JP2002221166A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

Info

Publication number
JP2002221166A
JP2002221166A JP2001020133A JP2001020133A JP2002221166A JP 2002221166 A JP2002221166 A JP 2002221166A JP 2001020133 A JP2001020133 A JP 2001020133A JP 2001020133 A JP2001020133 A JP 2001020133A JP 2002221166 A JP2002221166 A JP 2002221166A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
guide frame
closed container
frame
scroll
scroll compressor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001020133A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruhiko Nishiki
照彦 西木
Takeshi Fushiki
毅 伏木
Kiyoharu Ikeda
清春 池田
Yoshihide Ogawa
喜英 小川
Takashi Sehata
崇史 瀬畑
Fumiaki Sano
文昭 佐野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2001020133A priority Critical patent/JP2002221166A/ja
Priority to US10/055,903 priority patent/US6648618B2/en
Priority to CNB021084858A priority patent/CN1237280C/zh
Priority to GB0202014A priority patent/GB2374120B/en
Publication of JP2002221166A publication Critical patent/JP2002221166A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C23/00Combinations of two or more pumps, each being of rotary-piston or oscillating-piston type, specially adapted for elastic fluids; Pumping installations specially adapted for elastic fluids; Multi-stage pumps specially adapted for elastic fluids
    • F04C23/008Hermetic pumps
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C2230/00Manufacture
    • F04C2230/60Assembly methods

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Rotary Pumps (AREA)
  • Applications Or Details Of Rotary Compressors (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガイドフレームと密閉容器との締結部分に過
大な力が作用しないようにすること。 【解決手段】 ガイドフレーム15と密閉容器10との
締結位置を、ガイドフレーム15の上側嵌合円周内面1
5aおよびコンプライアントフレーム3の上側嵌合円周
外面3dと、ガイドフレーム15の下側嵌合円周内面1
5bおよびコンプライアントフレーム3の下側嵌合円周
外面3eとの間の範囲とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷凍空調機器に
使用される冷媒圧縮機であるスクロール圧縮機に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷凍空調機器に使用される冷
媒圧縮機として、例えば特開2000−161254号
に示すようなスクロール圧縮機が知られている。このス
クロール圧縮機は、図5の縦断面図に示すように、密閉
容器10の内部に、冷媒ガスを圧縮する圧縮機構部と、
この圧縮機構部を駆動する電動機部とが配設されて形成
されている。
【0003】ここで、圧縮機構部の中心をなすのは、固
定スクロール1および揺動スクロール2であり、固定ス
クロール1は、その外周部が、図示しないボルト等によ
って、密閉容器10に締結されたガイドフレーム15に
締結され、また、この固定スクロール1は、円板状の台
板部1aと、この台板部1aの一方の側の面(図5にお
いて、下側の面)に形成された板状渦巻歯1bとからな
る。また、固定スクロール1の外周部には2個一対のオ
ルダム案内溝1cが、略一直線上に形成され、このオル
ダム案内溝1cには、オルダムリング9の、2個一対の
固定側爪9cが、往復摺動自在に係合されている。
【0004】一方、揺動スクロール2も、円板状の台板
部2aと、この台板部2aの一方の側の面(図5におい
て、上側の面)に形成された板状渦巻歯2bとからな
り、この板状渦巻歯2bの形状は、固定スクロール1の
板状渦巻歯1bと実質的に同一の渦巻き形状で形成され
ている。また台板部2aの、板状渦巻歯2bが形成され
ている面と反対側の面(図5において、下側の面)の中
心部には、中空円筒状のボス部2fが形成されており、
ボス部2fの内周面には、揺動軸受2cが形成されてい
る。さらに、この面(図5において、下側の面)の外周
部には、コンプライアントフレーム3のスラスト軸受3
aに対して圧接摺動可能なスラスト面2dが形成されて
いる。
【0005】また、揺動スクロール2の台板部2aの外
周部には、固定スクロール1のオルダム案内溝1cに対
して略90度の位相差を有する2個一対のオルダム案内
溝2eが略一直線上に形成されており、このオルダム案
内溝2eには、オルダムリング9の2個一対の揺動側爪
9aが往復摺動自在に係合されている。さらに台板部2
aの、固定スクロール1に対向する面(図5において、
上側の面)と、コンプライアントフレーム3側の面(図
5において、下側の面)とを連通する小孔である抽気孔
2jが形成されている。
【0006】そして、この抽気孔2jの、コンプライア
ントフレーム3側の面における開口部、すなわち下面開
口部2kは、通常運転時には、その円軌跡がコンプライ
アントフレーム3のスラスト軸受3aに常時対向する位
置に開口している。
【0007】コンプライアントフレーム3の中心部に
は、電動機部によって回転駆動される主軸4を、半径方
向に支持する主軸受3cと補助主軸受3hとが形成され
ている。また、コンプライアントフレーム3には、スラ
スト軸受3aからフレーム空間15fに連通する連通孔
3sが形成されている。
【0008】さらにコンプライアントフレーム3は、台
板外周部空間2iとフレーム空間15hを連通する連通
孔3nが形成されている。また、コンプライアントフレ
ーム3には、調整弁収納空間3pも形成されており、こ
の調整弁収納空間3pの一端は、調整弁前流路3jを介
して、ボス部外部空間2hに連通するとともに、他端は
連通孔3nを介して、台板外周部空間2iに連通してい
る。
【0009】また、この調整弁収納空間3pには、その
一端に、往復運動自在に中間圧調整弁3lが収納され、
反対側端には、中間圧調整スプリング押え3tがコンプ
ライアントフレーム3に固着されて収納されており、こ
れら中間圧調整弁3lと中間圧調整スプリング押え3t
との間には、中間圧調整スプリング3mが、自然長より
圧縮されて配置されており、中間圧調整弁3lを調整弁
前流路3j側に付勢している。
【0010】ガイドフレーム15の外周面15gは、焼
嵌め、または溶接などによって、密閉容器10内面に固
着締結されている。ただし、固定スクロール1の吐出ポ
ート1fから吐出される高圧の冷媒ガスを、ガイドフレ
ーム15よりも電動機側(図5において下側)に設けら
れた吐出管10bに導く流路は確保されている。
【0011】また、ガイドフレーム15の内側面の、固
定スクロール1側(図5において上側)には、上側嵌合
円周内面15aが形成されており、この上側嵌合円周内
面15aは、コンプライアントフレーム3の外周面に形
成された上側嵌合円周外面3dと当接している。
【0012】さらに、ガイドフレーム15の内側面の、
電動機部側(図5において下側)には、下側嵌合円周内
面15bが形成されており、この下側嵌合円周内面15
bは、コンプライアントフレーム3の外周面に形成され
た下側嵌合円周外面3eと当接している。なお、ガイド
フレーム15の内側面には、シール材16a,16bを
収納する円環状のシール溝が2列形成されており、これ
らのシール溝に、円環状の上側シール材16aおよび下
側シール材16bが、それぞれ対応して嵌装されてい
る。
【0013】そして、これら2つのシール材16a,1
6b、ガイドフレーム15の内側面、およびコンプライ
アントフレーム3の外側面によって形成された空間は、
フレーム空間15fを形成している。また、上下を、揺
動スクロール2の台板部2aおよびコンプライアントフ
レーム3によって囲まれたスラスト軸受3aの外周側の
空間すなわち台板外周部空間2iは、板状渦巻歯1bの
外側巻き終わり近傍である吸入空間1gに連通してお
り、吸入ガス雰囲気(吸入圧)の低圧空間となってい
る。
【0014】主軸4の、揺動スクロール2側(図5にお
いて上側)端部には、揺動スクロール2の揺動軸受2c
に回転自在に支持される揺動軸部4bが形成されてお
り、その下側には、コンプライアントフレーム3の主軸
受け3cおよび補助主軸受3hに回転自在に支持される
主軸部4cが形成されている。また主軸4の他端部に
は、サブフレーム6の副軸受6aに回転自在に支持され
る副軸部4dが形成されており、この副軸部4dと前述
した主軸部4cとの間に、電動機部の回転子8が、焼嵌
められている。さらに主軸4の下端面には、オイルパイ
プ4fが圧入されており、圧縮機構部の運転によって、
密閉容器10の底部に溜まった冷凍機油10eが、主軸
4の内部に形成された高圧油給油孔4gに吸い上げられ
る。
【0015】次に、このスクロール圧縮機の動作につい
て、以下に説明する。まず、定常運転時には、密閉容器
10の内部空間10dが、吐出された冷媒ガスによって
高圧雰囲気となり、密閉容器10の底部の冷凍機油10
eは、オイルパイプ4fおよび高圧油給油孔4g内を上
昇してボス部空間2gに導かれる。そして、この高圧と
なった冷凍機油10eは、揺動軸受2cによって減圧さ
れ、吸入圧力以上吐出圧力以下である中間圧となり、ボ
ス部外側空間2hに流れる。
【0016】高圧油給油孔4gを上昇した高圧の冷凍機
油10eは、他の径路として、高圧油給油孔4gの途中
位置に形成された横穴(図示せず)から、主軸受3cの
高圧側端面(図5において下端面)に導かれ、この主軸
受3cによって減圧されて中間圧となり、同じくボス部
外側空間2hに流れる。
【0017】ボス部外側空間2hで中間圧となった冷凍
機油10e(冷凍機油10eに溶解していた冷媒の発砲
で、一般には冷媒ガスと冷凍機油10eの2相流になっ
ている)は、調整弁前流路3jを通り、中間圧調整スプ
リング3mによる付勢力に抗して中間圧調整弁3lを押
し上げ、吸入圧力雰囲気すなわち低圧雰囲気である調整
弁収納空間3pに流れ、その後、連通孔3nを通って台
板外周部空間2iに放出される。
【0018】以上説明したように、ボス部外側空間2h
の中間圧力Pm1は、中間圧調整スプリング3mのバネ
力と中間圧調整弁3lの中間圧露出面積とに応じて略決
定される所定の圧力αにより制御され、Pm1=Ps+
αと表すことができる。なお、Psは吸入雰囲気圧力
(低圧)を表す。
【0019】他方、揺動スクロール2の台板部2aに形
成された抽気孔2jの下側開口部2kは、コンプライア
ントフレーム3に設けられた連通孔3sのスラスト軸受
3a側開口部である上側開口部3u(図5において上面
側の開口部)と、常時または間欠的に連通する。このた
め、固定スクロール1と揺動スクロール2とで形成され
る圧縮室から、圧縮途上の吸入圧力以上、吐出圧力以下
の中間圧の冷媒ガスが、揺動スクロール2の抽気孔2j
およびコンプライアントフレーム3の連通孔3sを介し
て、フレーム空間15fに導かれる。
【0020】なお、フレーム空間15fは、上側シール
材16aと下側シール材16bとによって密閉された閉
空間であるため、定常運転時には圧縮室の圧力変動に対
応して、圧縮室とフレーム空間15fとの間で、双方向
に微弱な流れが生じている。
【0021】以上説明したように、フレーム空間15f
の中間圧Pm2は、連通する圧縮室の位置に応じて略決
定される所定の倍率βにより制御され、Pm2=Ps×
βと表すことができる。
【0022】コンプライアントフレーム3には、ボス部
外側空間2hの中間圧Pm1に起因する力およびスラス
ト軸受3aを介した揺動スクロール2からの押付け力の
合力が下向きの力として作用する一方、フレーム空間1
5fの中間圧Pm2に起因する力および下端面の高圧雰
囲気に露出している部分に作用する高圧に起因する力の
合力が上向きの力として作用し、定常運転時には、この
上向きの力が下向きの力より大きくなるように設定され
ている。
【0023】このためコンプライアントフレーム3は、
その上側嵌合円周外面3dがガイドフレーム15の上側
嵌合円周内面15aに、その下側嵌合円周外面3eがガ
イドフレーム15の下側嵌合円周内面15bに、それぞ
れ案内され、ガイドフレーム15に対して軸方向に摺動
可能となり、固定スクロール1側(図5において上側)
に浮き上がる。そして、スラスト軸受3aを介してコン
プライアントフレーム3に押し付けられている揺動スク
ロール2も、同じく上方に浮き上がり、この結果、揺動
スクロール2の歯先は固定スクロール1の歯底に、揺動
スクロール2の歯底は固定スクロール1の歯先に、それ
ぞれ当接した状態で摺動する。
【0024】一方、コンプライアントフレーム3の主軸
受け3cおよび補助主軸受け3hには、冷媒ガスを圧縮
するときに生じるガス負荷、バランスウェイトの遠心力
および揺動スクロール2の遠心力等の力が、主軸4に直
交する方向に作用する。この力は、コンプライアントフ
レーム3の上側嵌合円周外面3dと下側嵌合円周外面3
eを介して、ガイドフレーム15に伝達される。
【0025】しかし、コンプライアントフレーム3の主
軸受け3cおよび補助主軸受け3hには、常に軸方向に
平行な均一荷重が作用するのではなく、軸方向に関して
分布した荷重が作用するとともに、コンプライアントフ
レーム3の上側嵌合円周外面3dと下側嵌合円周外面3
eとの距離が、主軸受け3cと補助主軸受け3hとの荷
重作用点の距離に等しくないため、コンプライアントフ
レーム3を、軸方向に対して傾斜させるモーメントが発
生する。
【0026】このモーメントは、ガイドフレーム15
に、上側嵌合円周内面15aおよび下側嵌合円周内面1
5bを通して伝達されるが、ガイドフレーム15は密閉
容器10に焼嵌め等により締結されているため、コンプ
ライアントフレーム3を傾斜させることなく安定的に保
持することができる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】このように、コンプラ
イアントフレーム3は、それ自体がモーメントバランス
を取りながら、軸方向について可動となるように配設さ
れているが、ガイドフレーム15には、コンプライアン
トフレーム3の上側嵌合円周外面3dおよび下側嵌合円
周外面3eを介して、軸受へ負荷等の力が作用する。そ
してガイドフレーム15の上側嵌合円周内面15aに作
用する荷重と下側嵌合円周内面15bに作用する荷重と
の差によって、ガイドフレーム15を回転させるモーメ
ントが発生する。
【0028】このため、ガイドフレーム15を密閉容器
10に締結する場合、ガイドフレーム15に作用するモ
ーメントによって、ガイドフレーム15と密閉容器10
との締結部分に過大な力が作用する場合があるという問
題があった。
【0029】また、ガイドフレーム15と密閉容器10
を締結したとき、ガイドフレーム15には歪みが発生す
る。ガイドフレーム15と密閉容器10との締結位置
が、ガイドフレーム15の上側嵌合円周内面15aおよ
び下側嵌合円周内面15bのうち一方に偏って近い場
合、ガイドフレーム15と密閉容器10との締結によっ
て発生したガイドフレーム15の締結部分の歪みが、ガ
イドフレーム15の上側嵌合円周内面15aおよび下側
嵌合円周内面15bのうち一方に偏って近い方の嵌合円
周内面に歪みを発生させる。そして、この歪みは、コン
プライアントフレーム3が軸方向にスムーズに摺動する
のを妨げたり、コンプライアントフレーム3を主軸4に
対して偏心させる、という問題があった。
【0030】また、ガイドフレーム15は、密閉容器1
0に溶接または焼嵌め等によって締結されるが、従来
は、この締結位置を決定するに際して、電動機部の固定
子7の切欠き位置との関係を考慮していなかった。すな
わち、固定子7を密閉容器10に焼嵌めまたは圧入した
とき、固定子7の切欠きに対応する密閉容器10の部分
は変形するが、ガイドフレーム15と密閉容器10との
締結位置が、固定子7の切欠き位置と同一位相になる
と、ガイドフレーム15の中心と固定子7の中心とがず
れて、固定子7と電動機部の回転子8とのエアギャップ
を、全周に亘って均等にすることができないという問題
点もあった。
【0031】さらに、ガイドフレーム15を密閉容器1
0に締結したとき、ガイドフレーム15の外周面および
固定スクロール1の外周面が同一円周面となっていた
が、この場合、ガイドフレーム15と密閉容器10との
溶接等による締結部分を除いた部分は、圧縮機運転中の
振動によって、密閉容器10の内面と接触し、ビビリ音
等の異常騒音が発生するという問題もあった。
【0032】この発明は、上述した問題に鑑みてなされ
たもので、ガイドフレームに作用するモーメントが小さ
くなるように、すなわちガイドフレームと密閉容器との
締結部分に過大な力が作用しないスクロール圧縮機を得
ることを第一の目的とする。
【0033】また、ガイドフレームを密閉容器に締結し
たときに生じる締結部分の歪みが、ガイドフレームの上
側嵌合円周内面と下側嵌合円周内面まで影響しないスク
ロール圧縮機を得ることを第二の目的とする。
【0034】また、電動機部の固定子を密閉容器に焼嵌
めまたは圧入したときに密閉容器に生じる変形が、ガイ
ドフレームの締結位置に影響を及ぼさないスクロール圧
縮機を得ることを第三の目的とする。
【0035】また、ガイドフレームと密閉容器との締結
部分が高強度、高信頼性となるスクロール圧縮機を得る
ことを第四の目的とする。
【0036】また、ガイドフレームおよび固定スクロー
ルと密閉容器とが、圧縮機運転中に接触することがな
く、接触に起因した異常な騒音が生じないスクロール圧
縮機を得ることを第五の目的とする。
【0037】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明にかかるスクロール圧縮機は、密閉容器内
に設けられ、それぞれの板状渦巻歯が相互間に圧縮室を
形成するように噛み合わされた固定スクロールおよび揺
動スクロールと、前記揺動スクロールを軸方向に支持し
つつ回転駆動させる主軸を半径方向に支持するコンプラ
イアントフレームと、前記コンプライアントフレームを
軸方向の異なる2箇所以上において半径方向に支持する
とともに、前記密閉容器に締結されたガイドフレームと
を備え、前記ガイドフレームに対する前記コンプライア
ントフレームの軸方向への摺動によって、前記揺動スク
ロールを軸方向に移動可能としたスクロール圧縮機であ
って、前記コンプライアントフレームと前記ガイドフレ
ームとの間の前記2箇所以上の支持位置に対応する軸方
向範囲内において前記ガイドフレームと前記密閉容器と
を締結したことを特徴とする。
【0038】この発明にかかるスクロール圧縮機によれ
ば、ガイドフレームと密閉容器とが、コンプライアント
フレームとガイドフレームとの間の2箇所以上の支持位
置に対応する軸方向範囲内において、締結されているた
め、コンプライアントフレームから、2箇所以上の支持
位置を通じてガイドフレームにモーメントが作用して
も、ガイドフレームは、これらの支持位置に対応する軸
方向の範囲内で、密閉容器に締結されて支持されている
ため、その締結部分に関するモーメントは、コンプライ
アントフレームから作用するモーメントより小さくな
り、この締結部分に生じる負荷を低減することができ
る。
【0039】つぎの発明にかかるスクロール圧縮機は、
上記の発明において、前記コンプライアントフレームと
前記ガイドフレームとの間の前記支持位置が2箇所であ
り、該2箇所の支持位置に対応する軸方向略中間位置に
おいて前記ガイドフレームと前記密閉容器とを締結した
ことを特徴とする。
【0040】この発明にかかるスクロール圧縮機によれ
ば、コンプライアントフレームからガイドフレームに作
用するモーメントは、2箇所の支持位置から作用する
が、ガイドフレームは、この2箇所の支持位置の、軸方
向における略中間位置において、密閉容器に締結されて
いるため、この締結部分は、軸方向に関して、双方の支
持位置と略等距離となり、締結位置に関するモーメント
を極小化することができる。この結果、締結部分に過大
な力が作用することなく、安定した締結を得ることがで
きる。また、ガイドフレームと密閉容器を締結する際に
ガイドフレームの締結部分に生じる歪みによる、嵌合円
周面に対する影響を極小化することができるため、コン
プライアントフレームの、軸方向への摺動動作に支障が
生じたり、コンプライアントフレームが主軸に対して偏
心するということがなく、信頼性が向上する。
【0041】つぎの発明にかかるスクロール圧縮機は、
上記の発明において、前記ガイドフレームおよび前記密
閉容器の締結位置と前記密閉容器に対する電動機部の固
定子の固定支持位置とを、前記密閉容器の周方向におけ
る位相位置を一致させたことを特徴とする。
【0042】この発明にかかるスクロール圧縮機によれ
ば、ガイドフレームおよび密閉容器の締結位置と、密閉
容器に対する電動機部の固定子の固定支持位置との、密
閉容器の周方向における位相位置を一致させてなること
により、固定子を密閉容器に固定支持することによっ
て、密閉容器の当該固定支持位置に生じる歪みと、ガイ
ドフレームを密閉容器に締結することによって位置と、
密閉容器の当該締結位置に生じる歪みとを、密閉容器の
周方向に関して略一致させることができるため、一方の
歪みが、他方の歪みに与える影響を極小化することがで
き、ガイドフレームの中心と固定子の中心とのずれを低
減し、固定子と電動機部の回転子とのエアギャップを、
全周に亘って略均等にすることができる。
【0043】つぎの発明にかかるスクロール圧縮機は、
上記の発明において、前記ガイドフレームの外周に沿っ
て延び、前記密閉容器の内面に密接するリブを形成し、
該リブの周方向における3箇所以上の部分を前記密閉容
器に締結したことを特徴とする。
【0044】この発明にかかるスクロール圧縮機によれ
ば、ガイドフレームの外周部分に、周方向に延びて形成
されたリブにおいて、密閉容器と締結したことにより、
締結強度を向上させることができる。なお、密閉容器と
リブとを締結する3箇所以上の締結箇所は、隣接する締
結箇所間の角度間隔が、いずれも180度未満であるの
が望ましい。
【0045】つぎの発明にかかるスクロール圧縮機は、
上記の発明において、焼嵌めまたはアークスポット溶接
により、前記リブと前記密閉容器とを締結したことを特
徴とする。この発明にかかるスクロール圧縮機によれ
ば、ガイドフレームのリブと密閉容器とを、焼嵌めまた
はアークスポット溶接によって締結したことにより、従
来と同様の締結作業性を確保しつつ、上述した締結強度
の向上を図ることができる。
【0046】つぎの発明にかかるスクロール圧縮機は、
上記の発明において、前記リブには略円形状の凹部を3
箇所以上設けられており、この略円形状の凹部に前記密
閉容器を凸状に加締めて係合したことを特徴とする。こ
の発明にかかるスクロール圧縮機によれば、ガイドフレ
ームのリブに形成された円形状の凹部に、密閉容器を凸
状に加締めて係合させたことにより、両者が強固に締結
され、信頼性を向上させることができる。
【0047】つぎの発明にかかるスクロール圧縮機は、
上記の発明において、前記ガイドフレームと前記密閉容
器との締結部分以外の前記ガイドフレームの外周面およ
び前記固定スクロールの外周面と前記密閉容器の内周面
との間に、それぞれ間隙を設けたことを特徴とする。こ
の発明にかかるスクロール圧縮機によれば、ガイドフレ
ームと密閉容器との溶接等による締結部分を除いた部分
や、固定スクロールと密閉容器との間に、それぞれ間隙
が設けられているため、圧縮機運転中の振動によって、
これらガイドフレームの締結部分以外の部分や固定スク
ロールが、密閉容器内面と接触するのを防止することが
でき、接触によってビビリ音等の異常騒音が発生するの
を防止することができ、低騒音のスクロール圧縮機とす
ることができる。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
にかかるスクロール圧縮機の実施の形態について説明す
る。
【0049】実施の形態1.図1は、本発明の実施の形
態1であるスクロール圧縮機の縦断面図である。このス
クロール圧縮機は、密閉容器10の内部に、冷媒ガスを
圧縮する圧縮機構部と、この圧縮機構部を駆動する電動
機部とが配設されて形成されている。
【0050】ここで、圧縮機構部の中心をなすのは、固
定スクロール1および揺動スクロール2であり、固定ス
クロール1は、その外周部が、図示しないボルト等によ
って、密閉容器10に締結されたガイドフレーム15に
締結され、また、この固定スクロール1は、円板状の台
板部1aと、この台板部1aの一方の側の面(図1にお
いて、下側の面)に形成された板状渦巻歯1bとからな
る。また、固定スクロール1の外周部には2個一対のオ
ルダム案内溝1cが、略一直線上に形成され、このオル
ダム案内溝1cには、オルダムリング9の、2個一対の
固定側爪9cが、往復摺動自在に係合されている。
【0051】一方、揺動スクロール2も、円板状の台板
部2aと、この台板部2aの一方の側の面(図1におい
て、上側の面)に形成された板状渦巻歯2bとからな
り、この板状渦巻歯2bの形状は、固定スクロール1の
板状渦巻歯1bと実質的に同一の渦巻き形状で形成され
ている。また台板部2aの、板状渦巻歯2bが形成され
ている面と反対側の面(図1において、下側の面)の中
心部には、中空円筒状のボス部2fが形成されており、
ボス部2fの内周面には、揺動軸受2cが形成されてい
る。さらに、この面(図1において、下側の面)の外周
部には、コンプライアントフレーム3のスラスト軸受3
aに対して圧接摺動可能なスラスト面2dが形成されて
いる。
【0052】また、揺動スクロール2の台板部2aの外
周部には、固定スクロール1のオルダム案内溝1cに対
して略90度の位相差を有する2個一対のオルダム案内
溝2eがほぼ一直線上に形成されており、このオルダム
案内溝2eには、オルダムリング9の2個一対の揺動側
爪9aが往復摺動自在に係合されている。さらに台板部
2aの、固定スクロール1に対向する面(図1におい
て、上側の面)と、コンプライアントフレーム3側の面
(図1において、下側の面)とを連通する小孔である抽
気孔2jが形成されている。
【0053】そして、この抽気孔2jの、コンプライア
ントフレーム3側の面における開口部、すなわち下面開
口部2kは、通常運転時には、その円軌跡がコンプライ
アントフレーム3のスラスト軸受3aに常時対向する位
置に開口している。
【0054】コンプライアントフレーム3の中心部に
は、電動機部によって回転駆動される主軸4を、半径方
向に支持する主軸受3cと補助主軸受3hとが形成され
ている。またコンプライアントフレーム3には、スラス
ト軸受3aからフレーム空間15fに連通する連通孔3
sが形成されている。
【0055】さらにコンプライアントフレーム3は、台
板外周部空間2iとフレーム空間15hを連通する連通
孔3nが形成されている。また、コンプライアントフレ
ーム3には、調整弁収納空間3pも形成されており、こ
の調整弁収納空間3pの一端は、調整弁前流路3jを介
して、ボス部外部空間2hに連通するとともに、他端は
連通孔3nを介して、台板外周部空間2iに連通してい
る。
【0056】また、この調整弁収納空間3pには、その
一端に、往復運動自在に中間圧調整弁3lが収納され、
反対側端には、中間圧調整スプリング押え3tがコンプ
ライアントフレーム3に固着されて収納されており、こ
れら中間圧調整弁3lと中間圧調整スプリング押え3t
との間には、中間圧調整スプリング3mが、自然長より
圧縮されて配置されており、中間圧調整弁3lを調整弁
前流路3j側に付勢している。
【0057】ガイドフレーム15の内側面の、固定スク
ロール1側(図1において上側)には、上側嵌合円周内
面15aが形成されており、この上側嵌合円周内面15
aは、コンプライアントフレーム3の外周面に形成され
た上側嵌合円周外面3dと当接している。また、ガイド
フレーム15の内側面の、電動機部側(図1において下
側)には、下側嵌合円周内面15bが形成されており、
この下側嵌合円周内面15bは、コンプライアントフレ
ーム3の外周面に形成された下側嵌合円周外面3eと当
接している。なお、ガイドフレーム15およびコンプラ
イアントフレーム3には、上側嵌合円周内面15a,上
側嵌合円周外面3dと下側嵌合円周内面15b,下側嵌
合円周外面3eとの間に、互いに嵌合する他の円周面を
さらにそれぞれ設けてもよい。
【0058】ガイドフレーム15の外周部には、密閉容
器10と締結される、周方向に延びるリブ15jが形成
されている。このガイドフレーム15は、密閉容器10
の所定の位置に嵌挿され、リブ15jの一部分が、アー
クスポット溶接等により、密閉容器10に締結されてい
る。ガイドフレーム15と密閉容器10との、軸方向の
締結位置は、図2に示すように、ガイドフレーム15
の、上側嵌合円周内面15aと下側嵌合円周内面15b
との間である。
【0059】また、ガイドフレーム15のうち、密閉容
器10に締結されるリブ15j以外の部分である外周面
15g、および固定スクロール1の外周面1jは、密閉
容器10の内周面10aとの間に、密閉容器10の変形
等によって密閉容器10がガイドフレーム15に接触し
ない程度の間隙が形成されている。なお、固定スクロー
ル1の吐出ポート1fから吐出される高圧の冷媒ガス
を、ガイドフレーム15よりも電動機側(図1において
下側)に設けられた吐出管10bに導く流路は確保され
ている。
【0060】ガイドフレーム15の内側面には、シール
材16a,16bを収納する円環状のシール溝が2列形
成されており、これらのシール溝に、円環状の上側シー
ル材16aおよび下側シール材16bが、それぞれ対応
して嵌装されている。
【0061】そして、これら2つのシール材16a,1
6b、ガイドフレーム15の内側面、およびコンプライ
アントフレーム3の外側面によって形成された空間は、
フレーム空間15fを形成している。また、上下を、揺
動スクロール2の台板部2aおよびコンプライアントフ
レーム3によって囲まれたスラスト軸受3aの外周側の
空間すなわち台板外周部空間2iは、板状渦巻歯1bの
外側巻き終わり近傍である吸入空間1gに連通してお
り、吸入ガス雰囲気(吸入圧)の低圧空間となってい
る。
【0062】図3は、密閉容器10に電動機部の固定子
7を焼嵌めまたは圧入した状態を示す平面図である。こ
の固定子7には、2箇所以上の切欠き7aが設けられて
おり、この切欠き7a以外の部分7bは、密閉容器10
の内周面に接触して、固定子7が密閉容器10に固定さ
れている。ここで、ガイドフレーム15と密閉容器10
との締結位置は、固定子7と密閉容器10との接触部分
の鉛直軸線上、すなわち密閉容器10の周面について同
一位相位置、となっている。
【0063】主軸4の、揺動スクロール2側(図1にお
いて上側)端部には、揺動スクロール2の揺動軸受2c
に回転自在に支持される揺動軸部4bが形成されてお
り、その下側には、コンプライアントフレーム3の主軸
受け3cおよび補助主軸受3hに回転自在に支持される
主軸部4cが形成されている。また主軸4の他端部に
は、サブフレーム6の副軸受6aに回転自在に支持され
る副軸部4dが形成されており、この副軸部4dと前述
した主軸部4cとの間に、電動機部の回転子8が、焼嵌
められている。さらに主軸4の下端面には、オイルパイ
プ4fが圧入されており、圧縮機構部の運転によって、
密閉容器10の底部に溜まった冷凍機油10eが、主軸
4の内部に形成された高圧油給油孔4gに吸い上げられ
る。
【0064】次に、このスクロール圧縮機の動作につい
て、以下に説明する。まず、定常運転時には、密閉容器
10の内部空間10dが、吐出された冷媒ガスによって
高圧雰囲気となり、密閉容器10の底部の冷凍機油10
eは、オイルパイプ4fおよび高圧油給油孔4g内を上
昇してボス部空間2gに導かれる。そして、この高圧と
なった冷凍機油は、揺動軸受2cによって減圧され、吸
入圧力以上、吐出圧力以下である中間圧となり、ボス部
外側空間2hに流れる。
【0065】高圧油給油孔4gを上昇した高圧の冷凍機
油10eは、他の径路として、高圧油給油孔4gの途中
位置に形成された横穴(図示せず)から、主軸受3cの
高圧側端面(図1において下端面)に導かれ、この主軸
受3cによって減圧されて中間圧となり、同じくボス部
外側空間2hに流れる。
【0066】ボス部外側空間2hで中間圧となった冷凍
機油10e(冷凍機油10eに溶解していた冷媒の発砲
で、一般には冷媒ガスと冷凍機油10eの2相流になっ
ている)は、調整弁前流路3jを通り、中間圧調整スプ
リング3mによる付勢力に抗して中間圧調整弁3lを押
し上げ、吸入圧力雰囲気すなわち低圧雰囲気である調整
弁収納空間3pに流れ、その後、連通孔3nを通って台
板外周部空間2iに放出される。
【0067】以上説明したように、ボス部外側空間2h
の中間圧力Pm1は、中間圧調整スプリング3mのバネ
力と中間圧調整弁3lの中間圧露出面積とに応じて略決
定される所定の圧力αにより制御され、Pm1=Ps+
αと表すことができる。なお、Psは吸入雰囲気圧力
(低圧)を表す。
【0068】他方、揺動スクロール2の台板部2aに形
成された抽気孔2jの下側開口部2kは、コンプライア
ントフレーム3に設けられた連通孔3sのスラスト軸受
3a側開口部である上側開口部3u(図5において上面
側の開口部)と、常時または間欠的に連通する。このた
め、固定スクロール1と揺動スクロール2とで形成され
る圧縮室から、圧縮途上の吸入圧力以上、吐出圧力以下
の中間圧の冷媒ガスが、揺動スクロール2の抽気孔2j
およびコンプライアントフレーム3の連通孔3sを介し
て、フレーム空間15fに導かれる。
【0069】なお、フレーム空間15fは、上側シール
材16aと下側シール材16bとによって密閉された閉
空間であるため、定常運転時には圧縮室の圧力変動に対
応して、圧縮室とフレーム空間15fとの間で、双方向
に微弱な流れが生じている。
【0070】このように、フレーム空間15fの中間圧
Pm2は、連通する圧縮室の位置に応じて略決定される
所定の倍率βにより制御され、Pm2=Ps×βと表す
ことができる。
【0071】コンプライアントフレーム3には、ボス部
外側空間2hの中間圧Pm1に起因する力およびスラス
ト軸受3aを介した揺動スクロール2からの押付け力の
合力が下向きの力として作用する一方、フレーム空間1
5fの中間圧Pm2に起因する力および下端面の高圧雰
囲気に露出している部分に作用する高圧に起因する力の
合力が上向きの力として作用し、定常運転時には、この
上向きの力が下向きの力より大きくなるように設定され
ている。
【0072】このためコンプライアントフレーム3は、
その上側嵌合円周外面3dがガイドフレーム15の上側
嵌合円周内面15aに、その下側嵌合円周外面3eがガ
イドフレーム15の下側嵌合円周内面15bに、それぞ
れ案内され、ガイドフレーム15に対して軸方向に摺動
可能となり、固定スクロール1側(図5において上側)
に浮き上がる。そして、スラスト軸受3aを介してコン
プライアントフレーム3に押し付けられている揺動スク
ロール2も、同じく上方に浮き上がり、この結果、揺動
スクロール2の歯先は固定スクロール1の歯底に、揺動
スクロール2の歯底は固定スクロール1の歯先に、それ
ぞれ当接した状態で摺動する。
【0073】一方、コンプライアントフレーム3の主軸
受け3cおよび補助主軸受け3hには、冷媒ガスを圧縮
するときに生ずるガス負荷、バランスウェイトの遠心力
および揺動スクロール2の遠心力等の力が、主軸4に直
交する方向に作用する。この力は、コンプライアントフ
レーム3の上側嵌合円周外面3dと下側嵌合円周外面3
eを介して、ガイドフレーム15に伝達され、さらに、
ガイドフレーム15から密閉容器10との締結部分に伝
達される。
【0074】ここで、コンプライアントフレーム3の主
軸受け3cおよび補助主軸受け3hには、常に軸方向に
平行な均一荷重が作用するのではなく、ガイドフレーム
15の上側嵌合円周内面15aに作用する荷重と下側嵌
合円周内面15bに作用する荷重とは等しくない。ガイ
ドフレーム15の上側嵌合円周内面15aと下側嵌合円
周内面15bに作用する荷重の合力の作用点は、ガイド
フレーム15と密閉容器10との締結部分と、軸方向に
同じ位置であれば、ガイドフレーム15と密閉容器10
との締結部分にモーメントが作用することはない。
【0075】しかし、通常、この合力の作用点は、圧縮
機の負荷状態等により変化するため、設計の段階で、ガ
イドフレーム15と密閉容器10との締結部分にモーメ
ントが作用しないように、ガイドフレーム15とコンプ
ライアントフレーム3との支持面(上側嵌合円周内面1
5a,上側嵌合円周外面3dおよび下側嵌合円周内面1
5b,下側嵌合円周内面3e)の位置を決定することは
できない。
【0076】また、ガイドフレーム15と密閉容器10
との締結部分には、歪みが生じる。ガイドフレーム15
と密閉容器10との締結部分が、ガイドフレーム15の
上側嵌合円周内面15aおよび下側嵌合円周内面15b
に近い場合、この歪みがガイドフレーム15の上側嵌合
円周内面15aおよび下側嵌合円周内面15bに影響
し、コンプライアントフレーム3の、スムーズな摺動を
妨げたり、コンプライアントフレーム3が主軸4に対し
て偏心してしまうことがある。
【0077】しかし、本実施の形態のスクロール圧縮機
のように、ガイドフレーム15の上側嵌合円周内面15
aおよびコンプライアントフレーム3の上側嵌合円周外
面3dと、ガイドフレーム15の下側嵌合円周内面15
bおよびコンプライアントフレーム3の下側嵌合円周外
面3eとの略中間位置に、ガイドフレーム15と密閉容
器10との締結部分が形成されていることによって、締
結部分に作用するモーメントを、多様な負荷条件に対応
して、共通して小さくすることができ、またガイドフレ
ーム15と密閉容器10との締結部分の歪みの影響も小
さくすることができる。
【0078】また、ガイドフレーム15と密閉容器10
との締結部分以外のガイドフレーム15の外周面15g
と密閉容器10の内周面10aとには、密閉容器10の
変形等により、密閉容器10の内周面10aが、ガイド
フレーム15の外周面15gおよび固定スクロール1の
外周面1jに接触しない程度の隙間が形成されているた
め、これらの接触による異音の発生を防止することがで
きる。
【0079】実施の形態2.図4は、本発明の実施の形
態2であるスクロール圧縮機の要部断面図である。実施
の形態1のスクロール圧縮機では、ガイドフレーム15
に設けられたリブ15jが、アークスポット溶接または
焼嵌めにより、密閉容器10と締結されていたが、この
締結方法を変更したものが、実施の形態2のスクロール
圧縮機である。以下に、この締結方法を説明する。
【0080】ガイドフレーム15の外周には、密閉容器
10と締結するための、周方向に延びるリブ15jが形
成されており、このリブ15jには円形状の凹部15k
が少なくとも3箇所以上設けられている。ガイドフレー
ム15と密閉容器10との締結は、ガイドフレーム15
を、密閉容器10内の所定の位置に挿入し、その後に、
ガイドフレーム15の円形状の凹部15kに対応する密
閉容器10の部分を押圧することにより、密閉容器10
の内壁面に凸部10gを形成し、この凸部10gがガイ
ドフレーム15の円形状の凹部15kに加締められるこ
とにより、両者の締結を強固なものとすることができ
る。
【0081】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、ガイドフレームと密閉容器とが、コンプライアント
フレームとガイドフレームとの間の2箇所以上の支持位
置に対応する軸方向範囲内において、締結されているた
め、コンプライアントフレームから、2箇所以上の支持
位置を通じてガイドフレームにモーメントが作用して
も、ガイドフレームは、これらの支持位置に対応する軸
方向の範囲内で、密閉容器に締結されて支持されている
ため、その締結部分に関するモーメントは、コンプライ
アントフレームから作用するモーメントより小さくな
り、この締結部分に生じる負荷を低減することができ
る。
【0082】また、つぎの発明によれば、コンプライア
ントフレームからガイドフレームに作用するモーメント
は、2箇所の支持位置から作用するが、ガイドフレーム
は、この2箇所の支持位置の、軸方向における略中間位
置において、密閉容器に締結されているため、この締結
部分は、軸方向に関して、双方の支持位置と略等距離と
なり、締結位置に関するモーメントを極小化することが
できる。この結果、締結部分に過大な力が作用すること
なく、安定した締結を得ることができる。また、ガイド
フレームと密閉容器を締結する際にガイドフレームの締
結部分に生じる歪みによる、嵌合円周面に対する影響を
極小化することができるため、コンプライアントフレー
ムの、軸方向への摺動動作に支障が生じたり、コンプラ
イアントフレームが主軸に対して偏心するということが
なく、信頼性が向上する。
【0083】また、つぎの発明によれば、ガイドフレー
ムおよび密閉容器の締結位置と、密閉容器に対する電動
機部の固定子の固定支持位置との、密閉容器の周方向に
おける位相位置を一致させてなることにより、固定子を
密閉容器に固定支持することによって、密閉容器の当該
固定支持位置に生じる歪みと、ガイドフレームを密閉容
器に締結することによって位置と、密閉容器の当該締結
位置に生じる歪みとを、密閉容器の周方向に関して略一
致させることができるため、一方の歪みが、他方の歪み
に与える影響を極小化することができ、ガイドフレーム
の中心と固定子の中心とのずれを低減し、固定子と電動
機部の回転子とのエアギャップを、全周に亘って略均等
にすることができる。
【0084】また、つぎの発明によれば、ガイドフレー
ムの外周部分に、周方向に延びて形成されたリブにおい
て、密閉容器と締結したことにより、締結強度を向上さ
せることができる。
【0085】また、つぎの発明によれば、ガイドフレー
ムのリブと密閉容器とを、焼嵌めまたはアークスポット
溶接によって締結したことにより、ガイドフレームのリ
ブと密閉容器とを、焼嵌めまたはアークスポット溶接に
よって締結したことにより、従来と同様の締結作業性を
確保しつつ、上述した締結強度の向上を図ることができ
る。
【0086】また、つぎの発明によれば、ガイドフレー
ムの外周に形成されたリブには、略円形状の凹部が3箇
所以上設けられており、この略円形状の凹部に密閉容器
を凸状に加締めて係合させたことにより、両者が強固に
締結され、信頼性を向上させることができる。
【0087】また、つぎの発明によれば、ガイドフレー
ムと密閉容器との溶接等による締結部分を除いた部分
や、固定スクロールと密閉容器との間に、それぞれ間隙
が設けられているため、圧縮機運転中の振動によって、
これらガイドフレームの締結部分以外の部分や固定スク
ロールが、密閉容器内面と接触するのを防止することが
でき、接触によってビビリ音等の異常騒音が発生するの
を防止することができ、低騒音のスクロール圧縮機とす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1であるスクロール圧
縮機を示す縦断面図である。
【図2】 ガイドフレームと密閉容器との、軸方向の締
結位置を示す図である。
【図3】 密閉容器に電動機部の固定子を焼嵌めまたは
圧入した状態を示す平面図である。
【図4】 この発明の実施の形態2であるスクロール圧
縮機を示す要部断面図である。
【図5】 従来のスクロール圧縮機の縦断面図である。
【符号の説明】
1 固定スクロール、2 揺動スクロール、3 コンプ
ライアントフレーム、4 主軸、7 固定子、8 回転
子、10 密閉容器、10a 内周面、15ガイドフレ
ーム、15g 外周面、15j リブ。
フロントページの続き (72)発明者 池田 清春 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 小川 喜英 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 瀬畑 崇史 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 佐野 文昭 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 3H039 AA06 AA12 BB01 BB02 BB03 BB05 BB07 BB11 BB15 CC09 CC22 CC29 CC33

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器内に設けられ、それぞれの板状
    渦巻歯が相互間に圧縮室を形成するように噛み合わされ
    た固定スクロールおよび揺動スクロールと、前記揺動ス
    クロールを軸方向に支持しつつ回転駆動させる主軸を半
    径方向に支持するコンプライアントフレームと、前記コ
    ンプライアントフレームを軸方向の異なる2箇所以上に
    おいて半径方向に支持するとともに、前記密閉容器に締
    結されたガイドフレームとを備え、前記ガイドフレーム
    に対する前記コンプライアントフレームの軸方向への摺
    動によって、前記揺動スクロールを軸方向に移動可能と
    したスクロール圧縮機であって、 前記コンプライアントフレームと前記ガイドフレームと
    の間の前記2箇所以上の支持位置に対応する軸方向範囲
    内において前記ガイドフレームと前記密閉容器とを締結
    したことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 前記コンプライアントフレームと前記ガ
    イドフレームとの間の前記支持位置が2箇所であり、該
    2箇所の支持位置に対応する軸方向略中間位置において
    前記ガイドフレームと前記密閉容器とを締結したことを
    特徴とする請求項1に記載のスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】 前記ガイドフレームおよび前記密閉容器
    の締結位置と前記密閉容器に対する電動機部の固定子の
    固定支持位置とを、前記密閉容器の周方向における位相
    位置を一致させたことを特徴とする請求項1または2に
    記載のスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】 前記ガイドフレームの外周に沿って延
    び、前記密閉容器の内面に密接するリブを形成し、該リ
    ブの周方向における3箇所以上の部分を前記密閉容器に
    締結したことを特徴とする請求項1〜3のうちいずれか
    一つに記載のスクロール圧縮機。
  5. 【請求項5】 焼嵌めまたはアークスポット溶接によ
    り、前記リブと前記密閉容器とを締結したことを特徴と
    する請求項4に記載のスクロール圧縮機。
  6. 【請求項6】 前記リブには略円形状の凹部が3箇所以
    上設けられており、この略円形状の凹部に前記密閉容器
    を凸状に加締めて係合したことを特徴とする請求項4ま
    たは5に記載のスクロール圧縮機。
  7. 【請求項7】 前記ガイドフレームと前記密閉容器との
    締結部分以外の前記ガイドフレームの外周面および前記
    固定スクロールの外周面と前記密閉容器の内周面との間
    に、それぞれ間隙を設けたことを特徴とする請求項4〜
    6のうちいずれか一つに記載のスクロール圧縮機。
JP2001020133A 2001-01-29 2001-01-29 スクロール圧縮機 Pending JP2002221166A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001020133A JP2002221166A (ja) 2001-01-29 2001-01-29 スクロール圧縮機
US10/055,903 US6648618B2 (en) 2001-01-29 2002-01-28 Scroll compressor
CNB021084858A CN1237280C (zh) 2001-01-29 2002-01-29 涡旋式压缩机
GB0202014A GB2374120B (en) 2001-01-29 2002-01-29 Scroll compressor

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001020133A JP2002221166A (ja) 2001-01-29 2001-01-29 スクロール圧縮機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002221166A true JP2002221166A (ja) 2002-08-09

Family

ID=18885895

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001020133A Pending JP2002221166A (ja) 2001-01-29 2001-01-29 スクロール圧縮機

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6648618B2 (ja)
JP (1) JP2002221166A (ja)
CN (1) CN1237280C (ja)
GB (1) GB2374120B (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020051266A (ja) * 2018-09-25 2020-04-02 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3988435B2 (ja) 2001-10-29 2007-10-10 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
GB2385638B (en) * 2001-10-29 2003-10-22 Mitsubishi Electric Corp A Scroll compressor
JP4269907B2 (ja) * 2003-11-21 2009-05-27 株式会社豊田自動織機 密閉型電動圧縮機におけるステータコアの組み付け方法
WO2020067739A1 (en) * 2018-09-28 2020-04-02 Samsung Electronics Co., Ltd. Scroll compressor

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1042969C (zh) 1993-11-05 1999-04-14 三菱电机株式会社 涡旋压缩机
JP3661454B2 (ja) 1998-11-20 2005-06-15 三菱電機株式会社 スクロ−ル圧縮機
JP3893487B2 (ja) 1997-10-01 2007-03-14 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
JP3690184B2 (ja) 1999-05-18 2005-08-31 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
JP3863685B2 (ja) * 1999-05-31 2006-12-27 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機
JP2001050180A (ja) 1999-08-03 2001-02-23 Mitsubishi Electric Corp スクロ−ル圧縮機
JP2001304147A (ja) 2000-04-27 2001-10-31 Mitsubishi Electric Corp スクロール圧縮機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020051266A (ja) * 2018-09-25 2020-04-02 三菱電機株式会社 スクロール圧縮機

Also Published As

Publication number Publication date
GB2374120B (en) 2003-04-23
US6648618B2 (en) 2003-11-18
CN1237280C (zh) 2006-01-18
GB2374120A (en) 2002-10-09
CN1373300A (zh) 2002-10-09
US20020102175A1 (en) 2002-08-01
GB0202014D0 (en) 2002-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4488222B2 (ja) スクロール圧縮機
US4968232A (en) Axial sealing mechanism for a scroll type compressor
EP2592275B1 (en) Scroll compressor
JPH07259757A (ja) 回転式スクロール圧縮機
CN113614377B (zh) 涡旋式压缩机
US9523361B2 (en) Scroll compressor having back pressure chamber that operatively contains a discharge pressure and an intermediate pressure during different periods of time within a single compression cycle
WO2017141342A1 (ja) スクロール圧縮機
JP2005188516A (ja) スクロール圧縮機の製造方法
EP1024289A2 (en) Scroll-type compressor
EP0400951A1 (en) Axial sealing mechanism for a scroll type compressor
JP2002221166A (ja) スクロール圧縮機
US20100183465A1 (en) Scroll Compressor
JP3863685B2 (ja) スクロール圧縮機
US20200080557A1 (en) Motor-operated compressor
JP2001304147A (ja) スクロール圧縮機
JP2005264931A (ja) スクロール圧縮機
US20240060494A1 (en) Scroll compressor
EP4273402A1 (en) Scroll compressor
JP2003161271A (ja) 圧縮機
JP2003262193A (ja) 密閉型圧縮機
JP2001050180A (ja) スクロ−ル圧縮機
JP2000329075A (ja) スクロール圧縮機
WO2020213155A1 (ja) スクロール圧縮機
JP6627557B2 (ja) 軸受ハウジング、および、回転機械
JP3909524B2 (ja) スクロール圧縮機