JPH0723356B2 - 4,4―ジスルホニルブタン酸エステル類の製造法 - Google Patents

4,4―ジスルホニルブタン酸エステル類の製造法

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JPH0723356B2
JPH0723356B2 JP62273577A JP27357787A JPH0723356B2 JP H0723356 B2 JPH0723356 B2 JP H0723356B2 JP 62273577 A JP62273577 A JP 62273577A JP 27357787 A JP27357787 A JP 27357787A JP H0723356 B2 JPH0723356 B2 JP H0723356B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、4,4−ジスルホニルブタン酸エステル類の製
造法に関する。
更に詳細には医薬品として有用であるイソカルバサイク
リン類の合成中間体として有用な、4,4−ジスルホニル
ブタン酸エステル類の製造法に関する。
<従来技術> プロスタグランジンは生体において主として動脈の血管
内壁で産生される局所ホルモンであり、その強力な生理
活性例えば血小板凝集抑制活性,血管拡張活性等により
生体の細胞機能を調節する重要な因子であり、このもの
を直接医薬品として供する試みが行われている[クリニ
カル・ファーマコロジィー・オブ・プロスタサイクリン
(Clinical Pharmacology of Prostacyclin),Raven Pr
ess,H.Y.,1981]。
しかし天然プロスタサイクリンは分子内に非常に加水分
解されやすいエノールエーテル結合を有するため、中性
又は酸性条件では容易に失活し、医薬品としてはその化
学的不安定性のため好ましい化合物とはいえない。この
ため天然プロスタサイクリンと同様の生理活性を有する
化学的に安定な合成プロスタサイクリン誘導体が内外で
鋭意検討されている。
近年、カルバサイクリンの二重結合異性体の一種である
イソカルバサイクリン、すなわち、9(O)−メタノ−
(9α)−プロスタグランジンI1類がこの同族体の
中でも最も強い血小板凝集抑制作用を示すことが発見さ
れ、医薬品としての応用が期待されるようになった[池
上らテトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Let
t.),24,3493(1983),特開昭59−137445号公報]。
一方、最近、本発明者らが別途出願した、イソカルバサ
イクリン類の新規な製造法は、下記SchemeIに示すごと
く、入手容易な(R)−4−ヒドロキシ−2−シクロペ
ンテノンを出発物質としているため、光学活性体が容易
に得られる点、位置特異的な反応を経ているため、不要
な副生成物が生じない点、短工程で通算収率が高い点な
どで工業的に極めて有利なイソカルバサイクリン類の製
造法である。
かかるイソカルバサイクリンの製造法において、鍵反応
はC4−ブロックの位置特異的カップリング反応であり、
本反応に用いるジスルホニルブタン酸メチルは、極めて
重要な中間体である。
<発明の目的> 本発明者らは、医薬品として有用なイソカルバサイクリ
ン類を合成するのに必要なC4−ブロックである4,4−ジ
スルホニルブタン酸エステル類の合成法を確立すること
を目的として鋭意研究した結果、目的の4,4−ジスルホ
ニルブタン酸エステル類を新規な合成法で得ることに成
功し、本発明に到達したものである。
<発明の構成及び効果> 本発明では、下記式[I] で表わされる4,4−ジスルホニルブタン酸エステル類が
提供される。式[I]においてR1は水素原子またはC1
C4のアルキル基を表わす。かかるC1〜C4のアルキル基と
しては、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基な
どが挙げられるが、これらのうちメチル基が特に好まし
いものとして挙げることができる。
R2はC1〜C5のアルキル基又は、置換もしくは非置換のフ
ェニル基を表わす。C1〜C5のアルキル基としては、メチ
ル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,ペンチル着な
どが挙げられる。置換もしくは非置換のフェニル基とし
ては、フェニル基,p−トルイル基,p−メトキシフェニル
基などが挙げられる。これらのうちフェニル基が特に好
ましいものとして挙げることができる。
本発明により提供される上記式[I]で表わされる4,4
−ジスルホニルブタン酸エステル類の好ましい具体例と
しては、下記に示した化合物を挙げることができる。
(1)4,4−ビス(フェニルスルホニル)−ブタン酸 (2)4,4−ビス(フェニルスルホニル)−ブタン酸メ
チル (3)4,4−ビス(フェニルスルホニル)−ブタン酸エ
チル (4)4,4−ビス(p−トルイルスルホニル)−ブタン
酸 (5)4,4−ビス(p−トルイルスルホニル)−ブタン
酸メチル (6)4,4−ビス(メタンスルホニル)−ブタン酸 (7)4,4−ビス(メタンスルホニル)−ブタン酸メチ
ル しかしながら、これらに限定されるものではない。
上記式[I]で表わされる4,4−ジスルホニルブタン酸
エステル類は、下記式[II] で表わされる4,4−ジチオブタン酸エステル類を酸化剤
と反応せしめ、さらに必要に応じて加水分解反応,エス
テル化反応を行なうことにより製造することができる。
かかる酸化反応は、通常のスルフィドをスルホンに酸化
する反応が応用でき、例えば文献[エス・アール・サン
ドラー,ウォルフ・カロ(S.R.Sandler,W.Caro.),オ
ーガニック・ファンクショナル・グループ・プレパレー
ションズ(Organic Functional Group Preparation
s),アカデミック・プレス・ニューヨーク・アンド・
ロンドン(ACADEMIC PRESS New York and London)1968
年;新実験化学講座,15巻(I−1,I−2),日本化学会
編,丸善(株),1976年]などが参考とされる。
酸化剤としては、過マンガン酸塩,クロム酸,酸化ルテ
ニウムなどの重金属酸化物、または過酸化水素,t−ブチ
ルヒドロペルオキシド,クミルヒドロペルオキシドなど
の過酸化物、または過ギ酸,過酢酸,過安息香酸,m−ク
ロロ過安息香酸,モノ過フタル酸,トリフルオロ過酢酸
などの有機過酸、またはペルオキソ硫酸,ペルオキソ二
硫酸カリウム,ペルオキソ二硫酸アンモニウム,ペルオ
キソ一硫酸カリウムなどの硫黄酸化物が挙げられる。こ
の中で好ましくは過酢酸,m−クロロ過安息香酸などの有
機過酸、およびペルオキソ一硫酸カリウムが用いられ
る。さらに好ましくは、過酸化水素−酢酸−無水酢酸よ
り系内で調製される過酢酸および硫酸カリウム−硫酸水
素カリウムと混合されて安定化されたペルオキソ一硫酸
カリウムが用いられる。これらの試薬は原料に対し1〜
20倍当量程度用いられ、好ましくは2〜5倍当量用いら
れる。反応溶媒は用いる酸化剤によって異なるが、過酢
酸などの過酸を用いる場合には、酢酸などが用いられ、
ペルオキソ一硫酸カリウムを用いる場合には水,メタノ
ールなどが用いられるが、これらに限定されるものでは
ない。反応温度は、用いる酸化剤によって異なるが通常
0〜150℃の範囲であり、好ましくは20〜100℃の範囲で
ある。反応時間は用いる酸化剤,反応溶媒の種類,反応
温度,反応量などによって変化するが、通常1〜24時間
程度であり、実施にあたってはシリカゲル薄層クロマト
グラフィーなどで目的物の生成を確認しながら行なうこ
とが好ましい。かかる酸化反応の工程において、反応条
件によってエステル基の加水分解反応を伴なう場合がお
こり得る。また望むならば、通常の方法に従って加水分
解することもできる。さらにかくして得られる4,4−ジ
スルホニルブタン酸類は望むならば、通常用いられる方
法[例えばティー・ダブリュー・グリーン(T.W.Gree
n),プロテクティブ・グループス・イン・オルガニッ
ク・シンセシス(Protective Groups in Organic Synth
esis),ジョン・ウィリー・アンド・サンズ・ニューヨ
ーク(John Wiley and Sons,New York),1981年参照]
によりエステル化することができる。
原料化合物である下記式[II] [式中、R11,R2は前記定義に同じである。] で表わされる4,4−ジチオブタン酸エステル類は下記式
[III] [式中、R12は前記定義に同じである。] で表わされる3−ホルミルプロパン酸エステル類をチオ
ケタール化することによって得ることができる。かかる
チオケタール化反応は通常用いられる方法[ティー・ダ
ブリュー・グリーン(T.W.Green),プロテグティブ・
グループス・イン・オルガニック・シンセシス(Protec
tive Groups in Organic Synthesis),ジョン・ウィリ
ー・アンド・サンズ,ニューヨーク(John Wiley and S
ons,New York),1981年pp129〜138参照]により行なう
ことができる。例えば濃塩酸,p−トルエンスルホン酸,
硫酸,三フッ化ホウ素などの酸触媒の存在下チオフェノ
ールなどのチオール類を作用させることにより行なうこ
とができる。またさらに過剰の塩化トリメチルシランと
チオール類を作用させることによっても行なうことがで
きる。
反応溶媒は、エーテル,ベンゼン,トルエン,ジクロロ
メタン,クロロホルムなどの非プロトン性溶媒が好まし
いものとして挙げることができる。反応温度は用いる試
薬,溶媒によって異なるが、0〜100℃の範囲が好まし
いものとして挙げることができる。しかしながら、かか
るチオケタール化反応はこれらの方法に限定されるもの
ではない。
出発原料にあたる上記式[III]で表わされる3−ホル
ミルプロパン酸エステル類は既知物質であり、例えば市
販の3−カルボメトキシ−プロピオニルクロライドを文
献の方法[シー・ジー・シェファーら(C.G.Shaefer,et
al)シンセシス(Synthesis),767頁,1976年」に従い還
元することによって容易に得られる。
かくして、工業的に入手容易な3−カルボメトキシ−プ
ロピオニルクロライドより3工程で、前記式[I]で表
わされる4,4−ジスルホニル−ブタン酸エステル類を製
造することができる。
また一方、前記式[I]で表わされる4,4−ジスルホニ
ルブタン酸エステル類は、下記式[V] [式中、R2は前記定義に同じである。] で表わされるジスルホニルメタン類を塩基で処理し、次
いで下記式[VI] [式中、R13は前記定義に同じである。] で表わされるアクリル酸エステル類と反応せしめ、さら
に必要に応じて加水分解反応,エステル化反応を行なう
ことにより製造することができる。かかる反応に用いら
れる塩基としては、水酸化ナトリウム,水酸化カリウ
ム,ナトリウムメトキシド,ナトリウムエトキシド,ナ
トリウムアミド,カリウムアミド,リチウムジイソプロ
ピルアミドなど、当技術分野において通常用いられる塩
基を好ましいものとして挙げることができる。特に好ま
しくは水素化ナトリウムを挙げることができる。反応溶
媒としては、用いる試薬によっても異なるが、水素化ナ
トリウムを用いる場合にはジメチルホルムアミド,シメ
チルスルホキシドなどの極性溶媒が用いられる。
反応温度は用いる試薬,溶媒によっても異なるが−50℃
〜100℃の範囲が好ましいものとして挙げることがで
き、特に好ましくは0〜40℃の範囲を挙げることができ
る。反応時間は、用いる試薬,溶媒,温度によって異な
るが、30分間〜20時間程度であり、実施にあたってはシ
リカゲル薄層クロマトグラフィーなどで目的物の生成を
確認しながら行なうことが好ましい。反応試薬の量につ
いては、前記式[V]で表わされるジスルホニルメタン
類を0.5〜2当量の塩基で処理し、これに0.5〜2当量の
前記式[VI]で表わされるアクリル酸エステル類と反応
させることが好ましい。かくして前記式[I]で表わさ
れる4,4−ジスルホニルブタン酸エステル類が製造され
るが反応条件などはこれらに限定されるものではない。
以上述べたごとく、3−カルボメトキシプロピオニルク
ロライドおよびアクリル酸エステルという工業的に入手
容易な出発原料より2通りの方法により前記式[I]で
表わされる4,4−ジスルホニルブタン酸エステル類を製
造することができる。
以上の方法により製造される前記式[I]で表わされる
4,4−ジスルホニルブタン酸エステル類は、PGI2様活性
例えば血小板凝集抑制作用,血管拡張作用,降圧作用,
細胞保護作用等を有することが期待され、医薬品として
有望視されているイソカルバサイクリンを合成する中間
体として有用な化合物である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
参考例1 4−オキソ−ブタン酸メチルの合成 窒素雰囲気下、2,6−ルチジン(1.07g,10mM)の無水テ
トラヒドロフラン(40ml)溶液に10%パラジウム−炭素
(0.18g)を加え、水素雰囲気下に置換後、激しく撹拌
しながら3−カルボメトキシ−プロピオニルクロライド
(1.51g,10mM)の無水テトラヒドロフラン(10ml)溶液
を室温で、10分間かけて滴下した。室温下3時間撹拌
後、減圧下、溶媒を留去し、残渣にジエチルエーテル
(20ml)とヘキサン(20ml)を加えてよく振りまぜた後
不溶物を別した。液を減圧下濃縮して目的物の4−
オキソブタン酸メチル(0.63g,粗収率43%)を得た。さ
らにこの粗成物は減圧蒸留(125℃/17mmHg)により精製
できた。
このもののスペクトルデータは以下の通りであった。
NMR(CDCl3,δppm); 2.5〜2.9(4H,m),3.69(3H,s),9.81(1H,s). IR(neat,cm-1); 2960,1740,1720,1440,1360,1200,1170. 実施例1 4,4−ビス(フェニルチオ)−ブタン酸メチルの合成 参考例1で得られた4−オキソ−ブタン酸メチル(232m
g)のクロロホルム(4ml)溶液にチオフェノール(441m
g)を加え、次いでトリメチルシリルクロライド(326m
g)のクロロホルム(4ml)溶液を10分間かけてゆっくり
と加えた。反応混合物を室温のまま12時間撹拌した後、
炭酸水素ナトリウムの4%水溶液(10ml)を加え10分間
撹拌し、有機物を塩化メチレンで抽出した。抽出液を炭
酸水素ナトリウム水溶液,飽和食塩水で順次洗浄後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥し、過後濃縮して得られた
残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサ
ン:酢酸エチル=7:1)に付して、目的の4,4−ビス(フ
ェニルチオ)−ブタン酸メチル(333mg,収率52%)を得
た。
このもののスペクトルデータは以下の通り。
NMR(CDCl,δppm) 2.0〜2.3(2H,m),2.5〜2.8(2H,m),3.64(3H,s),4.4
8(1H,t,J=7Hz),7.2〜7.6(10H,m). IR(neat,cm-1) 2950,1735,1580,1480,1430,740,690. 実施例2 4,4−ビス(フェニルスルホニル)−ブタン酸メチルの
合成 実施例1で得られた4,4−ビスフェニルチオ−ブタン酸
メチル(318mg)の酢酸(2ml)溶液に無水酢酸(0.5m
l)を加え0℃に冷却し、35%過酸化水素水(0.6ml)を
ゆっくり滴下した。反応混合物を徐々に昇温し、最終的
に50〜60℃の温度範囲で4時間撹拌した。反応混合物に
水30mlを加え有機物を酢酸エチルで抽出し、抽出液を炭
酸水素ナトリウム水溶液,亜硫酸水素ナトリウム水溶
液,および飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥した。過後、濃縮して得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチ
ル=3:1)に付して、目的の4,4−ビス(フェニルスルホ
ニル)−ブタン酸メチル(276mg,収率72%)を得た。
このもののスペクトルデータは以下の通りであった。
NMR(CDCl3,δppm): 2.3〜2.6(2H,m),2.6〜2.9(2H,m),3.63(3H,s),4.8
3(1H,t,J=6Hz),7.5〜7.8(6H,m),7.8〜8.1(4H,
m). IR(KBr disc,cm-1): 2950,1730,1580,1445,1330,1310,1160,1080,750,730,69
0. 実施例3 4,4−ビス(フェニルスルホニル)−ブタン酸メチルの
合成 実施例1で得られた4,4−ビス(フェニルチオ)−ブタ
ン酸メチル(140mg)のメタノール(10ml)容器にペル
オキソ−硫酸カリウム(OXONE )3gを加え室温で4時
間撹拌した。次いで反応混合物に水(20ml)を加え、酢
酸エチルで有機物を抽出し、抽出液を飽和食塩水で洗
浄、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。過後濃縮し
て、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーに付して目的の4,4−ビス(フェニルスルホニル)−
ブタン酸メチル(119mg,収率70%)を得た。
このもののスペクトルデータは実施例2で得られたもの
と同じであった。
実施例4 4,4−ビス(フェニルスルホニル)−ブタン酸の合成 2フラスコに酢酸(400ml),無水酢酸(200ml),お
よび35%過酸化水素水(200ml)を入れ、60℃の油浴に
つけた。これに実施例1の方法で得られた4,4−ビス
(フェニルチオ)−ブタン酸メチル50gの酢酸(100ml)
溶液をフラスコ内の温度が60〜80℃の範囲内であるよう
に調節しながらゆっくりと滴下した。滴下後油浴の温度
を120℃に上げ、2時間加熱,還流した。反応混合物を
放冷後、3の氷水に注ぎ、析出してきた白色結晶を
取し、目的の4,4−ビス(フェニルスルホニル)−ブタ
ン酸(33g,収率57%)を得た。
このもののスペクトルデータは以下の通りであった。
NMR(CDCl3,δppm) 2.4〜2.6(2H,m),2.8〜3.0(2H,m),4.75(1H,t,J=6H
z),7.4〜8.1(10H,m). IR(KBr,disc,cm-1) 3070,2950,1705,1455,1335,1320,1255,1165,1155,1145,
1080,755,725,685. 実施例5 4,4−ビス(フェニルスルホニル)−ブタン酸メチルの
合成 実施例4で得られた4,4−ビス(フェニルスルホニル)
−ブタン酸(33g)の塩化メチレン(800ml)溶液に、メ
タノール(200ml)および濃硫酸(10ml)を加えて12時
間室温で撹拌した。反応混合物に炭酸水素ナトリウム水
溶液を加えて硫酸を中和し、分液後、水層を塩化メチレ
ンで2回抽出し、有機層を合わせて飽和食塩水で洗浄し
た。無水硫酸マグネシウムで乾燥後、過,濃縮し、得
られた粗製の4,4−ビス(フェニルスルホニル)−ブチ
ル酸メチルを塩化メチレン−ジエチルエーテルより再結
晶して、目的の精製品(31.7g,収率92%)を得た。
このもののスペクトルデータは、実施例2で得たものと
一致した。
実施例6 4,4−ビス(フェニルスルホニル)−ブタン酸の合成 窒素気流下、水素化ナトリウム(60% oil dispersion,
12.0g)を無水ジメチルホルムアミド(200ml)に懸濁さ
せ、これに室温でビス(フェニルスルホニル)メタン
(88.9g)の無水ジメチルホルムアミド(100ml)溶液を
75分間かけてゆっくり加えた。反応容器を氷水浴につけ
て冷却し、これにアクリル酸メチル(31.0g)をゆっく
り滴下した。反応混合物を室温で終夜撹拌した後、2規
定塩酸(500ml)に注ぎ、有機物を酢酸エチルで抽出
し、抽出液を水,飽和食塩水で順次洗浄した。無水硫酸
マグネシウムで乾燥後、過,濃縮し、粗製の4,4−ビ
ス(フェニルスルホニル)−ブタン酸メチル136gを得
た。このものをテトラヒドロフラン(400ml)にとか
し、次いで4規定水酸化リチウム水溶液(250ml)を加
え室温で20時間撹拌した。塩酸を加えて中和した後、目
的物を酢酸エチルで抽出し、水,飽和食塩水で洗浄後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥した。過後濃縮して得ら
れた油状物に酢酸エチルを少量加えて結晶化させ、目的
の4,4−ビス(フェニルスルホニル)ブタン酸(54.0g,
収率49%)を得た。
このもののスペクトルデータは実施例4で得たものと同
じであった。さらに実施例5と同様の方法によりメチル
エステル化したところ、4,4−ビス(フェニルスルホニ
ル)−ブタン酸メチル55.1g(98%)が得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 羽里 篤夫 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社生物医学研究所内 (56)参考文献 「PROBL.POLUCH.POLU PROD.」P.183−186(1967)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式[II] で表わされる4,4−ジチオブタン酸エステル類を酸化剤
    と反応せしめ、さらに必要に応じて加水分解反応,エス
    テル化反応を行なうことを特徴とする、下記式[I] で表わされる4,4−ジスルホニルブタン酸エステル類の
    製造法。
  2. 【請求項2】酸化剤が有機過酸である特許請求の範囲第
    1項記載の4,4−ジスルホニルブタン酸エステル類の製
    造法。
  3. 【請求項3】酸化剤がペルオキソ一硫酸カリウムである
    特許請求の範囲第1項記載の4,4−ジスルホニルブタン
    酸エステル類の製造法。
  4. 【請求項4】下記式[III] [式中、R12はC1〜C4のアルキル基を表わす。] で表わされる3−ホルミル−プロパン酸エステル類に下
    記式[IV] R2SH …[IV] で表わされるチオール類を酸触媒存在下縮合反応せし
    め、下記式[II] で表わされる4,4−ジチオブタン酸エステル類を製造し
    た後、酸化剤と反応させることを特徴とする、下記式
    [I] で表わされる4,4−ジスルホニルブタン酸エステルの製
    造法。
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