JP4516787B2 - タウリン変性オルガノポリシロキサンおよびその製造方法 - Google Patents

タウリン変性オルガノポリシロキサンおよびその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4516787B2
JP4516787B2 JP2004197472A JP2004197472A JP4516787B2 JP 4516787 B2 JP4516787 B2 JP 4516787B2 JP 2004197472 A JP2004197472 A JP 2004197472A JP 2004197472 A JP2004197472 A JP 2004197472A JP 4516787 B2 JP4516787 B2 JP 4516787B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
taurine
formula
organopolysiloxane
epoxy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004197472A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006016554A (ja
JP2006016554A5 (ja
Inventor
勝 尾崎
真也 小栗
康枝 水谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DuPont Toray Specialty Materials KK
Original Assignee
Dow Corning Toray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dow Corning Toray Co Ltd filed Critical Dow Corning Toray Co Ltd
Priority to JP2004197472A priority Critical patent/JP4516787B2/ja
Publication of JP2006016554A publication Critical patent/JP2006016554A/ja
Publication of JP2006016554A5 publication Critical patent/JP2006016554A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4516787B2 publication Critical patent/JP4516787B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)
  • Silicon Polymers (AREA)

Description

本発明は、新規なタウリン変性オルガノポリシロキサン、およびその効率的な製造方法に関する。
オルガノポリシロキサン中のケイ素原子にタウリン残基を結合するタウリン変性オルガノポリシロキサンとしては、末端にハロゲン化アルキルアシロキシ基を有するポリエーテル鎖を有するオルガノポリシロキサンとタウリン、分子中の窒素原子結合水素原子1個を炭素数1〜40の一価炭化水素基で置換したタウリン誘導体、またはこれらの塩との反応により得られる、エステル結合含有ポリエーテル基でタウリン残基を結合するタウリン変性オルガノポリシロキサン(米国特許第5280099号明細書参照)、カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサンとタウリン、分子中の窒素原子結合水素原子1個を炭素数1〜40の一価炭化水素基で置換したタウリン誘導体、またはこれらの塩との反応により得られる、アミド結合でタウリン残基を結合するタウリン変性オルガノポリシロキサン(米国特許第5286830号明細書参照)が知られているが、これらのタウリン変性オルガノポリシロキサンは、タウリン残基をエステル結合やアミド結合で結合しているので、酸やアルカリにより加水分解して、タウリンが分離してしまう恐れがあった。
米国特許第5280099号明細書 米国特許第5286830号明細書
本発明は、酸やアルカリの存在下でも加水分解性の乏しい連結基でタウリン残基を結合した新規なタウリン変性オルガノポリシロキサン、およびこのような新規なタウリン変性オルガノポリシロキサンを効率よく製造する方法を提供することを目的とする。
本発明のタウリン変性オルガノポリシロキサンは、オルガノポリシロキサン中のケイ素原子に、一般式:
(−X−)aN(R1)(2-a)−CH2CH2−SO3
{式中、Xは一般式:
−R2−CH2CH(OH)−CH2
(式中、R2 はポリアルキレンオキシ基である。)
で示される基、または、一般式:
−R2−CH2CH(CH2OH)−
(式中、R2は前記と同じである。)
で示される基で示される基であり、R1は水素原子または炭素数1〜40の一価炭化水素基であり、Mは水素原子、Na、K、Li、またはNH4であり、aは1または2である。}
で示されるタウリン残基を少なくとも1個結合することを特徴とする。
本発明のタウリン変性オルガノポリシロキサンの製造方法は、(A)タウリン、分子中の窒素原子結合水素原子1個を炭素数1〜40の一価炭化水素基で置換したタウリン誘導体、またはこれらの塩と、
(B)平均式:
R' b SiO (4-b)/2
{式中、R'は、置換もしくは非置換の一価炭化水素基または一般式:
Figure 0004516787
(式中、R 2 はポリアルキレンオキシ基である。)
で示されるエポキシ含有基であり、一分子中の少なくとも1個のR'は前記のエポキシ含有基であり、bは1.5〜2.1の数である。}
で示されるエポキシ基含有オルガノポリシロキサンとを、界面活性剤の存在下、乳化分散液中で反応させることを特徴とする。
本発明のタウリン変性オルガノポリシロキサンは、酸やアルカリの存在下でも加水分解性の乏しい連結基でタウリン残基を結合した新規な化合物であり、また、本発明の製造方法は、このような新規なタウリン変性オルガノポリシロキサンを効率良く製造することができるという特徴がある。
本発明のタウリン変性オルガノポリシロキサンは、オルガノポリシロキサン中のケイ素原子に、一般式:
(−X−)aN(R1)(2-a)−CH2CH2−SO3
で示されるタウリン残基を少なくとも1個結合することを特徴とする。式中のXは一般式:
−R2−CH2CH(OH)−CH2
で示される基、または一般式:
−R2−CH2CH(CH2OH)−
で示される基である。式中のR2 はポリアルキレンオキシ基でありこのポリアルキレンオキシ基としては、プロピレンオキシポリ(エチレンオキシ)基、プロピレンオキシポリ(エチレンオキシ)ポリ(プロピレンオキシ)基が例示される。また、式中のR 1は水素原子または炭素数1〜40の一価炭化水素基であり、R1の一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オレイル基等のアルケニル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が例示される。また、式中のMは水素原子、Na、K、Li、またはNH4である。また、式中のaは1または2である。なお、式中のaが1である場合、本発明のタウリン変性オルガノポリシロキサンは、一分子中のケイ素原子に、上記のタウリン残基を結合したオルガノポリシロキサンであり、式中のaが2である場合、本発明のタウリン変性オルガノポリシロキサンは、一分子中のケイ素原子と他のケイ素原子に、上記のタウリン残基を結合したオルガノポリシロキサン、あるいはオルガノポリシロキサン中のケイ素原子と他のオルガノポリシロキサン中のケイ素原子に、上記のタウリン残基を結合した架橋構造を有するオルガノポリシロキサンである
このようなタウリン変性オルガノポリシロキサンは、例えば、平均式:
bSiO(4-b)/2
で示すことができる。式中、Rは置換もしくは非置換の一価炭化水素基、一般式:
(−X−)aN(R1)(2-a)−CH2CH2−SO3
で示されるタウリン残基、一般式:
Figure 0004516787
で示されるエポキシ含有基、または一般式:
Figure 0004516787
で示されるエポキシ含有基であり、一分子中の少なくとも1個のRは前記タウリン残基である。Rの一価炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、オレイル基等のアルケニル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロゲン化アルキル基が例示される。また、Rのタウリン残基において、式中のX、R1、M、およびaは前記と同様である。また、式中のbは1.5〜2.1の数である。また、Rのエポキシ含有基において、式中のR2はアルキレン基、アルキレンオキシ基、またはポリアルキレンオキシ基であり、前記と同様の基が例示され、また、式中のR3はアルキレン基であり、前記と同様の基が例示される。
このようなタウリン変性オルガノポリシロキサンの製造方法は、(A)タウリン、分子中の窒素原子結合水素原子1個を炭素数1〜40の一価炭化水素基で置換したタウリン誘導体、またはこれらの塩と、(B)エポキシ基含有オルガノポリシロキサンとを、界面活性剤の存在下、乳化分散液中で反応させることが好ましい。
(A)成分のタウリン、分子中の窒素原子結合水素原子1個を炭素数1〜40の一価炭化水素基で置換したタウリン誘導体、またはこれらの塩は、一般式:
NHa(R1)(2-a)−CH2CH2−SO3
で示される。上式中のR1は水素原子または炭素数1〜40の一価炭化水素基であり、R1の一価炭化水素基としては前記と同様の基が例示される。また、上式中のMは水素原子、Na、K、Li、またはNH4である。また、上式中のaは1または2である。このような(A)成分として、具体的には、タウリン、タウリンナトリウム、N−メチルタウリン、N−メチルタウリンナトリウムが例示される。
(B)成分のエポキシ基含有オルガノポリシロキサンのエポキシ基の結合位置は限定されず、例えば、分子鎖末端および/または分子鎖側鎖が挙げられる。このようなオルガノシロキサンの分子構造は例えば、直鎖状、環状、分岐状、一部分岐を有する直鎖状が挙げられ、好ましくは直鎖状である。このようなエポキシ基含有オルガノポリシロキサンは、平均式:
R'bSiO(4-b)/2
で示される。式中のR'は置換もしくは非置換の一価炭化水素基、一般式:
Figure 0004516787
で示されるエポキシ含有基であり、一分子中の少なくとも1個のR'は前記いずれかのエポキシ含有基である。式中のR2 はポリアルキレンオキシ基であり、前記と同様の基が例示されるまた、式中のbは1.5〜2.1の数である。
このようなエポキシ基含有オルガノポリシロキサンは、例えば、ケイ素原子結合水素原子含有オルガノポリシロキサンとアルケニル基含有エポキシ化合物とを白金触媒存在下で付加反応させることにより調製することができる。
本発明のタウリン変性オルガノポリシロキサンの製造方法では、上記(A)成分中の窒素原子結合水素原子が(B)成分中のエポキシ基と反応し、窒素−炭素結合とヒドロキシル基を生成する。この反応は、通常、(A)成分を水溶液、あるいはメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール水溶液として、これに(B)成分を滴下もしくは混合し、液中で両成分を接触させることによって行われる。反応に際して、反応系内をpH8〜12、特には、pH9〜11に保つことが好ましく、そのために水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどのアルカリ性物質を必要に応じて反応液中に滴下もしくは混合する。反応時、反応系内のpHを前記の範囲に維持するのは、(A)成分中の窒素原子結合水素原子が(B)成分のエポキシ基と反応するためには、pH8以下では反応速度が遅くなるからであり、またpH12以上では(B)成分中のシロキサン結合が加水分解を起こすからである。反応は、常温でも進行するが温度を高くすることによって速くなる。しかし、pHが高い状態で温度が高くなると、(B)成分中のシロキサン結合の加水分解が促進されるため、高くとも80℃以下にすることが好ましい。(B)成分は、通常、液体または固体であり、そのまま用いても良いが、水、メタノール、エタノール、プロパノール、エチルエーテル、アセトン、ジオキサン、テトラヒロドフラン、アセトニトリルなどの溶液、あるいはこれらの混合溶液を用いることが好ましい。この反応の進行は、13C−NMR分析でタウリン誘導体のアミノ基とエポキシ基の反応によって生成する変性基と残存エポキシ基を測定することによって確認することができる。
A)成分と(B)成分の反応乳化分散液中で行う。(A)成分と(B)成分の乳化分散液中での反応は、通常、(A)成分の水溶液に(B)成分の乳化分散液を滴下もしくは混合し、乳化分散液中で両成分を接触させることによって行われる。本方法で用いる(B)成分の乳化分散液は、通常、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤を用いて調製される。これらの界面活性剤は、(A)成分と(B)成分の反応を阻害しないものであれば特に限定されず、また、単独あるいは複数組み合わせて使用することができる。
このアニオン系界面活性剤としては、例えば、N−アシル−サルコシン塩類、N−アシルグルタミン酸及びその塩類、アルカンスルホン酸及びその塩類、αオレフィンスルホン酸及びその塩類、アルキル硫酸及びその塩類、高級脂肪酸エステルのスルホン酸及びその塩類、ジアルキルスルホコハク酸及びその塩類、アシルメチルタウリン及びその塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸及びその塩類、脂肪酸塩類、アルキルポリエーテルカルボン酸及びその塩類、アルキルリン酸及びその塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸及びその塩類、アルキルアリルスルホン酸及びその塩類、アシル化加水分解コラーゲンペプチド塩類が挙げられる。
また、このカチオン界面活性剤としては、例えば、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルジヒドロキシエチルメチルアンモニウム、塩化γ−グルコンアミドプロピルジメチルヒドロキシエチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウム、塩化ジ(ポリオキシエチレン)アルキルメチルアンモニウム、塩化ステアロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化アルキルジメチルエチルアンモニウム、塩化トリ(ポリオキシエチレン)アルキルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンジエチルメチルアンモニウム、塩化ポリオキシプロピレンメチルジエチルアンモニウム、塩化ラウロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム、臭化アルキルイソキノリニウム液、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、アルキルトリメチルアンモニウムサッカリンが挙げられる。
また、このノニオン系界面活性剤としては、例えば、エチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、プロピレングリコール脂肪酸エステル類、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル類、グリコール脂肪酸エステル類、トリメチロールプロパン脂肪酸エステル類、ペンタエリスリット脂肪酸エステル類、グルコシド誘導体類、グリセリンアルキルエーテル脂肪酸エステル類、トリメチロールプロパンオキシエチレンアルキルエーテル類、脂肪酸アミド類、アルキロールアミド類、アルキルアミンオキシド類、ラノリンおよびその誘導体類、ヒマシ油誘導体類、硬化ヒマシ油誘導体類、ステロールおよびその誘導体類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアミン類、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド類、ポリオキシエチレンアルキロールアミド類、ポリオキシエチレンジエタノールアミン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレントリメチロールプロパン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン多価アルコールエーテル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ショ糖脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレン基含有オルガノポリシロキサン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基含有オルガノポリシロキサンが挙げられる。
また、この両性界面活性剤としては、例えば、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインナトリウム、塩酸アルキルジアミノエチルエチルグリシン液、ステアリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ビス(ステアリル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリン)クロル酢酸錯体、アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムジナトリウムヒドロキシド、ヤシ油アルキル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムジナトリウムラウリル硫酸、アルキルベタイン、ラウリルアミノプロピオン酸トリエタノールアミン、β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム、ラウリル−N−カルボキシメトキシエチル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムジナトリウムドデカノイルサルコシン、ラウリルジアミノエチルグリシンナトリウム、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリン酸アミドプロピルベタイン液が挙げられる。
(B)成分の乳化分散液を調製する方法は特に限定されず、例えば、(B)成分と界面活性剤および水を均一混合し、高せん断をかけて乳化する方法が例示される。また、その際、(B)成分の乳化分散液の平均粒子径は特に限定されない。
(A)成分と(B)成分の乳化分散液中での反応に際して、反応系内のpHを8〜12、特に9〜11に保つことが好ましく、そのために水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、アンモニア水、トリエチルアミン、トリエタノールアミンなどのアルカリ性物質を必要に応じて反応液中に滴下もしくは混合することが行われる。反応時、反応系内のpHを前記の範囲に維持するのは、(A)成分中のアミノ基が(B)成分中のエポキシ基と反応するためには、pH8以上のアルカリ性であることが望ましく、またpH12以上では(B)成分中のシロキサン結合が加水分解を起こすからである。反応は、常温でも進行し、加熱することにより反応を促進することができるが、pHが高い状態で温度が高くなると、(B)成分中のシロキサン結合の加水分解が促進したり、乳化分散液が不安定になるため、90℃以下に加熱することが好ましい。この反応の進行は、13C−NMR分析でタウリン誘導体のアミノ基とエポキシ基の反応によって生成する変性基と残存エポキシ基を測定することによって確認することができる。
本発明の製造方法では、(A)成分と(B)成分を反応させた後、必要に応じてろ過を行い、未反応成分を分離した後、必要により有機溶媒等の低沸点物を加熱減圧下で留去することにより目的のタウリン変性オルガノポリシロキサンを精製することができる。
本発明のタウリン変性オルガノポリシロキサンおよびその製造方法を実施例により詳細に説明する。
[参考例1]
平均式:
(CH3)1.980.04SiO0.99
で示される、分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体と、式:
Figure 0004516787
で示されるポリオキシエチレンモノアリルモノグリシジルエーテルとをそれらのヒドロシリル基と不飽和基との当量比が1:1.2になるような原料比で秤量し、更に白金と1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンとの錯体(白金金属が反応原料の合計重量に対して4ppmになる量)を加えて反応温度80℃で5時間攪拌した。得られたこのポリマーはNMRおよびIRの結果、平均式:
(CH3)1.98(Ep)0.04SiO0.99
で示され、式中、Epは、式:
Figure 0004516787
で示されるエポキシ含有基であるエポキシ基含有オルガノポリシロキサンであることが判明した。
[参考例2]
平均式:
(CH3)1.980.04SiO0.99
で示される、分子鎖両末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサンと、式:
Figure 0004516787
で示されるポリオキシエチレンモノアリルモノグリシジルエーテルとをそれらのヒドロシリル基と不飽和基との当量比が1:1.2になるような原料比で秤量し、更に白金と1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンとの錯体(白金金属が反応原料の合計重量に対して4ppmになる量)を秤量して反応温度80℃で5時間攪拌した。得られたこのポリマーはNMRおよびIRの結果、平均式:
(CH3)1.98(Ep)0.04SiO0.99
で示され、式中、Epは、式:
Figure 0004516787
で示されるエポキシ含有基であるエポキシ基含有オルガノポリシロキサンであることが判明した。
[参考例3]
平均式:
(CH3)2.070.07SiO0.93
で示される、分子鎖片末端がトリメチルシロキシ基で封鎖され、他の分子鎖片末端がジメチルハイドロジェンシロキシ基で封鎖されたジメチルポリシロキサンと、式:
Figure 0004516787
で示されるポリオキシエチレンモノアリルモノグリシジルエーテルとをそれらのヒドロシリル基と不飽和基との当量比が1:1.2になるような原料比で秤量し、更に白金と1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンとの錯体(白金金属が反応原料の合計重量に対して4ppmになる量)を秤量して反応温度80℃で5時間攪拌した。得られたこのポリマーはNMRおよびIRの結果、平均式:
(CH3)2.07(Ep)0.07SiO0.93
で示され、式中、Epは、式:
Figure 0004516787
で示されるエポキシ含有基であるエポキシ基含有オルガノポリシロキサンであることが判明した。
[参考例4]
平均式:
(CH3)1.870.15SiO0.99
で示される分子鎖両末端がトリメチルシロキシ基で封鎖されたジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体92.3gと、式:
CH2=CHCH2O(C24O)22(C36O)22CH3
で示されるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンモノアリルモノメチルエーテル197.0gと、式
Figure 0004516787
で示されるアリルグリシジルエーテル18.5gを秤量し、更に白金と1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンとの錯体(白金金属が反応原料の合計重量に対して4ppmになる量)を秤量して反応温度80℃で5時間攪拌した。得られたポリマーはNMRおよびIRの結果、平均式:
(CH3)1.87(EO)0.07(Ep)0.08SiO0.99
で示され、式中、EOは、式:
−C36O(C24O)22(C36O)22CH3
で示されるポリオキシアルキレン残基であり、Epは、式:
Figure 0004516787
で示されるエポキシ含有基であるエポキシ基含有オルガノポリシロキサンであることが判明した。
[実施例
参考例1で調製したエポキシ基含有オルガノポリシロキサン30.0g、ポリオキシエチレン(5モル)アルキル(C12〜14)エーテル3.5g、ポリオキシエチレン(9モル)アルキル(C12〜14)エーテル3.5g、N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム0.9gおよびイオン交換水32.1gを、ガラス製ビーカーに計り取り、これをプロペラ式攪拌機で混合し均一なエマルジョンを得た。このエマルジョンを、コンデンサー、窒素導入口および攪拌機を備えたセパラブルフラスコに移し、ここに、式:
NH2−CH2CH2−SO3
で示されるタウリン1.64g(エポキシ基とアミノ基との当量比が1:1)と20%−水酸化ナトリウム水溶液2.63gとイオン交換水25.7gとの混合液を添加した。この混合液はpH9.5であった。エマルジョンを50℃に加熱昇温し2時間攪拌した。冷却後、得られたエマルジョン10gにヘキサン20gとメタノール20gを加え、ポリマーが抽出した。溶媒層を廃棄した後、ポリマー層を室温にて乾燥したところ、粘着性のある高粘度ポリマーを得た。このポリマーについて13C−NMR分析を行ったところ、58.3ppmにエポキシ基とタウリン中のアミノ基との反応に由来するピークが生成していることから、このポリマーは、平均式:
(CH3)1.98(Y)0.04SiO0.99
で示され、式中、Yは、式:
Figure 0004516787
で示されるタウリン残基または式:
Figure 0004516787
で示されるタウリン残基、および式:
Figure 0004516787
で示される未反応のエポキシ含有基、さらには、式:
Figure 0004516787
で示されるタウリン残基、式:
Figure 0004516787
で示されるタウリン残基、または式:
Figure 0004516787
で示されるタウリン残基によって、一分子中のケイ素原子と他のケイ素原子、あるいは、オルガノポリシロキサン中のケイ素原子と他のオルガノポリシロキサン中のケイ素原子とを部分架橋したタウリン変性ポリオルガノシロキサンであることを確認した。また、43.9ppmと50.8ppmの残存エポキシ基のピークより、エポキシ変性オルガノポリシロキサン中のエポキシ基とタウリン中のアミノ基との反応率を算出したところ、46%であった。
本発明のタウリン変性オルガノポリシロキサンは、オルガノポリシロキサンの優れた特性とタウリンの優れた特性を十分発揮するものであることから、化粧料、塗料などの添加剤、各種コーティング剤、有機樹脂成型用離型剤、有機樹脂改質剤、潤滑剤、柔軟剤などとして有用であり、毛髪、皮膚、爪、金属、有機樹脂、無機樹脂、ガラス、セラミックス、フィラー、建材、繊維、紙などの基材への適用が例示される。

Claims (5)

  1. (A)タウリン、分子中の窒素原子結合水素原子1個を炭素数1〜40の一価炭化水素基で置換したタウリン誘導体、またはこれらの塩と、
    (B)平均式:
    R'bSiO(4-b)/2
    {式中、R'は、置換もしくは非置換の一価炭化水素基または一般式:
    Figure 0004516787
    (式中、R2 はポリアルキレンオキシ基である。)
    で示されるエポキシ含有基であり、一分子中の少なくとも1個のR'は前記のエポキシ含有基であり、bは1.5〜2.1の数である。}
    で示されるエポキシ基含有オルガノポリシロキサンとを、界面活性剤の存在下、乳化分散液中で反応させることを特徴とする、オルガノポリシロキサン中のケイ素原子にタウリン残基を少なくとも1個結合するタウリン変性オルガノポリシロキサンの製造方法。
  2. (A)成分が、一般式:
    NHa(R1)(2-a)−CH2CH2−SO3
    (式中、R1は水素原子または炭素数1〜40の一価炭化水素基であり、Mは水素原子、Na、K、Li、またはNH4であり、aは1または2である。)
    で示されるタウリン、分子中の窒素原子結合水素原子1個を炭素数1〜40の一価炭化水素基で置換したタウリン誘導体、またはこれらの塩であることを特徴とする、請求項記載のタウリン変性オルガノポリシロキサンの製造方法。
  3. 前記のR 2 がプロピレンオキシポリ(エチレンオキシ)基またはプロピレンオキシポリ(エチレンオキシ)ポリ(プロピレンオキシ)基であることを特徴とする請求項1記載のタウリン変性オルガノポリシロキサンの製造方法。
  4. 反応系内をpH9〜11に保って反応させることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のタウリン変性オルガノポリシロキサンの製造方法。
  5. (A)成分の水溶液に(B)成分の乳化分散液を滴下もしくは混合し、乳化分散液中で両成分を接触させることによって行われることを特徴とする請求項1に記載のタウリン変性オルガノポリシロキサンの製造方法。
JP2004197472A 2004-07-02 2004-07-02 タウリン変性オルガノポリシロキサンおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP4516787B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004197472A JP4516787B2 (ja) 2004-07-02 2004-07-02 タウリン変性オルガノポリシロキサンおよびその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004197472A JP4516787B2 (ja) 2004-07-02 2004-07-02 タウリン変性オルガノポリシロキサンおよびその製造方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2006016554A JP2006016554A (ja) 2006-01-19
JP2006016554A5 JP2006016554A5 (ja) 2007-08-09
JP4516787B2 true JP4516787B2 (ja) 2010-08-04

Family

ID=35791105

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004197472A Expired - Fee Related JP4516787B2 (ja) 2004-07-02 2004-07-02 タウリン変性オルガノポリシロキサンおよびその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4516787B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7961070B2 (en) 2008-10-23 2011-06-14 Tamura Corporation Inductor
JP6726061B2 (ja) * 2016-08-19 2020-07-22 信越化学工業株式会社 硬化性シリコーン樹脂組成物

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5280099A (en) * 1993-04-22 1994-01-18 Siltech Inc. Silicone taurine polymers
JPH0625369A (ja) * 1992-05-15 1994-02-01 Nippon Paint Co Ltd 水性シリコーン変性樹脂
US5286830A (en) * 1993-04-22 1994-02-15 Siltech Inc. Silicone amido taurine polymers

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0625369A (ja) * 1992-05-15 1994-02-01 Nippon Paint Co Ltd 水性シリコーン変性樹脂
US5280099A (en) * 1993-04-22 1994-01-18 Siltech Inc. Silicone taurine polymers
US5286830A (en) * 1993-04-22 1994-02-15 Siltech Inc. Silicone amido taurine polymers

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006016554A (ja) 2006-01-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100926894B1 (ko) 규소계 4급 암모늄 관능성 조성물 및 이의 제조방법
JP6250028B2 (ja) 第四級アンモニウム基を含む低粘度であるポリオルガノシロキサン、その製造方法ならびにそれらの使用
ES2132749T5 (es) Poliorganosiloxanos funcionalizados y uno de sus procedimientos de preparacion.
JP2015506398A (ja) シリコーンイオノマーの作製プロセス
JP2013518945A (ja) 第一級アミノ官能基を有する新規の有機変性シロキサン、第四級アンモニウム官能基を有する新規の有機変性シロキサン、およびその製造方法
JP2006505643A (ja) 線状ポリアミノおよび/またはポリアンモニウムポリシロキサン共重合体ii
KR101503946B1 (ko) 옥사미도 에스테르 기를 포함하는 환형 실라잔 및 방법
CN107001858B (zh) 包含改性的二有机硅氧烷聚合物的化合物
EP0196169B1 (en) Carboxylhydrocarbyl-substituted silicon compounds
EP2998360B1 (en) Curable silicone emulsion composition
KR100864269B1 (ko) 우레탄기를 갖는 유기규소 화합물의 제조 방법
JP6214625B2 (ja) 新規の、簡単に製造可能な、voc還元された、環境保護性の(メタ)アクリルアミド官能性シロキサン系、その製造法ならびに前記シロキサン系の使用
US7851548B2 (en) Low viscosity, high molecular weight linear random-block silicone polyalkyleneoxide copolymers
JP4516787B2 (ja) タウリン変性オルガノポリシロキサンおよびその製造方法
JP2008536957A (ja) シロキサン共重合体
US20140336401A1 (en) Manufacturing Method For Organopolysiloxane-Polyoxyalkylene Block Copolymer
US6441105B2 (en) Synthetic fiber treatment agent composition
US7939619B2 (en) Organosilicon compounds that contain β-ketoamide groups and organic polymers bound via enamine bonds, and method for producing them
US20110130536A1 (en) Copolymers of epoxy compounds and amino silicones and compositions comprising the same
EP0781289B1 (en) Silicone containing imidazoline compositions
US7868208B1 (en) Polyquaternary alkyl polymers
WO2016061032A1 (en) Hydrophilic polysiloxane compositions containing carbinol groups
JP2009518348A (ja) エナミン油およびその製造方法
JPH06293781A (ja) ベタイン基含有シロキサン化合物及びその製造方法
JP2004504433A (ja) パーソナルケア製品用シリコーン組成物及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070627

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070627

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090224

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100427

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100517

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130521

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees