JPH06161075A - ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機

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Publication number
JPH06161075A
JPH06161075A JP31378592A JP31378592A JPH06161075A JP H06161075 A JPH06161075 A JP H06161075A JP 31378592 A JP31378592 A JP 31378592A JP 31378592 A JP31378592 A JP 31378592A JP H06161075 A JPH06161075 A JP H06161075A
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JP
Japan
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processing
tank
water
agent
silver halide
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Pending
Application number
JP31378592A
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English (en)
Inventor
Wataru Satake
亘 佐竹
Shigeharu Koboshi
重治 小星
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 自動現像機のコンパクト化及び作業性の改善
が図られ、しかも低補充で、安定した写真性能が得られ
る自動現像機を提供する。 【構成】 露光されたハロゲン化銀写真感光材料を処理
する処理液を収容する少なくとも一つの処理槽102と
処理剤が投入される処理剤投入部111と、該処理剤が
固体処理剤113であって該処理剤を収納する収納手段
115と、処理剤投入部111に固体処理剤113を投
入する供給手段117と、前記感光材料の処理情報を検
出する処理量検知手段108と前記検知手段により検知
された処理量情報に応じ前記供給手段を制御作動させ固
体処理剤113を投入する制御手段109と、補充水を
前記処理槽102もしくは固体処理剤投入部111に補
給する補充水供給手段142とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料用の自動現像機(以下、単に自現機ということもあ
る)に関し、更に詳しくは自動現像機のコンパクト化及
び溶解作業をなくし大巾に作業性の改善がはかられ、し
かもケミカルの安定性が飛躍的に向上する自動現像機に
関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀カラー写真感光材料(以
下、感光材料ないし写真材料と称することもある)は、
露光後、現像、脱銀、洗浄、安定化等の工程により処理
される。又黒白ハロゲン化銀写真感光材料は露光後現
像、定着処理される。黒白現像液、カラー現像液、脱銀
処理には漂白液、漂白定着液、定着処理には定着液、洗
浄には水道水またはイオン交換水、無水洗洗浄には安定
化液、又色素安定化処理には安定液がそれぞれ使用され
る。
【0003】これら各処理工程を行うための処理機能を
有する液体のことを処理液という。各処理液は通常30〜
40℃に温度調節され、感光材料はこれらの処理液中に浸
漬され処理される。
【0004】この様な処理は通常自動現像機(以下、自
現機と称する)等で上記の処理液を収納した処理槽内を
順次搬送させることによって行われる。
【0005】ここで自動現像機と言う場合、現像部、定
着部、脱銀部、洗浄又は安定化部及び乾燥部を有し、各
処理現槽部を順次自動的に写真感光材料を搬送させる手
段を有する現像機のことを一般的にさす。
【0006】さて、この様な自動現像機で処理する場
合、処理槽内の処理液の活性度を一定に保つために処理
剤を補充する方式が一般に広く採られている。
【0007】この処理剤補充方式としては処理剤を溶解
した補充液を予め用意しておく方法が広く用いられてい
る。
【0008】具体的には、補充用タンクから、予め作製
した補充液を適時処理槽内に供給しつつ処理作業を行う
ようにしている。
【0009】この場合、補充用タンクに貯溜される補充
液自体は一般には別の場所で調整され作成されたもので
あるがミニラボ等では現像機内に近接して設置された補
充タンクにて一定量一度に調整されるのが普通である
が、その作製に当っては、手作業による溶解またはミキ
サーによる溶解混合が行なわれてきた。
【0010】すなわち、ハロゲン化銀写真感光材料用処
理剤(以下、写真処理剤と称することもある)は粉末状
あるいは液体状で市販されており、使用にあたっては、
粉末の場合は一定量の水に手作業で溶解することにより
調液され、又、液体状の場合も濃縮されているから一定
量の水を加え簡単に撹拌し希釈して用いられる。
【0011】補充タンクは自動機の横に設置される場合
があり、相当のスペースを確保する必要がある。又、最
近急増しているミニラボにおいても自現機本体に補充タ
ンクを内蔵するようにしているが、少なくとも5L〜10
Lそれぞれの液について必要でありこれだけの補充タン
クのスペースを確保する必要がある。
【0012】補充用処理剤は、写真処理に際して良好で
安定した性能を得るためにいくつかのパートに分かれて
いる。カラー用発色現像液は3〜4パートに分かれてお
り、又カラー用漂白定着液の補充液は酸化剤である有機
酸第2鉄塩のパートと還元剤であるチオ硫酸のパートに
分かれており、補充液作成時に前記有機酸第2鉄塩の濃
厚パートとチオ硫酸塩含有濃厚パートを混ぜ合わせ、一
定量の水を加えることで使用に供している。
【0013】上記濃厚化されたパートは例えばポリ容器
等の容器に入れられ、これらをまとめて外袋(例えば段
ボール箱)に入れて1単位として市販されている。
【0014】上記パート剤がキット化された補充処理剤
は、溶解、希釈、混合後、一定量に仕上げて使用される
が、該補充処理剤には次のような欠点がある。
【0015】第1に従来のキットのほとんどは、作業性
向上のため濃縮された濃厚水溶液となっておりほとんど
がpH2.0以下もしくは12.0以上の極めて危険な水溶液で
あり、皮膚への付着など人体に危険なものが多く又、強
力な酸化剤か還元剤である事が多く、船、航空機での輸
送には極めて危険な腐食性を有している。又、水溶液で
あるため溶解度に限度があり固体の場合より重量、容積
が多くなる。前記のように濃縮物は危険物であるが故に
容器は、一定の高さから落としても破壊せず液がこぼれ
ない事が必要となるため容器はより頑強であることのた
めポリ容器の廃棄が問題になっている。
【0016】第2に各パート剤は容器に各々入れられ、
補充処理剤によってはパート剤が数本に及び、1単位と
もなると容器の数がかなり多くなり、貯蔵や輸送の際に
多くのスペースを必要とする。例えばカラーペーパー用
処理液であるCPK−2−20QAの発色現像補充剤は10
lを1単位として保恒剤含有キットをパートAに、発色
現像主薬含有キットをパートBに、アルカリ剤はパート
Cに分けられ、各A,B及びCは500mlのポリ容器に入
っている。同様に漂白定着液は8lを1単位として3ボ
トルにパート剤が分かれており、安定液は10lを1単位
として2ボトルにパート剤が分かれている。これらの補
充剤は各々各種の大きさの外箱に入れられた貯蔵、輸送
されることになるが外箱が小さい安定液で約17cm×14cm
×16.5cmで比較的大きい漂白定着剤で約18.5cm×30.5cm
×22.5cmとなり、貯蔵、輸送上あるいはお店の中で同種
の補充剤でしか積み上げができず、結局多くのスペース
を必要とする。
【0017】第3の欠点としては空になった容器の廃棄
の問題である。近年ヨーロッパ、アメリカを中心にして
環境保全、省資源化が強く望まれており、写真関係では
特にポリ容器の廃棄が問題になっている。写真用のポリ
容器はコストが安く貯蔵や輸送にも便利で耐薬品性に優
れているものの、ポリ容器は生分解性がほとんどなく、
蓄積され、焼却した場合は炭酸ガスの大量の発生を伴
い、地球の温暖化や酸性雨等の一因になっており、又ユ
ーザーの問題としては作業スペースの狭いところにポリ
容器が大量と山積みされ、しかも強度がある為につぶす
こともできず、更にスペースも狭くしている等の問題が
指摘されている。
【0018】第4にケミカルが非常に不安定であること
である。
【0019】通常補充液の寿命(ライフタイム)は浮き
蓋有りでも2週間が一般的な使用期限である。しかるに
最近では各処理液の補充量は低補充化され1日平均30本
のカラーフィルムを受注処理するミニラボでは10Lの補
充液が1ヶ月以上も使用される事が多くなっている。
【0020】この様な場合処理槽の処理液より補充タン
クの中の補充液のほうがはるかに空気に触れる割合が多
くなり劣化していることになり補充しても全く意味がな
いことが頻繁に起こっている。従って補充タンクを5L
に小さくする工夫や補充キットの収容単位を5Lと小さ
くする工夫がされている。この場合にはさらに包材が必
要となってくる欠点を有している。
【0021】また別にはカラーペーパー用発色現像補充
液を例にすると、カラーペーパー用発色現像補充液を作
成する際、ある一定量の水を補充タンクに入れた後、保
恒剤含有濃縮キットAを入れて撹拌し、次に発色現像主
薬含有濃縮キットBを入れて撹拌し、ついでアルカリ剤
含有濃縮キットCを入れて撹拌し、最後に水を加えてあ
る一定量に仕上げる。その際、いくつかの問題が発生し
易くなる。例えば、撹拌が不十分であったり、はじめの
水を入れ忘れたりした場合に、発色現像主薬の結晶が析
出しやすくなり、それがベローズポンプにたまって補充
されずに、写真性能が不安定になったり、ベローズポン
プが破損したりする。又濃縮キットは製造後直ちに使用
される由ではなく製造後1年経過して使用されることも
あり、場合によっては発色現像主薬や保恒剤が酸化され
性能が不安定になったりする。
【0022】濃縮キットや粉剤から作成された発色現像
補充液は更に又補充タンク内においていくつかの問題が
あることが知られている。例えば長期にわたって補充液
が使用されないと補充タンク壁面に結晶が付着したり、
又補充液が酸化され易くなったり、タールの発生等が生
じたりする。又保存条件によっては補充液中の結晶しや
すい成分、例えば発色現像主薬等が低温で析出する等の
問題があり、その為にメーカーによっては補充液の保存
条件を指定してユーザーが管理する様指導しているのが
実状である。
【0023】この様に一般的に用いられている濃縮キッ
トを使用して補充液を作成する方法、あるいは粉剤を用
いて補充液を作成する方法はカラーペーパー用発色現像
液を例にとりあげても前記したような問題点があり、漂
白定着液、漂白液、定着液に付いても似たような問題が
ある。例えば、漂白定着液は、保存安定性は著しく悪い
特徴がある。何故なら漂白定着処理は、高いpHを持つ
発色現像液の直後の処理となり、通常は、このアルカリ
性の発色定着液が処理するペーパーにより持ち込まれる
ため中和する目的で酸性度が高くpHは著しく低いのが
通例である。低pHでは、チオ硫酸塩と酸化剤からなる
漂白定着液では保存性が著しく悪く補充液を作成して低
補充は不可能といわれている。この他に定着液、安定液
とも同様である。
【0024】また別の問題として低補充化や迅速化が進
められる中で補充液は濃厚化されるばかりであり通常は
溶解度の限界まで濃縮されているのが最近の補充液であ
る。この事は、補充液の保存性は悪くなるばかりであり
結晶析出など実用上の多くの問題をかかえている。
【0025】一方、上記の様な濃縮キット又は粉剤を用
いて補充液を作成する方法とは別に、濃縮キットを直接
補充する方法が知られている。
【0026】この方法は溶解作業の不効率性を改善する
為に濃縮キットをベローズポンプ等の供給手段を用いて
直接処理槽に補充し、併せてある一定量の補水を独立し
て行うものである。確かにこの方法は前記の濃縮キット
や粉剤から補充液を調整する方法に比べ、調液作業が不
要になる。あるいは補充液を作成しないので保存性の問
題はなくなる。
【0027】しかしながら上記の方法も多くの問題をか
かえている。すなわち濃縮キットを供給する為に濃縮キ
ット用のタンクそして供給手段としてのポンプが新たに
必要となり、自現機が大型化する問題である。例えばカ
ラーペーパー用処理液であるCPK−2−20を例に考え
てみると、発色現像補充液の濃縮キットは3パートあ
り、漂白定着補充液の濃縮キットは3パート、そして安
定補充液の濃縮キットは2パートあり、これを供給する
場合、濃縮キット用のタンクが8個、そしてポンプが8
台必要である。従来の補充方式の場合、各補充液毎のタ
ンク、ポンプががあれば良いから各々3個あれば事足り
る。この様に濃縮キットを供給する場合だけをみても従
来の方法に比べタンク、ポンプがたくさん必要となり、
更に調整水用のポンプも必要となる。また、ベローズポ
ンプの精度はそれ程高くなく複数の液を同時に精度良く
吐出する事は難しく成分のくるいを生じてしまう欠点が
ある。
【0028】更に濃縮キットは濃縮液の為に補充ノズル
の出口付近で結晶が析出しやすくメンテナンスが大変で
ある。又ベローズポンプにそれ程供給精度がなく、濃厚
液補充の場合更に補充精度が大幅にずれやすく、結果的
に写真性能の変動が大きくなるという問題がある。その
他の問題として廃ポリ容器は濃縮キットを供給する方法
にしたからといって従来の補充方式と廃ポリ容器量はか
わらない。
【0029】上記以外の方法で、ポリ容器をなくし、補
充液のケミカル安定性を向上させる為の提案がいくつか
為されている。
【0030】例えば特開昭58-11032号公報には現像成分
をマイクロカプセルで包む技術が開示され、又特開昭51
-61837号公報には崩壊剤を含有した写真用錠剤が開示さ
れている。更には特開平2-109042号、同2-109043号、同
3-39735号及び同3-39739号公報にはある平均粒径をもっ
た顆粒化された写真用処理剤を用いる方法が開示されて
いる。
【0031】特開昭51-61837号公報記載の崩壊剤を含有
した写真用錠剤は単に容易に水にとける錠剤を提起した
ものであり、本発明であるところの処理槽に直接固体処
理剤を溶解するという思想は何ら想起できるものではな
い。
【0032】又特開平2-109042号は、ある平均粒径をも
った顆粒化された写真用処理剤について記載されてい
る。
【0033】しかしながら、前述した公報には自動現像
機において、補充液の溶解作業をなくし作業性を充分に
簡便化し安定した写真性能を得たり、補充タンクをなく
しコンパクトな自現機を提案するものではない。
【0034】一方、前もっての溶解作業を不要にする方
法としては特開昭3-11344号公報に各単位容器よりパー
ト剤の混合比率に応じた量のペースト状のパート剤を押
出し、この押出されたパート剤を所定の濃度に希釈する
ことにより精度よく調整、供給する技術が開示されてい
るが、確かにこの方法によれば溶解作業は少なくなるか
又はほとんど溶解作業はなくなるが、ペースト状のパー
ト剤は溶媒を含むために安定性に欠けたり長期間にわた
り一定量押し出すことが難しく又使用頻度が少ないとノ
ズルがつまり易く、写真性能を一定に保つことが困難で
ある。又ペーストを入れる容器が必要であり、この場合
柔軟で破損しにくい材質が求められ一般に再利用しにく
い複合材料が使用され、環境上好しくない。特にペース
ト状ケミカルは有機溶媒によりペースト化されている事
が多く保存性はかんばしくない事が知られている。
【0035】又、実開平1-85732号には、安定液に、錠
剤型防菌剤を投入する手段を有する自動現像機が開示さ
れているが、防菌剤自体は、多量に入っても特に問題と
ならないから、投入の制御が不要であり、これも処理剤
補充制御手段については想起させるものでないし、又、
液自体の防腐が目的であるのでこれを必須とはしていな
い。
【0036】WO 91-07698号公報及びWO 91-07699号公報
にはCD−3またはCD−4を固体添加し、他の成分は
アクチベーターとして液剤添加する方法が開示されてい
るが、本特許は再生に関するものであり、特にノーオー
バーフローに限りなく近い低補充に関する発明であり現
像液からイオン交換樹脂によりブロマイドイオンやクロ
ライドイオンを吸着除去したのち不足成分であるアルカ
リ剤アクチベーターや固形または少量の濃厚発色現像主
薬を添加しボリュームを増加させずに成分を添加するた
めの方法である。
【0037】本発明では、処理剤の補充を固体処理剤の
処理槽内への投入操作だけで行い処理槽内で溶解する事
により補充液を予め溶解する作業をなくしメンテナンス
フリーにて補充するためのものであり、上記発明とは目
的を全く異にするものであり、本発明を推測できるもの
ではない。
【0038】また上記の方法とは別に廃液量を低減する
目的で廃液を再利用する方法が特開平3-174154に記載さ
れているが、これは廃液量の低減においては極めて有効
であり、補充液の濃厚化もある程度必要としないメリッ
トがあるものの、各処理槽毎にストックタンクが必要
で、また溶解タンクも別に必要であり、それだけでも膨
大なスペースを要し、また溶解作業が存在するためその
面倒さは軽減されず、しかも、オーバーフロー液を完全
に再利用した場合、感光材料からの溶出物の蓄積がある
為蓄積物の希釈の意味で一部廃棄するかイオン交換樹脂
等で再生する手段がとられる為、ミニラボ等では作業が
面倒であるという問題もある。
【0039】ところが、このような写真処理廃液は極め
て公害負荷が高く、近年の環境公害規制の強化とあわせ
て、下水道や河川への廃棄は実質的に不可能な状態にあ
る。このため、現在は回収処理形態をとっており、専門
の業者がこれにあたっている。しかしながら、廃液処理
業者に廃液処理を委託する方法は、廃液を貯めておくの
にかなりのスペースを必要とし、回収費用も高価である
という欠点を有する。また、回収した廃液を無害化処理
するためには極めて大がかりな設備が必要であり、こり
ような処理設備の設置には膨大な費用がかかり、処理費
用も高価になる。このため、回収した廃液は海洋投棄さ
れているものもあり、世界的な環境保護の動きから海洋
投棄全面禁止が迫ってきている現状では、廃液の処理は
切実な問題となってきている。
【0040】さらに、補充水が必要であるということ
は、その補充水供給源が近接した場所に設置されている
ことが必須ということになる。近年のミニラボ、マイク
ロラボの普及にともない、水道が近くにない場所で写真
処理を行わざるを得ない場合が増えており、水の確保が
極めて切実な問題になってきている。この問題は固形処
理剤を用いる場合には、特に切実な問題であり、唯一、
人手によって行われるメンテナンスといっても過言では
ない。これらの問題を解決するために、特開昭62-20144
2には写真処理廃液を蒸発させることによって生じた蒸
留液を写真処理工程で再利用する方法が記載されている
が、これは溶解タンクてミキシングすることにより補充
液を作成するためのものであり、本発明の目的であるメ
ンテナンスフリー性を追求したものとは大きく異なり、
本発明を推測できるものではない。又、特開平3-78746
号公報は廃液槽に乾燥熱を導入し、出来た水分を再利用
する方法が開示されているが、本発明の溶解作業をなく
し、メンテナンスフリーにする思想も技術も開示されて
いず、全く本発明とは異にするものである。又、特開平
3-219245号公報においても前記公報と同様にペルチェ素
子を用いて生じた水を処理槽へ供給する方法が開示され
ているが、本発明とは全く構成も技術思想も異にしてい
るものである。
【0041】又、さらに補充水としてはポリバケツ等に
ため水としてストックするのが通常であり、そこから除
々に処理槽へ添加されていく。このためストックタンク
中での滞留時間が長くなることがしばしばで、そのため
カビやバクテリア菌の繁殖が起こりやすい。これらを補
充すると、特にカラーペーパー等には多くのゼラチンが
あるため、これらカビやバクテリアの格好な餌となるた
め保存による画像の劣化など問題が発生しやすい。又、
カビやバクテリア以外にも補充水の供給源として用いら
れる水の中には、さびによる重金属成分やイオウ成分を
多量に含むものもあり、写真処理安定性の面から好まし
くないものがある。これらの問題が補充水一つをとって
も存在し、解決を急がれている。
【0042】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、第1
に輸送上の危険や取扱い上の危険をもとなう液体ケミカ
ルをなくしユーザーへの煩雑な操作なしで固体ケミカル
の使用を可能ならしめた自動現像機の実用化を達成する
事である。
【0043】第2にユーザー自身の手作業による濃縮キ
ットの溶解作業をなくし完全自動化補充システムを完成
した自動現像機の達成にある。
【0044】第3に多くの内蔵補充タンクをなくしコン
パクト化された自動現像機の達成にある。
【0045】第4に液体補充液の貯蔵の必要性を一切な
くした処理安定性が向上した自動現像システムの達成に
ある。
【0046】第5に液体用ポリボトルの使用をなくした
プラスチックの包材の使用を低減した低公害システムを
達成することにある。
【0047】第6に写真処理廃液がたまり、その交換の
ための作業を著しく軽減したシステムを達成するここと
である。
【0048】第7に補充水の供給源として、水道によら
ずまたカビやバクテリアの繁殖のない、重金属のコンタ
ミのない安定した水を連続して供給するシステムを達成
することである。
【0049】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するため
に本発明者等は以下の構成により達成されることを見い
だした。
【0050】即ち、露光されたハロゲン化銀感光材料を
処理する処理液を収容する少なくとも1つの処理槽と該
感光材料を処理する処理部と該処理部との間を処理液が
流通する処理剤投入部を有する処理槽と、固体処理剤を
収納する収納手段及び/または該処理剤を収納した収納
包材をセットする固定手段と、前記処理剤投入部に前記
固体処理剤を投入する供給手段と、前記ハロゲン化銀写
真感光材料の処理情報を検出する処理量検知手段と、前
記検知手段により検知された前記ハロゲン化銀写真感光
材料の処理量情報に応じ前記供給手段を制御作動させ固
体処理剤を投入する制御手段と、補充水を前記処理部も
しくは処理剤投入部に補給する補充水供給手段及び写真
処理液蒸留手段を少なくとも有し、かつ前記補充水の一
部又は全てに前記写真処理液蒸留手段によって作成され
た蒸留水を利用することを特徴とするハロゲン化銀写真
感光材料用自動現像機。
【0051】
【作用】本発明者らはタンクに直接固体処理剤を投入す
る事に関し、膨大な実験を重ね、各処理液について写真
性能を変動させないために一回に加えられる最適な処理
剤補充量を求めた。この最適補充量は自動現像機の処理
槽の大きさ即ち処理液の容量に依存したものと思われて
いたが固体ケミカルの溶解し難い特性をうまく利用する
ことにより、一度に添加しても急激に濃度は上昇せず、
補充水を溶解に合せて注入することができ、極めて安定
な写真性能を創出できる利点があることを発見した。溶
かしてから使用しなければというのは常識の壁であった
ことが分かった。
【0052】一回に投入される処理剤量は、0.1〜50gが
好ましく、カラー用発色現像液では1〜20gが、定着液
や、漂白定着液では5〜50gが、安定液では0.1〜10g
が、黒白現像液では0.5〜20gが特に好ましく、この範囲
の固体処理剤を一般的な小型現像機の処理槽に直接投入
し、ゆっくり溶解させながら処理した場合でも写真状態
には悪影響を与えない。何故なら前記したように固体処
理剤は急激には溶解せずゆっくり溶解するために一回に
添加する量が多くても処理しながら消費される量と見合
った組成にバランスされ安定した処理性能を示すからで
ある。補充水を溶解に合せて注入することでも写真性能
を一定とすることができることが分かった。この事は、
誰も気がつかなかった驚くべき発見であった。又本発明
では、固体処理剤は処理槽に直接投入されるが、処理液
は常に処理温度に温調されており、ほぼ一定の温度に維
持されている。即ち溶解スピードは年間を通じほぼ一定
であるため計算された固体処理剤の投入と成分のバラン
ス化が達成されるわけである。この事は冷水で溶解する
ときに見られる不溶解現象が現れないという大きな利点
をあわせて発揮する事が発見された。本発明者らが命名
した不溶解現象とは、固体処理剤を冷水に一度に投入
し、ゆっくりかほとんど撹拌をしないとき起こる固化現
象であり、一見ガラス化状態となることを指し、一旦ガ
ラス化すると強力に撹拌しても長時間溶解しないことが
判明した。これに対し自動現像機の処理温度での温水溶
解では固体処理剤をどんどん投入しても順次、溶解して
いくという現象が発見され、本発明の完成に至ったわけ
である。
【0053】本発明において補充水供給手段を設けるこ
とが必要であり、固体処理剤の投入を制御するに必要な
写真感光材料の処理量検知段によって同じように制御す
ることが好ましい。但し補充水は固体処理剤を溶解する
ための水ではないことを強調しておく。即ち、固体処理
剤は本来処理によって不足した消費成分を補うためのも
のであり、補充水は処理によって溶出した反応抑制成分
を薄めて写真性能を一定にすることを目的にしたもので
あり、働きは全く逆のものである。従来はたまたま薬品
を溶解するために水を使用していたが、本来の目的は前
記した如く、写真材料によって持ち出された水分とタン
ク表面から蒸発した水分を補いながら、反応によって溶
出する蓄積成分を薄めるためのものである。従って固体
処理剤の投入とは別個に制御されることも出来るが、処
理量検知手段によって制御すればセンサーが省略でき好
ましい。
【0054】従って固体処理剤を直接処理槽に投入する
本発明においては従来補充液を調整するために必要だっ
ただけの水は不用となり結果的にはオーバーフローが減
少させられるという副次効果が大きいことがわかった。
従来、補充液を予め調整しなければという常識があった
ため、可能な限り濃厚化し補充液として成分補償を行っ
てきた。濃厚化すればするほど補充量を減少でき、環境
上問題となるオーバーフロー廃液を減少させうるという
事がわかっていても、処理薬品の溶解度が大きな壁とな
って達成出来なかったものである。
【0055】しかしながら、前記した如く反応抑制成分
の蓄積、特に現像液中のハロゲン化物イオンや定着液や
漂白定着液中の銀イオンの濃度を低下させるために補充
水を用いることである。又この補充水はこれらの反応抑
制成分を薄める目的と写真材料により持ち出されたりタ
ンク表面から蒸発によって失われた各処理液の水分を独
立して補う事ができこの事が本発明の処理安定性を著し
く高め貢献をしている。
【0056】又、メンテナンスフリーの観点から補充水
を供給する際に処理する写真材料の処理量(例えば面
積)と稼働時間、温調時間、停止時間、設置場所の環境
温度と湿度(相対湿度)、固体処理剤の溶解速度等の情
報によって補充水の添加量が制御されれば、処理槽中の
薬品成分は理想状態で管理する事ができることになり、
写真性能上は画期的な管理方法と言える。何故なら、従
来低補充を進めれば進める程各タンクからの蒸発の影響
で処理剤成分が濃厚化してしまい大きな問題となってい
た。一般に蒸発を補正するためには補充液を薄め多量に
補充することが最も好ましい方法であるが、これはオー
バーフロー廃液を増加させ環境上好ましくないという欠
点があり、これゆえに低補充化が進められてきた。補充
液を蒸発補正に使用すれば処理していないのに補充液が
入ってしまうことと同じでありやはり成分濃度がくるっ
てしまう。そこで朝液面が下った分、水を補給し液面合
せをするやり方が一般的であったが、これは蒸発分を水
で補給しているのではなく温度が変化して体積が縮小し
たタンク内の処理液に水を加えているだけであり何ら根
本解決には至っていなかった。
【0057】正しい蒸発補正は成分が写真材料による消
費以外では変わらないようすることであり、処理しても
処理しなくてもタンク液温度とタンク表面の蒸気圧によ
って生じる蒸発した水分をその蒸発した量に応じ補給を
する事である。
【0058】即ち本発明では補充水の供給は以下の三つ
の目的のために行われる。に感光材料が処理される際
の反応によって溶出する蓄積有害抑制成分を希釈し濃度
を一定とすることを目的とし、に処理した写真材料に
よって持ち出される水分あるいは前液から持ち込まれた
不要薬品を希釈し薄めるための目的、にタンク表面か
ら蒸発した水分を補給する目的のために補給される、も
のであり上記の目的のために必要な情報検知がされこの
情報によってあらかじめ設定された水補給手段が制御作
動されて実行される。この方法は従来全くなかった新し
い方法であり、本発明によって可能となったものであ
る。本発明のこの水補給手段により処理安定性が飛躍的
に向上することが見い出された。本発明では、処理剤は
固体処理剤であることが必須で、好ましくはあらかじめ
一定量に秤量される。このために本発明の自動現像機で
の処理は補充精度が高く極めて安定な連続処理性能が発
揮される。従来の補充液供給補充システムではベローズ
ポンプにより補充が行われるがこのポンプの精度は一定
ではなく精密な補充制御には本来向いていない。一方、
本発明の場合の固体処理剤については補充制御は固形処
理剤を投入するかしないかのON/OFF制御であるた
め補充によるバラツキはない。従って処理剤供給の精度
は飛躍的に高くこれによっても安定な処理性能が得られ
る。
【0059】本発明の固体処理剤は、粉末、顆粒、錠
剤、丸薬などいずれでも良く、これらの混合でも問題は
ない。又危険物とならない水のような安全なものでは液
状のものを併用しても本発明の目的は達成される。錠剤
や丸薬が特に好ましく、顆粒、粉末の場合は秤量後アル
カリ可溶性フィルムやプラスティクフィルム、紙などで
個別包装してあることが望ましい。
【0060】本発明でいう固体処理剤とは、前記した如
き粉末処理剤や錠剤、丸薬、顆粒の如き固形処理剤など
であり、必要に応じ防湿加工を施したものである。ペー
ストやスラリー状は半液状で保存安定性に劣り、又輸送
状の危険をともない規制を受けるような形状のものを除
くものであり、これらは本発明の固体処理剤には含まれ
ない。
【0061】本発明でいう粉末とは、微粒結晶の集合体
のことをいう。本発明でいう顆粒とは、粉末に造粒工程
を加えたもので、粒径50〜5000μmの粒状物のことをい
う。本発明でいう錠剤とは、粉末又は顆粒を一定の形状
に圧縮成型したもののことを言う。
【0062】以下、本発明について更に詳細に説明す
る。
【0063】上記固体処理剤の中でも錠剤である方が、
補充精度が高くしかも取扱い性が簡単であることから好
ましく用いられる。
【0064】写真処理剤を固形化するには、濃厚液また
は微粉ないし粒状写真処理剤と水溶性結着剤を混練し成
型化するか、仮成型した写真処理剤の表面に水溶性結着
剤を噴霧したりすることで被覆層を形成する等、任意の
手段が採用できる(特願平2-135887号、同2-203165号、
同2-203166号、同2-203167号、同2-203168号、同2-3004
09号参照)。
【0065】好ましい錠剤の製造法としては粉末状の固
体処理剤を造粒した後打錠工程を行い形成する方法であ
る。単に固体処理剤成分を混合し打錠工程により形成さ
れた固形処理剤より溶解性や保存性が改良され結果とし
て写真性能も安定になるという利点がある。
【0066】錠剤形成のための造粒方法は転動造粒、押
し出し造粒、圧縮造粒、解砕造粒、攪拌造粒、流動層造
粒、噴霧乾燥造粒等公知の方法を用いることが出来る。
錠剤形成のためには、得られた造粒物の平均粒径は造粒
物を混合し、加圧圧縮する際、成分の不均一化、いわゆ
る偏析が起こりにくいという点で、100〜800μmのもの
を用いることが好ましく、より好ましくは200〜750μm
である。さらに粒度分布は造粒物粒子の60%以上が±10
0〜150μmの偏差内にあるものが好ましい。次に得られ
た造粒物を加圧圧縮する際には公知の圧縮機、例えば油
圧プレス機、単発式打錠機、ロータリー式打錠機、プリ
ケッテングマシンを用いることが出来る。加圧圧縮され
て得られる固体処理剤は任意の形状を取ることが可能で
あるが、生産性、取扱い性の観点から又はユーザーサイ
ドで使用する場合の粉塵の問題からは円筒型、いわゆる
錠剤が好ましい。
【0067】さらに好ましくは造粒時、各成分毎例えば
アルカリ剤、還元剤、漂白剤、保恒剤等を分別造粒する
ことによって更に上記効果が顕著になる。
【0068】錠剤処理剤の製造方法は、例えば特開昭51
-61837号、同54-155038号、同52-88025号、英国特許121
3808号等の明細書に記載される一般的な方法で製造で
き、更に顆粒処理剤は、例えば、特開平2-109042号、同
2-109043号、同3-39735号及び同3-39739号等の明細書に
記載される一般的な方法で製造できる。更にまた粉末処
理剤は、例えば、特開昭54-133332号、英国特許725892
号、同729862号及びドイツ特許3733861号等の明細書に
記載されるが如き一般的な方法で製造できる。
【0069】上記の固体処理剤の嵩密度は、その溶解性
の観点と、本発明の目的の効果の点から錠剤である場合
1.0g/cm3〜2.5g/cm3が好ましく1.0g/cm3より大きいと得
られる固形物の強度の点で、2.5g/cm3より小さいと得ら
れる固形物の溶解性の点でより好ましい。固体処理剤が
顆粒又は粉末である場合嵩密度は0.40〜0.95g/cm3のも
のが好ましい。
【0070】本発明に用いられる固体処理剤は発色現像
剤、黒白現像剤、漂白剤、定着剤、漂白定着剤、安定剤
等写真用処理剤に用いられるが、本発明の効果とりわけ
写真性能を安定化させる効果が大きいのは発色現像剤で
ある。
【0071】又液体危険物の規制を除外できるのは黒白
現像剤、発色現像剤、漂白剤、漂白定着剤、安定剤であ
る。
【0072】本発明の実施態様からすれば全処理剤が固
体処理剤化されていることが最も好ましいが、少なくと
も発色現像剤を固体化することが好ましい。すなわち発
色現像剤成分には相互に化学的反応を起こす成分が多数
含まれ、又有害成分も含まれていることから本発明の効
果が最も顕著に表われる。更に好ましくは発色現像剤以
外に漂白定着剤、又は、漂白剤、及び定着剤が固体処理
剤化されていることである。これらは従来から液体分包
キットで輸送上の危険が問題視されているものである。
【0073】本発明に用いられる固体処理剤はある処理
剤の1部の成分のみ固体化することも本発明の範囲に入
るが、好ましくは該処理剤の全成分が固体化されている
ことである。各成分は別々の固体処理剤として成型さ
れ、同一個装されていることが望ましい。又別々の成分
が定期的に包装でくり返し投入される順番に包装されて
いることも望ましい。
【0074】処理量情報に応じて各処理槽に補充する処
理剤全てを固体処理剤として投入することが好ましい。
補充水が必要な場合には、処理量情報又は別の補充水制
御情報にもとづき補充水が補充される。この場合処理槽
に補充する液体は補充水のみとすることが出来る。つま
り、補充が必要な処理槽が2種類以上の複数であった場
合に、補充水を共有することによって補充用液体を貯留
するタンクは1つで済み、自動現像機のコンパクト化が
図れる。特に補充水タンクは外部に1個外置きで置くこ
とが自現機をコンパクトにするためには好ましい方法で
ある。
【0075】発色現像剤を固形化する場合、アルカリ
剤、発色剤及び還元剤全てを固形処理剤化し、かつ錠剤
の場合には少なくとも3剤以内最も好ましくは1剤にす
ることが、本発明に用いられる固形処理剤の好ましい実
施態様である。又2剤以上に分けて固形処理剤化した場
合は、これら複数の錠剤や顆粒が同一包装されているこ
とが好ましい。
【0076】錠剤や丸薬の防湿包装としては下記のよう
な素材を用いて実施できる。
【0077】合成樹脂材質としては、ポリエチレン(高
圧法、低圧法どちらでもよい)、ポリプロピレン(無延
伸、延伸どちらでもよい)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸
ビニル、ナイロン(延伸、無延伸)、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ビニロン、エバ
ール、ポリエチレンテレフタレート(PET)、その他
のポリエステル、塩酸ゴム、アクリロニトリルブタジエ
ン共重合体、エポキシ−リン酸系樹脂(特開昭63-63037
号に記載のポリマー、特開昭57-32952号記載のポリマ
ー)の何であってもよい。又はパルプでも良い。これら
は通常、そのフィルムを積層接着するが、塗布層として
もよい。
【0078】さらには、例えば上記の合成樹脂フィルム
の間にアルミ箔またはアルミ蒸着合成樹脂を使用するな
ど、各種ガスバリアー膜を用いると、より好ましい。
【0079】また、これらの積層膜の合計の酸素透過率
は50ml/m224hr/atm以下(20℃65%RHで)、より好まし
くは30ml/m224hr/atm以下であることが好ましい。
【0080】これらの積層膜の膜厚の合計は、1〜2000
μm、より好ましくは10〜1000μm、さらに好ましくは
50〜1000μmであることが好ましい。
【0081】以上の合成樹脂フィルムは1層の(高分
子)樹脂膜であってもよいし、2以上の積層(高分子)
樹脂膜であってもよい。
【0082】本発明の条件に適う1層の高分子樹脂膜と
しては、例えば、(1) 厚さ0.1mm以上のポリエチレンテ
レフタレート(PET)、(2) 厚さ0.3mm以上のアクリ
ロニトリルブタジエン共重合体、(3) 厚さ0.1mm以上の
塩酸ゴム等が挙げられ、中でもポリエチレンテレフタレ
ートは耐アルカリ性、耐酸性の点でも優れているため、
本発明に好適に用い得る。次に、本発明の条件に適う積
層の高分子樹脂膜としては、例えば、(4) PET/ポリ
ビニルアルコール・エチレン共重合体(エバール)/ポ
リエチレン(PE)、(5) 延伸ポリプロピレン(OP
P)/エバール/PE、(6) 未延伸ポリプロピレン(C
PP)/エバール/PE、(7) ナイロン(N)/アルミ
箔(Al)/PE、(8) PET/Al/PE、(9) セロ
ファン/PE/Al/PE、(10)Al/紙/PE、(11)
PET/PE/Al/PE、(12)N/PE/Al/P
E、(13)紙/PE/Al/PE、(14)PET/Al/P
ET/ポリプロピレン(PP)、(15)PET/Al/P
ET/高密度ポリエチレン(HDPE)、(16)PET/
Al/PE/低密度ポリエチレン(LDPE)、(17)エ
バール/PP、(18)PET/Al/PP、(19)紙/Al
/PE、(20)PE/PVDCコートナイロン/PE/エ
チルビニルアセテート・ポリエチレン縮合物(EV
A)、(21)PE/PVDCコートN/PE、(22)EVA
/PE/アルミ蒸着ナイロン/PE/EVA (23)アルミ蒸着ナイロン/N/PE/EVA (24)OPP/PVDCコートN/PE、(25)PE/PV
DCコートN/PE、(26)OPP/エバール/LDP
E、(27)OPP/エバール/CPP、(28)PET/エバ
ール/LDPE、(29)ON(延伸ナイロン)/エバール
/LDPE、(30)CN(未延伸ナイロン)/エバール/
LDPE等があり、中でも上記(20)〜(30)が好ましく用
いられる。
【0083】さらに具体的な包装材料の構成としては処
理剤に接する側を内面とすれば、内面から順に、 PE/主体となる板紙/PE/Al/エポキシ−リン酸
系樹脂層/ポリエステル系樹脂層/PE PE/K−ナイロン/PEまはた接着剤/Al/PE/
板紙/PE、 PE/ビニロン/PEまたは接着剤/Al/PE/板紙
/PE PE/塩化ビニリデン/PEまたは接着剤/Al/PE
/板紙/PE PE/ポリエステル/PEまたは接着剤/Al/PE/
板紙/PE ポリプロピレン/K−ナイロン/ポリプロピレン/Al
/ポリプロピレン/板紙/ポリプロピレンなどがある。
【0084】錠剤や顆粒を防湿包装する方法としては、 4方シール 3方シール スティック(ピロー包装、ガゼット包装) PTP カートリッジ がある。
【0085】4方シール、3方シール、スティック(ピ
ロー、ガゼット)包装は形態の違いであり前記材料が用
いられる、ただしピールオープン方式に利用するときは
シーラント剤をラミネートしピールオープン適性を持た
せる。
【0086】このピールオープンの方式には、通常、凝
集破壊方式、界面剥離方式、層間剥離方式がある。
【0087】凝集破壊方式はホットメルトと言われる接
着剤で、ヒートシールラッカーでシール剤として用いる
方式であり、開封時にシーラント層の内部凝集破壊によ
り剥離するものである。
【0088】界面活性剥離方式はフィルム間の界面で剥
離する方式であり、シール用フィルム(シーラント)と
被着体が完全に融着しておらず適度の強度で剥がせるも
のである。
【0089】シーラントとしては粘着性の樹脂を混合し
たフィルムであり、被着体の材質によりポリエチレン、
ポリプロピレン又はその共重合体、ポリエステル系等を
選択することができる。
【0090】さらにシーラントをラミネートフィルムの
ような多層共押出しフィルムを使い、ラミネートフィル
ムの層間で剥離するのが層間剥離方式である。
【0091】本発明のフィルムを用いたピールオープン
方式では層間剥離方式又は界面剥離方式が好ましい。
【0092】また、このようなシーラントは薄いため、
通常他のフィルムたとえばポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエステル
(ポリエチレンテレフタレート)、ポリ塩化ビニル、ナ
イロン、エバール、アルミニウムなどをラミネートして
使用するが、防湿性、環境対応及び内容物とのマッチン
グを考えるポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、エバール等が好ましい。また印刷性を考慮すると最
外面は無延伸ポリプロピレンポリエステル、紙などが好
ましい。
【0093】シーラントフィルムとしは、たとえばトー
セロ製、CMPSフィルム、大日本インキ製ディフラン
PP-100、PS-300又は凸版印刷製のLTSフィルム、
サンエー化学製サンシールFR、サンシールMS等があ
り、すでにポリエステルとラミネートされているタイプ
としてはディクランC−1600T、C−1602Tなどがあ
る。
【0094】PTPはブリスター包装の一種で成形され
たPVC、CPPなどのシートに固体処理剤を入れアル
ミシール材でヒートシールした包装形態である。
【0095】形成材として環境上PVCは使用しない方
向にあり最近はA−PETや高防湿PP(例えばTAS
-1130,TAS-2230,TAS-3230:大成化工(株))
が好ましく用いられる。
【0096】処理剤を水溶性フィルムないし結着剤で包
装または結着ないしは被覆する場合、水溶性フィルムな
いし結着剤は、ポリビニルアルコール系、メチルセルロ
ース系、ポリエチレンオキサイド系、デンプン系、ポリ
ビニルピロリドン系、ヒドロキシプロピルセルロース
系、プルラン系、デキストラン系及びアラビアガム系、
ポリ酢酸ビニル系、ヒドロキシエチルセルロース系、カ
ルボキシエチルセルロース系、カルボキシメチルヒドロ
キシエチルセルロースナトリウム塩系、ポリ(アルキ
ル)オキサゾリン系、ポリエチレングリコール系の基材
からなるフィルムないし結着剤が好ましく用いられ、こ
れらの中でも、特にポリビニルアルコール系及びプルラ
ン系のものが被覆ないしは結着の効果の点からより好ま
しく用いられる。
【0097】好ましいポリビニルアルコールは極めて良
好なフィルム形成材料であり、ほとんどの条件下で良好
な強度及び柔軟性を有する。フィルムとして注型する市
販のポリビニルアルコール組成物は分子量及び加水分解
の程度が様々であるが、分子量が約10000ないし約10000
0であることが好ましい。加水分解の程度とは、ポリビ
ニルアルコールの酢酸エステル基が水酸基に置換される
割合である。フィルムに適用するには、加水分解の範囲
は通常約70%から100%までである。このように、ポリ
ビニルアルコールという言葉は通常ポリ酢酸ビニル化合
物を含む。
【0098】これら、水溶性フィルムの製造法は、例え
ば、特開平2-124945号、特開昭61-97348号、同60-15824
5号、特開平2-86638号、特開昭57-117867号、特開平2-7
5650号、特開昭59-226018号、同63-218741号及び同54-1
3565号明細書等に記載されるが如き一般的な方法で製造
される。
【0099】更にこれら水溶性フィルムはソルブロン
(アイセロ化学社製)、ハイセロン(日合フィルム社
製)、或いはプルラン(林原社製)の名称で市販されて
いるものを用いることができる。また、クリス・クラフ
ト・インダストリーズ(Chris Craft Industries)Inc.
のMONO−SOL部門から入手できる7-000シリーズのポリビ
ニルアルコールフィルムは、約34度Fないし約200度F
の水温において溶解し、無害で、高度の化学的抵抗性を
示すものであり、特に好ましく用いられる。
【0100】上記水溶性フィルムの膜厚は固形処理剤の
保存安定性、水溶性フィルムの溶解時間及び自動現像機
内での結晶析出の点で10〜120μのものが好ましく用い
られ、特に15〜80μのものが好ましく、とりわけ特に20
〜60μのものが好ましく用いられる。
【0101】また、水溶性フィルムは熱可塑性であるこ
とが好ましい。これは、ヒートシール加工や超音波溶着
加工が容易となるだけでなく、被覆効果もより良好に奏
するためである。
【0102】更に、水溶性フィルムの引張り強度は0.5
×106〜50×106kg/m2が好ましく、特に1×106〜25×10
6kg/m2が好ましく、とりわけ特に1.5×106〜10×106kg/
m2が好ましい。これら引張り強度はJIS Z-1521に
記載される方法で計測される。
【0103】また水溶性フィルムないし結着剤で包装又
は結着ないし被覆した写真処理剤は、貯蔵、輸送、及び
取扱中において、高湿度、雨、及び霧のような大気中の
湿気、及び水はね又は濡れた手による水との突発的な接
触の損害から防ぐため防湿包装材で包装されていること
が好ましく、該防湿包装材としては、膜厚が10〜150μ
のフィルムが好ましく、防湿包装材がポリエチレンテレ
フタレート、ポリエチレン、ポリプロピレンのようなポ
リオレフィンフィルム、ポリエチレンで耐湿効果を持ち
得るクラフト紙、ロウ紙、耐湿性セロファン、グラシ
ン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリカーボネート、ア
クリロニトリル系及びアルミニウムの如き金属箔、金属
化ポリマーフィルムから選ばれる少なくとも一つである
ことが好ましく、また、これらを用いた複合材料であっ
てもよい。
【0104】又、本発明の実施においては、防湿包装材
が、分解性プラスチック、特に生分解又は光分解性プラ
スチックのものを用いることも好しい。
【0105】前記生分解性プラスチックは、天然高分
子からなるもの、微生物産出ポリマー、生分解性の
よい合成ポリマー、プラスチックへの生分解性天然高
分子の配合等が挙げられ、光分解性プラスチックは、
紫外線で励起され、切断に結びつく基が主鎖に存在する
もの等が挙げられる。更に上記に掲げた高分子以外にも
光分解性と生分解性との二つの機能を同時に有したもの
も良好に使用できる。これらの具体的代表例をそれぞれ
挙げると、以下のようになる。
【0106】生分解性プラスチックとしては、 天然高分子 多糖類、セルロース、ポリ乳酸、キチン、キトサン、ポ
リアミノ酸、或いはその修飾体等 微生物産出ポリマー PHB−PHV(3-ヒドロキシブチレートと3-ヒドロキ
シバレレートとの共重合物)を成分とする「Biopol」、
微生物産出セルロース等 生分解性のよい合成ポリマー ポリビニルアルコール、ポリカプロラクトン等、或いは
それらの共重合物ないし混合物 プラスチックへの生分解性天然高分子の配合 生分解性のよい天然高分子としては、デンプンやセルロ
ースがあり、プラスチックに加え形状崩壊性を付与した
ものである。
【0107】また、の光分解性の例としては、光崩壊
性のためのカルボニル基の導入等があり、更に崩壊促進
のために紫外線吸収剤が添加されることもある。
【0108】この様な分解性プラスチックについては、
「科学と工業」第64巻第10号第478〜484頁(1990
年)、「機能材料」1990年7月号第23〜34頁等に一般的
に記載されるものが使用できる。また、Biopol(バイオ
ポール)(ICI社製)、Eco(エコ)(Union Carbide社
製)、Ecolite(エコライト)(Eco Plastic社製)、Ec
ostar(エコスター)(St.Lawrence Starch社製)、ナ
ックルP(日本ユニカー社製)等の市販されている分解
姓プラスチックを使用することができる。
【0109】上記防湿包装材は、好ましくは水分透過係
数が10g・mm/m2 24hr以下のものであり、より好ましくは
5g・mm/m2 24hr以下のものである。
【0110】本発明において固体処理剤を処理槽に供給
する供給手段としては、例えば、固形処理剤が錠剤であ
る場合、実開昭63-137783号公報、同63-97522号公報、
実開平1-85732号公報等公知の方法があるが要は錠剤を
処理槽に供給せしめる機能が最低限付与されていればい
かなる方法でも良い。又固体処理剤が顆粒又は粉末であ
る場合には実開昭62-81964号、同63-84151号、特開平1-
292375号、記載の重力落下方式や実開昭63-105159号、
同63-195345号等記載のスクリュー又はネジによる方式
が公知の方法としてあるがこれらに限定されるものでは
ない。
【0111】しかしながら好ましい方法は、固体処理剤
を処理槽に供給する供給手段としては、例えば予め秤量
し分割包装された所定量の固体処理剤を感光材料の処理
量に応じて包装体を開封、取出す方法が考えられる。具
体的には、固体処理剤が所定量ずつ好ましくは一回分の
補充量ずつ、少なくとも二つの包装材料から構成される
包装体に挟持収納されており、包装体を2方向に分離も
しくは包装体の一部を開封することにより取出し可能状
態にする。取出し可能状態の固体処理剤は自然落下によ
り容易に濾過手段を有する処理槽に供給することができ
る。所定量の固体処理剤は外気及び隣の固体処理剤との
通気性が遮断されるよう各々が分割密封された包装体に
収納されているため開封しなければ防湿が保証されてい
る。
【0112】実施態様として、固体処理剤を挟むように
少なくとも二つの包装材料から成る包装体が固体処理剤
の周囲を分離可能なようにお互いの接面で密着もしくは
接着されている構成が考えられる。固体処理剤を挟んだ
各々の包装材料を異った方向に引っ張ることにより密着
もしくは接着された接面が分離し、固体処理剤が取出し
可能状態となる。
【0113】別の実施様態として、固体処理剤を挟むよ
うに少なくとも二つの包装材料から成る包装体の少なく
とも一方が外力により開封可能となる構成が考えられ
る。ここでいう開封とは包装材料の一部を残した切り込
みもしくは破断である。開封方法としては、開封しない
側の包装体から固体処理剤を介して開封可能な包装体の
方向へ圧縮力を加えることにより強制的に固体処理剤を
押し出す、又は開封可能な側の包装体に鋭利な部材で切
り込みを入れることにより固体処理剤を取出し可能状態
にすることが考えられる。
【0114】供給開始信号は処理量の情報を検出するこ
とにより得る。更に得た供給開始信号に基づき分離又は
開封するための駆動手段が動作する。又供給停止信号は
所定量の供給が完了した情報を検出することにより得
る。更に得た供給停止信号に基づき分離又は開封するた
めの駆動手段が停止するよう制御する。
【0115】上記固形処理剤の供給手段は感光材料の処
理量情報に応じて一定量の固形処理剤を投入する制御手
段を有しており、本発明においては重要な要件である。
すなわち、本発明の自動現像機においては各処理槽の成
分濃度を一定に保ち、写真性能を安定化させる為に必要
である。ハロゲン化銀写真感光材料の処理量情報とは、
処理液で処理されるハロゲン化銀写真感光材料の処理量
あるいは、処理されたハロゲン化銀写真感光材料の処理
量あるいは処理中のハロゲン化銀写真感光材料の処理量
に比例した値であり、処理液中の処理剤の減少量を間接
的あるいは直接的に示す。感光材料が処理液中に搬入さ
れる前、後、あるいは処理液に浸漬中いずれのタイミン
グで検出されても良い。またプリンターによって焼き付
けられた感光材料量でもよい。さらに、処理槽に収容さ
れた処理液の濃度あるいは濃度変化であってもよい。又
処理液の乾燥後外部に出た量でも良い。
【0116】本発明の固体処理剤を投入する場所は処理
槽中であればよいが、好ましいのは、感光材料を処理す
る処理部と連通し、該処理部との間を処理液が流通して
いる場所であり、更に処理部との間に一定の処理液循環
量があり溶解した成分が処理部に移動する構造が好まし
い。固体処理剤は温調されている処理液中に投入される
ことが好ましい。
【0117】一般に自動現像機は温調のため、電気ヒー
ターにより処理液を温調しており、処理部としての処理
タンクと連結した補助タンクに熱交換部を設け、ヒータ
ーを設置しこの補充タンクには処理タンクから液を一定
循環量で送り込み、温度を一定ならしめるようポンプが
配置されている。
【0118】そして通常は処理液中に混入したり、結晶
化で生じる結晶異物を取り除く目的でフィルターが配置
され、異物を除去する役割を担っている。
【0119】この補助タンクの如き、処理部と連通した
場所であって、温調が施された場所に固体処理剤が投入
されるのが最も好ましい方法である。何故なら投入され
た処理剤のうちの不溶成分はフィルター部によって処理
部とは遮断され、固形分が処理部に流れ込み感光材料な
どに付着することは防止できるからである。
【0120】又、処理タンク内に処理部と共に処理剤投
入部を設ける場合には、不溶性部分がフィルムなどに直
接接触しないよう遮蔽物等の工夫をすることが好まし
い。
【0121】フィルターや濾過装置などの材質は一般的
な自動現像機に使用されるものは全て本発明では使用で
き、特殊な構造や材料が本発明の効果を左右するもでは
ない。
【0122】本発明は固体処理剤を処理槽に投入するこ
とで補充液をたくわえる為のタンク等が不要になり自現
機がコンパクトになり、又循環手段を有する場合には、
固形処理剤の溶解性も非常に良好となる。
【0123】次に本発明の写真処理液蒸留手段(以下写
真処理液処理装置とも呼ぶ)について以下に説明する
と、本発明の構成要件の一つである写真処理液処理装置
は、廃液濃縮処理過程で発生する蒸留液を再利用できる
ことが必要であり、減圧蒸留方式の蒸発濃縮装置が好ま
しい。また、加熱手段は、熱効率がよいヒートポンプ及
びペルチェ素子が適している。蒸発濃縮処理の好ましい
処理条件は、処理温度が60℃以下である。処理圧力は20
0mmHg以下が好ましく、より好ましくは100mmHg以下であ
る。このような装置および条件で廃液処理を行うこと
で、廃液中に含まれている物質の分野や揮発がなく、写
真処理に再利用できる蒸留液が得られるとともに有害ガ
スや悪臭の発生を防止できる。
【0124】本発明において、減圧手段には、真空ポン
プあるいはエジェクターを用いることが好ましく、エジ
ェクターが騒音、コンパクト化及び本発明の効果の上で
より好ましい。
【0125】次に、本発明において好ましく用いられる
減圧手段を有する写真処理液処理装置の例を図1及び図
2に従って説明する。
【0126】図1に示された装置は、ヒートポンプを熱
源として用い、減圧下で蒸発濃縮を行っているために、
熱利用効率が高く、低電力使用量で蒸発濃縮を行うこと
ができる。また、高温による写真処理液廃液容物の熱分
野や熱変性を防止することができる。また、メンテナン
スフリーで、専門技術者や運転管理者が必要でなく、小
型にでき、ランニングコストも安い。
【0127】図1において、1は減圧に耐える蒸発釜
で、この蒸発釜1内に写真処理液が注入貯留される。蒸
発釜1の液面上にはデミスター23が設けられている。2
は蒸発釜1の外側に同心状に設けた冷却釜であり、冷却
釜2の上部は、蒸発釜1に設けられたデミスター23の上
部で蒸発釜1の上部と連通しており、また、下部は、減
圧装置3に接続され、減圧されるようになっている。デ
ミスター23により蒸発釜1内に在る濃縮成分がはね上っ
て冷却釜2の中の凝縮水の中へ混入するのを防ぐことが
でき、その結果蒸発濃縮が安定に行なえる。減圧装置3
はエジェクター3a、3aで構成されており、該エジェ
クター3a、3aはポンプ3bにより凝縮水タンク10内
の水を通すことにより作動する。
【0128】4は蒸発釜1内にらせん状に配置した加熱
手段、9は冷却釜2内にらせん状に配置した冷却手段で
あり、加熱手段4及び冷却手段9はヒートポンプ5の一
部をなしている。ヒートポンプ5において、熱媒体は、
コンプレッサー11で加圧圧縮されて高温にされる。高温
にされた熱媒体は空冷手段12を通り、加熱手段4におい
て必要とされる温度まで冷却された後、加熱手段4に供
給され、蒸発釜1内の写真処理廃液Wを加熱して蒸発さ
せる。空冷手段12には空冷ファン13が設けられており、
空冷手段12は空冷ファン13により冷却される。加熱手段
4は下部が写真処理廃液W中にあり、上部が写真処理廃
液Wからでている。加熱手段4を通過した熱媒体は、膨
張弁の役目をなすキャピラリーチューブ14を通り膨張減
圧され、その温度が低下する。温度が低下した熱媒体は
冷却手段9aを通り凝縮水タンク10内の水を冷却し、次
いで冷却手段9に供給され、蒸発釜1で発生し蒸発釜2
内に入り込んできた水蒸気を冷却凝縮させ凝縮水とす
る。こうして作られた凝縮水は冷却釜2の底部2aに溜
められ、エジェクター3a、3aで吸引され凝縮水タン
ク10に回収される。冷却手段9を通過した熱媒体はコン
プレッサー11に還流する。
【0129】6は写真処理廃液を溜めるタンクであり、
7はタンク6から写真処理廃液を汲み上げ、蒸発釜1内
に給送する電磁弁を備えた供給手段である。8は蒸気釜
1の液面を検出する電極式液面検出手段であり、該液面
検出手段8は、濃縮スラッジが付着したりして誤動作す
ることがないように、筒25で覆われ、タンク6から供給
される写真処理廃液で洗浄されるようになっている。供
給手段7は液面検出手段8の検出結果により制御され
る。
【0130】蒸発釜1の底部には、蒸発濃縮の結果生じ
たスラリーを溜めるスラリー溜部15、スラリー取出口16
が設けられ、スラリー取出口16は栓手段17により密栓さ
れている。この栓手段17には蒸発釜1内の減圧状態を維
持させるためにバッキング栓26が設けられており、バッ
キング栓26に連結した把手18を引いたり押したりするこ
とによりスラリー取出口16を開閉できるようになってい
る。また、栓手段17にはスラリー排出口19が設けられて
おり、スラリー回収容器(一点鎖線で示す)30が係合で
きるようになっている。
【0131】20はスラリー溜部15に設けられた撹拌羽根
で、蒸発釜1の頂面に設置した駆動源21から垂下した出
力軸22の下端に固着されている。この撹拌羽根20はスラ
リー溜部15の内底面を全面にわたって撹拌でき、かつ、
スラリーをその取出口16へ向けて移動させ易い形態に構
成されている。
【0132】32は電磁弁であり、運転時に気泡が発生し
た場合、これを液面検出手段31で検知し、電磁弁32を開
き写真処理廃液が凝縮水への混入するのを防止する。
【0133】33は減圧状態を監視する圧力センサー、10
aは凝縮水タンク10をオーバーフローした水の貯留容
器、27は凝縮水タンク10の水位を監視する液面センサー
である。
【0134】上記蒸発濃縮装置は次のようにして操作さ
れる。
【0135】ポンプ3bを作動させ、凝縮水タンク10の
凝縮水をエジェクター3a、3aに供給し、蒸発釜1及
び冷却釜2内を減圧にし、供給手段7を操作し、タンク
6から写真処理廃液を蒸発釜1に供給する。蒸発釜1及
び冷却釜2内の減圧状態は圧力センサー33によって検知
することができる。一定の減圧状態となった後、コンプ
レッサー11を起動させ、ヒートポンプ5の運転を開始す
る。減圧状態は圧力センサー33を用いて検知してもよい
が、一定時間経過後に次のステップに移ってもよい。
【0136】コンプレッサー11を起動させると熱媒体は
加圧圧縮され高温になる。空冷手段12はコンプレッサー
11で加圧圧縮されて高温にされた熱媒体を加熱手段4に
供給するのに適切な温度にまで下げるためのものであっ
て、コンプレッサー11で加圧圧縮されて高温にされた熱
媒体は空冷手段12を通って加熱手段4に供給される。加
熱手段4は空冷ファン13により冷却される。キャピラリ
ーチューブ14は減圧弁の役目を果たし、加熱手段4をで
た熱媒体はキャピラリーチューブ14を通り膨張して温度
が低下する。この低温の熱媒体は冷却手段9aを通り、
凝縮水タンク10中の凝縮水を冷却し、次いで冷却手段9
を通り、蒸発釜1から蒸発してきた水蒸気を冷却し凝縮
水とし、コンプレッサー11に還流する。キャピラリーチ
ューブ14を挟んで上流側が加熱域、下流側が冷却域とな
っている。
【0137】蒸発釜1内の写真処理廃液Wは加熱手段4
により加熱され、発生した水蒸気は、写真処理廃液Wか
ら上にでている加熱手段4により加熱され、デミスター
23を通過し、蒸発釜1の上部から冷却釜2に侵入し、こ
こで冷却手段9により冷却凝縮される。こうして作られ
た凝縮水は冷却釜2の底部2aに溜まり、エジェクター
3a、3aにより作られた真空により釜外に設置した回
収容器である凝縮水タンク10に回収される。エジェクタ
ー3a、3aは冷却釜2の底部2aに溜まった凝縮水を
回収する働きをすると共に、蒸発釜1内の圧力上昇を抑
制する働きをし、発生した水蒸気が冷却凝縮されること
と協同して蒸発釜1内は減圧状態に保たれる。凝縮水タ
ンク10をオーバーフローした水は貯留容器10aに蓄えら
れる。
【0138】蒸発により蒸発釜1内の液面が低下する
と、その低下は液面検出手段8により検知され、供給手
段7が作動し、写真処理廃液が供給され、液面は一定に
保たれる。この写真処理廃液の供給は筒25を通して行わ
れ、濃縮スラッジが付着したりして液面検出手段8の検
出結果により制御される。
【0139】蒸発時に写真処理廃液が発泡し、発生した
泡が冷却釜2に移行し、凝縮水中に写真処理廃液が混入
することはデミスター23により防止することができる
が、泡がデミスター23を越えた場合、蒸発釜1の上部に
設けられた液面検出手段31がこれを検知して、電磁弁32
を開き、蒸発釜1内を解放し、泡の発生を止め、写真処
理廃液が凝縮水への混入するのを防止する。
【0140】蒸発濃縮を繰返して得られた高濃度に濃縮
されたスラリーは、蒸発釜1の底部に設けられスラリー
溜部15に溜められる。スラリー溜部15に溜められたスラ
リーは、スラリー排出口19の先端にスラリー回収容器30
を係合し、把手18を操作することによってバッキング栓
26を取りはずし、駆動源21を作動させることによって撹
拌羽根20を回転し、スラリー回収容器30に移行させ、次
いで、把手18を操作してバッキング栓26を閉め、スラリ
ー回収容器30をスラリー排出口19から取りはずすことに
よって回収される。
【0141】本装置は、タンク6に液面検出装置を設
け、写真処理廃液がタンク6に溜まった時に運転を開始
し、液面が底面近くまで下がったとき運転が停止するよ
う制御される。
【0142】図1においては加熱手段及び冷却手段とし
てヒートポンプを用いているが、ペルチェ素子を加熱手
段及び冷却手段に用いることもできる。加熱手段及び冷
却手段にペルチェ素子を用いる場合も、図1と同様にし
て、写真処理液処理装置を構成することができる。
【0143】ペルチェ素子とは、ペルチェ効果を利用し
た素子を意味する。ペルチェ効果による熱の発生または
吸収は、電流の方向を逆転することによって反転する特
徴を持っている。
【0144】図2に示されたものは、ペルチェ素子を熱
源として用いる写真処理液処理装置の一例である。
【0145】図2において、40は濃縮前の廃液を貯蔵す
る第1貯留槽、41は濃縮前の廃液を貯蔵する第2貯留
槽、42は含銀廃液供給パイプ、43は非含銀廃液供給パイ
プ、44はパイプ、45はポンプ、46は脱銀装置、47は脱銀
塔、48はスチールウール、49はパイプ、50はポンプ、51
は濃縮装置、52は蒸発槽、53aは内箱、53bは水槽、54
はペルチェ素子、55はシール部材、56は撹拌部材、57は
モーター、58は弁、59は濃縮廃液の一時貯留槽、60は
弁、61は最終貯留器、62はポンプ、63は循環パイプ、64
は弁、65は排出パイプ、66は弁、67は濾過装置、68はデ
ミスターである。
【0146】自動現像機からの使用済み定着液、漂白定
着液当の含銀廃液は、含銀廃液供給パイプ42を通って第
1貯留槽40に一時蓄えられる。第1貯留槽40の含銀廃液
はパイプ44及びポンプ45により汲み上げられ、脱銀装置
46に供給される。脱銀装置46は直列に配設した3基の脱
銀塔47からなり、各脱銀塔47内にはスチールウール48が
充填され、含銀廃液がスチールウール48と接することに
より、銀が鉄と置換され脱銀が行われる。脱銀された廃
液は第2貯留槽41に落下する。また、第2貯留槽41に
は、自動現像機からの使用済みの非含銀廃液が、非含銀
廃液パイプ43を通って蓄えられる。第2貯留槽41に蓄え
られた非含銀廃液はパイプ49及びポンプ50により汲み上
げられ、濃縮装置51に供給される。
【0147】濃縮装置51は供給された廃液を蒸発させる
蒸発槽52と、蒸発槽52の外方に設けられ、内箱53aと外
箱53bとで構成された水槽53を有している。
【0148】また、蒸発槽52と水槽53との間には、多数
のペルチェ素子54がペルチェ素子54の発熱面が蒸発槽52
に接し、かつ、吸熱面が水槽53の内箱53aに接するよう
に配設されている。また、蒸発槽52の上部と内箱53aの
上部との間にはシール部材55が設けられており、液密に
シールされている。
【0149】濃縮減圧装置51には、図示されていない
が、減圧手段が設けられており、蒸発槽52内が減圧され
るようになっている。
【0150】蒸発槽52に供給された廃液は、ペルチェ素
子54により加熱され、濃縮される。発生した蒸気は、水
槽53内に回り込みペルチェ素子54により冷却され、蒸留
液となり、水槽53内に溜る。水槽53内にはあらかじめ所
定量の水が収容されており、ポンプ62により循環パイプ
63を通って循環されている。
【0151】蒸発槽52内の廃液はモーター57によって回
転駆動されている撹拌部材56によって撹拌されている。
【0152】蒸発槽52で濃縮された廃液は、弁58を開く
ことにより濃縮廃液の一時貯留槽59に収容される。ま
た、一時貯留槽59内の濃縮廃液は弁60を開くことによっ
て最終貯留槽61に排出される。最終貯留槽61は着脱自在
に装着されており、最終貯留装着61に排出された濃縮廃
液は廃棄することができる。
【0153】水槽53内に溜った蒸留液は、弁64を閉じ、
弁66を開くことにより排出パイプ65及び濾過装置67を通
って排出され、再利用される。濾過装置67には活性炭が
充填されており、蒸留液に含まれる易揮発性物質等のき
ょう雑物を吸着除去する。
【0154】68はデミスターであり、蒸発槽52内の廃液
が発泡とにより水槽53内の蒸留液に混入するのを防止す
る。
【0155】こうして蒸発濃縮し、発生した蒸留液をス
トックタンクに貯留し、そこから各槽への補充水として
利用する。この蒸留液は適度に輝発しやすい写真処理液
成分を含有しており、そのため、ほぼ一定の組成とpH
値を維持し、耐カビ性や耐バクテリア性に優れていると
いうことは驚くべきことであり、これを用いて補充水と
することにより、安定した処理性が得られ、かつ補水の
供給の手間を省ける2つのメリットが生じた。
【0156】蒸留液はどの槽にも適用できるが、発色現
像液は他の処理槽に比べ極めて微妙な処理液組成のコン
トロールを必要とするため、又、蒸留液を過不足なく補
充水として利用するためには好ましくは発色現像槽以外
の処理槽に適用することである。
【0157】こうして得られる蒸留液は2次処理を行う
のが好ましく、該2次処理は具体的には以下に示す処理
のうちの少なくとも1つである。
【0158】(1)活性炭処理 (2)紫外線照射処理 (3)逆浸透処理 (4)酸化剤処理 (5)電解酸化処理 (6)エアレーション処理 (7)電気透析処理 (8)再蒸留処理 (9)イオン交換樹脂処理 (10)pH調整処理 (11)電解酸化処理 又、本発明において補充水の一部又は全てに写真処理液
蒸留手段によってつくられた蒸留水を用いるが、前途の
様にハロゲン化銀感光材料の処理量によっては、補充水
の過不足が生じることがある為に補充水の一部は水道水
や前記2次処理を行った補充水を用いることが必要であ
る。
【0159】
【実施例】
(実施例1)本発明を適用できる自動現像機(以下、単
に自現機という)の一例を図面に基づいて説明する。図
3は、自現機Aと写真焼付機Bとを一体的に構成したプ
リンタープロセッサーの概略図である。
【0160】図3において写真焼付装置Bの左下部に
は、未露光のハロゲン化銀写真感光材料である印画紙を
ロール状に収納したマガジンMがセットされる。マガジ
ンから引き出された印画紙は、送りローラR及びカッタ
ー部Cを介して所定のサイズに切断され、シート状印画
紙となる。このシート状印画紙は、ベルト搬送手段Bに
よって搬送され、露光部Eにおいて原画Oの画像を露光
される。露光されたシート状印画紙はさらに複数対の送
りローラRにより搬送され、自現機A内に導入される。
自現機Aでは、シート状印画紙は、処理槽である夫々発
色現像槽1A、漂白定着槽1B、安定槽1C,1D,1
E内(実質的に3槽構成の)をローラ搬送手段(参照記
号ナシ)により順次搬送され、それぞれ、発色現像処
理、漂白定着処理、安定化処理がなされる。前記各処理
がなされたシート状印画紙は、乾燥部35において乾燥さ
れて機外に排出される。
【0161】なお、図中の一点鎖線は、ハロゲン化銀写
真感光材料の搬送経路を示す。また、実施例において
は、感光材料はカットされた状態で自現機A内に導かれ
るものであるが、帯状で自現機内に導かれるものであっ
てもよい。その場合、自現機Aと写真焼付機Bとの間
に、感光材料を一時的に滞留させるアキュムレータを設
けると処理効率が上がる。また、本願発明に係る自現機
は、写真焼付機Bと一体的に構成しても、自現機単体だ
けでもよいことは言うまでもない。また、本発明に係る
自現機によって処理されるハロゲン化銀写真感光材料
は、露光済の印画紙に限られるものでははなく、露光済
のネガフィルム等でもよいことは言うもでもない。ま
た、本発明の説明として、発色現像槽、漂白定着槽、安
定槽を有する実質的に3槽構成の自現機について行う
が、これに限られるものではなく、発色現像槽、漂白
槽、定着槽、安定槽を有する実質的に4槽構成の自現機
であっても本発明は適用できるものである。
【0162】図4は、図3の自現機AのI−I断面にお
ける処理槽である発色現像槽1Aの概略図である。な
お、漂白定着槽1B、安定槽1C,1D,1Eにおいて
は、発色現像槽1Aと同じ構成となるので、以下、処理
槽1として説明する場合は、発色現像槽1A、漂白定着
槽1B、安定槽1C,1D,1Eいずれも指すこことと
する。なお、図には、構成をわかりやすくするために、
感光材料を搬送する搬送手段等は省略してある。また、
本例においては、固形処理剤として錠剤113を用いた場
合について説明する。
【0163】処理槽1は、感光材料を処理する処理槽10
2と、該処理部を形成する仕切壁の外側に一体的に設け
た錠剤113を供給する固形処理剤投入部111とを有する。
これら処理部102と固形処理剤投入部111とは連通窓が形
成された仕切壁112により仕切られており、処理液は流
通できるようになっている。そして投入部111には処理
剤を受容する区分114を設けたので、固形のまま処理槽1
02に移動することがない。
【0164】筒状のフィルター103は、固形処理剤投入
部111の下方に交換可能に設けられ、処理液中の不溶
物、例えば紙くず等を除去する機能を果たす。このフィ
ルター103の中は、固形処理剤投入部111の下方壁を貫通
して設けられた循環パイプ104を介して循環ポンプ105
(循環手段)の吸引側に連通している。
【0165】循環系は、液の循環通路を形成する循環パ
イプ104、循環ポンプ105、および、処理槽102等で構成
されていることになる。前記循環ポンプ105の吐出側に
連通した循環パイプ104の他端は処理槽102の下方壁を貫
通し、該処理部102に連通している。このような構成に
より、循環ポンプ105が作動すると処理液は固形処理剤
投入部111から吸い込まれ、処理槽102に吐出されて処理
液は処理部102内の処理液と混じり合い、再び固形処理
剤投入部111へと入る循環を繰り返すことになる。この
循環流の流量は、1分間当たりタンク容量に対して0.1
(回転=循環量/タンク容量)以上の流量であることが
好ましく、より好ましくは、0.5〜2.0回転である。ま
た、処理液の循環方向は、図4に示した方向に限られる
必要はなく、逆方向であってもよい。
【0166】廃液管106は、処理槽102内の処理液をオー
バーフローさせるためのものであり、液面レベルを一定
に保つとともに、他の処理槽から感光材料に付着して持
ち込まれる成分や、感光材料から浸み出す成分が貯留
し、増加することを防ぐのに役立つ。
【0167】オーバーフロー液は廃液管106を介して廃
液ストックタンク144に集められ、次に廃液処理装置145
によって処理され生成した蒸留液は補充水タンク143に
蓄えられる。これは各処理槽のオーバーフロー液も同様
に一つの廃液ストックタンクに集められ、同様に処理さ
れることは言うまでもない。補充水供給手段142は補充
水を貯える補水タンク143から処理剤投入部111に補充水
を補給する手段である。なお、補水タンク143は廃液処
理装置145によって生じた蒸留液だけではなく、水道水
などが入った補水タンクと直結又は別補水しても良いこ
とは言うまでもない。
【0168】補充水供給手段142は感光材料の処理量情
報により作動し、補水タンク143より処理剤投入部111に
補充される。
【0169】棒状のヒータ107は、処理部102の下部に配
設されヒータ107は、処理槽101内の処理液を加温するも
のであり、換言すると処理槽101内の処理液を処理に適
した温度範囲(例えば20〜55℃)に保持する温度調整手
段である。
【0170】処理量情報検知手段108は、自現機の入口
に設けられ、処理される感光材料の処理量を検出するた
めに用いられる。この処理量情報検知手段108は、左右
方向に複数の検出部材を配してなり、感光材料の幅を検
出するとともに、検出されている時間をカウントするた
めの要素として機能する。感光材料の搬送速度は機械的
に予め設定されているので、幅情報と時間情報とから感
光材料の処理面積が算出できる。なお、この処理量情報
検出手段は、赤外線センサー、マイクロスイッチ、超音
波センサー等の感光材料の幅および搬送時間を検出でき
るものであればよい。また、間接的に感光材料の処理面
積が検出できるもの、例えば図3のようなプリンタープ
ロセッサーの場合、焼付を行った感光材料の量、あるい
は、予め決まっている面積を有する感光材料の処理数を
検出するものでもよい。さらに、検出するタイミング
は、本例では処理される前であるが、処理した後、ある
いは処理液中に浸漬されている間でも良い(このような
場合は、処理量情報検知手段108を設ける位置を処理後
に検出できる位置や処理中に検出できる位置に適宜変更
することによりできる)。さらに、検出される情報とし
て、上述の説明では、感光材料の処理面積について述べ
たが、これに限られるものではなく、処理される、処理
された、あるいは、処理中の感光材料の処理量に比例し
た値であればよく、処理槽に収容された処理液の濃度あ
るいは濃度変化等であってもよい。また、処理量情報検
知手段108は、各処理槽1A,1B,1C,1D,1E
毎に設ける必要はなく、1台の自現機に対して1つ設け
ることが好ましい。
【0171】収納手段であるカートリッジ115に収納さ
れた固体処理剤を処理槽に投入する処理剤供給手段117
は、濾過部(区分)114の上方に配設され、固体処理剤
である錠剤113を封入してあるカートリッジ115と錠剤11
3を一個又は複数個押し出す構成の押出部材118とを有し
ている。この処理剤供給手段117は、後述する処理剤供
給制御手段109によって制御され、処理剤供給制御手段1
09から発せられる供給信号と連動して、待機中であった
錠剤113を押出部材118で押し出し、錠剤113を固体処理
剤投入部111内の濾過部(区分)114に供給する。これ
は、カム119を軸1回転停止機構により作動し、押し爪1
18を作動させ、待機中であった錠剤113は処理槽102に供
給され、次の錠剤は錠剤押しバネ121によって上方から
下方ヘとバネ付勢されているので速やかに待機状態とな
る。なお、本願発明では、固形処理剤113を固形処理剤
受容部111内の濾過部(区分)114に供給したが、供給さ
れる場所は処理槽102内であればどこに供給されてもよ
く、即ち、本願発明では処理液を用いて固形処理剤を溶
解できればよく、感光材料の処理量情報に応じた成分が
確実に投入され、処理槽102内の処理液の処理特性を一
定に保つことが必要なのであるが、より好ましくは、処
理液の循環経路内に固形処理剤が供給されることがよ
い。また、この処理剤供給手段117は、自現機の処理槽
内や外気の湿気、処理液の飛散したものが、処理槽に供
給される前の固形処理剤と接触しないようにされている
ことが好ましい。
【0172】濾過手段(区分)114は、固形処理剤投入
部111内の処理液に浸漬され、処理剤供給手段117によっ
て供給された錠剤113による不溶成分、例えば錠剤113中
に混入していた溶解しない成分、錠剤113が崩壊してで
きる錠剤113の塊など、錠剤113のみならず固形処理剤由
来のものが感光材料に付着すると出来上がった画像を傷
をつけてしまったり、付着した箇所の処理不足等の原因
となるものを、除去するものである。この濾過手段(区
分)114は樹脂で加工されている。なお、濾過手段(区
分)114は固形処理剤投入部111内に設けることは必須で
はなく、処理剤供給手段117によって供給される錠剤113
が図3に示す感光材料の搬送経路、あるいは、処理槽10
2内の処理液に投入されるようにすればよいものであ
る。
【0173】処理剤供給制御手段109は、処理剤供給手
段117を制御するものであり、処理量情報検知手段108に
よって検出された感光材料の処理量情報(本実施例では
処理面積)が所定の一定値に達すると処理剤供給手段11
7に処理剤供給信号を発するものである。なお、処理剤
供給制御手段109は、処理量情報に応じて必要な処理剤
量を固形処理剤投入部111に供給するよう処理剤供給手
段117を制御すればよい。
【0174】次に、図4に基づいて、本願発明の動作を
説明する。露光済の感光材料は、自現機Aの入口におい
て処理量情報検知手段108により処理量情報が検出され
る。処理剤供給制御手段109及び補充水供給手段142は、
処理量情報検知手段108により検出された処理量情報に
応じて、処理される感光材料の面積の累積が所定の面積
に達すると、処理剤供給手段117及び補充水供給手段142
に供給信号を発する。供給信号を受けた処理剤供給手段
117及び補充水供給手段142 は、押出部材118で錠剤113
を押し出し、錠剤113を固形処理剤投入部111内の濾過手
段(区分)114に供給する。補充水は補水タンク143より
固体処理剤投入部111に供給される。供給された錠剤113
は、固体処理剤投入部111内の処理液によって溶解する
が、循環手段によって固体処理剤投入部111→循環ポン
プ105→処理部102→連通窓→固形処理剤投入部111と循
環している処理液により溶解が促進される。一方、検出
された感光材料は、発色現像槽1A、漂白定着槽1B、
安定槽1C,1D,1E内をローラ搬送手段により順次
搬送される(図3の自現機A参照)。なお、夫々処理槽
である発色現像槽1A、漂白定着槽1B、安定槽1C,
1D,1Eそれぞれに、処理剤供給手段117を備え、そ
れぞれ同時に供給してもよい。また、それぞれの供給手
段により供給されるタイミングは各々別々であってもよ
く、さらに、処理剤供給制御手段109により処理剤供給
手段が制御されるための所定の面積は、各処理槽1A,
1B,1C,1D,1E同じであってもよいが、それぞ
れ異なっていてもよいことはいうまでもない。
【0175】本例に限らず以下に説明する例において、
漂白定着槽1B、安定槽1C,1D,1Eにおいては、
発色現像槽1Aと同じ構成となるので、以下で処理槽1
として説明する場合は、発色現像槽1A、漂白定着槽1
B、安定槽1C,1D,1Eいずれも指すここととし、
図中の図番で、前述した図3と同じ機能をもつものは同
じ番号とするので、ここではその説明を省略し、さら
に、構成をわかりやすくするために、感光材料を搬送す
る搬送手段等は省略してある。なお本例において濾過手
段を好しい例として記載したが、本発明においては濾過
手段がなくても本発明の効果を十分奏することができ
る。
【0176】以上説明したように、本発明によると従来
必要であった補充タンクが不要となりそのためのスペー
スを確保する必要がないため自現機がコンパクトにな
り、また、固形処理剤を処理槽に供給するので調液作業
が不要となり、調液時の液飛散や人体・衣服・周辺機器
への付着・汚染がなく、取扱いが簡単であり、さらに、
処理液への補充精度が高まり補充される処理成分の劣化
がなく安定した処理特性を持ち、かつ廃液交換や面倒な
水供給もない優れた効果を奏する。
【0177】図5は、図3の自現機Aを上面から示した
概略上面図である。(但し、廃液処理装置及び蒸留水を
補水手段とする経路を記載してある。)発色現像槽1
A、漂白定着槽1B及び安定槽1Cからのオーバーフロ
ー液は、廃液ストックタンク144にたまり、次の廃液処
理装置145で処理され、蒸留水は補充水タンク143にスト
ックされる。ポンプ、温調機等からなる温水補給装置13
2、電磁弁133、補水管136は補充水供給手段の部位であ
る。この補充水供給手段142(温水補給装置132及び電磁
弁133)は、写真材料によって持ち出された水分とタン
ク表面から蒸発した水分を補いながら、反応によって溶
出する累積抑制成分を薄めるためのものである。また、
各処理槽1A,1B,1C,1D,1E毎に補水タンク
や補水ポンプを設けてもよいが、補給される補充水はい
ずれの槽においても同じ補充水を用いて、1つの補水タ
ンクにすると自現機がコンパクトになり、さらに好まし
くは、補水タンクと補水ポンプを自現機に1つだけ設
け、補水する経路(パイプ等)に電磁弁を設けて各処理
槽に必要なときに必要量が補給されるようにする、ある
いは、補水用のパイプの径の太さを調整して補給量を加
減する、ことにより、補水タンク143と補水ポンプを自
現機に1つだけ設けることができ、さらにコンパクトに
なる。なお、夫々処理槽である安定槽1C,1Dに関し
ては、それぞれ安定槽1D,1Eからオーバーフローし
た安定液を供給することにより、補充水供給手段を省く
ことも可能となる。
【0178】以上ペーパープロセッサーについてのみ説
明したが、同様にネガプロセッサーについても構成で
き、さらにネガ、ペーパーの廃液をジョイントして同時
に処理する構成も可能である。
【0179】次に、図4および図5に基づいて、本願発
明の動作を説明する。露光済の感光材料は、自現機Aの
入口において処理量情報検知手段108により処理量情報
が検出される。処理剤供給制御手段109は、処理量情報
検知手段108により検出された処理量情報に応じて、処
理される感光材料の面積の累積が所定の面積に達する
と、処理剤供給手段117に供給信号を発する。供給信号
を受けた処理剤供給手段117は、押出部材118で錠剤113
を押し出し、錠剤113を固形処理剤投入部111内の濾過部
114に供給する。供給された錠剤113は、固形処理剤投入
部111内の処理液によって溶解するが、循環手段によっ
て処理槽102→循環ポンプ105→固形処理剤投入部111→
連通窓→処理槽102と循環している処理液により溶解が
促進される。
【0180】一方、オーバーフロー液が廃液ストックタ
ンク144に入り、そこから廃液処理装置145へ遂次に吸引
され、蒸発処理される。こうして得られる蒸留液は、補
水タンク143に除々に流れ込む。他方、補充水供給制御
手段は、処理量情報検知手段108により検出された処理
量情報に応じて、処理される感光材料の面積の累積が所
定の面積に達すると、補充水供給手段142(温水補給装
置132および電磁弁133)に補水信号を発する。補水信号
を受けた補充水供給手段142は、温水補給装置132および
電磁弁133を制御して、補水タンク143に貯えられた補充
水を各処理槽、あるいは、必要になった処理槽に所定量
又は必要量の補水を行う。この場合の所定の面積は、処
理剤供給制御手段109におけるそれと同じ量であるが、
これに限られず、それぞれ異なる所定の面積であっても
よい。一方、検出された感光材料は、夫々処理槽である
発色現像槽1A、漂白定着槽1B、安定槽1C,1D,
1E内をローラ搬送手段により順次搬送される。
【0181】処理液の蒸留液を補水として使うため、処
理量によっては過不足が生じてしまうが、不足してしま
う場合は別に水を補水タンクに足すことも可能であり、
又使用する処理槽を制限してもかまわない。
【0182】以上、各種の処理槽を含む自現機について
示したが処理槽として、現像液を収容するための現像
槽、定着液を収容するための漂白槽、漂白定着液を収容
するための漂白定着槽、定着液を収容するための定着槽
及び安定液を収納するための安定槽を含み、且つ、少な
くとも、前記収納手段及び/又は固定手段、前記供給手
段、及び前記制御手段は前記それぞれの処理槽毎に設け
られているカラーネガフィルム用の自動現像機及び処理
槽として現像液を収容するための現像槽、定着液を収容
するための定着槽を含み且つ、少なくとも前記収納手段
及び/又は固定手段、前記供給手段及び前記制御手段は
前記それぞれの処理槽毎に設けられている黒白ハロゲン
化銀写真感光材料用自動現像機についても本発明の効果
が認められた。
【0183】また、廃液処理のラインフローについて
は、カラーネガとカラーペーパーのオーバーフロー液を
接続混合し、同一に処理した場合も本発明の効果が認め
られる。(図6(a))さらに、廃液処理後の蒸留液を発
色現像以外の槽に用いた場合についても本発明の効果が
認められる(図6(a))。尚図中の146は発色現像用補
水タンク、147はカラーネガ処理ライン、148はカラーペ
ーパー処理ラインを示している。又1Fは漂白槽、1G
及び1G′は定着槽を示している。
【0184】(実施例2)従来の処理剤のキット形態を
表1、表2、表3に示す。
【0185】
【表1】
【0186】
【表2】
【0187】表中EDTA・Fe塩はエチレンジアミン4
酢酸第2鉄アンモニウムを表し、EDTA−4Hは、エチ
レンジアミン4酢酸を表す。
【0188】
【表3】
【0189】本発明の処理剤の形態を表4、表5、表
6、に示す。
【0190】
【表4】
【0191】
【表5】
【0192】表中、EDTA-Fe塩はエチレンジアミン四酢
酸第2鉄アンモニウム塩を表わす。
【0193】
【表6】
【0194】次に本発明による処理剤を表7及び表8に
より説明する。
【0195】
【表7】
【0196】
【表8】
【0197】ここではカラーペーパー用の処理剤を例に
して説明する。従来の処理剤は、液体パートにしてミニ
ラボ設置店の店頭で溶解操作を簡単にする目的で各添加
素材を濃厚化してある。この様な場合、長期に安定であ
る素材を組み合わせて数種類のパートにしてある。
【0198】これらのキットはいくら濃厚化しても薬品
本来の溶解度に限定され、本来必須である薬品素材の他
に水を添加する事になる。
【0199】特に不必要な水を、混合する事は、極端な
事を言うと水を運んでいる事になり、運送費への負荷も
大きくなる。
【0200】それにひきかえ本発明の処理剤は固体化さ
れており、水の混合が全く不要であるので本来必須の薬
品素材のみの処理剤形態をとり得る。したがって表1〜
3と表4〜6を比較すると同じ処理量の感材に対する補
充剤の重量を、発色現像補充剤で46%に、漂白定着補充
剤で23%にスーパースタビライザーで23%に減少でき
る。
【0201】次に表7は本発明の処理剤の特徴について
表したものであるミニラボ処理剤、ミニラボクイック処
理剤、大ラボ処理剤で表7の様なパート構成を取る事が
一般的である。
【0202】従来の処理剤は、一端処理剤を補充液とし
て溶解し感材処理量に合せ補充するミニラボクイック処
理剤、大ラボタイプは、徐々に低補充化がされ、タンク
液と補充液の濃度差が徐々に大きくなっている。
【0203】補充液の濃度を高くする事は限界がある。
発色現像液ではタンク液の約1.7倍、漂白定着液(ここ
には示していないがネガ処理の漂白能を有する液も同様
である)はタンク液の約2.2倍が溶解度の関係から限界
である。
【0204】前記以上の濃度にすると補充液が保存され
た場合、発色現像補充液では発色現像主薬の析出、漂白
定着剤では、エチレンジアミンテトラ酢酸第2鉄塩の析
出が起る。特に温度の影響を受け易く補充タンクの周辺
の温度が10℃以下になる冬季にトラブルを起こしてしま
う。
【0205】又、液体キットの保存性を考慮してキット
のパートを構成する為、物によってはpHが極端に低い
場合や極端に高い値を取る事になる。従って、作業者は
キット液の取り扱い性に注意を払う必要があった。
【0206】キット液を漏らしたり、衣服につけたり、
皮膚につけた場合、思わぬ事故が起こる事になる。即
ち、pHの低いキット液や高いキット液を漏らし、金属
部位に接触させると錆びたり、衣服につくと、その部分
が破損し、皮膚につくとその部分がカブしたり、湿疹を
起こしたりする。
【0207】又、処理剤を運送する場合に於いて、法律
上の規制を受ける。
【0208】即ち、UN(国際連合)規則等で定められ
ており、船舶安全衛生法、航空法を守らなくてはなら
い。又航空機輸送の場合は、IATA規則も守らなくて
はならないパートが存在する。表中腐食性、輸送上の安
全性にX印を示したものは、該当キットの容器検査等を
クリアーした容器に充填しなくては輸送できない事とな
る。
【0209】また本発明の処理剤は、固体化されており
補充液として溶解する必要がなく、直接感材の処理量に
合せてタンク液に補給する態様がとれるので低補充化す
る場合においても消費成分の比率を高くするのみで、溶
解度に限定されない有利な構成をとれるので素材の析出
トラブル等の心配はない。
【0210】又キット形態が液体でないので重量も軽量
化でき、輸送費の負荷も小さくなる。更に腐触性、輸送
上の安全性に対する配慮が不必要となる。
【0211】(実施例3)コニカQAペーパータイプA
5(コニカ(株)社製)を像様露光した後、コニカビッグ
ミニラボBM−101(コニカ(株)社製)を図17に示され
ているピールオープン方式に改造しさらに表9の処理工
程となるように改造を加え連続処理を行った。
【0212】
【表9】
【0213】安定は3から1への向流方式であり、安定
−1のオーバーフロー液は全量漂白定着槽に流入され
た。また、感光材料1m2当りのキャリーオーバーは、全
ての槽で50ml/m2であった。
【0214】また、蒸発補正は温調時は、発色現像、漂
白定着、安定に各々9.0ml/時、7.2ml/時、14.1ml/時ず
つ1時間毎に行い、温調をしていない時には、各々3.8m
l/時、3.1ml/時、6.1ml/時ずつを積算し、温調開始時に
まとめて行った。
【0215】スタート時のタンク液は、コニカカラーQ
Aペーパー発色現像スタート剤82P-1B,(コニカ(株)社
製コニカカラーQAペーパー漂白定着スタート剤82P-2B
(同上),コニカカラーQAペーパー安定スタート剤82
P-3B(同上)を用いて作成した。
【0216】以下の操作(A〜G)に従ってカラーペー
パー用処理錠剤を作成した。
【0217】1)カラーペーパー用発色現像補充用錠剤 操作(A) 現像主薬のCD-3[4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-〔β-
(メタンスルホンアミド)エチル〕アニリン硫酸塩]1200
gを市販のバンダムミル中で平均粒径10μmになるまで粉
砕する。この微粉末を市販の撹拌造粒機中で室温にて約
7分間、50mlの水を添加することにより造粒した後、造
粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の
水分をほぼ完全に除去する。このようにして、調整した
造粒物にポリエチレングリコール6000を150gを25℃、40
%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一
に混合する。次にN-ラウロイルアラニンナトリウム4g
を添加し、3分間混合した後、得られた混合物を菊水製
作所(株)製タフプレストコレクト1527HUを改造し
た打錠機により1錠当たりの充填量を3.2gにして圧縮打
錠を行い、400個のカラーペーパー用発色現像補充用錠
剤A剤を作成した。
【0218】操作(B) ジスルホエチルヒドロキシルアミン2ナトリウム塩120g
を操作(A)と同様、粉砕、造粒する。水の添加量は6.
0mlとし、造粒後、50℃で30分間乾燥して造粒物の水分
をほぼ完全に除去する。このようにして、調整した造粒
物にN-ラウロイルアラニンナトリウム4を添加し、25
℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて3分
間混合する。次に得られた混合物を菊水製作所(株)製タ
フプレストコレクト1527HUを改造した打錠機により1
錠当たりの充填量を1.0gにして圧縮打錠を行い、100個
のカラーペーパー用発色現像補充用錠剤B剤を作成し
た。
【0219】操作(C) チノパールSFP(チバガイギー社製)30.0g、亜硫酸ナト
リウム3.7g、臭化カリウム0.3g、ジエチレントリアミン
5酢酸25g、p-トルエンスルホン酸ナトリウム280g、水
酸化カリウム20g、マンニトール10.6gを(A)と同様粉
砕した後、市販の混合機で均一に混合する。次に(A)
と同様にして、水の添加量を20mlにして造粒を行う。造
粒後、造粒物を60℃で30分間乾燥して造粒物の水分をほ
ぼ完全に除去する。このようにして、調整した造粒物に
N-ラウロイルアラニンナトリウム4gを添加し、25℃、4
0%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて3分間混
合する。次に得られた混合物を菊水製作所(株)製タフプ
レストコレクト1527HUを改造した打錠機により1
錠当たりの充填量を1.0gにして圧縮打錠を行い、100個
のカラーペーパー用発色現像補充用錠剤C剤を作成し
た。
【0220】操作(D) 炭酸カリウム350gを操作(A)と同様、粉砕、造粒す
る。水の添加量は20mlとし、造粒後、700℃で30分間乾
燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このように
して、調整した造粒物にポリエチレングリコール6000を
15gを25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用
いて10分間均一に混合する。次にN-ラウロイルアラニン
ナトリウム4gを添加し、3分間混合した後、得られた
混合物を菊水製作所(株)製タフプレストコレクト1527H
Uを改造した打錠機により1錠当たりの充填量を3.0gに
して圧縮打錠を行い、110個のカラーペーパー用発色現
像補充用錠剤D剤を作成した。
【0221】2)カラーペーパー用漂白定着補充用錠剤 操作(E) ジエチレントリアミン5酢酸第2鉄アンモニウム1水塩
1250g、エチレンジアミン4酢酸25g、マレイン酸250g、
パインフロー(松谷化学)46gを操作(C)と同様、粉
砕、混合し造粒する。水の添加量は80mlとし、造粒後、
60℃で2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去す
る。このようにして、調整した造粒物にN-ラウロイルサ
ルコシンナトリウム15gを添加し、25℃、40%RH以下に
調湿された部屋で混合機を用いて3分間混合する。次に
得られた混合物を菊水製作所(株)製タフプレストコレク
ト1527HUを改造した打錠機により1錠当たりの充
填量を8.6gにして圧縮打錠を行い、170個のカラーペー
パー用漂白定着補充用錠剤A剤を作成した。
【0222】操作(F) チオ硫酸アンモニウム1640g、亜硫酸ナトリウム750g、
臭化カリウム40g、p-トルエンスルフィン酸50gを操作
(C)と同様、粉砕、混合し造粒する。水の噴霧量は10
0mlとし、造粒後、60℃で120分間乾燥して造粒物の水分
をほぼ完全に除去する。このようにして、調整した造粒
物にN-ラウロイルサルコシンナトリウム20gを添加し、2
5℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて3
分間混合する。次に得られた混合物を菊水製作所(株)製
タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機に
より1錠当たりの充填量を13.4gにして圧縮打錠を行
い、180個のカラーペーパー用漂白定着補充用錠剤B剤
を作成した。
【0223】3)カラーペーパー用安定補充用錠剤 操作(G) 炭酸ナトリウム・1水塩10g、1-ヒドロキシエタン-1,1-
ジホスホン酸ジナトリウム200g、チノパールSFP150
g、亜硫酸ナトリウム300g、硫酸亜鉛7水塩20g、エチレ
ンジアミン4酢酸2ナトリウム150g、硫酸アンモニウム
200g、o-フェニルフェノール10g、パインフロー25gを操
作(C)と同様、粉砕、混合し造粒する。水の添加量は
60mlとし、造粒後、70℃で60分間乾燥して造粒物の水分
をほぼ完全に除去する。このようにして、調整した造粒
物にN-ラウロイルサルコシンナトリウム10gを添加し、2
5℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて3
分間混合する。次に得られた混合物を菊水製作所(株)製
タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機に
より1錠当たりの充填量を3.1gにして圧縮打錠を行い、
360個のカラーペーパー用安定補充用錠剤を作成した。
【0224】次に、上記錠剤を発色現像補充用錠剤につ
いては、A,B,C,D剤を各々1錠ずつ、計4錠を1
分包とし、連続20分包分をピールオープン包材を使用
し、四方シール方式で分包した。また漂白定着補充用錠
剤については、A剤を1錠、B剤を2錠分ずつ計3錠を
1分包とし、連続20分包分を上記発色現像補充用錠剤と
同様に分包した。
【0225】さらに、安定補充用錠剤については、各1
錠ずつを1分包とし、前記と同様に分包した。
【0226】ピールオープン包材としては、シーラント
フィルムとしてトーセロCMPSO11Cを使用し、無延伸ポリ
プロピレンフィルム/延伸ポリプロピレンフィルムの無
延伸ポリプロピレンフィルム面でラミネートし、作成し
た。
【0227】作成したピールオープンフィルムと、無延
伸ポリプロピレン/延伸ポリプロピレンフィルムをヒー
トシールし、上記錠剤を分包した。
【0228】また、比較例として、補充タンクに本錠剤
及びそれに相当する補充水を入れ、10l分の補充液を作
成して使用した。
【0229】ただし、比較の処理の蒸発補正は補充液に
て行った。
【0230】又、発色現像槽、漂白定着槽及び安定槽の
オーバーフロー液については、図1に示す処理液蒸留装
置を用い、蒸留(蒸留温度40℃、蒸留圧力55mmHg)し、
その蒸留液を本錠剤を使用した場合の補充水として再利
用した。また足りない分については水道水を足して過不
足ない様にした。
【0231】処理は1日当りカラーペーパーを5m2
し、オーバーフロー量がタンク液の2倍となるまで行
い、その後漂白定着タンク槽の硫化までの日数を観察
し、ウェッジ露光をほどこした試料を現像し、ブルーの
反射最高濃度を測定した。
【0232】さらに、補充水タンクでのカビやバクテリ
アの発生状況を評価した。又、その時の処理済みカラー
ペーパーを30℃80%の条件で7日間保存した後の画像劣
化程度を評価した。
【0233】ただし、発色現像剤中の発色現像主薬は、
補充量50ml/m2では、1.2倍25ml/m2は、1.45倍、150ml/m
2では0.9倍と変化させ、消費の分の補正を行った。
【0234】また、漂白定着液中のマレイン酸の量は、
低補充化の際は、発色現像液の混入による高pH化の分だ
け増量して作成した。各方式の比較例を表10に示す。
【0235】
【表10】
【0236】さらに補充液の補充量と更新率を変化さ
せ、連続処理を行い、本発明の固体処理剤投入方式と従
来の補充液作成方式を比較し、漂白定着液の濃縮を測定
した。濃縮率は原子吸光にてタンク液中の鉄イオンの濃
度を測定し、求めた。
【0237】さらに発色現像剤に溶解し、補充液を作成
した際の溶解状態を観察した。
【0238】
【表11】
【0239】上記表11で明らかなように、従来の補充液
作成方法では、低補充化すると補充液を濃厚化しなけれ
ばならず補充液作成の際完全に溶解せず不溶解物が残存
してしまう。また低補充では、補充液も酸化劣化してし
まうため写真濃度を測定すると充分な濃度が得られない
ことがわかる。
【0240】これに対し、本発明の直接投入方式では、
補充液を作成しないため溶解不良も劣化も起こらない。
【0241】さらに漂白定着液の場合、低補充の際の補
充液はpHが低いため保存性が悪く、数週間で硫化してし
まうことがわかった。ところが本発明の方式では補充液
を作成する必要がないので、漂白定着液の硫化も全く発
生しない。
【0242】また、漂白定着液の濃縮を測定すると現行
補充液方式では低補充領域では大巾な濃縮が起こり、特
に蒸発量よりも補充量の少ない領域では補充液にて蒸発
補正を行うとさらに濃縮率が大きくなる。
【0243】ところが本発明の場合には、蒸発補正を別
途行えるため全く濃縮せず、実に良好なことがわかる。
図9は補充量と濃縮率の関係を、従来技術と本発明とで
比較した特性図である。
【0244】又、さらに本発明の構成要件である廃液処
理装置による蒸留水を補充水として使用した場合、保存
によってもカビ、バクテリアの発生が全くなく、又画像
保存性も良好であり安定して補充水として使用できるこ
とがわかる。
【0245】(実施例4)コニカQAペーパータイプ−
5(コニカ(株)製)を像様露光した後、図3に示される
構成をしているNPS−808の改造機(コニカ(株)製)を下
記の処理工程に従って処理した。ただし、補充タンク内
の補充水は発色現像槽、漂白定着槽及び安定槽からのオ
ーバーフロー液をACR−40を用いて生成した廃液蒸留水
を使用したが、発色現像の補充水は水道水を用いた。
【0246】 処理工程 処理時間 処理温度 タンク容量 発色現像 22秒 38.0℃ 12l 漂白定着 22秒 37.5℃ 12l 安定−1 22秒 35℃ 12l 安定−2 22秒 35℃ 12l 安定−3 22秒 35℃ 12l 乾 燥 50秒 55℃ 安定は3から1への向流方式であり、安定−1のオーバ
ーフロー液は全量漂白定着槽に流入させた。又感光材料
1m2当りの感光材料のキャリーオーバーは発色現像槽か
ら漂白定着槽へは45ml、漂白定着槽から安定槽へは50m
l、安定−1→2,2→3及び3→乾燥へは40mlであっ
た。
【0247】発色現像槽、漂白定着槽、安定槽の各開口
面積は処理液1l当り4.5cm2であった。
【0248】自現機の外気は27℃,60%RHであり、補充
水は蒸発量が100mlになったときに補充する様にした。
【0249】なお補充水の算出方法は特開平3-280042号
公報の式(1)を用いた。又処理した感光材料は1日当
り2.0m2処理し、2ケ月間連続処理した。
【0250】以下に処理液の組成を示す。
【0251】 (発色現像液) 臭化カリウム 0.02g 塩化カリウム 3.2g 炭酸カリウム 30g 亜硫酸カリウム 0.2g ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム 2g ニトリロトリメチレンホスホン酸ナトリウム 2g チノパールSFP 2g ジナトリウム-N,N-ビス(スルホナートエチル) ヒドロキシルアミン 5g 4-アミノ-3-メチル-N-エチルN-〔β-(メタンスルホンアミド) エチル〕アニリン硫酸塩(CD−3) 7g 水を入れて1リットルとしpHを10.10に調整した。
【0252】 (漂白定着液) ジエチレントリアミン五酢酸第2鉄アンモニウム 100g ジエチレントリアミン五酢酸 2g チオ硫酸アンモニウム 120g 亜硫酸アンモニウム 40g スルフィン酸 5g 臭化アンモニウム 10g 水を加えて1lとしpHを7.0に調整した。
【0253】 (安定液) 水 800g 1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン 0.1g 1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸 5.0g エチレンジアミン四酢酸 1.0g チノパールSFP(チバガイギー製) 2.0g 硫酸アンモニウム 2.5g 塩化亜鉛 1.0g 塩化マグネシウム 0.5g o-フェニルフェノール 1.0g 亜硫酸ナトリウム 2.0g 水を加えて1リットルとし、50%硫酸又は25%アンモニア水を用いてpH8.0に 調整した。
【0254】処理用錠剤は実施例2で作成したものを用
いた。
【0255】次に、上記錠剤を1錠ずつPET/ポリビ
ニルアルコール・エチレン共重合体/ポリエチレン製の
積層の高分子樹脂フィルムを用いてシールし、図18に示
す供給装置を用いて投入した。上記錠剤はカラーペーパ
ーが1m2処理されると1個ずつ投入され、同時に補充水
タンクから補充水が発色現像槽に76ml、漂白定着槽には
42ml,安定槽には247ml供給されるようにセットした。
【0256】又比較として毎朝毎夕1回オーバーフロー
口まで水を発色現像槽、漂白定着槽、安定槽に補水した
ものについても同様にランニングテストを行った。
【0257】その結果、本発明でより好ましい場合の感
度変動が±1%以内であったのに対し毎朝毎夕オーバー
フロー口まで水を補充した場合は±4%であり、本発明
でより好ましい蒸発補水方法をとった場合に写真性能が
より安定であることが判った。
【0258】(実施例5)以下の操作に従ってカラーペ
ーパー用処理錠剤を作成した。
【0259】1)カラーペーパー用発色現像補充用錠剤 操作(A) 現像主薬のCD-3[4-アミノ-3-メチル-N-エチル-N-〔β-
(メタンスルホンアミド)エチル〕アニリン硫酸塩]1200
gを市販のバンダムミル中で平均粒径10μmになるまで粉
砕する。この微粉末を市販の撹拌造粒機中で室温にて約
7分間、50mlの水を添加することにより造粒した後、造
粒物を流動層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の
水分をほぼ完全に除去する。このようにして、調整した
造粒物にポリエチレングリコール6000を150gを25℃、40
%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一
に混合する。次にN-ラウロイルアラニンナトリウム4g
を添加し、3分間混合した後、得られた混合物を菊水製
作所(株)製タフプレストコレクト1527HUを改造し
た打錠機により1錠当たりの充填量を3.2gにして圧縮打
錠を行い、400個のカラーペーパー用発色現像補充用錠
剤A剤を作成した。
【0260】操作(B) ジスルホエチルヒドロキシルアミン2ナトリウム塩120g
を操作(A)と同様、粉砕、造粒する。水の添加量は6.
0mlとし、造粒後、50℃で30分間乾燥して造粒物の水分
をほぼ完全に除去する。このようにして、調整した造粒
物にN-ラウロイルアラニンナトリウム4gを添加し、25
℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて3分
間混合する。次に得られた混合物を菊水製作所(株)製タ
フプレストコレクト1527HUを改造した打錠機によ
り1錠当たりの充填量を1.0gにして圧縮打錠を行い、10
0個のカラーペーパー用発色現像補充用錠剤B剤を作成
した。
【0261】操作(C) チノパールSFP(チバガイギー社製)30.0g、亜硫酸
ナトリウム3.7g、臭化カリウム0.3g、ジエチレントリア
ミン5酢酸25g、p-トルエンスルホン酸ナトリウム280
g、水酸化カリウム20g、マンニトール10.6gを(A)と
同様粉砕した後、市販の混合機で均一に混合する。次に
(A)と同様にして、水の添加量を20mlにして造粒を行
う。造粒後、造粒物を60℃で30分間乾燥して造粒物の水
分をほぼ完全に除去する。このようにして、調整した造
粒物にN-ラウロイルアラニンナトリウム4gを添加し、2
5℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて3
分間混合する。次に得られた混合物を菊水製作所(株)製
タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機に
より1錠当たりの充填量を1.0gにして圧縮打錠を行い、
100個のカラーペーパー用発色現像補充用錠剤C剤を作
成した。
【0262】操作(D) 炭酸カリウム350gを操作(A)と同様、粉砕、造粒す
る。水の添加量は20mlとし、造粒後、700℃で30分間乾
燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このように
して、調整した造粒物にポリエチレングリコール6000を
15gを25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用
いて10分間均一に混合する。次にN-ラウロイルアラニン
ナトリウム4gを添加し、3分間混合した後、得られた
混合物を菊水製作所(株)製タフプレストコレクト152
7HUを改造した打錠機により表1に示す充填量になる
様に圧縮打錠を行い、110個のカラーペーパー用発色現
像補充用錠剤D剤を作成した。
【0263】2)カラーペーパー用漂白定着補充用錠剤 操作(E) エチレンジアミン4酢酸第2鉄アンモニウム1水塩1250
g、エチレンジアミン4酢酸25g、マレイン酸250g、パイ
ンフロー(松谷化学)46gを操作(C)と同様、粉砕、
混合し造粒する。水の添加量は80mlとし、造粒後、60℃
で2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除去する。
このようにして、調整した造粒物にN-ラウロイルサルコ
シンナトリウム15gを添加し、25℃、40%RH以下に調湿
された部屋で混合機を用いて3分間混合する。次に得ら
れた混合物を菊水製作所(株)製タフプレストコレクト15
27HUを改造した打錠機により1錠当たりの充填量を8.6g
にして圧縮打錠を行い、170個のカラーペーパー用漂白
定着補充用錠剤A剤を作成した。
【0264】操作(F) チオ硫酸アンモニウム1640g、亜硫酸ナトリウム750g、
臭化カリウム40g、p-トルエンスルフィン酸50gを操作
(C)と同様、粉砕、混合し造粒する。水の噴霧量は10
0mlとし、造粒後、60℃で120分間乾燥して造粒物の水分
をほぼ完全に除去する。このようにして、調整した造粒
物にN-ラウロイルサルコシンナトリウム20gを添加し、2
5℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて3
分間混合する。次に得られた混合物を菊水製作所(株)製
タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機により表
1に示す充填量になる様に圧縮打錠を行い、カラーペー
パー用漂白定着補充用錠剤B剤を作成した。
【0265】3)カラーペーパー用安定補充用錠剤 操作(G) 炭酸ナトリウム・1水塩10g、1-ヒドロキシエタン-1,1-
ジホスホン酸ジナトリウム200g、チノパールSFP150
g、亜硫酸ナトリウム300g、硫酸亜鉛7水塩20g、エチレ
ンジアミン4酢酸2ナトリウム150g、硫酸アンモニウム
200g、o-フェニルフェノール10g、パインフロー25gを操
作(C)と同様、粉砕、混合し造粒する。水の添加量は
60mlとし、造粒後、70℃で60分間乾燥して造粒物の水分
をほぼ完全に除去する。このようにして、調整した造粒
物にN-ラウロイルサルコシンナトリウム10gを添加し、2
5℃、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて3
分間混合する。次に得られた混合物を菊水製作所(株)製
タフプレストコレクト1527HUを改造した打錠機により表
1に示す充填量になる様に圧縮打錠を行い、カラーペー
パー用安定補充用錠剤を作成した。
【0266】上記のカラーペーパー用補充用錠剤を表7
及び表8に示す量になる様1錠ずつPET/ポリビニル
アルコール・エチレン共重合体/ポリエチレン製の積層
の高分子樹脂フィルムを用いて四方シールしたもの、更
には各補充剤のパーツ毎に打錠し、成分比が1錠と同じ
になる様Totalの量として表2に示す量にし、上記と同
様な方法で四方シールを行なった。なお1カートリヂ当
たり20分包とした。
【0267】次にコニカカラーQAペーパータイプ5
(コニカ(株)製)を像様露光した後、図1に示されるN
PS−808の改造機にて下記の処理工程に従って処理
した。ただし補充タンク内の補充水には廃液蒸留装置
(ACR−40:コニカ(株)製)を用いて作成した蒸留液
を使用した。ただし、発色現像の補充水は水道水にエチ
レンジアミン四酢酸4ナトリウム塩0.1g/リットル添加
したものを使用した。
【0268】 処理工程 処理時間 処理温度 タンク容量 発色現像 22秒 38.0℃ 12l 漂白定着 22秒 37.5℃ 12l 安定−1 22秒 35℃ 12l 安定−2 22秒 35℃ 12l 安定−3 22秒 35℃ 12l 乾 燥 50秒 55℃ 安定は3から1への向流方式であり、安定−1のオーバ
ーフロー液は全量漂白定着槽に流入させた。又感光材料
1m2当りの感光材料のキャリーオーバーは発色現像槽か
ら漂白定着槽へは45ml、漂白定着槽から安定槽へは50m
l、安定−1→2,2→3及び3→乾燥へは40mlであっ
た。
【0269】発色現像槽、漂白定着槽、安定槽の各開口
面積は処理液1l当り4.5cm2であった。
【0270】以下に処理液の組成を示す。
【0271】 (発色現像液) 臭化カリウム 0.02g 塩化カリウム 3.2g 炭酸カリウム 30g 亜硫酸カリウム 0.2g ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム 2g ニトリロトリメチレンホスホン酸ナトリウム 2g チノパールSFP 2g ジナトリウム-N,N-ビス(スルホナートエチル) ヒドロキシルアミン 5g 4-アミノ-3-メチル-N-エチルN-〔β-(メタンスルホンアミド) エチル〕アニリン硫酸塩 7g (CD−3) 水を入れて1リットルとしpHを10.10に調整した。
【0272】 (漂白定着液) ジエチレントリアミン五酢酸第2鉄アンモニウム 100g ジエチレントリアミン五酢酸 2g チオ硫酸アンモニウム 120g 亜硫酸アンモニウム 40g スルフィン酸 5g 臭化アンモニウム 10g 水を加えて1リットルとしpHを7.0に調整した。
【0273】 (安定液) 水 800g 1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン 0.1g 1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸 5.0g エチレンジアミン四酢酸 1.0g チノパールSFP(チバガイギー製) 2.0g 硫酸アンモニウム 2.5g 塩化亜鉛 1.0g 塩化マグネシウム 0.5g o-フェニルフェノール 1.0g 亜硫酸ナトリウム 2.0g 水を加えて1リットルとし、50%硫酸又は25%アンモニア水を用いてpH8.0に 調整した。
【0274】ランニング実験は毎時24EXPカラーフィル
ム50本を3時間連続処理した時のプリント枚数(E版37
50枚)分を処理し、その時の錠剤の溶解性、写真性能、
取扱い性等について評価した。
【0275】なお、錠剤量と補充水量は表12に示す。
【0276】
【表12】
【0277】錠剤及び補充水が入るタイミングはカラー
ペーパーが1m2処理された時に発色現像補充用錠剤7.85
gに対し、補充水80ml、漂白定着補充剤用錠剤39.7gに対
し、補充水200ml、安定補充用錠剤2.6gに対し、補充水2
50mlを補充される。この量を基準に錠剤量により、添加
時間(表12)をかえ、補水量は前記錠剤量に達した時各
々80ml、200ml、250mlを供給した。
【0278】
【表13】
【0279】その結果、錠剤カートリッジ交換の作業
性、錠剤の包材への付着性、錠剤の溶解性、及び処理安
定性の点で、全補充剤を固形にし、補充水と分離して補
充する場合には0.5g〜30gが特に良好であることも判っ
た。
【0280】(実施例6)下記操作に従って定着用錠剤
を作成した。
【0281】チオ硫酸アンモニウム2500g、亜硫酸ナト
リウム150g、炭酸カリウム150g、エチレンジアミン4酢
酸2ナトリウム塩20gを、粉砕、造粒する。水の噴霧量
は30mlとし、造粒後、60℃で60分間乾燥する。次に造粒
物を真空中で40℃にて8時間乾燥して造粒物の水分をほ
ぼ完全に除去する。
【0282】上記操作で長生した造粒物を25℃、40%RH
以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に混
合する。次に混合物を菊水製作所製タフプレストコレク
ト1527HUを改造した打錠機により1錠当たりの充
填量を9.0gにして圧縮打錠を行い、200個のカラーネガ
用定着補充用錠剤を作成した。
【0283】次に下記処方の定着液を10l分作成した。
【0284】 〔定着液組成〕 (1l処方) チオ硫酸アンモニウム 250g 亜硫酸ナトリウム 15g 炭酸カリウム 15g EDTA−2Na 2g 上記定着液を下記図7に示す溶解テストユニット(A)
中の処理タンクに満たしイワキ製でマグネットポンプM
D−5を用い循環させながら前記錠剤を1分間に1個の
割合で、補助タンクに投入した。また、同時にACR−40
(コニカ(株)製)で生成した蒸留液を20mlずつ処理タン
クに添加した。
【0285】温調ユニットにて処理タンク及び補助タン
ク中の処理液の温度を下記表の如くに変化させ連続100
個投入した時の補助タンク内の錠剤の残存状態を観察し
た。
【0286】また、比較として図8に示す溶解テストユ
ニット(B)を用い補充液作成ユニットに1分毎に同じ
錠剤1個とACR−40(コニカ(株)製)で生成した蒸留液2
0mlを同時に添加し、撹拌ユニットにて30秒間撹拌した
後補助タンクに添加した。ACR−40(コニカ(株)製)で
生成した蒸留液の液温は25℃であった。
【0287】
【表14】
【0288】本実験は、自動現像機にて1時間当たり60
本相当の補充を想定した高速溶解実験であり、しかも最
も溶解頻度が高い定着剤にて評価を行った。
【0289】表14にて明らかなように本発明の溶解方法
である処理液に直接処理剤を投入する方式では処理タン
クの温度を25℃以上で不溶物を残さず溶解することがで
き、温度により、溶解スピードをコントロールすること
ができる。
【0290】又、20℃では不溶物が微量残存したが、実
用上、ほとんど問題はなかった。
【0291】さらに図8に示すユニット(B)のよう
に、一旦補充液作成フィルターにて溶解する方式では規
定時間以内に溶解しないため、全てフィルター内につま
ってしまい作動不能であった。
【0292】また、ヒーターにて温調が完了する前に錠
剤が投入されることを想定し、温調完了10分前より投入
を開始したが、ユニット(A)では溶解には問題はなか
った。
【0293】(実施例7)コニカカラースーパーDD−
100フィルムを像様露光した後、カラーネガフィルム
プロセッサーCL−KP−50QAをピールオープン包
材が使用できる方式に改造し、連続処理を行った。各処
理槽のオーバーフロー液は、廃液処理装置ACR−40(コ
ニカ(株)製)により処理した。
【0294】
【表15】
【0295】定着は2から1への、安定は3から2,2
から1への向流方式であり、漂白槽はエアーポンプでエ
アレーションを行った。
【0296】また、蒸発補正は温調時は発色現像,漂
白,定着−1,定着−2,安定−1,安定−2,安定−
3槽に各々1時間に10ml,6.5ml,7ml,7ml,8.6ml,
8.6ml,9.3mlの蒸発補水を行うプログラムにて蒸発補正
を行った。また非稼働時は非稼働時間を積算し、発色現
像,漂白,定着−1,定着−2,安定−1,安定−2,
安定−3に蒸発補正水を各々1時間当たり7.5ml,5m
l,6ml,6ml,5ml,5ml,5mlの量をまとめて稼働
開始時に補水した。スタート時のタンク液はコニカカラ
ーネガティブフィルム用処理剤CNK−4−52の補充液
及びスターターを用いて作成した。
【0297】以下の操作に従ってカラーネガフィルム用
処理錠剤を作成した。
【0298】1)カラーネガ用発色現像補充用錠剤 操作(1) 現像主薬のCD-4〔4-アミノ-3-メチル-N-エチル-β-(ヒ
ドロキシ)エチルアニリン硫酸塩〕150gを、市販バンダ
ムミル中で平均粒径10μmになるまで粉砕する。この微
粉末を市販の撹拌造粒機中で室温にて約7分間、10mlの
水を添加することより造粒した後、造粒物を流動層乾燥
機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に
除去する。このようにして、調整した造粒物にN-ラウロ
イルアラニンナトリウム0.3gと、ポリエチレングリコー
ル6000を1.9gを添加し、25℃、40%RH以下に調湿された
部屋で混合機を用いて10分間均一に混合する。次に混合
物を菊水製作所(株)製タフプレストコレクト1527HUを改
造した打錠機により1錠当たりの充填量を1.1gにして圧
縮打錠を行い、126個のカラーネガ用発色現像補充用錠
剤A剤を作成した。
【0299】操作(2) 硫酸ヒドロキシルアミン69.4gとパインフロー(松谷化
学製)4gを操作(1)と同様に粉砕した後、混合、造
粒する。水の添加量は3.5mlとし、造粒後、60℃で30分
間乾燥し、造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このよ
うにして、調整した造粒物にN-ラウロイルアラニンナト
リウム0.3gを添加し、25℃、40%RH以下に調湿された部
屋で混合機を用いて3分間混合する。さらに、操作
(1)と同様な方法で打錠機を用い1錠当たりの充填量
を0.56gにして圧縮打錠を行い、120個のカラーネガ用発
色現像補充用錠剤B剤を作成した。
【0300】操作(3) 1-ヒドロキシエタン-1,1-ジホスホン酸ジナトリウム15
g、亜硫酸カリウム72.8g、炭酸カリウム375g、炭酸水素
ナトリウム3g、臭化ナトリウム3.7gとマンニット22gを
操作(1)と同様に粉砕、混合し、水の添加量を40mlに
して造粒を行う。造粒後、造粒物を70℃で60分間乾燥し
て造粒物の水分をほぼ完全に除去する。このようにし
て、調整した造粒物にN-ラウロイルアラニンナトリウム
2gを添加し、25℃、40%RH以下に調湿された部屋で混
合機を用いて3分間混合する。さらに、操作(1)と同
様な方法で打錠機を用い1錠当たりの充填量を3.9gにし
て圧縮打錠を行い、120個のカラーネガ用発色現像補充
用錠剤C剤を作成した。
【0301】2)カラーネガ用漂白補充用錠剤 操作(4) 1,3-プロパンジアミン4酢酸第2鉄アンモニウム1水塩
175g、1,3-プロパンジアミン4酢酸2g、パインフロー
(松谷化学製)17gを操作(1)と同様に粉砕、混合
し、水の添加量を8mlにして造粒を行う。造粒後、造粒
物を60℃で30分間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除
去する。
【0302】操作(5) コハク酸133g、臭化アンモニウム200gとパインフロー1
0.2gを操作(1)と同様、粉砕、混合、造粒する。水の
添加量は17mlとし、造粒後、70℃で60分間乾燥して造粒
物の水分をほぼ完全に除去する。
【0303】操作(6) 硫酸カリウム66.7g、炭酸水素カリウム60gとマンニット
8gを操作(1)と同様、粉砕、混合、造粒する。水の
添加量は13mlとし、造粒後、60℃で60分間乾燥して造粒
物の水分をほぼ完全に除去する。
【0304】操作(7) 上記操作(4)−(6)で調整した造粒物を25℃、40%
RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて10分間均一に
混合する。次にこの混合造粒物にN-ラウロイルサルコシ
ンナトリウム6gを添加し、3分間混合する。次に混合
物を菊水製作所(株)製タフプレストコレクト1527H
Uを改造した打錠機により1錠当たりの充填量を6.5gに
して圧縮打錠を行い、80個のカラーネガ用漂白補充用錠
剤を作成した。
【0305】3)カラーネガ用定着補充用錠剤 操作(8) チオ硫酸アンモニウム2500g、亜硫酸ナトリウム150g、
炭酸カリウム150g、エチレンジアミン4酢酸2ナトリウ
ム塩20gとパインフロー(松谷化学製)65gを操作(1)
と同様、粉砕、混合、造粒する。水の添加量は50mlと
し、造粒後、60℃で120分間乾燥して造粒物の水分をほ
ぼ完全に除去する。
【0306】操作(9) 上記操作(8)で調整した造粒物とN-ラウロイルサルコ
シンナトリウム13gを25℃、40%RH以下に調湿された部
屋で混合機を用いて3分間混合する。次に混合物を菊水
製作所(株)製タフプレストコレクト1527HUを改造
した打錠機により1錠当たりの充填量を9.3gにして圧縮
打錠を行い、280個のカラーネガ用定着補充用錠剤を作
成した。
【0307】4)カラーネガ用安定補充用錠剤 操作(10) m-ヒドロキシベンズアルデヒド150g、ラウリル硫酸ナト
リウム20g、エチレンジアミン4酢酸ジナトリウム60g、
水酸化リチウム1水塩65gとパインフロー10gを操作
(1)と同様、粉砕、混合、造粒する。水の添加量は10
mlとし、造粒後、造粒物を50℃にて2時間乾燥して造粒
物の水分をほぼ完全に除去する。
【0308】操作(11) 上記操作(10)で調整した造粒物を25℃、40%RH以下に
調湿された部屋で菊水製作所(株)製タフプレストコレク
ト1527HUを改造した打錠機により1錠当たりの充
填量を0.48gにして圧縮打錠を行い、280個のカラーネガ
用安定補充用錠剤を作成した。
【0309】次に上記錠剤を発色現像補充用錠剤につい
てはA,B,C剤を各々2錠,1錠,1錠,漂白補充用
錠剤については2錠,定着補充用錠剤については3錠,
安定補充用錠剤については1錠ずつを1分包とし、各々
連続20分包分をピールオープン包材を使用し、四方シー
ル方式で分包した。ピールオープン包材については実施
例3で用いたものと同じもので用いた。
【0310】また錠剤及び補給水の補充のタイミングは
前記表15の様に行った。
【0311】補給水及び蒸発補充水は発色現像以外は廃
液蒸留水を使用した。
【0312】処理は1日当たり、発色現像タンク槽から
のオーバーフローがタンク液の5%となる様行った。
【0313】
【表16】
【0314】また比較例として、前記錠剤及び補給水を
10l分補充タンクで溶解し、補充タンクより補充した。
この際、補充は前記錠剤の場合と同一量になるように行
った。
【0315】また、蒸発補正は毎朝、オーバーフロー口
まで行った。処理開始から2ケ月後の最高濃度部の写真
濃度を比較した。
【0316】結果を表17に示す。
【0317】
【表17】
【0318】上記、表17で明らかな如く、このような処
理時までは比較の従来方式では、発色現像液の劣化が起
こり、写真濃度が低下しているのに比較し、本発明の方
式では全く変化しないことがわかる。
【0319】また、本発明の方式において前記安定補充
用錠剤のかわりに1分包について下記の液を使用した
が、同様の結果が得られた。
【0320】 ジエチレングリコール 2.9g m-ヒドロキシベンズアルデヒド 0.65g エマルゲン810(花王(株)) 0.2g (実施例8)次に処理の連続状態と、固形処理剤の溶解
状況との関係について、補充水の供給制御の実施例を説
明する。
【0321】処理量情報は、前述の如く処理液中の処理
剤成分が、処理量に応じて減少していく状況を、間接的
に検出した情報である。従って処理が連続して行なわ
れ、処理槽中の処理液の中の処理剤成分が急激に減少す
るときに、補充する処理剤の溶解による該処理剤成分の
補足が間に合わないことがある場合には、単に処理量情
報のみで、補充水を供給すると、補充水が上記処理剤成
分の補足より先行してしまうため、一時的に補充水過剰
となり、オーバーフロー方式で処理槽の液面レベルを維
持する方式の場合には、処理剤成分を該補充水で薄めて
オーバーフローして捨ててしまう現象が生じ、処理剤成
分の更なる減少を誘発するので好ましくない。このよう
な状況を考慮し、この実施例では、投入した処理剤の溶
解時間を考慮し、又は前記投入した処理剤の溶解及び分
散時間を考慮して作動制御する制御手段により補充水の
供給を制御することにより、該処理剤が溶解又は溶解及
び分散しない間に次々に補充水が供給されることがない
ようにしている。
【0322】図10以降19までは、本発明で好ましく用い
られる固体処理剤供給装置を示した。図10(A)は粉状
処理剤供給装置の断面図を示し、図14(B)はパッケー
ジの斜視図である。供給装置50は粉状処理剤を収納する
ホッパーまたはパッケージ51と粉状処理剤を計量する計
量孔53と定量投入するための回転式ドラム52よりなる。
この回転式ドラム52は計量孔53と排出部56の位置をズラ
すことで防湿機能をもたせている。パッケージ51の封を
切り供給装置の上部に装填する。粉末ケミカルは計量孔
53に一定量計量され感光材料の処理量検出手段の指令で
ドラム52が回転し排出部56と連通状態となったとき停止
し排出部56を通過し、定量の粉状ケミカルが自動現像機
恒温部(フィルター槽)に供給される。供給終了後、ド
ラム52が回転し計量孔53と供給部57が連通したときドラ
ム52は停止し粉状ケミカルの計量が開始される。図11は
他の供給装置の斜視図である。
【0323】供給装置60は粉状ケミカル収納部63が複数
に分離されており従来の濃縮キットと同様にパート毎に
分け収納するように工夫されている。又収納部における
粉状ケミカルの保存性向上のために除湿装置65がある。
【0324】感光材料の処理情報により回転体67は、テ
ーブル66に受けた粉状処理剤を排出部68へ成分毎に定量
移送し供給する。
【0325】図12は粉状処理剤の更に他の供給装置を示
す断面図である。
【0326】供給装置70は粉状処理剤をホッパー71に入
れ感光材料の処理量に応じピストン75が水平方向(右
へ)に移動し計量孔72に定量の粉状剤が入りピストン75
が水平反対方向(左へ)に移動し排出部74により定量粉
状剤を恒温槽(フィルター槽)へ供給する。
【0327】粉状処理剤の更に他の供給装置を示す断面
図である。
【0328】供給装置80は粉状処理剤85に入りパッケー
ジ85を装着(装填)しローラ83により自動的に開封する
機能を有しスクリュー82の回転数を制御することで粉状
ケミカルを排出部84により供給する装置である。
【0329】自動的にパッケージを開封する機能を有し
ているため開封及び装着時に微粉末が舞うことなく良好
である。
【0330】図14はPTP(Pressure Through Package)包
装された固形処理剤の投入装置に関し、(A)は処理剤
供給装置の断面図、(B)は包装破断手段の斜視図、
(C)は包装破断手段の斜視図、(D)はPTP包装され
た固形処理剤の積載状態を示す断面図である。
【0331】処理剤収納容器にはPTP包装された固体処
理剤が収納されており、個々に収納容器に収納しても良
いし、あらかじめ固体処理剤が収納されたカートリッジ
タイプであっても良い。PTP包装は公知の材質を用いる
ことができ、固体処理剤は錠剤の形で包装されているこ
とが好ましい。
【0332】PTP包装された固体処理剤は収納容器の下
方から供給され、感光材料が一定量処理されると処理量
検知手段の情報が処理剤供給制御手段に送られモータに
よりPTP包装された固形処理剤をくさび形の固定板に押
し出しておしつぶすことによってPTP包装の下部(主に
アルミ使用)をはがし、投入口より固形処理剤が処理槽
に投入される。投入後の空になったPTP包装は更に押し
出されることによって廃棄口より廃棄される。押しつぶ
す手段としてはくさびを用いる以外にローラーを用いる
方法もあり、任意に迸択できる。
【0333】図15は一括包装した錠剤(予め分割秤量)
用パーツフィーダ方式供給装置の1例を示したものであ
る。
【0334】一括包装した錠剤ケミカルの包材A又はB
を開封しホッパー201に入れた。その際微粉末など発生
しないし、ケーキングもなく取り扱い性良好であった。
残量検出手段209の信号で撹拌機206が回転し、錠剤205
が錠剤整列部210に整列する。感光材料の処理量に応じ
て、処理剤供給制御手段203が働き、回転テーブル207が
錠剤を搬送し排出部208より投入部へ供給する。回転テ
ーブル207は一回転し、回転テーブル207は一回転し、回
転テーブル制御手段の指示で停止する(一回の指示で数
回錠剤を供給も可能)。錠剤が回転テーブル207の穴に
入る。
【0335】包装材料費用が安価で取り扱い性が良く、
精度よく投入でき、特に錠剤整列部110があることによ
り回転テーブルによる空供給がなく非常に効率が良いと
いう利点がある。ポリ容器の減少で環境適性に好まし
い。又微粉末がでないことより供給装置内部が汚れずメ
ンテナンスフリーである。
【0336】図16は一括包装した錠剤(予め分割秤量)
用パーツフィーダ方式供給装置220の1例を示したもの
である。
【0337】一括包装した錠剤ケミカルの包材(A)ま
たは(B)を開封しホッパー233に入れた。その際微粉
末など発生しないし、ケーキングもなく取り扱い性良好
であった。残量検出手段225の信号で可動部材224が回転
し、錠剤ケミカルが錠剤整列部229に整列する。一定量
整列すると可動部材224は停止する。この際スィーパ223
が錠剤が可動部224のポケット222に入り整列部225に整
列するのに非常に効果がある。
【0338】感光材料の処理量に応じて処理剤供給手段
226が働き第1のシャッター231が回転し錠剤ケミカルが
下に落ちる。次に第1のシャッター231が逆回転し錠剤
1ケをシャッター231と232の間に挾む。シャッター232
が回転し錠剤ケミカルは排出部228を通過し投入部へ供
給する。次にシャッター232が逆回転しシャッター231が
しまる。
【0339】包装材料が安価で取り扱い性が良く、精度
良く投入でき特に錠剤整列部229があることにより空供
給がなく良い。ポリ容器の減少で環境適性に好ましい。
又微粉末がでないことより供給装置内部が汚れずメンテ
フリーである。
【0340】図17は固形処理剤供給装置240の1例を示
す斜視図であり、包装体に入った固形処理剤の包装体を
はがすことによって固形処理剤を処理槽に投入するもの
である。
【0341】固形処理剤を四方シールで包装した収納包
材の先端部をローラ241を介して固定手段である巻き取
り軸242にセットし、感光材料が処理されると処理量情
報検出手段によって検知し、ある一定量に達した時に処
理剤供給制御手段により信号が送られ処理剤供給手段で
もある巻き取り軸242のモーターを動かすことで、固形
処理剤の入った包装体をある一定の長さだけ移動させ、
必要数の固形処理剤を投入する。包装体を移動させる方
法は包装体に予め設けられたノッチを検出する方法、印
刷柄の検出、包装体の処理剤検出等どんな方法でも良い
が要は必要数の固形処理剤を精度よく検出し、ローラ24
1や巻き取り軸242によって移動させるものである。ロー
ラ241は包装体を固定する、位置決めするなどの目的で
設置しており、2つの巻き取り軸により剥離され、固形
処理剤が投入される。
【0342】この様な方式の場合、固形処理剤は顆粒、
丸薬、錠剤、粉剤でも良いが好ましくは錠剤の方がシー
ルに余り付着せず従って精度よく投入でき、汚れも発生
しにくいという利点がある。巻き取り終了後は巻き取り
軸から直接取ってもよく、又巻き戻して包装体がカート
リッジごと廃棄することもできる。
【0343】図18は本発明の好ましい実施態様の供給装
置の1例を示し、(A)は平面図、(B)は斜視図、
(C)は各種包装体の平面図である。
【0344】処理剤251は四方シールされた包装体252に
図18(C)の様な形で包装されている。
【0345】図18(C)の包装形態は1例である包装に
用いられる素材は一般に使用されている高分子樹脂製の
包装、アルミ、又は複合材料を用いて良いが、要は防湿
性が良く、酸素透過性が低い素材であれば良い。
【0346】四方シールされた処理剤251は筒253を介し
てはがされ、処理剤251は投入口254を介して投入部255
に投入される。ここでは筒253及び巻き取り軸256が処理
剤供給手段として作用する。包装体252は巻き取り軸256
で巻き取られる構造になっており、巻き取りの制御は感
光材料処理量検知手段より信号を受けた処理剤供給手段
により制御される様になっている。巻き取る際はつまみ
を開放状態にし、包装体251の先端部を筒を介して処理
剤収納包材の固定手段である巻き取り軸256にセット
し、つまみ257をひねることでクランパ258により固定さ
れ、巻き取られる。
【0347】図19は固形処理剤261をスティック包装し
た場合の供給装置260の1例を示したものであり、
(A)は側断面図、(B)は正面断面図である。
【0348】スティック包装した固形処理剤261を収納
手段である収容容器262に入れる。収容容器262に入った
スティック包装固形処理剤261はブリッジ防止ローラ263
及びターレットへの供給を兼ねたローラによりターレッ
ト264に送られる。ターレット264に送られたスティック
包装固形処理剤261はクランパ265により両端を固定さ
れ、その後回転運動によりカッター部に送られ、スティ
ック包装の中心部をカッター266により切りこみを入れ
(又は切断)、更に回転により二ツ折り板267に送られ
て、スティック包装固形処理剤261を折り曲げ、回転カ
ッター266によって切り込みを入れた部分からスティッ
ク包装内に充填された固形処理剤261をシュート268に投
入する。投入後更に回転によりスクラップ落下バー269
まで送られ、クランプ開閉用カム270によりクランパ265
が解除され。スクラップ包装のスクラップ271が回収シ
ュート272に廃棄される。
【0349】図20は本発明の好ましい実施態様を示す断
面図である。
【0350】処理部281と処理槽の一部を構成する恒温
槽282内の投入部285は連通しており、処理槽下部から循
環ポンプ283により強制的に液循環させ、フィルター部2
82に吐出され、錠剤投入部285を通って処理部281に入る
ようになっている。
【0351】感光材料が処理されると処理量検出手段29
2により処理量が検出され、ある一定の処理量に達する
と処理量供給制御を介してモータM2を駆動させあらか
じめ秤量された錠剤が恒温槽282内の投入部285に供給さ
れる様になっている。
【0352】錠剤は収容容器287に直接投入され、投入
後、整列量制御手段286の信号によりモータM1により
整列手段288が駆動し、錠剤を整列させ、整列部289に供
給される。整列部289に供給された錠剤は処理量供給制
御手段290からの信号を受けてモータM2が駆動すると
供給手段の回転運動により錠剤が投入部の上部まで運ば
れ、投入部285に投入される。その際処理剤供給手段291
は恒温槽282と実質的に遮断されていることが錠剤の防
湿性の上から好ましい実施態様である。
【0353】又、オーバーフロー口106より流れ出たオ
ーバーフロー液は、廃液ストックタンク144に留まり、
次に廃液処理装置145で処理され、蒸留水は補水タンク1
43にストックされ、処理量に応じ補水として錠剤投入部
へ補水される。
【0354】又収容容器287に投入する際の錠剤は図20
(A),(B)に示す様な容器に入ったものを破いて投
入容器287に入れる。図20(A),(B)に示す容器は
紙、高分子性樹脂アルミ等公知の素材を使用することが
できるが好ましくは防湿性が良く、しかも酸素透過性が
低い素材を用いることである。
【0355】図21はブリスター個包装された固形処理剤
の供給装置300の1例を示した断面図である。
【0356】固形処理剤の入った個包装302を収納部303
に装填する。
【0357】感光材料の処理量に応じて円盤301が180°
回転し、その後針305が個包装302を貫通し個包装302内
の排出部304を通過し投入部へ供給する。空の個包装302
は廃棄口より廃棄される。
【0358】固体処理剤は粉体でも顆粒でも良いが粉体
は容器に付着するため顆粒の方が好ましい。
【0359】取り扱い性が良く、供給装置300の微粉末
汚れがなくメンテナンスフリーである。
【0360】図22は、本発明の好ましい1例を示す断面
図である。
【0361】感光材料の処理量に応じて錠剤ケミカル収
納部211より直接処理槽内部にある投入部315に供給す
る。投入部315は未溶解の処理剤が直接感光材料に付着
しないよう固形処理剤用フィルター316がある。このフ
ィルター316の材質は特に限定されない。メッシュにつ
いても特に限定しないが液の流通及びフィルター効果よ
り10〜100μmが好ましい。
【0362】処理槽の一部を構成する恒温槽312に固体
処理剤を供給した時と効果はほぼ同等である。唯一処理
槽内に投入部315が別にあることでコンパクト性が劣
る。
【0363】次は4方シール、3方シールの包装の具体
例を図23,図24に示す。ただし本発明はこれらに限定さ
れない。図23(A)で示すシール包装では、1つの包装
単位の中で、数種の錠剤が入っている。図23(B)には
種類サイズの異なる錠剤が個装されている。図23(C)
は顆粒又は粉末を包装したものである。図23(D)は同
一の大きさのものが1つづつ入っている。図23(E)で
は、同一の大きさの、同一ケミカルが、小錠剤として複
数個入っている。
【0364】(F),(G)及び(H)は、粉末又は顆粒を包
装したもので一度に投入される構成単位を変えた例であ
る。
【0365】(I),(J)及び(K)は、同一包装内に種類
の異なる錠剤を入れた例で、それぞれ構成単位を変えた
ものである。
【0366】(L),(M),(N),(O)は同一包装内に入
れる個数を変化させたものである。
【0367】(P)は粉末又は顆粒を入れた連包分離さ
せたものである。以下(Q)〜(X)までは、錠剤を入
れた連包分離させた例である。
【0368】図24(A),(B),(C)は四方シールの例
を示す平面図である。図24(D)は三方シールの例を示
す。図25(A),(B)はスティック包装の具体例を示
す、ただしこれらに限定されない。
【0369】図26は錠剤、顆粒又は粉末をシール包装し
てヒートシールしたのち、つづら折りにして容器内に収
容した状態を示す断面図である。
【0370】図27はPTP包装の具体例を示す。ただしこ
れらに限定されるものではない。図27(A)は丸薬状の
固形処理剤をPTP包装したものであり、図27(B)は処
理剤の錠剤が複数個入って包装されている状態を示す。
図27(C)は錠剤、顆粒又は粉末が入っているものを縦
列配置した状態を示す。図27(D)はこれら包装体を横
1列につながったものを示す。あるいは図27(E)に示
すブリスター的なものでもよい。
【0371】図28は一括包装の具体例を示す。ただしこ
れらに限定されない。図28(A)は筒形容器内に固形処
理剤を収容したもの、図28(B)は柔軟な二方シール又
は三方シールされた袋内に固形処理剤を収容したもの、
図28(C)は固形処理剤を収容した袋を一方シールした
ものを示す。
【0372】図29,図30はカートリッジの具体例を示す
斜視図である。
【0373】これらのカートリッジは固形処理剤の入っ
た包装材料のまま本発明自現機の供給装置に装着でき
る。材質は前記記載の化合物はどれも使用できる。固形
処理剤が減少したとき、供給の障害にならない様に潰れ
ないものが良い。
【0374】図29(A)は錠剤を円筒型カートリッジに
収容したもの、図29(B)は顆粒または粉体をカートリ
ッジに収容したものである。
【0375】図29(C),(D)は開閉蓋を有する箱型
カートリッジに固形処理剤を収容した形態を示す斜視図
および断面図を示す。
【0376】図30は錠剤または顆粒または粉体を仕切り
壁を有する回転可能な容器内容に収容し、さらに外筒
(本体)内に収容して、開口部から所定量を落下させる
ものである。図30(A)は回転軸を水平支持した形式、
図30(B)は回転軸を垂直支持した形式のものである。
【0377】なお、本発明はこれら具体例に限定される
ものではない。
【0378】更に図31(a)(b)、図32(a)(b)
及び図33,34、図35の他の実施例について説明する。
【0379】図31(a)(b)は「コの字」形半抜きパ
ンチ方式を表わす。
【0380】感光材料が処理されると処理量情報検知手
段によって検知し、ある一定量に達したときに、処理剤
供給制御手段により信号が送られ搬送ローラ100が回転
し、固体処理剤10の入った32(a)に示す包装体801を
図31(a)の様な位置まで移動させ停止する。包装体80
1を移動させる方法は包装体801に予め設けられたノッチ
を検出する方法、印刷柄又はアイマークの検出、包装体
801の処理剤10の検出等どんな方法でも良いが要は必要
数の固形処理剤10を精度良く検出すれば良い。次に図31
(b)の様にパンチ雄型300が下方に動き包装体801を切
断し固体処理剤10は図32(a)の投入口901を経て、自
動現像機の処理槽に投入される。パンチ雄型300で切断
された切り口は図32(b)に示すようにパンチ形状601
の様にコの字となる。
【0381】この様な方式の場合、固体処理剤10は粉
剤、顆粒、錠剤どれでも良いが好ましくはパンチ雄型
に、薬品が付着しにくい錠剤が良い。又錠剤10は包装体
に余り付着せず従って汚れも発生しにくく、ユーザーが
取扱う際にも安全である。使用済み包装体801は廃棄箱1
02に入りまとめて廃棄することができる。この廃棄箱10
2は、使用済みの包装体収納箱701を再使用することが好
ましい。
【0382】図33,34は包装体11の切り落とし方法を表
わす。
【0383】感光材料が処理されると処理量情報検知手
段によって検知し、ある一定量に達したときに、処理剤
供給制御手段により信号が送られ搬送ローラ201が回転
し、固体処理剤10の入った包装体11を固体処理剤10が処
理槽フィルター部702の上部の位置まで移動させ停止す
る。このとき包装体11の先端はしごきローラ401に入っ
ている。
【0384】包装体を移動させる方法は包装体11に予め
設けられたノッチを検出する方法、印刷柄の検出、包装
体の処理検出等どんな方法でも良いか要は必要数の固体
処理剤10を精度良く検出すれば良い。次にセラミック製
カッター201が包装体11を切断する。切断が終了すると
しごきローラ401及び搬送ローラ501が回転し固体処理剤
10はしごきローラ401によりしごかれ排出口を通過し自
動現像機の処理槽フィルター部702に投入される。カッ
トされた廃棄包装体802は搬送ローラ501より排出され廃
棄箱602に入る。この廃棄箱602は使用済みの包装体収納
箱を再使用するのが好ましい。
【0385】この様な方式の場合、固体処理剤10は粉
剤、顆粒、錠剤どれでも良いが、好ましくはセラミック
製カッター201に薬品が付着しない錠剤が良い。又錠剤
は包装体11に余り付着せず従って汚れも発生しにくいと
いう利点がある。
【0386】使用済み包装体11は廃棄箱602に入りまと
めて廃棄することができる。
【0387】図35(a)35(b)は連続包装体603の二
分割カット方式を表わす。
【0388】感光材料が処理されると処理量情報検出手
段によって検知し、ある一定量に達したときに処理剤供
給手段により信号が送られ搬送ローラ502が回転すると
同時にセラミック製又はステンレス製の丸刃301が回転
し、連続包装体603の下部を二分割カットし固体処理剤1
0を投入する。この二分割する再包装体603はサクション
ガイド202にサクションにて両サイドに広げられ内部の
固体処理剤10が落下し易くなっている。固体処理10がな
い空の包装体603は次の固体処理剤10の投入の時搬送ロ
ーラ401で移動し包装体収納箱101へ廃棄される。
【0389】この二分割は上記方法の他連続包装体にノ
ッチ等と付けておき、ローラーで巻き取りながら引き裂
いても良い。
【0390】この様な方式の場合、固体処理剤10は粉
剤、顆粒、錠剤どれでも良いが好ましくはパンチ雄型に
薬品が付着しない錠剤が良い。又錠剤は包装体のシール
に余り付着せず従って、汚れも発生しにくいという利点
がある。
【0391】使用済み包装体603は包装体収納箱101に入
りまとめて廃棄することができる。
【0392】本発明でより好ましく用いられる処理剤供
給装置の例は、図10、図12〜図35のタイプであり、さら
に好ましくは図14〜35のタイプのものである。
【0393】(実施例9)実施例3の実験について、
蒸留温度及び蒸留圧力を下に示すように変えた以外は、
同様な実験を行った。
【0394】
【表18】
【0395】表18の結果より本発明はDmaxの低下がなく
良好であることが判る。
【0396】また、表18は、温度90℃、蒸留圧力500mmH
gが好ましく、温度60℃、蒸留圧力200mmHgがより好まし
く、温度40℃、蒸留圧力55mmHgが好ましく、最も好まし
くは温度35℃、蒸留圧力45mmHgであることを示してい
る。
【0397】実施例10 実施例3の実験について、廃液蒸留後の蒸留水を表19
に示すような2次処理を行った後に補充水として再利用
し、さらに画像劣化を評価するための保存期間を7日間
から14日間に延長した以外は、同様の実験を行った。
又、比較として実験11も同様に行った。結果を表19に示
す。
【0398】
【表19】
【0399】表19から明らかな様に、本発明の効果をよ
りよく奏するには蒸留液を本発明の2次処理をしてから
使用することが、有効であることが判る。
【0400】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のハロゲ
ン化銀写真感光材料用自動現像機は固体処理剤を処理槽
に直接添加し溶解せしめ写真材料によって不足したり溶
出した成分を補い、補充水として写真処理液を蒸留して
得られる蒸留水を別途必要量補給する事により写真性能
を一定にならしめる。
【0401】従来行われたユーザーによる一定期間ごと
の補充液作成作業が不要となり固体処理剤を予じめセッ
トにしておくだけで写真材料の処理量に応じて自動的に
投入することで処理液の性能は一定に維持される。
【0402】又、補充タンク容積はカラーネガでは4〜
5種類の液が必要なため40〜50l分不要となり、コンパ
クト化できる。又従来補充タンク中の補充液は浮きブタ
付きで2週間ぐらいした保存安定性は保証されなかった
のに低補充化時代では10lの補充液は1ヶ月以上も使わ
れるようになりその保存性が低く重大問題となっていた
ことが一挙に解決してしまうことにもなる。
【0403】また、低補充化時代の補充液はいずれも濃
厚化が薬品の溶解度限界迄の性能を使って達成されてお
りいずれの補充液も使用液の1.4〜2倍の濃度となって
おり、過飽和状態にあった、このため冬期の保存におい
ては結晶が析出したりタールが発生し処理する写真材料
に故障を与えることなどの問題を抱えていた。本発明に
よりこのような問題は一切解決されてしまうことがわか
る。
【0404】即ち本発明では使用液である処理液のよう
な薄い濃度の液しか存在しない。固体処理剤は不足分を
補うためのものであるから、使用液である処理液を越え
て高い濃度となる事は基本的にないからである。
【0405】上記理由から従来の補充方法では溶解度の
限界から補充液をこれ以上濃厚化できないために低補充
化ができなかった。特にカラーペーパー用の発色現像補
充液や安定性が低すぎるため低補充化ができなかった漂
白定着液の低補充化は本発明の固体処理剤補充方法によ
り低補充化を進めることができるようになる。更に、い
ずれも補充液が存在しないという本発明の補充方法によ
り達成、実現されるものである。
【0406】さらに、補充水の供給源として処理液の蒸
留水を利用することで補水を供給する手間と水源を別途
都合する必要がなくなる。また、こうして蒸留水を使用
することにより、貯留中に水カビやバクテリアの発生が
なくなり、写真処理用補充水として安定した性能が得ら
れる。
【0407】固型処理剤は輸送上の危険が少なく容器を
頑強にする必要がない。液体危険物のような輸送上の安
全規制がなく、包装が簡素化できる。輸送上やお店での
取り扱い上の安全性も高く、人体や衣服を損傷したり汚
すこともない利点がある。
【0408】しかしながら固体処理剤は溶解し難いとい
う欠点があって固型キットは昔は一般的であったが、最
近では溶解作業に時間がかかるためほとんどがリキッド
タイプ化され液体で供給されるようになっていた。本発
明者らはこの点を鋭意研究した結果少量に分割秤量した
固型処理剤を一定温度に温調された処理液タンクに直接
に投入することにより時間をかけて溶解しても何ら問題
なく安定した写真性能維持のための補充作業が行えるこ
とを発見したものである即ち従来より常識的に一旦完全
に溶解した補充液を補充槽に貯え必要に応じ処理槽に注
入し成分維持を行わなければならないと考えられ続けて
来た補充液キットが本発明によりハロゲン化銀写真感光
材料の処理量情報に応じてあらかじめ分割秤量された固
形処理剤を一定温度に温調された処理槽の少なくとも1
部に定期的に投入し、必要に応じ補充水を同様の処理槽
の一部に定期的に定量供給することにより煩雑なユーザ
ーによるケミカル補充液の溶解作業を無くし、自動現像
液の補充タンクを無くしかつ危険な濃厚液体ケミカルキ
ットやこれを収容した従来からのケミカルボトルをも無
くすことが達成され、更には補充タンクが無いために補
充液が存在せず液のライフタイムが著しく向上し処理安
定性を飛躍的に高めることが可能となる。
【0409】又必ず事前に補充液を溶解してから使用す
る方式がとられてきたAR補充と呼ばれる濃厚液体キッ
トのABC3分包と補充水を直接ベローズ定量ポンプで
分取しながら補充する方法も実施されているが処理槽に
直接別々に投入するのではなく事前に4成分を混合しな
がら添加しているなどの配慮がなされて来たし、固形処
理剤でこれをやる事は行われていなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の写真処理用自動現像機に使用すること
ができる蒸発濃縮装置の一例を説明した図。
【図2】本発明の写真処理用自動現像機に使用すること
ができる蒸発濃縮装置の他の例を説明する説明図であ
る。
【図3】自動現像機と写真焼付機とを一体に構成したプ
リンタープロセッサーの概略構成図。
【図4】自動現像機の補充水供給手段、写真処理液蒸発
濃縮装置、処理剤投入部、処理剤供給手段を組合せた断
面図。
【図5】上記自動現像機の平面図。
【図6】(a)は本発明のフィルム及びペーパー共用型
自動現像機の実施態様を示すブロック図。(b)は本発
明のペーパー用自動現像機の他の実施態様を示すブロッ
ク図。
【図7】溶解テストユニットの構成図。
【図8】溶解テストユニットの構成図。
【図9】補充量と濃縮率の特性図。
【図10】粉状処理剤供給装置の断面図とパッケージの
斜視図。
【図11】粉状処理剤供給装置の斜視図。
【図12】他の粉状処理剤供給装置の断面図。
【図13】粉状処理剤供給装置の他の実施例を示す断面
図。
【図14】PTP包装処理剤供給装置の断面図及び斜視
図。
【図15】供給装置の他の実施例を示す断面図。
【図16】供給装置のさらに他の実施例を示す断面図。
【図17】供給装置のさらに他の実施例を示す斜視図。
【図18】供給装置の平面図と斜視図及び包装体の平面
図。
【図19】供給装置の側断面図及び正面断面図。
【図20】供給装置の断面図及び包装体の斜視図。
【図21】ブリスター個包装された固体処理剤の供給装
置の断面図。
【図22】固形処理剤を直接処理槽に添加する1例を示
す断面図。
【図23】シール包装の平面図。
【図24】三方シール、四方シールのシール包装の具体
例を示す平面図。
【図25】スティック包装の具体例を示す平面図。
【図26】スティック包装の他の具体例を示す断面図。
【図27】PTP包装の具体例を示す図。
【図28】一括包装の具体例を示す図。
【図29】カートリッジの具体例を示す図。
【図30】カートリッジの他の具体例を示す斜視図。
【図31】包装体をコの字に半抜きしてカットする装
置。
【図32】図31の包装体のコの字に半抜きする装置の斜
視図。
【図33】包装体を切り落す方式を示す装置。
【図34】図33の切り落す方式を示す装置の斜視図。
【図35】連続包装体の二分割カット方式を示す装置。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光されたハロゲン化銀感光材料を処理
    する処理液を収容する少なくとも1つの処理槽と、この
    処理槽と処理液が流通する固体処理剤投入部と、該処理
    剤を収容する収容手段及び/または処理剤を収納した収
    納包材をセットする固体処理剤容器固定部と、該処理剤
    投入部に固体処理剤を投入する供給手段と、前記ハロゲ
    ン化銀写真感光材料の処理情報を検出する処理量検知手
    段と、該検知手段により検知された前記ハロゲン化銀写
    真感光材料の処理量情報に応じ前記供給手段を制御作動
    させ固体処理剤を投入する制御手段と、補充水を前記処
    理槽もしくは固体処理剤投入部に補給する補充水供給手
    段及び写真処理液蒸留手段を少なくとも有し、かつ前記
    補充水の一部又は全てに前記写真処理液蒸留手段によっ
    て作成された蒸留水を使用することを特徴とするハロゲ
    ン化銀写真感光材料用自動現像機。
  2. 【請求項2】 前記写真処理液蒸留手段が、減圧手段を
    有するものであることを特徴とする請求項1記載のハロ
    ゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
  3. 【請求項3】 前記写真処理液蒸留手段が加熱手段を有
    するものであることを特徴する請求項1又は2記載のハ
    ロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
  4. 【請求項4】 前記蒸留手段により処理される写真処理
    液が使用済みの写真処理廃液であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれか1項に記載のハロゲン化銀写真感
    光材料用自動現像機。
  5. 【請求項5】 前記写真処理液蒸留手段の減圧手段がエ
    ジェクターであることを特徴とする請求項2記載のハロ
    ゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
  6. 【請求項6】 前記写真処理液蒸留手段の減圧手段が20
    0mmHg以下になるものであることを特徴とする請求項2
    又は5記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
  7. 【請求項7】 前記写真処理液蒸留手段の加熱手段がヒ
    ートポンプの放熱部であることを特徴とする請求項3記
    載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
  8. 【請求項8】 前記写真処理液蒸留手段の加熱手段がペ
    ルチェ素子の放熱部であることを特徴とする請求項3記
    載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
  9. 【請求項9】 前記写真処理液蒸留手段により写真処理
    液が60℃以下で蒸発濃縮されることを特徴とする請求項
    1〜8のいずれか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材
    料用自動現像機。
  10. 【請求項10】 前記写真処理液蒸留手段により発生し
    た蒸留液を貯留する貯留槽を有することを特徴とする請
    求項1〜9のいずれか1項に記載のハロゲン化銀写真感
    光材料用自動現像機。
  11. 【請求項11】 前記貯留槽内の蒸留液を処理槽タンク
    に移送する移送ポンプを有することを特徴とする請求項
    10記載のハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機。
JP31378592A 1992-10-30 1992-11-24 ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機 Pending JPH06161075A (ja)

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JP31378592A JPH06161075A (ja) 1992-11-24 1992-11-24 ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機
US08/142,797 US5452045A (en) 1992-10-30 1993-10-25 Apparatus for processing a light-sensitive silver halide photographic material

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JP31378592A JPH06161075A (ja) 1992-11-24 1992-11-24 ハロゲン化銀写真感光材料用自動現像機

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0729064A2 (en) * 1995-02-23 1996-08-28 Kodak Limited Process and apparatus for the development of photographic materials

Cited By (2)

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