JPH0599285A - 常時噛合式変速機 - Google Patents

常時噛合式変速機

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JPH0599285A
JPH0599285A JP3287015A JP28701591A JPH0599285A JP H0599285 A JPH0599285 A JP H0599285A JP 3287015 A JP3287015 A JP 3287015A JP 28701591 A JP28701591 A JP 28701591A JP H0599285 A JPH0599285 A JP H0599285A
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shift
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synchronizing
clutch
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直人 渡辺
Takamichi Shimada
貴通 嶋田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 中間変速段への変速時における同期過程に同
期用作動手段が過度に作動した場合でも、スムーズな変
速が行える常時噛合式変速機を提供する。 【構成】 メインシャフト13およびカウンタシャフト
14間に複数の常時噛合式の変速用ギヤ列51〜56,
61〜66を配設し、それぞれ隣接する変速用ギヤ列に
取り付けられたドグ歯71d〜76dに対して係脱自在
なスリーブ71s,73s,75sを有してなる複数の
ドグ歯クラッチ71,73,75が取り付けられてい
る。また上記複数の変速用ギヤ列のうち最高変速段用ギ
ヤ列56,66および最低変速段用ギヤ列51,61に
隣接して取り付けられた2つの同期機構126,121
が取り付けられている。ただし、各同期機構126,1
21はそれぞれ最高変速段用ドグ歯クラッチ76および
最低変速段用ドグ歯クラッチ71から独立して設けられ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両に用いられるいわ
ゆる常時噛合式変速機、特に、自動変速制御が行われる
ものに関する。
【0002】
【従来の技術】常時噛合式変速機には、メインシャフト
(クラッチにより入力軸に対して接続・遮断される)お
よびカウンタシャフト間に配設された複数の常時噛合式
の変速用ギヤ列が備えられている。また、メインシャフ
トまたはカウンタシャフト上には、隣接する変速用ギヤ
列に(実際には、メインシャフト側のギヤおよびカウン
タシャフト側のギヤのいずれかに)取り付けられたドグ
歯に係脱自在なスリーブを有してなる複数のドグ歯クラ
ッチも備えられている。なお、スリーブがドグ歯に係合
することにより、そのドク歯が取り付けられている変速
用ギヤ列を介してメインシャフトの回転がカウンタシャ
フトに伝達される。そして、このような常時噛合式変速
機は、コンピュータ等からの変速指令に基づいて作動す
るモータ等により駆動されて上記スリーブのいずれかを
選択的に径脱させる変速用作動手段を備えることによ
り、自動変速機として用いられることが多い。
【0003】さらに、このような変速機には、例えば、
特公昭54−28894号公報に開示されているような
同期装置を備えたものがある。このものでは、メインシ
ャフトおよびカウンタシャフトの端部に上記変速用ギヤ
列とは別に同期用ギヤ列を取り付けている。そして、各
変速段への変速時にその同期用ギヤ列の回転をカウンタ
シャフト側において加速または制動することによって、
メインシャフトの回転を増減速し、そのメインシャフト
上に取り付けられたドグ歯クラッチ(スリーブ)の回転
をそれが係合すべきドグ歯の回転に同期させるようにし
ている。
【0004】ただし、そのような同期装置では、変速用
ギヤ列とは別に同期用ギヤ列や同期用クラッチ手段を設
けるため、その変速機の重量増加につながるという問題
がある。そこで、このような問題を解決するために、最
低変速段および最高変速段用のドグ歯クラッチ内にのみ
同期手段、即ち、シンクロメッシュ機構を設けた変速機
(以下便宜上、最低・最高段同期式変速機という)が考
えられている。このものでは、最低変速段および最高変
速段以外の変速段(以下、中間変速段という)への変速
過程において、変速用作動手段により、一旦上記シンク
ロメッシュ機構を備えたドグ歯クラッチ(以下、シンク
ロ付ドグ歯クラッチという)のスリーブを移動させて、
そのスリーブをシンクロメッシュ機構を作用させる同期
位置に移動させるようにする。そして、そのシンクロメ
ッシュ機構の作用により、メインシャフトの回転の増減
速、つまりは変速先の中間変速段用ドグ歯クラッチにお
けるスリーブとドグ歯の回転同期を行わせるのである。
詳しく言えば、低変速段から高変速段への変速時には最
高変速段側のシンクロメッシュ機構が作用してメインシ
ャフトを減速させる。一方、高変速段から低変速段への
変速時には最低変速段側のシンクロメッシュ機構が作用
してメインシャフトを増速させる。これにより、変速用
ギヤ列以外にギヤ列を設けることなく、全変速段への変
速時における回転同期を行うことができる。
【0005】なお、それらシンクロメッシュ機構は、変
速用作動手段とは別に設けられた同期用作動手段により
駆動されることにより作動する。こうすることにより、
同期用作動手段によるシンクロメッシュ機構の駆動中
に、変速用作動手段は目標変速段のスリーブの押動準備
をすることができ、変速用作動手段のみで同期および変
速を行う場合に比べて変速時間を短縮することができ
る。
【0006】こうして回転同期を行った後、変速用作動
手段により、目標変速段用のスリーブをドグ歯に係合さ
せて変速を完了する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、そのよ
うな最低・最高段同期式変速機では、中間変速段への変
速過程における回転同期の際、変速用作動手段が過度に
作動(変速用作動手段中の電動アクチュエータの制御誤
差等により生ずると考えられる)すると、シンクロ付ド
グ歯クラッチのスリーブが、同期位置を超えてそのシン
クロ付ドグ歯クラッチのドグ歯に係合する位置(係合位
置)に達してしまい、上記回転同期つまりは変速制御が
スムーズに行われないおそれがあるという問題がある。
【0008】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであり、中間変速段への変速時において、同期用
作動手段が過度に作動した場合でも、スムーズな変速制
御が行えるようにした常時噛合式変速機を提供すること
を目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の常時噛合式変速機では、最高変速段およ
び最低変速段用ギヤ列に隣接して取り付けられる2つの
同期機構を、最高変速段用および最低変速段用のドグ歯
クラッチから独立に設けられている。なお、それら同期
機構の少なくとも一部を、最高変速段用ギヤ列および最
低変速段用ギヤ列を構成するギヤの内部に配置しても良
い。
【0010】
【作用】このような変速機では、例えば、最高変速段お
よび最低変速段の変速用ギヤ列を挟んで、一方にドグ歯
クラッチを配置し、他方に同期機構を配置する。このよ
うにドグ歯クラッチと同期機構とを別体化することによ
り、中間変速段への変速時において、たとえ同期用作動
手段が過度に作動しても、上記ドグ歯クラッチは何等影
響されることなく非係合状態を維持できる。したがっ
て、前述のような共噛み状態は起こり得ない。また、同
期機構の一部を最高変速段用ギヤ列および最低変速段用
ギヤ列のギヤの内部に配置すれば、同期機構がドグ歯ク
ラッチと別体化されていても、変速機の軸方向寸法はそ
れほど増加しない。
【0011】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について図面
を参照しながら説明する。図1には、本発明に係る常時
噛合式変速機10を示している。この変速機10は、エ
ンジン(図示せず)の出力軸に連結されて回転する入力
軸12を有してなる。入力軸12の右方にはメインクラ
ッチ20が取り付けられている。このメインクラッチ2
0は、入力軸12の右端に一体に取り付けられたフライ
ホール21と、このフライホール21の右端面に対向す
る位置に配置されたプレッシャプレート22とを有して
なる。フライホール21とプレッシャプレート22の間
には、クラッチプレート23が挟まれるように配置され
ている。このクラッチプレート23は、入力軸12の右
方に回転自在(ただし、入力軸12とは独立に回転自在
である)に支持されたメインシャフト13の左端部に取
り付けられている。なお、クラッチプレート23の左右
両端面には、フェーシング(摩擦板)23a,23aが
貼り付けられている。
【0012】また、プレッシャプレート22の右方には
ダイヤフラムスプリング25が配置されている。このダ
イヤフラムスプリング25は、フライホール21の右端
からプレッシャプレート22を覆うように延びるクラッ
チカバー26により支持されている。また、ダイヤフラ
ムスプリング25の中央部右方には、メインシャフト1
3を囲むようにレリーズベアリング27が配置されてい
る。このレリーズベアリング27は、その右方から上方
に延びるレリーズフォーク28の左右揺動(レリーズフ
ォーク28の上下方向中間部に配置された揺動支点29
を中心として行われる)により、左右方向に移動され
る。
【0013】なお、レリーズフォーク28の左右揺動
は、その上方に取り付けられたクラッチ用モータ31の
作動と、ケース11の左端上部およびレリーズフォーク
28の上部間に取り付けられたレリーズ解除バネ35の
引張力とを利用して行われる。即ち、クラッチ用モータ
31の回転軸にはボールネジシャフト32が連結されて
いる。そして、モータ31の作動により回転されるボー
ルネジシャフト32上を右方に移動するボールネジハウ
ジング33がレリーズフォーク28の上端部を右方に押
すことによって、レリーズフォーク28の下端部は左方
に移動される。また、こうして揺動されたレリーズフォ
ーク28の上部がレリーズ解除バネ35に引っ張られて
左方に戻る(このときボールネジハウジング33はボー
ルネジシャフト32を回転させながら左方に戻される)
ことによって、レリーズフォーク28の下端部が右方に
移動されるのである。
【0014】このように構成されたメインクラッチ20
では、クラッチ用モータ31が非作動のときは、プレッ
シャプレート22がダイヤフラムスプリング25により
左方に押圧されて、フライホール21との間にクラッチ
プレート23を挟みつける。これにより、フライホール
21とクラッチプレート23は、フェーシング23aの
表面に生じた強い摩擦力により結合され、フライホール
21の回転(つまりは入力軸12の回転)が,クラッチ
プレート23(つまりはメインシャフト13)に伝達さ
れる。一方、クラッチ用モータ31が作動すると、レリ
ーズフォーク28によってレリーズベアリング27が左
方に移動される。レリーズベアリング27はダイヤフラ
ムスプリング25の中央部付近に当接してここを左方に
押し込み、そのダイヤフラムスプリング25によるプレ
ッシャプレート22の左方押圧を解除させる。これによ
りフライホール21とクラッチプレート23の結合が切
り離され、フライホール21の回転はクラッチプレート
23に伝達されなくなる。
【0015】図1に示すように、メインシャフト13上
には、左から第1速駆動ギヤ51、第2速駆動ギヤ5
2、第3速駆動ギヤ53、第4速駆動ギヤ54、第5速
駆動ギヤ55および第6速駆動ギヤ56が配設されてい
る。なお、第1速駆動ギヤ51および第2速駆動ギヤ5
2はメインシャフト13に一体成形されている。また、
その他の駆動ギヤ53〜56はメインシャフト13に対
して回転自在に取り付けられている。
【0016】メインシャフト13の下方には、それに平
行に延びるカウンタシャフト14が回転自在に支持され
ている。このカウンタシャフト14上には、左からファ
イナル駆動ギヤ41、第1速被動ギヤ61、第2速被動
ギヤ62、第3速被動ギヤ63、第4速被動ギヤ64、
第5速被動ギヤ65および第6速被動ギヤ66が配設さ
れている。なお、第1速被動ギヤ61および第2速被動
ギヤ62はカウンタシャフト14に回転自在に取り付け
られている。また、その他の被動ギヤ63〜66および
ファイナル駆動ギヤ41はカウンタシャフト14に一体
的に取り付けられている。
【0017】ここで、第1速駆動ギヤ51と第1速被動
ギヤ61とは常に噛合して、第1変速段ギヤ列を形成す
る。また、第2速駆動ギヤ52と第2速被動ギヤ63と
も常に噛合して、第2変速段ギヤ列を構成する。以下、
同様に、第3速駆動ギヤ53〜第6速駆動ギヤ56と、
第3速被動ギヤ63〜第6速被動ギヤ66とがそれぞれ
常に噛合して、第3変速段〜第6変速段ギヤ列を形成し
ている。
【0018】さらに、カウンタシャフト14上における
第1速被動ギヤ61と第2速被動ギヤ62との間には、
1−2段変速用ドグ歯クラッチ71が取り付けられてい
る。この1−2段変速用ドグ歯クラッチ71は、カウン
タシャフト14に一体に取り付けられたクラッチハブ
(以下、単にハブという)71hと、各被動ギヤ61,
62に取り付けられたドグ歯71d,72dと、ハブ7
1hに左右に摺動自在にスプライン結合され、自らの内
歯スプラインを摺動先のドグ歯(71dまたは72d)
に対して係脱させることができるスリーブ71sとから
構成される。この1−2段変速用ドグ歯クラッチ71で
は、スリーブ71sが、その外周を挟持する1−2シフ
トフォーク81の移動によりハブ71h上を左右に摺動
されてドグ歯(71dまたは72d)に係合することに
よって、第1速被動ギヤ61または第6速被動ギヤ62
をカウンタシャフト14と一体的に回転させる。このた
め、メインシャフト13の回転は、第1変速段ギヤ列ま
たは第2変速段ギヤ列により減速されながらカウンタシ
ャフト14に伝達される。
【0019】また、メインシャフト13上における第3
速駆動ギヤ53と第4速駆動ギヤ54との間および第5
速駆動ギヤ55と第6速駆動ギヤ56との間にもそれぞ
れ、3−4段変速用ドグ歯クラッチ73、5−6段変速
用ドグ歯クラッチ75が取り付けられている。これらド
グ歯クラッチ73,75は、メインシャフト13に一体
に取り付けられたハブ73h,75hと、各駆動ギヤ5
3〜56に取り付けられたドグ歯73d,74d,75
d,76dと、ハブ73h,75hに左右に摺動自在に
スプライン結合され、それぞれ自らの内歯スプラインを
摺動先のドグ歯に対して係脱させることができるスリー
ブ73s,75sとから構成される。
【0020】3−4段変速用ドグ歯クラッチ73では、
スリーブ73sが、その外周を挟持する3−4シフトフ
ォーク83の移動に伴ってハブ73h上を左右に摺動さ
れ、ドグ歯(73dまたは74d)に係合することによ
り、第3速駆動ギヤ53または第4速駆動ギヤ54をメ
インシャフト13と一体的に回転させる。なお、メイン
シャフト13の回転は、第3変速段ギヤ列により減速さ
れながら、または第4速ギヤ列によりメインシャフト1
3とほぼ等速でカウンタシャフト14に伝達される。一
方、5−6段変速用ドグ歯クラッチ75では、スリーブ
75sが、その外周を挟持する5−6シフトフォーク8
5の移動に伴ってハブ75h上を左右に摺動され、ドグ
歯(75dまたは76d)に係合することにより、第5
速駆動ギヤ55または第6速駆動ギヤ56をメインシャ
フト13と一体的に回転させる。メインシャフト13の
回転は、第5変速段ギヤ列または第6変速段ギヤ列によ
り増速されながらカウンタシャフト14に伝達される。
なお、各ドグ歯クラッチ71,73,75において、い
ずれかのドグ歯に対して係合したスリーブ71s,73
s,75sの位置を係合位置といい、両ドグ歯から離脱
したスリーブ71s,73s,75sの位置を離脱位置
という。また、カウンタシャフト14の回転は、ファイ
ナル駆動ギヤ41およびこれに噛合するファイナル被動
ギヤ42を介してディファレンシャル(図示せず)に伝
達される。
【0021】ここで、上記各シフトフォーク81,8
3,85について図2および図3を併せ用いて説明す
る。図1における上方(実際には、変速機10の側方)
には、図2に示すように、メインシャフト13およびカ
ウンタシャフト14と平行に延びる第1シフトフォーク
シャフト91が配置される。この第1シフトフォークシ
ャフト91上には、3−4シフトフォーク83および5
−6シフトフォーク85がそれぞれ軸方向に摺動自在に
取り付けられている。一方、図1における下方(実際に
は、変速機10の側方)には、図3に示すように、メイ
ンシャフト13およびカウンタシャフト14と平行に延
びる第2シフトフォークシャフト92が配置される。こ
の第2シフトフォークシャフト92上には1−2シフト
フォーク81が軸方向に摺動自在に取り付けられてい
る。
【0022】各シフトフォーク81,83,85からは
それぞれ、先端部にU字形に形成された変速用シフトゲ
ート(1−2シフトゲート101,3−4シフトゲート
103および5−6シフトゲート105)を備えたアー
ム81a,83a,85aが延びている。シフトゲート
101,103,105は、図4に示すように、3−4
シフトゲート103を挟んで下側(図2における手前
側)に1−2シフトゲート101、上側(図2における
奥側)に5−6シフトゲート105というように横並び
に配置されている。なお、各スリーブ71s,73s,
75sが離脱位置に位置したときの各シフトゲート10
1,103,105の位置を中立時ゲート位置という。
また、各スリーブ71s,73s,75sが係合位置に
位置したときの各ゲート101,102,104の位置
を係合時ゲート位置という。
【0023】図2および図4に示すように、各シフトゲ
ート101,103,105のU字溝には、変速用シフ
タ111の先端部が受容される。この変速用シフタ11
1は、各U字溝内を、シフトフォークシャフト91,9
2の軸に直交する方向(以下、セレクト方向)Lに移動
することができる(以下、この方向への移動を、セレク
ト移動という)。また、いずれかのシフタ受容溝に受容
された状態で、シフトフォークシャフト91,92の軸
と平行な方向(以下、シフト方向という)Sに移動する
ことができる(以下、この方向への移動をシフト移動と
いう)。
【0024】このため、セレクト移動していずれかのシ
フトゲートにおけるシフタ受容溝内に受容された変速用
シフタ111は、シフト移動しながらそのシフトゲート
を押動し、そのシフトゲートを中立時ゲート位置と係合
位置との間で移動させることができる。これにより、そ
の移動されたシフトゲートにつながるシフトフォークは
第1シフトフォークシャフト91または第2シフトフォ
ークシャフト92上を摺動される。そして、その移動さ
れたシフトゲートに係るドグ歯クラッチのスリーブが、
移動先のドグ歯に対して係脱移動される。なお、各シフ
トゲートを中立時ゲート位置に位置させるような変速用
シフタ111の位置をシフト中立位置Nという。また、
各シフトゲート上に示した数字(I,II,…,VI)
は各変速段に対応し、例えば、1−2シフトゲート10
1を中立時ゲート位置に対してI側(第1速シフト方
向)に移動させれば第1変速段に変速されることを表す
(ただし、これらの数字は実際に表示されているわけで
はない)。
【0025】次に、上記変速用シフタ111をセレクト
方向およびシフト方向に移動させる変速用作動機構20
0について図2を用いて説明する。この変速用作動機構
200は、セレクト用モータ201およびシフト用モー
タ202を有して構成されている。セレクト用モータ2
01の回転軸には、軸方向に延びるギヤ部211aを備
えたギヤシャフト211が連結されている。そのギヤ部
211aには、変速用シフタ111の上端部に、図の手
前から奥に広がる扇状に連なったギヤ歯111aの一部
が噛合している(図5参照)。一方、シフト用モータ2
02の回転軸にはボールネジシャフト221が連結され
ている。このボールネジシャフト221上には、ボール
ネジハウジング222が取り付けられている。このボー
ルネジハウジング222には、変速用シフタ111の中
間部が取り付けられている。
【0026】このため、セレクト用モータ201が作動
してギヤシャフト211が回転されると、変速用シフタ
111の下端は、ボールネジハウジング222を中心と
して図2における手前方向または奥方向、即ち、セレク
ト方向に移動される。また、シフト用モータ202が作
動してボールネジシャフト221が回転されると、その
シャフト221上をボールネジハウジング222および
変速用シフタ111(の下端)が図2における左右、即
ち、シフト方向に移動する。変速用シフタ111がシフ
ト移動するとき、その上端のギヤ歯111aは、ギヤシ
ャフト211のギヤ部211aに噛合したままそのギヤ
部211a上を左右に摺動する。なお、このように構成
された変速用作動機構200における駆動源たるセレク
ト用モータ201およびシフト用モータ202が、図1
0に示したコントロールユニットCUからの電気信号を
受けて作動することにより、本変速機10における自動
変速制御が行われる。
【0027】ただし、スムーズな自動変速を行うために
は、変速先変速段のギヤ(第1・第2被動ギヤ61,6
2または第3〜第6駆動ギヤ53〜56)に取り付けら
れたドグ歯(71d〜76dのいずれか)と、それに係
合すべきスリーブ(71s,73sまたは75s)の回
転を同期させる必要がある。そこで、本変速機10で
は、図1に示すように、第1被動ギヤ61および第6駆
動ギヤ56に隣接して、2つのシンクロメッシュ機構
(同期機構)121,126を設けている。ただし、こ
れらシンクロメッシュ機構121,126はそれぞれ、
第1被動ギヤ61,第6駆動ギヤ56を挟んで1−2ド
グ歯クラッチ71,5−6ドグ歯クラッチ75とは反対
側に取り付けられている。即ち、両シンクロメッシュ機
構121,126はそれぞれ、1−2ドグ歯クラッチ7
1,5−6ドグ歯クラッチ76から独立して、即ち、そ
れらドグ歯クラッチ71,75とは全くの別機構として
設けられている。
【0028】第1変速段側のシンクロメッシュ機構(以
下、1速側シンクロ機構という)121は、図6に詳し
く示すように、第1速被動ギヤ61の左側面からギヤ幅
の内方にV字を横にしたような形状に形成されたV溝6
1v内に、くさび形断面を有するアウタリング123を
配置して構成されている。なお、アウタリング123の
右端部は、V溝61vの右端部に形成された嵌合溝61
k内に左右(カウンタシャフト14の軸方向)に摺動自
在に嵌入されている。その嵌入によってアウタリング1
23は第1速被動ギヤ61に保持され、これと一体的に
回転する。また、アウタリング123の内径側テーパ面
123aとV溝61vに面する第1速被動ギヤ61の内
径側テーパ面61tとの間には、それら各面123a,
61tに当接寸前の状態でインナリング124が配置さ
れている。第1速被動ギヤ61の左方には、シンクロハ
ブ125がカウンタシャフト14に一体的に取り付けら
れており、インナリング124の左端部はそのシンクロ
ハブ125の外周側に形成された嵌合溝125a内に左
右に摺動自在に嵌入されている。その嵌入によってイン
ナリング124は、シンクロハブ125(つまりはカウ
ンタシャフト14)と一体的に回転する。なお、このよ
うに1速側シンクロ機構121の一部を第1速被動ギヤ
61の内部に配置することにより、本シンクロ機構12
1を1−2ドグ歯クラッチ71と別体として設けるにも
かかわらず、変速機10の軸方向寸法の増加を抑えるこ
とができる。
【0029】このように構成された1速側シンクロ機構
121では、アウタリング123の左側方まで延びる1
速側同期用シフトフォーク131により、そのアウタリ
ング123が第1速被動ギヤ61の内方(右方)に押動
される。すると第1速被動ギヤ61とともに回転するア
ウタリング123の内径側テーパ面123aとカウンタ
シャフト14とともに回転するインナリング124の外
径側テーパ面124a、および第1速被動ギヤ61の内
径側テーパ面61tとインナリング124の内径側テー
パ面124bとがそれぞれ当接し、そこに摩擦が生じ
る。そして、その摩擦力によって、カウンタシャフト1
4の回転速度と第1速被動ギヤ61の回転速度とが接近
される。
【0030】第6変速段側のシンクロメッシュ機構(以
下、6速側シンクロ機構という)126は、図7に詳し
く示すように、第6速駆動ギヤ56の右側面からギヤ幅
の内方に向かってV字を横にしたような形状に形成され
たV溝56v内に、くさび形断面を有するシンクロリン
グ128を配置して構成されている。そのシンクロリン
グ128の外形側テーパ面128aは、V溝56vに面
する第6速駆動ギヤ56の外径側テーパ面56tに当接
寸前の状態で対向している。第6速駆動ギヤ56の右方
には、シンクロハブ129がメインシャフト13に一体
的に取り付けられており、シンクロリング128はその
シンクロハブ129の外周に形成されたスプライン12
9a上に左右(メインシャフト13の軸方向)に摺動自
在に取り付けられている。そのスプライン結合によっ
て、シンクロリング128はシンクロハブ129(つま
りはメインシャフト13)と一体的に回転する。なお、
このように6速側シンクロ機構126の一部を第6速駆
動ギヤ56の内部に配置することにより、上記と同様に
変速機10の軸方向寸法の増加を抑えることができる。
【0031】この6速側シンクロ機構126では、シン
クロリング128の側方まで延びる6速側同期用シフト
フォーク136により、そのシンクロリング128が第
6速駆動ギヤ56の内方(左方)に押動される。すると
シンクロリング128の外径側テーパ面128aと第6
速駆動ギヤ56の外径側テーパ面56tが当接し、そこ
に摩擦が生じる。その摩擦力によって、メインシャフト
13の回転速度と第6速駆動ギヤ56の回転速度とが接
近される。
【0032】ここで、上記1速側同期用シフトフォーク
131は、図3に示すように、第2シフトフォークシャ
フト92上にその軸方向に摺動自在に取り付けられてい
る。また、上記6速側同期用シフトフォーク136は、
図2に示すように、第1シフトフォークシャフト91上
にその軸方向に摺動自在に取り付けられている。そし
て、これら同期用シフトフォーク131,136から
は、図3に示すように、先端部に両シフトフォーク13
1,136共通の同期用シフトゲート150を備える被
動アーム131a,136aが延びている。同期用シフ
トゲート150は、U字形に形成されており、そのU字
溝内に同期用シフタ161を受容している。この同期用
シフタ161は、同期用シフトゲート150を図3にお
ける左右に移動させるよう、枢着ピン162を中心とし
て左右に揺動する。
【0033】そして、この同期用シフタ161は、図3
に示す同期用作動機構300によって移動される。この
同期用作動機構300は、同期用シフタ161における
枢着ピン162回りの部分から横(左)方向に延びるア
ーム部163の左端部に設けられたシフト用被動ギヤ3
01を有してなる。この同期シフト用被動ギヤ301
は、図の上下方向に扇形に広がって形成されている。こ
の同期シフト用被動ギヤ301には、同期用モータ30
2の回転軸に取り付けられた同期シフト用駆動ギヤ30
3が噛合している。このように構成された同期用作動機
構300では、同期用モータ302が作動すると、同期
シフト用駆動ギヤ303および同期シフト用被動ギヤ3
01を介してアーム部163が枢着ピン162を中心と
して上下に揺動される。このため、アーム部163と一
体成形された同期用シフタ161は、枢着ピン162を
中心として左右に揺動される。
【0034】なお、1速側同期用シフトフォーク131
における第2シフトフォークシャフト92への取付部に
は、ボールディテント機構140が内設されている。こ
のボールディテント機構140は、ボール141と、こ
のボール141を第2シフトフォークシャフト92に押
し付けるよう付勢するバネ142とからなる。第2シフ
トフォークシャフト92におけるボール141との当接
部分には谷状のくぼみ92aが形成されている。このた
め、1速側同期用シフトフォーク131が第2シフトフ
ォークシャフト92上を摺動すると、バネ142により
付勢されたボール141とくぼみ92aの斜面との当接
により、1速側同期用シフトフォーク131には第2シ
フトフォークシャフト92に対して摺動前と同位置に戻
される方向に力が作用する。このボールディテント機構
140による復帰作用により、同期用モータ302の非
作動時において、同期用シフタ161は、同期用シフト
ゲート150とともに両シンクロ機構121,126を
作用させない位置、即ち、同期中立位置nに位置決めさ
れる。
【0035】以上のように構成された変速機10では、
各モータ201,202,302が図8に示したフロー
チャートに従って制御される。ステップS1では、現行
変速段のギヤ列の減速比のほか、図10に示すように、
エンジンEの回転数Ne、アクセルACの開度θacお
よびスロットルTHの開度θthを読み込み、これらの
条件(走行状態)に基づいて目標変速段を設定する。
【0036】ステップS2では、メインクラッチ20を
オフにするために、図10に示すように、クラッチ用モ
ータ31にクラッチ作動指令Cm(cl)を送出しこれ
を作動させる。ステップS3では、メインクラッチ20
が確実にオフになったか否かを判断する。その判断は、
図2に示すように、メインクラッチ20の近くに取り付
けられたクラッチセンサ(ストロークセンサ)38から
の検出信号に基づいて行われる。クラッチセンサ38は
レリーズフォーク28の上部右端に向かって延びるスト
ローク検出用ロッド38aを有してなる。クラッチ用モ
ータ31の作動によりレリーズフォーク28の上部が右
方に移動してメインクラッチ20がオフになると、レリ
ーズフォーク28の上部がストローク検出用ロッド38
aの先端に当接しながらそれを右方に押し込む。これに
より、クラッチセンサ38から検出信号が出力される。
メインクラッチ20がオフになったと判断した(「YE
S」)ときはステップS4に進み、まだオフになってい
ないと判断した(「NO」)ときは一旦フローを終了し
て(END)、例えば、ステップS2で立てられるフラ
グの検出(図示せず)によって直接、直上のステップS
2に戻る。なお、このようなフラグの検出を通じた直上
ステップ(ないしその前のステップ)への戻りは、以下
のステップS5,S9,S10およびS13において
「NO」側に進んだ場合にも行われる。
【0037】ステップS4では、いずれかのシフトゲー
ト(101,102,104)を移動させている変速用
シフタ111を、そのシフトゲートとともにシフト中立
位置Nに戻すべく、図10に示すように、シフト用モー
タ202にシフト作動指令Cm(sf)を送出しこれを
作動させる。ステップS5では、変速用シフタ111が
確実にシフト中立位置Nに位置しているか否かを判断す
る。その判断は、セレクト用モータ201やシフト用モ
ータ202の回転角を検出すべくそれらモータ201,
202に内蔵されたエンコーダ(図示せず)から出力さ
れるセレクト位置検出信号Slpおよびシフト位置検出
信号Sfpに基づいて行われる。シフト中立位置Nに位
置していると判断したときはステップS6に進み、位置
していないと判断したときはステップS4に戻る。
【0038】ステップS6では、ステップS1において
設定された目標変速段が、現行変速段に対して高変速段
か否(低変速段)かを判断する。高変速段であるとき、
即ち、シフトアップを行うべきときはステップS71に
進み、低変速段であるとき、即ち、シフトダウンを行う
べきときはステップS72に進む。ステップS71で
は、6速側シンクロ機構126を作用させるため、同期
用シフタ161を移動させるよう同期用モータ302
に、同期作動指令Cm(sy)を送出しこれを作動させ
る。ステップS72では、1速側シンクロ機構121を
作用させるため、同期用シフタ161を移動させるよう
同期用モータ302を作動させる。
【0039】ステップS8では、変速用シフタ111を
目標変速段に対応するシフトゲート(以下、目標シフト
ゲートという)上にセレクト移動させるようセレクト用
モータ201にセレクト作動指令Cm(sl)を送出し
これを作動させる。
【0040】ステップS9では、変速用シフタ111が
目標シフトゲート上に確実に位置したか否かを判断す
る。目標シフトゲート上に位置したと判断したときはス
テップS10に進み、まだ位置していないと判断したと
きはステップS8に戻る。次に、ステップS10では、
各シンクロ機構121,126の作用によって、メイン
シャフト13の回転数Nmまたはカウンタシャフト14
の回転数Ncが、目標変速段のドグ歯の回転数に一致し
たか否かを判断する。なお、メインシャフト13の回転
数Nmは、図1および図10に示すように、第2速駆動
ギヤ52の上方に近接して配置されたメイン回転センサ
17により検出し、カウンタシャフト14の回転数Nc
は、第5速駆動ギヤ55の上方に近接して取り付けられ
たカウンタ回転センサ18により検出される。一致した
と判断したときはステップS11に進み、不一致である
と判断したときはもとのステップ(ステップS71また
はステップS72)に戻る。
【0041】ステップS11では、同期用モータ302
の作動を解除すべく同期作動指令Cm(sy)の出力を
停止する。同期用シフタ161はボールディテント機構
140の作用によって自動的に同期中立位置nに戻る。
【0042】ステップS12では、変速用シフタ111
を目標変速段に対応するシフト方向(以下、目標シフト
方向という)にシフト移動させるようシフト用モータ2
01を作動させる。そして、ステップS13では、変速
用シフタ111が目標シフト方向に確実に移動したか否
かを判断する。目標シフト方向に移動し終わったと判断
したときはステップS14に進み、まだ移動し終えてい
ないと判断したときはステップS12に戻る。
【0043】ステップS14では、メインクラッチ20
をオンにするため、クラッチ用モータ31に送出されて
いたクラッチ作動指令Cm(cl)の出力を停止して、
クラッチ用モータ31の作動を解除する。
【0044】このようなフローチャートに従って行われ
る、第1速(低変速段)から第2速(高変速段)への変
速作動について、図9を併せ用いて時間を追いながら説
明する。まず、変速制御コントローラにおいて変速指令
が出されるとともに目標変速段(第2速)が設定される
と(ステップS1)、メインクラッチ20がオフにさ
れ、メインシャフト13に対する入力軸12からの回転
入力がなくなる(ステップS2)。このため、メインシ
ャフト13は、1−2ドグ歯クラッチ71と係合状態に
ある第1変速段ギヤ列(51,61)を介して、メイン
シャフト13よりも低速で回転するカウンタシャフト1
4により回転駆動されることになる。なお、カウンタシ
ャフト14と一体回転する第6速被動ギヤ66に駆動さ
れることとなる第6速駆動ギヤ56の回転は、メインシ
ャフト13の回転よりも遅い。また、メイシシャフト1
3と一体回転する第2速駆動ギヤ52に駆動されること
となる第2速被動ギヤ62の回転は、カウンタシャフト
14の回転より速い。
【0045】その後、変速用シフタ111がシフト中立
位置Nに戻される(ステップS4)ため、1−2ドグ歯
クラッチ71のスリーブ71sと第1速被動ギヤ61側
のドグ歯71dとの係合が解かれる。これとともに同期
用シフタ161は6速側へ移動される(ステップS7
1)。このため6速側シンクロ機構126が作用して、
第6速駆動ギヤ56によるメインシャフト13の回転の
減速、つまりは第2速被動ギヤ62の回転の減速が行わ
れる。こうして、カウンタシャフト14ひいてはこのカ
ウンタシャフト14と一体回転する1−2ドグ歯クラッ
チ71(スリーブ71s)の回転と、第2速被動ギヤ6
2に取り付けられたドグ歯72dの回転とが等速となる
(ステップS10)。なお、制御誤差等により同期用モ
ータ302が適正な作動量を超えて作動してしまって
も、5−6ドグ歯クラッチ75には何等影響を及ぼすこ
とがない。したがって、5−6ドグ歯クラッチ75は離
脱状態に維持される。また、変速用シフタ111のシフ
ト中立位置Nへの戻しと、同期用シフタ161の6速側
への移動とを同時に行うことにより、それらを一つずつ
移動させる場合よりも変速時間を短縮することができ
る。
【0046】そして、同期用シフタ161が同期中立位
置nへ戻される(ステップS11)とともに、変速用シ
フタ111が1−2シフトゲート101を第2速シフト
方向IIに移動させる(ステップS12)。これによ
り、スリーブ71sはドグ歯72dに係合する。その
後、メインクラッチ20がオンにされて(ステップS1
4)、この変速が完了する。
【0047】次に、第6速(高変速段)から第5速(低
変速段)への変速作動について説明する。まず、目標変
速段(第5速)が設定されると(ステップS1)、メイ
ンクラッチ20がオフにされる(ステップS2)。この
ため、メインシャフト13は、5−6ドグ歯クラッチ7
5と係合状態にある第6変速段ギヤ列(56,66)を
介して、メインシャフト13より高速で回転するカウン
タシャフト14により回転駆動されることになる。な
お、メインシャフト13と一体回転する第1速駆動ギヤ
51に駆動されることとなる第1速被動ギヤ61の回転
は、カウンタシャフト14の回転より遅い。また、カウ
ンタシャフト14と一体回転する第5速被動ギヤ65に
駆動されることとなる第5速駆動ギヤ55の回転は、メ
インシャフト13の回転より速い。
【0048】その後、変速用シフタ111がシフト中立
位置Nに戻される(ステップS4)とともに、同期用シ
フタ161が1速側へ移動される(ステップS72)。
このため、1速側シンクロ機構121が作用して、カウ
ンタシャフト14による第1速被動ギヤ61の回転の増
速、つまりは第1速駆動ギヤ51およびメインシャフト
13の回転の増速が行われる。これにより、メインシャ
フト13と一体に回転する5−6ドグ歯クラッチ75の
回転と第5速駆動ギヤ55に取り付けられたドグ歯75
dの回転とが等速となる(ステップS11)。なお、制
御誤差等により、同期用モータ302が適正な作動量を
超えて作動してしまっても、1−2ドグ歯クラッチ71
は離脱状態に維持される。
【0049】以下、同期用シフタ161が同期中立位置
nに戻されるるとともに、変速用シフタ111が4−5
シフトゲート105を第5速シフト方向Vに移動させる
(ステップS12)。こうして、スリーブ75sがドグ
歯75dに係合し、メインクラッチ20がオンにされて
(ステップS14)、この変速が完了する。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明の常時噛合式変速機
では、最高変速段用および最低変速段用ドグ歯クラッチ
に隣接して設けられる2つの同期機構を、それらドグ歯
クラッチから独立して、即ち、それらドグ歯クラッチと
は別体として設けている。このため、中間変速段への変
速時において同期用作動手段が過度に作動しても、最高
変速段用および最低変速段用ドグ歯クラッチは何等影響
されることなく非係合状態を維持することができる。し
たがって、従来のように中間変速段の変速用ギヤ列に隣
接するドグ歯クラッチと、上記最高変速段用または最低
変速段用ドグ歯クラッチとが同時に係合状態となる事態
を確実に回避することができる。即ち、本常時噛合式変
速機を用いれば、スムーズな変速制御を行うことがで
き、また、変速機を保護することができる。さらに、両
同期機構の少なくとも一部を、最高変速段用のギヤおよ
び最低変速段用のギヤの内部に納めることにより、同期
機構を最高変速段用および最低変速段用ドグ歯クラッチ
と別体としたにもかかわらず、変速機の軸方向寸法の増
加を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る常時噛合式変速機の概略図であ
る。
【図2】上記常時噛合式変速機における変速用作動機構
の側面図である。
【図3】上記常時噛合式変速機における同期用作動機構
の側面図である。
【図4】上記常時噛合式変速機におけるシフトゲート配
置を示す平面図である。
【図5】上記変速用作動機構および同期用作動機構の背
面図である。
【図6】上記常時噛合式変速機における同期機構の拡大
図である。
【図7】上記常時噛合式変速機における同期機構の拡大
図である。
【図8】上記常時噛合式変速機の変速制御用フローチャ
ート図である。
【図9】上記常時噛合式変速機における変速用作動機構
と同期用作動機構の経時作動状態を示すグラフ図であ
る。
【図10】上記常時噛合式変速機のシステム図である。
【符号の説明】
13 メインシャフト 14 カウンタシャフト 20 メインクラッチ 51〜56 駆動ギヤ 61〜66 被動ギヤ 71,73,75 ドグ歯クラッチ 101,103,105 変速用シフトゲート 111 変速用シフタ 121,126 シンクロメッシュ機構 150 同期用シフトゲート 161 同期用シフタ 201 セレクト用モータ 202 シフト用モータ 302 同期用モータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メインシャフトおよびカウンタシャフト
    間に配設された複数の常時噛合式の変速用ギヤ列と、前
    記メインシャフトまたは前記カウンタシャフト上に取り
    付けられ、それぞれ隣接する前記変速用ギヤ列に取り付
    けられたドグ歯に対して係脱自在なスリーブを有してな
    る複数のドグ歯クラッチと、これら複数のドグ歯クラッ
    チにおける前記スリーブのうちのいずれかを選択的に係
    脱させる変速用作動手段と、前記メインシャフトまたは
    前記カウンタシャフト上に、前記複数の変速用ギヤ列の
    うち最高変速段用ギヤ列および最低変速段用ギヤ列に隣
    接して取り付けられた2つの同期機構と、これら同期機
    構を作用させる同期用作動手段とからなり、 前記各同期機構は、前記最高変速段用および前記最低変
    速段用の前記ドグ歯クラッチから独立して設けられてい
    ることを特徴とする常時噛合式変速機。
  2. 【請求項2】前記各同期機構のうち少なくとも一部は、
    前記最高変速段用ギヤ列および前記最低変速段用ギヤ列
    を構成するギヤの内部に配置されていることを特徴とす
    る常時噛合式変速機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001336631A (ja) * 2000-05-30 2001-12-07 Aisin Ai Co Ltd 自動変速装置の制御装置
JP2009275796A (ja) * 2008-05-14 2009-11-26 Aisin Ai Co Ltd 変速機
JP2014185757A (ja) * 2013-03-25 2014-10-02 Aisin Seiki Co Ltd シフトディテント装置

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