JPH06241178A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JPH06241178A
JPH06241178A JP2783793A JP2783793A JPH06241178A JP H06241178 A JPH06241178 A JP H06241178A JP 2783793 A JP2783793 A JP 2783793A JP 2783793 A JP2783793 A JP 2783793A JP H06241178 A JPH06241178 A JP H06241178A
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JP
Japan
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scroll
scroll compressor
compression mechanism
closed container
oldham
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Application number
JP2783793A
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Inventor
Hiroshi Ogawa
博史 小川
Kazuyuki Akiyama
和之 穐山
Shuji Mogi
周二 茂木
Yoshinori Shirafuji
好範 白藤
Yoshiki Sakaino
恵樹 境野
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C29/00Component parts, details or accessories of pumps or pumping installations, not provided for in groups F04C18/00 - F04C28/00
    • F04C29/06Silencing
    • F04C29/068Silencing the silencing means being arranged inside the pump housing
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F01CROTARY-PISTON OR OSCILLATING-PISTON MACHINES OR ENGINES
    • F01C17/00Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing
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    • F01C17/066Arrangements for drive of co-operating members, e.g. for rotary piston and casing using cranks, universal joints or similar elements with an intermediate piece sliding along perpendicular axes, e.g. Oldham coupling
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    • F04C18/02Rotary-piston pumps specially adapted for elastic fluids of arcuate-engagement type, i.e. with circular translatory movement of co-operating members, each member having the same number of teeth or tooth-equivalents
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 冷媒圧縮に際して発生する音波振動が密閉容
器に伝達されにくいスクロール圧縮機を得る。 【構成】 板状渦巻歯1a,2aを有し、それらが噛み
合うことによって圧縮室を形成する固定スクロール1及
び揺動スクロール2と、両スクロール1,2をその軸方
向に支持するフレーム3と、揺動スクロール2の自転を
拘束するオルダムリング8と、揺動スクロール2とフレ
ーム3の間に介装した偏心ブッシュ6と、吐出マフラー
15とよりなるスクロール圧縮機構部と、ステータ1
0,ロータ11及びそのシャフト5と、その両端部を支
持する第1のロータ支え18及び第2のロータ支え19
とよりなる電動駆動部とを密閉容器9内に有し、吸入パ
イプ20より吸入した低圧の冷媒ガスを圧縮して、吐出
パイプ21より吐出するスクロール圧縮機である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、空気調和機,冷凍機
などに用いられるスクロール圧縮機に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図28及び図29は特開平4−5048
9号公報に示された従来のスクロール圧縮機を示す図で
ある。
【0003】図において、1は固定スクロールで、左側
に板状渦巻歯1aを有し、ボルトによってフレーム3に
締結されている。1cは吐出ポートである。2は揺動ス
クロールで、右側に固定スクロール1の板状渦巻歯1a
と同一形状の板状渦巻歯2aを有しており、左側には、
中空ボス部2bとスラスト面2dとオルダム案内溝2e
が形成されている。また、この中空ボス部2bの円筒状
内側面は揺動軸受2cになっている。
【0004】フレーム3は密閉容器9に焼きばめによっ
て固定されており、右側面にスラスト面3cとオルダム
案内溝3dが形成されている。スラスト面3cは、揺動
スクロール2のスラスト面2dと摺動自在に接触して、
同スクロール2をスラスト方向に支持している。
【0005】8はオルダムリングで、8a,8bは径方
向に180度間隔で設けた一対の爪で、爪8aは右側
に、爪8bは左側に突設されている。一方の爪8aは、
揺動スクロール2のオルダム案内溝2eに往復直線摺動
自在に係合され、他方の爪8bは、フレーム3のオルダ
ム案内溝3dに往復直線摺動自在に係合されている。
【0006】4はサブフレームで、密閉容器9に3箇所
のアークスポット溶接で固定されている。5はシャフト
で、右端にピン部5aが設けられており、このピン部5
aはスライダー7に往復直線運動自在に嵌合されてい
る。スライダー7の円筒外周面は、揺動スクロール2の
揺動軸受2cに回転摺動自在に係合されている。シャフ
ト5の第1円筒面5bおよび第2円筒面5cは、それぞ
れフレーム3に設けられた第1軸受3aおよびサブフレ
ーム4に設けられた第2軸受4aによって、回転摺動自
在にラジアル方向に支持されている。
【0007】ステータ10は密閉容器9に焼きばめで固
定されており、シャフト5には、ロータ11が焼きばめ
られており、そのロータ11には、揺動スクロール2等
が運転時に発生する慣性力及びモーメントを打ち消すた
めのバランスウエイト12,13が取り付けられてい
る。20は吸入パイプ、21は吐出パイプである。
【0008】次に、上記構成に基づく圧縮動作の説明を
する。
【0009】密閉容器9の外部から供給される電力によ
ってロータ11が回転駆動され、同時にロータ11と一
体であるシャフト5が回転駆動される。このとき、シャ
フト5のピン部5aに係合されているスライダー7の中
心C2 は、圧縮機運転中は、シャフト5の中心C1 に対
して所定量偏心しているので、シャフト5の回転に同期
してスライダー7は所定半径γ(図29)の公転運動を
行う。一方、揺動スクロール2は、オルダムリング8に
よって自転しないように完全に拘束されているので、ス
ライダー7に駆動されることによって所定半径γの揺動
運動を行う。この揺動スクロール2の揺動運動によっ
て、固定スクロール1の板状渦巻歯1aと揺動スクロー
ル2の板状渦巻歯2aとによって形成される三日月状圧
縮室の容積が徐々に減少し、圧縮動作が実現される。
【0010】なお、この従来例は、密閉容器9の内部は
高圧雰囲気になっている、いわゆる高圧シェル方式なの
で、吸入パイプ20は固定スクロール1に、気密が確保
された状態で圧入されており、低圧の吸入冷媒ガスはこ
の吸入パイプ20を通って、固定スクロール1とフレー
ム3とによって形成される吸入室に導かれる。そして、
圧縮完了後の高圧冷媒ガスは、固定スクロール1の吐出
ポート1cから密閉容器9の内部に放出され、その後吐
出パイプ21を通って密閉容器9の外部に吐出される。
【0011】ところで、前述の公転運動の所定半径γ
は、板状渦巻歯の形状誤差や組立誤差に追随して微小に
変動しており、この微小に変動することを可能にしてい
るのがスライダー7である。図29に示すように、スラ
イダー7がスライディング方向Sに微小量の往復運動を
することによって、固定スクロール1の板状渦巻歯1a
と揺動スクロール2の板状渦巻歯2aとが常時接触摺動
し、その結果、漏れの少ない高効率な圧縮動作が実現さ
れる。
【0012】次に、図30によって、従来のスクロール
圧縮機で発生する主な力の説明をする。
【0013】まず、スクロール圧縮機構部においては、
高低圧の差圧によるラジアル方向のガス負荷が、固定ス
クロール1にF1fとして、揺動スクロール2にF1o
として、それぞれ作用している。このうち揺動スクロー
ル2に作用するF1oは、揺動スクロール2の揺動軸受
2cを介し、F2slとしてスライダー7に伝達され
る。さらに、このF2slは、スライダー7のスライデ
ィング面を介し、F3shとしてシャフト5のピン部5
aに伝達される。このF3shは、てこの原理に基づい
て、ひとつにはシャフト5の第1円筒面5bを介しF4
mとしてフレーム3の第1軸受3aに、もうひとつには
シャフト5の第2円筒面5cを介しF5suとしてサブ
フレーム4の第2軸受4aに伝達される。
【0014】なお、F4mと作用反作用の関係にあるフ
レーム3からシャフト5に作用する力F4shと、F5
suと作用反作用の関係にあるサブフレーム4からシャ
フト5に作用する力F5shと、前記F3shの三つの
力は、シャフト5単体の安定の原則から、力及びモーメ
ントに関して釣りあっており、合力はゼロとなる。
【0015】また、スクロール圧縮機構部においては、
軸方向のガス負荷が固定スクロール1にF6fとして、
揺動スクロール2にF6oとして作用している。このう
ち揺動スクロール2に作用するF6oは、揺動スクロー
ル2のスラスト面2dを介し、F7mとしてフレーム3
のスラスト面3cに伝達される。
【0016】なお、前記F6oと前記F7mとは、大き
さ及び作用方向は同じであるものの、作用線は一致しな
い。というのは、前記F7mと作用反作用の関係にある
フレーム3から揺動スクロール2に作用する力F7oと
前記F6oとによる偶力が、大きさは同じであるものの
作用方向は逆で作用線は一致しない前記二つの力F1o
とF2oとによる偶力と打ち消しあうことによって、揺
動スクロール2単体の安定が保たれているからである。
【0017】最後に、スクロール圧縮機構部で発生する
音波振動及びその伝達についての説明をする。
【0018】スクロール圧縮機構部は、文字通り圧縮動
作が行われているところであり、冷媒ガスの高低圧差に
起因する大きな加振力が発生している。またこれ以外に
も、スクロール圧縮機構部では、さまざまな構成部品が
互いに摺動したり、衝突したりすることに起因する加振
力も発生しており、スクロール圧縮機の最大の加振源と
なっている。
【0019】例えば、固定スクロール1の板状渦巻歯1
aと揺動スクロール2の板状渦巻歯2aとは、スライダ
ー7の追随機能のおかげで常時接触摺動あるいは微小な
衝突を起こしている。また、スライダー7とシャフト5
のピン部5aは、常時、微小に往復直線摺動していると
考えられる。さらに、オルダムリング8の爪8aと揺動
スクロール2のオルダム案内溝2d及びオルダムリング
8の爪8bとフレーム3のオルダム案内溝3dは、シャ
フト5の回転に同期して単振動直線摺動している。
【0020】これらの加振力によってスクロール圧縮機
構部では音波振動が発生し、この音波振動の大部分は、
フレーム3の外周焼きばめ部分から密閉容器9に伝達さ
れる。そして残りは、フレーム3の第1軸受3aからシ
ャフト5の第1円筒面5bに伝達され、それがシャフト
5の第2円筒面5cからサブフレーム4の第2軸受4a
に伝達され、さらにそれがサブフレーム4の外周部の3
箇所のアークスポット溶接個所から密閉容器9に伝達さ
れる。密閉容器9に伝わってきた音波振動は、密閉容器
9の表面の微小振動となり、この微小振動によって密閉
容器9の近傍の空気が加振され、その振動が騒音として
空気中に伝播される。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
(1)従来のスクロール圧縮機は、以上のように、スク
ロール圧縮機構部が密閉容器9に焼きばめによって堅固
に固定されているので、スクロール圧縮機構部におい
て、冷媒ガスの圧縮や膨張あるいは構成部品の摺動や衝
突が原因となって音波振動が発生し、これがフレーム3
から密閉容器9に効率よく伝達されてしまう。このた
め、密閉容器9から放射される騒音レベルは大きく、許
容範囲を越えていた。
【0022】この問題を解決するためには、スクロール
圧縮機構部と電動駆動部とをまとめて密閉容器9に弾性
支持すればよいように考えられるが、この方法では、単
にコストが大幅に上昇するだけでなく、密閉容器9の外
径を従来よりもかなり大きくしなければならないので、
有効な解決策にならない。
【0023】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、スクロール圧縮機構部から密
閉容器への音波振動伝達効率が悪く、それゆえ騒音レベ
ルが低く、それでいて従来並にコンパクトなスクロール
圧縮機(以下、第1のスクロール圧縮機という。)を提
供することを目的とする。
【0024】(2)第1のスクロール圧縮機は、スクロ
ール圧縮機構部と電動駆動部を一体としてではなく別々
に密閉容器に対して弾性支持するか、あるいはスクロー
ル圧縮機構部だけを弾性支持し、電動駆動部は密閉容器
に固定支持するため、スクロール圧縮機構部の回転中心
と電動駆動部の回転中心とは当然のことながらずれてし
まう。このため、こじれ等のトラブルが生ずるおそれが
ある。
【0025】この発明は、上記の問題点を解消するため
になされたもので、スクロール圧縮機構部の偏心ブッシ
ュと電動駆動部のシャフトとの間にオルダムジョイント
を介装することにより、スクロール圧縮機構部の回転中
心と電動駆動部の回転中心とがずれても、回転軸のこじ
れ等の信頼性上のトラブルを生じないスクロール圧縮機
(以下、第2のスクロール圧縮機という。)を提供する
ことを目的とする。
【0026】(3)第2のスクロール圧縮機は、オルダ
ムジョイントの採用によりスクロール圧縮機構部の回転
軸と電動駆動部の回転軸との中心ずれを補償できるが、
スクロール圧縮機構部の回転軸と電動駆動部の回転軸と
の相対傾斜角は補償できない。
【0027】この発明は、上記の問題点を解消するため
になされたもので、オルダムジョイントと偏心ブッシュ
の摺動面にクラウニング面を設けることにより、スクロ
ール圧縮機構部の回転軸と電動駆動部の回転軸とが相対
傾斜角を有しても、回転軸のこじれ等の信頼性上のトラ
ブルを生じないスクロール圧縮機(以下、第3のスクロ
ール圧縮機という。)を提供することを目的とする。
【0028】(4)第1〜第3のスクロール圧縮機にお
いては、弾性支持したスクロール圧縮機構部をオルダム
ジョイントを介して駆動する場合、スクロール圧縮機構
部で発生する音波振動の一部がオルダムジョイントを経
由して電動駆動部に、そしてそれが密閉容器へと伝達さ
れる。
【0029】この発明は、上記の問題点を解消するため
になされたもので、オルダムジョイントの爪を弾性支持
する構成とすることにより、スクロール圧縮機構部に発
生した音波振動が、オルダムジョイントを介して密閉容
器に伝達する際の伝達効率が低いスクロール圧縮機(以
下、第4のスクロール圧縮機という。)を提供すること
を目的とする。
【0030】(5)第2,第3のスクロール圧縮機は、
オルダムジョイント及びクラウニング面の採用によっ
て、スクロール圧縮機構部の回転軸と電動駆動部の回転
軸との軸心ずれ及び相対傾斜角を補償することができ
る。しかし、オルダムジョイントの直線摺動面には比較
的大きな力が作用するので、苛酷な運転条件において
は、オルダムジョイントの直線摺動面において異常摩
耗,焼きつき等のトラブルの発生が危惧される。
【0031】この発明は、上記の問題点を解消するため
になされたもので、オルダムジョイントとシャフトと偏
心ブッシュに、これらを貫通する給油穴を設けることに
より、苛酷な運転条件においてもオルダムジョイントの
直線摺動面に信頼性上のトラブルが生じにくいスクロー
ル圧縮機(以下、第5のスクロール圧縮機という。)を
提供することを目的とする。
【0032】(6)スクロール圧縮機内部で発生する慣
性力及び慣性モーメント以外のすべての力及びモーメン
トは、スクロール圧縮機内部ですべて打ち消しあってい
る。つまり、スクロール圧縮機全体としては、力及びモ
ーメントの釣合はとれている。
【0033】ところが、スクロール圧縮機構部に注目し
て考えた場合、従来例の動作の説明で述べたように、高
低圧の差圧に起因して揺動スクロール2に作用するラジ
アル方向ガス負荷F1oは、その一部はF5suとして
サブフレーム4,第2軸受4aにまで伝達される。すな
わち、スクロール圧縮機構部としては慣性力及びモーメ
ント以外の力及びモーメントの釣合はとれていない。
【0034】このような状態のままスクロール圧縮機構
部だけを弾性支持すると、スクロール圧縮機構部は異常
に大きな振幅で振動することが予想される。
【0035】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、弾性支持した場合のスクロー
ル圧縮機構部の異常振動を回避するために、スクロール
圧縮機構部内部で、慣性力及びモーメント以外の力及び
モーメントが釣り合うスクロール圧縮機(以下、第6の
スクロール圧縮機という。)を提供することを目的とす
る。
【0036】(7)スクロール圧縮機構部においては、
比較的大きな質量を有する揺動スクロールが文字どうり
揺動運動しており、それにより慣性力(遠心力)が発生
している。そこで、従来のスクロール圧縮機では、図3
1に示すように、ロータ11に取り付けた第1のバラン
スウエイト12及び第2のバランスウエイト13によっ
てスクロール圧縮機全体として力及びモーメントの釣合
をとっていた。ところが、このような構成のままスクロ
ール圧縮機構部だけを弾性支持すると、揺動スクロール
2等の慣性力及びモーメントに起因する異常に大きな振
幅の振動が発生することが予想される。
【0037】この発明は、上記の問題点を解消するため
になされたもので、偏心ブッシュに第1,第2の両バラ
ンスウエイトを設けることにより、弾性支持した場合の
スクロール圧縮機構部の異常振動を回避することがで
き、したがって、スクロール圧縮機構部内部で慣性力及
びモーメントが釣り合うスクロール圧縮機(以下、第7
のスクロール圧縮機という。)を提供することを目的と
する。
【0038】(8)第7のスクロール圧縮機のように、
偏心ブッシュに2個のバランスウエイトを設ける場合、
2個とも付いている状態では、スクロール圧縮機構部に
組み込めないので、1個だけ付けた状態で組み込み、そ
の後他の1個を取り付けるという手順をとる。しかし、
これでは組立性が悪い。
【0039】この発明は、上記の問題点を解消するため
になされたもので、オルダムジョイントに第1のバラン
スウエイトを、偏心ブッシュに第2のバランスウエイト
を設けることにより、スクロール圧縮機構部において慣
性力及びモーメントの釣り合いがとれていて、しかも組
立性の良いスクロール圧縮機(以下、第8のスクロール
圧縮機という。)を提供することを目的とする。
【0040】(9)第1〜第8のスクロール圧縮機の構
成により、スクロール圧縮機構部に作用する力及びモー
メントは、慣性力及びモーメントを含めてすべて釣り合
っているように思われる。
【0041】ところが、どうしても釣り合いをとること
のできないモーメントが存在する。それは軸回りのモー
メントで、この軸回りのモーメントは、圧縮動作を行っ
ている限りは確実に電動駆動部からスクロール圧縮機構
部に伝達されており、スクロール圧縮機構部において、
この軸回りのモーメントは釣り合わない。このことに起
因する問題点は、次の2点である。
【0042】第1に、弾性支持されたスクロール圧縮機
構部に作用するこの軸回りのモーメントは、一般的に
は、密閉容器を介して電動駆動部と釣り合うことにな
る。これは圧縮負荷に起因する圧縮トルクの微小変動が
密閉容器に伝えられることを意味し、このことにより密
閉容器の振動及び密閉容器から放出される騒音が大きく
なる。
【0043】第2に、スクロール圧縮機構部を弾性支持
し、かつ吐出マフラーを密閉容器等に気密支持した場
合、音波振動の密閉容器への伝達を極力避けるという観
点から、吸入パイプはスクロール圧縮機構部に対して非
接触とするのが当然である。とは言え、吸入冷媒ガスの
プレヒートを極力小さくするという観点から、吸入パイ
プとスクロール圧縮機構部とのすき間は、できる限り小
さいことが望ましい。そこで、スクロール圧縮機構部に
吸入パイプより少し大きい径の吸入ポートを設け、この
吸入ポートに吸入パイプを挿入することで、小さいすき
間と非接触とを両立させるという手段が有効である。
【0044】ところが、スクロール圧縮機構部が弾性支
持されている場合、スクロール圧縮機の運転中と停止中
とでは、電動駆動部から作用する軸回りのモーメントの
有無によって、スクロール圧縮機構部の密閉容器に対す
る軸回り回転方向位置が大きく違ってしまう。さらに、
運転中にも、圧縮トルクの変動によってスクロール圧縮
機構部の密閉容器に対する軸回り回転方向位置が微小に
動く。このため、スクロール圧縮機構部の吸入ポートを
吸入パイプより少し大きい径の円筒形状としたのでは、
スクロール圧縮機構部と吸入パイプとが接触してしま
う。
【0045】この発明は、上記の第1の問題点を解消す
るためになされたもので、スクロール圧縮機構部を密閉
容器に固定したステータに第1のロータ支えを介して弾
性支持することにより、圧縮にともなって電動駆動部か
らスクロール圧縮機構部に伝達される軸回りのモーメン
トが密閉容器を介さないで釣り合うようなスクロール圧
縮機(以下、第9のスクロール圧縮機という。)を提供
することを目的とする。
【0046】また、この発明は上記の第2の問題点を解
消するためになされたもので、吸入パイプを挿入する吸
入ポートを周方向に長い長穴とすることにより、吸入パ
イプとスクロール圧縮機構部の吸入ポートとが接触する
ことなく、かつプレヒートの小さいスクロール圧縮機
(以下、第10のスクロール圧縮機という。)を提供す
ることを目的とする。
【0047】(10)偏心ブッシュの採用で、従来、シ
ャフトと揺動スクロールとの間に設けていたスライダー
を廃止してしまうと、固定スクロールの板状渦巻歯と揺
動スクロールの板状渦巻歯との常時接触が約束されず、
漏れ損失が増加し、性能の低下を招くことになる。
【0048】この発明は、上記の問題点を解消するため
になされたもので、揺動スクロールと偏心ブッシュの間
にスライダーを介装することにより、高性能なスクロー
ル圧縮機(以下、第11のスクロール圧縮機という。)
を提供することを目的とする。
【0049】
【課題を解決するための手段】
(1)この発明が提供する第1のスクロール圧縮機は、
板状渦巻歯を有し、それらが噛み合うことによって圧縮
室を形成する固定スクロール及び揺動スクロールと、両
スクロールをその軸方向に支持するフレームと、両スク
ロールの間に介装した、揺動スクロールの自転を拘束す
るオルダムリングと、前記揺動スクロールと前記フレー
ムの間に介装した偏心ブッシュと、吐出マフラーとより
なるスクロール圧縮機構部と、ステータ,ロータ及びそ
のシャフトと、シャフトの両端部を支持する第1のロー
タ支え及び第2のロータ支えとよりなる電動駆動部とを
密閉容器内に有し、かつ密閉容器に設けた吸入パイプよ
り吸入した低圧の冷媒ガスを圧縮して、密閉容器に設け
た吐出パイプより吐出するスクロール圧縮機であって、
前記スクロール圧縮機構部は、密閉容器に弾性部材を介
して弾性支持され、前記電動駆動部は、密閉容器に固定
支持または弾性支持されているものである。
【0050】(2)この発明が提供する第2のスクロー
ル圧縮機は、前記スクロール圧縮機構部の偏心ブッシュ
と前記電動駆動部のシャフトは、オルダムジョイントを
介して連結され、かつ前記オルダムジョイントは、ジョ
イント本体の一方の面に偏心ブッシュのオルダム案内溝
に係合されてラジアル方向へ移動する少なくとも1条の
第1の爪を有し、他方の面にシャフトのオルダム案内溝
に係合されて第1の爪と直交するラジアル方向へ移動す
る少なくとも1条の第2の爪を有しているものである。
【0051】(3)この発明が提供する第3のスクロー
ル圧縮機は、前記第1の爪及び第2の爪または前記オル
ダム案内溝は、相手方との摺動面にクラウニング面を有
しているものである。
【0052】(4)この発明が提供する第4のスクロー
ル圧縮機は、前記オルダムジョイントの第1の爪と第2
の爪は、ジョイント本体に弾性部材を介して同本体の回
転方向に弾性支持されているものである。
【0053】(5)この発明が提供する第5のスクロー
ル圧縮機は、前記スクロール圧縮機構部の各摺動部に潤
滑油を導く給油穴が、オルダムジョイントと、シャフト
と偏心ブッシュを貫通して設けられているものである。
【0054】(6)この発明が提供する第6のスクロー
ル圧縮機は、前記揺動スクロールは、揺動軸部を有し、
前記偏心ブッシュは、ブッシュ軸部と前記揺動軸部の軸
受となる揺動軸受とを有し、前記フレームは前記ブッシ
ュ軸部の軸受となるブッシュ軸受を有し、かつ前記揺動
軸受の軸中心は、ブッシュ軸部の軸中心より所定距離偏
心しているものである。
【0055】(7)この発明が提供する第7のスクロー
ル圧縮機は、前記偏心ブッシュは、揺動スクロール等に
より発生する慣性力及びモーメントを打ち消す1対の第
1のバランスウエイトと第2のバランスウエイトを有し
ているものである。
【0056】(8)この発明が提供する第8のスクロー
ル圧縮機は、前記オルダムジョイントは、第1のバラン
スウエイトを有し、前記オルダムジョイントの第2の爪
は、前記第1のバランスウエイトの遠心力作用方向に向
けて設け、前記偏心ブッシュは、前記第1のバランスウ
エイトと対をなす第2のバランスウエイトを有している
ものである。
【0057】(9)この発明が提供する第9のスクロー
ル圧縮機は、前記ステータは、密閉容器に固定され、前
記第1のロータ支えは、ステータに固定され、前記スク
ロール圧縮機構部は、第1のロータ支えに弾性支持され
ているものである。
【0058】(10)この発明が提供する第10のスク
ロール圧縮機は、前記吸入パイプを挿入するスクロール
圧縮機構部の吸入ポートは、周方向に長い長穴としたも
のである。
【0059】
【作用】
(1)第1のスクロール圧縮機にあっては、最大の音波
振動発生源であるスクロール圧縮機構部を、弾性部材,
シールリング,細長い吐出マフラーによって弾性支持す
るので、騒音の原因となる音波振動があまり密閉容器に
伝達されない。加えて、第1のスクロール圧縮機は、ス
クロール圧縮機構部だけを密閉容器に対して弾性支持
し、ステータ,第1のロータ支え,第2のロータ支え等
の電動駆動部は密閉容器に対して従来と同様に焼きばめ
等で固定支持することも想定しているので、密閉容器の
径は従来より大きくする必要はない。
【0060】(2)第2のスクロール圧縮機において
は、オルダムジョイントを介して圧縮トルクを伝達して
いるので、スクロール圧縮機構部の回転中心と電動駆動
部の回転中心とがずれていても、またそのずれ量が変動
しても、それらは補償される。第1,第2の両爪をそれ
ぞれ複数条設けた場合には、オルダムジョイントに作用
する力は各爪に分散されて小さくなる。
【0061】(3)第3のスクロール圧縮機において
は、スクロール圧縮機構部の回転軸と電動駆動部の回転
軸とが相対傾斜角を有していても、前記クラウニング面
の追随作用によりオルダムジョイントの円滑な直線摺動
が約束される。
【0062】(4)第4のスクロール圧縮機において
は、スクロール圧縮機構部と電動駆動部とがオルダムジ
ョイントによって弾性結合されるので、スクロール圧縮
機構部で発生した音波振動が電動駆動部及び密閉容器に
伝達されにくい。
【0063】(5)第5のスクロール圧縮機において
は、オルダムジョイントの直線摺動面への給油が改善さ
れる。
【0064】(6)第6のスクロール圧縮機にあって
は、偏心ブッシュを採用したことにより、揺動スクロー
ルに作用するラジアル方向のガス負荷が原理的には偏心
ブッシュを介してそのままフレームに伝達されるので、
スクロール圧縮機構部内部において、慣性力及びモーメ
ント以外のすべての力及びモーメントは釣り合う。
【0065】(7)第7のスクロール圧縮機において
は、第1のバランスウエイト及び第2のバランスウエイ
トを偏心ブッシュに取り付けたので、原理的には揺動ス
クロールと偏心ブッシュの二部品で運転時に発生する慣
性力及びモーメントが打ち消される。このことはスクロ
ール圧縮機構部内部において、慣性力及びモーメントが
釣り合うことを意味する。
【0066】(8)第8のスクロール圧縮機において
は、第1のバランスウエイトを偏心ブッシュに、第2の
バランスウエイトをオルダムジョイントに設けたので、
バランスウエイトを予め取り付けた状態でそれらの部品
を順次組み込むことが可能となり、組立性が向上する。
また、第2のバランスウエイトの遠心力の作用方向は、
オルダムジョイントとシャフトのスライディング方向に
一致させてあるので、第2のバランスウエイトの遠心力
は、シャフトには作用せず偏心ブッシュに作用し、スク
ロール圧縮機構部における慣性力及びモーメントの釣り
合いは保たれる。
【0067】(9)第9のスクロール圧縮機において
は、圧縮にともなって電動駆動部からスクロール圧縮機
構部に伝達される軸回りのモーメントが、密閉容器を介
することなく、ステータを介して釣り合う。
【0068】(10)第10のスクロール圧縮機におい
ては、スクロール圧縮機構部の吸入ポートを軸回り方向
に細長い形状としたので、運転時、停止時、または運転
中のトルク変動時にも、吸入パイプがスクロール圧縮機
構部の吸入ポートと接触することはない。さらに、吸入
ポートの開口面積は必要最小限に抑えられているので、
吸入パイプから供給される吸入ガスは大部分が直接吸入
室に導かれ、プレヒートも比較的小さい。
【0069】(11)第11のスクロール圧縮機は、ス
ライダーの作用により固定スクロールの板状渦巻歯と揺
動スクロールの板状渦巻歯との常時接触が約束されるの
で、漏れ損失が少なくなる。
【0070】
【実施例】以下、この発明の実施例を図に基づいて説明
する。
【0071】図1は実施例の縦断面図であり、図2,3
及び4はその実施例における主要構成部品の斜視図であ
る。
【0072】図において、1は固定スクロールで、右側
面には板状渦巻歯1a,オルダム案内溝1b及び吐出ポ
ート1cが形成されており、左側面には吐出マフラー1
5がボルトによって取り付けられている。吐出マフラー
15はOリング16aを介して高低圧セパレートプレー
ト16に弾性支持されている。2は揺動スクロールで、
左側面には固定スクロール1の板状渦巻歯1aと同一形
状の板状渦巻歯2a及びオルダム案内溝2eが形成され
ており、右側面には中実ボス部2fとスラスト面2dが
形成されている。中実ボス部2fの外側面には揺動軸部
2gが形成されている。3はフレームで、左側面にはス
ラスト面3cが、中心部にはブッシュ軸受3eが形成さ
れており、ボルトによって固定スクロール1に締結され
ている。上記スラスト面3cは、揺動スクロール2のス
ラスト面2dを揺動自在に軸方向へ支持している。フレ
ーム3と後述する第1のロータ支え18の間にはスプリ
ングユニット17f,17gが介装されている。
【0073】6は偏心ブッシュで、円筒外側面にはブッ
シュ軸部6aが、円筒内側面には揺動軸受6bが、右側
面にはオルダム案内溝6cが形成されており、また左側
面近傍には第1のバランスウエイト12が、右側面近傍
には第2のバランスウエイト13が焼きばめされてい
る。上記揺動軸受6bの中心はブッシュ軸部6aの中心
に対して所定距離偏心しており、ブッシュ軸部6aの軸
方向中心と揺動軸受6bの軸方向中心とはおおよそ一致
している。ブッシュ軸部6aはフレーム3のブッシュ軸
受3eに摺動回転自在に係合されており、揺動軸受6b
には揺動スクロール2の揺動軸部2gが摺動回転自在に
係合されている。
【0074】14はオルダムジョイントで、左側面には
第1の爪14aが、右側面には第2の爪14bが形成さ
れている。第1の爪14aは偏心ブッシュ6のオルダム
案内溝6cとラジアル方向へ摺動自在に係合されてお
り、第2の爪14bはシャフト5のオルダム案内溝5d
とラジアル方向へ摺動自在に係合されている。また、第
1の爪14a及び第2の爪14bの摺動面は、図8に示
すように、クラウニング面として形成されている。オル
ダムジョイント14は無循環摺動に耐え得るプラスチッ
クの成形品である。
【0075】8はオルダムリングで、右側面上に180
度間隔で突設した一対の爪8a,8aは、揺動スクロー
ル2のオルダム案内溝2eに往復直線摺動自在に係合さ
れ、外周側面上に180度間隔で、かつ前記一対の爪よ
り90度づらして突設した一対の爪8c,8cは、固定
スクロール1のオルダム案内溝1bに往復直線摺動自在
に嵌合されている。上記固定スクロール1,揺動スクロ
ール2,フレーム3,偏心ブッシュ6,オルダムリング
8,第1のバランスウエイト2,第2のバランスウエイ
ト13,吐出マフラー15によって構成されるスクロー
ル圧縮機構部Aは、高低圧セパレートプレート16と吐
出マフラー15の間に介装したOリング16aとフレー
ム3と第1のロータ支え18の間に介装した2個のスプ
リングユニット17f,17gとによって弾性支持され
ている。
【0076】5はシャフトで、左端部にはオルダム案内
溝5dが形成されており、中央部にはロータ11が焼き
ばめられている。このロータ11を挟んで両側に設けた
第1の円筒面5eと第2の円筒面5fは、それぞれ第1
のロータ支え18に形成されたロータ軸受18aと第2
のロータ支え19に形成されたロータ軸受19aによっ
て、摺動回転自在にラジアル方向へ支持されている。第
1のロータ支え18と第2のロータ支え19は密閉容器
9に圧入されており、ステータ10は密閉容器9に焼き
ばめられている。
【0077】図5は上述のスプリングユニット17f,
17gの斜視図であり、図6は第1,第2のスプリング
ユニット17f,17gの組み込み図である。
【0078】両図において、第1の金具17aと第2の
金具17bは薄肉金属板であり、第1のスプリング17
cと第2のスプリング17dは、第1の金具17aと第
2の金具17bとの間に収縮状態で組み込まれている。
第3のスプリング17eは第2の金具17bをガイド部
材とし、第1の金具17aとフレーム3との間に取り付
けられている。また、第1の金具17bの突起tは第1
のロータ支え18に形成されている凹部に圧入されてお
り、第2の金具17aはフレーム3に形成されている凹
部にすきまばめで嵌合されている。第1のスプリングユ
ニット17fと第2のスプリングユニット17gとは、
図6に示すように、上下の向きを変えて取り付けられて
いる。20は吸入パイプ、21は吐出パイプである。
【0079】次に動作について説明する。まず、スクロ
ール圧縮機の圧縮動作の説明をする。
【0080】密閉容器9の外部から電力を供給すると、
ロータ11が回転駆動され、同時にロータ11と一体で
あるシャフト5が回転駆動される。このときの回転力
は、シャフト5のオルダム案内溝5dからオルダムジョ
イント14を経て偏心ブッシュ6に伝達される。偏心ブ
ッシュ6の中心は、シャフト5の中心に対して一定量偏
心しているので、偏心ブッシュ6はシャフト5の回転に
同期して一定半径の公転運動を行う。
【0081】揺動スクロール2はオルダムリング8によ
って自転しないように拘束されており、固定スクロール
1は密閉容器9に微小振動以外の回転運動をしないよう
に拘束されているので、結局、揺動スクロール2は偏心
ブッシュ6に駆動されて一定半径の揺動運動を行う。
【0082】この揺動スクロール2の揺動運動によっ
て、固定スクロール1の板状渦巻歯1aと揺動スクロー
ル2の板状渦巻歯2aとによって形成される三日月状圧
縮室の容積が徐々に減少し、圧縮動作が実現される。
【0083】実施例のスクロール圧縮機は、密閉容器9
の内部が低圧雰囲気になっている、いわゆる低圧シェル
方式であるので、吸入パイプ20は、スクロール圧縮機
構部に気密が確保された状態で圧入される必要はない。
このため、スクロール圧縮機構部は、この実施例の場
合、固定スクロール1に接触しない状態で挿入されてお
り、低圧の吸入冷媒ガスはこの吸入パイプ20を通って
固定スクロール1とフレーム3とによって形成される吸
入室に導かれる。そして、圧縮完了後の高圧冷媒ガス
は、固定スクロール1の吐出ポート1cから吐出マフラ
ー15に放出され、そこから高低圧セパレートプレート
16の左側の高圧空間に開放され、その後、吐出パイプ
21を通って密閉容器9の外部に吐出される。
【0084】吐出マフラー15は、固定スクロール1に
ボルトで締結されているので、スクロール圧縮機構部で
発生する音波振動が容易に伝わってくる。しかし、この
吐出マフラー15は、Oリング16aを介して高低圧セ
パレートプレート16に支持されているので、前述の音
波振動は高低圧セパレートプレート16ひいては密閉容
器9に伝達されにくい。加えて、Oリング16aによっ
て高低圧のシールも確実に行われている。
【0085】前述のように、スクロール圧縮機構部は密
閉容器9に弾性支持され、電動駆動部は密閉容器9に焼
きばめで堅固に支持されているため、電動駆動部の回転
中心つまりシャフト5の軸中心とスクロール圧縮機構部
の回転中心つまり偏心ブッシュ6の軸中心とは、単にず
れているだけでなく、運転中にはそのずれ量及びずれ方
向は微小に変動する。しかし、実施例ではシャフト5と
偏心ブッシュ6とをオルダムジョイント14を介して結
合しているので、偏心ブッシュ6のオルダム案内溝6c
をオルダムジョイント14の第1の爪14aが摺動する
運動と、その直角方向に、シャフト5のオルダム案内溝
5dをオルダムジョイント14の第2の爪14bが摺動
する運動との合成で、前述のさまざまな方向のずれ量は
補償される。
【0086】なお、実施例では、スクロール圧縮機構部
Aを密閉容器9及び電動駆動部Dに弾性支持し、電動駆
動部は密閉容器9に固定支持したものであるが、図7に
示すように、電動駆動部を密閉容器9に弾性支持する構
造でも良い。
【0087】また、実施例では、単に、前述のように、
回転中心にずれが生じているだけでなく、スクロール圧
縮機構部の回転中心軸と電動駆動部の回転中心軸とは平
行でない。つまり相対的な傾き角を持つ。しかも、この
相対傾き角は運転中に微小に変動する。しかし、実施例
では、図8に示すように、オルダムジョイント14の第
1の爪14aと第2の爪14bはクラウニング面Cとな
っている。このため、図9に示す第1の爪14aのオル
ダム案内溝6cを直角に横切る方向への微小傾き角補償
と、図10に示す第2の爪14bのオルダム案内溝5d
を直角に横切る方向への微小傾き角補償との合成で、あ
らゆる方向への相対微小傾き角を補償しながら、回転駆
動力を電動駆動部からスクロール圧縮機構部に伝達する
ことが可能となる。
【0088】ところで、オルダムジョイント14の第1
の爪14aと第2の爪14bには、特に苛酷な運転条件
下においては、非常に大きな力が作用する。この力を軽
減する手段として、オルダムジョイント14の実質径を
大きくすることが考えられるが、スペースの制約上困難
であることが多い。実施例では、オルダムジョイント1
4が無潤滑状況下においても摺動特性に優れたプラスチ
ックによって成形されているので、理想的な摺動が実現
される。
【0089】次に、実施例のスクロール圧縮機で発生し
ている慣性力以外の主な力を図11によって説明する。
【0090】まず、スクロール圧縮機構部において、高
低圧の差圧によるラジアル方向のガス負荷が固定スクロ
ール1にF1fとして、揺動スクロール2にF1oとし
て作用しているとすると、揺動スクロール2に作用する
F1oは、揺動スクロール2の揺動軸部2gを介し、F
2hとして偏心ブッシュ6に伝達され、このF2hは、
偏心ブッシュ6のブッシュ軸部6aを介し、F3mとし
てフレーム3のブッシュ軸受3eに伝達される。
【0091】また、スクロール圧縮機構部において、軸
方向のガス負荷が固定スクロール1にF4fとして、揺
動スクロール2にF4oとして作用しているとすると、
揺動スクロール2に作用するF4oは、揺動スクロール
2のスラスト面2dを介し、F5mとしてフレーム3の
スラスト面3cに伝達される。
【0092】なお、前記F4oと前記F5mとは、大き
さ及び作用方向は同じであるものの、その作用線は一致
しない。というのは、前記F5mと作用反作用の関係に
あるフレーム3から揺動スクロール2に作用する力F5
oと前記F4oとによる偶力が、大きさは同じであるも
のの作用方向は逆で作用線は一致しない二つの力と前記
F1oと前記F2oとによる偶力と打ち消しあうことに
よって、揺動スクロール2単体の安定が保たれているか
らである。
【0093】ここでスクロール圧縮機構部全体に注目し
てみると、ラジアル方向の力は前記F1fと前記F3m
とで釣りあっており、軸方向の力は前記F4fと前記F
5mとで釣り合っており、また前記F1fと前記F3m
とによる図11における左回りのモーメントと、前記F
4fと前記F5mとによる図11における右回りのモー
メントとは釣り合っており、理想的にはオルダムジョイ
ント14からは回転駆動力だけが伝達されている。つま
り、スクロール圧縮機構部全体に注目すると、慣性力以
外の主な力及びモーメントは完全に釣りあっており、ス
クロール圧縮機構部を弾性支持した場合にも、慣性力以
外の力によって異常振動が引き起こされることはない。
【0094】引き続き、図12によって実施例のスクロ
ール圧縮機で発生している慣性力の説明をする。
【0095】F6oは揺動スクロール2に発生する遠心
力であり、代表的な慣性力である。そして、このF6o
と力及びモーメントのバランスをとるために設けられて
いるのが第1のバランスウエイト12と第2のバランス
ウエイト13であり、第1のバランスウエイト12の遠
心力F7hと第2のバランスウエイト13の遠心力F8
hと前記F6oの三つの力の合力はほぼゼロである。実
施例のスクロール圧縮機では、前記の二つのバランスウ
エイト12,13が偏心ブッシュ6に取り付けられてい
るので、スクロール圧縮機構部全体に注目すると、慣性
力とモーメントはほぼ釣り合っており、スクロール圧縮
機構部を弾性支持した場合にも、慣性力によって異常振
動が引き起こされることはない。
【0096】以上のように、実施例のスクロール圧縮機
では、揺動スクロール2の中実ボス部2fを雄型とし、
偏心ブッシュ6を採用し、加えてその偏心ブッシュ6に
第1,第2の両バランスウエイト12,13を設けたの
で、スクロール圧縮機構部で発生している力およびモー
メントのほとんどすべては、スクロール圧縮機構部の内
部で釣り合っており、それゆえスクロール圧縮機構部を
単独で弾性支持しても異常振動は回避できると考えられ
る。しかし、ただひとつ、軸回りのモーメント、つまり
回転駆動力だけはオルダムジョイント14を介して電動
駆動部から伝達されている。そして、この軸回りのモー
メントは、圧縮行程において、揺動スクロール2から固
定スクロール1に、ついで、フレーム3に伝達され、結
局は、図6に示す第1のスプリングユニット17fと第
2のスプリングユニット17gを介して第1のロータ支
え18、つまり電動駆動部に返ってくる。
【0097】このとき、2個のスプリングユニット17
f,17gに作用する力を、図13および図14によっ
て説明する。
【0098】いま、軸の回転方向が、図13において左
回転(矢印方向の回転)であるとすると、ロータ11つ
まり電動駆動部からフレーム3つまりスクロール圧縮機
構部に伝達される回転駆動モーメントも左回転であり、
この左回転のモーメントは、フレーム3つまりスクロー
ル圧縮機構部から、第1のスプリングユニット17fに
作用するF9uと第2のスプリングユニット17gに作
用するF10uとによる偶力として、第1のロータ支え
18つまり電動駆動部に返されることになる。
【0099】図14は図13の第1のスプリングユニッ
ト17fの断面図である。フレーム3より第1のスプリ
ングユニット17fに加えられた力F9uは最終的には
F12p及びM12pとして第1のロータ支え18に伝
えられる。図においてF10a及びF10bは第1のス
プリング17cのスプリング力、F11a及びF11b
は第2のスプリング17dのスプリング力、M12u及
びM12pは圧入箇所において伝達されるモーメントで
あり、第1の金具17aはF9u、F10aとF11a
の三つの力で釣り合いがとれており、第2の金具17b
はF10b、F11bとF12uの三つの力及びモーメ
ントM12uで釣り合いがとれている。
【0100】スクロール圧縮機構部であるフレーム3に
嵌合されている第1の金具17aと電動駆動部である第
1のロータ支え18に圧入されている第2の金具17b
とは第1のスプリング17cと第2のスプリング17d
とによって弾性結合されており、スクロール圧縮機構部
で発生した音波振動が電動駆動部ひいては密閉容器9に
伝達されにくい構造になっている。
【0101】スクロール圧縮機構部の回りは大部分が低
圧雰囲気であるが、吐出マフラー15の左端は高圧空間
にさらされているので、スクロール圧縮機構部には、図
1において、左から右に高低圧差による力が作用する。
この力は、図15に示すように、フレーム3から第1の
ロータ支え18に圧入されているスプリングユニット1
7の第2の金具17bに第3のスプリング17eを介し
て伝達される。この場合もスクロール圧縮機構部と電動
駆動部は弾性結合されているので、スクロール圧縮機構
部で発生した音波振動が電動駆動部ひいては密閉容器9
に伝達されにくくなっている。
【0102】図16は、実施例の固定スクロール1の吸
入ポート部分の詳細図である。
【0103】前述のように、実施例のスクロール圧縮機
構部においては、軸回りの回転モーメントだけはスクロ
ール圧縮機構部内部で釣り合っていない。そして、ロー
リングピストン型圧縮機と比べて小さいものの、スクロ
ール圧縮機にもトルク変動が有り、このことは弾性支持
されているスクロール圧縮機構部に、常時、軸回りの回
転加振力が作用することを意味する。このため、スクロ
ール圧縮機構部は、常時、軸回りに回転振動しているこ
とになる。ところが、図16に示すように、実施例のス
クロール圧縮機では、固定スクロール1の吸入ポートを
接線方向に長い長円形状としたので、図17に示すよう
に、スクロール圧縮機構部が接線方向に回転振動して
も、吸入パイプ20とスクロール圧縮機構部とが干渉す
ることはない。しかも、開口部分の軸方向長さはパイプ
外径より僅かに大きく、つまり必要最小限の長さとして
いるので、固定スクロール1の吸入ポートの開口面積も
比較的小さく抑えられている。このため、吸入ガスのプ
レヒートの少ない高効率な圧縮動作が実現される。
【0104】図18は実施例の第1のロータ支え18の
他の取付構造を示したものである。電動駆動部からスク
ロール圧縮機構部には圧縮に必要な回転トルクが与えら
れており、この回転トルクはフレーム3から第1,第2
のスプリングユニット17f,17gを介して第1のロ
ータ支え18に返ってくることは既に述べたが、上記の
構成では、フレーム3と第1のロータ支え18は両者と
も密閉容器9に焼きばめされていたため、前述の回転ト
ルクは密閉容器9を介して打ち消される。しかし、図1
8の構成も可能である。すなわち、上述のように、第1
のロータ支え18は密閉容器9に焼きばめするのではな
く、第1のロータ支え18から延びた四本の足18aを
ステータ10の切り欠き箇所10aに圧入して取り付け
てもよい。このような構成にすると、前述の回転トルク
は密閉容器9を介すことなく、直接ステータ10と第1
のロータ支え18とで打ち消されることになる。その結
果、密閉容器9に伝達される振動は大幅に小さくなり、
密閉容器9の振動振幅及び密閉容器9から放出される騒
音レベルは大幅に減少する。
【0105】図19に示すように、実施例における高低
圧セパレートプレート16には、2個のOリング16a
及び、この2個のOリング16aの間の空間と密閉容器
9の底に溜まっている潤滑油9aとを連通するオイルパ
イプ16bを設けることができる。圧縮運転中は、左側
のOリング16aの左側空間は高圧空間と連通している
ので高圧雰囲気であり、他方右側のOリング16aの右
側空間は吸入ポートと連通しているので低圧雰囲気であ
る。また2つのOリング16aの間の空間は、左側から
は高圧ガスが僅かに流れ込み、右側の低圧雰囲気へはガ
スが僅かに洩れ出ていくので、高圧と低圧の中間の圧
力、いわば中間圧雰囲気になっていると考えられる。こ
のため、密閉容器9の底の潤滑油は、高圧と中間圧の差
圧で2つのOリング16aの間の空間に引き上げられ、
2個のOリング16aは常時潤滑油にさらされることに
なる。その結果、Oリング16aの左側から右側への冷
媒ガスのもれは極端に少なく抑えられる。なお、この場
合においても当然のことながらスクロール圧縮機構部の
Oリング16aによる弾性支持が実現されているが、加
えて、前述の潤滑油の効果で、スクロール圧縮機構部が
微小振動する際の吐出マフラー15とOリング16aと
の摺動特性も改善されている。
【0106】図20は、実施例の吐出マフラー15の他
の態様を示したものである。同図の吐出マフラー15
は、高低圧セパレートプレート16に溶接y等で堅固に
接合されているものの、細管部分が比較的長く形成され
ている。このため、スクロール圧縮機構部で発生した音
波振動は細管部分のダンピング効果で高低圧セパレート
プレート16にはあまり伝達されない。その結果、密閉
容器9に伝わってくる音波振動も少なく、したがって密
閉容器9から放射される騒音レベルも小さい。
【0107】図21は実施例のオルダムジョイント14
の他の態様を示す斜視図である。このオルダムジョイン
ト14は、第2の爪14aが、ジョイント本体14eと
は別部品となっている。そして、ジョイント本体14e
には2個のスプリング14cと爪14aの2箇所の凸部
14dとを一緒に挿入する2個の凹部14fが形成され
ている。スプリング14cの凸部14dの挿入時の位置
関係は、シャフト5が矢印で示すように右回転する場合
を想定したもので、当然のことながら、オルダムジョイ
ント14に回転トルクが作用した場合に、スプリング1
4cが収縮して弾性バネ力が発生するような関係となっ
ている。オルダムジョイント14をこのような構造とし
た場合、スプリング14cのダンピング効果により、ス
クロール圧縮機構部で発生する音波振動が、オルダムジ
ョイント14を介して電動駆動部側に伝達されにくくな
るばかりでなく、スプリング14cの緩衝効果により、
圧縮トルクの変動を平滑化し、電動機効率の向上も実現
される。
【0108】図22はオルダムジョイント14の他の態
様を示す断面図である。このオルダムジョイント14
は、その表面に摺動特性の優れた材料14gがコーティ
ングされている。このようにすると、苛酷な運転条件下
において、非常に大きな力がオルダムジョイント14の
第1,第2の爪14a,14bに作用するときにも、爪
と溝との理想的な摺動が保障される。
【0109】図23はオルダムジョイント14,シャフ
ト5及び偏心ブッシュ6の断面図で、上記実施例の他の
態様を示したものである。これは、密閉容器9の底に溜
まった潤滑油を吸い上げ、その潤滑油をスクロール圧縮
機構部の各摺動部に導くための給油穴hを、前述の三部
品を貫通して形成した例である。このようにすると、オ
ルダムジョイント14の爪14a,14bの摺動面に、
循環しているが故に、比較的低温である潤滑油が係合す
き間からの洩れという形で常時供給される。このため、
苛酷な運転条件下において、非常に大きな力がオルダム
ジョイント14の爪14a,14bに作用するときに
も、爪14a,14bとオルダム案内溝6c,5dとの
理想的な摺動が保障される。なお、前述の係合すき間か
らの洩れをより厳密に管理するためは、図24に示すよ
うに、オルダムジョイント14に設けた給油穴hとシャ
フト5に設けた給油穴hとを弾性体のチューブtで連結
し、加えてオルダムジョイント14に設けた給油穴hと
偏心ブッシュ6に設けた給油穴hとを同様の弾性のチュ
ーブで連結し、これらのチューブに適当な大きさの油放
出穴aを設けるという手段をとればよい。
【0110】図25は実施例のオルダムジョイント14
の他の態様を示す斜視図である。第1,第2の爪14
a,14bに1条ではなく3条形成した例である。当然
のことながら、両爪14a,14bと摺動する偏心ブッ
シュ6のオルダム案内溝6c及びシャフト5のオルダム
案内溝5dも各々3条形成されている。このようにする
と、圧縮に必要な回転トルクを伝達する時に爪14a,
14bに作用する爪一つ当たりの偶力は、単純に考えれ
ば三分の一となる。したがって、苛酷な運転条件下にお
いて、非常に大きな力がオルダムジョイント14の爪1
4a,14bに作用するときにも、爪と溝との理想的な
摺動が保障される。
【0111】図26は実施例のオルダムジョイント14
の他の態様を示す斜視図である。これは、オルダムジョ
イント14に第2のバランスウエイト13を取り付けた
例である。爪14bのスライディング方向は、第2のバ
ランスウエイト13の遠心力の作用方向と同一方向とな
るように設定されている。
【0112】このように構成すると、まず、第1に、第
2のバランスウエイト13の遠心力はシャフト5には全
く伝達されず、すべて偏心ブッシュ6に伝達されるはず
である。というのは、前述のように、第2のバランスウ
エイト13の遠心力方向と爪14bのスライディング方
向とは同一であり、また溝から爪へ、あるいは爪から溝
へ、スライディング方向に力が伝えられることは理論上
ありえないからである。このため、スクロール圧縮機構
部及び電動駆動部の両方において慣性力の釣り合いはと
れる。
【0113】第2に、実施例のように、圧縮機組立前に
第1のバランスウエイト12と第2のバランスウエイト
13の両方があらかじめ偏心ブッシュ6に取り付けられ
ていると、フレーム3に偏心ブッシュ6を組み込むこと
は物理的に不可能であるので、組立手順としては、第1
のバランスウエイト12だけを取り付けた偏心ブッシュ
6をフレーム3に組み込んだ後で、そのフレーム3に第
2のバランスウエイト13を取り付けることになり、組
立作業性が悪い。ところが、図26の構成にすると、第
2のバランスウエイト13をオルダムジョイント14に
設けたので、偏心ブッシュ6には第1のバランスウエイ
ト12だけを設ければよく、圧縮機組立の際には、それ
ぞれをあらかじめ取り付けた状態で組み込むことができ
る。このため、組立作業性は飛躍的に向上する。
【0114】図27は実施例の偏心ブッシュ6の他の態
様を示す斜視図である。これは、実施例のように、偏心
ブッシュ6に揺動スクロール2の中実ボス部2fを直接
係合するのではなく、スライダー7を介する構造とした
ものである。図において、スライダー7の揺動軸受7a
には揺動スクロール2の中実ボス部2fが回転摺動自在
に係合され、スライダー7は偏心ブッシュ6のラジアル
方向に長い穴6dに往復直線摺動自在に係合されてい
る。このように構成すると、従来例でも説明したよう
に、スライダー7がスライディング方向に微小量の往復
運動をすることによって、固定スクロール1の板状渦巻
歯1aと揺動スクロール2の板状渦巻歯2aとが常時接
触摺動し、その結果、洩れの少ない高効率な圧縮動作が
実現される。
【0115】
【発明の効果】
(1)第1のスクロール圧縮機によれば、スクロール圧
縮機構部が、電動駆動部と一体ではなく、単独で密閉容
器に弾性支持されているので、密閉容器の外径を従来よ
り大きくしなくても、騒音の原因となる音波振動が密閉
容器に伝達しにくくなり、その結果、コンパクトで低騒
音のスクロール圧縮機が得られる効果がある。
【0116】(2)第2のスクロール圧縮機によれば、
電動駆動部が発生する圧縮トルクを、オルダムジョイン
トを介してスクロール圧縮機構部に伝達するように構成
したので、スクロール圧縮機構部の回転中心と電動駆動
部の回転中心とがずれていても、またそのずれ量が変動
しても、それらが補償され、信頼性が高く、しかも組立
性の良いスクロール圧縮機が得られる効果がある。
【0117】また、オルダムジョイントの爪を2条以上
設けた場合には、1つの爪に作用する力が分散効果によ
って小さくなるので、オルダムジョイントの爪の直線摺
動面の摺動特性が向上し、信頼性が高く、加えて入力が
低く高性能なスクロール圧縮機が得られる効果がある。
【0118】(3)第3のスクロール圧縮機によれば、
オルダムジョイントの直線方向摺動面あるいはその相手
方摺動面にクラウニング面を設けたので、スクロール圧
縮機構部の回転軸と電動駆動部の回転軸とが相対傾斜角
を有していても、前記クラウニング面の追随作用により
オルダムジョイントの円滑な直線摺動が約束され、信頼
性の高いスクロール圧縮機が得られる効果がある。
【0119】(4)第4のスクロール圧縮機によれば、
オルダムジョイントのスクロール圧縮機構部側の直線方
向摺動面と電動駆動部側の直線方向摺動面とを、リジッ
ドに形成するのではなく、軸回りの回転方向に弾性的と
したので、スクロール圧縮機構部で発生した音波振動が
電動駆動部及び密閉容器に伝達されにくくなり、騒音レ
ベルの低いスクロール圧縮機が得られる効果がある。
【0120】(5)第5のスクロール圧縮機によれば、
オルダムジョイントが給油経路の一部となるように構成
したので、オルダムジョイントの爪の直線摺動面の給油
状態が改善されて潤滑特性が向上し、信頼性が高く、加
えて入力が低く高性能なスクロール圧縮機が得られる効
果がある。
【0121】(6)第6のスクロール圧縮機によれば、
揺動軸受の軸中心がブッシュ軸部の軸中心より所定距離
偏心した偏心ブッシュを採用し、揺動スクロールに作用
するラジアル方向のガス負荷は原理的には偏心ブッシュ
を介してそのままフレームに伝達されるようにしたの
で、スクロール圧縮機構部内部において、慣性力及びモ
ーメント以外のすべての力及びモーメントは釣り合うこ
とになり、低振動で信頼性の高いスクロール圧縮機が得
られる効果がある。
【0122】(7)第7のスクロール圧縮機によれば、
揺動スクロール等が発生する慣性力及びモーメントを打
ち消すための第1のバランスウエイトと第2のバランス
ウエイトを偏心ブッシュに取り付けたので、原理的には
揺動スクロールと偏心ブッシュの二部品で運転時に発生
する慣性力及びモーメントが打ち消される、つまりスク
ロール圧縮機構部内部において慣性力及びモーメントが
釣り合うので、低振動で信頼性の高いスクロール圧縮機
が得られる効果がある。
【0123】(8)第8のスクロール圧縮機によれば、
第1のバランスウエイトは偏心ブッシュに設け、第2の
バランスウエイトはオルダムジョイントに設け、しかも
オルダムジョイントとシャフトとのスライディング方向
を第2のバランスウエイトの遠心力作用方向と一致させ
たので、バランスウエイトを予め取り付けた状態でそれ
らの部品を次々と組み込むことが可能となり、圧縮機の
組立性が向上し、結果的には組立コストの低減がはかれ
るという効果がある。加えて、第2のバランスウエイト
の遠心力作用方向は、オルダムジョイントとシャフトと
のスライディング方向に一致させてあるので、第2のバ
ランスウエイトの遠心力は、シャフトには作用せず偏心
ブッシュに作用し、スクロール圧縮機構部における慣性
力及びモーメントの釣り合いは確保されるので、低振動
で信頼性の高いスクロール圧縮機が得られる効果があ
る。
【0124】(9)第9のスクロール圧縮機によれば、
第1のロータ支えを、密閉容器でなく、ステータに固定
することによって、結果的にスクロール圧縮機構部が密
閉容器にではなく主にステータに弾性支持される構造と
したので、電動駆動部からスクロール圧縮機構部に伝達
される軸回りの回転トルクの反作用トルクが、密閉容器
を介さずに直接ステータと打ち消し合うことになり、そ
の結果、低騒音で低振動なスクロール圧縮機が得られる
効果がある。
【0125】(10)第10のスクロール圧縮機によれ
ば、吸入パイプが挿入されるスクロール圧縮機構部の吸
入ポートの断面形状を、軸回り方向に細長い長円形状と
したので、運転時、停止時、または運転中のトルク変動
時にも、吸入パイプがスクロール圧縮機構部の吸入ポー
トと接触することのない低騒音で信頼性の高いスクロー
ル圧縮機が得られると同時に、吸入ポートの開口面積が
小さいゆえプレヒートの比較的小さい、高性能なスクロ
ール圧縮機が得られる効果がある。
【0126】(11)第11のスクロール圧縮機によれ
ば、シャフトと偏心ブッシュとの間にスライダーを介装
したので、固定スクロールの板状渦巻歯と揺動スクロー
ルの板状渦巻歯との常時接触が約束され、漏れ損失が少
ない高性能なスクロール圧縮機が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の縦断面図
【図2】実施例の主要部品の斜視図
【図3】実施例の主要部品の斜視図
【図4】実施例の主要部品の斜視図
【図5】実施例のスプリングユニットの構成図
【図6】実施例のスプリングユニットの組み込み図
【図7】実施例における電動駆動部の支持構造の他の態
様を示す断面図
【図8】実施例のオルダムジョイントの爪のクラウニン
グ面の構造説明図
【図9】実施例のオルダムジョイントの爪のクラウニン
グ面の追随動作説明図
【図10】実施例のオルダムジョイントの爪のクラウニ
ング面の追随動作説明図
【図11】実施例の慣性力以外の主な力の説明図
【図12】実施例の慣性力の説明図
【図13】実施例のスプリングユニットに作用する力の
説明図
【図14】実施例のスプリングユニットに作用する力の
説明図
【図15】実施例のスプリングユニットに作用する力の
説明図
【図16】実施例の吸入ポートの斜視図
【図17】実施例の吸入ポートの機能説明図
【図18】実施例における第1のロータ支えの取付構造
の他の態様を示す斜視図
【図19】実施例における吐出マフラーの取付構造の他
の態様を示す縦断面図
【図20】実施例における吐出マフラーの形状の他の態
様を示す側面図
【図21】実施例におけるオルダムジョイントの他の態
様を示す分解斜視図
【図22】実施例におけるオルダムジョイントの他の態
様を示す縦断面図
【図23】実施例における偏心ブッシュとオルダムジョ
イントとシャフトの連結構造の他の態様を示す縦断面図
【図24】実施例におけるシャフトとオルダムジョイン
トの連結構造の他の態様を示す断面図
【図25】実施例におけるオルダムジョイントの他の態
様を示す斜視図
【図26】実施例におけるオルダムジョイントの他の態
様を示す斜視図
【図27】実施例における偏心ブッシュの他の態様を示
す斜視図
【図28】従来例の縦断面図
【図29】従来例のスライダーの追随動作説明図
【図30】従来例の慣性力以外の主な力の説明図
【符号の説明】
1 固定スクロール 1a 板状渦巻歯 2 揺動スクロール 2a 板状渦巻歯 3 フレーム 5 シャフト 6 偏心ブッシュ 8 オルダムリング 9 密閉容器 10 ステータ 11 ロータ 12 第1のバランスウエイト 13 第2のバランスウエイト 14 オルダムジョイント 14a 第1の爪 14b 第2の爪 15 吐出マフラー 16 高低圧セパレートプレート 16a Oリング 17f 第1のスプリングユニット 17g 第2のスプリングユニット 18 第1のロータ支え 19 第2のロータ支え 20 吸入パイプ 21 吐出パイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F04C 29/00 J 6907−3H 29/06 D 6907−3H (72)発明者 白藤 好範 静岡県静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電 機株式会社静岡製作所内 (72)発明者 境野 恵樹 静岡県静岡市小鹿三丁目18番1号 三菱電 機株式会社静岡製作所内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状渦巻歯を有し、それらが噛み合うこ
    とによって圧縮室を形成する固定スクロール及び揺動ス
    クロールと、両スクロールをその軸方向に支持するフレ
    ームと、両スクロールの間に介装した、揺動スクロール
    の自転を拘束するオルダムリングと、前記揺動スクロー
    ルと前記フレームの間に介装した偏心ブッシュと、吐出
    マフラーとよりなるスクロール圧縮機構部と、ステー
    タ,ロータ及びそのシャフトと、シャフトの両端部を支
    持する第1のロータ支え及び第2のロータ支えとよりな
    る電動駆動部とを密閉容器内に有し、かつ密閉容器に設
    けた吸入パイプより吸入した低圧の冷媒ガスを圧縮し
    て、密閉容器に設けた吐出パイプより吐出するスクロー
    ル圧縮機であって、前記スクロール圧縮機構部は、密閉
    容器に弾性部材を介して弾性支持され、前記電動駆動部
    は、密閉容器に固定支持または弾性支持されていること
    を特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記スクロール圧縮機構部の吐出マフラ
    ーは、密閉容器内を高圧部と低圧部に仕切る高低圧セパ
    レートプレートまたは密閉容器に、シールリングを介し
    て支持されていることを特徴とする請求項1記載のスク
    ロール圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記スクロール圧縮機構部の吐出マフラ
    ーは、細長い管として形成され、高低圧セパレートプレ
    ートまたは密閉容器に固定支持されていることを特徴と
    する請求項1記載のスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記スクロール圧縮機構部の偏心ブッシ
    ュと前記電動駆動部のシャフトは、オルダムジョイント
    を介して連結され、かつ前記オルダムジョイントは、ジ
    ョイント本体の一方の面に偏心ブッシュのオルダム案内
    溝に係合されてラジアル方向へ移動する少なくとも1条
    の第1の爪を有し、他方の面にシャフトのオルダム案内
    溝に係合されて第1の爪と直交するラジアル方向へ移動
    する少なくとも1条の第2の爪を有していることを特徴
    とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  5. 【請求項5】 前記第1の爪及び第2の爪または前記オ
    ルダム案内溝は、相手方との摺動面にクラウニング面を
    有していることを特徴とする請求項4記載のスクロール
    圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記オルダムジョイントの第1の爪と第
    2の爪は、ジョイント本体に弾性部材を介して同本体の
    回転方向に弾性支持されていることを特徴とする請求項
    4記載のスクロール圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記スクロール圧縮機構部の各摺動部に
    潤滑油を導く給油穴が、オルダムジョイントとシャフト
    と偏心ブッシュとを貫通して設けられていることを特徴
    とする請求項4記載のスクロール圧縮機。
  8. 【請求項8】 前記揺動スクロールは、揺動軸部を有
    し、前記偏心ブッシュは、ブッシュ軸部と前記揺動軸部
    の軸受となる揺動軸受とを有し、前記フレームは前記ブ
    ッシュ軸部の軸受となるブッシュ軸受を有し、かつ前記
    揺動軸受の軸中心は、ブッシュ軸部の軸中心より所定距
    離偏心していることを特徴とする請求項1記載のスクロ
    ール圧縮機。
  9. 【請求項9】 前記偏心ブッシュは、揺動スクロール等
    により発生する慣性力及びモーメントを打ち消す1対の
    第1のバランスウエイトと第2のバランスウエイトを有
    していることを特徴とする請求項1記載のスクロール圧
    縮機。
  10. 【請求項10】 前記オルダムジョイントは、第1のバ
    ランスウエイトを有し、前記オルダムジョイントの第2
    の爪は、前記第1のバランスウエイトの遠心力作用方向
    に向けて設け、前記偏心ブッシュは、前記第1のバラン
    スウエイトと対をなす第2のバランスウエイトを有して
    いることを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮
    機。
  11. 【請求項11】 前記ステータは、密閉容器に固定さ
    れ、前記第1のロータ支えは、ステータに固定され、前
    記スクロール圧縮機構部は、第1のロータ支えに弾性支
    持されていることを特徴とする請求項1記載のスクロー
    ル圧縮機。
  12. 【請求項12】 前記吸入パイプを挿入するスクロール
    圧縮機構部の吸入ポートは、周方向に長い長穴としたこ
    とを特徴とする請求項1記載のスクロール圧縮機。
  13. 【請求項13】 前記揺動スクロールと、前記偏心ブッ
    シュの間にスライダーが介装され、前記揺動スクロール
    は、揺動軸部を有し、前記偏心ブッシュは、スライダー
    をラジアル方向へ移動可能によるスライダー摺動穴を有
    し、前記スライダーは、前記揺動軸部の軸受となる揺動
    軸受を有していることを特徴とする請求項1記載のスク
    ロール圧縮機。
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