JPH0611736B2 - 光学活性なα−(4−ヒドロキシフエノキシ)プロピオン酸エステルの製法 - Google Patents
光学活性なα−(4−ヒドロキシフエノキシ)プロピオン酸エステルの製法Info
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- JPH0611736B2 JPH0611736B2 JP1818586A JP1818586A JPH0611736B2 JP H0611736 B2 JPH0611736 B2 JP H0611736B2 JP 1818586 A JP1818586 A JP 1818586A JP 1818586 A JP1818586 A JP 1818586A JP H0611736 B2 JPH0611736 B2 JP H0611736B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は光学活性なα−(4−ヒドロキシフェノキシ)
プロピオン酸エステルの新規な製法に関する。
プロピオン酸エステルの新規な製法に関する。
本発明の方法で得られる化合物は、各種の光学活性なフ
ェノキシプロピオン酸系除草剤の合成中間体として有用
である。すなわち本発明の方法で得られる光学活性なα
−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸エステル
は例えば、フルアジホップブチル,キノホップエチル,
ジクロホップメチル,トリホップメチル及びフェノキサ
プロップエチルなどの中間体として有用に使用してする
ことができるものである。
ェノキシプロピオン酸系除草剤の合成中間体として有用
である。すなわち本発明の方法で得られる光学活性なα
−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸エステル
は例えば、フルアジホップブチル,キノホップエチル,
ジクロホップメチル,トリホップメチル及びフェノキサ
プロップエチルなどの中間体として有用に使用してする
ことができるものである。
(従来技術および問題点) α−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸エステ
ルのラミセ体の製造法については、多くの公知例が知ら
れている。例えば特開昭54−19,925、56−5
9,718、58−183,666、59−95,23
7、60−94,935、60−209,548があ
る。
ルのラミセ体の製造法については、多くの公知例が知ら
れている。例えば特開昭54−19,925、56−5
9,718、58−183,666、59−95,23
7、60−94,935、60−209,548があ
る。
しかしながら、これらはいずれにしてもラミセ体である
ので除草活性の高いD−体を得るには、更に光学分割等
により光学活性体を分離精製しなければならない。従っ
て、このような方法は、光学分割等による精製ロスなど
を考慮すると、かならずしも効率的な製造法とは言いが
たい。更に上記方法はいずれもハイドロキノンと対応す
るプロピオン酸誘導体との対応により目的物を得る方法
であり、目的のハイドロキノン置換体の外に不要なビス
置換体の副生を伴いラミセ体の製造方法としても更に効
率的な製法が望まれるところである。モノ置換体を選択
的に得るための試みもいくつか知られているが(特許昭
59−231,044、アメリカ特許4,368,06
8、公表公報昭57−501,178)、いずれもラミ
セ体であり上記光学分割操作の繁雑さは解消されていな
い。光学活性α−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピ
オン酸エステルを直接得る方法としては、p−ヒドロキ
シベンズアルデヒドと光学活性なα−置換プロピオン酸
エステル類との立体反転反応で目的者を得る方法が知ら
れている(持開昭60−81,150)。しかしながら
一方の原料であるp−ヒドロキシベンズアルデヒドは、
例えば、ライマーティーマン反応で得る事ができるが、
極めて低収率であり、またサルチルアルデヒドが、多量
副生するといった問題がある[オルガニック・リアクシ
ョン(Organic Reaction)第28巻,
16頁(1982)]。またガッターマン反応を利用す
ることもできるが、この場合はパラ選択性は高いもの
の、極めて低収率(オルガニック・リアクション第9
巻,41頁(1957年))であり、反応試剤にシアン
化水素を使用するなど安全上の問題もある。いずれの方
法にしてもp−ヒドロキシベンズアルデヒドはその効率
的な製法がなく、出発原料としては高価な試剤であり経
済的不利益がある。
ので除草活性の高いD−体を得るには、更に光学分割等
により光学活性体を分離精製しなければならない。従っ
て、このような方法は、光学分割等による精製ロスなど
を考慮すると、かならずしも効率的な製造法とは言いが
たい。更に上記方法はいずれもハイドロキノンと対応す
るプロピオン酸誘導体との対応により目的物を得る方法
であり、目的のハイドロキノン置換体の外に不要なビス
置換体の副生を伴いラミセ体の製造方法としても更に効
率的な製法が望まれるところである。モノ置換体を選択
的に得るための試みもいくつか知られているが(特許昭
59−231,044、アメリカ特許4,368,06
8、公表公報昭57−501,178)、いずれもラミ
セ体であり上記光学分割操作の繁雑さは解消されていな
い。光学活性α−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピ
オン酸エステルを直接得る方法としては、p−ヒドロキ
シベンズアルデヒドと光学活性なα−置換プロピオン酸
エステル類との立体反転反応で目的者を得る方法が知ら
れている(持開昭60−81,150)。しかしながら
一方の原料であるp−ヒドロキシベンズアルデヒドは、
例えば、ライマーティーマン反応で得る事ができるが、
極めて低収率であり、またサルチルアルデヒドが、多量
副生するといった問題がある[オルガニック・リアクシ
ョン(Organic Reaction)第28巻,
16頁(1982)]。またガッターマン反応を利用す
ることもできるが、この場合はパラ選択性は高いもの
の、極めて低収率(オルガニック・リアクション第9
巻,41頁(1957年))であり、反応試剤にシアン
化水素を使用するなど安全上の問題もある。いずれの方
法にしてもp−ヒドロキシベンズアルデヒドはその効率
的な製法がなく、出発原料としては高価な試剤であり経
済的不利益がある。
(問題点を解決するための手段) 本発明の目的は、除草剤中間体として有望な光学活性α
−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸エステル
を上記の種々の問題点を改善し安価な原料を用い効率的
に得る方法を提供することにある。
−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸エステル
を上記の種々の問題点を改善し安価な原料を用い効率的
に得る方法を提供することにある。
本発明は4−ヒドロキシアセトフェノンを一般式 (式中はXは、ハロゲン原子,スルホニルオキシ基であ
り、Rは低級アルキル基を意味する。*印は不斉炭素を
示す)と反応させ、得られた生成物を過酸で処理した
後、加溶媒分解をすることを特徴とする光学活性なα−
(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸エステルの
製法である。
り、Rは低級アルキル基を意味する。*印は不斉炭素を
示す)と反応させ、得られた生成物を過酸で処理した
後、加溶媒分解をすることを特徴とする光学活性なα−
(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸エステルの
製法である。
本発明の方法は、主に三つの反応工程により構成され
る。すなわち、第一の工程は4−ヒドロキシフェノキシ
アセトフェノンと一般式(1)の化合物との立体特異的
置換反応である。4−ヒドロキシアセトフェノンはフェ
ノールをケテン,無水酢酸あるいは、塩化アセチル等の
アセチル化剤を用い所謂フリーデルクラフツ型反応によ
り得る事もできる。上記アセチル化剤によりフェニルア
セテートとした後、フリース転位により同様に得ること
ができる。上記反応では、収率良く4−ヒドロキシアセ
トフェノンが得られることが知られており(オルガニッ
ク・リアクション第1巻,344頁{1942年)、ア
メリカ特許第4,524,217号)、公知の4−ヒド
ロキシベンズアルデヒトに比べ極めて容易にかつ経済的
に製造することができる。
る。すなわち、第一の工程は4−ヒドロキシフェノキシ
アセトフェノンと一般式(1)の化合物との立体特異的
置換反応である。4−ヒドロキシアセトフェノンはフェ
ノールをケテン,無水酢酸あるいは、塩化アセチル等の
アセチル化剤を用い所謂フリーデルクラフツ型反応によ
り得る事もできる。上記アセチル化剤によりフェニルア
セテートとした後、フリース転位により同様に得ること
ができる。上記反応では、収率良く4−ヒドロキシアセ
トフェノンが得られることが知られており(オルガニッ
ク・リアクション第1巻,344頁{1942年)、ア
メリカ特許第4,524,217号)、公知の4−ヒド
ロキシベンズアルデヒトに比べ極めて容易にかつ経済的
に製造することができる。
また、一般式(1)の化合物は、出発原料として乳酸を
使用するのが有利である。L(+)−乳酸およびD
(−)−乳酸は、慣用の分割法により乳酸のラミセ体か
ら得ることができ、あるいはバイオケミカル プレパレ
ーション(Biochemical Preparat
ion)第3巻61頁(1951年)に記載された方法
により、グルコースなどから直接に製造することができ
る。
使用するのが有利である。L(+)−乳酸およびD
(−)−乳酸は、慣用の分割法により乳酸のラミセ体か
ら得ることができ、あるいはバイオケミカル プレパレ
ーション(Biochemical Preparat
ion)第3巻61頁(1951年)に記載された方法
により、グルコースなどから直接に製造することができ
る。
一般式(1)においてXがスルホニルオキシ基てある場
合は、対応する光学活性乳酸を各種のスルホニルクロリ
ドによりスルホニル化することにより容易に得ることが
できる。またXがハロゲン原子である場合には、例えは
フランス特許第2,459,221号の方法に従い同様
に光学活性乳酸より得ることができる。スルホニルオキ
シ基の具体例としては、メタンスルホニルオキシ基、エ
タンスルホニルオキシ基、ブタンスルホニルオキシ基、
トリフルオロメタンスルホニルオキシ基の如き脂肪族基
置換スルホニルオキシ基ベンゼンスルホニルオキシ基、
p−トルエンスルホニルオキシ基、p−ブロモベンゼン
スルホニルオキシ基、p−ニトロベンゼンスルホニルオ
キシ基の如き芳香族基置換スルホニルオキシ基、クロロ
スルホニルオキシ基の如きハロスルホニルオキシ基が例
示できる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子
及びよう素原子を挙げることができる。また、一般式
(1)においてRは低級アルキル基を意味し、例えばメ
チル基、エチル基、プロピン基及びブチル基などが例示
できる。
合は、対応する光学活性乳酸を各種のスルホニルクロリ
ドによりスルホニル化することにより容易に得ることが
できる。またXがハロゲン原子である場合には、例えは
フランス特許第2,459,221号の方法に従い同様
に光学活性乳酸より得ることができる。スルホニルオキ
シ基の具体例としては、メタンスルホニルオキシ基、エ
タンスルホニルオキシ基、ブタンスルホニルオキシ基、
トリフルオロメタンスルホニルオキシ基の如き脂肪族基
置換スルホニルオキシ基ベンゼンスルホニルオキシ基、
p−トルエンスルホニルオキシ基、p−ブロモベンゼン
スルホニルオキシ基、p−ニトロベンゼンスルホニルオ
キシ基の如き芳香族基置換スルホニルオキシ基、クロロ
スルホニルオキシ基の如きハロスルホニルオキシ基が例
示できる。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子
及びよう素原子を挙げることができる。また、一般式
(1)においてRは低級アルキル基を意味し、例えばメ
チル基、エチル基、プロピン基及びブチル基などが例示
できる。
第1の工程において炭酸ナトリウム、炭酸リチウム、炭
酸カリウムなどの炭酸塩や炭酸水素ナトリウム、炭酸水
素カリウム等の重炭酸塩といった弱塩基存在下で反応を
行なうことが好ましい。強塩基存在下でも、反応は進行
するが、塩基性が強すぎるとラセミ化のおそれがあり好
ましくない。
酸カリウムなどの炭酸塩や炭酸水素ナトリウム、炭酸水
素カリウム等の重炭酸塩といった弱塩基存在下で反応を
行なうことが好ましい。強塩基存在下でも、反応は進行
するが、塩基性が強すぎるとラセミ化のおそれがあり好
ましくない。
本発明では特に好ましい塩基は炭酸カリウムである。ま
た反応を速めるために特開昭56−59,718に示さ
れるような相間移動触媒を共存させても良い。
た反応を速めるために特開昭56−59,718に示さ
れるような相間移動触媒を共存させても良い。
反応溶媒は、ジメチルホルムアミド,ジメチルスルホキ
シド,N−メチルピロリドンなどの非プロトン系極性溶
媒を好適であるが、その他にアセトン、メチルエチルケ
トン、アセトニトリル、酢酸エチルなどの使用も可能で
ある。
シド,N−メチルピロリドンなどの非プロトン系極性溶
媒を好適であるが、その他にアセトン、メチルエチルケ
トン、アセトニトリル、酢酸エチルなどの使用も可能で
ある。
反応温度は用いる溶媒により異なるが40℃から120
℃、特に80℃から100℃が好適ある。あまり高温で
反応するとラミセ化の原因になる。反応時間は反応温度
触媒の有無,反応溶媒などにより異なるが概ね1時間
から10時間,好ましくはは2時間から6時間を要す
る。このようにして得られた中間体の光学活性なα−
(4−ヒドロキシアセチルフェノキシ)プロピオン酸エ
ステルは、新規物質である。
℃、特に80℃から100℃が好適ある。あまり高温で
反応するとラミセ化の原因になる。反応時間は反応温度
触媒の有無,反応溶媒などにより異なるが概ね1時間
から10時間,好ましくはは2時間から6時間を要す
る。このようにして得られた中間体の光学活性なα−
(4−ヒドロキシアセチルフェノキシ)プロピオン酸エ
ステルは、新規物質である。
第二の工程は、上記のα−(4−アセチルフェノキシ)
プロピオン酸エステルの過酸による酸化工程でいわゆる
バイヤービリガー反応工程である。本反応で用いる過酸
としては、過酸化水素、過酢酸、過安息香酸、m−クロ
ロ過安息香酸など通常バイヤービリガー反応に用いる過
酸を好適に使用できる。本工程での反応溶媒としては、
酢酸エチル等のエステル類、クロロホルム、塩化メチレ
ン、四塩化炭素などの塩素化炭化水素類、ベンゼン、ト
ルエン等の芳香族炭化水素類など反応に不活性な種々の
溶媒を好適に使用できる。本反応で使用する過酸の量
は、アセチル化合物の1:1モル倍から2.0モル倍の
範囲で使用でき、これをこのまま又は上記の適当な溶媒
に溶解して添加する方法が適当である。添加時の温度
は、10℃から50℃が適当でまたその後必要に応じて
3時間から一昼夜の熟成を行うことにより反応を完結す
ることができる。熟成温度は添加時と同様に10℃から
50℃の範囲が好適である。このようにして得られた反
応液をチオ硫酸ナトリウム等で未反応の過酸を不活性化
した後、生成物であるα−(4−アセトキシフェノキ
シ)プロピオン酸エステルを単離するか、または単離せ
ず反応粗液のまヽ次の加溶媒分解工程に供することがで
きる。
プロピオン酸エステルの過酸による酸化工程でいわゆる
バイヤービリガー反応工程である。本反応で用いる過酸
としては、過酸化水素、過酢酸、過安息香酸、m−クロ
ロ過安息香酸など通常バイヤービリガー反応に用いる過
酸を好適に使用できる。本工程での反応溶媒としては、
酢酸エチル等のエステル類、クロロホルム、塩化メチレ
ン、四塩化炭素などの塩素化炭化水素類、ベンゼン、ト
ルエン等の芳香族炭化水素類など反応に不活性な種々の
溶媒を好適に使用できる。本反応で使用する過酸の量
は、アセチル化合物の1:1モル倍から2.0モル倍の
範囲で使用でき、これをこのまま又は上記の適当な溶媒
に溶解して添加する方法が適当である。添加時の温度
は、10℃から50℃が適当でまたその後必要に応じて
3時間から一昼夜の熟成を行うことにより反応を完結す
ることができる。熟成温度は添加時と同様に10℃から
50℃の範囲が好適である。このようにして得られた反
応液をチオ硫酸ナトリウム等で未反応の過酸を不活性化
した後、生成物であるα−(4−アセトキシフェノキ
シ)プロピオン酸エステルを単離するか、または単離せ
ず反応粗液のまヽ次の加溶媒分解工程に供することがで
きる。
第三の工程は、アセトキシ基の加溶媒分解工程である。
本反応は酸またはアルカリ存在下で水又はアルコール類
を用いて常法により達成できる。触媒としては、硫酸、
塩酸などの鉱酸類、p−トルエンスルホン酸などの有機
スルホン酸類または、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどのアルカリを触媒量用いることができる。反応溶
媒は加溶媒分解に用いる水又はアルコール類を過剰量用
いることが適当であるが、その他に芳香族炭化水素類、
塩素化炭化水素などを加えても良い。また、アルコール
を使用する時は一般式(1)のプロピオン酸エステル残
基のRに相当するアルコール(ROH)を用いるのが好
ましい。反応温度は室温から用いる溶媒の沸点までの範
囲で実施できる。
本反応は酸またはアルカリ存在下で水又はアルコール類
を用いて常法により達成できる。触媒としては、硫酸、
塩酸などの鉱酸類、p−トルエンスルホン酸などの有機
スルホン酸類または、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ムなどのアルカリを触媒量用いることができる。反応溶
媒は加溶媒分解に用いる水又はアルコール類を過剰量用
いることが適当であるが、その他に芳香族炭化水素類、
塩素化炭化水素などを加えても良い。また、アルコール
を使用する時は一般式(1)のプロピオン酸エステル残
基のRに相当するアルコール(ROH)を用いるのが好
ましい。反応温度は室温から用いる溶媒の沸点までの範
囲で実施できる。
(効果) 本発明の方法により各種の光学活性なフェノキシ系除草
剤の合成中間体として有用な光学活性α−(4−アセト
キシフェノキシ)プロピオン酸エステルを効率的に製造
することが可能になった。
剤の合成中間体として有用な光学活性α−(4−アセト
キシフェノキシ)プロピオン酸エステルを効率的に製造
することが可能になった。
すなわち、工業的に極めて容易にしかも安価に入手でき
る4−ヒドロキシアセトフェノンと一般式(1)に示し
た光学活性なプロピオン酸エステル類から立体特異的反
応により、新規化合物である光学活性なα−(4−アセ
チルシフェノキシ)プロピオン酸エステルを選択的に得
ることにより、従来ハイドロキノンを出発原料とした場
合にみられたビス置換体の副生という問題点を解消し、
収率良く目的のモノ置換体のみを得ることが可能になっ
た。更に本発明の方法では、第二工程で例えば過酢酸を
使用した場合は、副生した酢酸が回収可能であり、また
第三工程の加溶媒分解により副生する酢酸誘導体を回収
し、フェノールのアセチル化剤として再利用できること
から、実質的にフェノールと光学活性プロピオン酸誘導
体から目的のα−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピ
オン酸エステルを製造する効率的なプロセスと言える。
る4−ヒドロキシアセトフェノンと一般式(1)に示し
た光学活性なプロピオン酸エステル類から立体特異的反
応により、新規化合物である光学活性なα−(4−アセ
チルシフェノキシ)プロピオン酸エステルを選択的に得
ることにより、従来ハイドロキノンを出発原料とした場
合にみられたビス置換体の副生という問題点を解消し、
収率良く目的のモノ置換体のみを得ることが可能になっ
た。更に本発明の方法では、第二工程で例えば過酢酸を
使用した場合は、副生した酢酸が回収可能であり、また
第三工程の加溶媒分解により副生する酢酸誘導体を回収
し、フェノールのアセチル化剤として再利用できること
から、実質的にフェノールと光学活性プロピオン酸誘導
体から目的のα−(4−ヒドロキシフェノキシ)プロピ
オン酸エステルを製造する効率的なプロセスと言える。
参考例1.(4−ヒドロキシアセトフェノンの製造) 1gフェノールを33mlの無水酢酸に溶解し、数滴の農
硫酸を滴下した後、室温で30分撹拌した。反応液を氷
水に添加し、エーテルで抽出した。抽出液を苛性ソーダ
水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した後、溶媒を除去し14gの酢酸フェニルを得
た。上記酢酸フェニルを60gニトロベンゼンに溶解
し、10gの無水塩化アルミニウムを少しずつ加え、室
温で20時間撹拌した反応液を希塩酸と氷の中に添加
し、ニトロベンゼンを除去した後、残渣を減圧蒸留した
ところ、11gの4−ヒドロキシアセトフェノンを得
た。
硫酸を滴下した後、室温で30分撹拌した。反応液を氷
水に添加し、エーテルで抽出した。抽出液を苛性ソーダ
水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで
乾燥した後、溶媒を除去し14gの酢酸フェニルを得
た。上記酢酸フェニルを60gニトロベンゼンに溶解
し、10gの無水塩化アルミニウムを少しずつ加え、室
温で20時間撹拌した反応液を希塩酸と氷の中に添加
し、ニトロベンゼンを除去した後、残渣を減圧蒸留した
ところ、11gの4−ヒドロキシアセトフェノンを得
た。
参考例2.(S(−)−α(p−トルエンスホニルオキ
シ)プロピオン酸メチルの製造) S(+)−乳酸メチル15.6gとトリエチルアミン1
5.2g塩化メチレン100mlに溶かし、室温で撹拌し
た。これに塩化p−トルエンスルホニル28.7gを1
0分間で添加し、同温度で6時間撹拌した。冷水100
mlを加えて振りまぜた後、有機層を分液した。有機層を
希塩酸,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液,および飽和食
塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒
を除去した。油状残留物を減圧蒸留して題記化合物を2
5g得た。
シ)プロピオン酸メチルの製造) S(+)−乳酸メチル15.6gとトリエチルアミン1
5.2g塩化メチレン100mlに溶かし、室温で撹拌し
た。これに塩化p−トルエンスルホニル28.7gを1
0分間で添加し、同温度で6時間撹拌した。冷水100
mlを加えて振りまぜた後、有機層を分液した。有機層を
希塩酸,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液,および飽和食
塩水で順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒
を除去した。油状残留物を減圧蒸留して題記化合物を2
5g得た。
実施例1.(R(+)−α−(4−アセチルフェノキ
シ)プロピオン酸メチルの製造) 4−ヒドロキシアセトフェノン1.0g、S(−)−α
−(p−トルエンスルホニルオキシ)プロピオン酸メチ
ル2.1gおよび炭酸カリウム0.6gを30mlのジメ
チルホルムアミドに加えた後、95〜98℃で5時間加
熱した。反応液を室温まで冷却した後、ベンゼン100
ml及び水100mlを加えた後、ベンゼン層を分液し、更
に水100mlで2回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した後、溶媒を除去し、残渣をシリカゲルに
よるカラムクロマトグラフィーで精製したところ1.4
0gの題記化合物が得られた。(収率86%) [α▲]22 D▼+40.35 (C=1.623 CHCl3) NMRスペクトル(CDCl3,ppm) 1.63(二重線.3H) 2.50(一重線.3H) 3.70(一重線.3H) 4.80(四重線.1H) 6.80(二重線.2H) 7.80(二重線.2H) 実施例2.(R(+)−α−(4−アセチルフェノキ
シ)プロピオン酸メチルの製造) 実施例1で得られたR(+)−α−(4−アセチルフェ
ノキシ)プロピオン酸メチル1.1gを15mlのクロロ
ホルムに溶解し、これにメタクロロ過安息香酸1.28
gを50分かけて少量ずつ添加した。室温で一昼夜放置
し、析出した白色結晶を濾取した後、瀘液を1/10Nチオ
硫酸ナトリウム水溶液,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
及び飽和食塩水で順次洗浄した後、有機層を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。溶媒を除去後、油状残留物を減圧
蒸留したところ、0.82gの題記化合物が得られた。
(収率70%) [α▲]22 D▼+40.65゜ (C=1.300 CHCl3) NMRスペクトル(CDCl3,ppm) 1.60(二重線.3H) 2.23(一重線.3H) 3.70(一重線.3H) 4.70(四重線.1H) 6.83(多重線.4H) 実施例3.R(+)−α−(4−ヒドロキシ)プロピオ
ン酸メチルの製造) 実施例2で得られた(R(+)−α−(4−アセトキシ
フェノキシ)プロピオン酸メチル0.82gを30mlの
メタノールに溶媒し、約0.5mlの硫酸を滴下した後約
6時間加熱還流した。反後液を水に添加した後、ベンゼ
ンで2回抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム及び
飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
溶媒を除去し、残渣をシリカゲルによるカラムクロマト
グラフィーにて精製したところ0.51gの題記化合物
を得た。(収率76%) [α▲]22 D▼+32.22゜ (C=1.563 CHCl3) NMRスペクトル(CDCl3,ppm) 1.63(二重線.3H) 3.71(一重線.3H) 4.61(四重線.1H) 5.45(一重線.1H) 6.68(一重線.4H) 実施例4. 実施例2においてメタクロロ過安息香酸のかわりに過酢
酸の30%酢酸エチル溶液を徐々に滴下した。反応終了
後の均一反後液を1/10Nチオ硫酸ナトリウム水溶液で処
理し、実施例と同様の方法で精製したところ0.94g
のR(+)−α−(4−アセトキシフェノキシ)プロピ
オン酸メチルが得られた。(収率80%)
シ)プロピオン酸メチルの製造) 4−ヒドロキシアセトフェノン1.0g、S(−)−α
−(p−トルエンスルホニルオキシ)プロピオン酸メチ
ル2.1gおよび炭酸カリウム0.6gを30mlのジメ
チルホルムアミドに加えた後、95〜98℃で5時間加
熱した。反応液を室温まで冷却した後、ベンゼン100
ml及び水100mlを加えた後、ベンゼン層を分液し、更
に水100mlで2回洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した後、溶媒を除去し、残渣をシリカゲルに
よるカラムクロマトグラフィーで精製したところ1.4
0gの題記化合物が得られた。(収率86%) [α▲]22 D▼+40.35 (C=1.623 CHCl3) NMRスペクトル(CDCl3,ppm) 1.63(二重線.3H) 2.50(一重線.3H) 3.70(一重線.3H) 4.80(四重線.1H) 6.80(二重線.2H) 7.80(二重線.2H) 実施例2.(R(+)−α−(4−アセチルフェノキ
シ)プロピオン酸メチルの製造) 実施例1で得られたR(+)−α−(4−アセチルフェ
ノキシ)プロピオン酸メチル1.1gを15mlのクロロ
ホルムに溶解し、これにメタクロロ過安息香酸1.28
gを50分かけて少量ずつ添加した。室温で一昼夜放置
し、析出した白色結晶を濾取した後、瀘液を1/10Nチオ
硫酸ナトリウム水溶液,飽和炭酸水素ナトリウム水溶液
及び飽和食塩水で順次洗浄した後、有機層を無水硫酸ナ
トリウムで乾燥した。溶媒を除去後、油状残留物を減圧
蒸留したところ、0.82gの題記化合物が得られた。
(収率70%) [α▲]22 D▼+40.65゜ (C=1.300 CHCl3) NMRスペクトル(CDCl3,ppm) 1.60(二重線.3H) 2.23(一重線.3H) 3.70(一重線.3H) 4.70(四重線.1H) 6.83(多重線.4H) 実施例3.R(+)−α−(4−ヒドロキシ)プロピオ
ン酸メチルの製造) 実施例2で得られた(R(+)−α−(4−アセトキシ
フェノキシ)プロピオン酸メチル0.82gを30mlの
メタノールに溶媒し、約0.5mlの硫酸を滴下した後約
6時間加熱還流した。反後液を水に添加した後、ベンゼ
ンで2回抽出し、有機層を飽和炭酸水素ナトリウム及び
飽和食塩水で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで乾燥後、
溶媒を除去し、残渣をシリカゲルによるカラムクロマト
グラフィーにて精製したところ0.51gの題記化合物
を得た。(収率76%) [α▲]22 D▼+32.22゜ (C=1.563 CHCl3) NMRスペクトル(CDCl3,ppm) 1.63(二重線.3H) 3.71(一重線.3H) 4.61(四重線.1H) 5.45(一重線.1H) 6.68(一重線.4H) 実施例4. 実施例2においてメタクロロ過安息香酸のかわりに過酢
酸の30%酢酸エチル溶液を徐々に滴下した。反応終了
後の均一反後液を1/10Nチオ硫酸ナトリウム水溶液で処
理し、実施例と同様の方法で精製したところ0.94g
のR(+)−α−(4−アセトキシフェノキシ)プロピ
オン酸メチルが得られた。(収率80%)
Claims (1)
- 【請求項1】4−ヒドロキシアセトフェノンを一般式 (式中Xは、ハロゲン原子,スルホニルオキシ基あり、
Rは低級アルキル基を意味する。*印は不斉炭素を示
す)と反応させ、得られた生成物を過酸で処理した後、
加溶媒分解をすることを特徴とする光学活性なα−(4
−ヒドロキシフェノキシ)プロピオン酸エステルの製
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1818586A JPH0611736B2 (ja) | 1986-01-31 | 1986-01-31 | 光学活性なα−(4−ヒドロキシフエノキシ)プロピオン酸エステルの製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1818586A JPH0611736B2 (ja) | 1986-01-31 | 1986-01-31 | 光学活性なα−(4−ヒドロキシフエノキシ)プロピオン酸エステルの製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62178543A JPS62178543A (ja) | 1987-08-05 |
JPH0611736B2 true JPH0611736B2 (ja) | 1994-02-16 |
Family
ID=11964551
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1818586A Expired - Lifetime JPH0611736B2 (ja) | 1986-01-31 | 1986-01-31 | 光学活性なα−(4−ヒドロキシフエノキシ)プロピオン酸エステルの製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0611736B2 (ja) |
Families Citing this family (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US4908476A (en) * | 1988-03-21 | 1990-03-13 | Hoechst Celanese Corporation | Synthesis of 2-(4-hydroxyphenoxy)alkanoic acids |
US5008439A (en) * | 1988-03-21 | 1991-04-16 | Hoechst Celanese Corporation | Synthesis of 2-(4-hydroxyphenoxy) alkanoic acid esters |
US4935522A (en) * | 1988-03-21 | 1990-06-19 | Hoechst Celanese Corporation | Process for producing ethyl 2-[4'-(6"-chloro-2"-benzoxazolyloxy)phenoxy]propionate |
DE3902372A1 (de) * | 1989-01-27 | 1990-08-02 | Hoechst Ag | Verfahren zur herstellung von d((pfeil hoch)+(pfeil hoch))-2-(4-acetylphenoxy)- propionsaeureestern |
CN111943971A (zh) * | 2020-09-17 | 2020-11-17 | 商河知济新材料技术中心 | 一种硼酸衍生物的制备方法 |
-
1986
- 1986-01-31 JP JP1818586A patent/JPH0611736B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62178543A (ja) | 1987-08-05 |
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