JPH08261170A - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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Publication number
JPH08261170A
JPH08261170A JP6908395A JP6908395A JPH08261170A JP H08261170 A JPH08261170 A JP H08261170A JP 6908395 A JP6908395 A JP 6908395A JP 6908395 A JP6908395 A JP 6908395A JP H08261170 A JPH08261170 A JP H08261170A
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fixed scroll
spiral
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Application number
JP6908395A
Other languages
English (en)
Inventor
Masayuki Tsunoda
昌之 角田
Fumiaki Sano
文昭 佐野
Hiroshi Ogawa
博史 小川
Shuji Mogi
周二 茂木
Kiyoharu Ikeda
清春 池田
Yoshihide Ogawa
喜英 小川
Eiji Watanabe
英治 渡辺
Norihide Kobayashi
教秀 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スクロールの熱膨張、撓みによる運転効率の
低下が少ないスクロール圧縮機を得る。 【構成】 固定スクロール(2)をフレーム(13)に支持す
る支持手段(41)及び固定スクロール(2)を揺動スクロー
ル(8)に押圧する押圧手段(42)を、固定渦巻歯(5)の歯先
端面(23)押付け力が少なく、また固定スクロール(2)の
ばたつき発生を抑制するように設定する。すなわち、歯
先端面(23)押付けの反力位置を確定し、その位置以外の
位置での歯先端面(23)隙間を極小に保つと共に、歯先端
面(23)押付けの反力位置に基づいて必要最少限の中間背
圧力を設定する。 【効果】 渦巻歯の歯先端面隙間に起因する損失、歯先
端面押付けに起因する摺動損失が減少し、運転効率を向
上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、揺動スクロール及び
固定スクロールが設けられて冷凍機、空気調和機等の圧
縮機として使用されるスクロール圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】図7は、例えば特開昭62−19998
6号公報に示された従来のスクロール圧縮機を示す縦断
面図である。図において、(1)は密閉容器、(2)は固定ス
クロールで、密閉容器(1)内の一方の端部面(3)寄りに配
置されて外周が円柱面をなす台板(4)、台板(4)の反端部
面(3)側に形成された板状の固定渦巻歯(5)、台板(4)の
中心部に設けられて上記端部面(3)側に突出した円筒部
(6)、及び台板(4)と円筒部(6)の中心部に配置された吐
出ポート(7)が設けられている。
【0003】(8)は揺動スクロールで、固定渦巻歯(5)と
対向した台板(9)に設けられて固定渦巻歯(5)と係合して
圧縮室(10)を形成する揺動渦巻歯(11)及び台板(9)の反
揺動渦巻歯(11)側に形成されたボス(12)が設けられてい
る。(13)はフレームで、外周部が密閉容器(1)内に固定
されて揺動スクロール(9)の反固定スクロール(2)側に配
置され、揺動スクロール(8)のスラスト負荷を支持す
る。
【0004】(14)は高低圧セパレータで、固定スクロー
ル(2)と密閉容器(1)の端部面(3)の間に固定され、2段
の凹所が設けられて固定スクロール(2)の台板(4)の外周
縁部及び円筒部(6)がそれぞれ嵌合されると共に、フレ
ーム(13)の上端面(15)が固定されている。(16)は高低圧
セパレータ(14)及び固定スクロール(2)に圧入されたピ
ンで、固定スクロール(2)の径方向及び回動方向変位を
拘束する。
【0005】(17)はシールで、固定スクロール(2)の円
筒部(6)と高低圧セパレータ(14)の嵌合面の間に設けら
れて固定スクロール(2)及び揺動スクロール(8)によって
形成される高圧部と低圧部を区画する。(18)は揺動スク
ロール(8)の台板(9)とフレーム(13)の間に設けられたオ
ルダム継手で、揺動スクロール(8)の自転を拘束すると
共に揺動スクロール(8)とフレーム(13)の相互を位置決
めする。
【0006】(19)は密閉容器(1)に設けられた電動機
(図示しない)の軸で、フレーム(13)によりラジアル方
向に支持され、かつ揺動スクロール(8)のボス(12)に嵌
合されて揺動スクロール(8)を駆動する。
【0007】従来のスクロール圧縮機は上記のように構
成され、電動機が通電されると軸(19)により揺動スクロ
ール(8)が駆動される。これにより、固定渦巻歯(5)と揺
動渦巻歯(11)によって形成された圧縮室(10)の容積が渦
巻歯の外周から内周に向かって減少する。そして、低圧
の冷媒ガスが圧縮室(10)へ流入し圧縮されて、高圧の冷
媒ガスとなり固定スクロール(2)の吐出ポート(7)から送
出される。
【0008】このときに、固定スクロール(2)には圧縮
室(10)内の冷媒ガス圧力による密閉容器(1)端部面(3)方
向の押圧力が作用する。また、固定スクロール(2)の高
低圧セパレータ(16)側には、シール(17)により区画され
た高圧が作用するので、固定スクロール(2)が揺動スク
ロール(8)に押圧される。
【0009】また、固定スクロール(2)において、固定
渦巻歯(5)に圧縮室(10)の冷媒ガス圧に起因するラジア
ル方向の荷重が作用する。この荷重は固定スクロール
(2)の台板(4)に圧入されたピン(16)、高低圧セパレータ
(14)を介して密閉容器(1)に伝達されるようになってい
る。
【0010】また図8は、例えば特開昭63−8008
8号公報に示された他の従来のスクロール圧縮機を示す
縦断面図である。図において、図7と同符号は相当部分
を示し、(2)は台板(4)の外周部に互いに離れてそれぞれ
4箇所のねじ穴が設けられた固定スクロールである。
【0011】(20)は板ばねで、固定スクロール(2)の台
板(4)4箇所のねじ穴に対応したボルト用挿通孔が設け
られている。そして、4箇所のボルト用挿通孔のうち両
端寄りの2つのボルト用挿通孔にそれぞれ挿通されたボ
ルトによって固定スクロール(2)の台板(4)に締結されて
いる。また、4箇所のボルト用挿通孔のうち中央寄りの
2つのボルト用挿通孔にそれぞれ挿通されたボルト(21)
によってフレーム(13)の上端面(15)に締結されている。
【0012】上記のように構成された図8に示す従来の
他のスクロール圧縮機においても、図7のスクロール圧
縮機と同様に動作して冷媒ガスが圧縮される。また、板
ばね(20)によって固定スクロール(2)とフレーム(13)の
両者は、軸方向に弾性連結され、かつラジアル方向及び
回動方向には変位不能に結合されている。
【0013】また図9〜図11は、例えば特開昭58−
133491号公報に示された他の従来のスクロール圧
縮機を示す図で、図9は縦断面図、図10は図9の固定
スクロールの断面図、図11は図9の揺動スクロールの
断面図である。図において、図7と同符号は相当部分を
示し、(22)は固定スクロール(2)固定渦巻歯(5)の相互間
の台板(4)面に形成された歯底面、(23)は固定渦巻歯(5)
の歯先端面、(24)は密閉容器(1)に設けられて軸(19)を
有する電動機である。
【0014】上記のように構成された図9〜図11に示
す従来の他のスクロール圧縮機においても、図7のスク
ロール圧縮機と同様に動作して冷媒ガスが圧縮される。
そして、固定スクロール(2)の台板(4)は密閉容器(1)の
端面部(3)側の吐出圧を受け、固定渦巻歯(5)側に中央部
が突出湾曲する撓みを生じる
【0015】これに対して、固定スクロール(2)の温度
差による中央部の熱膨張と台板(4)の吐出圧による撓み
との相殺を考慮した上で、固定スクロール(2)の中央部
での歯先端面と歯底面との局所的な接触を避けるよう
に、図10及び図11に示すように固定渦巻歯(5)及び
揺動渦巻歯(11)の歯高を渦巻の中央部で低く設定してあ
る。したがって、この構成ではスクロール圧縮機の停止
時の歯先端面と対向した歯底面の隙間が外周部よりも中
央部で大きくなる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記のような図7と図
8のそれぞれに示す従来のスクロール圧縮機において、
運転中の固定渦巻歯(5)の歯先端面押付け反力位置を確
定して、それに基づいたモーメントの釣り合いに従った
固定スクロール(2)の背圧押付け力の設定が行われてい
ない。また、図9〜図11に示す従来のスクロール圧縮
機において、固定スクロール(2)の吐出圧による固定渦
巻歯(5)側への台板(4)における中央部の突出湾曲及び温
度差による熱膨張による台板(4)の撓みの相殺を考慮し
て渦巻歯の歯高が設定されるものの、揺動スクロール
(8)台板(9)の撓み分の相殺を考慮して渦巻歯の最外側寄
りも低い歯高にすることは行われていない。
【0017】このため、スクロール圧縮機の運転中にス
クロール台板の撓みによって歯先端面に隙間が生じ、体
積効率の低下や内部漏れ損失の増大によって性能が低下
するという問題点があった。また、歯先端面押付けの反
力位置が変わることによって押付け力不足となり固定ス
クロール(2)にばたつきが発生する。また、歯先端面押
付けの反力位置の移動を許容するような背圧力を設定し
た場合には、不必要に過大な歯先端面押付け力となって
歯先摺動損失、スラスト損失が増加するという問題点が
あった。
【0018】この発明は、かかる問題点を解消するため
になされたものであり、スクロールの熱膨張、渦巻歯の
歯先端面押付け力及び冷媒ガス圧によって生じる台板の
撓みに対して、渦巻歯の歯先端面隙間の分布を適正に保
ち、体積効率の低下や内部漏れ損失の増大が抑制された
スクロール圧縮機を得ることを目的とする。また、渦巻
歯の歯先端面押付け力を必要最少限に設定することによ
り歯先とスラストの摺動損失の少ないスクロール圧縮機
を得ることを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】この発明に係るスクロー
ル圧縮機においては、密閉容器に配置されて台板及びこ
の台板の一側に配置された固定渦巻歯が設けられた固定
スクロールと、この固定スクロールの径方向及び回動方
向変位を拘束し軸方向に変位可能に密閉容器に支持する
支持手段と、密閉容器内に設けられて固定渦巻歯に対向
して配置された台板及びこの台板に設けられて固定渦巻
歯と係合して圧縮室を形成する揺動渦巻歯が装備され、
駆動されて固定スクロールに対して揺動運動する揺動ス
クロールと、固定スクロールを揺動スクロールに押圧し
て固定渦巻歯の歯先端面を対向した部材に押付ける押圧
手段とを備え、歯先端面押付け力をFtp、歯先端面押付
け力の反力位置半径をrtp、固定スクロールに作用する
半径方向力をFrd、固定渦巻歯の歯高中央から支持手段
までの軸方向距離を1としたとき1×Frd=rtp×Ftp
なる関係に関連部材が構成される。
【0020】また、この発明に係るスクロール圧縮機に
おいては、上面から下面に貫通した抽気孔が設けられて
密閉容器に配置された台板及びこの台板の一側に配置さ
れた固定渦巻歯が設けられた固定スクロールと、この固
定スクロールの径方向及び回動方向変位を拘束し軸方向
に変位可能に密閉容器に支持する支持手段と、密閉容器
内に設けられて固定渦巻歯に対向して配置された台板及
びこの台板に設けられて固定渦巻歯と係合して抽気孔に
より下記中間背圧室に連通した圧縮室を形成する揺動渦
巻歯が装備され、駆動されて固定スクロールに対して揺
動運動する揺動スクロールと、密閉容器内に固定されて
この密閉容器の端部面と固定スクロールの台板の間に配
置され、固定スクロールの吐出ポートに連通した吐出ポ
ートが設けられて吐出圧空間を形成すると共に、固定ス
クロールの台板との間に固定スクロールに軸方向の押付
け力を作用させる少なくとも中間背圧室を形成する高低
圧セパレータとを備え、固定スクロール軸方向の押付け
力による固定渦巻歯の歯先端面押付け力をFtp、歯先端
面押付け力の反力位置半径をrtp、固定スクロールに作
用する半径方向力をFrd、固定渦巻歯の歯高中央から支
持手段までの軸方向距離を1としたとき、中間背圧室の
内径、外径と抽気孔の渦巻歯伸開角に対応して示される
抽気孔位置とが1×Frd=rtp×Ftpを満たすFtpを得
る組合わせに構成される。
【0021】また、この発明に係るスクロール圧縮機に
おいては、密閉容器に配置されて台板及びこの台板の一
側に配置された固定渦巻歯が設けられた固定スクロール
と、この固定スクロールの径方向及び回動方向変位を拘
束し軸方向に変位可能に密閉容器に支持する支持手段
と、密閉容器内に設けられて固定渦巻歯に対向して配置
された台板及びこの台板に設けられて固定渦巻歯と係合
して圧縮室を形成する揺動渦巻歯が装備され、駆動され
て固定スクロールに対して揺動運動する揺動スクロール
と、固定スクロールを揺動スクロールに押圧して固定渦
巻歯の歯先端面を対向した部材に押付ける押圧手段とを
備え、歯先端面押付け力の反力位置半径rtpができるだ
け大きくなるように渦巻歯最外周の歯高を運転中に微小
に高くなる寸法に設定し、押圧手段による歯先端面押付
け力をFtp、固定スクロールに作用する半径方向力をF
rd、固定渦巻歯の歯高中央から支持手段までの軸方向距
離を1としたときに1×Frd=rtp×Ftpなる関係にFt
pが設定される。
【0022】また、この発明に係るスクロール圧縮機に
おいては、固定スクロールの台板に設けられた吐出ポー
ト及び抽気孔に対向する位置の渦巻歯の歯先端に設けら
れて吐出ポート及び抽気孔の開口縁部との摺擦を回避す
る逃げを有する渦巻歯が設けられる。
【0023】また、この発明に係るスクロール圧縮機に
おいては、固定スクロールの台板に設けられた吐出ポー
ト及び抽気孔に対向する位置の渦巻歯の歯先端に設けら
れて吐出ポート及び抽気孔の開口縁部との摺擦を回避す
る逃げが、渦巻歯の歯高を低くすることにより構成され
る。
【0024】また、この発明に係るスクロール圧縮機に
おいては、上面から下面に貫通した抽気孔が設けられて
密閉容器に配置された台板及びこの台板の一側に配置さ
れた固定渦巻歯が設けられた固定スクロールと、この固
定スクロールの径方向及び回動方向変位を拘束し軸方向
に変位可能に密閉容器に支持する支持手段と、密閉容器
内に設けられて固定渦巻歯に対向して配置された台板及
びこの台板に設けられて固定渦巻歯と係合し抽気孔によ
り下記中間背圧室に連通した圧縮室を形成する揺動渦巻
歯が装備され、駆動されて固定スクロールに対し揺動運
動する揺動スクロールと、密閉容器内に固定されてこの
密閉容器の端部面と固定スクロールの台板の間に配置さ
れ、固定スクロールの吐出ポートに連通した吐出ポート
が設けられて吐出圧空間を形成すると共に、固定スクロ
ールの台板との間に固定スクロールに軸方向の押付け力
を作用させる少なくとも中間背圧室を形成する高低圧セ
パレータとを備え、渦巻歯の運転中における温度上昇に
よる熱膨張変形と台板の運転中における変形とを相殺す
る寸法に渦巻歯の組立時の歯高寸法が、渦巻歯の最外周
と中心部の中間を高く、最外周及び中心部を低く設定さ
れる。
【0025】また、この発明に係るスクロール圧縮機に
おいては、相互に異なる材質により製作された固定スク
ロール及び揺動スクロールの両者が設けられて、これら
両者のそれぞれの材質の熱膨張係数及び縦弾性係数に応
じて渦巻歯の組立時の歯高寸法について、渦巻歯の運転
中における温度上昇による熱膨張変形と台板の運転中に
おける変形とを相殺する寸法に渦巻歯の組立時の歯高寸
法が、渦巻歯の最外周と中心部の中間を高く、最外周及
び中心部を低く設定される。
【0026】また、この発明に係るスクロール圧縮機に
おいては、固定渦巻歯及び揺動渦巻歯相互のなじみ性を
向上する磨耗し易い物質が被覆処理されてなる渦巻歯が
設けられて、渦巻歯の運転中における温度上昇による熱
膨張変形と台板の運転中における変形とを相殺する寸法
に渦巻歯の組立時の歯高寸法が、渦巻歯の最外周と中心
部の中間を高く、最外周及び中心部を低く設定される。
【0027】また、この発明に係るスクロール圧縮機に
おいては、固定渦巻歯及び揺動渦巻歯相互のなじみ性を
向上する磨耗し易い物質が被覆処理されてなる一方の渦
巻歯並びに摺動性を増す物質により表面処理されてなる
他方の渦巻歯が設けられて、渦巻歯の運転中における温
度上昇による熱膨張変形と台板の運転中における変形と
を相殺する寸法に渦巻歯の組立時の歯高寸法が、渦巻歯
の最外周と中心部の中間を高く、最外周及び中心部を低
く設定される。
【0028】
【作用】上記のように構成されたスクロール圧縮機で
は、歯先端面押付け力をFtp、歯先端面押付け力の反力
位置半径をrtp、固定スクロールに作用する半径方向力
をFrd、固定渦巻歯の歯高中央から支持手段までの軸方
向距離を1としたとき1×Frd=rtp×Ftpなる関係に
関連部材が構成される。これによって、渦巻の歯先押付
け力を固定スクロールのばたつきが許容レベル内で最小
限にできる。
【0029】また、上記のように構成されたスクロール
圧縮機では、固定スクロール軸方向の押付け力による固
定渦巻歯の歯先端面押付け力をFtp、歯先端面押付け力
の反力位置半径をrtp、固定スクロールに作用する半径
方向力をFrd、固定渦巻歯の歯高中央から支持手段まで
の軸方向距離を1としたとき、中間背圧室の内径、外径
と抽気孔の渦巻歯伸開角に対応して示される抽気孔位置
とが1×Frd=rtp×Ftpを満たすFtpを得る組合わせ
に構成される。これによって、渦巻の歯先押付け力を固
定スクロールのばたつきが許容レベル内で最小限にでき
る。
【0030】また、上記のように構成されたスクロール
圧縮機では、歯先端面押付け力の反力位置半径rtpがで
きるだけ大きくなるように渦巻歯最外周の歯高を運転中
に微小に高くなる寸法に設定し、押圧手段による歯先端
面押付け力をFtp、固定スクロールに作用する半径方向
力をFrd、固定渦巻歯の歯高中央から支持手段までの軸
方向距離を1としたときに1×Frd=rtp×Ftpなる関
係に上記Ftpが設定される。これによって、渦巻の歯先
押付け力を固定スクロールのばたつきが許容レベル内で
最小限にできる。
【0031】また、上記のように構成されたスクロール
圧縮機では、渦巻歯の歯先端の逃げにより対向した吐出
ポート及び抽気孔の開口縁部と歯先端との摺擦が回避さ
れる。これによって、渦巻歯の局所的な摩耗を防ぐこと
ができる。
【0032】また、上記のように構成されたスクロール
圧縮機では、渦巻歯の歯先端に設けられて渦巻歯の歯高
を低くして構成された逃げにより、対向した吐出ポート
及び抽気孔の開口縁部との摺擦が回避される。これによ
って、渦巻歯の局所的な摩耗を防ぐことができる。
【0033】また、上記のように構成されたスクロール
圧縮機では、渦巻歯の運転中における温度上昇による熱
膨張変形と台板の運転中における変形とを相殺する寸法
に渦巻歯の組立時の歯高寸法が、渦巻歯の最外周及び中
心部について最外周と中心部の中間よりも低くなるよう
に設定される。これによって、運転中の渦巻歯先すきま
を極小化して漏れ損失の増大を抑える。
【0034】また、上記のように構成されたスクロール
圧縮機では、相互に異なる材質により製作された固定ス
クロール及び揺動スクロールの両者のそれぞれの材質の
熱膨張係数及び縦弾性係数に応じて渦巻歯の組立時の歯
高寸法について、渦巻歯の運転中における温度上昇によ
る熱膨張変形と台板の運転中における変形とを相殺する
寸法に渦巻歯の組立時の歯高寸法が、渦巻歯の最外周及
び中心部について最外周と中心部の中間よりも低くなる
ように設定される。これによって、運転中の渦巻歯先す
きまを極小化して漏れ損失の増大を抑える。
【0035】また、上記のように構成されたスクロール
圧縮機では、固定渦巻歯及び揺動渦巻歯相互のなじみ性
を向上する磨耗し易い物質が被覆処理されてなる渦巻歯
が設けられて、渦巻歯の運転中における温度上昇による
熱膨張変形と台板の運転中における変形とを相殺する寸
法に渦巻歯の組立時の歯高寸法が、渦巻歯の最外周及び
中心部について最外周と中心部の中間よりも低くなるよ
うに設定される。これによって、運転中の渦巻歯先すき
まを極小化して漏れ損失の増大を抑える。
【0036】また、上記のように構成されたスクロール
圧縮機では、固定渦巻歯及び揺動渦巻歯相互のなじみ性
を向上する磨耗し易い物質が被覆処理されてなる一方の
渦巻歯並びに摺動性を増す物質により表面処理されてな
る他方の渦巻歯が設けられて、渦巻歯の運転中における
温度上昇による熱膨張変形と台板の運転中における変形
とを相殺する寸法に渦巻歯の組立時の歯高寸法が、渦巻
歯の最外周及び中心部について最外周と中心部の中間よ
りも低くなるように設定される。これによって、運転中
の渦巻歯すきまを極小化して漏れ損失の増大を抑える。
【0037】実施例1.図1〜図6は、この発明の一実
施例を示す図で、図1は縦断面図、図2は図1の固定ス
クロール箇所を分解して示す斜視図、図3は図1の固定
スクロールに作用する荷重を説明する側面図、図4は図
1の揺動スクロールの熱膨張による歯高の変化を説明す
る断面図、図5は図1の揺動スクロール作動時の撓みを
説明する断面図、図6は図1の揺動スクロールの歯先の
形状を説明する側面図である。図において、(1)は密閉
容器である。
【0038】(2)は固定スクロールで、密閉容器(1)内の
一方の端部面(3)寄りに配置された台板(4)、台板(4)の
反端部面(3)側に形成された板状の固定渦巻歯(5)、台板
(4)の中心部に配置された吐出ポート(7)、台板(4)の周
縁部に互いに離れて4箇所に設けられたねじ孔(25)及び
台板(4)周縁部におけるねじ孔(25)の相互間に設けら
れ、かつ互いに対向した2箇所に配置されたリーマ孔(2
6)が設けられている。
【0039】(22)は固定スクロール(2)固定渦巻歯(5)の
相互間の台板(4)面に形成された歯底面、(23)は固定渦
巻歯(5)の歯先端面である。(27)は台板(4)の端部面(3)
側に設けられた溝に嵌合されて吐出ポート(7)の周りに
配置され、高圧と中間圧を区画する内側シール、(28)は
台板(4)の端部面(3)側に設けられた溝に嵌合されて内側
シール(27)の外側に配置され、中間圧と低圧を区画する
外側シールである。
【0040】(8)は揺動スクロールで、固定渦巻歯(5)と
対向した台板(9)に設けられて固定渦巻歯(5)と係合して
圧縮室(10)を形成する揺動渦巻歯(11)及び台板(9)の反
揺動渦巻歯(11)側に形成されたボス(12)が設けられてい
る。(39)は揺動スクロール(8)揺動渦巻歯(11)の相互間
の台板(9)面に形成された歯底面、(40)は揺動渦巻歯(1
1)の歯先端面である。(13)はフレームで、上端面(15)が
固定スクロール(2)に対向し、外周部が密閉容器(1)内に
固定されて揺動スクロール(9)の反固定スクロール(2)側
に配置され、また揺動スクロール(8)のスラスト荷重を
支持する。
【0041】(14)は高低圧セパレータで、密閉容器(1)
に固定されて固定スクロール(2)と密閉容器(1)の端部面
(3)の間に配置され、固定スクロール(2)台板(4)、内側
シール(27)及び外側シール(28)とによって中間背圧室(2
9)を形成する。(30)は固定スクロール(2)の台板(4)を貫
通して設けられ圧縮室(10)及び中間背圧室(29)に連通し
た抽気孔である。
【0042】(18)は揺動スクロール(8)の台板(9)とフレ
ーム(13)の間に設けられたオルダム継手で、揺動スクロ
ール(8)の自転を拘束すると共に揺動スクロール(8)とフ
レーム(13)相互の位置決めをする。(19)は密閉容器(1)
に設けられた電動機(24)の軸で、フレーム(13)によりラ
ジアル方向に支持され、かつ軸端(31)がブッシュ(32)を
介して揺動スクロール(8)のボス(12)に嵌合されて揺動
スクロール(8)を駆動する。
【0043】(33)は板ばねで、固定スクロール(2)の台
板(4)とフレーム(13)の上端面(15)の間に配置されて台
板(4)のねじ孔(25)の2つに対応するリーマ孔及びこの
リーマ孔の相互間にさらに2つのリーマ孔が設けられて
いる。(34)はフレーム(13)の上端面(15)に設けられて板
ばね(33)の中央寄りの2つのリーマ孔に対応して設けら
れたねじ穴、(35)はフレーム(13)の上端面(15)に設けら
れて固定スクロール(2)台板(4)のリーマ孔(26)に対応し
て設けられたリーマ孔である。
【0044】(36)は固定スクロール(2)台板(4)のリーマ
孔(26)及びフレーム(13)上端面(15)のリーマ孔(35)に挿
通されたリーマピン、(37)は板ばね(33)の外寄りのリー
マ孔に挿通されて固定スクロール(2)台板(4)のねじ孔(2
5)にねじ込まれた下リーマボルト、(38)は板ばね(33)の
内寄りのリーマ孔に挿通されてフレーム(13)上端面(15)
のねじ穴(34)にねじ込まれた上リーマボルトである。
【0045】(41)はフレーム(13)、板ばね(33)、リーマ
ピン(36)、下リーマボルト(37)及び上リーマボルト(38)
を主要部とする支持手段である。(42)は押圧手段で、中
間背圧室(29)の中間圧等により形成されて固定スクロー
ル(2)を揺動スクロール(8)に押圧し、固定渦巻歯(5)の
歯先端面(23)を対向した部材に押付ける。
【0046】上記のように構成されたスクロール圧縮機
においても、図7のスクロール圧縮機と同様に動作して
冷媒ガスが圧縮される。そして、固定スクロール(2)に
は圧縮室(10)の冷媒ガス圧によって発生する押し上げ
力、すなわち図1における上方向の力が作用する。ま
た、固定スクロール(2)の高低圧セパレータ(14)側には
内側シール(27)の中心側には吐出圧が、中間背圧室(29)
箇所には中間圧がそれぞれ作用する。そして、これらに
よる荷重が総合されてなる押圧手段(42)によって固定ス
クロール(2)が揺動スクロール(8)に押圧される。
【0047】また、固定スクロール(2)には揺動スクロ
ール(8)と共に圧縮室(10)の冷媒ガス圧などに起因する
軸周り周方向のモーメントと径方向の力が固定渦巻歯
(5)に作用する。そして、揺動スクロール(8)の場合は径
方向の力をボス(12)により受け、周方向モーメントをオ
ルダム継手(18)で受ける。また、固定スクロール(2)に
おいては、軸周り周方向のモーメントと径方向の力を板
ばね(33)で受ける。
【0048】また、固定スクロール(2)は板ばね(33)に
対して軸方向と直交する平面内での運動がリーマボルト
(37)により拘束されている。そして、板ばね(33)も固定
スクロール(2)と同様に、フレーム(13)に対して軸方向
と直交する平面内での運動がリーマボルト(38)により拘
束されている。
【0049】さらに、板ばね(33)を固定スクロール(2)
に締結するリーマボルト(37)及び板ばね(33)をフレーム
(13)に締結するリーマボルト(38)がそれぞれ2個設けら
れている。このため、固定スクロール(2)の軸周りの回
動運動も拘束されている。すなわち、固定スクロール
(2)及びフレーム(13)は相互に支持手段(41)により板ば
ね(33)を介して軸方向には弾性連結され、径方向及び周
方向回動変位については固定結合されている。
【0050】そして、固定スクロール(2)に作用する力
の関係を図3によって説明する。すなわち、冷媒ガス圧
によって作用する軸方向のスラスト荷重をFgth、冷媒
ガス圧などにより作用する径方向の荷重をFrd、背圧力
による軸方向の押付け力をFbp、固定渦巻歯(5)の歯先
押付けの反力をFtp、板ばね(33)の径方向支持反力をF
spとすると次のようになる。
【0051】すなわち、軸方向の力の釣り合いから Ftp=Fbp−Fgth 径方向の力の釣り合いから Fsp=Frd である。なお、FgthとFbpは固定スクロール(2)の中心
に、Frdは固定渦巻歯(5)の歯高中央に作用する。
【0052】このように、固定スクロール(2)を軸方向
に微小運動可能に支持し、固定渦巻歯(5)の歯先端面(2
3)を揺動スクロール(8)の歯底面(39)又は揺動渦巻歯(1
1)の歯先端面(40)を固定スクロール(2)の歯底面(22)に
押付けることにより、揺動スクロール(8)の反揺動渦巻
歯(11)側のスラスト受けの摺動損失が歯先押付け力の分
よりも増大する。
【0053】これにより、固定渦巻歯(5)の歯先端面(2
3)と揺動スクロール(8)の歯底面(39)又は揺動渦巻歯(1
1)の歯先端面(40)と固定スクロール(2)の歯底面(22)の
押付けによる摺動損失が生じる。このため、これらの損
失を抑制して性能を向上するには背圧力Fbpを運転範囲
内の任意の条件で冷媒ガス圧によるスラスト荷重Fgth
よりも小さくならない範囲でできるだけ小さく設定する
方が望ましい。
【0054】しかし、図1〜図6の実施例においては固
定スクロール(2)を支持している板ばね(33)が軸方向の
弾性変形を許容している。このため、背圧力Fbpの設定
は固定スクロール(2)のモーメントの釣り合いによる転
覆防止を考慮に入れて行わなければならない。すなわ
ち、背圧力Fbpを冷媒ガス圧のスラスト荷重Fgthぎり
ぎりに設定したのでは固定スクロール(2)に過大なばた
つきが生じて、安定した運転ができなくなることがあ
る。
【0055】いま、1を固定渦巻歯(5)の歯高中央から
板ばね(33)による支持位置までの軸方向距離、rtpを歯
先端面(23)押付け力の反力位置半径とすると 1×Frd=rtp×Ftp 式1 を満たすFtp以上の歯先端面(23)押付け反力となるよう
に背圧力Fbpを設定しなければならない。
【0056】このように、固定スクロール(2)の転覆モ
ーメントを考慮した背圧力Fbpの設定を行うためには歯
先端面(23)押付け力の反力位置半径rtpを把握する必要
がある。また、組み合わせた渦巻歯の歯先端面と歯底面
との接触位置は渦巻歯の熱膨張と台板の撓みの影響を受
ける。すなわち、図4に示すように熱膨張により渦巻歯
の歯高が変化する。また、図5に示すように冷媒ガス圧
と渦巻歯の歯先端面押付け力により揺動スクロール(8)
台板(9)に撓みが発生する。
【0057】固定スクロール(2)及び揺動スクロール(8)
共に、中央部と外周部の温度差による渦巻歯の歯高の熱
膨張分布が生じる。このため、図4に示す歯高一定の渦
巻歯は図4に破線で示すように中凸形状となる。なお、
図4は揺動スクロール(8)の歯高変化を示す図である
が、固定スクロール(2)においても熱膨張による揺動ス
クロール(8)と同様の傾向の歯高分布が発生する。
【0058】また、従来では熱膨張の結果渦巻歯中央部
の歯先が焼き付くのを防止するために、予め外周部から
中央部へ次第に歯高が低くなる中凹形状の渦巻歯が設け
られることがあった。このような構成においては、渦巻
歯の歯先端面に適当な隙間を設定してチップシールによ
りシールして渦巻歯間の軸方向距離を固定した方式か、
揺動スクロール(8)に背圧を作用させて固定スクロール
(2)に押付ける方式かを採用している。
【0059】しかし、図1〜図6の実施例のように、歯
先端面にチップシールのようなシール材を設けず固定ス
クロール(2)を揺動スクロール(8)に押圧する構成では、
渦巻歯の歯高の変化は歯先端面隙間の増大と歯先端面押
付け力の反力位置の移動をもたらす。また、歯先端面隙
間は内部漏れ損失又は体積効率に影響し、歯先端面押付
け力の反力位置はモーメントの釣り合いを左右するの
で、性能と信頼性向上の両面を考慮した歯先形状の設定
が重要な解決点となる。
【0060】図1〜図6の実施例において、固定スクロ
ール(2)は台板(4)の固定渦巻歯(5)側の面には圧縮室(1
0)の冷媒ガス圧が作用し、台板(4)の反固定渦巻歯(5)側
の面には中間背圧室(29)の圧力が作用し、吐出ポート
(7)の吐出圧から外周部の吸入圧といふ似通った分布の
圧力を受ける。しかも、固定スクロール(2)は軸方向に
弾性支持されているので、固定スクロール(2)の台板(4)
に大きい撓みが生じるとは考えられない。
【0061】しかし、揺動スクロール(8)には揺動渦巻
歯(11)側の面に圧縮室(10)の冷媒ガス圧が、反揺動渦巻
歯(11)側の面には吸入圧が作用している。さらに、歯先
端面(40)の押付け力も作用し、これらの荷重を支持する
スラスト受けは外周に位置しているため、歯先形状を設
定するときの問題として図5に示すような傾向の無視で
きない量の台板(9)の撓みが発生する。
【0062】このような揺動スクロール(8)台板(9)の撓
みによって、揺動スクロール(8)の揺動渦巻歯(11)の歯
先端面(40)が中凹傾向となると共に、固定スクロール
(2)の固定渦巻歯(5)の歯先端面(23)の対向面としての揺
動スクロール(8)の歯底面(39)も中凹傾向となる。この
ため、予め渦巻歯の歯先形状を設定することにより歯先
端面隙間の最少化及び歯先端面押付け反力位置の設定を
行うに当たって、固定スクロール(2)及び揺動スクロー
ル(8)ともに、渦巻歯の熱膨張と揺動スクロール(8)台板
(9)の撓みを基にして渦巻歯の歯先形状が設定される。
【0063】そして、渦巻歯の熱膨張を相殺するための
中凹傾向と、揺動スクロール(8)台板(9)の撓みを相殺す
るための中凸傾向とを重ね合わせて得られる渦巻歯の歯
先形状は図6に示すようになる。すなわち、組立時に渦
巻歯の歯高の最高部は最外周ではなく、最外周と中心部
との中間部であり、この最高部から最外周及び中心部に
向かってそれぞれ次第に歯高が低くなるように設定され
る。
【0064】なお、図6は揺動スクロール(8)の渦巻歯
の歯先形状を示す図であるが、固定スクロール(2)につ
いても、揺動スクロール(8)と同様に渦巻歯の歯先形状
が設定される。また、鋳鉄製の固定スクロール(2)に対
して、遠心力の軽減を図るためにアルミニウム製の揺動
スクロール(8)が設けられる。このような固定スクロー
ル(2)及び揺動スクロール(8)それぞれの材料の熱膨張係
数を用いて渦巻歯の熱膨張を算定して渦巻歯の歯先形状
が設定される。
【0065】そして、図6に示すように渦巻歯の歯先形
状を設定することにより、運転時に渦巻歯の熱膨張に揺
動スクロール(8)台板(9)の撓みが加わる。これによっ
て、歯先端面押付け反力位置をできるだけ外側に保ちな
がら、押付け反力位置以外の箇所の歯先端面隙間が小さ
い状態に保持される。したがって、歯先端面隙間による
漏れ損失の増大と体積効率低下を抑制しながら、中間背
圧による歯先端面押付け力を前述の式1を満たす最少限
の値に設定することにより、歯先端面及びスラスト受け
の摺動損失を抑制することができる。
【0066】このようにして、運転中の渦巻歯の歯先端
面押付けの反力位置を確定し、その位置以外の位置での
歯先端面隙間を極小に保つと共に、歯先端面押付けの反
力位置に基づいて必要最少限の中間背圧力設定が行われ
る。これによって、渦巻の歯先すきまに起因する漏れ損
失と歯先押付け力に起因する摺動損失が少ない高効率の
スクロール圧縮機を実現することができる。
【0067】なお、歯先端面押付けを行うので、固定ス
クロール(2)台板(4)の吐出ポート(7)や抽気孔(30)の位
置において、揺動スクロール(8)の揺動渦巻歯(11)の歯
先端面(40)と固定スクロール(2)の台板(4)が摺動する。
このような摺動現象に対して、吐出ポート(7)や抽気孔
(30)に対向する位置の揺動スクロール(8)揺動渦巻歯(1
1)の歯高を低くするなどの逃げを設けることが望まし
い。
【0068】また、固定渦巻歯(5)、揺動渦巻歯(11)相
互のなじみ性を向上する物質、例えば二硫化モリブデン
の磨耗し易い被覆処理を渦巻歯に施すことなどの対策を
併用することが望ましい。また、固定渦巻歯(5)、揺動
渦巻歯(11)両者の一方に磨耗し易い物質の表面処理を施
す。また、上記両者の他方に摺動性を増す物質、例えば
鋳鉄材に対するマンガン処理、またアルミニウム材に対
する錫メッキ又はタフラム処理などのPTFEコーティ
ングを施すことなどの対策を併用することが望ましい。
【0069】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、密閉容
器内に配置された台板及び固定渦巻歯が装備された固定
スクロール並びに固定渦巻歯に対向して配置された台板
に固定渦巻歯と係合して圧縮室を形成する揺動渦巻歯が
装備された揺動スクロールを設け、また、固定スクロー
ルを径方向及び回動方向変位を拘束し軸方向に変位可能
に密閉容器に支持する支持手段並びに固定スクロールを
揺動スクロールに押圧して固定渦巻歯の歯先端面を対向
した部材に押付ける押圧手段を設けたものである。そし
て、歯先端面押付け力をFtp、歯先端面押付け力の反力
位置半径をrtp、固定スクロールに作用する半径方向力
をFrd、固定渦巻歯の歯高中央から支持手段までの軸方
向距離を1としたときに1×Frd=rtp×Ftpなる関係
に関連部材を構成したものである。
【0070】これによって、渦巻歯の歯先端面押付け力
が減少し、また固定スクロールのばたつき発生が抑制さ
れる。すなわち、運転中の渦巻歯の歯先端面押付けの反
力位置を確定し、その位置以外の位置での歯先端面隙間
を極小に保つと共に、歯先端面押付けの反力位置に基づ
いて必要最少限の中間背圧力が設定される。したがっ
て、渦巻歯の歯先端面隙間に起因する損失、歯先端面押
付けに起因する摺動損失が少なくなり、運転効率を向上
する効果がある。
【0071】また、この発明は以上説明したように、抽
気孔が設けられて密閉容器内に配置された台板及び固定
渦巻歯が装備された固定スクロール並びに固定渦巻歯に
対向して配置された台板に固定渦巻歯と係合し、抽気孔
を介して中間背圧室に連通した圧縮室を形成する揺動渦
巻歯が装備された揺動スクロールを設け、固定スクロー
ルの径方向及び回動方向変位を拘束し軸方向に変位可能
に密閉容器に支持する支持手段を設けて、また、密閉容
器内に固定されてこの密閉容器の端部面と固定スクロー
ルの台板の間に配置され、固定スクロールの吐出ポート
に連通した吐出ポートが設けられて吐出圧空間を形成す
ると共に、固定スクロールの台板との間に固定スクロー
ルに軸方向の押付け力を作用させる少なくとも中間背圧
室を形成する高低圧セパレータを設けたものである。ま
た、固定スクロール軸方向の押付け力による固定渦巻歯
の歯先端面押付け力をFtp、歯先端面押付け力の反力位
置半径をrtp、固定スクロールに作用する半径方向力を
Frd、固定渦巻歯の歯高中央から支持手段までの軸方向
距離を1としたとき、中間背圧室の内径、外径と抽気孔
の渦巻歯伸開角に対応して示される抽気孔位置とが1×
Frd=rtp×Ftpを満たすFtpを得る組合わせに構成し
たものである。
【0072】これによって、渦巻歯の歯先端面押付け力
が減少し、また固定スクロールのばたつき発生が抑制さ
れる。すなわち、運転中の渦巻歯の歯先端面押付けの反
力位置を確定し、その位置以外の位置での歯先端面隙間
を極小に保つと共に、歯先端面押付けの反力位置に基づ
いて必要最少限の中間背圧力が設定される。したがっ
て、渦巻の歯先すきまに起因する漏れ損失、歯先端面押
付けに起因する摺動損失が少なくなり、運転効率を向上
する効果がある。
【0073】また、この発明は以上説明したように、密
閉容器内に配置された台板及び固定渦巻歯が装備された
固定スクロール並びに固定渦巻歯に対向して配置された
台板に固定渦巻歯と係合して圧縮室を形成する揺動渦巻
歯が装備された揺動スクロールを設け、また、固定スク
ロールを径方向及び回動方向変位を拘束し軸方向に変位
可能に密閉容器に支持する支持手段並びに固定スクロー
ルを揺動スクロールに押圧して固定渦巻歯の歯先端面を
対向した部材に押付ける押圧手段を設けたものである。
そして、歯先端面押付け力の反力位置半径rtpができる
だけ大きくなるように渦巻歯最外周の歯高を運転中に微
小に高くなる寸法に設定し、押圧手段による歯先端面押
付け力をFtp、固定スクロールに作用する半径方向力を
Frd、固定渦巻歯の歯高中央から支持手段までの軸方向
距離を1としたときに1×Frd=rtp×Ftpなる関係に
Ftpを設定したものである。
【0074】これによって、渦巻歯の歯先端面押付け力
が減少し、また固定スクロールのばたつき発生が抑制さ
れる。すなわち、運転中の渦巻歯の歯先端面押付けの反
力位置を確定し、その位置以外の位置での歯先端面隙間
を極小に保つと共に、歯先端面押付けの反力位置に基づ
いて必要最少限の中間背圧力が設定される。したがっ
て、渦巻の歯先すきまに起因する漏れ損失、歯先端面押
付けに起因する摺動損失が少なくなり、運転効率を向上
する効果がある。
【0075】また、この発明は以上説明したように、固
定スクロールの台板に設けられた吐出ポート及び抽気孔
に対向する位置における渦巻歯の歯先端に設けられて吐
出ポート及び抽気孔の開口縁部との摺擦を回避する逃げ
を有する渦巻歯を設けたものである。
【0076】これによって、渦巻歯の歯先端の逃げによ
り対向した吐出ポート及び抽気孔の開口縁部と歯先端と
の摺擦が回避される。これによって、渦巻歯の局所的な
摩耗を防ぐ効果がある。
【0077】また、この発明は以上説明したように、固
定スクロールの台板に設けられた吐出ポート及び抽気孔
に対向する位置の渦巻歯の歯先端に設けられて吐出ポー
ト及び抽気孔の開口縁部との摺擦を回避する逃げを、渦
巻歯の歯高を低くして構成したものである。
【0078】これによって、渦巻歯の歯先端に設けられ
て渦巻歯の歯高を低くして構成された逃げにより、対向
した吐出ポート及び抽気孔の開口縁部との摺擦が回避さ
れる。これによって、渦巻歯の局所的な摩耗を防ぐ効果
がある。
【0079】また、この発明は以上説明したように、抽
気孔が設けられて密閉容器内に配置された台板及び固定
渦巻歯が装備された固定スクロール並びに固定渦巻歯に
対向して配置された台板に固定渦巻歯と係合し、抽気孔
を介して中間背圧室に連通した圧縮室を形成する揺動渦
巻歯が装備された揺動スクロールを設け、固定スクロー
ルの径方向及び回動方向変位を拘束し軸方向に変位可能
に密閉容器に支持する支持手段を設けて、また、密閉容
器内に固定されてこの密閉容器の端部面と固定スクロー
ルの台板の間に配置され、固定スクロールの吐出ポート
に連通した吐出ポートが設けられて吐出圧空間を形成す
ると共に、固定スクロールの台板との間に固定スクロー
ルに軸方向の押付け力を作用させる少なくとも中間背圧
室を形成する高低圧セパレータを設けたものである。そ
して、渦巻歯の運転中における温度上昇による熱膨張変
形と台板の運転中における変形とを相殺する寸法に渦巻
歯の組立時の歯高寸法を、渦巻歯の最外周及び中心部に
ついて最外周と中心部の中間よりも低く設定したもので
ある。
【0080】これによって、歯先端面押付け反力位置を
できるだけ外側に保ちながら、押付け反力位置以外の箇
所の歯先端面隙間が小さい状態に保持される。したがっ
て、歯先端面隙間による漏れ損失の増大と体積効率低下
を抑制しながら、歯先端面及びスラスト受けの摺動損失
を抑制することができ、運転効率を向上する効果があ
る。
【0081】また、この発明は以上説明したように、相
互に異なる材質により製作された固定スクロール及び揺
動スクロールの両者のそれぞれの材質の熱膨張係数及び
縦弾性係数に応じて、渦巻歯の組立時の歯高寸法につい
て渦巻歯の運転中における温度上昇による熱膨張変形と
台板の運転中における変形とを相殺する寸法に渦巻歯の
組立時の歯高寸法を、渦巻歯の最外周及び中心部につい
て最外周と中心部の中間よりも低く設定したものであ
る。
【0082】これによって、歯先端面押付け反力位置を
できるだけ外側に保ちながら、押付け反力位置以外の箇
所の歯先端面隙間が小さい状態に保持される。したがっ
て、歯先端面隙間による漏れ損失の増大と体積効率低下
を抑制しながら、歯先端面及びスラスト受けの摺動損失
を抑制することができ、運転効率を向上する効果があ
る。
【0083】また、この発明は以上説明したように、固
定渦巻歯及び揺動渦巻歯相互のなじみ性を向上する磨耗
し易い物質が被覆処理されてなる渦巻歯が設けられて、
渦巻歯の運転中における温度上昇による熱膨張変形と台
板の運転中における変形とを相殺する寸法に渦巻歯の組
立時の歯高寸法を、渦巻歯の最外周及び中心部について
最外周と中心部の中間よりも低く設定したものである。
【0084】これによって、歯先端面押付け反力位置を
できるだけ外側に保ちながら、押付け反力位置以外の箇
所の歯先端面隙間が小さい状態に保持される。したがっ
て、歯先端面隙間による漏れ損失の増大と体積効率低下
を抑制しながら、歯先端面及びスラスト受けの摺動損失
を抑制することができ、運転効率を向上する効果があ
る。
【0085】また、この発明は以上説明したように、固
定渦巻歯及び揺動渦巻歯相互のなじみ性を向上する磨耗
し易い物質が被覆処理されてなる一方の渦巻歯並びに摺
動性を増す物質により表面処理されてなる他方の渦巻歯
が設けられて、渦巻歯の運転中における温度上昇による
熱膨張変形と台板の運転中における変形とを相殺する寸
法に渦巻歯の組立時の歯高寸法を、渦巻歯の最外周及び
中心部について最外周と中心部の中間よりも低く設定し
たものである。
【0086】これによって、歯先端面押付け反力位置を
できるだけ外側に保ちながら、押付け反力位置以外の箇
所の歯先端面隙間が小さい状態に保持される。したがっ
て、歯先端面隙間による漏れ損失の増大と体積効率低下
を抑制しながら、歯先端面及びスラスト受けの摺動損失
を抑制することができ、運転効率を向上する効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例1を示す縦断面図。
【図2】 図1の固定スクロール箇所を分解して示す斜
視図。
【図3】 図1の固定スクロールに作用する荷重を説明
する側面図。
【図4】 図1の揺動スクロールの熱膨張による歯高の
変化を説明する断面図。
【図5】 図1の揺動スクロール作動時の撓みを説明す
る断面図。
【図6】 図1の揺動スクロールの歯先の形状を説明す
る側面図。
【図7】 従来のスクロール圧縮機を示す縦断面図。
【図8】 他の従来のスクロール圧縮機を示す縦断面
図。
【図9】 他の従来のスクロール圧縮機を示す縦断面
図。
【図10】 図9の固定スクロールの断面図。
【図11】 図9の揺動スクロールの断面図。
【符号の説明】
1 密閉容器、2 固定スクロール、4,9 台板、5
固定渦巻歯、7 吐出ポート、8 揺動スクロール、
10 圧縮室、11 揺動渦巻歯、14 高低圧セパレ
ータ、23 歯先端面、29 中間背圧室、30 抽気
孔、41 支持手段、42 押圧手段。
フロントページの続き (72)発明者 茂木 周二 鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱電機株式 会社住環境研究開発センター内 (72)発明者 池田 清春 鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱電機株式 会社住環境研究開発センター内 (72)発明者 小川 喜英 鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱電機株式 会社住環境研究開発センター内 (72)発明者 渡辺 英治 鎌倉市大船二丁目14番40号 三菱電機株式 会社住環境研究開発センター内 (72)発明者 小林 教秀 和歌山市手平6丁目5番66号 三菱電機株 式会社和歌山製作所内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉容器に配置されて台板及びこの台板
    の一側に配置された固定渦巻歯が設けられた固定スクロ
    ールと、この固定スクロールの径方向及び回動方向変位
    を拘束し軸方向に変位可能に上記密閉容器に支持する支
    持手段と、上記密閉容器内に設けられて上記固定渦巻歯
    に対向して配置された台板及びこの台板に設けられて上
    記固定渦巻歯と係合して圧縮室を形成する揺動渦巻歯が
    装備され、駆動されて上記固定スクロールに対して揺動
    運動する揺動スクロールと、上記固定スクロールを上記
    揺動スクロールに押圧して上記固定渦巻歯の歯先端面を
    対向した部材に押付ける押圧手段とを備え、上記歯先端
    面押付け力をFtp、上記歯先端面押付け力の反力位置半
    径をrtp、上記固定スクロールに作用する半径方向力を
    Frd、上記固定渦巻歯の歯高中央から上記支持手段まで
    の軸方向距離を1としたとき1×Frd=rtp×Ftpなる
    関係に関連部材が構成されたスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】 上面から下面に貫通した抽気孔が設けら
    れて密閉容器に配置された台板及びこの台板の一側に配
    置された固定渦巻歯が設けられた固定スクロールと、こ
    の固定スクロールの径方向及び回動方向変位を拘束し軸
    方向に変位可能に上記密閉容器に支持する支持手段と、
    上記密閉容器内に設けられて上記固定渦巻歯に対向して
    配置された台板及びこの台板に設けられて上記固定渦巻
    歯と係合し上記抽気孔により下記中間背圧室に連通した
    圧縮室を形成する揺動渦巻歯が装備され、駆動されて上
    記固定スクロールに対し揺動運動する揺動スクロール
    と、上記密閉容器内に固定されてこの密閉容器の端部面
    と上記固定スクロールの台板の間に配置され、上記固定
    スクロールの吐出ポートに連通した吐出ポートが設けら
    れて吐出圧空間を形成すると共に、上記固定スクロール
    の台板との間に上記固定スクロールに軸方向の押付け力
    を作用させる中間背圧室を形成する高低圧セパレータと
    を備え、上記固定スクロール軸方向の押付け力による上
    記固定渦巻歯の歯先端面押付け力をFtp、上記歯先端面
    押付け力の反力位置半径をrtp、上記固定スクロールに
    作用する半径方向力をFrd、上記固定渦巻歯の歯高中央
    から上記支持手段までの軸方向距離を1としたときに、
    上記中間背圧室の内径、外径と上記抽気孔の渦巻歯伸開
    角に対応して示される上記抽気孔位置とが1×Frd=r
    tp×Ftpを満たす上記Ftpを得る組合わせに構成された
    スクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】 密閉容器に配置されて台板及びこの台板
    の一側に配置された固定渦巻歯が設けられた固定スクロ
    ールと、この固定スクロールの径方向及び回動方向変位
    を拘束し軸方向に変位可能に上記密閉容器に支持する支
    持手段と、上記密閉容器内に設けられて上記固定渦巻歯
    に対向して配置された台板及びこの台板に設けられて上
    記固定渦巻歯と係合して圧縮室を形成する揺動渦巻歯が
    装備され、駆動されて上記固定スクロールに対して揺動
    運動する揺動スクロールと、上記固定スクロールを上記
    揺動スクロールに押圧して上記固定渦巻歯の歯先端面を
    対向した部材に押付ける押圧手段とを備え、上記歯先端
    面押付け力の反力位置半径rtpができるだけ大きくなる
    ように上記渦巻歯最外周の歯高を運転中に微小に高くな
    る寸法に設定し、上記押圧手段による上記歯先端面押付
    け力をFtp、上記固定スクロールに作用する半径方向力
    をFrd、上記固定渦巻歯の歯高中央から上記支持手段ま
    での軸方向距離を1としたとき1×Frd=rtp×Ftpな
    る関係に上記Ftpを設定したスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】 固定スクロールの台板に設けられた吐出
    ポート及び抽気孔に対向する位置の渦巻歯の歯先端に設
    けられて上記吐出ポート及び抽気孔の開口縁部との摺擦
    を回避する逃げを有する渦巻歯としたことを特徴とする
    請求項2記載のスクロール圧縮機。
  5. 【請求項5】 固定スクロールの台板に設けられた吐出
    ポート及び抽気孔に対向する位置の渦巻歯の歯高を低く
    して構成された逃げとしたことを特徴とする請求項4記
    載のスクロール圧縮機。
  6. 【請求項6】 上面から下面に貫通した抽気孔が設けら
    れて密閉容器に配置された台板及びこの台板の一側に配
    置された固定渦巻歯が設けられた固定スクロールと、こ
    の固定スクロールの径方向及び回動方向変位を拘束し軸
    方向に変位可能に上記密閉容器に支持する支持手段と、
    上記密閉容器内に設けられて上記固定渦巻歯に対向して
    配置された台板及びこの台板に設けられて上記固定渦巻
    歯と係合し上記抽気孔により下記中間背圧室に連通した
    圧縮室を形成する揺動渦巻歯が装備され、駆動されて上
    記固定スクロールに対し揺動運動する揺動スクロール
    と、上記密閉容器内に固定されてこの密閉容器の端部面
    と上記固定スクロールの台板の間に配置され、上記固定
    スクロールの吐出ポートに連通した吐出ポートが設けら
    れて吐出圧空間を形成すると共に、上記固定スクロール
    の台板との間に上記固定スクロールに軸方向の押付け力
    を作用させる少なくとも中間背圧室を形成する高低圧セ
    パレータとを備え、上記渦巻歯の運転中における温度上
    昇による熱膨張変形と上記台板の運転中における荷重に
    よる変形とを相殺する寸法に上記渦巻歯の組立時の歯高
    寸法を、上記渦巻歯の最外周と中心部の中間を上記最外
    周及び中心部よりも高く設定したスクロール圧縮機。
  7. 【請求項7】 相互に異なる材質により製作された固定
    スクロール及び揺動スクロールの両者を備え、これら両
    者のそれぞれの材質の熱膨張係数及び縦弾性係数に応じ
    て渦巻歯の組立時の歯高寸法を、上記渦巻歯の最外周及
    び中心部の中間を上記最外周及び中心部よりも高く設定
    したことを特徴とする請求項6記載のスクロール圧縮
    機。
  8. 【請求項8】 固定渦巻歯及び揺動渦巻歯相互のなじみ
    性を向上する磨耗し易い物質が被覆処理されてなる渦巻
    歯を備えたことを特徴とする請求項6記載のスクロール
    圧縮機。
  9. 【請求項9】 固定渦巻歯及び揺動渦巻歯相互のなじみ
    性を向上する磨耗し易い物質が被覆処理されてなる一方
    の渦巻歯並びに摺動性を増す物質により表面処理されて
    なる他方の渦巻歯を備えたことを特徴とする請求項6記
    載のスクロール圧縮機。
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