の溶解性も非常に良好となる。
【0083】
【実施例】
(実施例1)本発明を適用できる自動現像機(以下、単
に自現機という)の一例を図面に基づいて説明する。図
1は、自現機Aと写真焼付機Bとを一体的に構成したプ
リンタープロセッサーの概略図である。
【0084】図1において写真焼付機Bの左下部には、
未露光のハロゲン化銀写真感光材料である印画紙をロー
ル状に収納したマガジンMがセットされる。マガジンか
ら引き出された印画紙は、送りローラR及びカッター部
Cを介して所定のサイズに切断され、シート状印画紙と
なる。このシート状印画紙は、ベルト搬送手段Bによっ
て搬送され、露光部Eにおいて光源およびレンズLによ
り、原画Oの画像を露光される。露光されたシート状印
画紙はさらに複数対の送りローラRにより搬送され、自
現機A内に導入される。自現機Aでは、シート状印画紙
は、処理槽である夫々発色現像槽1A、漂白定着槽1
B、安定槽1C,1D,1E内(実質的に3槽構成の)
をローラ搬送手段(参照記号ナシ)により順次搬送さ
れ、それぞれ、発色現像処理、漂白定着処理、安定化処
理がなされる。前記各処理がなされたシート状印画紙
は、乾燥部35において乾燥されて機外に排出される。
【0085】なお、図中の一点鎖線は、ハロゲン化銀写
真感光材料の搬送経路を示す。また、実施例において
は、感光材料はカットされた状態で自現機A内に導かれ
るものであるが、帯状で自現機内に導かれるものであっ
てもよい。その場合、自現機Aと写真焼付機Bとの間
に、感光材料を一時的に滞留させるアキュムレータを設
けると処理効率が上がる。また、本願発明に係る自現機
は、写真焼付機Bと一体的に構成しても、自現機単体だ
けでもよいことは言うまでもない。また、本発明に係る
自現機によって処理されるハロゲン化銀写真感光材料
は、露光済の印画紙に限られるものでははなく、露光済
のネガフィルム等でもよいことは言うもでもない。ま
た、本発明の説明として、発色現像槽、漂白定着槽、安
定槽を有する実質的に3槽構成の自現機について行う
が、これに限られるものではなく、発色現像槽、漂白
槽、定着槽、安定槽を有する実質的に4槽構成の自現機
であっても本発明は適用できるものである。
【0086】図2は、図1の自現機AのI−I断面にお
ける処理槽である発色現像槽1Aの断面図である。な
お、漂白定着槽1B、安定槽1C,1D,1Eにおいて
は、発色現像槽1Aと同じ構成となるので、以下、処理
槽1として説明する場合は、発色現像槽1A、漂白定着
槽1B、安定槽1C,1D,1Eいずれも指すこととす
る。なお、図には、構成をわかりやすくするために、感
光材料を搬送する搬送手段等は省略してある。また、本
例においては、固体処理剤として錠剤13を用いた場合に
ついて説明する。
【0087】処理槽1は、感光材料を処理する処理部2
と、該処理部を形成する仕切壁の外側に一体的に設けた
固体処理剤(錠剤)13を供給する固体処理剤投入部11と
を有する。これら処理部2と固体処理剤投入部11とは連
通窓が形成された仕切壁12により仕切られており、処理
液は流通できるようになっている。そして投入部11には
処理剤を受容する区分14を設けたので、固形のまま処理
部2に移動することがない。
【0088】筒状のフィルター3は、固体処理剤投入部
11の下方に交換可能に設けられ、処理液中の不溶物、例
えば紙くず等を除去する機能を果たす。このフィルター
3の中は、固体処理剤投入部11の下方壁を貫通して設け
られた循環パイプ4を介して循環ポンプ5(循環手段)
の吸引側に連通している。
【0089】循環系は、液の循環通路を形成する循環パ
イプ4、循環ポンプ5、および、処理槽1等で構成され
ていることになる。前記循環ポンプ5の吐出側に連通し
た循環パイプ4の他端は処理部2の下方壁を貫通し、該
処理部2に連通している。このような構成により、循環
ポンプ5が作動すると処理液は固体処理剤投入部11から
吸い込まれ、処理部2に吐出されて処理液は処理部2内
の処理液と混じり合い、再び固体処理剤投入部11へと入
る循環を繰り返すことになる。この循環流の流量は、1
分間当たりタンク容量に対して0.1(回転=循環量/タ
ンク容量)以上の流量であることが好ましく、より好ま
しくは、0.5〜2.0回転である。また、処理液の循環方向
は、図2に示した方向に限られる必要はなく、逆方向で
あってもよい。
【0090】排液管6は、処理部2内の処理液をオーバ
ーフローさせるためのものであり、液面レベルを一定に
保つとともに、他の処理槽から感光材料に付着して持ち
込まれる成分や、感光材料から浸み出す成分が貯留し、
増加することを防ぐのに役立つ。
【0091】棒状のヒータ7は、固体処理剤投入部11の
上方壁を貫通して固体処理剤投入部11内の処理液中に浸
漬するよう配設されている。このヒータ7は、処理槽1
内の処理液を加温するものであり、換言すると処理槽1
内の処理液を処理に適した温度範囲(例えば20〜55℃)
に保持する温度調整手段である。
【0092】処理量情報検出手段8は、自現機の入口に
設けられ、処理される感光材料の処理量を検出するため
に用いられる。この処理量情報検出手段8は、左右方向
に複数の検出部材を配してなり、感光材料の幅を検出す
るとともに、検出されている時間をカウントするための
要素として機能する。感光材料の搬送速度は機械的に予
め設定されているので、幅情報と時間情報とから感光材
料の処理面積が算出できる。なお、この処理量情報検出
手段は、赤外線センサー、マイクロスイッチ、超音波セ
ンサー等の感光材料の幅および搬送時間を検出できるも
のであればよい。また、間接的に感光材料の処理面積が
検出できるもの、例えば図1のようなプリンタープロセ
ッサーの場合、焼付を行った感光材料の量、あるいは、
予め決まっている面積を有する感光材料の処理数を検出
するものでもよい。さらに、検出するタイミングは、本
例では処理される前であるが、処理した後、あるいは処
理液中に浸漬されている間でも良い(このような場合
は、処理量情報検出手段8を設ける位置を処理後に検出
できる位置や処理中に検出できる位置に適宜変更するこ
とによりできる)。さらに、検出される情報として、上
述の説明では、感光材料の処理面積について述べたが、
これに限られるものではなく、処理される、処理され
た、あるいは、処理中の感光材料の処理量に比例した値
であればよく、処理槽に収容された処理液の濃度あるい
は濃度変化等であってもよい。また、処理量情報検出手
段8は、各処理槽1A,1B,1C,1D,1E毎に設
ける必要はなく、1台の自現機に対して1つ設けること
が好ましい。
【0093】収納手段であるカートリッジ15に収納され
た固体処理剤を処理槽に投入する処理剤供給手段17は、
濾過部(区分)14の上方に配設され、固体処理剤である
錠剤13を封入してあるカートリッジ15と錠剤13を一個又
は複数個押し出す構成の押出部材10とを有している。こ
の処理剤供給手段17は、後述する処理剤供給制御手段9
によって制御され、処理剤供給制御手段9から発せられ
る供給信号と連動して、待機中であった錠剤13を押出部
材10で押し出し、錠剤13を固体処理剤投入部11内の濾過
部(区分)14に供給する。この処理剤供給手段17は、錠
剤13が押し出された後、自由落下し処理液に入るまでの
距離が4cmとなるようにセットした。又、固体処理剤投
入部11に設けた投入のための開口面積を10cm2とした。
なお、本願発明では、固体処理剤13を固体処理剤投入部
11内の濾過部(区分)14に供給したが、供給される場所
は処理槽1内であればどこに供給されてもよく、即ち、
本願発明では処理液を用いて固体処理剤を溶解できれば
よく、感光材料の処理量情報に応じた成分が確実に投入
され、処理槽1内の処理液の処理特性を一定に保つこと
が必要なのであるが、より好ましくは、処理液の循環経
路内に固体処理剤が供給されることがよい。また、この
処理剤供給手段17は、自現機の処理槽内や外気の湿気、
処理液の飛散したものが、処理槽に供給される前の固体
処理剤と接触しないよう吸気ファン18よりドライエアー
を吸気し、処理剤供給手段上を通って排気ファン19より
排気されるエアーの流れをつくる。これらのファンは通
常の自動現像機に使用されている結露防止のものを転用
することができる。
【0094】濾過手段(区分)14は、固体処理剤投入部
11内の処理液に浸漬され、処理剤供給手段17によって供
給された錠剤13による不溶成分、例えば錠剤13中に混入
していた溶解しない成分、錠剤13が崩壊してできる錠剤
13の塊など、錠剤13のみならず固体処理剤以外のものが
感光材料に付着すると出来上がった画像に傷をつけてし
まったり、付着した箇所の処理不足等の原因となるもの
を、除去するものである。この濾過手段(区分)14は樹
脂で加工されている。なお、濾過手段(区分)14は固体
処理剤投入部11内に設けることは必須ではなく、処理剤
供給手段17によって供給される錠剤13が図1に示す感光
材料の搬送経路、あるいは、処理部2内の処理液に投入
されるようにすればよいものである。
【0095】処理剤供給制御手段9は、処理剤供給手段
17を制御するものであり、処理量情報検出手段8によっ
て検出された感光材料の処理量情報(本実施例では処理
面積)が所定の一定値に達すると処理剤供給手段17に処
理剤供給信号を発するものである。なお、処理剤供給制
御手段9は、処理量情報に応じて必要な処理剤量を固体
処理剤投入部11に供給するよう処理剤供給手段17を制御
すればよい。
【0096】次に、図2に基づいて、本願発明の動作を
説明する。露光済の感光材料は、自現機Aの入口におい
て処理量情報検出手段8により処理量情報が検出され
る。処理剤供給制御手段9は、処理量情報検出手段8に
より検出された処理量情報に応じて、処理される感光材
料の面積の累積が所定の面積に達すると、処理剤供給手
段17に供給信号を発する。供給信号を受けた処理剤供給
手段17は、押出部材10で錠剤13を押し出し、錠剤13を固
体処理剤投入部11内の濾過手段(区分)14に供給する。
供給された錠剤13は、固体処理剤投入部11内の処理液に
よって溶解するが、循環手段によって固体処理剤投入部
11→循環ポンプ5→処理部2→連通窓→固体処理剤投入
部11と循環している処理液により溶解が促進される。一
方、検出された感光材料は、発色現像槽1A、漂白定着
槽1B、安定槽1C,1D,1E内をローラ搬送手段に
より順次搬送される(図1の自現機A参照)。なお、夫
々処理槽である発色現像槽1A、漂白定着槽1B、安定
槽1C,1D,1Eそれぞれに、処理剤供給手段17を備
え、それぞれ同時に供給してもよい。また、それぞれの
供給手段により供給されるタイミングは各々別々であっ
てもよく、さらに、処理剤供給制御手段9により処理剤
供給手段が制御されるための所定の面積は、各処理槽1
A,1B,1C,1D,1E同じであってもよいが、そ
れぞれ異なっていてもよいことはいうまでもない。
【0097】本例に限らず以下に説明する例において、
漂白定着槽1B、安定槽1C,1D,1Eにおいては、
発色現像槽1Aと同じ構成となるので、以下で処理槽1
として説明する場合は、発色現像槽1A、漂白定着槽1
B、安定槽1C,1D,1Eいずれも指すこととし、図
中の図番で、前述した図2と同じ機能をもつものは同じ
番号とするので、ここではその説明を省略し、さらに、
構成をわかりやすくするために、感光材料を搬送する搬
送手段等は省略してある。なお本例において濾過手段を
好しい例として記載したが、本発明においては濾過手段
がなくても本発明の効果を十分奏することができる。
【0098】以上説明したように、本発明によると従来
必要であった補充タンクが不要となりそのためのスペー
スを確保する必要がないため自現機がコンパクトにな
り、また、固体処理剤を処理槽に供給するので調液作業
が不要となり、投入時の液飛散や粉塵の発生がなく、取
扱いが簡単であり、さらに、処理液への補充精度が高ま
り補充される処理成分の劣化がなく確実に安定した処理
特性を持つ、という優れた効果を奏する。
【0099】次に、本発明の他の例として、図3は、供
給装置50の断面図を示し、補充水供給手段を追加した処
理剤投入部を処理剤供給手段との断面図である。
【0100】以上、各種の処理槽を含む自動現像機につ
いて示したが処理槽として、現像液を収容するための現
像槽、定着液を収容するための漂白槽、漂白定着液を収
容するための漂白定着槽、定着液を収容するための定着
槽及び安定液を収納するための安定槽を含み、且つ、少
なくとも、前記収納手段及び/又は固定手段、前記供給
手段、及び前記制御手段は前記それぞれの処理槽毎に設
けられているカラーネガフィルム用の自動現像機及び処
理槽として現像液を収容するための現像槽、定着液を収
容するための定着槽を含み且つ、少なくとも前記収納手
段及び/又は固定手段、前記供給手段及び前記制御手段
は前記それぞれの処理槽毎に設けられている黒白ハロゲ
ン化銀写真感光材料用自動現像機についても本発明の効
果が認められた。
【0101】(実施例2)コニカQAペーパータイプA
5(コニカ(株)社製)を像様露光した後、コニカビッグ
ミニラボBM−101(コニカ(株)社製)を図2に示され
ている固体処理剤投入方式に改造しその取付け位置を投
入出口から液面までの高さを表1に記載した値になるよ
う変化できるようにした。尚投入される部分の開口面積
は10cm2とした。吸気ファンによるドライエアーは各槽
の固体処理剤投入装置部分に供給され、処理タンク後部
の排気ファンより排気されるよう流路を形成した。さら
に表1の処理工程となるように改造を加え連続処理を行
った。
【0102】
【表1】
【0103】安定は3から1への向流方式であり、安定
−1のオーバーフロー液は全量漂白定着槽に流入され
た。また、感光材料1m2当りのキャリーオーバーは、全
ての槽で50ml/m2であった。
【0104】また、蒸発補正は温調時は、発色現像、漂
白定着、安定に各々9.0ml/時、7.2ml/時、14.1ml/時ず
つ1時間毎に行い、温調をしていない時には、各々3.8m
l/時、3.1ml/時、6.1ml/時ずつを積算し、温調開始時に
まとめて行った。
【0105】スタート時のタンク液は、コニカカラーQ
Aペーパー発色現像スタート剤82P-1B,(コニカ(株)社
製コニカカラーQAペーパー漂白定着スタート剤82P-2B
(同上),コニカカラーQAペーパー安定スタート剤82
P-3B(同上)を用いて作成した。
【0106】以下の操作(A〜G)に従ってカラーペー
パー用処理錠剤を作成した。
【0107】1)カラーペーパー用発色現像補充用錠剤 操作(A) 現像主薬のCD-3[4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-〔β-
(メタンスルホンアミド)エチル〕アニリン硫酸塩]1200
gを市販のバンダムミル中で平均粒径10μmになるまで粉
砕する。この微粉末を市販の撹拌造粒機中で室温にて約
7分間、50mlの水を添加することにより造粒した後、造
粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の
水分をほぼ完全に除去する。このようにして、調整した
造粒物にポリエチレングリコール6000を150gを25℃、40
%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一
に混合する。次にN-ラウロイルアラニンナトリウム4g
を添加し、3分間混合した後、得られた混合物を菊水製
作所(株)製タフプレストコレクト1527HUを改造し
た打錠機により1錠当たりの充填量を3.2gにして圧縮打
錠を行い、400個のカラーペーパー用発色現像補充用錠
剤A剤を作成した。
【0108】操作(B) ジスルホエチルヒドロキシルアミン2ナトリウム塩120g
を操作(A)と同様、粉砕、造粒する。水の添加量は6.
0mlとし、造粒後、50℃で30分間乾燥して造粒物の水分
をほぼ完全に除去する。このようにして、調整した造粒
物にN-ラウロイルアラニンナトリウム4を添加し、25
℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて3分
間混合する。次に得られた混合物を菊水製作所(株)製タ
フプレストコレクト1527HUを改造した打錠機によ
り1錠当たりの充填量を1.0gにして圧縮打錠を行い、10
0個のカラーペーパー用発色現像補充用錠剤B剤を作成
した。
【0109】操作(C) チノパールSFP(チバガイギー社製)30.0g、亜硫酸
ナトリウム3.7g、臭化カリウム0.3g、ジエチレントリア
ミン5酢酸25g、p-トルエンスルホン酸ナトリウム280
g、水酸化カリウム20g、マンニトール10.6gを(A)と
同様粉砕した後、市販の混合機で均一に混合する。次に
(A)と同様にして、水の添加量を20mlにして造粒を行
う。造粒後、造粒物を60℃で30分間乾燥して造粒物の水
分をほぼ完全に除去する。このようにして、調整した造
粒物にN-ラウロイルアラニンナトリウム4gを添加し、2
5℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて3
分間混合する。次に得られた混合物を菊水製作所(株)製
タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機に
より1錠当たりの充填量を1.0gにして圧縮打錠を行い、
100個のカラーペーパー用発色現像補充用錠剤C剤を作
成した。
【0110】操作(D) 炭酸カリウム350gを操作(A)と同様、粉砕、造粒す
る。水の添加量は20mlとし、造粒後、700℃で30分間乾
燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このように
して、調整した造粒物にポリエチレングリコール6000を
15gを25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用
いて10分間均一に混合する。次にN-ラウロイルアラニン
ナトリウム4gを添加し、3分間混合した後、得られた
混合物を菊水製作所(株)製タフプレストコレクト152
7HUを改造した打錠機により1錠当たりの充填量を3.
0gにして圧縮打錠を行い、110個のカラーペーパー用発
色現像補充用錠剤D剤を作成した。
【0111】2)カラーペーパー用漂白定着補充用錠剤 操作(E) ジエチレントリアミン5酢酸第2鉄アンモニウム1水塩
1250g、エチレンジアミン4酢酸25g、マレイン酸250g、
パインフロー(松谷化学)46gを操作(C)と同様、粉
砕、混合し造粒する。水の添加量は80mlとし、造粒後、
60℃で2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去す
る。このようにして、調整した造粒物にN-ラウロイルサ
ルコシンナトリウム15gを添加し、25℃、40%RH以下に
調湿された部屋で混合機を用いて3分間混合する。次に
得られた混合物を菊水製作所(株)製タフプレストコレク
ト1527HUを改造した打錠機により1錠当たりの充
填量を8.6gにして圧縮打錠を行い、170個のカラーペー
パー用漂白定着補充用錠剤A剤を作成した。
【0112】操作(F) チオ硫酸アンモニウム1640g、亜硫酸ナトリウム750g、
臭化カリウム40g、p-トルエンスルフィン酸50gを操作
(C)と同様、粉砕、混合し造粒する。水の噴霧量は10
0mlとし、造粒後、60℃で120分間乾燥して造粒物の水分
をほぼ完全に除去する。このようにして、調整した造粒
物にN-ラウロイルサルコシンナトリウム20gを添加し、2
5℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて3
分間混合する。次に得られた混合物を菊水製作所(株)製
タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機に
より1錠当たりの充填量を13.4gにして圧縮打錠を行
い、180個のカラーペーパー用漂白定着補充用錠剤B剤
を作成した。
【0113】3)カラーペーパー用安定補充用錠剤 操作(G) 炭酸ナトリウム・1水塩10g、1-ヒドロキシエタン-1,1-
ジホスホン酸ジナトリウム200g、チノパールSFP150
g、亜硫酸ナトリウム300g、硫酸亜鉛7水塩20g、エチレ
ンジアミン4酢酸2ナトリウム150g、硫酸アンモニウム
200g、o-フェニルフェノール10g、パインフロー25gを操
作(C)と同様、粉砕、混合し造粒する。水の添加量は
60mlとし、造粒後、70℃で60分間乾燥して造粒物の水分
をほぼ完全に除去する。このようにして、調整した造粒
物にN-ラウロイルサルコシンナトリウム10gを添加し、2
5℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて3
分間混合する。次に得られた混合物を菊水製作所(株)製
タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機に
より1錠当たりの充填量を3.1gにして圧縮打錠を行い、
360個のカラーペーパー用安定補充用錠剤を作成した。
【0114】次に、上記錠剤を発色現像補充用錠剤につ
いては、A,B,C,D剤を各々1錠ずつ、計4錠をカ
ラーペーパー1m2処理する毎に投入されるようにし、補
充水を同時に44.6ml添加する。また漂白定着補充用錠剤
については、A剤を1錠、B剤を2錠分ずつ計3錠をカ
ラーペーパー0.75m2処理する毎に投入されるようにし、
補充水を同時に4.18ml添加する。
【0115】さらに、安定補充用錠剤については、各1
錠ずつをカラーペーパー1m2処理する毎に投入されるよ
うにし、補充水を同時に97.6ml添加する。
【0116】処理は1日当りカラーペーパーを5m2
し、オーバーフロー量がタンク液の2倍となるまで行な
い、その時の発色現像タンク中のFe濃度を測定し又、
ウエッジ露光した試料を現像し、イエローの反射最低濃
度を測定した。更に投入系の誤動作がないかを以下の基
準に従って評価した。結果を表2に示す。
【0117】
【表2】
【0118】表2の結果から明らかなように、液面との
距離が2cm未満では処理液の蒸発による蒸気で固体処理
剤が湿気を帯び投入動作異常を生じやすく、又20cmより
離れていると液ハネ等によるコンタミネーションが生じ
商品価値のない仕上がりがなることがわかる。よって投
入出口から液面との距離は2cm以上20cm以下であること
が必要であり、好ましくは3cm以上10cm以下である。
【0119】(実施例3)実施例2と同様な操作を投入
手段を図5に示したようなスクリュー方式に変更して行
なった。
【0120】投入する固体処理剤は粉末状となるため、
各処理剤作成ステップで造粒過程と打錠過程を除いて、
混合したものを用いた。一回の投入量は実施例2の錠剤
の場合と同じになるようにスクリューのネジの深さを調
整した。固体処理剤が粉体なのでファンは添加投入時は
別の経路を流し、投入時に吹き飛ばさないようにした。
また評価項目として、投入直後に排気ファンから出てく
る空気中の亜硫酸濃度をガステック社製亜流酸ガス検知
管5Lbにより測定した。測定は5回行ってその平均値
から求めた。結果を表3に示す。
【0121】
【表3】
【0122】表3から明らかなように、投入出口から液
面までの距離は、2cm以上20cm以内が必要であり、好ま
しくは3cm以上10cm以内である。また、粉体の場合錠剤
より粉塵の発生が大きく、それが亜硫酸濃度として自現
機の排気ファンより検出される。亜硫酸濃度は、4ppm
までは臭気を感じる程度だが、10ppm以上になると喉や
鼻に刺激が生じ、咳こむため、それ以下にすることが作
業環境上好ましい。
【0123】本発明によればそれが達成されていること
は表3より明らかである。又ここでは、亜硫酸濃度に限
って提示したが、他の成分も同様に飛散しており、それ
らも相まって人体に影響を及ぼすため、本発明の効果は
より明らかとなる。
【0124】(実施例4)実施例3の実験No.におい
て、固体処理剤を処理液に添加するための投入部分の開
口面積を表4に示したように変化させて同様の実験を行
なった。また、投入開口面積の大小に合わせて投入部出
口の大きさを変化させた。その結果を表4に示す。又、
評価項目として一回の投入に要する時間を記載した。
【0125】
【表4】
【0126】表4より明らかなように投入部分の開口面
積は、2cm2〜100cm2が好ましく、より好ましくは5〜5
0cm2であることがわかる。1cm2より小さくては投入に
時間を要し、投入口下部が湿気を帯びる危険性があるた
め、また、100cm2より大きくなると、他の処理槽へ添加
するべき処理剤まで混入してしまう危険性があるのと、
また処理液の疲労・酸化劣化の点から好ましくない。
【0127】(実施例5)以下に本発明の実施態様の例
を示すが、これらに限定されるものではない。
【0128】図3(A)は粉状処理剤供給装置の断面図
を示し、図3(B)はパッケージの斜視図である。供給
装置50は粉状処理剤54を収納するホッパーまたはパッケ
ージ51と粉状処理剤を計量する計量孔53と定量投入する
ための回転式ドラム52よりなる。この回転式ドラム52は
計量孔53と排出部56の位置をズラすことで防湿機能をも
たせている。パッケージ51の封を切り供給装置の上部に
装填した、。その際微粉末が舞い作業性が悪かった。粉
末ケミカルは計量孔53に一定量計量され感光材料の処理
量検出手段の指令でドラム52が回転し排出部56と連通状
態となったとき停止し排出部56を通過し、定量の粉状ケ
ミカルが自動現像機恒温部(フィルター槽)59に供給さ
れる。供給終了後、ドラム52が回転し計量孔53と供給部
57が連通したときドラム52は停止し粉状ケミカルの計量
が開始される。この供給装置50を自動現像機にセットす
る時は処理液58と排出部56出口との距離hが本発明の範
囲内になるようにする。
【0129】以下の図においてもこのhを本発明の範囲
内になるように取付けるものとする。又Sは開口部面積
を表し、これを2〜100cm2にすることが好ましい。
【0130】図4は粉状処理剤の他の供給装置を示す断
面図である。
【0131】供給装置70は粉状処理剤73をホッパー71に
入れ感光材料の処理量に応じピストン75が水平方向(右
へ)に移動し計量孔72に定量の粉状剤が入りピストン75
が水平反対方向(左へ)に移動し排出部74により定量粉
状剤を恒温槽(フィルター槽)79へ供給する。
【0132】図5は粉状処理剤の更に他の供給装置80を
示す断面図である。
【0133】供給装置80は粉状処理剤85に入りパッケー
ジ81を装着(装填)し、ローラ83により自動的に開封す
る機能を有しスクリュー82の回転数を制御することで粉
状ケミカルを排出部84により供給する装置である。この
供給装置80は、自動的にパッケージを開封する機能を有
しているため開封及び装着時に微粉末が舞うことなく良
好である。
【0134】図6は本発明に係るPTP(Pressure Through
Package)包装された固体処理剤13の供給装置90に関
し、(A)は処理剤供給装置の断面図、(B)は包装破
断手段の斜視図、(C)は包装破断手段の斜視図、
(D)はPTP包装された固体処理剤の積載状態を示す断
面図。
【0135】処理剤収納容器91にはPTP包装された固体
処理剤13が収納されており、個々に収納容器に収納して
も良いし、あらかじめ固体処理剤13が収納されたカート
リッジタイプであっても良い。PTP包装は公知の材質を
用いることができ、固体処理剤13は錠剤の形で包装され
ていることが好ましい。
【0136】PTP包装された固体処理剤13は収納容器の
下方から供給され、感光材料が一定量処理されると処理
量検知手段92の情報が処理剤供給制御手段93に送られモ
ータMによりPTP包装された固体処理剤13をくさび形の
固定板94に押し出しておしつぶすことによってPTP包装
の下部(主にアルミ使用)をはがし、投入口95より固体
処理剤13が処理槽96に投入される。投入後の空になった
PTP包装は更に押し出されることによって廃棄口97より
廃棄される。押しつぶす手段としてはくさびを用いる以
外にローラーを用いる方法もあり、任意に選択できる。
【0137】図7(A)は本発明に係る一括包装した錠
剤(予め分割秤量)用パーツフィーダ方式供給装置100
の1例を示したものである。
【0138】一括包装した錠剤ケミカルの包材(図7
(B),(C))を開封しホッパー101に入れた。その
際微粉末など発生しないし、ケーキングもなく取り扱い
性良好であった。残量検出手段109の信号で制御手段102
により撹拌機106が回転し、錠剤105が錠剤整列部110に
整列する。感光材料の処理量に応じて、処理剤供給制御
手段103が働き、回転テーブル107が錠剤を搬送し排出部
108より投入部へ供給する。回転テーブル107は一回転
し、回転テーブル107は一回転し、回転テーブル制御手
段の指示で停止する(一回の指示で数回錠剤を供給も可
能)。錠剤が回転テーブル107の穴に入る。
【0139】包装材料費用が安価で取り扱い性が良く、
精度よく投入でき、特に錠剤整列部110があることによ
り回転テーブル107による空供給がなく非常に効率が良
いという利点がある。ポリ容器の減少で環境適性に好ま
しい。また、微粉末がでないことより供給装置100内部
が汚れずメンテナンスフリーである。
【0140】図8(A)は本発明に係る一括包装した錠
剤(予め分割秤量)用パーツフィーダ方式供給装置120
の1例を示したものである。
【0141】一括包装した錠剤ケミカル121の包材(図
8(B)または(C))を開封しホッパー133に入れ
た。その際微粉末など発生しないし、ケーキングもなく
取り扱い性良好であった。残量検出手段125の信号で可
動部材124が回転し、錠剤ケミカル121が錠剤整列部129
に整列する。一定量整列すると可動部材124は停止す
る。この際スィーパ123が錠剤が可動部材124のポケット
122に入り整列部125に整列するのに非常に効果がある。
【0142】感光材料の処理量に応じて処理剤供給手段
126が働き第1のシャッター131が回転し錠剤ケミカル12
1が下に落ちる。次に第1のシャッター131が逆回転し錠
剤1ケをシャッター131と132の間に挾む。シャッター13
2が回転し錠剤ケミカルは排出部128を通過し投入部135
へ供給する。次にシャッター132が逆回転しシャッター1
31がしまる。
【0143】包装材料が安価で取り扱い性が良く、精度
良く投入でき特に錠剤整列部129があることにより空供
給がなく良い。ポリ容器の減少で環境適性に好ましい。
又微粉末がでないことより供給装置120内部が汚れずメ
ンテナンスフリーである。
【0144】図9は本発明の固体処理剤供給装置140の
1例を示す斜視図であり、包装体143に入った固体処理
剤144の包装体143をはがすことによって固体処理剤を処
理槽145に投入するものである。
【0145】固体処理剤144を四方シールで包装した包
装体143の先端部をローラ141を介して固定手段である巻
き取り軸142にセットし、感光材料が処理されると処理
量情報検出手段によって検知し、ある一定量に達した時
に処理剤供給制御手段により信号が送られ処理剤供給手
段でもある巻き取り軸142のモーターを動かすことで、
固体処理剤144の入った包装体143をある一定の長さだけ
移動させ、必要数の固体処理剤を投入する。投入装置は
固体処理剤144が自由落下している距離を本発明の範囲
内になるようセットする。包装体143を移動させる方法
は包装体143に予め設けられたノッチを検出する方法、
印刷柄の検出、包装体143の処理剤検出等どんな方法で
も良いが要は必要数の固体処理剤144を精度よく検出
し、ローラ141や巻き取り軸142によって移動させるもの
である。ローラ141は包装体を固定する、位置決めする
などの目的で設置しており、2つの巻き取り軸により剥
離され、固体処理剤144が処理槽145の投入口146に投入
される。
【0146】この様な方式の場合、固体処理剤144は顆
粒、丸薬、錠剤、粉剤でも良いが好ましくは錠剤の方が
シールに余り付着せず従って精度よく投入でき、汚れも
発生しにくいという利点がある。巻き取り終了後は巻き
取り軸から直接取ってもよく、又巻き戻して包装体がカ
ートリッジごと廃棄することもできる。
【0147】図10は本発明の好ましい実施態様の供給装
置150の1例を示し、(A)は平面図、(B)は斜視
図、(C)は巻き取り軸156の平面図である。
【0148】処理剤151は四方シールされた包装体152に
包装されている。
【0149】四方シールされた処理剤151は筒153を介し
てはがされ、処理剤151は投入口154を介して投入部155
に投入される。ここでは筒153及び巻き取り軸156が処理
剤供給手段として作用する。包装体152は巻き取り軸156
で巻き取られる構造になっており、巻き取りの制御は感
光材料処理量検知手段より信号を受けた処理剤供給手段
により制御される様になっている。巻き取る際はつまみ
157を開放状態にし、包装体152の先端部を筒を介して処
理剤収納包材の固定手段である巻き取り軸156にセット
し、つまみ157をひねることでクランパ158により固定さ
れ、巻き取られる。
【0150】図11は固体処理剤161をスティック包装し
た場合の供給装置160の1例を示したものであり、
(A)は側断面図、(B)は正面断面図である。
【0151】スティック包装した固体処理剤161を収納
手段である収容容器162に入れる。収容容器162に入った
スティック包装固体処理剤161はブリッジ防止ローラ163
及びターレットへの供給を兼ねたローラによりターレッ
ト164に送られる。ターレット164に送られたスティック
包装固体処理剤161はクランパ165により両端を固定さ
れ、その後回転運動によりカッター部に送られ、スティ
ック包装の中心部をカッター166により切りこみを入れ
(又は切断)、更に回転により二ツ折り板167に送られ
て、スティック包装固体処理剤161を折り曲げ、回転カ
ッター166によって切り込みを入れた部分からスティッ
ク包装内に充填された固体処理剤161をシュート168に投
入する。投入後更に回転によりスクラップ落下バー169
まで送られ、クランプ開閉用カム170によりクランパ165
が解除され。スクラップ包装のスクラップ171が回収シ
ュート172に廃棄される。
【0152】図12(A)は本発明の供給装置180の1実
施態様を示す断面図である。図12(B),(C)は一括
包装した錠剤ケミカルの斜視図である。
【0153】処理部181と処理槽の一部を構成する恒温
槽182内の投入部185は連通しており、処理槽下部から循
環ポンプ183により強制的に液循環させ、フィルター部1
82に吐出され、錠剤投入部185を通って処理部181に入る
ようになっている。
【0154】感光材料が処理されると処理量検出手段19
2により処理量が検出され、ある一定の処理量に達する
と処理量供給制御を介してモータM2を駆動させあらか
じめ秤量された錠剤が恒温槽182内の投入部185に供給さ
れる様になっている。
【0155】錠剤は収容容器187に直接投入され、投入
後、整列量制御手段186の信号によりモータM1により
整列手段188が駆動し、錠剤を整列させ、整列部189に供
給される。整列部189に供給された錠剤は処理量供給制
御手段190からの信号を受けてモータM2が駆動すると
供給手段の回転運動により錠剤が投入部の上部まで運ば
れ、投入部185に投入される。その際処理剤供給手段191
は恒温槽182と実質的に遮断されていることが錠剤の防
湿性の上から好ましい実施態様である。
【0156】又収容容器187に投入する際の錠剤は図12
(B),(C)に示す様な容器に入ったものを破いて収
容容器187に入れる。図12(B),(C)に示す容器は
紙、高分子性樹脂アルミ等公知の素材を使用することが
できるが好ましくは防湿性が良く、しかも酸素透過性が
低い素材を用いることである。
【0157】図13はブリスター個包装された固体処理剤
の供給装置200の1例を示した断面図である。
【0158】固体処理剤の入った個包装202を収納部203
に装填する。
【0159】感光材料の処理量に応じて円盤201が180°
回転し、その後針205が個包装202を貫通し個包装202内
の排出部204を通過し投入部へ供給する。空の個包装202
は廃棄口より廃棄される。
【0160】固体処理剤は粉体でも顆粒でも良いが粉体
は容器に付着するため顆粒の方が好ましい。
【0161】取り扱い性が良く、供給装置200の微粉末
汚れがなくメンテナンスフリーである。
【0162】図14は、本発明の供給装置210の1例を示
す断面図である。
【0163】感光材料の処理量に応じて錠剤ケミカル21
7を収納部211より直接処理槽内部にある投入部215に供
給する。投入部215は未溶解の処理剤が直接感光材料に
付着しないよう固体処理剤用フィルター216がある。こ
のフィルター216の材質は特に限定されない。メッシュ
についても特に限定しないが液の流通及びフィルター効
果より10〜100μmが好ましい。
【0164】処理槽の一部を構成する恒温槽212に固体
処理剤217を供給した時と効果はほぼ同等である。唯一
処理槽内に投入部215が別にあることでコンパクト性が
劣る。
【0165】更に図15(A),(B)、図16(A),
(B)及び図17、図18、図19の他の実施例について説明
する。
【0166】図15(A),(B)は「コの字」形半抜き
パンチ方式の包装体開放手段を表わす。
【0167】感光材料が処理されると処理量情報検出手
段によって検知し、ある一定量に達したときに、処理剤
供給制御手段により信号が送られ搬送ローラ対303Aが
回転し、固体処理剤301の入った包装体302を図15(A)
の様な位置まで移動させ停止する。包装体302を移動さ
せる方法は包装体302に予め設けられたノッチを検出す
る方法、印刷柄又はアイマークの検出、包装体302内の
処理剤301の検出等どんな方法でも良いが、要は必要数
の固体処理剤301を精度良く検出すれば良い。次に図15
(B)の様にパンチ雄型304を下方に駆動し、パンチ雌
型305とにより包装体302を切断し、さらに包装体302を
搬送ローラ対303Aにより図示左方へ搬送すれば、包装
体302はしごきローラ対303Bおよびゲート板303Cによ
りしごかれて移動し、内包する固体処理剤301は図16
(A)に示す投入口306を経て、自動現像機の処理槽307
に投入される。パンチ雄型301で切断された切り口は図1
6(B)に示すようにパンチ304の形状の様にコの字とな
る。
【0168】この様な方式の場合、固体処理剤301は粉
剤、顆粒、錠剤どれでも良いが好ましくはパンチ雄型
に、薬品が付着しにくい錠剤が良い。又錠剤301は包装
体302に余り付着せず従って汚れも発生しにくく、ユー
ザーが取扱う際にも安全である。使用済み包装体302は
廃棄箱308に入りまとめて廃棄することができる。この
廃棄箱308は、使用済みの包装体収納箱309を再使用する
ことが好ましい。
【0169】図17,18は包装体302の切り落とし手段を
表わす。
【0170】感光材料が処理されると処理量情報検出手
段によって検知し、ある一定量に達したときに、処理剤
供給制御手段により信号が送られ搬送ローラ303Dが回
転し、固体処理剤301の入った包装体302を固体処理剤30
1が処理槽フィルター部310の上部の位置まで移動させ停
止する。このとき包装体302の先端はしごきローラ対303
Bに入っている。
【0171】包装体302を移動させる方法は包装体302に
予め設けられたノッチを検出する方法、印刷柄の検出、
包装体302の処理検出等どんな方法でも良いか要は必要
数の固体処理剤301を精度良く検出すれば良い。次にセ
ラミック製カッター311が包装体302を切断する。切断が
終了するとしごきローラ303B及び搬送ローラ303Aが回
転し固体処理剤301はしごきローラ303Bによりしごかれ
排出口を通過し自動現像機の処理槽フィルター部310に
投入される。カットされた廃棄包装体302は搬送ローラ3
03Aより排出され廃棄箱308に入る。この廃棄箱308は使
用済みの包装体収納箱309を再使用するのが好ましい。
【0172】この様な方式の場合、固体処理剤301は粉
剤、顆粒、錠剤どれでも良いが、好ましくはセラミック
製カッター311に薬品が付着しない錠剤が良い。又錠剤
は包装体302に余り付着せず従って汚れも発生しにくい
という利点がある。
【0173】使用済み包装体302は廃棄箱308に入りまと
めて廃棄することができる。
【0174】図19(A),(B)は連続包装体402の二
分割カット手段を表わす。
【0175】感光材料が処理されると処理量情報検出手
段によって検知し、ある一定量に達したときに処理剤供
給手段により信号が送られ搬送ローラ対403A,403Bが
回転すると同時にセラミック製又はステンレス製の丸刃
411が回転し、連続包装体402の下部を二分割カットし固
体処理剤401を投入する。この二分割する連続包装体402
はサクションガイド404にサクションにて両サイドに広
げられ内部の固体処理剤401が落下し易くなっている。
固体処理剤401がない空の包装体402は次の固体処理剤40
1の投入の時搬送ローラ403で移動し包装体収納箱408へ
廃棄される。
【0176】この二分割は上記方法の他、連続包装体40
2にノッチ等と付けておき、ローラーで巻き取りながら
引き裂いても良い。
【0177】この様な方式の場合、固体処理剤401は粉
剤、顆粒、錠剤どれでも良いが好ましくはパンチ雄型に
薬品が付着しない錠剤が良い。又錠剤は包装体402のシ
ールに余り付着せず従って、汚れも発生しにくいという
利点がある。
【0178】使用済み包装体402は包装体収納箱408に入
りまとめて廃棄することができる。
【0179】図20は、前述の図4の供給装置70と同じも
のを離れた場所から供給する場合の例を示したものであ
る。自動現像機の構造等から供給装置70を投入すべき場
所の近くに配置できない例がある時は、図20のように排
出部74に接続するガイド78を用いて移動供給させること
も可能である。その場合の本発明でいう処理液面との距
離はガイド78を出てからの距離hである。ガイド78とし
ては金属や塩ビ管のような堅い物でも、プラスチックホ
ースのような柔軟性のある素材でもかまわない。また、
その長さは投入が確実に行なうことができればいくらで
もかまわない。
【0180】図21は前述の図2の自動現像機の供給装置
と同様な投入システムを用い、下方より上方にある投入
すべき場所への移動の例を示したものである。カム21に
よって押し爪22が作動し固体処理剤13を押し出し、エア
ーポンプ23等で空気圧でガイドパイプ24内を矢示上方へ
移動させ、投入付近でエアーはフィルターで外気して固
体処理剤は最後には自由落下により固体処理剤投入部11
に投入される。エアーの流れは投入時のみ生じていれば
良く又、投入がスムーズにいくようにエアー圧を調整す
る。ここには一つの処理槽の例しか示していないが、他
の処理槽も同様にすることができ、一つのポンプ23でコ
ントロールすることも可能である。この方法は投入時に
ドライエアーを用いるため、固体処理剤投入部11の投入
口が乾燥状態にあるという利点を持っている。なお、24
Aはエアー抜けフィルターである。
【0181】図22は前述の図5の供給装置80を用い、ガ
イド86を用いて処理槽89上へ粉状処理剤85を供給する例
として示したものである。ガイド86の途中にはシャッタ
ー88を有し、処理液58の蒸気が上部の粉体と接触する部
分まで到達しないようになっている。シャッター88は通
常は閉じたままで、投入する動作情報をもとに開くよう
になっている。
【0182】図23は固体処理剤501の投入量を検知する
手段の例である。ホッパー502を出て投入される時に、
両側に光量センサー503を備えた部分を通過する様に
し、光量変化をアナログ的に連続検知してアンプユニッ
ト504で増幅し、デジタルパネルメータ505で表示するこ
とで、所定量が投入されていることを検知するものであ
る。
【0183】図24は前述の図5の投入装置80の投入部に
静電容量センサー601を取り付けて固体処理剤85がなく
なりそうなことを検出する手段を取付けた例である。通
常はある一定の通電状態にあるものが固体処理剤85がな
くなり、センサー601の検出部まで達すると通電量が変
化し、それを検出器602で検出する。
【0184】図25は粉状処理剤の他の供給装置60の斜視
図である。
【0185】供給装置60は粉状ケミカル収納部63が複数
に分離されており従来の濃縮キットと同様にパート毎に
分け収納するように工夫されている。又収納部における
粉状ケミカルの保存性向上のために除湿装置65がある。
【0186】感光材料の処理情報により回転体67は、テ
ーブル66に受けた粉状処理剤を排出部68へ成分毎に定量
移送し供給する。その後、ガイド62を通って処理タンク
61部へ添加される。この際ガイド62を出てから処理液58
までの距離を本発明の範囲内にすることによりはじめて
本発明の効果が表れた。
【0187】図26は図3で示した供給手段を処理槽側の
投入受口にガイド59Aを設けた時の例である。このこと
によって正確な投入を行うことができ好ましい。このよ
うにガイド59Aは投入側に設けても、受け側に設けても
かまわない。
【0188】図27は図5の供給手段を投入口側にガイド
59Bを設け、さらに投入受け側にもガイド59Aを設け、
それらガイド59A,59Bの部分にファンFANによって
吸気したエアーがあたるように配置した例である。エア
ーがファンFANによって供給されることにより、常に
投入口は乾燥状態にあるため好ましい。ただし投入時に
は不必要な固体処理剤の飛散を生じ、好ましくないた
め、ファンFANを止めるか、エアーの流路を別にずら
すかすることが好ましい。このファンFANは通常自現
機で用いる結露防止のファンFANを用いてもかまわな
い。またエアーの流れはエアーが乾燥したものであれば
どこから吸気してもかまわない。
【0189】図28は図5の供給装置を傾斜をつけて配置
し、排出部84より排出された後の粉体処理剤をモーター
1102により回転するスクリュー1100により上部へ粉体処
理剤を搬送する装置である。このように、処理タンクに
より下部に供給装置を設置することも可能である。この
場合も図中の高さhを本発明の範囲内の距離になるよう
になるように設置する。
【0190】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のハロゲ
ン化銀写真感光材料用自動現像機は予じめ分割秤量され
た固体処理剤を処理槽に直接添加し溶解せしめ写真材料
によって不足したり溶出したり成分を補い、必要に応じ
補充水を別途必要量補給する事により写真性能を一定に
ならしめる。
【0191】従来行われたユーザーによる一定期間ごと
の補充液作成作業が不要となり固体処理剤を予じめセッ
トにしておくだけで写真材料の処理量に応じて自動的に
投入することで処理液の性能は一定に維持される。
【0192】さらに、固体処理剤投入手段における問題
であった粉塵の発生や他の処理槽へのコンタミネーショ
ンを防止することが可能となり、クリーンな環境で快適
にしかも安定して作業を行なうことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動現像機と写真焼付機とを一体に構成したプ
リンタープロセッサーの概略構成図。
【図2】自動現像機の処理剤投入部と処理剤供給手段と
の断面図。
【図3】粉状処理剤供給装置の断面図及びパッケージの
斜視図。
【図4】他の粉状処理剤供給装置の断面図。
【図5】粉状処理剤供給装置の他の実施例を示す断面
図。
【図6】本発明に係るPTP包装処理剤供給装置の断面
図及び斜視図。
【図7】固体処理剤供給装置の断面図及び一括包装した
固体処理剤包装体の斜視図。
【図8】固体処理剤供給装置の他の実施例の断面図及び
包装体の斜視図。
【図9】固体処理剤供給装置のさらに他の実施例を示す
斜視図。
【図10】固体処理剤供給装置の斜視図と平面図。
【図11】供給装置の側断面図及び正面断面図。
【図12】供給装置の断面図及び包装体の斜視図。
【図13】ブリスター個包装された固体処理剤の供給装
置の断面図。
【図14】固体処理剤を直接処理槽に添加する1例を示
す断面図。
【図15】半抜きパンチ方式の包装体開放手段を有する
供給装置の実施例を示す断面図。
【図16】上記供給装置の斜視図及び包装体の平面図。
【図17】包装体の切り落とし手段を示す断面図。
【図18】上記切り落とし手段の斜視図。
【図19】連続包装体の二分割カット手段の斜視図及び
断面図。
【図20】粉状処理剤供給装置の他の実施例を示す断面
図。
【図21】固体処理剤供給装置の他の実施例を示す断面
図。
【図22】粉状処理剤投入装置さらに他の実施例を示す
断面図。
【図23】粉状処理剤の投入装置の検知手段の実施例を
示す断面図。
【図24】粉状処理剤の投入装置の検知手段の他の実施
例を示す断面図。
【図25】粉状処理剤の他の供給装置を示す斜視図。
【図26】粉状処理剤供給装置の他の実施例を示す断面
図。
【図27】粉状処理剤供給装置のさらに他の実施例を示
す断面図。
【図28】粉状処理剤供給装置のさらに他の実施例を示
す断面図。
【符号の説明】
1 処理槽 1A〜1E 処理槽 2 処理部 3 フィルター 4 循環パイプ 5 循環ポンプ 6 排液管 8 処理量情報検出手段 9 処理剤供給制御手段 10 押出部材 11 固体処理剤投入部 13,105,121,144,151,161,301 固体処理剤(錠剤
ケミカル、錠剤) 14 濾過部(区分) 18 吸気ファン 19 排気ファン 23 エアーポンプ 24 ガイドパイプ 78 ガイド 50,70,80,200 粉状処理剤供給装置 51,81 パッケージ 54,85 粉状処理剤 58 処理液 71 ホッパー 90,100,120,140,150,160,180,210 固体処理剤
供給装置 154 投入口 143,152,302,402 包装体 503 光量センサー 601 静電容量センサー S 開口部面積 h 排出部と処理液面との距離

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハロゲン化銀写真感光材料を処理する処
    理液を満たす処理槽を有するハロゲン化銀写真感光材料
    用自動現像機において、ハロゲン化銀写真感光材料用固
    体処理剤を該自動現像機中の処理液に供給する手段を有
    し、該供給手段の一部又は全部が自由落下を利用したも
    のであり、かつ該固体処理剤が排出口先端を出てから処
    理液に投入されるまでの距離が2cm以上20cm以下である
    ことを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料用自動現像
    機。
  2. 【請求項2】 前記固体処理剤が排出口先端をでてから
    処理液に投入されるまでの距離が3cm以上10cm以下であ
    ることを特徴とする請求項1記載のハロゲン化銀写真感
    光材料用自動現像機。
  3. 【請求項3】 前記供給手段において、固体処理剤が接
    触する空間の一部又は全部に対し防湿手段を有すること
    を特徴とする請求項1又は2記載のハロゲン化銀写真感
    光材料用自動現像機。
  4. 【請求項4】 前記供給手段において、前記自動現像機
    に設けた該固体処理剤を供給するための開口部分の面積
    が2〜100cm2であることを特徴とする請求項1〜3記載
    のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
  5. 【請求項5】 前記供給手段において、処理剤がなくな
    ったこと或はなくなることを検出する検出手段を有する
    ことを特徴とする請求項1〜4記載のハロゲン化銀写真
    感光材料用自動現像機。
JP4802893A 1993-03-09 1993-03-09 ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機 Pending JPH06258809A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995034844A1 (fr) * 1994-06-14 1995-12-21 Noritsu Koki Co., Ltd. Appareil de developpement automatique pour materiaux photosensibles et dispositif d'alimentation en agent de traitement

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1995034844A1 (fr) * 1994-06-14 1995-12-21 Noritsu Koki Co., Ltd. Appareil de developpement automatique pour materiaux photosensibles et dispositif d'alimentation en agent de traitement
US5754915A (en) * 1994-06-14 1998-05-19 Noritsu Koki Co., Ltd. Automatic photosensitive material developing machine and photographic processing solution replenishing apparatus

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