JPH0625369A - 水性シリコーン変性樹脂 - Google Patents

水性シリコーン変性樹脂

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JPH0625369A
JPH0625369A JP11455993A JP11455993A JPH0625369A JP H0625369 A JPH0625369 A JP H0625369A JP 11455993 A JP11455993 A JP 11455993A JP 11455993 A JP11455993 A JP 11455993A JP H0625369 A JPH0625369 A JP H0625369A
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JP
Japan
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weight
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silicone compound
silicone
resin
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Application number
JP11455993A
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Inventor
Keita Mizutani
啓太 水谷
Koji Osugi
宏治 大杉
Yoshio Eguchi
芳雄 江口
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Nippon Paint Co Ltd
Original Assignee
Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 水性シリコーン変性樹脂に関し、撥水性の良
好な塗膜が形成できるようにする。 【構成】 下記の平均組成式(1)及び(2)から選ば
れた少なくとも1種のシリコーン化合物による繰り返し
単位と、α,β−エチレン性不飽和単量体による繰り返
し単位とを含む膜形成性共重合体からなる水性シリコー
ン変性樹脂。 X:3−アクリロキシプロピル基または3−メタクリキ
シプロピル基、Y:−COOH,−SOH及び−NR
(Rは有機残基)からなる群から選ばれた少なく
とも1種の基を含む一価の置換基R:フェニル基また
は炭素数1〜6のアルキル基、a:1≦a≦20、b:0.
5≦b≦3、c:1≦c≦10

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水性樹脂、特に、水性
シリコーン変性樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】シリコーン樹脂は、撥水性及
び耐侯性の良好な塗膜を形成し得るが、単独では機械的
強度の強い塗膜の形成が困難なため、エポキシ樹脂、ポ
リエステル樹脂及びアクリル樹脂等の変性に使用して上
述の特性を発揮させる工夫がなされている。特に、シリ
コーン変性アクリル樹脂は、機械的強度の強い塗膜を形
成できるアクリル樹脂としての特性と、撥水性及び耐侯
性が良好な塗膜を形成できるシリコーン樹脂としての特
性とを兼ね備えていることから、利用性が高い。
【0003】ところで、環境汚染防止の観点から、上述
のシリコーン変性アクリル樹脂も水性化が要望されてい
る。たとえば、特開平2−150475号には、オルガ
ノポリシロキサンマクロモノマーと、α,β−エチレン
性不飽和単量体との重合体からなる水性シリコーン変性
アクリル樹脂が示されている。この水性シリコーン変性
アクリル樹脂は、オルガノポリシロキサンマクロモノマ
ーが親水性の官能基を持たず疎水性が強いため、乳化重
合により合成されている。
【0004】ところが、乳化重合では、界面活性剤を使
用することになるので、樹脂のエマルジョン粒子の外周
部は親水性が高くなる。このため、上述の水性シリコー
ン変性アクリル樹脂による膜は、表層部でのポリシロキ
サンセグメント濃度が低くなるので、当該セグメントに
よる充分な撥水性を発揮し得ない。本発明の目的は、水
性シリコーン変性樹脂に関し、撥水性の良好な塗膜が形
成できるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の水性シリコーン
樹脂は、下記の平均組成式(1)及び(2)でそれぞれ
示されるシリコーン化合物の群から選ばれた少なくとも
1種のシリコーン化合物による繰り返し単位と、α,β
−エチレン性不飽和単量体による繰り返し単位とを含む
膜形成性共重合体からなる。
【0006】
【化2】
【0007】*******シリコーン化合物 本発明で用いられるシリコーン化合物は、次の平均組成
式(1)及び(2)でそれぞれ示されるものである。こ
のシリコーン化合物は、それぞれ単独で使用されても良
いし、2種以上併用されても良い。
【0008】
【化3】
【0009】これらのシリコーン化合物において、基X
は、3−アクリロキシプロピル基または3−メタクリロ
キシプロピル基である。これらのシリコーン化合物は、
このような基Xに含まれる不飽和結合部分により、後述
するα,β−エチレン性不飽和単量体と共重合し得る。
また、前記シリコンー化合物において、基Yは、−CO
OH,−SO3 H及び−NR2 2からなる群から選ばれた
少なくとも1種の基を含む一価の置換基である。このよ
うな基Yは、直鎖状でも良く、また分枝していても良
い。なお、−NR 2 2基に含まれるRは、水素を含む有機
残基である。この有機残基は、特に限定されるものでは
ないが、たとえば、メチル基,エチル基,プロピル基,
イソプロピル基,ブチル基,sec−ブチル基,t−ブ
チル基等のアルキル基である。基Yは、それに含まれる
−COOH,−SO3 H,−NR2 2の各基により、ある
いはこれらの基が中和されることにより、本発明の樹脂
に水性を付与し得る。
【0010】なお、基X,基Yは、それぞれ1種のシリ
コーン化合物中に2種以上含まれていても良い。前記シ
リコーン化合物において、Rは、フェニル基または炭素
数が1〜6のアルキル基である。工業的な観点によれ
ば、Rはメチル基またはフェニル基が好ましい。1のシ
リコーン化合物中には、2種類以上のRが含まれていて
も良い。たとえば、ジメチルシロキサン単位を主単位と
し、ジフェニルシロキサン単位やメチルフェニルシロキ
サン単位を含むシリコーン化合物は、後述するα,β−
エチレン性不飽和単量体との反応性や相溶性がより向上
する。
【0011】前記シリコーン化合物において、a,b,
cは、それぞれ次の範囲である。
【0012】
【数1】
【0013】aが1未満の場合は、シリコーン化合物に
よる撥水性が生かされない。逆に、20を超える場合
は、α,β−エチレン性不飽和単量体との反応性や相溶
性が低下する。bが0.5未満の場合は、シリコーン化
合物とα,β−エチレン性不飽和単量体との共重合割合
が低下して未反応のシリコーン化合物が残留しやすく、
共重合樹脂の物性が低下するおそれがある。逆に、bが
3を超える場合は、シリコーン化合物とα,β−エチレ
ン性不飽和単量体との重合中において、系のゲル化が起
こり、共重合樹脂が得られない。cが1未満の場合は、
本発明の樹脂に充分な水性を付与するのが困難になる。
逆に、Cが10を超える場合は、化合物の粘度が上昇
し、α,β−エチレン性不飽和単量体との反応性や相溶
性が低下する。
【0014】前記平均組成式(1)及び(2)でそれぞ
れ示されるシリコーン化合物は、繰り返し単位がブロッ
ク状またはランダム状のいずれに配列されたものでも良
い。本発明で用いられるシリコーン化合物の具体例は、
次の通りである。なお、構造式において、Meはメチル
基、Phはフェニル基をそれぞれ示している。 平均組成式(1)で示されるシリコーン化合物。
【0015】
【化4】
【0016】平均組成式(2)で示されるシリコーン
化合物。
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】本発明で用いられるシリコーン化合物は、
たとえば次のように製造できる。 平均組成式(1)で示されるシリコーン化合物。まず
次の平均組成式(3)で示されるシリコーン化合物を合
成する。。
【0020】
【化7】
【0021】このシリコーン化合物は、フェニルメチル
ハイドロジェンポリシロキサンと有機官能性基含有アル
ケンとのヒドロシリル化反応により合成できる。ここ
で、フェニルメチルハイドロジェンポリシロキサンは、
たとえば次の反応(A)により合成できる。
【0022】
【化8】
【0023】そして、目的のシリコーン化合物は、フェ
ニルメチルハイドロジェンポリシロキサンからたとえば
次の反応(B)により合成できる。
【0024】
【化9】
【0025】先に挙げた平均組成式(1)で示されるシ
リコーン化合物の具体例(a),(b),(c)を合成
する場合には、上述の合成法にしたがって、次のシリコ
ーン化合物(a’),(b’)を合成する。
【0026】
【化10】
【0027】そして、これらのシリコーン化合物
(a’),(b’)を酸無水物、アミン化合物またはス
ルホン酸化合物を用いて変性すると、目的のシリコーン
化合物(a),(b),(c)が得られる。具体的に
は、次の通りである。
【0028】
【化11】
【0029】平均組成式(2)で示されるシリコーン
化合物。まず、次の平均組成式(4)で示されるシリコ
ーン化合物を合成する。なお、式中のX,Z,R1
a,bは平均組成式(3)の場合と同じである。
【0030】
【化12】
【0031】このシリコーン化合物は、たとえば、テト
ラメチルジシロキサンと3−メタクリロキシプロピルメ
チルジメトキシシランと水とを酸触媒を用いて反応した
ものと、オクタチメルシクロテトラシロキサンとオクタ
フェニルシクロテトラシロキサンのアルカリ平衡化物と
からトリフルオロメタンスルホン酸平衡化反応により合
成できる。この合成経路は、次の(C)の通りである。
【0032】
【化13】
【0033】先に挙げた平均組成式(2)で示されるシ
リコーン化合物の具体例(e),(f),(g)を合成
する場合には、上述の合成法にしたがって、次のシリコ
ーン化合物(e’),(f’)を合成する。
【0034】
【化14】
【0035】そして、これらのシリコーン化合物
(e’),(f’)を酸無水物、アミン化合物またはス
ルホン酸化合物を用いて変性すると、目的のシリコーン
化合物(e),(f),(g)が得られる。具体的に
は、次の通りである。
【0036】
【化15】
【0037】なお、先に挙げた平均組成式(2)で示さ
れるシリコーン化合物の具体例(d)及び(h)は、平
均組成式(4)で示されるシリコーン化合物の合成経路
(C)において、化合物(II)に対してそれぞれ次のア
リル化合物(i)及び(ii)を付加することにより合成
できる。
【0038】
【化16】
【0039】α,β−エチレン性不飽和単量体 本発明で用いられるα,β−エチレン性不飽和単量体と
しては、アクリル系モノマー、スチレン、α−メチルス
チレン、α−メチルスチレンダイマー、イタコン酸、無
水イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、酢酸ビニ
ル、酢酸アリル、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リエトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、ビ
ニルメチルジエトキシシラン等が挙げられる。
【0040】このうち、アクリル系モノマーとしては、
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メ
タクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、メタク
リル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、メタクリル
酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、アクリル
酸フェニル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジ
ル、メタクリル酸ブンジル、アクリル酸シクロヘキシ
ル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘ
キセニルメチル、メタクリル酸シクロヘキセニルメチ
ル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2
−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピ
ル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸
4−ヒドロキシブチル、メタクリル酸4−ヒドロキシブ
チル、アクリル酸2−ヒドロキシエチルまたはメタクリ
ル酸2−ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付
加物(たとえば、ダイセル化学工業(株)製プラクセル
FM1等)、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホス
ホキシプロピルメタクリレート、アクリル酸グリシジ
ル、メタクリル酸グリシジル、アクリル酸3,4−エポ
キシシクロヘキシルやメタクリル酸3,4−エポキシシ
クロヘキシル(たとえば、ダイセル化学工業(株)製サ
イクロマーM−100、サイクロマーA−200)、ア
クリル酸3−トリメトキシシリルプロピル、メタクリル
酸3−トリメトキシシリルプロピル、アクリル酸3−ト
リエトキシシリルプロピル、メタクリル酸3−トリエト
キシシリルプロピル、アクリル酸3−ジメトキシメチル
シリルプロピル、メタクリル酸3−ジメトキシメチルシ
リルプロピル、アクリル酸トリブチル錫、メタクリル酸
トリブチル錫、アクリルアミド、メタクリルアミド、ア
クリロイルイソシアネート、メタクリロイルイソシアネ
ート、アクリル酸2−イソシアネート、メタクリル酸2
−イソシアネート等が例示できる。
【0041】なお、前記α,β−エチレン性不飽和単量
体は、それぞれ単独で用いられても良いし、2種以上混
合して用いられても良い。共重合樹脂 本発明の共重合樹脂は、上述のシリコーン化合物による
繰り返し単位と上述のα,β−エチレン性不飽和単量体
による繰り返し単位とを含むものである。この共重合樹
脂は、α,β−エチレン性不飽和単量体による幹ポリマ
ーにシリコーン化合物による枝ポリマーが結合したグラ
フトポリマーである。
【0042】このような共重合樹脂は、シリコーン化合
物とα,β−エチレン性不飽和単量体との溶液重合、縣
濁重合、バルク重合、エマルジョン重合等の一般的な重
合方法により得られる。この際、シリコーン化合物と
α,β−エチレン性不飽和単量体との混合割合は、シリ
コーン化合物を1〜80重量%(より好ましくは1〜3
0重量%)、α,β−エチレン性不飽和単量体を99〜
20重量%(より好ましくは99〜70重量%)に設定
するのが好ましい。シリコーン化合物が1重量%未満で
ありかつα,β−エチレン性不飽和単量体が99重量%
を超える場合は、シリコーン化合物による特性が発現し
にくくなる。逆に、シリコーン化合物が80重量%を超
えかつα,β−エチレン性不飽和単量体が20重量%未
満の場合には、塗膜の機械的強度が低下し好ましくな
い。
【0043】なお、本発明で用いられる共重合樹脂は、
上述のシリコーン化合物及びα,β−エチレン性不飽和
単量体によるもの以外の繰り返し単位を含んでいても良
い。また、共重合樹脂は、後述する製造方法を選択する
ことにより、エマルジョン型または水溶性型の樹脂とし
て提供され得る。そして、この共重合樹脂の分子量は、
エマルジョン型の場合、重量平均分子量で1万〜200
万、好ましくは10万〜100万、水溶性型の場合、数
平均分子量で1000〜10万、好ましくは2000〜
2万である。分子量が上述の範囲外の場合は、共重合樹
脂が良好な造膜性を発揮し得ない。なお、分子量は、エ
マルジョン型の場合及び水溶性型の場合のいずれもGP
C(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によ
りスチレン換算で求めた値である。共重合樹脂の製造法 本発明の樹脂は、中和したシリコーン化合物を界面活
性剤として利用し、α,β−エチレン性不飽和単量体を
エマルジョン重合する方法、シリコーン化合物とα,
β−エチレン性不飽和単量体とを共重合し、その後中和
する方法の2通りの方法により製造できる。
【0044】なお、中和剤としては、シリコーン化合物
がCOOH基、SO3 H基を含む場合、モノメチルアミ
ン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、アンモニア、
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチル
エタノールアミン等が用いられる。また、シリコーン化
合物がNR2 2基を含む場合は、ギ酸、酢酸、プロピオン
酸、乳酸、硫酸、りん酸、硝酸、塩酸等が用いられる。
【0045】シリコーン化合物とα,β−エチレン性単
量体との共重合反応では、α,β−エチレン性不飽和単
量体間の重合反応中にシリコーン化合物のX基に含まれ
る不飽和結合が関与し、この結果、α,β−エチレン性
不飽和単量体による幹ポリマーにシリコーン化合物によ
る枝ポリマーが導入される。水性シリコーン変性樹脂の利用法 本発明の水性シリコーン変性樹脂は、塗料用コーティン
グ材,電気絶縁性コーティングレジン等のエレクトロニ
クス用コーティング材,バイオメディカル用コーティン
グ材等の各種コーティング用材料、成形材料、医療用材
料等の造膜材料として用いられる。
【0046】この際、水性シリコーン変性樹脂には、必
要に応じて各種の添加剤、溶剤及び顔料等が添加されて
も良い。溶剤としては、エチレングリコールモノメチル
エーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、
2,2,4−トリメチルペンタジオール−1,3−モノ
イソブチレート、ジエチレングリコールモノ−tert
−ブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テルアセテート、エチレングリコールモノイソブチルエ
ーテルアセテート、トクソル、ベンジルアルコール、ブ
チルカービトールアセテート、ヘキシレングリコール、
トルオール、キシロール、ターペン等の溶媒が用いられ
る。また、水性シリコーン変性樹脂に硬化剤や架橋硬化
促進剤を添加することもできる。硬化剤としては、メラ
ミンホルムアルデヒド樹脂やブロックイソシアネートが
例示できる。また、架橋硬化促進剤としては、p−トル
エンスルホン酸塩やドテシルベンゼンスルホン酸塩等が
例示できる。
【0047】本発明の水性シリコーン変性樹脂は、ポリ
シロキサンセグメントが親水性を有しているため、表層
のポリシロキサンセグメント濃度が高くかつ撥水性の良
好な塗膜を形成し得る。
【0048】
【実施例】実施例1 攪拌機、還流冷却器、温度計、滴下ロート及び窒素ガス
導入管を備えた反応容器に、水350重量部と、下記の
構造式(5)のシリコーン化合物20重量部と、ジメチ
ルエタノールアミン2.2重量部とを仕込み、80℃に
保持した。そして、この反応容器に、メタクリル酸メチ
ル40重量部とメタクリル酸2−エチルヘキシル40重
量部との混合液、及び4,4’−アゾビス−4−シアノ
バレリック酸0.5重量部とジメチルエタノールアミン
0.4重量部と水50重量部との混合液を2時間かけて
別々に等速滴下した。
【0049】これを80℃で3時間保温した後に冷却し
たところ、水分散シリコーングラフトアクリル樹脂が得
られた。得られた樹脂は、粒径が120nm、分子量が
重量平均分子量で90万、不揮発分濃度が19.7重量
%であった。
【0050】
【化17】
【0051】実施例2 実施例1で用いたものと同様の反応容器に、水235重
量部と、下記の構造式(6)のシリコーン化合物20重
量部と、ジメチルエタノールアミン2.2重量部とを仕
込み、80℃に保持した。そして、この反応容器に、メ
タクリル酸ブチル100重量部、及び4,4’−アソビ
ス−4−シアノバレリック酸0.5重量部とジメチルエ
タノールアミン0.4重量部と水50重量部との混合液
を2時間かけて別々に等速滴下した。これを80℃で3
時間保温した後に冷却したところ、水分散シリコングラ
フトアクリル樹脂が得られた。得られた樹脂は、粒径が
60nm、分子量が重量平均分子量で100万、不揮発
分濃度が34.6重量%であった。
【0052】
【化18】
【0053】実施例3 実施例1で用いたものと同様の反応容器に、水235重
量部と、下記の構造式(7)のシリコーン化合物20重
量部と、乳酸2.3重量部とを仕込み、80℃に保持し
た。そして、メタクリル酸ブチル100重量部、及び
2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ヒドロク
ロライド0.5重量部と水50重量部との混合液を2時
間かけて別々に等速滴下した。これを80℃で3時間保
温した後に冷却したところ、水分散シリコーングラフト
アクリル樹脂が得られた。得られた樹脂は、粒径が70
nm、分子量が重量平均分子量で90万、不揮発分濃度
が34.1重量%であった。
【0054】
【化19】
【0055】実施例4 実施例1で用いたものと同様の反応容器に、水350重
量部と、下記の構造式(8)のシリコーン化合物20重
量部と、乳酸2.3重量部とを仕込み、80℃に保持し
た。そして、メタクリル酸2−エチルヘキシル60重量
部とメタクリル酸t−ブチル20重量部との混合液、及
び4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸0.5
重量部とジメチルエタノールアミン0.4重量部と水5
0重量部との混合液を2時間かけて別々に等速滴下し
た。これを80℃で3時間保温した後に冷却したとこ
ろ、水分散シリコーングラフトアクリル樹脂が得られ
た。得られた樹脂は、粒径が120nm、分子量が重量
平均分子量で95万、不揮発分濃度が19.3重量%で
あった。
【0056】
【化20】
【0057】実施例5 実施例1で用いたものと同様の反応容器に、水350重
量部と、下記の構造式(9)のシリコーン化合物20重
量部と、乳酸2.3重量部とを仕込み、80℃に保持し
た。そして、メタクリル酸2−エチルヘキシル60重量
部とメタクリル酸t−ブチル20重量部との混合液、及
び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ヒドロ
クロライド0.5重量部と水50重量部との混合液を2
時間かけて別々に等速滴下した。これを80℃で3時間
保温した後に冷却したところ、水分散シリコーングラフ
トアクリル樹脂が得られた。得られた樹脂は、粒径が1
20nm、分子量が重量平均分子量で100万、不揮発
分濃度が19.3重量%であった。
【0058】
【化21】
【0059】実施例6 実施例1で用いたものと同様の反応容器に、水350重
量部と、下記の構造式(10)のシリコーン化合物20
重量部と、乳酸2.3重量部とを仕込み、80℃に保持
した。そして、メタクリル酸2−エチルヘキシル60重
量部とメタクリル酸t−ブチル20重量部との混合液、
及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ヒド
ロクロライド0.5重量部と水50重量部との混合液を
2時間かけて別々に等速滴下した。これを80℃で3時
間保温した後に冷却したところ、水分散シリコーングラ
フトアクリル樹脂が得られた。得られた樹脂は、粒径が
120nm、分子量が重量平均分子量で90万、不揮発
分濃度が19.3重量%であった。
【0060】
【化22】
【0061】実施例7 実施例1で用いたものと同様の反応容器にエトキシプロ
パノール50重量部を仕込み、105℃に保持した。そ
して、メタクリル酸ブチル70重量部、メタクリル酸1
0重量部、下記の構造式(11)のシリコーン化合物2
0重量部及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート1.0重量部の混合液を3時間かけて等速滴下
した。その後、反応系を105℃で保温し、滴下終了3
0分後にエトキシプロパノール5重量部とt−ブチルパ
ーオキシ−2−エチルヘキサノエート0.5重量部との
混合液を30分かけてさらに滴下した。これを105℃
で2時間保温した後にエトキシプロパノールを留去した
ところ、シリコーンアクリルグラフト樹脂溶液が得られ
た。得られた樹脂は、数平均分子量で9000、不揮発
分濃度が79.5重量%であった。
【0062】
【化23】
【0063】得られた樹脂にジメチルエタノールアミン
4.2重量部及び水300重量部を加えて水分散し、濁
りのない水分散シリコーングラフトアクリル樹脂を得
た。この樹脂の不揮発分濃度は30重量%であった。比較例1 水400重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸8重量
部、アクリル酸ブチル80重量部、4,4’−アゾビス
−4−シアノバレリック酸0.5重量部、ジメチルエタ
ノールアミン0.4重量部及び分子量が約1000のジ
メチルシロキサンマクロモノマー(サイラプレーンFM
−0711:チッソ(株)製)20重量部とをホモミキ
サーを用いて攪拌し、乳化分散した。この分散液を80
℃で5時間保温した後に冷却したところ、水分散シリコ
ーングラフトアクリル樹脂が得られた。得られた樹脂
は、粒径が200nm、分子量が重量平均分子量で90
万、不揮発分濃度は19.1重量%であった。比較例2 実施例1で用いたものと同様の反応容器に、水350重
量部と、ドデシルベンゼンスルホン酸8重量部とを仕込
み80℃に保持した。そして、メタクリル酸2−エチル
ヘキシル60重量部とメタクリル酸t−ブチル20重量
部との混合液、及び2,2’−アゾビス(2−アミジノ
プロパン)ヒドロクロライド0.5重量部と水50重量
部との混合液を2時間かけて別々に等速滴下した。これ
を80℃で3時間保温した後に冷却したところ、水分散
アクリル樹脂が得られた。得られた樹脂は、粒径が60
nm、分子量が重量平均分子量で90万、不揮発分濃度
が19.5重量%であった。撥水性試験 実施例1〜7及び比較例1,2で得られた樹脂による塗
膜の撥水性を調べた。
【0064】実施例1〜6及び比較例1,2について
は、それぞれの樹脂を厚さ100μmに塗布して60℃
で24時間乾燥し、塗膜を形成した。また、実施例7に
ついては、樹脂固形分の1/4の割合で硬化剤としての
水溶性メラミン樹脂を加えたものを厚さ100μmに塗
布して140℃で30分間焼き付けし、塗膜を得た。各
実施例及び各比較例について、水滴の接触角を測定した
結果を表1に示す。なお、接触角は、数値が大きい程撥
水性が良好なことを示している。
【0065】
【表1】
【0066】
【発明の効果】本発明の水性シリコーン変性樹脂は、ポ
リシロキサンセグメントが親水性を有しているため、表
層のポリシロキサンセグメント濃度が高くかつ撥水性の
良好な塗膜を形成し得る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の平均組成式(1)及び(2)でそれ
    ぞれ示されるシリコーン化合物の群から選ばれた少なく
    とも1種のシリコーン化合物による繰り返し単位と、
    α,β−エチレン性不飽和単量体による繰り返し単位と
    を含む膜形成性共重合体からなる水性シリコーン変性樹
    脂。 【化1】
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